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技術 銀含有の高延性クロム合金

出願人 国立研究開発法人物質・材料研究機構
発明者 谷月峰原田広史呂芳一
出願日 2003年10月10日 (13年6ヶ月経過) 出願番号 2003-352506
公開日 2005年4月28日 (12年0ヶ月経過) 公開番号 2005-113251
状態 特許登録済
技術分野
  • -
主要キーワード ニッケル基耐熱合金 延性脆性遷移温度 耐用温度 銀添加量 サーモグラフ 航空機用ジェットエンジン 耐熱部品 室温延性

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課題

Ni基合金に実用的に代替し得るものとして、クロム基合金の、高融点、優れた耐食性耐酸化性熱伝導性等の特徴を生かしつつ、しかも、室温での延性も良好な、新しいクロム合金を提供する。

解決手段

その組成において、銀を0.1〜5原子%含有し、残部がクロムと不可避的不純物とからなるクロム合金とする。

この項目の情報は公開日時点(2005年4月28日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

背景

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近年、地球温暖化抑制のため、炭酸ガス排出を減らすことが世界的な課題となっている。ガスタービンにおいては熱効率の上昇を図ることでその対策を実施しているが、動静耐用温度により大きく制約受けているのが実情である。実際、現在動静翼にはニッケル基耐熱合金が用いられているが、融点の制約により耐用温度は1100℃程度といわれている。

このガスタービンの動静翼材料に用いられているニッケル基耐熱合金においては、γ′(ガンマプライム)相による析出強化により高温強度クリープ疲れ等)を発現しているが、この合金の融点は1350℃前後であるため、冷却及びコーティング技術を用いても前記のとおりその耐用温度は1100℃程度に止まっている。このため、従来のニッケル基耐熱合金に代わって、より高温で使用できる耐熱合金が求められている(たとえば非特許文献1−6参照)。

このような状況において、クロム基合金は高融点で、すぐれた耐食性、耐酸化性、良好な熱伝導性を有し、ニッケル基合金よりも低い密度である等々の性質によりニッケル基耐熱合金の代替合金として期待される(非特許文献7参照)。しかしながら、現状においては、高い延性脆性遷移温度窒素吸収による室温脆化のため、室温での低延性、低靱性加工性の悪さ等が克服できないである。このため、Ni基合金に代わり得るものとはなっていない。なお、レニウムをある程度以上添加すると延性を示すことが判明しているが、レニウムは希少金属として極めて高価であり、また、その添加による効果も必ずしも実用的なレベルではない。
Aerosp. Sci. Technol. 3(1999)513−523
日本ガスタービン学会誌vol.28,No.4, 2000.7、14−20
日本金属学会誌 第66巻、第9号(2002)、873−876
METALLURGICALAND MATERIALSTRANSACTIONS A, Vol.33A,Dec.2002,3741−3746
Scripta Materialia, 49(2003)1041−1046
まてりあ(Materia Japan), 第42巻、第9号(2003)、621−625
工業材料、2002年8月号、61−64

概要

Ni基合金に実用的に代替し得るものとして、クロム基合金の、高融点、優れた耐食性、耐酸化性、熱伝導性等の特徴を生かしつつ、しかも、室温での延性も良好な、新しいクロム合金を提供する。 その組成において、銀を0.1〜5原子%含有し、残部がクロムと不可避的不純物とからなるクロム合金とする。

目的

そこで、この出願の発明は、以上のような背景から、Ni基合金に実用的に代替し得るものとして、クロム基合金の、高融点、優れた耐食性、耐酸化性、熱伝導性等の特徴を生かしつつ、しかも、室温での延性も良好な、新しいクロム合金を提供することを課題としている。

効果

実績

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請求項

以下の情報は公開日時点(2005年4月28日)のものです。

請求項1

その組成において、銀を0.1〜5原子含有し、残部がクロム不可避的不純物とからなることを特徴とするクロム合金。

請求項2

その組成において、銀を0.1〜5原子%含有するとともに、ケイ素0.05〜6.0原子%またはアルミニウム0.05〜10原子%、もしくはケイ素とアルミニウムをその合計量として0.05〜10原子%含有し、残部がクロムと不可避的不純物とからなることを特徴とするクロム合金。

請求項3

請求項1または2の合金において、その組成に、Mo,W,Re,Fe,Ru,Co,Rh,Ni,PtおよびIrのうちの1種以上が合計量として10原子%以下で含有されていることを特徴とするクロム合金。

請求項4

請求項1ないし3のいずれのクロム合金であって、単結晶凝固法、一方向凝固法粉末冶金鋳造および鍛造の1種以上の手段によって製造されていることを特徴とするクロム合金。

請求項5

請求項1ないし4のいずれかのクロム合金を主として構成されていることを特徴とする高温用物品

詳細

以下の情報は 公開日時点 (2005年4月28日)のものです。

技術分野

0001

この出願の発明は、航空機用ジェットエンジン産業用ガスタービンの動静翼、乗用車用エンジンターボチャージャー耐熱ホイール等に有用で、高温での強度、耐酸化性に優れているとともに、室温での延性も良好な、新しい高延性クロム合金に関するものである。


背景技術

0002

近年、地球温暖化抑制のため、炭酸ガスの排出を減らすことが世界的な課題となっている。ガスタービンにおいては熱効率の上昇を図ることでその対策を実施しているが、動静翼の耐用温度により大きく制約を受けているのが実情である。実際、現在動静翼にはニッケル基耐熱合金が用いられているが、融点の制約により耐用温度は1100℃程度といわれている。

0003

このガスタービンの動静翼材料に用いられているニッケル基耐熱合金においては、γ′(ガンマプライム)相による析出強化により高温強度(クリープ、疲れ等)を発現しているが、この合金の融点は1350℃前後であるため、冷却及びコーティング技術を用いても前記のとおりその耐用温度は1100℃程度に止まっている。このため、従来のニッケル基耐熱合金に代わって、より高温で使用できる耐熱合金が求められている(たとえば非特許文献1−6参照)。

0004

このような状況において、クロム基合金は高融点で、すぐれた耐食性、耐酸化性、良好な熱伝導性を有し、ニッケル基合金よりも低い密度である等々の性質によりニッケル基耐熱合金の代替合金として期待される(非特許文献7参照)。しかしながら、現状においては、高い延性脆性遷移温度や窒素吸収による室温脆化のため、室温での低延性、低靱性、加工性の悪さ等が克服できないである。このため、Ni基合金に代わり得るものとはなっていない。なお、レニウムをある程度以上添加すると延性を示すことが判明しているが、レニウムは希少金属として極めて高価であり、また、その添加による効果も必ずしも実用的なレベルではない。
Aerosp. Sci. Technol. 3(1999)513−523
日本ガスタービン学会誌vol.28,No.4, 2000.7、14−20
日本金属学会誌 第66巻、第9号(2002)、873−876
METALLURGICALAND MATERIALSTRANSACTIONS A, Vol.33A,Dec.2002,3741−3746
Scripta Materialia, 49(2003)1041−1046
まてりあ(Materia Japan), 第42巻、第9号(2003)、621−625
工業材料、2002年8月号、61−64


発明が解決しようとする課題

0005

そこで、この出願の発明は、以上のような背景から、Ni基合金に実用的に代替し得るものとして、クロム基合金の、高融点、優れた耐食性、耐酸化性、熱伝導性等の特徴を生かしつつ、しかも、室温での延性も良好な、新しいクロム合金を提供することを課題としている。


課題を解決するための手段

0006

この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、第1には、その組成において、銀を0.1〜5原子%含有し、残部がクロムと不可避的不純物とからなることを特徴とするクロム合金を提供する。

0007

また、第2には、その組成において、銀を0.1〜5原子%含有するとともに、ケイ素0.05〜6.0原子%またはアルミニウム0.05〜10原子%、もしくはケイ素とアルミニウムをその合計量として0.05〜10原子%含有し、残部がクロムと不可避的不純物とからなることを特徴とするクロム合金を提供する。

0008

そして、第3には、上記第1または第2の発明の合金において、その組成に、Mo,W,Re,Fe,Ru,Co,Rh,Ni,PtおよびIrのうちの1種以上が合計量として10原子%以下で含有されていることを特徴とするクロム合金を提供する。

0009

第4には、第1ないし第3の発明のいずれのクロム合金であって、単結晶凝固法、一方向凝固法、粉末冶金、鋳造および鍛造の1種以上の手段によって製造されていることを特徴とするクロム合金を提供し、第5には、第1ないし第4の発明のいずれのクロム合金を主として構成されていることを特徴とする高温用物品を提供する。


発明の効果

0010

上記のとおりのこの出願の発明によって、従来のNi基合金に実用的に代替し得るものとして、クロム基合金の、高融点、優れた耐食性、耐酸化性、熱伝導性等の特徴を生かしつつ、しかも、室温での延性も良好な、新しいクロム合金が提供される。

0011

また、このクロム合金によって、航空用ジェットエンジンおよび産業用ガスタービンの動静翼、吸入および排出バルブロッカーアーム連結棒、およびオートバイおよび自動車エンジン用ターボチャージャーの耐熱ホイール等の各種用途のための高温用物品が提供される。


発明を実施するための最良の形態

0012

この出願の発明は上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下にその実施のための形態について説明する。

0013

まずなによりも強調されることは、この出願の発明のクロム合金では、クロムに銀を添加することで、比較的低密度、高融点、良好な熱伝導性を維持し、室温で十分な延性を有するクロム基耐熱合金を実現していることである。室温での引張延性の向上のためには、クロムに銀を最小の0.1原子%添加することが必要であり、5原子%を越えると融点が急激に低下し、高温強度が減少する。このため、延性と強度のバランスから銀の添加量は0.1〜5原子%の範囲とする。さらには、0.5〜3.5原子%とすることが好ましい。

0014

この出願の発明のクロム合金は、室温から高温(1600℃)まで単相組織であり、強度は銀の添加による固溶強化により発現している。また、耐酸化性は高温(1300℃)においてクロム単体より著しくすぐれている。

0015

そして、この出願の発明の銀含有のクロム合金においては、ケイ素、アルミニウムを前記のとおりに含有させることができる。このケイ素、アルミニウムの添加は耐酸化性のさらなる向上のために有効である。ただ、その添加量が多すぎると延性が低下することから、前記のとおりの範囲において添加することが考慮される。

0016

また、さらに、強度向上のためにMo、W、Fe、Co、Rhの添加が考慮されてよい
が、添加量が過多であると延性の低下をまねくことになる。一方、延性の向上にはRu、Pt、Niの添加も考慮されるが過剰な場合には密度増加や強度低下となる。Re、Irの添加は、強度とともに延性も向上させるのに考慮されるが、過剰な場合には密度を増加させるので好ましくない。

0017

これらの元素の添加には、その総量が前記のとおり10原子%以下に抑えられるべきである。

0018

そこで以下に実施例を示し、さらに詳しく説明する。もちろん以下の例によって発明が限定されることはない。

0019

<実施例1>
次の表1に示した組成のクロム銀合金(alloy1〜6)の各々を、アーク溶解により鋳造した。

0020

0021

図1は、5原子%の銀を添加したクロム合金(alloy6)を5℃/minの速度で室温から1600℃まで昇温し、その後室温まで下降させた熱サイクル中の典型的な示差熱分析(DTA)のサーモグラフを示したものである。この図1の結果から、室温から1600℃の温度範囲では単相であることが判明した。

0022

また、図2は、長さ12×幅5×厚さ1(mm)の板状試験片を室温で静的に引張った場合の、銀添加クロム合金(alloy1〜6)の引張塑性歪(%)と銀添加量(原子%)との関係を示したものである。

0023

この図2からは、銀を2原子%含有するクロム合金(alloy5)の場合には、室温で約2
4%の伸びを示すことが確認される。同様にして、銀添加量を種々変更した合金については、図2から、銀が2〜3.4原子%のクロム合金では室温で24%以上の伸びを示し、銀が0.5原子%以上のクロム合金では、室温で13%以上の伸びを示すことが確認される。実用的な構造用合金としては室温での引張延性(伸び)が2%以上必要であるとされているが、この出願の発明の銀を0.1原子%含有するクロム合金では、この2%の延性にすでに達してもいる。

0024

そして、銀の添加量として好ましい0.5原子%〜3.5原子%の範囲では室温での延性が10〜24%の優れた性質を有するこの出願の発明の銀含有クロム合金は、実用合金としてのNi基耐熱合金であるCMSX−4、CMSX−10、さらにはこの出願の発明者らが開発したCMSX合金とほぼ同等以上の性能を有するNi基合金TMS−75の室温での延性が最大でも6〜7%であることを考慮すると、十分、かつ顕著な室温での引張延性を有していることがわかる。

0025

図3は、室温から1400℃の温度範囲での0.2%降伏強度と銀添加量との関係を示している。降伏強度は銀の添加量が多い程固溶強化により増大し、5原子%銀を添加した合金(alloy6)は室温でクロム単体より50%近く増加していることがわかる。高温にな
ると銀の添加による固溶強化の効果は低下するが、1400℃においてもクロム単体よりは大きい値を示している。

0026

このように降伏強度(0.2%耐力)が、1000℃で50MPa以上、1200℃でも20〜30MPa強、さらには1400℃でも10MPa以上であることは、この出願の発明の銀含有クロム合金の重要な特徴の一つである。従来のNi基耐熱合金では1200℃以上では使用が不可能であるのに対し、この出願の発明の合金は充分に使用可能である。

0027

また、図4および図5は、0.5原子%の銀含有クロム合金(alloy3)並びに2原子%の銀含有クロム合金(alloy5)について、大気中1100℃、大気中1300℃における耐酸化性の試験結果を、銀を含有しないクロムの場合と比較して示した図である。この図4および図5に見られるように、銀を2原子%添加した合金(alloy5)は大気中1300℃において優秀な耐酸化性を示した。
<実施例2>
実施例1と同様にして、アーク溶解による鋳造で表2の組成の合金を製造した。

0028

0029

表2の合金のうち、alloy9(Cr−6Si−2Ag)およびalloy11(Cr−6Ir−2Ag)がこの出願の発明のクロム合金である。

0030

表3は、表2の合金についての、室温における機械的性質(0.2%降伏強度、引張強度、伸び)の測定結果を示したものである。この出願の発明の合金においては、室温延性改善され、機械的性質が顕著に向上していることが確認される。

0031

0032

この出願の発明のクロム合金は、室温引張延性を十分に有するクロム基合金としては初めての構造用合金であり、かつ高温における強度、耐酸化性等もすぐれているためガスタービンの翼用材料を中心に耐熱部品として実用化が期待できる。原料純度製造法等についても特別な水準を必要としない。ニッケル基耐熱合金の代替合金としては画期的である。


図面の簡単な説明

0033

Cr−5Ag合金についてのDTAサーモグラフである。
Cr−Ag合金の引張塑性歪(%)とAg添加量との関係を示した図である。
温度およびAg添加量との関係として、0.2%降伏強度を示した図である。
Cr−Ag合金の、大気中1100℃における耐酸化性を示した図である。
Cr−Ag合金の、大気中1300℃における耐酸化性を示した図である。


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