図面 (/)

技術 対物レンズ駆動装置および情報記録再生装置

出願人 シャープ株式会社
発明者 友山進一乾敏治
出願日 2003年11月7日 (16年7ヶ月経過) 出願番号 2003-378655
公開日 2005年6月2日 (15年1ヶ月経過) 公開番号 2005-141855
状態 未査定
技術分野 光学的記録再生3(ヘッドの制御)
主要キーワード 一次共振周波数 液晶ポリマー材料 磁場中心位置 高帯域化 動作軸 弾性支持体 外側コイル 軸動作
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2005年6月2日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (12)

課題

帯域においても駆動が安定して行なえる対物レンズ駆動装置および情報記録再生装置を提供する。

解決手段

対物レンズ駆動装置は、一の方向に光軸を有する光を集束させるための対物レンズ1と、対物レンズ1を保持するレンズホルダ2と、一の方向と巻き中心軸とが平行になるように巻回されたフォーカスコイル群40とを備える。フォーカスコイル群40は、内側フォーカスコイル3aと、内側フォーカスコイル3aの外側に巻回された外側フォーカスコイル3bとを含み、内側フォーカスコイル3aによって発生する推力が、外側コイル3bによって発生する推力よりも大きくなるように形成された構成を含む。

概要

背景

光ディスク記録媒体として使用する情報記録再生装置に備えられる光ピックアップ装置には、対物レンズによって集光された光ビーム微小集光点を、光ディスクの記録面に正確に走査させることができるように、集光点の位置を補正するための対物レンズ駆動装置が含まれている。対物レンズ駆動装置は、対物レンズを保持するためのレンズホルダ、集光された光ビームの光軸方向(以下、「フォーカス方向」という。)にレンズホルダを駆動するためのフォーカスコイル、および光ディスクの記録面に平行な方向で上記の光軸と垂直な方向(以下、「トラッキング方向」という。)に駆動するためのトラッキングコイルを含む。レンズホルダは、フォーカス方向およびトラッキング方向に移動可能なように支持されている。

対物レンズは、レンズホルダとともに移動する。対物レンズ駆動装置はマグネットを備える。レンズホルダは、レンズホルダのまわりに形成されたフォーカスコイルに電流を流すと、マグネットから発生する磁界が作用して、フレミングの左手の法則によりフォーカス方向に移動する。同様に、トラッキングコイルに電流を流すと、マグネットから発生する磁界が作用して、フレミングの左手の法則によりトラッキング方向に移動する。

対物レンズがフォーカス方向に移動することによって、光ビームの焦点を光ディスクの記録面に一致させるためのフォーカス補正を行なうことができる。また、対物レンズがトラッキング方向に移動することによって、光ディスクの記録面のトラックに光ビームの焦点を追従させるためのトラッキング補正を行なうことができる。

最近では、光ディスクに記録をしたり、光ディスクの再生を行なったりする情報量が高密度化されている。このため、対物レンズ駆動装置を高帯域で駆動する、いわゆるサーボ高帯域化が必要になってきている。

図7および図8に従来の技術に基づく対物レンズ駆動装置の説明図を示す。図7は対物レンズ駆動装置の平面図であり、図8は図7におけるVIII−VIII線に関する矢視断面図である。

対物レンズ1は、直方体のレンズホルダ2に保持されている。レンズホルダ2のまわりには、フォーカス方向にレンズホルダ2を駆動するためのフォーカスコイル11が巻回されている。フォーカスコイル11の外側には、弾性支持体貼付け板10を介して弾性支持部材5が固定されている。弾性支持部材5は、湾曲可能なように形成されている。弾性支持部材5は、レンズホルダ2を挟み込むように対向する2面に、それぞれ2本ずつ形成されている。弾性支持部材5は、弾性支持体貼付け板に固定されている側と反対側が固定基板17に固定されている。フォーカスコイル11の外側で、弾性支持体貼付け板10が配置されている面ととなり合う2面には、トラッキングコイル4がそれぞれ配置されている。トラッキングコイル4の正面には、それぞれのトラッキングコイル4に対向するように間隙をあけてマグネット6が配置されている。各部材は、ベース7に支持されている。マグネット6および固定基板17は、ベース7に形成されたヨーク部8に固定されている。

図8において、光ディスクに照射するレーザ光は、光軸45に沿って発振される。発振された光は、対物レンズ1によって集束する。対物レンズ1とレンズホルダ2とは一体的に移動する。以下、本明細書においては、対物レンズ1およびレンズホルダ2を含んで、トラッキング方向およびフォーカス方向に一体的に移動する部分を「可動部」という。磁気回路はマグネット6およびヨーク部8によって形成される。図7において、トラッキングコイル4に電流が流れることによって、矢印21に示すトラッキング方向に可動部が移動する。また、図8において、フォーカスコイル11に電流が流れることによって、矢印22に示すフォーカス方向に可動部が移動する。それぞれの方向に可動部が移動する際には、弾性支持部材5が湾曲する。

図9に、従来の技術に基づく対物レンズ駆動装置を駆動させたときの不具合を説明する側面図を示す。図9(a)は、レンズホルダ2を含む可動部が、矢印27に示す向きに移動した際に生じる不具合を説明した図である。フォーカスコイル11に電流が流れた場合、駆動力はフォーカスコイル11のマグネット6と対向する部分に作用する。このため、レンズホルダ2の上面および下面が円弧となるようにレンズホルダ2自体に撓みが生じる不具合が発生する。図9(b)は、レンズホルダ2を含む可動部が、矢印28に示す向きに移動した際に生じる不具合を説明した図である。フォーカスコイル11に逆向きの電流が流れた場合も同様に、レンズホルダ2が図9(a)に示した向きとは逆の向きに撓む不具合が発生する。このように、図9(a)の状態と図9(b)の状態とを繰返して、対物レンズ駆動装置に共振が生じることになる。図9では、不具合をわかりやすく説明するため、それぞれの可動部の撓みを誇張して表示している。また、図9に示した共振は、代表的な振動モードであり、他にもより複雑な高次の振動モードで可動部が振動する。この共振は、最も振幅量が大きくなる傾向があり、サーボの高帯域化の障害となっていた。

対物レンズ駆動装置の共振を抑制して、サーボの高帯域化を可能にするためには、可動部を高剛性化して可動部の共振周波数を高くしたり、可動部の変形量を小さくして共振時の振幅を小さくすることが考えられる。可動部を高剛性化するために、マグネットと対向する位置に対向ヨークを配置しないような開磁気回路構成が考えられる。つまり、一方のマグネットに対面する位置に他方のマグネットを配置して、2つのマグネットの間に、レンズホルダ、フォーカスコイルおよびトラッキングコイルを含む可動部を配置する。この構成により、可動部に磁気回路を形成するための開口部などを設ける必要がなくなって、剛性を向上させることができる。また、共振時の振幅を小さくする手段としては、レンズホルダの材料を、たとえば、液晶ポリマー材料のような減衰性の高い材料を用いることなどが考えられる。

開磁気回路構成の対物レンズ駆動装置に関して、特開平9−139996号公報においては、一定の駆動電流に対して、効率よく駆動を行なうことができる対物レンズ駆動装置が開示されている。図10に、特開平9−139996号公報に開示されている対物レンズ駆動装置を示す。対物レンズ31は、レンズホルダ32に保持されて、レンズホルダ32の側面には、フォーカスコイル12,13が形成されている。レンズホルダ32は内側の一部がくり抜かれ、この内部にヨーク部38が形成されている。レンズホルダ32の外側のまわりには、間隙を介して、ヨーク部39が形成されている。マグネットは、図示しないヨーク部38の下側に配置されている。フォーカスコイル12,13の外側には、トラッキングコイル33が配置されている。この対物レンズ駆動装置は、フォーカスコイルをフォーカスコイル12,13の2つに分割して、それぞれの巻き中心軸が一致するように直列に並べたものである。さらに、互いのフォーカスコイルを電気的に並列に接続したものである。この構成を採用することにより、磁気回路部の大型化を行なうことなく、一定の駆動電流に対して高能率の駆動を行なうことができるというものである。

特開2002−197697号公報には、フォーカス方向およびトラッキング方向の2軸の動作点磁場中心位置に一致した高信頼度の対物レンズ駆動装置が開示されている。図11に、特開2002−197697号公報に開示されている対物レンズ駆動装置のうち、2軸動作用のコイルの部分のみを示した斜視図を示す。図示しないレンズホルダは、外側に配置されたフォーカスコイル15の外側に配置される。フォーカスコイルは、フォーカスコイル14およびフォーカスコイル15に分割されている。フォーカスコイル14は、上側から見たときに、ほぼ正方形になるように巻回されている。フォーカスコイル14の一の側面には、トラッキングコイル18が配置されている。トラッキングコイル18は、長手方向が図11における上下方向になるようなほぼ長方形の平面形状に巻回されている。トラッキングコイル18は2個形成されている。フォーカスコイル14の側面およびトラッキングコイル18の外側を巻回するように、フォーカスコイル15が形成されている。このようなコイルの構成によって、フォーカス方向の動作軸とトラッキング方向の動作軸との交点である動作点を、磁場中心位置に容易に一致させることができ、高信頼度の対物レンズ駆動装置を提供することができるというものである。
特開平9−139996号公報(第4,5頁、第5−7図)
特開2002−197697号公報(第4−11頁、第1−14図)

概要

高帯域においても駆動が安定して行なえる対物レンズ駆動装置および情報記録再生装置を提供する。 対物レンズ駆動装置は、一の方向に光軸を有する光を集束させるための対物レンズ1と、対物レンズ1を保持するレンズホルダ2と、一の方向と巻き中心軸とが平行になるように巻回されたフォーカスコイル群40とを備える。フォーカスコイル群40は、内側フォーカスコイル3aと、内側フォーカスコイル3aの外側に巻回された外側フォーカスコイル3bとを含み、内側フォーカスコイル3aによって発生する推力が、外側コイル3bによって発生する推力よりも大きくなるように形成された構成を含む。

目的

本発明の目的は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、高帯域においても駆動が安定して行なえる対物レンズ駆動装置および情報記録再生装置を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

一の方向に光軸を有する光を集束させるための対物レンズと、前記対物レンズを保持するレンズホルダと、前記一の方向と巻き中心軸とが平行になるように巻回されたフォーカスコイル群とを備え、前記フォーカスコイル群は、内側フォーカスコイルと、前記内側フォーカスコイルの外側に巻回された外側フォーカスコイルとを含み、前記内側フォーカスコイルによって発生する推力が、前記外側コイルによって発生する推力よりも大きくなるように形成された構成を含む、対物レンズ駆動装置

請求項2

前記内側フォーカスコイルに第1の電流を流し、前記外側フォーカスコイルに前記第1の電流より小さい第2の電流を流すためのコイル電流供給手段を備える、請求項1に記載の対物レンズ駆動装置。

請求項3

前記フォーカスコイル群は、前記巻き中心軸と前記光軸とが一致するように、前記レンズホルダの周りに巻回された、請求項1に記載の対物レンズ駆動装置。

請求項4

第1のフォーカスコイル群と、第2のフォーカスコイル群とを備え、前記第1のフォーカスコイル群および前記第2のフォーカスコイル群は、前記レンズホルダを挟み込むように、前記レンズホルダの側面のうち、互いに対向する2面にそれぞれ固定された、請求項1に記載の対物レンズ駆動装置。

請求項5

前記内側フォーカスコイルの抵抗値が、前記外側フォーカスコイルの抵抗値よりも小さくなるように形成された、請求項1に記載の対物レンズ駆動装置。

請求項6

前記内側フォーカスコイルと前記外側フォーカスコイルとが、電気的に並列に接続された構成を含む、請求項5に記載の対物レンズ駆動装置。

請求項7

請求項1から6のいずれかに記載の対物レンズ駆動装置を備える、情報記録再生装置

技術分野

0001

本発明は、対物レンズ駆動装置および情報記録再生装置に関する。特に、高帯域においても駆動する対物レンズ駆動装置および情報記録再生装置に関する。

背景技術

0002

光ディスク記録媒体として使用する情報記録再生装置に備えられる光ピックアップ装置には、対物レンズによって集光された光ビーム微小集光点を、光ディスクの記録面に正確に走査させることができるように、集光点の位置を補正するための対物レンズ駆動装置が含まれている。対物レンズ駆動装置は、対物レンズを保持するためのレンズホルダ、集光された光ビームの光軸方向(以下、「フォーカス方向」という。)にレンズホルダを駆動するためのフォーカスコイル、および光ディスクの記録面に平行な方向で上記の光軸と垂直な方向(以下、「トラッキング方向」という。)に駆動するためのトラッキングコイルを含む。レンズホルダは、フォーカス方向およびトラッキング方向に移動可能なように支持されている。

0003

対物レンズは、レンズホルダとともに移動する。対物レンズ駆動装置はマグネットを備える。レンズホルダは、レンズホルダのまわりに形成されたフォーカスコイルに電流を流すと、マグネットから発生する磁界が作用して、フレミングの左手の法則によりフォーカス方向に移動する。同様に、トラッキングコイルに電流を流すと、マグネットから発生する磁界が作用して、フレミングの左手の法則によりトラッキング方向に移動する。

0004

対物レンズがフォーカス方向に移動することによって、光ビームの焦点を光ディスクの記録面に一致させるためのフォーカス補正を行なうことができる。また、対物レンズがトラッキング方向に移動することによって、光ディスクの記録面のトラックに光ビームの焦点を追従させるためのトラッキング補正を行なうことができる。

0005

最近では、光ディスクに記録をしたり、光ディスクの再生を行なったりする情報量が高密度化されている。このため、対物レンズ駆動装置を高帯域で駆動する、いわゆるサーボ高帯域化が必要になってきている。

0006

図7および図8に従来の技術に基づく対物レンズ駆動装置の説明図を示す。図7は対物レンズ駆動装置の平面図であり、図8図7におけるVIII−VIII線に関する矢視断面図である。

0007

対物レンズ1は、直方体のレンズホルダ2に保持されている。レンズホルダ2のまわりには、フォーカス方向にレンズホルダ2を駆動するためのフォーカスコイル11が巻回されている。フォーカスコイル11の外側には、弾性支持体貼付け板10を介して弾性支持部材5が固定されている。弾性支持部材5は、湾曲可能なように形成されている。弾性支持部材5は、レンズホルダ2を挟み込むように対向する2面に、それぞれ2本ずつ形成されている。弾性支持部材5は、弾性支持体貼付け板に固定されている側と反対側が固定基板17に固定されている。フォーカスコイル11の外側で、弾性支持体貼付け板10が配置されている面ととなり合う2面には、トラッキングコイル4がそれぞれ配置されている。トラッキングコイル4の正面には、それぞれのトラッキングコイル4に対向するように間隙をあけてマグネット6が配置されている。各部材は、ベース7に支持されている。マグネット6および固定基板17は、ベース7に形成されたヨーク部8に固定されている。

0008

図8において、光ディスクに照射するレーザ光は、光軸45に沿って発振される。発振された光は、対物レンズ1によって集束する。対物レンズ1とレンズホルダ2とは一体的に移動する。以下、本明細書においては、対物レンズ1およびレンズホルダ2を含んで、トラッキング方向およびフォーカス方向に一体的に移動する部分を「可動部」という。磁気回路はマグネット6およびヨーク部8によって形成される。図7において、トラッキングコイル4に電流が流れることによって、矢印21に示すトラッキング方向に可動部が移動する。また、図8において、フォーカスコイル11に電流が流れることによって、矢印22に示すフォーカス方向に可動部が移動する。それぞれの方向に可動部が移動する際には、弾性支持部材5が湾曲する。

0009

図9に、従来の技術に基づく対物レンズ駆動装置を駆動させたときの不具合を説明する側面図を示す。図9(a)は、レンズホルダ2を含む可動部が、矢印27に示す向きに移動した際に生じる不具合を説明した図である。フォーカスコイル11に電流が流れた場合、駆動力はフォーカスコイル11のマグネット6と対向する部分に作用する。このため、レンズホルダ2の上面および下面が円弧となるようにレンズホルダ2自体に撓みが生じる不具合が発生する。図9(b)は、レンズホルダ2を含む可動部が、矢印28に示す向きに移動した際に生じる不具合を説明した図である。フォーカスコイル11に逆向きの電流が流れた場合も同様に、レンズホルダ2が図9(a)に示した向きとは逆の向きに撓む不具合が発生する。このように、図9(a)の状態と図9(b)の状態とを繰返して、対物レンズ駆動装置に共振が生じることになる。図9では、不具合をわかりやすく説明するため、それぞれの可動部の撓みを誇張して表示している。また、図9に示した共振は、代表的な振動モードであり、他にもより複雑な高次の振動モードで可動部が振動する。この共振は、最も振幅量が大きくなる傾向があり、サーボの高帯域化の障害となっていた。

0010

対物レンズ駆動装置の共振を抑制して、サーボの高帯域化を可能にするためには、可動部を高剛性化して可動部の共振周波数を高くしたり、可動部の変形量を小さくして共振時の振幅を小さくすることが考えられる。可動部を高剛性化するために、マグネットと対向する位置に対向ヨークを配置しないような開磁気回路構成が考えられる。つまり、一方のマグネットに対面する位置に他方のマグネットを配置して、2つのマグネットの間に、レンズホルダ、フォーカスコイルおよびトラッキングコイルを含む可動部を配置する。この構成により、可動部に磁気回路を形成するための開口部などを設ける必要がなくなって、剛性を向上させることができる。また、共振時の振幅を小さくする手段としては、レンズホルダの材料を、たとえば、液晶ポリマー材料のような減衰性の高い材料を用いることなどが考えられる。

0011

開磁気回路構成の対物レンズ駆動装置に関して、特開平9−139996号公報においては、一定の駆動電流に対して、効率よく駆動を行なうことができる対物レンズ駆動装置が開示されている。図10に、特開平9−139996号公報に開示されている対物レンズ駆動装置を示す。対物レンズ31は、レンズホルダ32に保持されて、レンズホルダ32の側面には、フォーカスコイル12,13が形成されている。レンズホルダ32は内側の一部がくり抜かれ、この内部にヨーク部38が形成されている。レンズホルダ32の外側のまわりには、間隙を介して、ヨーク部39が形成されている。マグネットは、図示しないヨーク部38の下側に配置されている。フォーカスコイル12,13の外側には、トラッキングコイル33が配置されている。この対物レンズ駆動装置は、フォーカスコイルをフォーカスコイル12,13の2つに分割して、それぞれの巻き中心軸が一致するように直列に並べたものである。さらに、互いのフォーカスコイルを電気的に並列に接続したものである。この構成を採用することにより、磁気回路部の大型化を行なうことなく、一定の駆動電流に対して高能率の駆動を行なうことができるというものである。

0012

特開2002−197697号公報には、フォーカス方向およびトラッキング方向の2軸の動作点磁場中心位置に一致した高信頼度の対物レンズ駆動装置が開示されている。図11に、特開2002−197697号公報に開示されている対物レンズ駆動装置のうち、2軸動作用のコイルの部分のみを示した斜視図を示す。図示しないレンズホルダは、外側に配置されたフォーカスコイル15の外側に配置される。フォーカスコイルは、フォーカスコイル14およびフォーカスコイル15に分割されている。フォーカスコイル14は、上側から見たときに、ほぼ正方形になるように巻回されている。フォーカスコイル14の一の側面には、トラッキングコイル18が配置されている。トラッキングコイル18は、長手方向が図11における上下方向になるようなほぼ長方形の平面形状に巻回されている。トラッキングコイル18は2個形成されている。フォーカスコイル14の側面およびトラッキングコイル18の外側を巻回するように、フォーカスコイル15が形成されている。このようなコイルの構成によって、フォーカス方向の動作軸とトラッキング方向の動作軸との交点である動作点を、磁場中心位置に容易に一致させることができ、高信頼度の対物レンズ駆動装置を提供することができるというものである。
特開平9−139996号公報(第4,5頁、第5−7図)
特開2002−197697号公報(第4−11頁、第1−14図)

発明が解決しようとする課題

0013

従来の技術においては、上述のように対物レンズ駆動装置の駆動の効率化および信頼性の向上が図られている。しかし、特開平9−139996号公報に開示されている対物レンズ駆動装置(図10参照)においては、2個のフォーカスコイルから生じるフォーカス方向の駆動力の位置と可動部の重心位置との距離は、1個のフォーカスコイルである場合と同一である。したがって、可動部が駆動されるときに生じる可動部内部の曲げモーメントも等しくなる。このため、可動部の変形量を小さくすることはできず、共振時の振幅が小さくなるわけではない。

0014

また、特開2002−197697号公報に開示されている対物レンズ駆動装置(図11参照)においては、2つのフォーカスコイルから生じるフォーカス方向に駆動させるための推力合力の位置と、トラッキングコイルから生じるトラッキング方向の駆動力の合力の位置と、マグネットから発生する磁場中心の位置をすべて一致させるものであり、共振時の振幅が小さくなるものではない。また、この対物レンズ駆動装置の構成は、内側のフォーカスコイルと外側のフォーカスコイルが形成され、2つのフォーカスコイルの間にはトラッキングコイルが配置されて、フォーカスコイルの外側に配置されるレンズホルダを含む可動部の重心位置は、内側のフォーカスコイルの中心付近に存在する。よって、外側のフォーカスコイルの位置は、可動部の重心位置から、より離れて配置されている。したがって、それぞれのフォーカスコイルから生じる推力の位置は、フォーカスコイルが1つである場合(図7,8参照)における推力の位置よりも可動部の重心位置から離れることになる。したがって、可動部に生じる曲げモーメントは大きくなり、可動部自体の変形量は増大して、共振時の振幅は大きくなってしまう。

0015

このように、可動部の共振時の振幅を小さくできない可動部の構成では、高帯域サーボの対物レンズ駆動装置を実現することができず、光ディスクに記録または再生する情報の高密度化が行なえないという問題があった。

0016

また、それぞれの対物レンズ駆動装置においては、トラッキングコイルおよびフォーカスコイルに電流が流れるとそれぞれの温度が上昇する。この熱によって、対物レンズの光学的な収差が発生するという問題があった。特に駆動の周波数が高くなる高帯域においては、フォーカスコイルおよびトラッキングコイルの発熱が大きくなるため、サーボの高帯域化に伴うレンズホルダの温度上昇を抑制することが課題になっていた。

0017

本発明の目的は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、高帯域においても駆動が安定して行なえる対物レンズ駆動装置および情報記録再生装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0018

上記目的を達成するため、本発明に基づく対物レンズ駆動装置は、一の方向に光軸を有する光を集束させるための対物レンズと、上記対物レンズを保持するレンズホルダと、上記一の方向と巻き中心軸とが平行になるように巻回されたフォーカスコイル群とを備える。上記フォーカスコイル群は、内側フォーカスコイルと、上記内側フォーカスコイルの外側に巻回された外側フォーカスコイルとを含み、上記内側フォーカスコイルによって発生する推力が、上記外側コイルによって発生する推力よりも大きくなるように形成された構成を含む。この構成を採用することにより、高帯域においても駆動が安定する対物レンズ駆動装置を提供することができる。

0019

上記発明において好ましくは、上記内側フォーカスコイルに第1の電流を流し、上記外側フォーカスコイルに上記第1の電流より小さい第2の電流を流すためのコイル電流供給手段を備える。この構成を採用することにより、上記内側フォーカスコイルによって発生する推力および上記外側フォーカスコイルによって発生する推力を容易に調整することができる。

0020

上記発明において好ましくは、上記フォーカスコイル群は、上記巻き中心軸と上記光軸とが一致するように、上記レンズホルダの周りに巻回されている。この構成を採用することにより、可動部の重心位置と上記フォーカスコイル群の推力の位置との距離を短くすることができ、上記可動部の変形量を小さくすることができる。また、上記対物レンズ駆動装置の小型化を図ることができる。

0021

上記発明において好ましくは、第1のフォーカスコイル群と、第2のフォーカスコイル群とを備え、上記第1のフォーカスコイル群および上記第2のフォーカスコイル群は、上記レンズホルダを挟み込むように、上記レンズホルダの側面のうち、互いに対向する2面にそれぞれ固定されている。この構成を採用することにより、上記第1のフォーカスコイル群または上記第2のフォーカスコイル群から上記レンズホルダに伝達する熱量を小さくすることができる。したがって、対物レンズに対する熱による影響を低減することができ、上記高帯域においても駆動が安定した対物レンズ駆動装置を提供することができる。

0022

上記発明において好ましくは、上記内側フォーカスコイルの抵抗値が、上記外側フォーカスコイルの抵抗値よりも小さくなるように形成されている。この構成を採用することにより、駆動電圧が小さいままで、上記内側フォーカスコイルに供給する電流を大きくすることができる。また、上記内側フォーカスコイルによって発生する推力を容易に大きくすることができる。

0023

上記発明において好ましくは、上記内側フォーカスコイルと上記外側フォーカスコイルとが、電気的に並列に接続された構成を含む。この構成を採用することにより、低電圧で対物レンズ駆動装置を駆動することができる。また、上記内側フォーカスコイルおよび上記外側フォーカスコイルに電流を供給する役割を行なう弾性支持部材の本数を減らすことができ、さらに安定した駆動を行なうことができる。

0024

上記目的を達成するため、本発明に基づく情報記録再生装置は、上述の対物レンズ駆動装置を備える。この構成を採用することにより、高帯域においても駆動が安定する情報記録再生装置を提供することができる。

発明の効果

0025

本発明によれば、高帯域においても駆動が安定して行なえる対物レンズ駆動装置および情報記録再生装置を提供することができる。

発明を実施するための最良の形態

0026

(実施の形態1)
(構成)
図1から図4を参照して、本発明に基づく実施の形態1における対物レンズ駆動装置および情報記録再生装置について説明する。

0027

図1は、本実施の形態における対物レンズ駆動装置の平面図であり、図2は、図1におけるII−II線に関する矢視断面図である。

0028

光を集束させるための対物レンズ1は、上側から見たときに、円形になるように形成されている。対物レンズ1は、レンズホルダ2に保持されている。レンズホルダ2は、ほぼ直方体になるように形成されている。対物レンズ1は、レンズホルダ2の上側の面に配置されている。レンズホルダ2の側面には、内側フォーカスコイル3aが、帯状に形成されている。内側フォーカスコイル3aの外側には、外側フォーカスコイル3bが形成されている。外側フォーカスコイル3bは、内側フォーカスコイル3aと同じ幅の帯状に形成されている。図2において、内側フォーカスコイル3aおよび外側フォーカスコイル3bは、レンズホルダ2の上下方向におけるほぼ中央に配置されている。本実施の形態においては、これらの2つのコイルによって、フォーカスコイル群40が形成されている。図2において、発振されるレーザ光は、光軸45に沿って図面上側に向かって発振される。光軸45は、対物レンズ1の平面形状である円の中心を通って、可動部が静止した状態でフォーカスコイル群40の巻き中心軸と一致するように形成されている。なお、本明細書において、上側または下側とは、絶対的な向き(鉛直方向における向き)を示すものではなく、部材などの相対的な位置関係を示すものである。

0029

外側フォーカスコイル3bの外側の側面のうち、互いに対向する2面には、弾性支持体貼付け板10を介して、弾性支持部材5が形成されている。弾性支持部材5は、レンズホルダ2を挟み込むように形成されている。弾性支持部材5は、棒状に形成され、それぞれが湾曲可能な材質によって形成されている。本実施の形態においては、片側に3本の弾性支持部材5が形成されている。それぞれの弾性支持部材5は、一方の端が弾性支持体貼付け板10に固定され、他方の端が固定基板17に固定されている。それぞれの端は、半田付けによって固定されている。固定基板17は、ベース7に形成されたヨーク部8に固定されている。

0030

弾性支持部材5が固定されているレンズホルダ2の側面に対して隣り合う側面には、外側フォーカスコイル3bの外側にトラッキングコイル4が配置されている。トラッキングコイル4は、それぞれ扁平状に形成され、静止した状態で巻き中心軸が水平になるように形成されている。本実施の形態においては、トラッキングコイル4が、一の側面に2つずつ形成され、レンズホルダ2を挟み込むように形成されている。マグネット6は、トラッキングコイル4に対向するように、間隙をあけてヨーク部8に固定されている。ベース7は、弾性支持部材5やマグネット6を支えて、光ピックアップ装置に搭載するためのものである。

0031

本実施の形態においては、可動部は、対物レンズ1、レンズホルダ2、内側フォーカスコイル3a、外側フォーカスコイル3b、トラッキングコイル4および弾性支持体貼付け板10から構成され、可動部が一体的に移動する。レンズホルダ2が直方体の形状を有するなど可動部の重心位置が発振されるレーザ光の光軸上に存在するように形成されている。または、可動部の重心位置がフォーカスコイル群の巻き中心軸上に存在するように形成されている。

0032

内側フォーカスコイル3aおよび外側フォーカスコイル3bは、それぞれ独立して外部のコイル電流供給手段に電気的に接続されている。それぞれのフォーカスコイルは、弾性支持部材5を通じて電流が供給される。コイル電流供給手段は、内側フォーカスコイル3aに第1の電流を流し、外側フォーカスコイル3bに第1の電流より小さい第2の電流を流すことができるように形成されている。また、トラッキングコイル4に対しても、弾性支持部材5を介して独立して電流を流すことができるように形成されている。図1において、矢印21に示す方向が可動部のトラッキング方向であり、図2の矢印22に示す方向が可動部のフォーカス方向である。

0033

図3は、レンズホルダ2とレンズホルダ2のまわりに巻回されたフォーカスコイルとの説明図であり、(a)は本実施の形態における平面図、(b)は従来の技術における平面図である。対物レンズ1およびレンズホルダ2は、それぞれ同一であり、レンズホルダ2のまわりに巻回されているフォーカスコイルの厚さも同一である。本実施の形態における対物レンズ駆動装置は、内側フォーカスコイル3aの厚さと外側フォーカスコイル3bの厚さを足し合わせると、従来の技術に基づくフォーカスコイル11の厚さになるように形成されている。また、内側フォーカスコイル3aの厚さと外側フォーカスコイル3bの厚さとは同一になるように形成されている。側方から見たときのフォーカスコイルの幅は、従来の技術に基づくものと本実施の形態におけるものとは同一になるように形成されている(図示せず)。

0034

本実施の形態における情報記録再生装置は、上記に説明した対物レンズ駆動装置を含む光ピックアップ装置を備えている。ベースが光ピックアップ装置に固定され、光ピックアップ装置が情報記録再生装置に配置される。

0035

(作用・効果)
図1において、トラッキングコイル4に電流を流すと、マグネットから発生する磁界が作用して、フレミングの左手の法則によりレンズホルダ2は、矢印21に示すトラッキング方向に駆動される。また、図2に示すように、内側フォーカスコイル3aおよび外側フォーカスコイル3bに電流を流すと、マグネットから発生する磁界が作用して、フレミングの左手の法則により矢印22に示すフォーカス方向にレンズホルダ2が駆動される。トラッキング方向およびフォーカス方向にレンズホルダ2が駆動される際には、それぞれの弾性支持部材5が湾曲する。レーザ光は、光軸45に沿って光ディスクの情報面に対して発振される。

0036

本実施の形態における対物レンズ駆動装置は、フォーカスコイルが二重に巻かれたフォーカスコイル群を備える。

0037

一般的に、可動部を駆動するための推力Fは、
F=BiL … (1)
で表わされる。ここで、Bは磁束密度、iは電流、Lは磁界の作用するコイルの有効長さである。この式において、推力Fは、磁束密度Bおよびコイルの有効長さLが一定であれば電流iに比例する。すなわち、電流が多くなればなる程、推力Fが大きくなる。

0038

図4は、本発明に基づく対物レンズ駆動装置の作用を説明する図である。図4(a)は、本実施の形態における対物レンズ駆動装置のフォーカスコイルの拡大平面図であり、図4(b)は、従来の技術に基づくフォーカスコイルの拡大平面図である。図4(b)に示すように、従来の技術に基づく対物レンズ駆動装置では、フォーカスコイル11は一の方向に巻かれている単一のコイルである。ここで、電流が、たとえば矢印25に示すように流れることによって、図4(b)の下図の矢印に示すように、フォーカス方向にF3の推力を得る。

0039

これに対し、本実施の形態における対物レンズ駆動装置は、2分割された内側フォーカスコイル3aおよび外側フォーカスコイル3b、それぞれのコイルに流れる電流を制御することができるコイル電流供給手段を備える。コイル電流供給手段でそれぞれのフォーカスコイルに流れる電流値を制御することによって、内側フォーカスコイル3aには、矢印23に示すように第1の電流が流れ、外側フォーカスコイル3bには、矢印24に示すように内側フォーカスコイル3aに流れる電流よりも小さい第2の電流が流れる。

0040

それぞれのコイルによって発生するフォーカス方向の推力は、図4(a)の下図における矢印に示すように、内側フォーカスコイル3aの推力F1が、外側フォーカスコイル3bの推力F2よりも大きくなる。推力F1と推力F2との和がレンズホルダに対して作用するフォーカス方向の推力である。それぞれの推力の合力は、従来の技術に基づくフォーカスコイル11によって発生する推力と同じになるように電流値が制御されている。推力F1と推力F2の合力の位置は、従来の技術における対物レンズ駆動装置と比較して、可動部の重心位置に近くなる。したがって、可動部の変形量または共振時の振幅が小さくなり、高帯域においても、安定した駆動を行なうことができる。また、安定して光ディスクに高密度で情報を記録することができる。

0041

フォーカスコイルを二重に形成して、内側フォーカスコイル3aの電流を外側フォーカスコイル3bの電流より大きくすることによって、レンズホルダに作用する全体の推力は、光軸(可動部の重心位置)により近づくことになる。すなわち、図4(a)における推力F1と推力F2との合力は、図4(b)における推力F3の位置よりも光軸に近くなる。したがって、レンズホルダの曲げモーメントを小さくすることができ、この結果、レンズホルダなどの可動部の変形を小さくすることができる。または、可動部の共振時の振幅の幅を小さくすることができる。このように、高帯域において、レンズ駆動装置の駆動が不安定となる原因を除去することができ、レンズ駆動装置は、高帯域であっても安定して駆動することができるようになる。また、内側のフォーカスコイルと外側フォーカスコイルとに対してそれぞれ独立して電流値が制御できるコイル電流供給手段を備えることによって、容易にそれぞれのフォーカスコイルの推力を調整することができる。たとえば、駆動するフォーカス方向の推力の合力の大きさに依存して、内側フォーカスコイルに流す電流と外側フォーカスコイルに流す電流との割合を容易に調整することができる。

0042

本実施の形態におけるフォーカスコイル群は、フォーカスコイル群の巻き中心軸が光軸と一致するように、レンズホルダの周りに巻回されている。この構成を採用することにより、可動部の重心位置と上記フォーカスコイル群の推力の位置との距離を短くすることができ、上記可動部の変形量を小さくすることができる。また、対物レンズ駆動装置を小型化することができる。

0043

図10に示した従来の技術に基づく対物レンズ駆動装置においては、フォーカスコイル12およびフォーカスコイル13を巻き中心軸の方向に沿って直列に配置しているため、フォーカスコイル12またはフォーカスコイル13の電流を変化させたとしても、得られる推力の合力の位置は、1個のフォーカスコイルから発生する推力の位置と同じになる。すなわち、推力の位置と可動部の重心位置との距離が変化することはなく、可動部の変形量を小さくすることはできない。しかし、本実施の形態における対物レンズ駆動装置のように、フォーカスコイルを半径方向において二重の構成にして、内側フォーカスコイルの推力を相対的に大きくすることによって、可動部の変形量を小さくすることができる。

0044

図11に示した従来の技術に基づく対物レンズ駆動装置においては、フォーカスコイルをフォーカスコイル14とフォーカスコイル15との二重の構造にして、2つのフォーカスコイルの間にトラッキングコイル18を挟んでいる。フォーカスコイルは、半径方向に並べた二重の構成になっているが、外側に配置されたフォーカスコイル15は可動部の重心位置からの距離が大きくなる。このため、2つのフォーカスコイル14,15から生じた推力の合力によって発生する曲げモーメントは、従来の技術に基づくもの(図7,8参照)より大きくなって、可動部の変形量が大きくなる。また、可動部の共振時の振幅も大きくなる。これに対して本発明のレンズ駆動装置は、曲げモーメントを小さくして、可動部の変形量を小さくできる。

0045

また、図11に示す対物レンズ駆動装置は、磁場の中心位置と、トラッキングコイル18によって発生するそれぞれの推力の合力の位置と、フォーカスコイル14,15によって発生する推力の合力の位置とをすべて一致させるための構成である。このため、本願のように、意図的に内側のフォーカスコイルによって大きな推力が発生するように制御すると、逆に、磁場中心の位置およびそれぞれのコイルが発生する推力の合力位置が一致しない不安定な状況になる可能性が高い。これに対して、本発明の構成においては、外側フォーカスコイルから生じる推力が、内側フォーカスコイルから生じる推力よりも小さくなるように形成されている。したがって、可動部の変形量を小さくし、共振ピーク量の低減化を図ることができる。この結果、高帯域の駆動を安定して行なえる対物レンズ駆動装置を提供することができる。また、高密度記録および高密度記録の再生が可能な対物レンズ駆動装置を提供することができる。

0046

本実施の形態においては、フォーカスコイルが半径方向において2分割されているが、特にこの形態に限られず、フォーカスコイルが3分割されるなどさらに多重に巻回され、相対的に内側のフォーカスコイルによって発生する駆動力が相対的に外側のフォーカスコイルによって発生する駆動力より大きくなるように形成されていてもよい。

0047

本実施の形態における情報記録再生装置は、上述の対物レンズ駆動装置を備える。この構成を採用することによって、従来と同じ大きさで、高帯域の駆動を安定して行なうことができる対物レンズ駆動装置を情報記録再生装置に搭載することができる。すなわち、装置自体を大型化することなく、高帯域の駆動に対しても安定性が高い情報記録再生装置を提供することができる。また、高密度記録および高密度記録の再生が可能な情報記録再生装置を提供することができる。

0048

(実施の形態2)
(構成)
本実施の形態における対物レンズ駆動装置において、一の方向に光軸を有する光を集束するための対物レンズと、対物レンズを保持するレンズホルダと、一の方向と巻き中心軸が平行になるように巻回された内側フォーカスコイルおよび外側フォーカスコイルからなるフォーカスコイル群とを備えることは、実施の形態1における対物レンズ駆動装置と同様である。レンズホルダが弾性支持部材で支えられ、それぞれのコイルに電流が流れることによって、トラッキング方向またはフォーカス方向に可動部が移動することも実施の形態1と同様である。

0049

本実施の形態においては、内側フォーカスコイルの線径を、外側フォーカスコイルの線径よりも太くしている。すなわち、内側フォーカスコイルの抵抗値を、外側フォーカスコイルの抵抗値よりも小さくしている。また、内側フォーカスコイルと外側フォーカスコイルとは電気的に並列に接続されている。内側フォーカスコイルと外側フォーカスコイルとは、同一の電圧印加されて、それぞれのコイルの抵抗によって流れる電流値が異なるように形成されている。

0050

その他の構成については、実施の形態1における対物レンズ駆動装置および情報記録再生装置と同様であるので、ここでは説明を繰返さない。

0051

(作用・効果)
トラッキングコイルに電流が流れることによって、可動部がトラッキング方向に駆動され、また、フォーカスコイル群に電流が流れることによって、可動部がフォーカス方向に駆動されることは実施の形態1における対物レンズ駆動装置と同様である。

0052

本実施の形態における対物レンズ駆動装置は、内側フォーカスコイルの抵抗値が、外側フォーカスコイルの抵抗値よりも、小さくなるように形成されている。この構成を採用することによって、複雑な電流供給手段を形成しなくても、容易に内側フォーカスコイルの電流を相対的に大きくすることができる。また、駆動電圧が小さくても、内側フォーカスコイルの電流を容易に大きくすることができ、消費電力を小さくすることができる。

0053

内側フォーカスコイルと外側フォーカスコイルとは、電気的に並列に接続されている。この構成を採用することにより、さらに低電圧で可動部を駆動することができる。このような電気的な接続方法を採用した対物レンズ駆動装置は、ポータブル機器などの駆動電圧自体が小さい機器に適している。また、内側フォーカスコイルと外側フォーカスコイルとに電流を流す役割を担う弾性支持部材を共通の導線にすることができ、弾性支持部材の本数を減らすことができる。たとえば、図2に示すように、実施の形態1における弾性支持部材は、片側に3本ずつ合計6本形成されているが、トラッキングコイルに電流を流すための弾性支持部材2本とフォーカスコイル群に電流を流すための弾性支持部材2本との合計4本にすることができる。弾性支持部材の本数を減らすことによって、弾性支持部材全体の剛性が小さくなる。この結果、一次共振周波数を低くすることができる。また、駆動する際の感度が上昇して消費電力を小さくすることができる。さらに、弾性支持部材の線径の違いまたは取付け位置の位置決め精度などのばらつきが生じる要素が減少するため、共振周波数を制御することが容易になって設計の自由度が拡大する。さらに、組立時においても、弾性支持部材を固定するためのはんだ付けなどの作業が減少して、組立時間の短縮を図ることができる。すなわち、生産性が向上する。

0054

本実施の形態においては、内側フォーカスコイルの線径を外側コイルの線径より太くして、それぞれの抵抗値を設定したが、特にこの形態に限られず、内側フォーカスコイルの抵抗値が外側フォーカスコイルの抵抗値よりも小さくなればよい。たとえば、内側フォーカスコイルの長さを、外側フォーカスコイルの長さよりも短くして、内側フォーカスコイルの抵抗値を小さくしてもよい。

0055

本実施の形態における情報記録再生装置は、上述の対物レンズ駆動装置を備える。この構成を採用することによって、情報記録再生装置を小型化することができ、また、生産性が向上する。

0056

その他の作用および効果については、実施の形態1におけるレンズ駆動装置および情報記録再生装置と同様であるので、ここでは説明を繰返さない。

0057

(実施の形態3)
(構成)
図5および図6を参照して、本発明に基づく実施の形態3における対物レンズ駆動装置について説明する。

0058

図5は、本実施の形態における対物レンズ駆動装置の平面図であり、図6は、図5におけるVI−VI線に関する矢視断面図である。本実施の形態の対物レンズ駆動装置において、対物レンズと、レンズホルダと、レンズホルダを支持するための弾性支持部材とを備えることは実施の形態1における対物レンズ駆動装置と同様である。

0059

本実施の形態におけるフォーカスコイル群は、内側フォーカスコイル3cと外側フォーカスコイル3dとを含む。内側フォーカスコイル3cは、内側が中空になるように筒状に形成され、外側フォーカスコイル3dは、内側フォーカスコイル3cの外側に密着して巻回されている。本実施の形態におけるフォーカスコイル群は、図5に示すように、平面形状がほぼ長方形になるように形成されている。第1のフォーカスコイル群41は、外側フォーカスコイル3dの一の側面が、レンズホルダ2に接着固定されている。外側フォーカスコイル3dのレンズホルダ2と接着固定されている側面と反対側の側面には、トラッキングコイル4が形成されている。本実施の形態においては、一の面にトラッキングコイル4が2つずつ形成されている。

0060

レンズホルダ2において、第1のフォーカスコイル群41が接着されている面と反対側の面には、同様の構成を備える第2のフォーカスコイル群42が接着固定されている。すなわち、レンズホルダ2は、外側を向くようにトラッキングコイル4が接着固定された2つのフォーカスコイル群に挟まれるように形成されている。トラッキングコイル4は、それぞれ間隙をあけてマグネット6と対向している。

0061

本実施の形態におけるレンズ駆動装置は、内側フォーカスコイル3c、外側フォーカスコイル3dおよびトラッキングコイル4に対して独立して電流が流せるような、図示しないコイル電流供給手段が配置されている。

0062

図6に示すように、それぞれのフォーカスコイル群の空洞の内部には、空洞を貫通するようにヨーク部9が形成されている。ヨーク部9は、それぞれのフォーカスコイル群と接触しておらず、ベース7に固定されている。ベース7の両側には、底面から上側に立上がるようにヨーク部8が形成されている。ヨーク部8には、内側に向くようにマグネット6が接着固定されている。弾性支持部材5は、片側に2本ずつ合計4本形成され、弾性支持体貼付け板10および固定基板17にはんだ付けによって固定されている。また、弾性支持部材5は、湾曲可能なように形成されている。

0063

本実施の形態における可動部は、対物レンズ1、レンズホルダ2、2つのフォーカスコイル群41,42、トラッキングコイル4および弾性支持体貼付け板10から構成されている。

0064

その他の構成については実施の形態1における対物レンズ駆動装置と同様であるのでここでは説明を繰返さない。

0065

(作用・効果)
トラッキングコイル4またはフォーカスコイル群41,42には、弾性支持部材5を通じてそれぞれ電流が供給される。図5において、トラッキングコイル4に電流が流れることによって、レンズホルダ2などを含む可動部が矢印21に示す方向(トラッキング方向)に駆動される。

0066

図6において、本実施の形態における対物レンズ駆動装置の磁気回路は、マグネット6、ヨーク部8,9によって形成されている。内側フォーカスコイル3cおよび外側フォーカスコイル3dに電流を流すと、マグネット6から発生する磁界が作用して、フレミングの左手の法則により、可動部は矢印22に示すフォーカス方向に駆動される。第1のフォーカスコイル群および第2のフォーカスコイル群には同時期に電流が流れて、レンズホルダ2が上下方向に駆動される。

0067

本実施の形態における対物レンズ駆動装置は、それぞれのフォーカスコイル群において、外側フォーカスコイル3dに流れる電流よりも内側フォーカスコイル3cに流れる電流の方が大きい。ここで、外側フォーカスコイルに注目すると、外側フォーカスコイル3dに流れる電流は、フォーカス方向の駆動力を従来の技術に基づくレンズ駆動装置と同一にした場合、従来の技術に基づくフォーカスコイルに流れる電流よりも小さくなっている。このため、外側フォーカスコイル3dに生じる発熱量は小さく、レンズホルダ2に伝達される熱量を従来の技術に基づく対物レンズ駆動装置よりも小さくすることができる。したがって、レンズホルダ2を通じて対物レンズ1に到達する熱量をより小さくすることができ、対物レンズ1の熱による影響を低減することができる。光学的な収差などの発生を防止することができ、高帯域においても記録または再生の動作が安定した対物レンズ駆動装置を提供することができる。

0068

本実施の形態における情報記録再生装置は、上記の対物レンズ駆動装置を備える。この構成を採用することによって、対物レンズの熱による影響が低減され、光学的な収差などの発生を防止して、高帯域においても記録または再生の動作が安定した情報記録再生装置を提供することができる。

0069

なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。

図面の簡単な説明

0070

本発明に基づく実施の形態1における対物レンズ駆動装置の平面図である。
図1におけるII−II線に関する矢視断面図である。
実施の形態1におけるフォーカスコイルと従来の技術に基づくフォーカスコイルとの違いを説明する平面図である。
本発明に基づくフォーカスコイルと従来の技術に基づくフォーカスコイルとの作用の違いを説明する拡大平面図である。
実施の形態3における対物レンズ駆動装置の平面図である。
図5におけるVI−VI線に関する矢視断面図である。
従来の技術に基づく第1の対物レンズ駆動装置の平面図である。
図7におけるVIII−VIII線に関する矢視断面図である。
従来の技術に基づく対物レンズ駆動装置の不具合を説明する部分拡大図である。
従来の技術に基づく第2の対物レンズ駆動装置の斜視図である。
従来の技術に基づく第3の対物レンズ駆動装置におけるコイルの斜視図である。

符号の説明

0071

1,31対物レンズ、2,32レンズホルダ、3a,3c内側フォーカスコイル、3b,3d外側フォーカスコイル、4,18,33トラッキングコイル、5弾性支持部材、6マグネット、7ベース、8,9,38,39ヨーク部、10弾性支持体貼付け板、11,12,13,14,15フォーカスコイル、17固定基板、21,22,23,24,25,27,28 矢印、40フォーカスコイル群、41 第1のフォーカスコイル群、42 第2のフォーカスコイル群、45光軸。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ