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技術 ポリアミド樹脂組成物および制振材料

出願人 三菱瓦斯化学株式会社
発明者 林武夫芳仲聰小川俊
出願日 2004年10月15日 (16年1ヶ月経過) 出願番号 2004-301224
公開日 2005年6月2日 (15年5ヶ月経過) 公開番号 2005-139442
状態 特許登録済
技術分野 防振装置 他類に属さない組成物 高分子組成物
主要キーワード 圧電性フィルム 強誘電性ポリマー 高分子母材 損失効果 スクリュー形 機体構造 ヒステリシス測定 ポリフッ化ビニリデン系ポリマー
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課題

高分子材料主体とした、簡便に製造可能で、軽量で、より高い制振性を有する材料を提供する。

解決手段

メタキシリレンジアミンを50モル%以上含むジアミン成分と、アゼライン酸を50モル%以上含むジカルボン酸成分を重縮合して得られ、延伸フィルムを200MV/mの電界分極処理を行った際の残留分極が30mC/m2以上である強誘電性ポリアミド導電性材料とを含有することを特徴とする樹脂組成物

概要

背景

従来、制振材料のような振動エネルギーを吸収する材料として、塩化ビニル系樹脂可塑剤を添加した軟質の塩化ビニル系樹脂が知られている。この軟質塩化ビニル系樹脂は、振動エネルギーを樹脂内部において摩擦熱として消費することで、その減衰が図られるようになっていたが、十分な振動エネルギーの吸収、減衰ができなかった。

また制振材料としては、加工性機械的強度材料コストの面から優れるブチルゴムやNBRなどのゴム材料が多く用いられている。ところがこのゴム材料は、一般の高分子の中では最も減衰性(振動エネルギーの伝達絶縁性能、あるいは伝達緩和性能)に優れてはいるものの、ゴム材料単独で制振材料として使用するには制振性が低く、例えば建造物機器類制振には、ゴム材料と鋼鈑とを積層した積層体、あるいはこれに塑性変形して振動エネルギーを吸収する鉛コアや、オイルダンパーを組み合わせた制振構造体という複合形態で使用されていた。

従来の制振材料としてのゴム材料は、上記の如く単独では使用できず、複合化を余儀なくされていたので、必然的にその制振構造も複雑なものとなってしまうことから、制振材料自身の高い制振性が求められていた。

また、高分子材料圧電性粉末材料とを主成分とした組成物が開示されている(例えば特許文献1、特許文献2、非特許文献1参照。)。高分子材料と圧電性粉末の組成物は圧電性により、振動エネルギーを電気エネルギーに変換し、生じた電気エネルギーをジュール熱によって消費、振動を吸収、減衰させるものである。ところが、この組成物においては圧電性粒子を50質量%以上含むように配合しないと十分な制振性が得られない、しかし、そのように配合すると溶融状態での流動性が低くなり、混練成形が困難となる。また、圧電性粒子にジルコン酸チタン酸鉛や、チタン酸バリウムなどのセラミクスを用いているため、質量が大きくなるという欠点があった。

また、圧電性フィルムフィルム表面に形成された導電層からなる制振材用フィルムも提案されている(例えば特許文献3参照。)。しかしながら、圧電性フィルムとして実用に供されているのはポリフッ化ビニリデン系ポリマーによるもののみである。ポリフッ化ビニリデン系ポリマーは高価であり、加えて製膜が困難であり大面積のフィルムを大量に作ることには難があるため、制振材用フィルムとしては実用化には至っていない。また、安価で製膜の容易な圧電性フィルムを用いた例として、ポリアミド系ポリマーを利用した圧電性フィルムを用いた制振材も提案されている(例えば特許文献4、特許文献5参照。)。しかしながらフィルムに圧電性を発現させるためには分極処理を必要とするため、その製造に特殊な装置が必要であり製造コストが上昇するという問題があった。

また、高分子母材中に双極子モーメント量を増加させる活性成分が含まれる制振材料も開示されている(例えば特許文献6、特許文献7、非特許文献2参照。)。ところが、この材料で用いられる活性成分は低分子化合物であり、使用中に母材から滲みだして性能が低下するという欠点があった。
特開昭60−51750号公報
特開平3−188165号公報
特開平5−87186号公報
特開平8−305369号公報
特開平9−309962号公報
特許第3318593号公報
特許第3192400号公報
稲葉ら,「圧電制複合材力学的性質と制振性能の関係」,日本ゴム協会誌,67巻,564頁(1994年)
井上ら,「塩素化ポリエチレン/N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアルスルフェンアミド有機ハイブリッドの制振挙動」,繊維学会誌,56巻,443頁(2000年)

概要

高分子材料を主体とした、簡便に製造可能で、軽量で、より高い制振性を有する材料を提供する。メタキシリレンジアミンを50モル%以上含むジアミン成分と、アゼライン酸を50モル%以上含むジカルボン酸成分を重縮合して得られ、延伸フィルムを200MV/mの電界で分極処理を行った際の残留分極が30mC/m2以上である強誘電性ポリアミド導電性材料とを含有することを特徴とする樹脂組成物。 無

目的

本発明の目的は、高分子材料を主体とした、簡便に製造可能で、軽量で、より高い制振性を有する材料を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

メタキシリレンジアミンを50モル%以上含むジアミン成分とアゼライン酸を50モル%以上含むジカルボン酸成分を重縮合して得られ、延伸フィルムを200MV/mの電界分極処理を行った際の残留分極が30mC/m2以上である強誘電性ポリアミド導電性材料とを含有することを特徴とする樹脂組成物

請求項2

強誘電性ポリアミドが、メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分およびアゼライン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分を重縮合して得られるポリアミドである請求項1記載の樹脂組成物。

請求項3

強誘電性ポリアミドが、1,5−ペンタンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサングルタル酸スベリン酸ウンデカン二酸イソフタル酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、δ−バレロラクタム、5−アミノペンタン酸、7−アミノヘプタン酸、9−アミノノナン酸、および11−アミノウンデカン酸からなる群から選ばれる1種以上を共重合成分として用いて得られたポリアミドである請求項1または2記載の樹脂組成物。

請求項4

強誘電性ポリアミドが、メタキシリレンジアミンを90モル%以上含むジアミン成分およびアゼライン酸を90モル%以上含むジカルボン酸成分を重縮合して得られるポリアミドである請求項1または2記載の樹脂組成物。

請求項5

導電性材料が少なくとも1種類の炭素材料を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。

請求項6

樹脂組成物中に導電性材料を0.01〜25重量%含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物。

請求項7

体積抵抗率が1012Ω・cm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物。

請求項8

強誘電性ポリアミドと導電性材料および無機フィラーとを含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂組成物。

請求項9

無機フィラーが鱗片状のフィラーである請求項8記載の樹脂組成物。

請求項10

樹脂組成物中に無機フィラーを20〜80重量%含むことを特徴とする請求項8または9記載の樹脂組成物。

請求項11

請求項1〜10のいずれかに記載の樹脂組成物を含むことを特徴とする制振材料

請求項12

請求項1〜10のいずれかに記載の樹脂組成物を含むことを特徴とする吸遮音材料

技術分野

0001

本発明は、制振材料吸遮音材料として有用な、制振性が高い、即ち、外部からの振動エネルギー熱エネルギーに変換して振動エネルギーを減衰させる性質が高い樹脂組成物およびそれを使った制振材料に関する。

背景技術

0002

従来、制振材料のような振動エネルギーを吸収する材料として、塩化ビニル系樹脂可塑剤を添加した軟質の塩化ビニル系樹脂が知られている。この軟質塩化ビニル系樹脂は、振動エネルギーを樹脂内部において摩擦熱として消費することで、その減衰が図られるようになっていたが、十分な振動エネルギーの吸収、減衰ができなかった。

0003

また制振材料としては、加工性機械的強度材料コストの面から優れるブチルゴムやNBRなどのゴム材料が多く用いられている。ところがこのゴム材料は、一般の高分子の中では最も減衰性(振動エネルギーの伝達絶縁性能、あるいは伝達緩和性能)に優れてはいるものの、ゴム材料単独で制振材料として使用するには制振性が低く、例えば建造物機器類制振には、ゴム材料と鋼鈑とを積層した積層体、あるいはこれに塑性変形して振動エネルギーを吸収する鉛コアや、オイルダンパーを組み合わせた制振構造体という複合形態で使用されていた。

0004

従来の制振材料としてのゴム材料は、上記の如く単独では使用できず、複合化を余儀なくされていたので、必然的にその制振構造も複雑なものとなってしまうことから、制振材料自身の高い制振性が求められていた。

0005

また、高分子材料圧電性粉末材料とを主成分とした組成物が開示されている(例えば特許文献1、特許文献2、非特許文献1参照。)。高分子材料と圧電性粉末の組成物は圧電性により、振動エネルギーを電気エネルギーに変換し、生じた電気エネルギーをジュール熱によって消費、振動を吸収、減衰させるものである。ところが、この組成物においては圧電性粒子を50質量%以上含むように配合しないと十分な制振性が得られない、しかし、そのように配合すると溶融状態での流動性が低くなり、混練成形が困難となる。また、圧電性粒子にジルコン酸チタン酸鉛や、チタン酸バリウムなどのセラミクスを用いているため、質量が大きくなるという欠点があった。

0006

また、圧電性フィルムフィルム表面に形成された導電層からなる制振材用フィルムも提案されている(例えば特許文献3参照。)。しかしながら、圧電性フィルムとして実用に供されているのはポリフッ化ビニリデン系ポリマーによるもののみである。ポリフッ化ビニリデン系ポリマーは高価であり、加えて製膜が困難であり大面積のフィルムを大量に作ることには難があるため、制振材用フィルムとしては実用化には至っていない。また、安価で製膜の容易な圧電性フィルムを用いた例として、ポリアミド系ポリマーを利用した圧電性フィルムを用いた制振材も提案されている(例えば特許文献4、特許文献5参照。)。しかしながらフィルムに圧電性を発現させるためには分極処理を必要とするため、その製造に特殊な装置が必要であり製造コストが上昇するという問題があった。

0007

また、高分子母材中に双極子モーメント量を増加させる活性成分が含まれる制振材料も開示されている(例えば特許文献6、特許文献7、非特許文献2参照。)。ところが、この材料で用いられる活性成分は低分子化合物であり、使用中に母材から滲みだして性能が低下するという欠点があった。
特開昭60−51750号公報
特開平3−188165号公報
特開平5−87186号公報
特開平8−305369号公報
特開平9−309962号公報
特許第3318593号公報
特許第3192400号公報
稲葉ら,「圧電制複合材力学的性質と制振性能の関係」,日本ゴム協会誌,67巻,564頁(1994年)
井上ら,「塩素化ポリエチレン/N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアルスルフェンアミド有機ハイブリッドの制振挙動」,繊維学会誌,56巻,443頁(2000年)

発明が解決しようとする課題

0008

本発明の目的は、高分子材料を主体とした、簡便に製造可能で、軽量で、より高い制振性を有する材料を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

本発明者らは、強誘電性ポリマー導電性材料を分散させることにより、分極処理を施すことによるマクロな圧電性を発現させなくても、微小な単位での圧電性に基づく高い制振性を発現することが可能であるという考えのもとに検討を行った。その結果、強誘電性ポリマーとして優れた性能を有する特定の構造のポリアミドに導電性材料を分散させた組成物は、分極処理を必要とせず、成形性に優れ、低価格で、高い制振性を有することを見出し、本発明に至ったものである。

0010

すなわち、本発明は、メタキシリレンジアミンを50モル%以上含むジアミン成分とアゼライン酸を50モル%以上含むジカルボン酸成分を重縮合して得られ、延伸フィルムを200MV/mの電界で分極処理を行った際の残留分極が30mC/m2以上である強誘電性ポリアミドと導電性材料とを含有することを特徴とする樹脂組成物に関するものである。さらに、該樹脂組成物を含むことを特徴とする制振材料、該樹脂組成物を含むことを特徴とする吸遮音材料に関するものである。本発明による樹脂組成物は、各種機械装置建築構造物車輌機体構造物の制振材料、吸遮音材料として好適に用いられる。

発明の効果

0011

本発明の樹脂組成物は、分極処理を必要としないため簡便に製造可能で、軽量で、より高い制振性を有する材料であり、本発明の工業的意義は大きい。

発明を実施するための最良の形態

0012

本発明の樹脂組成物に使用する強誘電性ポリアミドは、メタキシリレンジアミンを主なジアミン成分とし、アゼライン酸を主なジカルボン酸成分とし、重縮合して得られるポリアミドである。メタキシリレンジアミンを50モル%以上かつアゼライン酸を50モル%以上含むことが必要であり、メタキシリレンジアミンを70モル%以上かつアゼライン酸を70モル%以上含むことが好ましい。いずれかの成分が50モル%未満では、強誘電性が小さくなり導電性材料との組成物としたときに十分な制振性が得られない。

0013

本発明の樹脂組成物に使用するポリアミドは、強誘電性ポリマーとして、延伸フィルムを200MV/mの電界で分極処理を行った際の残留分極が30mC/m2以上である。残留分極が30mC/m2未満であると樹脂組成物としたときに十分な制振性が得られない。ここで、残留分極を測定する際に使用する延伸フィルムは、厚さ10〜300μmのフィルムを延伸倍率2.0倍以上で一軸、もしくは二軸延伸したものを用いる。必要に応じて、延伸したフィルムを緊張状態を保ったままガラス転移温度以上、融点以下の温度で10〜30秒間熱処理を行っても良いが、熱処理により残留分極が低下する場合は熱処理は行わない。

0014

全ジアミン成分の50モル%以下の範囲でメタキシリレンジアミン以外のジアミンを用いても良い。本発明に供せられるメタキシリレンジアミン以外のジアミンの例として、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシルメタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパンイソホロンジアミンパラフェニレンジアミンメタフェニレンジアミン、ビス(4−アミノフェニルエーテル、ビス(4−アミノフェニル)メタン等が挙げられる。

0015

全ジカルボン酸成分の50モル%以下の範囲でアゼライン酸以外のジカルボン酸を用いても良い。本発明に供せられるアゼライン酸以外のジカルボン酸の例として、グルタル酸アジピン酸ピメリン酸スベリン酸セバシン酸ウンデカン二酸ドデカン二酸ブラシル酸テレフタル酸イソフタル酸フタル酸、2−メチルテレフタル酸ナフタレンジカルボン酸ビフェニルジカルボン酸ベンゾフェノンジカルボン酸、テトラリンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸、トリシクロデカンジカルボン酸、ペンタシクロドデカンジカルボン酸イソホロンジカルボン酸、重合脂肪酸等が挙げられる。

0016

また、アミド結合繰り返し単位全体に対して繰り返し単位の50モル%を越えない範囲でアミノカルボン酸等のアミド結合生成性化合物を用いても良い。本発明に供せられるアミノカルボン酸等のアミド結合生成性化合物の例として、γ−ブチロラクタム、δ−バレロラクタム、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタム、5−アミノペンタン酸6−アミノヘキサン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、9−アミノノナン酸、10−アミノデカン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等が挙げられる。

0017

以上のような共重合成分の中では1,5−ペンタンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、グルタル酸、スベリン酸、ウンデカン二酸、イソフタル酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、δ−バレロラクタム、5−アミノペンタン酸、7−アミノヘプタン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸が特に好ましく、これらより選ばれる1種以上を含む共重合体である場合に本発明の樹脂組成物はより大きな制振性を示す。

0018

また,共重合成分がジカルボン酸成分およびジアミン成分でそれぞれ10モル%以下、即ちジアミン成分中のメタキシリレンジアミン及びジカルボン酸成分中のアゼライン酸がそれぞれ90モル%以上である場合にも本発明の樹脂組成物はより大きな制振性を示す。

0019

本発明の樹脂組成物に使用するポリアミドを製造する方法に特に制限はなく、従来公知の方法を適用することができる。

0020

製造方法によっては、原料として、ジカルボン酸成分には、ジカルボン酸の他にジカルボン酸エステルジカルボン酸塩化物活性アシル誘導体ジニトリルなどのジカルボン酸誘導体を用いることもできる。また、ジアミン成分には、ジアミンの他にN−アセチルジアミン、ジイソシアナート、N−シリル化ジアミンなどのジアミン誘導体を用いることもできる。

0021

本発明の樹脂組成物に使用するポリアミドの製造方法の例を以下に示す。
メタキシリレンジアミンを50モル%以上含むジアミン成分、ジアミン成分とほぼ等モルのアゼライン酸を50モル%以上含むジカルボン酸成分、および水とを、オートクレーブ中にてアミド化反応が起こる温度まで昇温し、水蒸気加圧下に所定時間保持し、アミド化反応を進行せしめる。次いで排気バルブを開いて水蒸気を放出して常圧まで戻しつつ内温をポリアミドの融点以上に昇温する。所定時間保持した後、ポリアミドを取り出す。ジアミン成分および脂肪族ジカルボン酸成分を各々単独に加える替わりにナイロン塩の形で加えることもできる。また、ジカルボン酸成分の一部もしくは全量を対応する低級アルキルエステルの形で使用しても良い。

0022

本発明の樹脂組成物に使用するポリアミドの製造方法の別の例を以下に示す。
アゼライン酸を50モル%以上含むジカルボン酸成分を反応容器中で昇温し,アゼライン酸が溶融した後,内容物を撹拌しながら、メタキシリレンジアミンを50モル%以上含むジアミン成分を連続的に滴下する。この間に内温を内容物の融点以上に連続的に昇温する。ジアミン成分の滴下と共に留出する水は、分縮器および冷却器を通して反応系外に除く。ジアミン成分を所定量滴下した後、更に所定時間反応を継続した後、ポリアミドを取り出す。

0023

さらに分子量を上げる必要が有れば、溶融重合で得られたポリアミドに固相重合を施し分子量を大きくすることもできる。

0024

本発明の樹脂組成物に使用するポリアミドには、各種の添加剤、たとえば重合触媒酸化防止剤熱安定剤紫外線吸収剤帯電防止剤などを重合反応の前後に添加しても良い。

0025

本発明の樹脂組成物は特定の強誘電性ポリアミドと導電性材料を含有するものである。導電性材料により抵抗値を調整し、強誘電性ポリアミドの微小なドメインに生じた電気エネルギーを効率よく熱エネルギーに変換して消費するものである。導電性材料は既知のものを用いることができる。例えば、無機系では銅、銅合金、銀、ニッケル低融点合金金属粉末金属繊維貴金属被覆した銅や銀の微粒子酸化錫酸化亜鉛酸化インジウムなどの金属酸化物の微粒子やウイスカー、各種カーボンブラックカーボンナノチューブなどの導電性カーボン粉末PAN系炭素繊維ピッチ系炭素繊維気相成長黒鉛などの炭素繊維、有機系では低分子界面活性剤型帯電防止剤、高分子系帯電防止剤ポリピロールポリアニリンなどの導電性ポリマー、金属を被覆したポリマー微粒子などが挙げられる。さらには、無機系導電性材料及び有機系導電性材料の両方を使用することもできる。なかでも、少なくとも1種類の炭素材料を使用することが好ましい。

0026

上記導電性材料の添加量は、0.01〜25重量%が好ましい。導電性材料の添加量が少なすぎると電気エネルギーの消費が不十分となり、多すぎると電気エネルギーの消費に働かない不要な導電性材料の分だけ性能が低下する。

0027

強誘電性ポリアミドと導電性材料の配合比率は、樹脂組成物の体積抵抗率が1012Ω・cm以下になるように調整することが好ましい。体積抵抗率が1012Ω・cm以下では電気機械変換作用により生じた電気エネルギーを効率よくジュール熱によって消費することができる。

0028

本発明の樹脂組成物は強誘電性を有するポリアミドと導電性材料を主成分とするものであるが、強誘電性ポリアミドと導電性材料のみからなるものには限定されない。振動エネルギー吸収を向上させる目的で、摩擦による損失効果を発現する無機フィラーを1種以上添加することが好ましい。無機フィラーとしては、例えばガラス片ガラスビーズガラスバルーンガラス繊維、炭素繊維、炭酸カルシウムアルミナ水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、バライト沈降硫酸バリウムウオラストナイトチタン酸カリウムセピオライトゾノトライト硫酸マグネシウム酸化チタンシリカ硫酸バリウムなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。中でも鱗片状のフィラーを添加することが好ましい。鱗片状のフィラーとしては、例えば、マスコバイト白雲母)、フロゴバイト(金雲母)、バイオタイト黒雲母)、フッ素金雲母人造雲母)などのマイカタルクセリサイトカオリナイトモンモリロナイト鱗片状ガラスフレーク、鱗片状ベーマイトなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。鱗片状のフィラーとしてはマイカが特に好ましい。

0029

上記無機フィラーの添加量は、20〜80重量%が好ましく、30〜75重量%が更に好ましい。無機フィラーの添加量が少なすぎると無機フィラー添加の効果が不十分であり、多すぎると添加が困難になる。

0030

また、必要に応じて、1種以上の添加剤、例えば、分散剤相溶化剤界面活性剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤、難燃剤架橋剤、酸化防止剤、老化防止剤、耐候剤、耐熱剤加工助剤光沢剤着色剤顔料染料)、発泡剤発泡助剤等を本発明の効果を阻害しない範囲で添加することができる。また、他の樹脂とのブレンドまたは成形後の表面処理なども、本発明の効果を阻害しない範囲で行うことができる。

0031

本発明の組成物は、強誘電性ポリアミド、導電性材料並びに必要に応じてフィラー、その他の添加剤を混合することで得られるが、その際には、熱ロールバンバリーミキサー二軸混練機押出機などの既知の溶融混合する装置を用いることができる。さらに、上記強誘電性ポリアミドを溶剤に溶解あるいは膨潤させ、導電性材料並びに必要に応じてフィラーを混入させた後乾燥する方法、各成分を微粉末状で混合する方法などの方法も採用することができる。なお、導電性材料、フィラー、添加剤などの添加方法添加順序などは特に限定されない。

0032

本発明の組成物は、制振材料、吸遮音材料として射出成形品シート、フィルム、繊維、発泡体接着剤塗料拘束型シート、非拘束型シートなどの形状で用いることができ、車輌、鉄道航空機家電OA機器精密機器建築機械土木建築物、精密機器、スポーツ用品などの制振材料、吸遮音材料として好適に利用することができる。

0033

以下に実施例を示すが本発明は以下の実施例に限定されるものではない。物性の測定などは以下の方法によった。
(1)残留分極
強誘電性ポリアミドを既知の方法により溶融成形し、厚さ約50〜200μmのフィルムとする。このフィルムを一軸、もしくは二軸延伸する。必要に応じて、延伸したフィルムを緊張状態を保ったままガラス転移温度以上、融点以下の温度で10〜30秒間熱処理を行っても良いが、熱処理により残留分極が低下する場合は熱処理は行わない。得られた厚さ15〜20μmの延伸フィルムの両面に、日本電子株式会社製JEE−400型真空蒸着装置を用いて、5mm×8mmのアルミニウム蒸着し、電極とした。株式会社東洋精機製作所製のヒステリシス測定装置を用いて、このフィルム両面の電極間に最大200MV/mの0.1Hzの正弦波電界を印加し、この時流れる電流チャージアンプで積分した分極Dを測定、電場Eに対してプロットし、そのヒステリシス曲線からE=0の時のDの値を求め残留分極とした。この時の分極Dを電場Eに対してプロットしたヒステリシス曲線から残留分極を求めた。
(2)体積抵抗率
樹脂組成物を直径約100mm、厚さ約2mmの円板上に成形し、試料とした。
JIS K6911の方法によって測定した。
(3)制振性
制振性は動的粘弾性損失弾性率により評価した。損失弾性率が大きいほど制振性が高い。樹脂組成物を熱プレスにより260℃で成形し、厚さ約1mmのシートとした。得られたシートを5mm×25mmに切り出し、試験片とした。得られた試験片を、動的粘弾性測定装置(株式会社東洋精機製作所製、レオログラフソリッドS−1)を用いて、0〜100℃、昇温速度2℃/分、周波数13Hzの条件で測定し、得られた損失弾性率のピーク値により評価した。

0034

<実施例1>
メタキシリレンジアミン(三菱化学株式会社製)とコグニス社製EMEROX1144(ジカルボン酸99.97%、アゼライン酸93.3モル%)を重縮合して得られたポリアミド90重量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックインターナシナル株式会社製、商品名ケッチェンブラックEC)10重量部を二軸押出機を用いて260℃で混練した。得られた樹脂組成物の体積抵抗率、制振性(損失弾性率のピーク値)を測定、評価した。結果を表1に示す。なお、残留分極測定に用いた延伸フィルムは以下の方法で作製した。強誘電性ポリアミドを単軸押出機スクリュー径20mm、L/D:25、スクリュー形式:フルフライト)を用い、Tダイ法により、シリンダー温度255〜265℃、Tダイ温度260℃、スクリュー回転数50rpmの条件で厚さ約50μmのフィルムを得た。このフィルムを株式会社東洋精機製作所製の二軸延伸機を用いて、90℃で数秒間予備加熱した後、延伸倍率が3倍の条件で、押出方向に一軸延伸した。次いで、延伸したフィルムを緊張状態を保ったまま200℃の雰囲気下で10秒間熱処理を行った。得られた厚さ15〜20μmの延伸フィルムを用いて残留分極を測定した。結果を表1に示す。

0035

<比較例1>
メタキシリレンジアミン(三菱瓦斯化学株式会社製)とコグニス社製EMEROX1144(ジカルボン酸99.97%、アゼライン酸93.3モル%)を重縮合して得られたポリアミドを用いて体積抵抗率、制振性(損失弾性率のピーク値)を測定、評価した。結果を表1に示す。残留分極は実施例1と同じである。

0036

<実施例2>
メタキシリレンジアミン(三菱瓦斯化学株式会社製)とコグニス社製EMEROX1144(ジカルボン酸99.97%、アゼライン酸93.3モル%)/イソフタル酸(エイ・ジイ・インターナショナル・ケミカル株式会社製)(モル比:75/25)を重縮合して得られたポリアミド90重量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックインターナショナル株式会社製、商品名ケッチェンブラックEC)10重量部を二軸押出機を用いて260℃で混練した。得られた樹脂組成物を用いて体積抵抗率、制振性(損失弾性率のピーク値)を測定、評価した。結果を表1に示す。残留分極測定に用いた延伸フィルムは実施例1と同様の方法で作製し、残留分極を測定した。結果を表1に示す。

0037

<比較例2>
メタキシリレンジアミン(三菱瓦斯化学株式会社製)とコグニス社製EMEROX1144(ジカルボン酸99.97%、アゼライン酸93.3モル%)/イソフタル酸(エイ・ジイ・インターナショナル・ケミカル株式会社製)(モル比:75/25)を重縮合して得られたポリアミドを用いて体積抵抗率、制振性(損失弾性率のピーク値)を測定、評価した。結果を表1に示す。残留分極は実施例2と同じである。

0038

<比較例3>
ナイロン6(宇部興産株式会社製、商品名:UBEナイロン1024B)を用いて体積抵抗率、制振性(損失弾性率のピーク値)を測定、評価した。結果を表1に示す。なお、残留分極測定に用いた延伸フィルムは以下の方法で作製した。単軸押出機(スクリュー径:20mm、L/D:25、スクリュー形状:フルフライト)を用い、Tダイ法により、シリンダー温度240〜250℃、Tダイ温度245℃、スクリュー回転数50rpmの条件で厚さ約50μmのフィルムを得た。このフィルムを株式会社東洋精機製作所製の二軸延伸機を用いて、90℃で数秒間予備加熱した後、延伸倍率が3.5倍の条件で、押出方向に一軸延伸した。次いで、延伸したフィルムを緊張状態を保ったまま200℃の雰囲気下で10秒間熱処理を行った。得られた厚さ15〜20μmの延伸フィルムを用いて残留分極を測定した。結果を表1に示す。

0039

<比較例4>
比較例3で用いた樹脂90重量部と導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックインターナショナル株式会社製、商品名ケッチェンブラックEC)10重量部を二軸押出機を用いて260℃で混練した。得られた樹脂組成物を用いて体積抵抗率、制振性(損失弾性率のピーク値)を測定、評価した。結果を表1に示す。

0040

<比較例5>
ナイロン6/66/610/12樹脂(東レ株式会社製、商品名:アミランCM8000)を用いて体積抵抗率、制振性(損失弾性率のピーク値)を測定、評価した。結果を表1に示す。なお、ポリアミドの残留分極測定に用いた延伸フィルムは以下の方法で作製した。単軸押出機(スクリュー径:20mm、L/D:25、スクリュー形状:フルフライト)を用い、Tダイ法により、シリンダー温度250〜265℃、Tダイ温度260℃、スクリュー回転数50rpmの条件で厚さ約50μmのフィルムを得た。このフィルムを株式会社東洋精機製作所製の二軸延伸機を用いて、90℃で数秒間予備加熱した後、延伸倍率が3.0倍の条件で、押出方向に一軸延伸した。次いで、延伸したフィルムを緊張状態を保ったまま200℃の雰囲気下で10秒間熱処理を行った。得られた厚さ15〜20μmの延伸フィルムを用いて残留分極を測定した。結果を表1に示す。

0041

<比較例6>
比較例5で用いた樹脂90重量部と導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックインターナショナル株式会社製、商品名ケッチェンブラックEC)10重量部を二軸押出機を用いて260℃で混練した。得られた樹脂組成物を用いて体積抵抗率、制振性(損失弾性率のピーク値)を測定、評価した。結果を表1に示す。

0042

表1に示すように、比較例1,2と比較して、実施例1,2の本発明による樹脂組成物は、高い損失弾性率を示し,制振性が高かった。また、比較例3〜6で本発明で用いるポリアミド以外のポリアミドを使った場合では、導電性材料を加えても高い損失弾性率を示さず,制振性が低かった。

0043

<実施例3>
メタキシリレンジアミン(三菱瓦斯化学株式会社製)とコグニス社製EMEROX1144(ジカルボン酸99.97%、アゼライン酸93.3モル%)を重縮合して得られたポリアミド36重量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックインターナショナル株式会社製、商品名ケッチェンブラックEC)4重量部と、マイカ(マスコバイト:山口雲母株式会社製、商品名:B−82)60重量部をバッチ式二軸混練機を用いて260℃で混練した。得られた樹脂組成物を用いて体積抵抗率、制振性(損失弾性率のピーク値)を測定、評価した。結果を表2に示す。

0044

<実施例4>
メタキシリレンジアミン(三菱瓦斯化学株式会社製)とコグニス社製EMEROX1144(ジカルボン酸99.97%、アゼライン酸93.3モル%)/イソフタル酸(エイ・ジイ・インターナショナル・ケミカル株式会社製)(モル比:75/25)を重縮合して得られたポリアミド36重量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックインターナショナル株式会社製、商品名ケッチェンブラックEC)4重量部と、マイカ(マスコバイト:山口雲母株式会社製、商品名:B−82)60重量部をバッチ式二軸混練機を用いて260℃で混練した。得られた樹脂組成物を用いて体積抵抗率、制振性(損失弾性率のピーク値)を測定、評価した。結果を表2に示す。

0045

<比較例7>
ナイロン6(宇部興産株式会社製、商品名:UBEナイロン1024B)36重量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックインターナショナル株式会社製、商品名ケッチェンブラックEC)4重量部と、マイカ(マスコバイト:山口雲母株式会社製、商品名:B−82)60重量部をバッチ式二軸混練機を用いて260℃で混練した。得られた樹脂組成物を用いて体積抵抗率、制振性(損失弾性率のピーク値)を測定、評価した。結果を表2に示す。

0046

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