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技術 結晶成長方法、バルク単結晶成長用バルク予備結晶、及びバルク単結晶成長用バルク予備結晶の作製方法

出願人 国立大学法人東北大学
発明者 中嶋一雄我妻幸長宇佐美徳隆藤原航三宇治原徹
出願日 2003年10月15日 (17年2ヶ月経過) 出願番号 2003-355443
公開日 2005年5月12日 (15年7ヶ月経過) 公開番号 2005-119900
状態 特許登録済
技術分野 重金属無機化合物(I) 重金属無機化合物(II) 結晶、結晶のための後処理
主要キーワード 面積増加率 高温度特性 優先方位 バルク多結晶 分散パターン 結晶片 半導体バルク結晶 電子後方
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この項目の情報は公開日時点(2005年5月12日)のものです。
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課題

種結晶以外からの結晶粒の発生及び拡大を抑制し、高品質バルク単結晶を作製する。

解決手段

多数の結晶片を第1の種結晶として結晶成長を行い、異なる面方位の複数の結晶面を有するバルク予備結晶成長させる。次いで、前記バルク予備結晶において、最も面積増加率の高い結晶面を優先面として決定し選択する。次いで、前記優先面を成長面に有する単結晶を準備し、前記単結晶を第2の種結晶として結晶成長を行い、バルク単結晶を得る。

概要

背景

従来、バルク単結晶成長に用いる種結晶結晶面は、デバイス・プロセス的な有用性という観点から選択されてきた。しかしながら、デバイス・プロセス的に有用な結晶面は必ずしも多結晶化の抑制という観点では、最適な成長面ではなく、多結晶化の問題はすべてのバルク単結晶の成長、生産にとって無視できない重要課題である。

これまでバルク結晶の多結晶化を抑制する為に行われてきた対策は、ルツボ材の選択や、成長速度の制御などによる、マクロ要因の制御による成長中の、結晶核発生の抑制にあった。そのため、一旦結晶核が発生すると、“その拡大”を抑制できなかった。

融液溶液などを用いて単結晶を成長する際に起こる多結晶化、即ち成長中にルソボ壁や融液あるいは溶液中から発生する結晶核から成長した結晶粒が、元の種結晶から成長した結晶を次第に侵食してしまう現象は、結晶成長において大きな問題であり、結晶成長学的観点から根本的な解決策が必要である。

一方で、バルク単結晶は電気的あるいは光学的性質が一般に多結晶よりも優れており、太陽電池用結晶などの特殊な例をのぞいては、単結晶が産業上は利用されることが多い。そのため、常に高品質の単結晶の作製が要請されている。多結晶化の抑制については、これまでは、マクロ的な経験や試行錯誤に頼らざるを得ない状態で、抜本的な解決法はなかった。この様な解決策は、全率固溶型の状態図を有する多元系の半導体バルク結晶基板としての新規応用などの実用的観点からも、新たな産業分野開拓のために長く望されていた。

概要

種結晶以外からの結晶粒の発生及び拡大を抑制し、高品質のバルク単結晶を作製する。多数の結晶片を第1の種結晶として結晶成長を行い、異なる面方位の複数の結晶面を有するバルク予備結晶を成長させる。次いで、前記バルク予備結晶において、最も面積増加率の高い結晶面を優先面として決定し選択する。次いで、前記優先面を成長面に有する単結晶を準備し、前記単結晶を第2の種結晶として結晶成長を行い、バルク単結晶を得る。なし

目的

本発明は、上述した結晶成長学的観点及び実用的観点に基づき、種結晶以外からの結晶核の発生及び拡大を抑制し、高品質のバルク単結晶を作製することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

多数の結晶片を第1の種結晶として結晶成長を行い、異なる面方位の複数の結晶面を有するバルク予備結晶成長させる工程と、前記バルク予備結晶において、最も面積増加率の高い結晶面を優先面として決定し選択する工程と、前記優先面を成長面に有する単結晶を準備する工程と、前記単結晶を第2の種結晶として結晶成長を行い、バルク単結晶を得る工程と、を具えることを特徴とする、結晶成長方法

請求項2

前記単結晶は、前記バルク予備結晶から前記優先面を成長面に有する単結晶部分切り出して得ることを特徴とする、請求項1に記載の結晶成長方法。

請求項3

前記第1の種結晶の大きさが50mm以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の結晶成長方法。

請求項4

前記第1の種結晶は前記バルク予備結晶を構成する元素の少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載の結晶成長方法。

請求項5

前記第2の種結晶の大きさが300mm以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載の結晶成長方法。

請求項6

前記第2の種結晶は前記バルク単結晶を構成する元素の少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一に記載の結晶成長方法。

請求項7

前記優先面の決定は、前記バルク予備結晶に電子後方分散パターン法(Electron Back Scattering pattern法:EBSP法)により実施したことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一に記載の結晶成長方法。

請求項8

前記バルク予備結晶の成長は、前記第1の種結晶を所定の容器の底部に配置するとともに、前記第1の種結晶の上方において前記第1の種結晶と接触するようにして所定の融液を形成し、前記第1の種結晶を結晶核として行うことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一に記載の結晶成長方法。

請求項9

前記バルク予備結晶の成長は、前記融液中に所定の温度勾配を形成し、前記融液の過飽和駆動力として前記第1の種結晶上に行うことを特徴とする、請求項8に記載の結晶成長方法。

請求項10

前記バルク単結晶の成長は、前記第2の種結晶を所定の容器の底部に配置するとともに、前記第2の種結晶の上方において前記第2の種結晶と接触するようにして所定の融液を形成し、前記第2の種結晶を結晶核として行うことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一に記載の結晶成長方法。

請求項11

前記バルク単結晶の成長は、前記融液中に所定の温度勾配を形成し、前記融液の過飽和を駆動力として前記第2の種結晶上に行うことを特徴とする、請求項10に記載の結晶成長方法。

請求項12

前記第1の種結晶からの前記バルク予備結晶の成長と、前記第2の種結晶からの前記バルク単結晶の成長とは同一の成長条件で行うことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一に記載の結晶成長方法。

請求項13

前記バルク予備結晶及び前記バルク単結晶はSi系半導体であることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一に記載の結晶成長方法。

請求項14

前記バルク予備結晶及び前記バルク単結晶はSiGeであることを特徴とする、請求項13に記載の結晶成長方法。

請求項15

前記第1の種結晶はGe又はSiからなることを特徴とする、請求項14に記載の結晶成長方法。

請求項16

前記第2の種結晶はSiGeからなることを特徴とする、請求項15に記載の結晶成長方法。

請求項17

前記バルク予備結晶の前記優先面が(110)面±10度であることを特徴とする、請求項16に記載の結晶成長方法。

請求項18

前記バルク予備結晶及び前記バルク単結晶はGaAs化合物半導体であることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一に記載の結晶成長方法。

請求項19

前記バルク予備結晶及び前記バルク単結晶はInGaAsであることを特徴とする、請求項18に記載の結晶成長方法。

請求項20

前記第1の種結晶はGaAs又はInGaAsからなることを特徴とする、請求項19に記載の結晶成長方法。

請求項21

前記第2の種結晶はGaAs又はInAsからなることを特徴とする、請求項20に記載の結晶成長方法。

請求項22

前記バルク予備結晶の前記優先面が(110)面±10度であることを特徴とする、請求項21に記載の結晶成長方法。

請求項23

異なる面方位の複数の結晶面を有するとともに、結晶成長において最も面積増加率の高い結晶面を優先面として有することを特徴とする、バルク単結晶成長用のバルク予備結晶。

請求項24

前記優先面を含む単結晶部分を切り出し、結晶成長における種結晶として用いることを特徴とする、請求項23に記載のバルク単結晶成長用のバルク予備結晶。

請求項25

バルク単結晶を構成する元素の少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項23又は24に記載のバルク単結晶成長用のバルク予備結晶。

請求項26

多数の結晶片を種結晶として結晶成長を行い、異なる面方位の複数の結晶面を有するとともに、最も面積増加率の高い結晶面を優先面として有するバルク単結晶成長用バルク予備結晶の作製方法

請求項27

前記種結晶の大きさが50mm以下であることを特徴とする、請求項26に記載のバルク単結晶成長用バルク予備結晶の作製方法。

請求項28

前記種結晶は前記バルク予備結晶を構成する元素の少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項26又は27に記載のバルク単結晶成長用バルク予備結晶の作製方法。

技術分野

0001

本発明は、結晶成長方法バルク単結晶成長バルク予備結晶、及びバルク単結晶成長用バルク予備結晶の作製方法に関する。

背景技術

0002

従来、バルク単結晶の成長に用いる種結晶結晶面は、デバイス・プロセス的な有用性という観点から選択されてきた。しかしながら、デバイス・プロセス的に有用な結晶面は必ずしも多結晶化の抑制という観点では、最適な成長面ではなく、多結晶化の問題はすべてのバルク単結晶の成長、生産にとって無視できない重要課題である。

0003

これまでバルク結晶の多結晶化を抑制する為に行われてきた対策は、ルツボ材の選択や、成長速度の制御などによる、マクロ要因の制御による成長中の、結晶核発生の抑制にあった。そのため、一旦結晶核が発生すると、“その拡大”を抑制できなかった。

0004

融液溶液などを用いて単結晶を成長する際に起こる多結晶化、即ち成長中にルソボ壁や融液あるいは溶液中から発生する結晶核から成長した結晶粒が、元の種結晶から成長した結晶を次第に侵食してしまう現象は、結晶成長において大きな問題であり、結晶成長学的観点から根本的な解決策が必要である。

0005

一方で、バルク単結晶は電気的あるいは光学的性質が一般に多結晶よりも優れており、太陽電池用結晶などの特殊な例をのぞいては、単結晶が産業上は利用されることが多い。そのため、常に高品質の単結晶の作製が要請されている。多結晶化の抑制については、これまでは、マクロ的な経験や試行錯誤に頼らざるを得ない状態で、抜本的な解決法はなかった。この様な解決策は、全率固溶型の状態図を有する多元系の半導体バルク結晶基板としての新規応用などの実用的観点からも、新たな産業分野開拓のために長く望されていた。

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、上述した結晶成長学的観点及び実用的観点に基づき、種結晶以外からの結晶核の発生及び拡大を抑制し、高品質のバルク単結晶を作製することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

上記目的を達成すべく、本発明は、
多数の結晶片を第1の種結晶として結晶成長を行い、異なる面方位の複数の結晶面を有するバルク予備結晶を成長させる工程と、
前記バルク予備結晶において、最も面積増加率の高い結晶面を優先面として決定し選択する工程と、
前記優先面を成長面に有する単結晶を準備する工程と、
前記単結晶を第2の種結晶として結晶成長を行い、バルク単結晶を得る工程と、
を具えることを特徴とする、結晶成長方法に関する。

0008

本発明では、目的とするバルク単結晶を作製するに当り、結晶成長を2段階で行う。最初の結晶成長工程では、板状または球状などの多数の結晶片を第1の種結晶として用い、これを結晶核として、例えば一方向成長により結晶成長を行う。前記第1の種結晶は種々の面方位を有するため、前記結晶成長を通じて、異なる面方位の複数の結晶面を有するバルク予備結晶が得られるようになる。

0009

このとき、面方位の異なる各結晶粒の成長速度は微妙な差を有するため、結晶成長に伴い成長速度の速い結晶面の面積は増加し、成長速度の遅い結晶面の面積は減少するという現象、即ち面方位の競合関係が起きる。この様子は、成長した結晶を成長方向と垂直にスライスし、電子後方分散パターン法(Electron Back Scattering pattern法:EBSP法)のような方位顕微鏡などを用いて各結晶における面積の割合の連続的な変化を追うことにより観察できる。そして、最も面積増加率の高い結晶面を、優先方位の面方位(優先面)として決定する。

0010

次いで、2段目の結晶成長工程では、前記優先面を成長面とする単結晶を準備し、これを第2の種結晶としてさらに結晶成長を行う。この結果、結晶成長中に発生した結晶核は、前記優先面から成長した優先方位を持つ結晶粒内に取り込まれるようになるため、前記結晶核は結晶粒として拡大しない。従って、多結晶化を抑制でき、高品質の単結晶を常に得ることができる。なお、前述した取り込み効果は、前記優先面の優先度合い、すなわち面積増大率が大きいほど顕著になる。

0011

前記優先面は結晶系、成長速度、多元系の組成などに依存して決定される。

0012

前記2段目の結晶成長工程における前記単結晶は、上述した1段目の結晶成長とは別個の工程で得たものを用いることもできるし、前記バルク予備結晶から前記優先面を成長面に有する単結晶部分切り出して用いることもできる。

0013

なお、本発明の目的をより効果的に実現するためには、前記バルク予備結晶を作製するために使用する前記第1の種結晶は、前記バルク予備結晶を構成する元素の少なくとも一つを含むことが好ましい。同様に、前記バルク予備結晶を切り出して得た前記第2の種結晶は、前記バルク単結晶を構成する元素の少なくとも一つを含むことが好ましい。さらに、前記バルク予備結晶と前記バルク単結晶の成長条件は同一とすることが好ましい。

発明の効果

0014

以上説明したように、本発明によれば、種結晶以外からの結晶核の発生を抑制し、高品質のバルク単結晶を作製することが可能となる。

発明を実施するための最良の形態

0015

以下、本発明の詳細、並びにその他の特徴及び利点について詳述する。
上述したように、本発明では2段階の結晶成長を経て目的とするバルク単結晶を得る。最初の工程では、多数の結晶片を第1の種結晶として結晶成長を行い、得られたバルク予備結晶から本結晶成長過程における優先面を決定する。前記第1の種結晶は、板状又は球状などいずれの形態の結晶片からも構成することができる。

0016

また、前記第1の種結晶の大きさは特に限定されるものではないが、好ましくは50mm以下とする。さらに、前記第1の種結晶は前記バルク予備結晶を構成する元素の少なくとも一つを含むことが好ましい。これらの要件満足する場合は、前記第1の種結晶からの前記バルク予備結晶の成長を容易ならしめ、目的とするバルク単結晶を簡易に得ることができる。

0017

前記バルク予備結晶の作製は、例えば前記第1の種結晶を所定の容器の底部に配置し、前記第1の種結晶の上方に原材料充填し、加熱溶融させることによって、前記第1の種結晶と接触するように融液を形成し、次いで、前記融液中に所定の温度勾配を形成し、前記融液の過飽和駆動力とすることにより前記第1の種結晶を結晶核として結晶成長を行うことによって実施する。

0018

上述のようにして前記バルク予備結晶を作製した後、前記バルク予備結晶を成長方向と垂直な面でスライスし、EBSP法などによってその結晶面の分布を観察し、各結晶面の面積の割合を測定する。これによって、前記バルク予備結晶の、面積増加率の最も高い結晶面を優先面として決定する。なお、EBSP法は公知の結晶観察方法であって、例えば日本金属学会誌、2001年7月号、Vol.4D, pp611-654などに記載されている。

0019

次いで、前記優先面を成長面に有する単結晶を準備し、これを第2の種結晶としてさらに結晶成長を行う。前記単結晶は上述した第1の結晶成長とは別個の工程で得たものを用いることもできるし、前記バルク予備結晶の前記優先面を含む単結晶部分を選択して切り出して用いることもできる。

0020

なお、前記第2の種結晶の大きさは特に限定されるものではないが、好ましくは300mm以下とする。さらに、前記第2の種結晶は前記バルク単結晶を構成する元素の少なくとも一つを含むことが好ましい。これらの要件を満足する場合は、前記第2の種結晶からの前記バルク単結晶の成長を容易ならしめ、目的とするバルク単結晶を簡易に得ることができる。

0021

前記バルク予備結晶の作製は、例えば前記第2の種結晶を所定の容器の底部に配置し、前記第2の種結晶の上方に原材料を充填し、加熱溶融させることによって、前記第2の種結晶と接触するように融液を形成し、次いで、前記融液中に所定の温度勾配を形成し、前記融液の過飽和を駆動力とすることにより前記第2の種結晶を結晶核として結晶成長を行うことによって実施する。

0022

なお、前記第2の種結晶からの前記バルク単結晶の成長と、前記第1の種結晶からの前記バルク予備結晶の成長とは同一の成長条件で行うことが好ましい。すなわち、上述したバルク予備結晶の作製方法及びバルク単結晶の作製方法において、使用する原材料の種類及び組成などを同一にして同一組成の融液を作製し、前記融液中に同一の温度勾配などを形成する。これによって、前記第2の種結晶を構成する、前記バルク単結晶から選択した前記優先面の作用効果が増大し、前記優先面を種結晶面とした結晶成長が促進され、高品質のバルク単結晶をより簡易に作製することができるようになる。

0023

以下、本発明を具体例に基づいて詳細に説明する。

0024

(実施例1)
本実施例では、SiGeバルク単結晶の作製を試みた。
最初に、直径15mmの石英管中に直径約2mm以下の多数のGe結晶破片を第1の種結晶として配置し、その上方に直径15mm、長さ40mmのGe多結晶を配置した。さらにその上に、元素補給用Si単結晶を配置し、真空封入した。次いで、前記Si単結晶側が高温、前記種結晶側低温となり、約30℃/cmの温度勾配を有するように前記石英管中の前記Si単結晶及びGe多結晶を加熱し、溶解させた。これによって、前記石英管中には、Si‐Ge二元系融液が形成された。

0025

このとき、前記第1の種結晶上には過飽和を駆動力としてSiGeバルク予備結晶が成長した。得られた前記SiGeバルク予備結晶を、その成長方向に垂直な面内でスライスし、結晶面の分布をEBSP法により測定した。その結果、最も面積増加率の高い結晶面(優先面)は、(110)面であり、最も面積増加率の低い面は(111)面であった。

0026

次いで、直径15mm、長さ20mmの、(110)面及び(111)面を有するGe単結晶を準備し、これらを第2の種結晶として、前記バルク予備結晶の作製と同一の成長条件で結晶成長を行った。

0027

その後、得られた結晶を結晶方向に垂直な面内でスライスし、EBSP法により結晶面の分布を測定した。その結果、(111)面を有する単結晶部分を種結晶として用いた場合は、成長開始後間もなくルツボ壁から結晶粒が発生し、次第に(111)結晶面を持つ結晶粒を侵食するようにして、SiGeバルク多結晶が生成されたのに対して、(110)面を有する単結晶部分を種結晶として用いた場合は、新たな結晶核の生成はなく、前記種結晶を結晶核とした結晶成長が行われ、SiGeバルク多結晶が生成された。

0028

(実施例2)
本実施例ではInGaAsバルク単結晶の作製を試みた。
最初に、直径15mmの石英管中に直径約2mm以下の多数のInGaAs結晶片を第1の種結晶として配置し、その上方に直径15mm、長さ40mmのInAs単結晶を配置した。さらにその上に、元素補給用GaAs単結晶を配置し、真空封入した。前記GaAs単結晶側が高温、前記種結晶側が低温となり、約30℃/cmの温度勾配を有するように前記InAs単結晶及び前記GaAs単結晶を加熱し、溶解させた。これによって、前記石英管中には、InAs‐GaAs擬二元系融液が形成された。

0029

このとき、前記第1の種結晶上には過飽和を駆動力としてInGaAsバルク予備結晶が成長した。得られたInGaAsバルク予備結晶を、その成長方向に垂直な面内でスライスし、結晶面の分布をEBSP法により測定した。その結果、最も面積増加率の高い結晶面(優先面)は、(110)面であることが判明した。

0030

次いで、直径15mm、長さ20mmの(110)GaAs単結晶を準備し、これを第2の種結晶として、前記InGaAsバルク予備結晶の作製と同一の成長条件で結晶成長を行った。

0031

その後、得られた結晶を結晶方向に垂直な面内でスライスし、EBSP法により結晶面の分布を測定した。その結果、新たな結晶核の生成はなく、前記種結晶を結晶核とした結晶成長が行われ、高品質なInGaAsバルク多結晶が生成された。

0032

なお、InGaAsバルク単結晶は、光通信用の高効率、高温度特性を有する半導体レーザー用基板結晶として極めて有望である。

0033

以上、具体例を挙げながら発明の実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明してきたが、本発明は上記内容に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいてあらゆる変形や変更が可能である。

0034

例えば、実施例1では、Ge結晶片を第1の種結晶として用いているが、Si結晶片を用いることもできる。また、実施例2ではInGaAs結晶片を第1の種結晶として用いているが、GaAs結晶片を用いることもできる。さらに、GaAs単結晶の代わりに、InAs単結晶を第2の種結晶として用いることもできる。

0035

本発明によれば、従来単結晶化が困難であった全率固溶型の状態図を有する多元系のバルク単結晶を簡易に作製することができる。したがって、このようなバルク単結晶を利用する種々の工業分野に適用することができる。特にInGaAsなどのGaAs系半導体バルク単結晶を簡易に作製することができ、光通信用の高効率及び高温度特性を有する基板材料の提供が可能となる。また、Si系バルク単結晶を簡易に作製することができ、高性能化された新規な電子デバイスの提供が可能となる。

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