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技術 処理措置

出願人 ウシオ電機株式会社
発明者 松野博光平本立躬菅原寛菱沼宣是
出願日 2003年10月17日 (17年2ヶ月経過) 出願番号 2003-357601
公開日 2005年5月12日 (15年7ヶ月経過) 公開番号 2005-123434
状態 拒絶査定
技術分野 気相成長(金属層を除く)
主要キーワード 有機系不純物 酸化性流体 光取出し窓 Siウエーハ 活性酸素原子 表面洗浄装置 被対象物 照射実験
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

この発明は、活性酸素による処理、例えば乾式洗浄レジスト灰化・除去、Si表面酸化などの処理を行う場合に紫外線、または真空紫外線を用い、従来より処理速度の早い処理装置を提供することにある。

解決手段

この発明は、真空紫外線を放射する光源と、該光源を具備した放電容器及び/または処理空間を備え、光を照射することにより活性化されるガスを導入する導入口を配置した処理装置であって、該活性化されるガスが分圧を10.13kPa以下にした亜酸化窒素N2Oであり、該亜酸化窒素N2Oに波長126nmに最大値を有するAr2エキシマ光を照射する手段を具備したことを特徴とする。

概要

背景

従来、真空紫外線を利用する処理装置としては、該真空紫外線を被照射物照射することで該被照射物が光化学反応等を起こすことにより処理される場合と、該真空紫外線を酸素分子等に照射して活性酸素原子等を生成し該被照射物を処理する場合とがある。特に後者の方法は、乾式洗浄レジスト灰化・除去、Si表面酸化、更には表面殺菌などの分野で広く利用されている。例えば低圧水銀ランプを利用した処理装置としては、特公平4−9373号等が知られている。

該公報によれば、光源としての低圧水銀ランプから放射される波長184nmの真空紫外線が酸素と反応してオゾンを生成し、波長245nmの紫外線が生成された該オゾンを分解することにより活性酸素原子を生成し、被照射物表明に付着した有機汚染物酸化分解飛散させることが記載されている。この場合、該低圧水銀ランプから放射される光は該低圧水銀ランプ内に封入された水銀の共鳴線であり、真空紫外線領域の光(185nm)と紫外線領域の光(254nm)との両方を利用したものである。

ここで、真空紫外線及び紫外線によるオゾンの生成機構とその洗浄作用とは次のように考えられている。
O2+185nm光→O(3P)+O(3P)
O2+O(3P)→O3
O3+254nm光→O2+O(1D)
この反応式では、酸素分子O2に185nmの真空紫外線が照射されると、低エネルギー酸素原子O(3P)が2個生成される。この低エネルギーの酸素原子O(3P)と酸素分子O2とが衝突することによりオゾンO3が生成される。更に、生成されたオゾンO3に254nmの紫外線が照射されることによりオゾンO3が分解し酸素分子と活性酸素O(1D)が生成される、ことを示している。

しかし、該低圧水銀ランプによる処理では以下のような問題がある。低圧水銀ランプから照射される光で生成される活性酸素はO(1D)であり、安定な酸素分子との間の運動エネルギーの差(以下、E(act)と表記する)は1.97eVと比較的低い値である。このようにE(act)が低いと処理対象物に該活性酸素が衝突しても、例えば有機汚染物質の内の結合エネルギーが高い物質等の分解速度が遅く、結果として充分な洗浄速度が得られない。また、処理空間で生成された活性酸素O(1D)が被照射物に衝突するまでに他の物質、例えば窒素分子や酸素分子等に衝突するとエネルギーを失い低エネルギーの酸素原子O(3P)に変化してしまい、洗浄等に利用できる活性酸素自身が少なくなり、結果として充分な洗浄速度が得られない。更には、酸素分子自身の波長185nmの吸収係数は小さいので、例えば大気圧程度の酸素分圧下では生成されるオゾンの密度を高くすることができず、結果として活性酸素原子O(1D)自身の密度が高くならないため充分な洗浄速度が得られない。同様の原因により低圧水銀ランプを用いた処理装置では乾式洗浄、レジストの灰化・除去、Si表面の酸化、更には表面殺菌などにおいても充分な速度が得られないといった問題があった。

また、従来の真空紫外線を利用した処理における他の例としては、エキシマランプから照射される真空紫外線を酸素分子に照射する技術がある。図8に従来の処理装置として誘電体バリア放電を利用したエキシマランプを具備した表面洗浄装置を示す。該表面洗浄装置80は、ランプハウス81と処理室82との間に光取り出し窓87を配置したものである。該ランプハウス81内には円筒形外側管84aと円筒形の内側管84bとを同軸に配置し該内側管84bの内面と該外側管84aの外面に電極83a、83bを設け、該外側管84aと該内側管84bとの間に放電用ガスを封入したエキシマランプ84が配置されている。該エキシマランプ84には放電用電源85から高周波高電圧印加されている。また、処理室82側には、酸化性流体導入口86aと酸化性流体排出口86bとが設けられている。また、該処理室82内には試料台88の上に被処理物89が配置され、ランプ84側から放射される真空紫外線が該被処理物89表面と酸化性流体に照射されるものである。

上述した従来例として例えば、特許第2948110号公報がある。該公報によれば、キセノンが主成分であるガスを封入した誘電体バリア放電ランプから照射される真空紫外線を利用してオゾンと活性酸素を生成し処理物表面を酸化、洗浄する方法が開示されている。該公報にあるように、キセノンエキシマXe2を利用するXe2エキシマランプから放射されるエキシマ光である波長172nmの真空紫外線を酸素分子に照射すると、直接活性酸素が生成される。この場合、該真空紫外線による活性酸素の生成機構は次のように考えられている。
O2+172nm光→O(3P)+O(1D)
この反応は、酸素分子O2にXe2エキシマランプから放射されるエキシマ光である波長172nmの真空紫外線が照射されると該酸素分子O2は低エネルギーの酸素原子O(3P)と活性酸素O(1D)とに分解する、ことを示している。

しかし、該Xe2エキシマランプによる処理においても以下のような問題がある。該Xe2エキシマランプから照射される光で生成された活性酸素は低圧水銀ランプの場合と同様にO(1D)であり、安定な酸素分子との間の運動エネルギーの差E(act)は1.97eVと比較的低い値である。このようにE(act)が低いと処理対象物に該活性酸素が衝突しても、充分な洗浄速度が得られない。また、処理空間で生成された活性酸素O(1D)が被照射物に衝突するまでに他の物質、例えば窒素分子や酸素分子等に衝突するとエネルギーを失い低エネルギーの酸素原子O(3P)に変化してしまい、洗浄等に利用できる活性酸素自身が少なくなり、結果として充分な洗浄速度が得られない。また、乾式洗浄、レジストの灰化・除去、Si表面の酸化、更には表面殺菌などにおいても充分な速度が得られないといった問題があった。

ところで、真空紫外線を用いた光反応に関しては種々の研究が続けられている。例えば、「The Journal of Chemiacal Physics Vol.61,No7,1 October 1974」には、亜酸化窒素N2Oに真空紫外線を照射した場合の光分解反応について記載されている。該文献によれば、亜酸化窒素N2Oの光吸収特性としては、波長130nmにピークが有り、該波長130nmの照射により非常に高い量子効率で活性酸素O(1S)が生成されることが記載されている。

また、光を利用した膜の形成技術の分野では、光源にエキシマ光を用いるものとして、例えば特開2001−210638号公報が有る。該公報では、半導体ウエーハ等の表面に酸化膜堆積させ形成する場合に、該半導体ウエーハ表面を有機系酸化膜形成ガスにさらしながらエキシマ光を照射する技術が開示されている。具体的には、テトラエチルオルソシリケイト(Si(C2H5O)4)(以下「TEOS」という)にエキシマ光を照射して、常温で分解し、半導体素子上に酸化膜を堆積させ形成する。また、該公報には、該酸化膜中有機系不純物として含まれる炭素を減少させる目的で酸素や亜酸化窒素N2Oを添加して光分解したTEOSの炭素とオゾンまたは活性酸素を反応させることが記載されている。
特公平4−9373号
特許第2948110号
特開2001−210638号
The Journal of Chemiacal Physics Vol.61,No7,1 October 1974

概要

この発明は、活性酸素による処理、例えば乾式洗浄、レジストの灰化・除去、Si表面の酸化などの処理を行う場合に紫外線、または真空紫外線を用い、従来より処理速度の早い処理装置を提供することにある。この発明は、真空紫外線を放射する光源と、該光源を具備した放電容器及び/または処理空間を備え、光を照射することにより活性化されるガスを導入する導入口を配置した処理装置であって、該活性化されるガスが分圧を10.13kPa以下にした亜酸化窒素N2Oであり、該亜酸化窒素N2Oに波長126nmに最大値を有するAr2エキシマ光を照射する手段を具備したことを特徴とする。

目的

この発明が解決しようとする課題は、活性酸素による処理、例えば乾式洗浄、レジストの灰化・除去、Si表面の酸化、更には表面殺菌などの処理を行う場合に真空紫外線を用い、従来より処理速度の早い処理装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

真空紫外線放射する光源と、該光源を具備した放電容器及び/または処理空間を備え、光を照射することにより活性化されるガスを導入する導入口を配置した処理装置であって、該活性化されるガスが分圧を50Pa以上、1000Pa以下にした亜酸化窒素であり、該亜酸化窒素に、波長126nmに最大値を有するAr2エキシマ光を照射する手段を具備したことを特徴とする処理装置。

請求項2

前記亜酸化窒素に、波長126nmに最大値を有するAr2エキシマ光を照射した後、該亜酸化窒素を被処理物噴射することを特徴とする請求項1に記載の照射装置

請求項3

前記のAr2エキシマ光は、放電用ガスをArとし、誘電体バリア放電を用いて発生させ、該誘電体バリア放電の放電空間内には亜酸化窒素が含まれていることを特徴とする請求項1乃至請求項2に記載の処理装置。

請求項4

前記のAr2エキシマ光を被照射物に直接照射しない為の遮光手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の処理装置。

技術分野

0001

この発明は、真空紫外線を利用する処理装置に関する。更には、処理用ガスに真空紫外線を照射することにより該処理用ガスを活性化させ被処理物に作用させる処理装置であって、例えば乾式洗浄レジスト灰化・除去、Si表面酸化、更には表面殺菌などに利用できる処理装置に関する。

背景技術

0002

従来、真空紫外線を利用する処理装置としては、該真空紫外線を被照射物に照射することで該被照射物が光化学反応等を起こすことにより処理される場合と、該真空紫外線を酸素分子等に照射して活性酸素原子等を生成し該被照射物を処理する場合とがある。特に後者の方法は、乾式洗浄、レジストの灰化・除去、Si表面の酸化、更には表面殺菌などの分野で広く利用されている。例えば低圧水銀ランプを利用した処理装置としては、特公平4−9373号等が知られている。

0003

該公報によれば、光源としての低圧水銀ランプから放射される波長184nmの真空紫外線が酸素と反応してオゾンを生成し、波長245nmの紫外線が生成された該オゾンを分解することにより活性酸素原子を生成し、被照射物表明に付着した有機汚染物酸化分解飛散させることが記載されている。この場合、該低圧水銀ランプから放射される光は該低圧水銀ランプ内に封入された水銀の共鳴線であり、真空紫外線領域の光(185nm)と紫外線領域の光(254nm)との両方を利用したものである。

0004

ここで、真空紫外線及び紫外線によるオゾンの生成機構とその洗浄作用とは次のように考えられている。
O2+185nm光→O(3P)+O(3P)
O2+O(3P)→O3
O3+254nm光→O2+O(1D)
この反応式では、酸素分子O2に185nmの真空紫外線が照射されると、低エネルギー酸素原子O(3P)が2個生成される。この低エネルギーの酸素原子O(3P)と酸素分子O2とが衝突することによりオゾンO3が生成される。更に、生成されたオゾンO3に254nmの紫外線が照射されることによりオゾンO3が分解し酸素分子と活性酸素O(1D)が生成される、ことを示している。

0005

しかし、該低圧水銀ランプによる処理では以下のような問題がある。低圧水銀ランプから照射される光で生成される活性酸素はO(1D)であり、安定な酸素分子との間の運動エネルギーの差(以下、E(act)と表記する)は1.97eVと比較的低い値である。このようにE(act)が低いと処理対象物に該活性酸素が衝突しても、例えば有機汚染物質の内の結合エネルギーが高い物質等の分解速度が遅く、結果として充分な洗浄速度が得られない。また、処理空間で生成された活性酸素O(1D)が被照射物に衝突するまでに他の物質、例えば窒素分子や酸素分子等に衝突するとエネルギーを失い低エネルギーの酸素原子O(3P)に変化してしまい、洗浄等に利用できる活性酸素自身が少なくなり、結果として充分な洗浄速度が得られない。更には、酸素分子自身の波長185nmの吸収係数は小さいので、例えば大気圧程度の酸素分圧下では生成されるオゾンの密度を高くすることができず、結果として活性酸素原子O(1D)自身の密度が高くならないため充分な洗浄速度が得られない。同様の原因により低圧水銀ランプを用いた処理装置では乾式洗浄、レジストの灰化・除去、Si表面の酸化、更には表面殺菌などにおいても充分な速度が得られないといった問題があった。

0006

また、従来の真空紫外線を利用した処理における他の例としては、エキシマランプから照射される真空紫外線を酸素分子に照射する技術がある。図8に従来の処理装置として誘電体バリア放電を利用したエキシマランプを具備した表面洗浄装置を示す。該表面洗浄装置80は、ランプハウス81と処理室82との間に光取り出し窓87を配置したものである。該ランプハウス81内には円筒形外側管84aと円筒形の内側管84bとを同軸に配置し該内側管84bの内面と該外側管84aの外面に電極83a、83bを設け、該外側管84aと該内側管84bとの間に放電用ガスを封入したエキシマランプ84が配置されている。該エキシマランプ84には放電用電源85から高周波高電圧印加されている。また、処理室82側には、酸化性流体導入口86aと酸化性流体排出口86bとが設けられている。また、該処理室82内には試料台88の上に被処理物89が配置され、ランプ84側から放射される真空紫外線が該被処理物89表面と酸化性流体に照射されるものである。

0007

上述した従来例として例えば、特許第2948110号公報がある。該公報によれば、キセノンが主成分であるガスを封入した誘電体バリア放電ランプから照射される真空紫外線を利用してオゾンと活性酸素を生成し処理物表面を酸化、洗浄する方法が開示されている。該公報にあるように、キセノンエキシマXe2を利用するXe2エキシマランプから放射されるエキシマ光である波長172nmの真空紫外線を酸素分子に照射すると、直接活性酸素が生成される。この場合、該真空紫外線による活性酸素の生成機構は次のように考えられている。
O2+172nm光→O(3P)+O(1D)
この反応は、酸素分子O2にXe2エキシマランプから放射されるエキシマ光である波長172nmの真空紫外線が照射されると該酸素分子O2は低エネルギーの酸素原子O(3P)と活性酸素O(1D)とに分解する、ことを示している。

0008

しかし、該Xe2エキシマランプによる処理においても以下のような問題がある。該Xe2エキシマランプから照射される光で生成された活性酸素は低圧水銀ランプの場合と同様にO(1D)であり、安定な酸素分子との間の運動エネルギーの差E(act)は1.97eVと比較的低い値である。このようにE(act)が低いと処理対象物に該活性酸素が衝突しても、充分な洗浄速度が得られない。また、処理空間で生成された活性酸素O(1D)が被照射物に衝突するまでに他の物質、例えば窒素分子や酸素分子等に衝突するとエネルギーを失い低エネルギーの酸素原子O(3P)に変化してしまい、洗浄等に利用できる活性酸素自身が少なくなり、結果として充分な洗浄速度が得られない。また、乾式洗浄、レジストの灰化・除去、Si表面の酸化、更には表面殺菌などにおいても充分な速度が得られないといった問題があった。

0009

ところで、真空紫外線を用いた光反応に関しては種々の研究が続けられている。例えば、「The Journal of Chemiacal Physics Vol.61,No7,1 October 1974」には、亜酸化窒素N2Oに真空紫外線を照射した場合の光分解反応について記載されている。該文献によれば、亜酸化窒素N2Oの光吸収特性としては、波長130nmにピークが有り、該波長130nmの照射により非常に高い量子効率で活性酸素O(1S)が生成されることが記載されている。

0010

また、光を利用した膜の形成技術の分野では、光源にエキシマ光を用いるものとして、例えば特開2001−210638号公報が有る。該公報では、半導体ウエーハ等の表面に酸化膜堆積させ形成する場合に、該半導体ウエーハ表面を有機系酸化膜形成ガスにさらしながらエキシマ光を照射する技術が開示されている。具体的には、テトラエチルオルソシリケイト(Si(C2H5O)4)(以下「TEOS」という)にエキシマ光を照射して、常温で分解し、半導体素子上に酸化膜を堆積させ形成する。また、該公報には、該酸化膜中有機系不純物として含まれる炭素を減少させる目的で酸素や亜酸化窒素N2Oを添加して光分解したTEOSの炭素とオゾンまたは活性酸素を反応させることが記載されている。
特公平4−9373号
特許第2948110号
特開2001−210638号
The Journal of Chemiacal Physics Vol.61,No7,1 October 1974

発明が解決しようとする課題

0011

この発明が解決しようとする課題は、活性酸素による処理、例えば乾式洗浄、レジストの灰化・除去、Si表面の酸化、更には表面殺菌などの処理を行う場合に真空紫外線を用い、従来より処理速度の早い処理装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

この発明は、有機物の洗浄等に従来から使用されていた活性酸素O(1D)よりも運動エネルギーの高い活性酸素O(1S)を用いることにより洗浄等の処理速度を向上させるものである。また、本発明における処理とは、表面に付着した有機汚染物質の乾式洗浄、レジストの灰化・除去、更には表面殺菌等といった処理物表面に該活性酸素O(1S)を直接作用させ被対象物の表面を変化させるものである。また、Si表面の酸化などの処理においては、既に形成されたSi表面を酸化することによりSiOを形成等といったものであって、酸化物質を堆積させる、いわゆる光CVDとは異なる技術である。

0013

具体的には、真空紫外線を放射する光源と、該光源を具備した放電容器及び/または処理空間を備え、光を照射することにより活性化されるガスを導入する導入口を配置した処理装置であって、該活性化されるガスが分圧を50Pa以上、1000Pa以下にした亜酸化窒素N2Oであり、該亜酸化窒素N2Oに波長126nmに最大値を有するAr2エキシマ光を照射する手段を具備したことを特徴とする。

0014

更には、前記亜酸化窒素N2Oに波長126nmに最大値を有するAr2エキシマ光を照射した後、該亜酸化窒素N2Oを被処理物に噴射することを特徴とする。

0015

また、前記のAr2エキシマ光は、放電用ガスをArとした誘電体バリア放電を用いて発生させ、該誘電体バリア放電の放電空間内には亜酸化窒素N2Oが含まれていることを特徴とする。

0016

更に、前記のAr2エキシマ光を被照射物に直接照射しない為の遮光手段を設けたことを特徴とする。

発明の効果

0017

本発明の請求項1に記載の処理装置は、亜酸化窒素N2Oに波長126nmに最大値を有するAr2エキシマ光を照射することにより生成される高い運動エネルギーE(act)を持った活性酸素O(1S)により、早い処理速度を実現できるといった処理装置である。この場合、波長126nmに最大値を有するAr2エキシマ光である真空紫外線による活性酸素O(1S)の生成機構は次のように考えられている。
N2O+126nm光→N2+O(1S)
この反応は、亜酸化窒素N2Oに波長126nmに最大値を有するAr2エキシマ光が照射されることにより、窒素分子N2と、運動エネルギーE(act)の高い活性酸素O(1S)が生成されることを示している。

0018

この活性酸素O(1S)は運動エネルギーE(act)が酸素分子のみから生成される活性酸素O(1D)の1.97eVの場合と比較して4.19eVと2倍以上も高い。この高い運動エネルギーE(act)を持つ活性酸素O(1S)は従来では分解しにくかった有機物を容易に灰化・除去できるので、洗浄等の速度が向上するといった効果を生む

0019

また、該活性酸素O(1S)が窒素分子N2や酸素分子O2などに衝突することによる消滅速度は、O(1D)に比較して約千分の一以下と小さいため、処理空間で生成された活性酸素O(1S)は消滅せずに処理物に到達することができる。これにより、乾式洗浄、レジストの灰化・除去、Si表面の酸化などの処理速度を向上することができると言った効果がある。更に、該亜酸化窒素N2Oを用いた場合の副生成物である窒素分子N2は不活性なので被処理物に悪影響を及ぼさないといった利点もある。

0020

更には、照射する光である該Ar2エキシマ光の波長126nmは亜酸化窒素N2Oの吸収係数が最大になる付近の波長(130nm)であるので、高い変換効率で高密度の活性酸素O(1S)を生成できる。これにより、洗浄等の処理速度が向上するといった効果がある。更に、エキシマ光の一部が被照射物に直接照射される場合は、例えばXe2エキシマ光の光子エネルギーに比べてAr2エキシマ光の光子エネルギーは1.37倍と高く、分解しにくい有機物の結合子光学的に分解することができる。これによりレジストの灰化・除去等の速度を向上することができるといった効果もある。

0021

また、亜酸化窒素N2Oの圧力を50Pa以上、1000Pa以下にすることにより、該Ar2エキシマ光で生成された活性酸素O(1S)が、窒素分子や酸素分子等に衝突してエネルギーを失い低エネルギーの酸素原子O(3P)に変化してしまう確立が減少するので、活性酸素O(1S)が効率的に利用できる。結果として洗浄等の速度が向上するという効果がある。

0022

亜酸化窒素N2Oの分圧による洗浄効果の確認には、例えば光洗浄した石英ガラスに対する水の接触角を測定することにより行える。具体的には、予め精密洗浄を行った石英ガラス(縦30mm、横30mm、厚み1mm)を室内で24時間大気放置し、図2に示す照射装置の光取り出し窓27の下面と該石英ガラス表面までの距離を2.6mm、及び5.1mmとして亜酸化窒素N2Oの分圧を変えて照射処理し、その後水との接触角を測定した。光照射にはArを35KPa封入したArエキシマランプを点灯し、光取り出し窓27の下面における放射輝度を4.5mW/cm2と成るようにし、各分圧下で各々5分間の照射処理を行った。亜酸化窒素N2Oの分圧は20Paから1500Paまで図7のように変えた場合の測定を行った。

0023

50Pa未満では、CO、CO2などの影響が大きくなり、表面が炭化されるなどの不具合が発生していた。これにより、20Paでは接触角自身が大きくなったと考えられる。また、逆に亜酸化窒素N2Oの分圧を高くした場合、1000Paを超えると接触角が大きくなっていた。これは、該亜酸化窒素N2Oは3原始分子であるため、亜酸化窒素N2Oの分圧が高くなると分解されていない亜酸化窒素N2Oとの衝突によりO(1S)が消滅する効果が大きいため、O(1S)の実質的な寿命が短くなり、洗浄効果が小さくなると考えられる。これらの確認実験により亜酸化窒素N2Oの分圧は50Pa以上、1000Pa以下において効果があると言える。

0024

本発明の請求項2に記載の処理装置は、次のような効果がある。波長126nmに最大値を有するAr2エキシマ光を照射することにより生成される活性酸素O(1S)は窒素分子N2,酸素分子O2などに衝突することによる消滅速度が、従来の洗浄等に利用されている活性酸素O(1D)に比較して約千分の一以下と小いさい。一方、亜酸化窒素N2Oの該Ar2エキシマ光に対する吸収係数は非常に高く、例えば光取出し窓近傍で生成される活性酸素O(1S)の濃度が最も高くなる。このため、光分解された亜酸化窒素N2Oを被照射物に噴射することにより、該被照射物まで活性酸素原子O(1S)効率的に運ぶことが出来るので、乾式洗浄、レジストの灰化・除去、更には表面殺菌などの処理速度を更に向上できる。特に、被処理物を大気中に置いて、波長126nmに最大値を有するAr2エキシマ光を照射した亜酸化窒素N2Oを該被処理物に噴射する装置とすれば、被処理物を容易に移動できるので、被処理物の連続処理が可能となるといった効果も生じる。

0025

本発明の請求項3に記載の処理装置は、波長126nmに最大値を有するAr2エキシマ光を発生する手段として、放電用ガスをArとした誘電体バリア放電を用い、且つ該誘電体バリア放電の放電空間内に亜酸化窒素N2Oを含むことにより、Ar中での誘電体バリア放電で発生した波長126nmに最大値を有するAr2エキシマ光が該亜酸化窒素N2Oに効率よく照射できる。更に、該亜酸化窒素N2Oの一部は放電プラズマによっても活性酸素O(1S)に変えられるので高密度の活性酸素(1S)を生成でき、従って乾式洗浄、レジストの灰化・除去、Si表面の酸化、更には表面殺菌などの処理速度を向上できるといった効果がある。

0026

本発明の請求項4に記載の処理装置は、波長126nmに最大値を有するAr2エキシマ光を被照射物に直接照射しない為の遮光手段を設けたので光が照射されることによる被処理物の損傷の確率が小さくなるといった効果を有する。また、該波長126nmに最大値を有するAr2エキシマ光で生成される活性酸素O(1S)は運動エネルギーE(act)が非常に高いので従来の洗浄等で利用していた活性酸素O(1D)と比較して分解しにくい有機物の結合子を容易に分解することができ、各種処理の高速化が可能であるといった利点がある。

発明を実施するための最良の形態

0027

本発明の処理装置は、波長126nmに最大値を有するAr2エキシマ光を照射する手段を備え、該Ar2エキシマ光を亜酸化窒素N2Oに照射することにより運動エネルギーの高い非常に活性な活性酸素O(1S)を生成し、該活性酸素O(1S)を乾式洗浄、レジストの灰化・除去、Si表面の酸化、更には表面殺菌などの処理に利用するものである。以下具体的な構成を実施例1から実施例6までで示す。

0028

本発明の処理装置における第1の実施例を図1に示す。該処理装置11は放電容器1と処理空間2とから成り、該放電容器1と該処理空間2との間にはMgF2からなる光取り出し窓7が配置されている。該放電容器1から波長126nmに最大値を有するAr2エキシマ光を照射する手段としては、放電容器1内に配置された誘電体バリア放電用の電極3a,3b,3cが放電用電源5と電気的に接続され高周波高電圧を該電極間に印加する。該放電容器1内には、波長126nmに最大値を有するAr2エキシマ光を発生させるためArが放電ガス導入口6aから導入され、排出口6bから排出される。

0029

一方、処理空間2内には被処理物9が設置され、該被処理物9はヒーター8によって加熱が可能と成っている。該処理空間2には亜酸化窒素N2Oを導入するための導入口10a、及び排出口10bが設けられている。

0030

第一の実施例として図1に示した該処理装置11を用いてSiO2膜の生成実験を行った。具体的な光の照射条件等を示す。誘電体バリア放電用の電極3a,3b,3cは外径20mm、肉厚1mm、長さ250mmの石英ガラス管の内側にアルミニウムを挿入したもので、電極間の距離は6mmとした。放電用ガスにはArを用い、該放電容器1内のAr圧力は66.7kPa、放電電力は200Wでとした。該電極3a,3b,3c間には放電プラズマ4a,4bが発生し、該放電プラズマ4a,4bから波長126nmのArのエキシマ光が放射され、光取り出し窓7から処理空間2へ照射される。該処理空間2内では導入口10aから亜酸化窒素N2Oが導入され、該亜酸化窒素N2OにArエキシマ光が照射され活性酸素O(1S)を生成すると共に、一部の光は直接被処理物9に照射される。

0031

本実施例では該被処理物9はSiウエーハで、被処理物9と光取り出し窓7との距離は3mm、該被処理物9をヒータ8により400℃に加熱した。処理空間2内の亜酸化窒素N2Oの圧力を0.27kPaとし、波長126nmのAr2エキシマ光を照射した。その結果、5分間といった短時間の処理で厚さ約10nmのSiO2膜を生成できた。

0032

本発明における第2の実施例を図2に示す。該第2の実施例は、図1における波長126nmに最大値を有するAr2エキシマ光を発生させる放電空間1の構成をエキシマランプに置き換えたものである。具体的には、処理装置20はランプハウス21と処理空間22とから成り、該ランプハウス21と処理空間22との間に光取り出し窓27が配置されている。該ランプハウス21の内部にはエキシマランプ23が配置されており、該エキシマランプ23は、外径26mm、肉厚1mmの外側管と、外形16mm、肉厚1mmの内側管を同軸に配置し、外側管と内側管の間の空間に53.3kPaのArガスを封入したArエキシマランプ23である。該エキシマランプ23は、放電用電源25と電気的に接続され高周波高電圧を該外側管と該内側管とに各々配置された電極の間に印加する。Arエキシマランプ23の放電プラズマ24からは、波長126nmのArエキシマ光が放射され、光取り出し窓27から処理空間22へ照射される。また、ランプハウス21には、ガス導入口26aとガス排出口26bとが設けられ窒素を流入しランプハウス21内をN2でパージできるようにしている。一方、処理空間22内には被処理物29が設置され、該被処理物29はヒーター28によって加熱が可能と成っている。該処理空間22には亜酸化窒素N2Oを導入するための導入口30a、及び排出口30bが設けられている。

0033

本実施例では、放電電力を第1の実施例の場合と同じ200Wで実験した。被処理物29は石英ガラスで、被処理物29と光取り出し窓27との距離は3mm、被処理物29の温度は25℃で照射実験を行った。処理空間22内の亜酸化窒素N2Oの圧力は10.13kPaとした。この場合、石英ガラス上の有機汚染物が約5秒という短時間で除去できた。また、本実施例ではArエキシマランプ23はArガスを封入し封止切ったランプなので、長時間に渡って安定した光出力が得られると言う利点もある。

0034

本発明の第3の実施例を図3に示す。該第3の実施例における処理装置40は、前記第1の実施例における光取り出し窓を取り去り、放電ガスの供給方向を被照射物9から放電プラズマ4bを挟んで上方に設けたものである。放電用ガス導入口36a,36bから光発生用の放電ガスを供給し、被処理物9の表面付近に設けられた亜酸化窒素N2Oの導入口10aから亜酸化窒素N2Oを供給する。該処理装置においては、放電用ガス、亜酸化窒素N2O、そして被照射物の表面から飛散する有機物等が分解することによって発生したガスは排出口10bから排出される。尚、その他の構成は第1の実施例の場合と同様であるので、ここでの記載は省略する。
このように光取り出し窓を持たない構成によれば、該光取り出し窓による吸収損失が無くなるので、エキシマ光を有効に利用できるといった利点が生じる。

0035

本発明の第4の実施例を図4に示す。第4の実施例における処理装置50は、誘電体バリア放電を利用した放電空間54と光取り出し窓7を介して連接された亜酸化窒素N2Oへの光照射を行う活性酸素生成室56、及び被照射物9へ亜酸化窒素N2Oから生成された活性酸素O(1S)を吹き付ける噴射口57から成っている。該放電空間54は、第1の電極51として、厚さ1mm、高さ100mm、幅11000mmのSUS板に、厚さ0.5mmのアルミナ52aを覆ったものであり、第2の電極53は、放電容器を兼ね、内面は厚さ0.5mmのアルミナ52bで覆われている部材から構成されている。該電極間の距離は3mmで、該放電空間54には波長126nmのArエキシマ光を発生させるためにArが導入口55aから導入され、排出口55bから排出している。該Arの放電空間54における導入圧力は46.7kPaである。

0036

該処理装置50によれば、電極51、53に高周波電圧を印加することで放電プラズマ3が発生し、Arエキシマ光が発生する。このArエキシマ光が、光取り出し窓7を通して活性酸素原子生成室56に照射され、導入口10から導入された亜酸化窒素N2Oから活性酸素O(1S)が生成される。生成された活性酸素原子O(1S)は、1mm×1000mmの活性酸素原子噴射口57から被処理物9めがけて噴射される。被処理物9あるいは処理装置を動かすことにより、被処理物9前面の処理を行うことができる。

0037

本発明の第5の実施例を図5に示す。第5の実施例に示した処理装置60は、図4に示した第4の実施例に対しておいて、活性酸素O(1S)の噴射口57に対抗して活性酸素原子生成室56内に遮光板61を儲け、被処理物に活性酸素O(1S)を生成するための光が当たらない様にしたものである。尚、その他の構成は図4の場合と同等であるのでここでの説明は省略する。

0038

本発明の第6の実施例を図6に示す。第6の実施例に示した処理装置70は、図4で示した処理装置50において、光取り出し窓7、活性酸素生成室56を取り除いたものである。また、電極51、及び電極53の表面に設けられたアルミナ52a、52bによって形成される放電ギャップ長を1mmとした。また、導入口55aからArエキシマ光を発生させるためにArに4%の亜酸化窒素N2Oを混合したガスを放電空間54に供給している。電極51、53に放電用電源5から高周波電圧を印加すると放電プラズマ3が形成され、Arエキシマ光が発生する。本実施例においては、Arに亜酸化窒素N2Oが混合しているので、該亜酸化窒素N2O自身に効率よくArエキシマ光が照射され、高濃度の活性酸素O(1S)を生成することができる。更には、該亜酸化窒素N2Oの一部は誘電体バリア放電によって形成された放電プラズマ3によって活性酸素O(1S)に変えられるので、活性酸素O(1S)の密度は更に高密度になる。このようにして生成された活性酸素O(1S)は放電用ガスであるArと一緒に排出口55bより被処理物に向けて噴射される。

図面の簡単な説明

0039

本発明の第1の実施例を表す概念図。
本発明の第2の実施例を表す概念図。
本発明の第3の実施例を表す概念図。
本発明の第4の実施例を表す概念図。
本発明の第5の実施例を表す概念図。
本発明の第6の実施例を表す概念図。
本発明の洗浄効果を示す図。
従来の処理装置としての表面洗浄装置の説明図。

符号の説明

0040

1放電容器
2 処理空間
3a電極
3b 電極
3c 電極
4a放電プラズマ
4b 放電プラズマ
5放電用電源
6a放電ガス導入口
6b 排出口
7光取り出し窓
8ヒーター
9被処理物
10a 導入口
10b 排出口
11処理装置
20 処理装置
21ランプハウス
22 処理空間
23エキシマランプ
24 放電プラズマ
25 放電用電源
26aガス導入口
26bガス排出口
27 光取り出し窓
28 ヒーター
29 被処理物
30a 導入口
30b 排出口
36a放電用ガス導入口
36b 放電用ガス導入口
40 処理装置
50 処理装置
51 第1の電極
52aアルミナ
52b アルミナ
53 第2の電極
54放電空間
55a 導入口
55b 排出口
56活性酸素生成室
57噴射口
60 処理装置
61遮光板
70 処理装置
80表面洗浄装置
81 ランプハウス
82処理室
83a 電極
83b 電極
84 エキシマランプ
84a外側管
84b内側管
85 放電用電源
86a酸化性流体導入口
86b 酸化性流体排出口
87 光取り出し窓
88試料台
89 被処理物

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