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技術 動植物プランクトンの無菌化方法及び当該無菌化方法を用いたワムシの培養方法

出願人 国立研究開発法人科学技術振興機構長崎県
発明者 菅向志郎小林信之萩原篤志阪倉良孝
出願日 2003年11月12日 (16年4ヶ月経過) 出願番号 2003-382155
公開日 2005年6月9日 (14年9ヶ月経過) 公開番号 2005-143329
状態 未登録
技術分野 養殖
主要キーワード 人口海水 無菌レベル 動植物プランクトン 無菌化処理 無菌検査 プランクトンネット 逆性石鹸 貢献度
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2005年6月9日)のものです。
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課題

本発明は、海洋性,上性の如何を問わず、飼育段階において発生し得る細菌を効率的に除去し高い無菌状態を付与する無菌化方法、及びこれを用いたワムシ培養方法を提供することにある。

解決手段

本発明の動植物プランクトンの無菌化方法は、次亜塩素酸ナトリウムメルチオレートグルタールアルデヒド過酸化水素塩化ベンザルコニウム逆性石鹸)からなる群から選択される少なくとも1種により処理した後、作用機序の異なる複数の抗生物質により処理することを特徴とする。また、本発明のワムシの培養方法は、上記本発明の無菌化方法を使用して、無菌ワムシを培養するワムシの培養方法であって、ワムシ耐久卵を次亜塩素酸ナトリウム、メルチオレート、グルタールアルデヒド、過酸化水素、塩化ベンザルコニウム(逆性石鹸)からなる群から選択される少なくとも1種により洗浄し、当該次亜塩素酸ナトリウムなどを除去し、次いで、耐久卵ふ化させ、前記作用機序の異なる複数の抗生物質の存在下、培養することを特徴とする。

概要

背景

動植物プランクトン無菌化に関しては、種々の方法が報告されている。例えば,無菌化処理として、次亜塩素酸ナトリウムグルタールアルデヒド単独処理、次亜塩素酸ナトリウムと抗生物質混合液を用いた処理方法が知られている。

これらの方法で調製した培養液無菌検査には、マリーン寒天培地やその類似の培地1種類のみで行なっている。

また、AM9と呼ばれる抗生物質混合液(ストレプトマイシンペニシリンG硫酸ポリミキシンBテトラサイクリンクロラムフェニコールネオマイシン)を用いて、動物プランクトンであるTigriopusを無菌化する方法が知られている(著者:Provasoli et al、題名:Axenic Cultivation of the Brine Shrimp Artemia salina.雑誌名:Annals of the New York Academy of Sciences 77(2), p250-261 (1959))。

また、抗生物質混合液(AM9)を用いて無菌ワムシを調製する方法が知られている。これは、無菌ワムシを用いてを用いて8種の藻類のワムシ増殖に対する影響を調べるものである(著者:Kazutsugu HIRAYAMA et al.題名:Nutritional Effect of Eight Species of Marine Phytoplankton on Population Growth of the Rotifer, Brachionus plicatilis.雑誌名:Bulletin of the Japanese Society of Scientific Fisheries 45(1), p11-16 (1979))

また、ワムシの耐久卵を、次亜塩素酸ナトリウム処理により無菌化するために
その濃度と処理時間を最適化し、耐久卵の孵化率が良く、かつ、無菌化する
ための条件を規定した無菌培養が知られている(著者:Philippe Douillet
題名:Disinfection of rotifer cysts leading to bacteria-free populations.
雑誌名:Journal of Experimental Marine Biology and Ecology
224, p183-192 (1998))。

また、ワムシの耐久卵を、メルチオレート、グルタールアルデヒド処理により無菌化するためその濃度と処理時間を検討し、ワムシを無菌化した後、種々の細菌を添加し、ワムシの培養に対する影響を調べた文献が知られている(著者:Rombaut G., et al.題名:Selection of bacteria enhancing the growth rate of axenically hatched rotifers (Brachionus plicatilis).雑誌名:Aquaculture
176, p195-207 (1999))。
著者Provasoli et al 題名:Axenic Cultivation of the Brine Shrimp Artemia salina.雑誌名:Annals of the New York Academy of Sciences 77(2), p250-261 (1959)
著者:Kazutsugu HIRAYAMA et al.題名:Nutritional Effect of Eight Species of Marine Phytoplankton on Population Growth of the Rotifer, Brachionus plicatilis.雑誌名:Bulletin of the Japanese Society of Scientific Fisheries 45(1), p11-16 (1979)
著者:Philippe Douillet題名:Disinfection of rotifer cysts leading to bacteria-free populations.雑誌名:Journal of Experimental Marine Biology and Ecology 224, p183-192 (1998)
著者:Rombaut G., et al.題名:Selection of bacteria enhancing the growth rate of axenically hatched rotifers (Brachionus plicatilis).雑誌名:Aquaculture 176, p195-207 (1999)

概要

本発明は、海洋性,上性の如何を問わず、飼育段階において発生し得る細菌を効率的に除去し高い無菌状態を付与する無菌化方法、及びこれを用いたワムシの培養方法を提供することにある。本発明の動植物プランクトンの無菌化方法は、次亜塩素酸ナトリウム、メルチオレート、グルタールアルデヒド、過酸化水素塩化ベンザルコニウム逆性石鹸)からなる群から選択される少なくとも1種により処理した後、作用機序の異なる複数の抗生物質により処理することを特徴とする。また、本発明のワムシの培養方法は、上記本発明の無菌化方法を使用して、無菌ワムシを培養するワムシの培養方法であって、ワムシ耐久卵を次亜塩素酸ナトリウム、メルチオレート、グルタールアルデヒド、過酸化水素、塩化ベンザルコニウム(逆性石鹸)からなる群から選択される少なくとも1種により洗浄し、当該次亜塩素酸ナトリウムなどを除去し、次いで、耐久卵をふ化させ、前記作用機序の異なる複数の抗生物質の存在下、培養することを特徴とする。なし

目的

そこで、本発明は、海洋性のみならず、土壌、水系、空気中等に存在し、飼育段階において発生し得る細菌を効率的に除去し高い無菌状態を付与する無菌化方法、及びこれを用いたワムシの培養方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

次亜塩素酸ナトリウムメルチオレートグルタールアルデヒド過酸化水素塩化ベンザルコニウム逆性石鹸)からなる群から選択される少なくとも1種により処理した後、作用機序の異なる複数の抗生物質により処理することを特徴とする動植物プランクトン無菌化方法

請求項2

前記作用機序の異なる複数の抗生物質が、アンピシリンカナマイシンナリジクス酸ストレプトマイシンからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1記載の方法。

請求項3

前記抗生物質の各抗生物質の濃度が、それぞれ10〜150μg/mlである請求項1又2項に記載の方法。

請求項4

請求項1〜3項に記載の無菌化方法を使用して、無菌ワムシを培養するワムシの培養方法であって、ワムシ耐久卵を次亜塩素酸ナトリウム、メルチオレート、グルタールアルデヒド、過酸化水素、塩化ベンザルコニウム(逆性石鹸)からなる群から選択される少なくとも1種の処理剤により洗浄し、当該処理剤を除去し、次いで、耐久卵ふ化させ、前記作用機序の異なる複数の抗生物質の存在下、培養することを特徴とするワムシの培養方法

請求項5

前記次亜塩素酸ナトリウムの濃度が、0.1〜1%である請求項4記載の方法。

請求項6

前記次亜塩素酸ナトリウムでの洗浄時間が、1分〜10分である請求項4記載の方法。

請求項7

前記処理剤による洗浄後、滅菌人口海水によりさらに洗浄し、当該処理剤を除去する請求項4〜6項のいずれか1項に記載の方法。

請求項8

前記処理剤を除去後、耐久卵をふ化させる請求項4〜7項のいずれか1項に記載の方法。

請求項9

前記作用機序の異なる複数の抗生物質が、アンピシリン、カナマイシン、ナリジクス酸、ストレプトマイシンからなる群から選択される少なくとも1種である請求項4記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、動植物プランクトン無菌化方法,および当該無菌化方法を用いたワムシ培養方法に関し、特に、特定抗生物質を用いた動植物プランクトンの無菌化方法,および当該無菌化方法を用いたワムシの培養方法に関する。

背景技術

0002

動植物プランクトンの無菌化に関しては、種々の方法が報告されている。例えば,無菌化処理として、次亜塩素酸ナトリウムグルタールアルデヒド単独処理、次亜塩素酸ナトリウムと抗生物質混合液を用いた処理方法が知られている。

0003

これらの方法で調製した培養液無菌検査には、マリーン寒天培地やその類似の培地1種類のみで行なっている。

0004

また、AM9と呼ばれる抗生物質混合液(ストレプトマイシンペニシリンG硫酸ポリミキシンBテトラサイクリンクロラムフェニコールネオマイシン)を用いて、動物プランクトンであるTigriopusを無菌化する方法が知られている(著者:Provasoli et al、題名:Axenic Cultivation of the Brine Shrimp Artemia salina.雑誌名:Annals of the New York Academy of Sciences 77(2), p250-261 (1959))。

0005

また、抗生物質混合液(AM9)を用いて無菌ワムシを調製する方法が知られている。これは、無菌ワムシを用いてを用いて8種の藻類のワムシ増殖に対する影響を調べるものである(著者:Kazutsugu HIRAYAMA et al.題名:Nutritional Effect of Eight Species of Marine Phytoplankton on Population Growth of the Rotifer, Brachionus plicatilis.雑誌名:Bulletin of the Japanese Society of Scientific Fisheries 45(1), p11-16 (1979))

0006

また、ワムシの耐久卵を、次亜塩素酸ナトリウム処理により無菌化するために
その濃度と処理時間を最適化し、耐久卵の孵化率が良く、かつ、無菌化する
ための条件を規定した無菌培養が知られている(著者:Philippe Douillet
題名:Disinfection of rotifer cysts leading to bacteria-free populations.
雑誌名:Journal of Experimental Marine Biology and Ecology
224, p183-192 (1998))。

0007

また、ワムシの耐久卵を、メルチオレート、グルタールアルデヒド処理により無菌化するためその濃度と処理時間を検討し、ワムシを無菌化した後、種々の細菌を添加し、ワムシの培養に対する影響を調べた文献が知られている(著者:Rombaut G., et al.題名:Selection of bacteria enhancing the growth rate of axenically hatched rotifers (Brachionus plicatilis).雑誌名:Aquaculture
176, p195-207 (1999))。
著者Provasoli et al 題名:Axenic Cultivation of the Brine Shrimp Artemia salina.雑誌名:Annals of the New York Academy of Sciences 77(2), p250-261 (1959)
著者:Kazutsugu HIRAYAMA et al.題名:Nutritional Effect of Eight Species of Marine Phytoplankton on Population Growth of the Rotifer, Brachionus plicatilis.雑誌名:Bulletin of the Japanese Society of Scientific Fisheries 45(1), p11-16 (1979)
著者:Philippe Douillet題名:Disinfection of rotifer cysts leading to bacteria-free populations.雑誌名:Journal of Experimental Marine Biology and Ecology 224, p183-192 (1998)
著者:Rombaut G., et al.題名:Selection of bacteria enhancing the growth rate of axenically hatched rotifers (Brachionus plicatilis).雑誌名:Aquaculture 176, p195-207 (1999)

発明が解決しようとする課題

0008

しかしながら、上記従来の無菌化方法によれば、実験室で培養時に混入する可能性がある細菌や菌類は、海洋性の細菌だけではないため、海洋性検査培地のみの無菌化レベルでしかない。

0009

また、上記従来の無菌化方法によれば、用いる抗生物質にも問題があった。すなわち、抗生物質混合液中にクロラムフェニコールが含まれており、当該抗生物質が、ワムシなどの仔魚プランクトン産卵ふ化に悪影響を及ぼすという問題がある。

0010

また、上述の抗生物質混合液(AM9)を用いて無菌ワムシを調製する方法では、ワムシに悪影響を及ぼす抗生物質(クロラムフェニコール)を使用しており、かつ、細菌検査に1種類の検査培地しか用いていないので、無菌化の確認が不十分であるという問題を有する。

0011

また、上述の無菌化条件を検討した例、処理濃度、処理時間を検討した例によれば、細菌検査に1種類の検査培地しか用いていないことから、やはり無菌化の確認が不十分であるという問題を有する。

0012

したがって、海洋性のみならず、土壌、水系、空気中等に存在する細菌類をも死滅させより完全な無菌化状態の動植物プランクトンの無菌化方法が要望されるが、当該方法はこれまで知られていない。

0013

そこで、本発明は、海洋性のみならず、土壌、水系、空気中等に存在し、飼育段階において発生し得る細菌を効率的に除去し高い無菌状態を付与する無菌化方法、及びこれを用いたワムシの培養方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0014

上記目的を達成するために、発明者らは、無菌レベルを向上させるべく、海洋上の細菌のみならず、実験室等上で混入可能な細菌についても検討を行った結果、本発明の動植物プランクトンの無菌化方法、及び当該無菌化方法を用いたワムシの培養方法を見出すに至った。

0015

本発明の動植物プランクトンの無菌化方法は、次亜塩素酸ナトリウム、メルチオレート、グルタールアルデヒド、過酸化水素塩化ベンザルコニウム逆性石鹸)からなる群から選択される少なくとも1種により処理した後、作用機序の異なる複数の抗生物質により処理することを特徴とする。

0016

また、本発明の動植物プランクトンの無菌化方法の好ましい実施態様において、前記作用機序の異なる複数の抗生物質が、アンピシリンカナマイシンナリジクス酸、ストレプトマイシンからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする。

0017

また、本発明の動植物プランクトンの無菌化方法の好ましい実施態様において、前記抗生物質の各抗生物質の濃度が、それぞれ10〜150μg/mlであることを特徴とする。

0018

また、本発明のワムシの培養方法は、上記本発明の無菌化方法を使用して、無菌ワムシを培養するワムシの培養方法であって、ワムシ耐久卵を次亜塩素酸ナトリウム、メルチオレート、グルタールアルデヒド、過酸化水素、塩化ベンザルコニウム(逆性石鹸)からなる群から選択される少なくとも1種の処理剤により洗浄し、当該次亜塩素酸ナトリウムなどを除去し、次いで、耐久卵をふ化させ、前記作用機序の異なる複数の抗生物質の存在下、培養することを特徴とする。

0019

また、本発明のワムシの培養方法の好ましい実施態様において、前記処理剤の濃度が、0.1〜1%であることを特徴とする。

0020

また、本発明のワムシの培養方法の好ましい実施態様において、前記処理剤での洗浄時間が、1分〜10分であることを特徴とする。

0021

また、本発明のワムシの培養方法の好ましい実施態様において、前記処理剤で洗浄後、滅菌人口海水によりさらに洗浄し、当該次亜塩素酸ナトリウムを除去することを特徴とする。

0022

また、本発明のワムシの培養方法の好ましい実施態様において、前記処理剤を除去後、耐久卵をふ化させることを特徴とする。

0023

また、本発明のワムシの培養方法の好ましい実施態様において、前記作用機序の異なる複数の抗生物質が、アンピシリン、カナマイシン、ナリジクス酸、ストレプトマイシンからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする。

発明の効果

0024

本発明の無菌化方法によれば、仔魚用プランクトンの培養に最適な無菌化状態を提供することが可能であるという有利な効果を奏する。

0025

また、本発明の無菌化方法を用いたワムシの培養方法によれば、混在する菌相の影響を受けないため、ワムシ用の資料評価、ワムシの栄養要求性試験、ワムシ遺伝子解析等において高い再現性を有する基礎的知見を得ることが可能であるというという有利な効果を奏する。

0026

また、本発明の無菌化方法を用いたワムシの培養法によれば、ワムシ培養において、外的要因を排除したデータが得られ,ワムシ培養に悪影響を与える因子などの解析により、安定したワムシ培養に必要な条件を見出すことができるという有利な効果を奏する。

発明を実施するための最良の形態

0027

本発明の動植物プランクトンの無菌化方法では、まず、次亜塩素酸ナトリウム、メルチオレート、グルタールアルデヒド、過酸化水素、塩化ベンザルコニウム(逆性石鹸)からなる群から選択される少なくとも1種により処理する。これらの処理は、耐久卵を含め動植物プランクトンに付着、もしくは混在している菌類、細菌類に対して効果的に当該動植物プランクトンの無菌化を達成する観点から採用するものである。係る処理によって、かび類、酵母類を死滅されることが可能である。ここでは、上記処理を特に例示しているが、かび類、酵母類を死滅させることが十分であり、かつ、耐久卵を含め動植物プランクトンが死滅しないような化学薬品であれば、他に使用可能であり、特に限定されるものではない。

0028

さらに、本発明においては、上記処理後、作用機序の異なる複数の抗生物質により処理する。これは、前記処理剤では細菌類を完全に死滅させることができず、さらに、その後に混入してくると予想される土壌、水系、空気中等に存在する細菌類について対処しようと試みた結果、作用機序の異なる複数の抗生物質を採用するに至ったものである。

0029

このような作用機序の異なる複数の抗生物質としては、アンピシリン、カナマイシン、ナリジクス酸、ストレプトマイシンからなる群から選択される少なくとも1種を挙げることができる。本発明において使用可能な抗生物質としては、アンピシリン、カナマイシン、ナリジクス酸、ストレプトマイシンの類似体(アナログ)も含む。これらの類似体も、構造、作用機序が同様であれば、同様の効果を達成し得るからである。たとえば、アンピシリンは、ペニシリン類セフェム類に置換可能であり、カナマイシン、ストレプトマイシンは、アミノグリコシド系物質に置換可能であり、ナリジクス酸は、DNA合成阻害剤(ピロミド酸ピペミド酸、ノフロサシン、オフロキサシンエノキサシン)に置換可能であり、これらを、上記アンピシリン等に代えて使用することができる。ここで、少なくとも1種としたが、海洋性以外の多数の細菌を死滅させるという観点から、アンピシリン、カナマイシン、ナリジクス酸、ストレプトマイシンの1種以上乃至全部を使用してもよい。

0030

また、本発明の動植物プランクトンの無菌化方法において、好適には、前記抗生物質の各抗生物質の濃度が、それぞれ10〜150μg/mlである。特に、細菌を死滅させワムシなど動植物プランクトンに悪影響を及ぼさない薬剤終濃度というという観点から、アンピシリン及びその類似体においては、20〜150μg/ml、好ましくは100μg/ml前後である。また、カナマイシン及びその類似体においては、細菌を死滅させワムシなど動植物プランクトンに悪影響を及ぼさない薬剤終濃度という観点から、10〜100μg/ml、好ましくは60μg/ml前後である。ナリジクス酸及びその類似体においては、細菌を死滅させワムシなど動植物プランクトンに悪影響を及ぼさない薬剤終濃度という観点から、15〜50μg/ml、好ましくは60μg/ml前後である。ストレプトマイシン及びその類似体においては、細菌を死滅させワムシなど動植物プランクトンに悪影響を及ぼさない薬剤終濃度という観点から、10〜100μg/ml、好ましくは60μg/ml前後である。

0031

次に、本発明のワムシの培養方法について説明する。本発明のワムシの培養方法は、上記本発明の無菌化方法を使用して、無菌ワムシを培養するワムシの培養方法であって、ワムシ耐久卵を次亜塩素酸ナトリウム、メルチオレート、グルタールアルデヒド、過酸化水素、塩化ベンザルコニウム(逆性石鹸)からなる群から選択される少なくとも1種による処理剤で洗浄し、当該処理剤を除去し、次いで、耐久卵をふ化させ、前記作用機序の異なる複数の抗生物質の存在下、培養する。処理剤の種類、濃度、抗生物質の説明については、上述の本発明の動植物プランクトンの無菌化方法をそのまま参照することができる。

0032

また、本発明のワムシの培養方法の好ましい実施態様において、前記処理剤の濃度が、0.1〜1%である。当該濃度と、後述する処理時間との関係は、概ね反比例の関係にある。

0033

好ましい実施態様において、前記処理剤での洗浄時間は、細菌を死滅させ動植物プランクトンに悪影響を及ぼさないという観点から、1〜10分である。また、本発明のワムシの培養方法の好ましい実施態様において、前記処理剤による洗浄後、滅菌人口海水によりさらに洗浄し、当該処理剤を除去する。そして、前記処理剤を除去後、耐久卵をふ化させることができる。

0034

また、本発明では、前記作用機序の異なる複数の抗生物質として、アンピシリン、カナマイシン、ナリジクス酸、ストレプトマイシンからなる群から選択される少なくとも1種を使用することができる。これらによって、上述の薬剤によって死滅しなかった細菌及びその後に混入してくると予想される土壌、水系、空気中等に存在する細菌類をも死滅させることが可能となる。
海洋性以外の細菌類をも滅菌することが可能となる。

0035

以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は、下記実施例に限定して解釈される意図ではない。

0036

実施例1
本実施例では、処理剤として、次亜塩素酸ナトリウムを使用した。ワムシ耐久卵の培養開始スターターとして用い、次亜塩素酸ナトリウム処理後、抗生物質を使用することでワムシの無菌培養が可能となった。使用した抗生物質は、作用機序の異なるアンピシリン、カナマイシン、ナリジクス酸、ストレプトマイシンなどである。これらの抗生物質を混合して、混合液として用いた。

0037

無菌処理後のワムシ培養液の細菌検査は、真菌検査にポテトデキストロース寒天培地(菌類、酵母用)、細菌検査にマリーン寒天培地(海洋性細菌用)とトリプトソイ寒天培地(一般細菌用)を使用した。

0038

抗生物質の選択にあっては、1)短期間でワムシに悪影響を示さないもの、2)多種にわたる細菌を死滅させるため作用機序の異なる数種類混交、3)抗生物質感受性菌が確実に死滅する濃度で抗生物質を使用、4)抗生物質処理後は、ワムシへの影響を最小限に抑えるため抗生物質を培地より除去した。以上の点から、使用種、濃度及び使用期間を定めた。

0039

具体的に以下のように行なった。操作は、すべてクリーンベンチ内で行い,使用する試薬機器類はすべて滅菌済みのものを使用した。

0040

1.耐久卵を終濃度0.5%の次亜塩素酸ナトリウムを含む滅菌人工海水で3分間洗浄した。
2.耐久卵を滅菌人工海水で3回洗浄し、次亜塩素酸ナトリウムを除去した。
3.滅菌人工海水に耐久卵を移し、光を照射しふ化させた。
4.ふ化後、無菌培養を行なったクロレラ濃縮液給餌し培養した。
5.アンピシリン(100μg/ml)、カナマイシン(60μg/ml)、ナリジクス酸(30μg/ml)、ストレプトマイシン(60μg/ml)を培養液に加え培養した(2週間程度)。(括弧内に各抗生物質の終濃度を示す。)
6.ワムシをプランクトンネットで洗浄し抗生物質を除去し、培養した。
7.3種類の培地にて無菌検査を行い、無菌化を確認した。

0041

無菌試験については以下のとおりである。まず、それぞれ3種類の寒天培地を別々に蒸気滅菌後、シャーレペトリ皿)に分注後固める。これらの寒天培地にワムシ培養液を100μl程度無菌的に塗り広げる。これらのシャーレを25℃にて1〜2週間程度培養し、コロニーの有無を確認する。細菌が培養液中に混在している場合、どれか1つもしくは全ての寒天培地上に細菌のコロニーが生じる。無菌であればコロニーは確認できないこととなる。

0042

上述の無菌化の結果、マリーン寒天培地とトリプトソイ寒天培地をもちいた無菌検査では生じた細菌のコロニー形態が異なる物が確認され、マリーン寒天培地(その類似培地も含む)のみでは検査しきれない(培養不可)細菌が混在するが、本発明の無菌化方法によれば、これらの細菌類も殆ど観察されず、より無菌化状態を達成することが判明した。

0043

本発明は、水産業における増養殖分野において、確実に無菌化処理を行なうことが可能であり、魚類種苗生産を実施する上で、貢献度が極めて高い。

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