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技術 難燃性制振材

出願人 シーシーアイ株式会社
発明者 小林久晃佐藤溶一林晃司
出願日 2003年10月27日 (17年0ヶ月経過) 出願番号 2003-365813
公開日 2005年5月19日 (15年6ヶ月経過) 公開番号 2005-126634
状態 特許登録済
技術分野 高分子組成物
主要キーワード 軟樹脂 被装着物 樹脂添加用 中央加 アクリロニトリル単独重合体 ロックファイバー 異型成形 適用箇所
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2005年5月19日)のものです。
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図面 (2)

課題

難燃性を付与することができるとともに、可撓性が良好で制振性能を十分に発揮することができる難燃性制振材を提供する。

解決手段

難燃性制振材は、(A)高分子材料100重量部に対し、(B)金属水酸化物50〜180重量部、(C)赤燐3〜20重量部及び(D)無機フィラー50〜200重量部を含有している。また、(A)成分100重量部のうち、(A−1)ポリオレフィン系樹脂を30〜80重量部含有させるとともに、(A−2)ポリオレフィン系柔軟樹脂を20〜70重量部含有させることが好ましい。

概要

背景

従来、この種の難燃性制振材としては、デカブロモジフェニルエーテル等のハロゲン系難燃剤三酸化アンチモン(Sb2O3)等を塩ビ系樹脂に配合したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。ところが、塩ビ系樹脂は燃焼時にダイオキシンを発生する可能性があるため、近年では脱塩ビの要求が高まっている。一方、ハロゲン系難燃剤及び三酸化アンチモン(Sb2O3)は環境負荷物質として登録されている。そのため、ハロゲン系難燃剤及び三酸化アンチモン(Sb2O3)を含有しない難燃性制振材が要求されている。

ハロゲン系難燃剤及び三酸化アンチモン(Sb2O3)を含有しない難燃性制振材としては、合成樹脂金属水酸化物等を配合したものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−158841号公報
特開平8−176450号公報

概要

難燃性を付与することができるとともに、可撓性が良好で制振性能を十分に発揮することができる難燃性制振材を提供する。 難燃性制振材は、(A)高分子材料100重量部に対し、(B)金属水酸化物50〜180重量部、(C)赤燐3〜20重量部及び(D)無機フィラー50〜200重量部を含有している。また、(A)成分100重量部のうち、(A−1)ポリオレフィン系樹脂を30〜80重量部含有させるとともに、(A−2)ポリオレフィン系柔軟樹脂を20〜70重量部含有させることが好ましい。

目的

本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、難燃性を付与することができるとともに、可撓性が良好で制振性能を十分に発揮することができる難燃性制振材を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
2件

この技術が所属する分野

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請求項1

(A)高分子材料100重量部に対し、(B)金属水酸化物50〜180重量部、(C)赤燐3〜20重量部、及び(D)無機フィラー50〜200重量部の各成分を含有してなる難燃性制振材

請求項2

前記(A)高分子材料100重量部のうち、(A−1)ポリオレフィン系樹脂を30〜80重量部含有するとともに、(A−2)ポリオレフィン系柔軟樹脂を20〜70重量部含有する請求項1に記載の難燃性制振材。

請求項3

前記(A−2)ポリオレフィン系柔軟樹脂は、エチレン及びプロピレンから選ばれる少なくとも一種と、アクリル酸エステル、及び酢酸ビニルから選ばれる少なくとも一種との共重合体、並びにポリオレフィンエラストマーである請求項2に記載の難燃性制振材。

請求項4

前記(D)成分がマイカである請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の難燃性制振材。

請求項5

前記(B)成分は水酸化マグネシウム水酸化カルシウム及び水酸化アルミニウムから選ばれる少なくとも一種であり、前記(B)成分の平均粒径は0.1〜20μmである請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の難燃性制振材。

請求項6

前記(A)高分子材料100重量部のうち、(A−3)成分としてポリアクリロニトリル系樹脂を1〜20重量部含有する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の難燃性制振材。

請求項7

前記(A−3)成分中におけるアクリロニトリル成分比率が85重量%を超える請求項6に記載の難燃性制振材。

請求項8

厚さ1mmでの中央加振法における損失係数ピーク温度が−10〜+50℃の範囲であり、20℃での損失係数が0.03以上である請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の難燃性制振材。

技術分野

0001

本発明は、例えば家電分野、自動車分野等に適用され、難燃性及び制振性を有する難燃制振材に関するものである。

背景技術

0002

従来、この種の難燃性制振材としては、デカブロモジフェニルエーテル等のハロゲン系難燃剤三酸化アンチモン(Sb2O3)等を塩ビ系樹脂に配合したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。ところが、塩ビ系樹脂は燃焼時にダイオキシンを発生する可能性があるため、近年では脱塩ビの要求が高まっている。一方、ハロゲン系難燃剤及び三酸化アンチモン(Sb2O3)は環境負荷物質として登録されている。そのため、ハロゲン系難燃剤及び三酸化アンチモン(Sb2O3)を含有しない難燃性制振材が要求されている。

0003

ハロゲン系難燃剤及び三酸化アンチモン(Sb2O3)を含有しない難燃性制振材としては、合成樹脂金属水酸化物等を配合したものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−158841号公報
特開平8−176450号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところが、上記特許文献2に記載の難燃性制振材において、難燃性を十分に付与するには高分子材料100重量部に対し、200重量部以上の金属水酸化物を配合する必要がある。この金属水酸化物の多量配合によって、難燃性制振材の可撓性が悪化する。従って、制振性能が十分に発揮されないという問題があった。

0005

本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、難燃性を付与することができるとともに、可撓性が良好で制振性能を十分に発揮することができる難燃性制振材を提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の難燃性制振材は、(A)高分子材料100重量部に対し、(B)金属水酸化物50〜180重量部、(C)赤燐3〜20重量部、及び(D)無機フィラー50〜200重量部の各成分を含有してなることを要旨とする。

0007

請求項2に記載の発明の難燃性制振材は、請求項1に記載の発明において、前記(A)高分子材料100重量部のうち、(A−1)ポリオレフィン系樹脂を30〜80重量部含有するとともに、(A−2)ポリオレフィン系柔軟樹脂を20〜70重量部含有することを要旨とする。

0008

請求項3に記載の発明の難燃性制振材では、請求項2に記載の発明において、前記(A−2)ポリオレフィン系柔軟樹脂は、エチレン及びプロピレンから選ばれる少なくとも一種と、アクリル酸エステル、及び酢酸ビニルから選ばれる少なくとも一種との共重合体、並びにポリオレフィンエラストマーであることを要旨とする。

0009

請求項4に記載の発明の難燃性制振材では、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記(D)成分がマイカであることを要旨とする。
請求項5に記載の発明の難燃性制振材では、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記(B)成分は水酸化マグネシウム水酸化カルシウム及び水酸化アルミニウムから選ばれる少なくとも一種であり、前記(B)成分の平均粒径は0.1〜20μmであることを要旨とする。

0010

請求項6に記載の発明の難燃性制振材では、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の発明において、前記(A)高分子材料100重量部のうち、(A−3)成分としてポリアクリロニトリル系樹脂を1〜20重量部含有することを要旨とする。

0011

請求項7に記載の発明の難燃性制振材では、請求項6に記載の発明において、前記(A−3)成分中におけるアクリロニトリル成分比率が85重量%を超えることを要旨とする。

0012

請求項8に記載の発明の難燃性制振材では、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の発明において、厚さ1mmでの中央加振法における損失係数ピーク温度が−10〜+50℃の範囲であり、20℃での損失係数が0.03以上であることを要旨とする。

発明の効果

0013

本発明の難燃性制振材によれば、難燃性を付与することができるとともに、可撓性が良好で制振性能を十分に発揮することができる。

発明を実施するための最良の形態

0014

以下、本発明を具体化した実施形態を詳細に説明する。
本実施形態における難燃性制振材は、(A)高分子材料100重量部に対し、(B)金属水酸化物50〜180重量部、(C)赤燐3〜20重量部及び(D)無機フィラー50〜200重量部を含有している。

0015

(A)高分子材料は難燃性制振材のマトリックスとして含有され、塩素等のハロゲン元素を含有しないものをいう。(A)成分の具体例としては合成樹脂、ゴム類等が挙げられる。合成樹脂としては、(A−1)ポリオレフィン系樹脂、(A−2)ポリオレフィン系柔軟樹脂及び(A−3)ポリアクリロニトリル系樹脂の他、ポリエステル系樹脂ポリウレタン系樹脂、各種エンジニアリングプラスチック等が挙げられる。

0016

(A−1)成分としては、ポリエチレンポリプロピレン(PP)等が挙げられる。(A−2)成分は、(A−1)成分よりも柔軟なポリオレフィン系樹脂を示し、具体的にはタイプDデュロメータ(JIS K 6253に準拠)によって測定した硬度が(A−1)成分よりも低い値のポリオレフィン系樹脂を示す。(A−1)成分の硬度は60以上、(A−2)成分の硬度は60未満である。

0017

(A−2)成分としては、エチレン及びプロピレンから選ばれる少なくとも一種と、アクリル酸エステル、及び酢酸ビニルから選ばれる少なくとも一種との共重合体、並びにポリオレフィンエラストマーであることが好ましい。アクリル酸エステルとしては、メチルエステルエチルエステルブチルエステル等が挙げられる。上記共重合体としては、エチレン/アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン/酢酸ビニル共重合体EVA)等が挙げられる。ポリオレフィンエラストマー(TPO)としては、エチレン/プロピレン共重合体EPR)、エチレン/α−オレフィン共重合体、エチレン/プロピレン/ジエン三元共重合体(EPDM)、エチレン/α−オレフィン/ジエン三元共重合体等が挙げられる。

0018

(A−3)ポリアクリロニトリル系樹脂(PAN)としては、アクリロニトリル単独重合体アクリロニトリルを含む共重合体、又はこれらを主成分としたブレンドが挙げられる。アクリロニトリルを含む共重合体は、アクリロニトリルと、第2の成分から選ばれる少なくとも一種との共重合体をいう。第2の成分としてはアクリル酸メタクリル酸イタコン酸又はこれらの誘導体アリスルホン酸メタクリルスルホン酸、スチレンスルホン酸又はこれらのアルカリ金属塩メチルスチレンα−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、N−置換マレイミドブタジエン等が挙げられる。アクリル酸、メタクリル酸及びイタコン酸の誘導体としては、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、アルカリ金属塩、アンモニウム塩等が挙げられ、いわゆるアクリロニトリル/スチレン(AS)樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂も含まれる。

0019

ゴム類としては、スチレン/ブタジエン共重合ゴムSBR)、ブタジエンゴム(BR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)等が挙げられる。
上記(A)成分は単独で配合してもよく、複数種をブレンドして配合してもよい。難燃性制振材の可撓性を向上することができることから、(A)成分100重量部のうち、(A−1)成分を30〜80重量部含有させるとともに、(A−2)成分を20〜70重量部含有させることが好ましい。(A−1)成分が30重量部未満であるとともに、(A−2)成分が70重量部を超える場合、難燃性制振材における強度等の機械的物性が低下するおそれがある。一方、(A−1)成分が80重量部を超えるとともに、(A−2)成分が20重量部未満である場合、難燃性制振材の可撓性が十分に得られないおそれがある。(A−1)成分及び(A−2)成分は、それぞれ単独で配合してもよく、複数種をブレンドして配合してもよい。(A−1)成分の中でも、物性維持の点からPPを主成分とした樹脂が好ましい。(A−2)成分の中でも、機械的物性が良好であることからエチレン/プロピレン共重合体(EPR)が好ましい。

0020

また、難燃性制振材の難燃性を向上することができることから、(A)成分100重量部のうち、(A−3)成分を1〜20重量部含有させることが好ましく、(A−3)成分を2〜15重量部含有させることがさらに好ましい。(A−3)成分が1重量部未満の場合、難燃性を十分に向上させることができないおそれがある。一方、(A−3)成分が20重量部を超える場合、(A−3)成分と、(A−3)成分以外の(A)成分との相溶性が低下し、難燃性制振材の機械的物性が低下するおそれがある。(A−3)成分に加えて(A−1)成分及び(A−2)成分を配合する場合、(A)成分100重量部のうち、(A−1)成分を30〜60重量部含有させるとともに、(A−2)成分を20〜69重量部含有させることが好ましい。この場合、(A−3)成分は、単独で配合してもよく、複数種をブレンドして配合してもよい。

0021

(A−3)成分中におけるアクリロニトリル成分の比率は、85重量%を超えることが好ましく、90重量%以上であることがさらに好ましい。この比率が85重量%以下である場合、優れた難燃性が得られないおそれがあるばかりでなく、機械的物性が低下するおそれがある。この比率は、単独の(A−3)成分の場合、アクリロニトリル成分と他の成分との重合比率から算出した重量%をいう。

0022

(B)金属水酸化物は、難燃性制振材に難燃性を付与するために配合される。(B)成分は二価又は三価の金属の水酸化物であって、制振性を幾分向上させた上で、難燃性を向上することができることから、好ましくは水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム及び水酸化アルミニウムから選ばれる少なくとも一種である。(B)成分の平均粒径は、好ましくは0.1〜20μm、より好ましくは0.5〜10μmである。この平均粒径が0.1μm未満の場合、凝集による分散不良が発生し、所定の組成物が得られないという問題が生じやすい。一方、20μmを超える場合、難燃性低下や機械的物性の低下、又は外観不良を招くという不具合が生じやすい。平均粒径が0.1〜20μmの場合、難燃性や機械的物性が十分に発揮されるとともに難燃性制振材の外観を良好にすることができる。

0023

(B)成分の含有量は、(A)成分100重量部に対して50〜180重量部、好ましくは80〜160重量部である。この含有量が50重量部未満の場合、難燃性が低下するという問題がある。一方、180重量部を超える場合、機械的物性の低下や外観不良が認められる。

0024

(C)赤燐は、難燃性制振材に難燃性を付与するために配合される。(C)成分は、取扱い性に優れることから、表面被覆赤燐を配合するか又はマスターバッチとして配合することが好ましい。表面被覆赤燐は、赤燐の表面がコーティング剤(樹脂、金属酸化物、それらの混合物等)によってコーティングされたものである。マスターバッチは、赤燐と(A)成分と混練し、例えばペレット状に成形したものである。このとき、制振性や難燃性を十分に発揮させるべく、表面被覆赤燐中の赤燐含有量は、90重量%以上であることが好ましい。

0025

(C)成分の平均粒径は、好ましくは1〜50μm、より好ましくは25〜35μmである。この平均粒径が1μm未満の場合、分散不良が発生するおそれがある。一方、50μmを超える場合、難燃性が不十分になるという不具合が生じやすい。(C)成分の含有量は、(A)成分100重量部に対して3〜20重量部、好ましくは5〜16重量部である。この含有量が3重量部未満の場合、難燃性が低下するという問題がある。一方、20重量部を超える場合、機械的物性の低下という不具合が生ずる。

0026

(D)無機フィラーは、制振性及び成形品に良好な機械的物性(引張強度曲げ弾性率耐衝撃性等)を付与するために配合される。(D)成分としては、ガラス繊維炭素繊維金属繊維金属フレークガラスビーズワラストナイトガラスミルドファイバーロックファイバーガラスフレーク炭酸カルシウムタルク、マイカ、カオリン硫酸バリウム黒鉛二硫化モリブデン酸化マグネシウム酸化亜鉛酸化亜鉛ウィスカーチタン酸カリウムウィスカーガラスバルーンセラミックバルーン等が挙げられる。(D)成分は、単独で配合してもよく、複数種を配合してもよい。(D)成分の中でも、制振性の向上効果に優れることから、好ましくはマイカである。(D)成分の含有量は、(A)成分100重量部に対して50〜200重量部、好ましくは70〜180重量部である。この(D)成分が50重量部未満の場合、制振性や機械的物性が十分に得られない。一方、200重量部を超える場合、可撓性が劣る問題がある。

0027

難燃性制振材には(E)カーボンブラック(C.B.)を配合することが好ましい。(E)成分は、通常の樹脂添加用カーボンブラックを使用することができ、(E)成分は(A)成分と混合調製されたマスターバッチとして配合してもよい。また、(E)成分を配合することにより、難燃性が向上されることに加え、難燃性制振材を着色させて(C)成分の赤色を隠蔽することもできる。(E)成分の含有量は、(A)成分100重量部に対して、好ましくは1〜10重量部である。この含有量が1重量部未満の場合、難燃性等の向上効果が十分に得られないおそれがある。一方、10重量部を超える場合、機械的物性や難燃性に悪影響を及ぼすおそれがある。

0028

難燃性制振材には、滑剤抗菌剤防カビ剤酸化防止剤顔料染料可塑剤帯電防止剤、耐候剤、シリコーンオイル等の各種添加剤を少量配合することも可能である。
難燃性制振材の制振性は、損失係数が高いほど優れる。難燃性制振材の20℃における損失係数は、好ましくは0.03以上、より好ましくは0.05以上、さらに好ましくは0.07以上である。この損失係数が0.03未満であると、制振性が十分に発揮されないおそれがある。また、難燃性制振材における損失係数のピーク温度は、好ましくは−10〜+50℃、より好ましくは0〜+40℃、さらに好ましくは+10〜+30℃である。このピーク温度が−10℃未満又は+50℃を超える場合、実使用において制振性が十分に発揮されないおそれがある。ここで、損失係数及びそのピーク温度は、厚さ1mmの難燃性制振材を中央加振法にて測定した値である。さらに詳しくは、基板として鋼板(155×15×1mm)に難燃性制振材を両面テープにて貼り合わせて評価するものである。

0029

難燃性制振材は、各種混合機押出機等の製造装置を用いて製造することができる。製造装置の具体例としては、バンバリーミキサーニーダーロールフィーダールーダー等が挙げられる。難燃性制振材の成形方法としては、射出成形シート押出真空成形異型成形発泡成形インジェクションプレスプレス成形ブロー成形等が挙げられる。難燃性制振材は、シート状、ブロック状等の様々な形状に成形することが可能である。

0030

さて、難燃性制振材はモーター等の振動発生源を組み込むハウジングやその部品、適度な制振性が要求されるスピーカー振動板スピーカー本体のハウジングに装着して使用することができる。また、OA・家電分野、電気電子分野、雑貨分野、サニタリー分野等において、使用環境振動が発生し、その振動を低減させることが要求される箇所に装着される。このとき、難燃性制振材には(B)及び(C)成分の配合によって優れた難燃性が付与されるため、装着箇所における難燃性を向上させることができる。また、難燃性制振材には(D)成分によって優れた制振性が付与されるため、被装着物の振動を有効に抑制することができる。さらに、難燃性制振材における(A)〜(D)の各成分は、所定量含有されているため、(A)成分の可撓性が十分に維持される。

0031

本実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ この実施形態の難燃性制振材には、(A)〜(D)の各成分が所定量含有されている。このように構成した場合、難燃性及び制振性を付与することができるとともに、(A)成分による可撓性が十分に維持される。その可撓性によって適用箇所との密着性が良好となるため、制振性能を十分に発揮させることができる。さらに、この難燃性制振材は、ハロゲン系難燃剤及び三酸化アンチモン(Sb2O3)を含有しないため、従来の塩ビ系難燃剤代替となり、環境保護に有効である。

0032

・ この実施形態の難燃性制振材では、(A)成分100重量部のうち、(A−1)成分を30〜80重量部含有させるとともに、(A−2)成分を20〜70重量部含有させることが好ましい。このように構成した場合、制振性能が維持されつつ、可撓性が向上されるため、制振性能をより十分に発揮させることができる。

0033

・ この実施形態の難燃性制振材では、(D)成分がマイカであることが好ましい。このように構成した場合、高い制振性を付与することができる。
・ この実施形態の難燃性制振材では、(B)成分は水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム及び水酸化アルミニウムから選ばれる少なくとも一種、かつ(B)成分の平均粒径は0.1〜20μmであることが好ましい。このように構成した場合、難燃性及び機械的物性を十分に発揮させることができる。

0034

・ この実施形態の難燃性制振材では、前記(A)成分100重量部のうち、(A−3)成分を1〜20重量部含有させることが好ましい。このように構成した場合、(B)及び(C)成分の含有量を増加させることなく、難燃性を向上することができる。そして、(A)成分による可撓性は(B)及び(C)成分に阻害されることなく、維持されるため、制振性能を十分に発揮させることができる。また、(A−3)成分中におけるアクリロニトリルの比率が85重量%を超える場合、機械的物性を低下させることなく、むしろその物性を幾分向上させることができ、かつ難燃性を一層向上することができる。

0035

・ この実施形態の難燃性制振材では、厚さ1mmでの中央加振法における損失係数のピーク温度が−10〜+50℃の範囲であり、20℃での損失係数が0.03以上であることが好ましい。このように構成した場合、難燃性制振材の利用価値が高い温度領域において優れた制振性能を発揮させることができ、実用性を高めることができる。

0036

なお、前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・ 前記実施形態における難燃性制振材をシート状に成形し、一側面に鋼板を貼り合わせることにより、拘束型の難燃性制振材にすることもできる。この拘束型の難燃性制振材は、他側面を適用物に貼り合わせて使用される。この拘束型の難燃性制振材に振動が伝播すると、適用物と鋼板とに介装された難燃性制振材がせん断変形する。このせん断変形によって、振動エネルギー消費され、より高い制振性能が発揮される。

0037

・ 前記実施形態における難燃性制振材は各種形状に成形され、適用物に装着されている。この他に、難燃性制振材は、適用箇所にコーティングや充填させて使用することもできる。

0039

次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1〜7、比較例1〜3)
表1に示す各成分をバンバリーミキサーにて、170℃の条件で各成分を混練することにより、難燃性制振組成物を調製した。各例の難燃性制振組成物をカレンダー押出機にて成形し、シート状の難燃性制振材(厚さ1mm、1.5mm及び2mm)を得た。なお、表1中の含有量を示す数値の単位は、重量部である。各例の難燃性制振材について、下記に示す評価項目の評価を行った。評価結果を表1に示す。

0040

<制振性能の評価>
基板として鋼板(155×15×1mm)に各例の難燃性制振材(厚さ1mm)を両面テープで貼り合わせることにより、試験片を作製した。各試験片を中央加振法で5℃毎に損失係数を測定した。実施例1における温度と損失係数の関係を図1に示す。

0041

難燃性評価
UL−94燃焼性試験器(スガ試験機(株)製)を用いて、UL−94規格に準拠して垂直燃焼試験を行った。5本の試験片を用いた結果、V−0基準を満たした例は「OK」、満たさなかった例は「NG」と表記した。

0042

<引張強度>
JIS K 7113に準拠して測定した。なお、降伏点に達しないものは「なし」とした。

0043

<可撓性の評価>
厚さ1mm、幅10mmの難燃性制振材をまず180度折り曲げた(第1段階)。続いて、第1段階の折り曲げ方向と反対方向に180度折り曲げた(第2段階)。このときの難燃性制振材の状態を観察し、以下の4段階で評価した。

0044

若干白化するが、特に問題がなく可撓性に優れる:◎
明らかに白化するが、ひび等の損傷がなく可撓性が良好:○
第1段階で白化し、第2段階でひびが入るか又は折れるため可撓性がやや不良:△
第1段階でひびが入るため可撓性が不良:×

0045

PP:日本ポリケム(株)製、ノバテック(R)PP・EG7F
TPO:出光石油化学(株)製、TPO・R110MP
EEA:三井デュポン(株)製、エバフレックス(R)−EEA・A−710
EVA:三井デュポン(株)製、エバフレックス(R)EV260
PAN:三井化学(株)製
(a)HN−1000M(アクリロニトリル成分=約95重量%)
(b)バレックス(R)#1000(アクリロニトリル成分=約85重量%)
(c)バレックス(R)#1320(アクリロニトリル成分=約75重量%)
Mg(OH)2:神島化学工業(株)製、マグW−H3、平均粒径2.5μm
Al(OH)3:巴工業(株)製、B−303、平均粒径3.8μm
赤燐:燐化学工業(株)製、ノーバエクセル(R)140、平均粒径25〜35μm
C.B.:東洋インキ製造(株)製、TVP0623BLACK
マイカ:(株)クラレ製、クラライトマイカ・60−C
表1の結果から明らかなように、実施例1〜7では(A)〜(D)の各成分が所定量含有されている。従って、難燃性を付与することができるとともに、制振性能を十分に発揮することができる。それに対し、比較例1では(A)成分100重量部に対し、(B)成分が200重量部含有されているが、1mm厚及び1.5mm厚の難燃性がNGであり、難燃性が不十分であった。さらに、(B)成分の増量に伴い、可撓性が不良となり、極めて脆いことがわかる。比較例2では(D)成分が含有されていないため、損失係数が低い値を示し、制振性能が十分に発揮されないことがわかる。比較例3では(C)成分を配合せず、(B)成分及び(E)成分を増量したが、難燃性が低下し、機械的物性もやや低下した。

図面の簡単な説明

0046

実施例1における温度と損失係数の関係を示すグラフ

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