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技術 低燐溶銑の製造方法

出願人 JFEスチール株式会社
発明者 松野英寿松井章敏菊地良輝清水宏竹濱良平
出願日 2003年10月28日 (17年2ヶ月経過) 出願番号 2003-367888
公開日 2005年5月26日 (15年7ヶ月経過) 公開番号 2005-133117
状態 特許登録済
技術分野 銑鉄の精製;鋳鉄の製造;転炉法以外の製鋼 炭素鋼又は鋳鋼の製造
主要キーワード 工程期間 固体酸素 ガス撹拌 吹込みガス トーピード 気体酸素 ガス攪拌 温度上昇分
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2005年5月26日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (2)

課題

溶銑予備脱燐の処理を行う際に、スクラップ添加時期を制御することで、効率的に溶銑脱燐を行う脱燐処理方法を提案する。

解決手段

本発明の低燐溶銑の製造方法は、上下両吹き機能を有する転炉形式の炉を用いて、炉内の溶銑に脱燐剤を添加する工程と、酸素ガスを上吹きしながら炉底からガスを流して溶銑を撹拌する吹錬工程と、を備える。スクラップの全量もしくはその一部を、前記吹錬工程中に炉上から溶銑に添加する。

概要

背景

従来、溶銑段階で予備脱燐を行い、溶銑中燐濃度をある程度除去してから転炉脱炭吹錬を実施する製鋼方法発展してきた。この予備脱燐処理では、溶銑中に石灰系溶剤とともに気体酸素固体酸化鉄等の酸素源を添加するため、酸素源が溶銑中の燐と反応する以外にも炭素珪素とも反応して溶銑温度が上昇する。脱燐反応熱力学的に低温が有利であるため、処理後の溶銑温度は冷却材を添加することによって1300℃前後に制御されている。トーピードでは、撹拌も弱く、ランスを溶銑中へ装入するため、冷却材としてスクラップを添加することが不可能であるが、転炉形式の炉では、底吹き撹拌が大きく、ランスも装入しないためスクラップを溶解することが可能である。

転炉形式の炉を用いて溶銑脱燐処理を行うにあたり、スクラップを装入する方法として、「上下両吹き機能を有した2基の転炉形式の炉のうちの一方を脱燐炉、他方を脱炭炉として溶銑の精錬を行う製鋼方法であって、溶銑を前記脱燐炉へ注入した後、これに前記脱炭炉で発生した転炉滓を主成分とする精錬剤と幅が30mm以下で厚さが1.5mm以下の軽量スクラップとを添加し、吹込みガス流量:0.07Nm3/min・t以上で底吹きガス撹拌を行いつつ酸素ガスを上吹きして溶銑温度を1400℃以下に保ちながら吹錬を行う…製鋼法」(特許文献1、特許請求の範囲参照)が開示されている。

また、「上下両吹き機能を有する転炉形式の炉に注銑した溶銑に脱燐剤を添加し、底吹ガス攪拌を行いつつ酸素ガスを上吹きして溶銑脱燐を行うに当たり、スクラップを溶解する方法として、まず脱燐剤の一部とスクラップと炭材を溶銑に添加して酸素を上吹きし、スクラップを溶解した後、残部の脱燐剤を添加して脱燐処理を行う方法が提案されている(特許文献2、特許請求の範囲参照)。

特開平1−147011号公報
特開平1−316409号公報

概要

溶銑予備脱燐の処理を行う際に、スクラップの添加時期を制御することで、効率的に溶銑脱燐を行う脱燐処理方法を提案する。 本発明の低燐溶銑の製造方法は、上下両吹き機能を有する転炉形式の炉を用いて、炉内の溶銑に脱燐剤を添加する工程と、酸素ガスを上吹きしながら炉底からガスを流して溶銑を撹拌する吹錬工程と、を備える。スクラップの全量もしくはその一部を、前記吹錬工程中に炉上から溶銑に添加する。

目的

そこで本発明は、上記従来の技術の問題点を鑑み、溶銑予備脱燐の処理を行う際に、スクラップの添加時期を制御することで、効率的に溶銑脱燐を行う脱燐処理方法を提案することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

上下両吹き機能を有する転炉形式の炉を用いて、炉内の溶銑脱燐剤を添加する工程と、酸素ガスを上吹きしながら炉底からガスを流して溶銑を撹拌する吹錬工程と、を備える低燐溶銑の製造方法において、スクラップの全量もしくはその一部を、吹錬工程中に炉上から溶銑に添加することを特徴とする低燐溶銑の製造方法。

請求項2

吹錬工程中に添加するスクラップの添加時期を、吹錬工程期間の前半までとすることを特徴とする請求項1に記載の低燐溶銑の製造方法。

請求項3

前記脱燐剤としてフッ素化合物が含まれないことを特徴とする請求項1又は2に記載の低燐溶銑の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、転炉形式の炉を用いて溶銑脱燐処理を行うにあたって、スクラップ添加方法及び時期を制御することで、効率的に低燐溶銑を製造する方法に関する。

背景技術

0002

従来、溶銑段階で予備脱燐を行い、溶銑中燐濃度をある程度除去してから転炉脱炭吹錬を実施する製鋼方法発展してきた。この予備脱燐処理では、溶銑中に石灰系溶剤とともに気体酸素固体酸化鉄等の酸素源を添加するため、酸素源が溶銑中の燐と反応する以外にも炭素珪素とも反応して溶銑温度が上昇する。脱燐反応熱力学的に低温が有利であるため、処理後の溶銑温度は冷却材を添加することによって1300℃前後に制御されている。トーピードでは、撹拌も弱く、ランスを溶銑中へ装入するため、冷却材としてスクラップを添加することが不可能であるが、転炉形式の炉では、底吹き撹拌が大きく、ランスも装入しないためスクラップを溶解することが可能である。

0003

転炉形式の炉を用いて溶銑脱燐処理を行うにあたり、スクラップを装入する方法として、「上下両吹き機能を有した2基の転炉形式の炉のうちの一方を脱燐炉、他方を脱炭炉として溶銑の精錬を行う製鋼方法であって、溶銑を前記脱燐炉へ注入した後、これに前記脱炭炉で発生した転炉滓を主成分とする精錬剤と幅が30mm以下で厚さが1.5mm以下の軽量スクラップとを添加し、吹込みガス流量:0.07Nm3/min・t以上で底吹きガス撹拌を行いつつ酸素ガスを上吹きして溶銑温度を1400℃以下に保ちながら吹錬を行う…製鋼法」(特許文献1、特許請求の範囲参照)が開示されている。

0004

また、「上下両吹き機能を有する転炉形式の炉に注銑した溶銑に脱燐剤を添加し、底吹ガス攪拌を行いつつ酸素ガスを上吹きして溶銑脱燐を行うに当たり、スクラップを溶解する方法として、まず脱燐剤の一部とスクラップと炭材を溶銑に添加して酸素を上吹きし、スクラップを溶解した後、残部の脱燐剤を添加して脱燐処理を行う方法が提案されている(特許文献2、特許請求の範囲参照)。

0005

特開平1−147011号公報
特開平1−316409号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかし、特許文献1に記載の方法では、スクラップのサイズが小さく、切断等の費用がかかるばかりでなく、固体酸素精錬剤を添加するため、その顕熱が大きく、溶銑配合率が最大でも96.0%しか得られていないのが実情である。

0007

また特許文献2に記載の方法では、工程がスクラップ溶解期と脱燐期に分かれるため、吹錬時間が非常に長くなり、生産性阻害してしまう。

0008

このように、溶銑予備脱燐の処理を行う際に、スクラップの添加時期を吹錬開始前一括で添加する従来の低燐溶銑の製造方法は、様々な問題を抱えていた。

0009

そこで本発明は、上記従来の技術の問題点を鑑み、溶銑予備脱燐の処理を行う際に、スクラップの添加時期を制御することで、効率的に溶銑脱燐を行う脱燐処理方法を提案することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明者は、転炉形式の炉を用いた実験で効率的に脱燐処理する方法を鋭意検討した。その結果、吹錬前の溶銑温度とその温度推移が処理後の溶銑中の[P]濃度に影響することを見出した。具体的には、吹錬前の溶銑温度が低い場合には処理後の溶銑中の[P]濃度が高くなる傾向がある。従来は、脱燐処理は燐の酸化反応であるため、低温の方が有利であるという考え方が一般的であったが、初期スラグの造滓性は重要であり、その溶融性を確保するためには、処理温度を高く保つことが有効であることを知見した。そこで本発明者は、スクラップを吹錬開始前に予め装入するのではなく、吹錬開始後に炉上から添加する方法を考案した。

0011

すなわち請求項1の発明は、上下両吹き機能を有する転炉形式の炉を用いて、炉内の溶銑に脱燐剤を添加する工程と、酸素ガスを上吹きしながら炉底からガスを流して溶銑を撹拌する吹錬工程と、を備える低燐溶銑の製造方法において、スクラップの全量もしくはその一部を、前記吹錬工程中に炉上から溶銑に添加することを特徴とする。

0012

請求項2の発明は、請求項1に記載の低燐溶銑の製造方法において、吹錬工程中に添加するスクラップの添加時期を、吹錬工程期間の前半までとすることを特徴とする。

0013

請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の低燐溶銑の製造方法において、前記脱燐剤としてフッ素化合物が含まれないことを特徴とする。なお、従来フッ素化合物としては、一般に蛍石等が使用されている。

発明の効果

0014

請求項1の発明によれば、吹錬による溶銑の酸化反応に伴う温度上昇分に合わせて、スクラップを添加することができるため、低温での脱燐処理を回避でき、これにより処理後の溶銑中の[P]濃度を低減することができる。

0015

請求項2の発明のように、吹錬工程の前半までにスクラップの添加を終了すれば、未溶解がなくなる。

0016

近年、環境問題の観点から脱燐剤としてのフッ素化合物、例えば蛍石はその使用が制約される。蛍石を使用しない場合、初期のスラグの溶融性の影響が大きく、処理前の溶銑温度が低いときに処理後の溶銑中の[P]濃度が高くなる傾向が特に著しい。本発明は脱燐剤としてのフッ素化合物を使用しない場合に特に有効である。

発明を実施するための最良の形態

0017

以下本発明の一実施形態を説明する。本発明の低燐溶銑の製造方法は、上下両吹き機能を有する転炉形式の炉を用いて、炉内の溶銑に脱燐剤を添加する工程と、酸素ガスを上吹きしながら炉底からガスを流して溶銑を撹拌する吹錬工程と、を備える。

0018

図1に示されるように、転炉形式の炉(転炉型容器とも呼ばれる)1とは、ランス2で上方から溶銑に酸素ガス6を吹き付ける一方、その炉底からAr,N2,CO2,CO或いはO2ガスを吹き込んで溶銑4を補助的に攪拌する複合吹錬転炉を代表的なものとして挙げることができる。この実施形態では、炉底のノズル3から窒素ガス7を吹き込んでいる。脱燐剤5としては、石灰後段の脱炭炉で発生した転炉滓、蛍石等を用いることができるが、この実施形態では石灰のみを用い、蛍石は使用しない。また脱燐処理の際、吹錬工程中に炉上からスクラップ8を添加する。

0019

図2はスクラップの装入・添加時期の概念図を示す。図中(a)は従来一般的に行なわれている吹錬工程前にスクラップを装入する比較例を示し、図中(b)は吹錬工程中にスクラップを添加する本発明例を示す。比較例では、炉に溶銑を注銑後、スクラップシュートからスクラップを装入し、その後吹錬を開始する。本発明では、炉に溶銑を注銑後、吹錬工程中、すなわち吹錬を開始した後に炉上からスクラップを添加する。

0020

本発明者は、転炉形式の炉を用いた実験で効率的に脱燐処理する方法を鋭意検討した。その結果、吹錬前の溶銑温度が低い場合には処理後の溶銑中の[P]濃度が高くなる傾向があり、特に近年環境問題からその使用が制限される蛍石を使用しない場合が特に著しいことが判明した。これは、転炉形式の炉では通常スクラップを吹錬前に入れるため、処理前温度が低い場合にはスクラップの顕熱でさらに溶銑温度が下がることが原因だと考えられる。従来は、脱燐処理は燐の酸化反応であるため、低温の方が有利であるという考え方が一般的であったが、初期のスラグの造滓性は重要であり、その溶融性を確保するためには、処理温度を高く保つことが有効である。特に脱燐剤として蛍石を使用しない場合には溶融性の影響は大きいと考えられる。そこで本発明では、スクラップを吹錬開始前に予め装入するのではなく、吹錬開始後に炉上から添加する。

0021

本発明には、スクラップの一部を吹錬開始前に装入し、吹錬開始後に残りのスクラップを添加する場合も含まれる。装入・添加するスクラップ量は処理前温度(吹錬前の溶銑温度)が極端に低い場合には、炉上から全量添加するのが望ましいが、処理前温度がさほど低くない場合には、吹錬開始前に所要のスクラップの一部を装入し、吹錬開始後に残部のスクラップを添加してもよい。

0022

またスクラップを添加する時期を吹錬の後半まで引き延ばすと、スクラップの溶解時間が足りなくなり、未溶解のスクラップが生じることがわかっている。吹錬期間の前半の1/2内までに添加を終了すれば、未溶解がなくなることが確認された。未溶解が生じると鉄歩留まりが悪化するばかりでなく、スラグの排滓性、底吹きガスの閉鎖等のトラブルが発生するため操業上回避したい事項となる。

0023

本発明のように、脱燐処理の際にスクラップの添加時期を変更して、溶銑の温度制御をすることで、蛍石も使用しないで極めて優れた溶銑予備脱燐処理を行うことができる。

0024

高炉出銑した溶銑を溶銑鍋内で脱珪処理し、機械撹拌を用いて溶銑鍋内で脱硫処理を施したあと、図1に示される300tの転炉型容器内で脱珪処理を行った。上吹きランスを用いて酸素ガスを1.2〜1.5Nm3/(min・t)の速度で溶銑に吹き付けるとともに、炉底に埋め込まれたノズルを介して底吹きガスとして窒素ガスを0.07〜0.12Nm3/(min・t)の供給量で吹き込み、10〜12分間の吹錬時間で行った。なお、脱燐剤としては石灰のみを用い、処理前の溶銑[Si]濃度に応じて、14〜21kg/t添加し、蛍石は使用しなかった。

0025

また吹錬を開始した後に炉上からスクラップを添加した。添加するスクラップの一部を吹錬開始前に添加し、吹錬開始後に残りのスクラップを添加する場合の方法も実施した。

0026

各実施例の結果を、溶銑成分・温度の変化とともに表1に示す。スクラップを吹錬前に入れる比較例に比べて、吹錬中にスクラップの全量もしくは一部を添加する本発明例の方が脱燐率が高く、処理後の[P]濃度が低下した。処理前の溶銑温度が低い場合においても、吹錬後に全量スクラップを入れて温度制御することで所定の処理後[P]濃度が得られた。

0027

0028

今回、吹錬後に添加するスクラップの添加時期は、すべて吹錬時間の初期1/2までの期間に添加したものであり、脱燐終了後にはスクラップの溶け残りは確認されなかった。

図面の簡単な説明

0029

本発明の転炉形式の炉の概略断面図。
スクラップの装入・添加時期の概念図。

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