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技術 高速引張試験機

出願人 株式会社ダイセル
発明者 仲田幸司
出願日 2003年10月20日 (17年4ヶ月経過) 出願番号 2003-360045
公開日 2005年5月12日 (15年9ヶ月経過) 公開番号 2005-121617
状態 特許登録済
技術分野 耐候試験、機械的方法による材料調査 機械的応力負荷による材料の強さの調査
主要キーワード 気候環境 設定速 挟み板 円形外周 合否判断 経時変化データ 線対称形状 低荷重域
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

既存の評価装置では評価できなかった物性を、実使用と相関があり、定量的に比較可能な評価装置を提供する。より詳しくは、高速度で引張って、伸ばす、引裂く剥離する、摩擦する等により、様々な高速歪みを与えた時の、試験片力学特性を定量的に評価可能な高速引張試験機を提供する。

解決手段

フィルム試験片の一端を荷重測定装置取付け、他端を回転ロールに保持して、回転ロールを所定の速度で回転させて高速度で引張り、連続的に伸び荷重を測定するようにした高速引張試験機。

概要

背景

プラスチック製の容器シートフィルム等、種々の製品市場に出回っている。プラスチック製品の形状や用途が多種多様になるにつれ、必要とされる性能や評価基準も多種多様になってきている。
例えばフィルム用途では一般にその引張強伸度弾性率、および引裂強度などの機械強度等を評価し、JIS(日本工業規格)等によりその評価方法標準化されているが、これらはあくまでも一般的な物性を評価、比較するための方法であるため、実用上の特定の評価とは相関の取れない場合が多い。一般的な物性では差はないが、特定の評価では、一方は合格であるが他方は不合格である場合がある。
例えば、プラスチック(フィルム、棒などを除く)の引張試験はJIS K7113に、プラスチックフィルム及びシートの引張試験はJIS K7127に、同引裂試験はJIS K7128に、それぞれ規定された方法が一般的であるが、ここで規定される試験速度は1000mm/分以下、特にフィルムでは500mm/分以下と非常に低速である(非特許文献1および2参照)。
従って、地面に張られたフィルムの端を足で踏んだ時“破れずに伸びるもの”と“伸びずに割れる”ものがある場合、これらの引張伸度を上記JIS試験方法に従って評価するとほぼ同等の伸度を示し、JIS試験結果と実用時の試験結果とに相関が取れない場合も多くある。

JIS K7127(4.装置及び器具、6.試験速度)
JIS K7128(8.1.試験機、8.3.試験速度など)

概要

既存の評価装置では評価できなかった物性を、実使用と相関があり、定量的に比較可能な評価装置を提供する。より詳しくは、高速度で引張って、伸ばす、引裂く剥離する、摩擦する等により、様々な高速歪みを与えた時の、試験片力学特性を定量的に評価可能な高速引張試験機を提供する。フィルム試験片の一端を荷重測定装置取付け、他端を回転ロールに保持して、回転ロールを所定の速度で回転させて高速度で引張り、連続的に伸びと荷重を測定するようにした高速引張試験機。

目的

本発明の第1は、試験片(1)の一端(11)を、荷重測定手段(2)に取付けられた保持手段(21)により保持し、試験片(1)の他端(12)を、引張手段(3)に取付けられた保持手段(31)により保持し、引張手段(3)により試験片(1)を引張る試験機であって、
(i)引張速度が50mm/分〜300m/分で制御可能、
(ii)引張伸びが経時的に検出可能、且つ
(iii)引張荷重が1gf〜100kgfの範囲で経時的に検出可能
である高速引張試験機を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

試験片(1)の一端(11)を、荷重測定手段(2)に取付けられた保持手段(21)により保持し、試験片(1)の他端(12)を、引張手段(3)に取付けられた保持手段(31)により保持し、引張手段(3)により試験片(1)を引張る試験機であって、(i)引張速度が50mm/分〜300m/分で制御可能、(ii)引張伸びが経時的に検出可能、且つ(iii)引張荷重が1gf〜100kgfの範囲で経時的に検出可能である高速引張試験機

請求項2

引張手段(3)が、所定の長さの円形外周を有する回転ロール(3')及び回転ロール(3')を回転させるモータ(3")からなり、回転ロール(3')を所定の速度で回転させ、外周の長さ(mm)×回転数(rpm)の関係によって、所定の引張速度に制御する請求項1に記載の高速引張試験機。

請求項3

引張速度が等速又は加速度的に変化可能である請求項1又は2に記載の高速引張試験機。

請求項4

所定の引張速度に到達するまでの保持手段(31)の移動距離が10mm以内である請求項1〜3のいずれか1項に記載の高速試験機。

請求項5

試験片(1)が樹脂製フィルムである請求項1〜4のいずれか1項に記載の高速引張試験機。

請求項6

引張試験引裂試験又は剥離試験に使用する請求項1〜5のいずれか1項に記載の高速引張試験機。

請求項7

さらに、試験片用恒温槽(6)及び/又は画像撮影手段(7)を備えた請求項1〜6のいずれか1項に記載の高速引張試験機。

技術分野

0001

本発明は試験片を、高速度で引張って、伸ばす、引裂く剥離する、摩擦する等により、様々な高速歪みを与えた時の、試験片の力学特性を定量的に評価可能な高速引張試験機に関する。
更に詳しくは、試料をこれまでの万能引張試験機等では制御不可能な速い速度域で、且つ少ない助走距離で高速歪みを与えた時の応力歪み曲線を得ることにより、試料が示すより実用的な力学特性が評価可能となる評価装置に関する。
これにより、既存の万能引張試験機のような低速歪みではなく、より実用に近い高速歪みを掛けることにより実用と相関のある評価が可能となる。

背景技術

0002

プラスチック製の容器シートフィルム等、種々の製品市場に出回っている。プラスチック製品の形状や用途が多種多様になるにつれ、必要とされる性能や評価基準も多種多様になってきている。
例えばフィルム用途では一般にその引張強伸度弾性率、および引裂強度などの機械強度等を評価し、JIS(日本工業規格)等によりその評価方法標準化されているが、これらはあくまでも一般的な物性を評価、比較するための方法であるため、実用上の特定の評価とは相関の取れない場合が多い。一般的な物性では差はないが、特定の評価では、一方は合格であるが他方は不合格である場合がある。
例えば、プラスチック(フィルム、棒などを除く)の引張試験はJIS K7113に、プラスチックフィルム及びシートの引張試験はJIS K7127に、同引裂試験はJIS K7128に、それぞれ規定された方法が一般的であるが、ここで規定される試験速度は1000mm/分以下、特にフィルムでは500mm/分以下と非常に低速である(非特許文献1および2参照)。
従って、地面に張られたフィルムの端を足で踏んだ時“破れずに伸びるもの”と“伸びずに割れる”ものがある場合、これらの引張伸度を上記JIS試験方法に従って評価するとほぼ同等の伸度を示し、JIS試験結果と実用時の試験結果とに相関が取れない場合も多くある。

0003

JIS K7127(4.装置及び器具、6.試験速度)
JIS K7128(8.1.試験機、8.3.試験速度など)

発明が解決しようとする課題

0004

プラスチックの利用分野が更に多種多様になることが予想される現在、これまでの既存の評価装置では評価できなかった物性を、実使用と相関があり、定量的に比較可能な評価装置が求められている。

課題を解決するための手段

0005

本発明者は種々検討の結果、例えば、フィルム試験片の一端を荷重測定装置取付け、他端を回転ロールに保持して、回転ロールを所定の速度で回転させて高速度で引張り、連続的に伸びと荷重を測定するようにした高速引張試験機により、上記問題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。

0006

即ち、本発明の第1は、試験片(1)の一端(11)を、荷重測定手段(2)に取付けられた保持手段(21)により保持し、試験片(1)の他端(12)を、引張手段(3)に取付けられた保持手段(31)により保持し、引張手段(3)により試験片(1)を引張る試験機であって、
(i)引張速度が50mm/分〜300m/分で制御可能、
(ii)引張伸びが経時的に検出可能、且つ
(iii)引張荷重が1gf〜100kgfの範囲で経時的に検出可能
である高速引張試験機を提供する。
本発明の第2は、引張手段(3)が、所定の長さの円形外周を有する回転ロール(3')及び回転ロール(3')を回転させるモータ(3")からなり、回転ロール(3')を所定の速度で回転させ、外周の長さ(mm)×回転数(rpm)の関係によって、所定の引張速度に制御する本発明の第1に記載の高速引張試験機を提供する。
本発明の第3は、引張速度が等速又は加速度的に変化可能である本発明の第1又は2に記載の高速引張試験機を提供する。
本発明の第4は、所定の引張速度に到達するまでの保持手段(31)の移動距離が10mm以内である本発明の第1〜3のいずれか1項に記載の高速試験機を提供する。
本発明の第5は、試験片(1)が樹脂製フィルムである本発明の第1〜4のいずれか1項に記載の高速引張試験機を提供する。
本発明の第6は、引張試験、引裂試験又は剥離試験に使用する本発明の第1〜5のいずれか1項に記載の高速引張試験機を提供する。
本発明の第7は、さらに、試験片用恒温槽(6)及び/又は画像撮影手段(7)を備えた本発明の第1〜6のいずれか1項に記載の高速引張試験機を提供する。

発明の効果

0007

本発明によれば、できるだけ少ない助走距離(即ち、所定の引張速度に到達するまでの保持手段の移動距離)で、これまでに無い高速度での歪みを試験片に与え、その時の低荷重域の荷重あるいは応力の変化を精度良く把握することで、これまで評価できなかった実使用時の結果と相関があり且つ定量評価可能となる試験を行えるようになった。例えば、フィルムの割れ性をフィルムの実用状態と相関性良く評価することが可能となった。

発明を実施するための最良の形態

0008

以下、本発明を詳細に説明する。
試験片
本発明の高速引張試験機の測定対象となる試験片1は、樹脂製又は紙等の非樹脂製のものである。
上記樹脂としては、特に限定はなく、熱可塑性樹脂熱硬化性樹脂結晶性樹脂非結晶性樹脂生分解性樹脂非生分解性樹脂合成樹脂天然産生樹脂、汎用樹脂エンジニアリング樹脂ポリマーアロイ等、いずれの種類の樹脂でもよい。樹脂製品は、可塑剤、各種安定剤、滑剤着色剤などの樹脂添加剤強化繊維タルクなどの強化材充填剤が配合されていたり、積層構造を有していてもよい。
上記非樹脂製のものとしては、木材、紙、繊維、ゴムなどが挙げられる。
試験片の形状としては、フィルム状、板状、繊維状などが挙げられ、発泡体であってもよく、好ましくはフィルム状(本発明では、フィルム状、シート状、テープ状を含む)である。
試験片の寸法としては、特に制限はないが、下記のものなど(図1参照)が挙げられる。
(i)引張り又は引裂きあるいは剥離した時、特定の部分に応力が集中し、その部分で選択的に伸び又は裂けあるいは剥離される現象が確認できる形状の試験片
(ii)JIS K7113記載の1〜4号試験片、好ましくは2号ダンベル状試験片
(iii)JIS K−7127に示される1〜5号試験片
(iv)JIS K7128−A法記載のノッチが入った短冊状試験片
(v)2/5≦上底の長さ/下底の長さ<4/5の条件を満たす等脚台形の2つの上底を合わせた線対称形状試験片
引裂試験の場合には、トラウザー引裂試験法で使用する試験片、エルメンドルフ引裂試験法で使用する1号又は2号試験片、直角形引裂試験法で使用する試験片などが使用できる。
剥離試験の場合には、JIS K6854(接着剤の剥離試験法)に記載の180度剥離試験、T型剥離試験で使用する試験片が使用できる。

0009

本発明の高速引張試験機は、引張試験、引裂試験、又は剥離試験に使用することができる。引張試験、引裂試験、又は剥離試験は、試験片の引張る両端部と引裂く両端部あるいは剥離する両端部の位置等が異なる以外は、共通している点が多いので、以下説明を簡潔にするために引張試験により説明する。

0010

本発明の高速引張試験機は、試験片1の一端11を、荷重測定手段2に取付けられた保持手段21により保持して引張荷重を測定する(a)荷重計測部、試験片1の他端12を、引張手段3に取付けられた保持手段31により保持し、引張手段3により試験片1を引張るための(b)駆動部、及び引張速度を制御し、引張伸びおよび引張荷重を検出する(c)制御・データ処理部の3部分から主に構成される。

0011

試験片1の一端11及び/又は他端12は、保持手段21及び/又は31により直接保持されてもよいし、非伸長性連結片8を介して保持手段21及び/又は31により間接的に保持されてもよい。試験片1の端部と非伸長性連結片8の端部は、接着融着縫合つかみ具などにより固着される。非伸長性連結片8の形状は試験片1の形状と同じである場合が好ましく、試験片1がフィルム状の場合には、非伸長性連結片8もフィルム状のものがよい。

0012

(a)荷重計測部
荷重計測部で用いられる荷重測定手段2としては、特に限定されるものではないが、1gf〜100kgf、好ましくは1gf〜10kgfまでの広い荷重範囲を検出できるものが望ましい。引張荷重の検出精度は±1%以下のものが好ましい。
具体的には、弾性体の変形を電気抵抗等の変化で表すロードセル型、バネ型、圧力計型、電磁力平衡型、弦又は音叉振動型など、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、好ましくはロードセル型である。
荷重測定手段2は、一端が高速引張試験機の基部に固定され、他端には試験片の端部を保持するつかみ具のような保持手段21が取付けられ、保持手段21により試験片1の一端11を保持する。
保持手段21としては、試験片が確実に保持できるものであれば特に制限はないが、具体的には、JIS K7127などに示されるつかみ具が挙げられる。

0013

(b)駆動部
駆動部で用いられる引張手段3としては、試験片1を引張るための速度が50mm/分(0.05m/分)〜300m/分、好ましくは0.5〜90m/分、さらに好ましくは10〜60m/分の範囲であり、出来るだけ助走距離の短いものが好ましい。
試験速度は、上記範囲内で加速度的に増加する速度であってもよい。加速度としては、0.1〜2.0m/秒/秒が挙げられる。またその加速度は1度の試験中に多段階に変化してもよいし、試験中1部等速区間を含んでいてもよい。
具体的には、引張手段3を直線的に駆動して試験片を引っ張るもの、又は、引張手段3を回転的に駆動して試験片を引っ張るものが挙げられる。回転的に駆動することにより、試験片を高速で引張ることが可能であると共に、引張距離が長く取れ、伸びの大きな試験片を測定することが可能であり、また、後述する助走距離を短く取ることが可能であり、それにより駆動開始から設定速度に達するまでのタイムラグが少なくなるため、初期歪み重点を置いた場合の特性評価信頼性高く実施可能となる。
引張手段3を高速引張試験機の基部に対して直線的に駆動して試験片を引っ張るものとしては、例えば助走機構を備えたアクチュエータ、具体的には電動ピストンなどを用いて、保持手段21に対して保持手段31を急速に引き離す向きに移動させることができる。
高速引張試験機の基部に固定され、引張手段3を回転的に駆動して試験片を引っ張るものとしては、例えば所定の長さの円形外周を有する回転ロール3'及び回転ロール3'を軸支して回転させるモータ3"からなり、回転ロール3'を所定の速度で回転させ、外周の長さ(mm)×回転数(rpm)の関係によって、所定の引張速度に制御するものである。回転ロール3'の回転はモータによって行われ、等速でも加速度的に変化させることも可能である。

0014

回転ロール3'の外周の長さには特に制限はないが、例えば10〜200mmの範囲で段階的に定められたもの、例えば、10mm、50mm、100mm、150mm、200mmなどの外周の長さの回転ロール3'を使用すると便利である。
モータ3"は直流式誘導式交流式同期式、ステップ式などが挙げられるが、電圧によって回転数が制御できるものが好ましい。回転ロール3'はモータ3"の回転軸に直接軸支されて回転されても、歯車ベルトクラッチなどの伝導手段を介して回転されてもよい。
引張手段3には試験片の端部をつかむつかみ具のような保持手段31が取付けられる。保持手段31は、回転ロール3'を使用する場合には、回転ロールに試験片を挟み込む隙間を設けて、隙間に試験片の端部を挿通して巻き取り固定したり、あるいは回転ロールに挟み板用凹みを設けて、凹みと挟み板の間に隙間に試験片の端部を挿通して、挟み板を凹みにネジ止めして固定してもよい。
後述する駆動部の移動距離は、外周の長さ(mm)×回転量(ここで回転量=回転数(rpm)×経過時間(min))によって得られる。
なお、試験片の厚みが厚みが厚く、また、試験片が伸びやすく、回転ロール3'への巻付きが何回も行われる場合には、移動距離は回転ロール3'に巻取り厚みを考慮したものを使用する。
移動距離の検出精度は、引張速度が10m/分以下の場合には±1mm、10m/分超の場合には±5mmである。

0015

上記助走距離は短いものが好ましく、引張速度によるが、10mm以下、好ましくは5mm以下である。助走距離が上記よりも長すぎると、実際の速度と設定速度との差が大きくなりすぎる、例えば高速に設定したが、実際は低速で引っ張ていたことになるという問題が生じる。
経過時間は、試験片に荷重が掛かり始めた時間から、試験終了までの時間であり、経過時間には助走距離に要する時間は含まれない。

0016

助走距離を少なくする方法としては、(i)設定速度に達するまでに要する距離以上に試験片を弛ませておいて、試験片に荷重が掛かる時点では設定速度に達しているようにする方法、(ii)回転円板内外二重にして、内側の円板が回転し、等速度になったら、外側の円板を突っ掛けて回転させるようにして、内側の円板が等速度になるまでの時間もしくは回転量をマイナスに設定しておき、助走距離を0にする方法等が挙げられる。

0017

(c)制御・データ処理部
制御・データ処理部は、必要に応じて設けられるものであるが、これを設けることにより、試験機の操作やデータ処理の自動化、精度の向上を図ることができる。制御・データ処理部としては特に限定されるものではないが、モータ3"を通じた回転ロール3'の回転数制御、駆動部の回転または移動の時間、及び、荷重計測手段2で検出された荷重あるいは応力のデータを、設定及び経時的に収集、処理できるものが望ましい。具体的にはコンピュータ5、特にパーソナルコンピュータが使用される。コンピュータ5から、所定の回転ロール3'の回転数に応じてモータを回転させるための指令信号が出され、必要に応じてコントローラを介して、モータを回転させる。
荷重測定手段2から得られた荷重データ電気出力として必要に応じて増幅器を介してコンピュータ5に経時的に入力される。
駆動部の回転または移動から得られた時間データは電気出力として必要に応じて増幅器を介してコンピュータ5に経時的に入力される。
コンピュータ5に入力されるデータは、荷重測定手段2から得られた荷重データ、ロール回転数、経過時間、サンプリング時間であり、移動距離は回転数×経過時間で算出される。荷重データと移動距離との結合は、サンプリング時間で換算即ち補正することで行う。これにより、荷重または応力に対する伸びまたは歪みの関係が得られる。
上記データを経時時間を合わせて処理し、移動距離即ち試料片変位量と引張荷重の関係をグラフ又は表で示すことができる。

0018

(iv)その他
その他、必要に応じて試験環境を広く評価可能な恒温槽6、高速試験時の外観挙動が観察できる画像撮影装置7などを設置することが出来る。
恒温槽6としては特殊なものが必要なわけではなく、高速試験前から終了まで試料を所定温度環境下におけるものであればよい。恒温槽の使用温度範囲としては−30℃〜100℃、好ましくは−15℃〜60℃のものである。試験環境は実際の様々な地域での気候を考慮し出来るだけ広い地域気候環境を含んだものが望ましい。
画像撮影装置7としては特殊なものが必要なわけではなく既存の撮影装置使用可能であるが、高速試験機としての特性上、試料状態の初期変化挙動を細かく観察可能なものが好ましい。例えば1500mm/秒の試験速度で試験を実施した場合、1mmの変位は1/1500秒で到達してしまう。この1mmの変位をさらに細かく観察するためにはこれを最低1/10に分割、さらに好ましくは1/100に分割して観察できることが望ましく、従ってマイクロ秒(μs)のオーダー取り込み速度を有する画像撮影装置が望ましい。画像撮影装置としては銀塩フィルム撮影装置、アナログ式電子撮影装置デジタル式電子撮影装置などが挙げられる。

0019

図2は本発明に係る高速引張試験機の一例である。
2は荷重測定手段、3は引張手段であり、両者は高速引張試験機の基部に対して、試験時に両者の間隔が不変であるように固定される。
荷重測定手段2には保持手段21が取付けられ、試験片1の一端11を保持する。
引張手段3は、円形外周を有する回転ロール3'及びモータ3"からなり、回転ロール3'はモータ3"に軸支されて回転される。回転ロール3'の巻き取り表面には、保持手段31として回転軸にフィルムを挟み込むためのスリットが設けられ、試験片1の他端12を保持する。
モータ3"を回転して所定の長さの外周を有する回転ロール3'により、試験片1を所定の速度で引張ることにより、試験片1は伸長される。
モータ3"を回転し始めるとともに、又は所定時間経過後に、計時が開始され、回転ロール3'の外周及び回転量から、つかみ具間の距離が、移動距離即ち試料片1の伸びとして計測される。助走距離の補正は、予め予想される助走距離以上に試験片1を弛ませておき、試験片1に荷重が掛かった時には設定速度に到達しているようにして行われる。
回転ロール3'の外周のデータはコンピュータ5に設定しておき、経時開始と共に回転ロール3'の回転速度から、回転量×外周長さによる移動距離がコンピュータ5により計算される。
試験片1が伸長される際に、引張応力が荷重測定手段2に加わり、ロードセルタイプの荷重測定手段2から電気信号として、必要に応じて増幅器を経て、コンピュータ5に出力される。
この結果、移動距離と引張荷重の経時変化データがコンピュータ5の中で処理され、伸びと引張荷重の関係がグラフとして表示される。

0020

試験片1は、必要に応じて恒温槽6(破線で示される)に納められ、温度等の環境条件を調節できるようにしてもよい。
また、必要に応じて画像撮影装置7を設けて、試験片1の伸びの開始する様子、伸び続ける様子、降伏する様子、破断の様子などを経時的に画像で観察することができる。

0021

本発明の引張試験装置は、荷重測定手段2と引張手段3が、試験片1が水平に置かれて試験されるように配列されても、鉛直に置かれて試験されるように配列されてもよい。
荷重測定手段2と引張手段3の間隔は試験片の物性に応じて、広く変更することが可能である。
本発明の高速引張試験機と従来の高速引張試験機とを比較すると下記のような相違がある。
本発明 従来
(1)試験片全長無制限 200mm以下
(2)引張速度 0.05〜300m/分 0.01〜1.0m/分
(3)引張伸び無制限 0〜1m
(4)引張荷重1gf〜100kgf 1gf〜1000kgf

0022

上記説明した本発明の高速引張試験機は、引張と記載された部分を引裂あるいは剥離と読み替えれば、高速引裂試験用あるいは高速剥離試験用となる。
なお、引張時の一端11と他端12は、位置や形状は異なるが、引裂時の一端11'と他端12'、又は剥離時の一端11"と他端12"と見なし、それぞれの場合に適当な保持手段を介して荷重測定手段2や引張手段3に取付けられる。

0023

(実施例)
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。

0024

使用した原料樹脂を下記に示す。原料樹脂は、予め乾燥(50℃×10時間以上)したものを用いた。
セルグリーンPH7:ポリカプロラクトン系(ダイセル化学工業(株)製)
ビオノーレ1001:ポリブチレンサクシネート系(昭和高分子(株)製)
ビオノーレ3001:ポリブチレンサクシネートアジペート系(昭和高分子(株)製)
レイシアポリ乳酸系(三井化学(株)製)
ポリエチレン低密度ポリエチレン(LDPE、住友化学(株)製)

0025

0026

[フィルム化]
タンブラーを用いて下記処方にブレンドした樹脂を二軸押出機を用いてコンパウンドペレット化し、インフレーション成形装置によりフィルム化した。ブレンド前の原料樹脂及びペレットは、乾燥(50℃×10時間以上)を施したものを使用した。
成形条件
フィルム引取速度:17〜22m/分
フィルム厚み:20μm
フィルム幅:1350mm
得られたフィルムを、引張試験用に供した。

0027

(実施例1〜4)[高速引張試験]
本発明の高速引張試験機を用い、以下の測定条件で引張試験を実施した。
引張試験試料の形状は、JIS K−7113に記載されている2号ダンベル形状のものである。なお、試料は、23℃・50%RH恒温恒湿室中で24時間以上調整したものを使用した。
高速引張試験条件:
試験速度:0.5m/min、5m/min、10m/min、30m/min、60m/min
ロードセル:10kgf・20%
繰り返し試験数(N):5
結果は破断点伸度(%CL(CLは図1-1で試料幅が等幅の平行部分の長さCを意味する))で比較し、結果を表2に示した。

0028

(比較例1〜4)[従来の万能引張試験機による低速引張試験]
既存の万能引張試験機(オリエンテック社製UCT−5T型)を用い、試験速度0.5m/minの低速度で、行った以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示した。

0029

0030

(実施例5〜8)
[割れ性評価]
実施例1〜4の高速引張試験で引張試験速度60m/minで実施した際のフィルム破断時の様子を観察し、割れ性を評価した。
評価基準は以下の3段階とした。
○:弾性変形から塑性変形に進みよく伸びを示す。
△:弾性変形から塑性変形へ進むがネック切れを生じる。
×:全く塑性変形せずに破断する(割れる)。
結果を表3に示した。

0031

[足踏み試験](実用試験)
を実際に作成し、上記成形フィルム展張機で展張した。その後、意識的に畝の端を足で踏んでいき、その時フィルムが実際に割れるか割れないかを評価した。各サンプルフィルムについて繰り返し数20としてその時割れなかった割合を%で示した。
結果を表3に示した。

0032

0033

実地試験で伸びを示さずに割れやすいフィルムは、試験速度を早くすることにより極端に伸びなくなることが判明し、実地試験で良く伸びてほとんど割れを示さないフィルムは、低速はもちろん高速での引張りにおいてもある程度の伸びを示すことが判明した。
上記結果から、本発明の高速引張試験機を用いると低速から高速に亘って評価が可能であり、実用時の評価結果と相関があり且つ定量的な試験が行えていることが確認できる。
また、実地試験である足踏み試験と割れ性評価の官能評価だけでなく、伸び等の数値による定量的な評価、合否判断が可能である。

0034

本発明の高速引張試験機を使用すれば、これまでは評価できなかった高速度域での力学特性やその速度依存性が評価可能となる。

図面の簡単な説明

0035

図1-1は、実施例に係る2号ダンベル状の試験片を示す図である。 図1-2は、実施例に係る中絞り鼓状の試験片を示す図である。 図1-3は、比較例に係る大絞り鼓状の試験片を示す図である。 図1-4は、比較例に係る小絞り鼓状の試験片を示す図である。

0036

図2は本発明に係る高速引張試験機の一例の概念図である。

符号の説明

0037

1試験片
2荷重測定手段
3 引張手段
3’回転ロール
3”モータ
5コンピュータ
6恒温槽
7画像撮影装置
8非伸長性連結片(図示なし)
11 試験片1の一端
12 試験片1の他端
21保持手段
31 保持手段
81 非伸長性連結片の一端(図示なし)
82 非伸長性連結片の他端(図示なし)

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