図面 (/)
※この項目の情報は公開日時点(2005年4月21日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります
図面 (0)
図面はありません
課題
解決手段
(A)PET再生樹脂100重量部とオレフィン系組成物(B)1〜30重量部とを含み、オレフィン系組成物(B)が、(B−1)エポキシ基含有オレフィン系共重合体と(B−2)エポキシ基を含有しないオレフィン系共重合体とを90〜10:10〜90の重量比で含むことを特徴とする地中又は地面敷設用成形品により上記の課題を解決する。
概要
背景
熱可塑性樹脂は、軽量で強度が大きく、耐水性、耐薬品性、電気絶縁性が優れ、その上、成形加工が容易であるために、多量に生産されている。特に、通常PETと簡略して呼ばれているポリエチレンテレフタレート樹脂は、軽くて、強く丈夫であり、更に透明性に優れるため飲料用ボトル向けに大量に製造されている。最近では容器包装リサイクル法の施行に伴い、プラスチックに関してもリサイクル社会への移行が一段と加速してきている。更に、今後も石油資源の有効活用という世界的な潮流から、PETボトルのリサイクルが国家的課題として横たわっている。
このPETボトル等より再生されたPET再生樹脂は、成形加工性に劣るという問題がある。具体的には、PET再生樹脂のみでは、成形品が不透明の結晶層と透明の非晶質層の2層になるという課題があった。更に、この成形品は、耐衝撃性、耐熱性、寸法安定性等の性質も劣っているという課題があった。
特に、上水道用等の水道メーターはメーター類を保護するためにメーターボックスに入れられているが、このメーターボックスは、通常地中に埋没させて使用されるため、土圧又は荷重の大きい車両等が通行しても耐える強度を有することが必要である。また、耐寒性、耐蝕性、耐水性及び耐候性等の特性が要求されている。
概要
改善された成形性、耐衝撃性、実用に十分な耐熱性を有し、更に外観(ヒケ、表面光沢度等)が改良された地中又は地面敷設用成形品を提供することを課題とする。 (A)PET再生樹脂100重量部とオレフィン系組成物(B)1〜30重量部とを含み、オレフィン系組成物(B)が、(B−1)エポキシ基含有オレフィン系共重合体と(B−2)エポキシ基を含有しないオレフィン系共重合体とを90〜10:10〜90の重量比で含むことを特徴とする地中又は地面敷設用成形品により上記の課題を解決する。 なし
目的
これらの課題を解決するため、PET再生樹脂にエポキシ基含有エチレン共重合体を溶融混練した組成物(特開平6−298991号公報(特許文献1))を用いて成形品を形成することが考えられる。この公報の組成物は、耐衝撃性や耐熱性がある程度改善されているが、未だ十分ではなく、加えて成形時に十分な成形性を得ることができない。そのため、これら性質の更なる改善が望まれている。
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 0件
- 牽制数
- 2件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
(A)PET再生樹脂100重量部とオレフィン系組成物(B)1〜30重量部とを含み、オレフィン系組成物(B)が、(B−1)エポキシ基含有オレフィン系共重合体と(B−2)エポキシ基を含有しないオレフィン系共重合体とを90〜10:10〜90の重量比で含むことを特徴とする地中又は地面敷設用成形品。
請求項2
請求項3
(B−1)エポキシ基含有オレフィン系共重合体が、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート−酢酸ビニル共重合体の単独又は2種以上からなる請求項1又は2に記載の成形品。
請求項4
(B−2)エポキシ基を含有しないオレフィン系共重合体が、オレフィン単量体とα,β−不飽和酸のアルキルエステル単量体との共重合体からなる請求項1〜3のいずれか1つに記載の成形品。
請求項5
(B−2)エポキシ基を含有しないオレフィン系共重合体が、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−プロピルアクリレート共重合体、エチレン−ブチルアクリレート共重合体の単独又は2種以上からなる請求項1〜4のいずれか1つに記載の成形品。
請求項6
結晶核剤が、PET再生樹脂に対して核剤作用を有する無機化合物、有機カルボン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、カルボキシル基を有する有機重合体のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩の単独又は2種以上からなる請求項2〜5のいずれか1つに記載の成形品。
請求項7
請求項8
更に、他の熱可塑性樹脂を含む請求項1〜7のいずれか1つに記載の成形品。
技術分野
0001
本発明は、地中又は地面敷設用成形品に関する。更に詳しくは、本発明は、組成物を成形した際に、成形性が良好で、耐衝撃性、実用上考えうる温度での耐熱性を有し、更に外観(ヒケ、表面光沢度等)が改良された地中又は地面敷設用成形品に関するものである。
背景技術
0002
熱可塑性樹脂は、軽量で強度が大きく、耐水性、耐薬品性、電気絶縁性が優れ、その上、成形加工が容易であるために、多量に生産されている。特に、通常PETと簡略して呼ばれているポリエチレンテレフタレート樹脂は、軽くて、強く丈夫であり、更に透明性に優れるため飲料用ボトル向けに大量に製造されている。最近では容器包装リサイクル法の施行に伴い、プラスチックに関してもリサイクル社会への移行が一段と加速してきている。更に、今後も石油資源の有効活用という世界的な潮流から、PETボトルのリサイクルが国家的課題として横たわっている。
0003
このPETボトル等より再生されたPET再生樹脂は、成形加工性に劣るという問題がある。具体的には、PET再生樹脂のみでは、成形品が不透明の結晶層と透明の非晶質層の2層になるという課題があった。更に、この成形品は、耐衝撃性、耐熱性、寸法安定性等の性質も劣っているという課題があった。
0004
特に、上水道用等の水道メーターはメーター類を保護するためにメーターボックスに入れられているが、このメーターボックスは、通常地中に埋没させて使用されるため、土圧又は荷重の大きい車両等が通行しても耐える強度を有することが必要である。また、耐寒性、耐蝕性、耐水性及び耐候性等の特性が要求されている。
発明が解決しようとする課題
0005
これらの課題を解決するため、PET再生樹脂にエポキシ基含有エチレン共重合体を溶融混練した組成物(特開平6−298991号公報(特許文献1))を用いて成形品を形成することが考えられる。この公報の組成物は、耐衝撃性や耐熱性がある程度改善されているが、未だ十分ではなく、加えて成形時に十分な成形性を得ることができない。そのため、これら性質の更なる改善が望まれている。
0006
特開平6−298991号公報
課題を解決するための手段
0007
かくして本発明によれば、(A)PET再生樹脂100重量部とオレフィン系組成物(B)1〜30重量部とを含み、オレフィン系組成物(B)が、(B−1)エポキシ基含有オレフィン系共重合体と(B−2)エポキシ基を含有しないオレフィン系共重合体とを90〜10:10〜90の重量比で含むことを特徴とする地中又は地面敷設用成形品が提供される。
発明の効果
0008
本発明によれば、改善された成形性、耐衝撃性、実用上考えうる温度での耐熱性を有し、更に外観(ヒケ、表面光沢度等)が改良された地中又は地面敷設用成形品を得ることができる。
発明を実施するための最良の形態
0009
(1)地中又は地面敷設用成形品の構成成分
以下で使用される用語PETは、ポリエチレンテレフタレート系樹脂の略称であり、通常、テレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体(例えばジメチルエステル、モノメチルエステル等の低級アルキルエステル)とエチレングリコール又はそのエステル形成性誘導体とを原料にして、触媒の存在下、加熱反応せしめ、次いで得られるテレフタル酸のグリコールエステルを触媒の存在下、所定の重合度まで重合反応させて得られる樹脂である。
0010
(A)PET再生樹脂
本発明におけるPET再生樹脂は、上記PETを任意に適当な添加剤と共に成形して得られる飲料用ボトル、すなわち、いわゆるPETボトルが、再度利用するために回収され、処理されたものが好ましい。この処理品は、通常、PET再生材やリサイクルPETと称されるものである。PETボトルは、近年大量に回収され、最も再生利用が望まれるものである。このPET再生樹脂は、上記PETボトルのほか、繊維、フィルム又はコンテナー等の大型成形品等の製品として成形されたもの、実際に製品として使用されなくても、製品の製造工程上で発生するフィルムの端材、射出成形品のゲート及びランナー部材等のPET樹脂を回収及び処理したものでも構わない。PET再生樹脂の形状は、特に限定されないが、成形時の溶融性を高めるためにできるだけ微細なことが好ましい。
0011
(B)オレフィン系組成物
(B−1)エポキシ基含有オレフィン系共重合体
本発明に用いられるエポキシ基含有オレフィン系共重合体としては、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート−酢酸ビニル共重合体等が挙げられ、これらの単独又は2種以上を混合して使用してもよい。
0012
更に、これ以外にも、本発明に用いられるエポキシ基含有オレフィン系共重合体として、エチレン−グリシジルアクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート−グリシジルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート−グリシジルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−メチルメタクリレート−グリシジルアクリレート共重合体、エチレン−メチルメタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−プロピレン−メチルアクリレート−グリシジルアクリレート共重合体、エチレン−プロピレン−メチルアクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−プロピレン−エチルアクリレート−グリシジルアクリレート共重合体、エチレン−プロピレン−エチルアクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−プロピレン−メチルメタクリレート−グリシジルアクリレート共重合体、エチレン−プロピレン−メチルメタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−グリシジルアクリレート−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン−グリシジルアクリレート−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン−グリシジルメタクリレート−酢酸ビニル共重合体等が挙げられ、これらの単独又は2種以上を混合して使用することも可能である。
0013
(B−2)エポキシ基を含有しないオレフィン系共重合体
本発明に用いられるエポキシ基を含有しないオレフィン系共重合体としては、オレフィン単量体とα,β−不飽和酸のアルキルエステル単量体との共重合体が挙げられる。更に詳しくは、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−プロピルアクリレート共重合体、エチレン−ブチルアクリレート共重合体が挙げられ、これらの単独又は2種以上を混合して使用することが可能である。
0014
(C)上記成分以外に、以下の成分を必要に応じて添加してもよい。
・結晶核剤
本発明に用いられる結晶核剤は、PETに対する核剤作用を有するものを意味する。例えば、タルクのような無機化合物、有機カルボン酸のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩、及びカルボキシル基を有する有機重合体のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩等が挙げられる。無機化合物は、粒子状であることが好ましい。これらの結晶核剤は、単独又は2種以上併用してもよい。より具体的には、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸カルシウム、p−ブチル安息香酸ナトリウム、p−ブチル安息香酸カリウム、p−ブチル安息香酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸カルシウム、モンタン酸ナトリウム、モンタン酸カリウム、モンタン酸カルシウム、パルミチン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム、パルミチン酸カルシウム、エチレン−メタクリル酸の共重合体のナトリウム塩、エチレン−メタクリル酸の共重合体のカリウム塩、エチレン−メタクリル酸の共重合体のカルシウム塩、テレフタル酸ナトリウム、テレフタル酸リチウム等の有機カルボン酸のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩が挙げられる。
0015
・強化充填材
本発明に用いられる強化充填材としては、ガラス繊維、鉱物繊維、炭素繊維、炭化珪素繊維、炭化ホウ素繊維、チタン酸カリウム繊維、石膏繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、マイカ、タルク、ウォラストナイト、カオリン、クレー、アスベスト、ケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等が挙げられる。これらは単独又は2種以上混合して用いることができる。なお、強化充填材は、結晶核剤を兼ねてもよい。これらの内、ガラス繊維、マイカ、タルク、鉱物繊維が好ましい。また、ガラス繊維については、作業性の面から、集束剤にて処理されたチョップドストランドガラス繊維を使用することが好ましい。更に、ガラス繊維と樹脂との密着性を高めるために、ガラス繊維の表面がカップリング剤やバインダーで処理されたものを使用することができる。
0016
・他の成分
本発明のPET再生樹脂組成物は、成形品に所望される品質を損ねない程度にその他の熱可塑性樹脂、樹脂添加剤、無機化合物等の他の成分を更に含んでいてもよい。
(a)熱可塑性樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン−1、ポリブテン−1、ポリペンテン−1及びこれらの共重合体等を含むポリオレフィン樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、下記するポリエステル樹脂、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイドやポリフェニレンサルファイド等のエンジニアリングプラスチック等、ポリブタジエン、SBR、EPDM、EVA、ポリアクリル酸エステル、ポリイソプレン、水添イソプレン、アクリル系エラストマー、ポリエステル・ポリエーテルコエラストマー、PA系エラストマー、エチレン・ブテン1共重合体、スチレン・ブタジエンブロック共重合体、エポキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体、水素化スチレン・ブタジエンブロック共重合体、ABS樹脂、エチレン・プロピレン共重合体、熱可塑性ポリエステルエラストマー、水添SEBSエラストマー、エチレン−αオレフィンコポリマー、プロピレン−αオレフィンコポリマー、エチレンメタクリル酸系特殊エラストマー、MBS系エラストマー等が挙げられる。これら熱可塑性樹脂は2種以上混合してもよい。
0017
ポリエステル樹脂としては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸又はテレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸等の芳香族ジカルボン酸と、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール等の脂肪族ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール等の脂環式ジオール及びテトラメチレングリコール等のエーテル系ジオール等との縮合反応により得られるポリエステル樹脂及び、ポリエステル樹脂とラクトン類とを共重合したラクトン変性ポリエステル樹脂、3−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシバリレートの共重合樹脂等が用いられる。
0018
(c)樹脂添加剤としては、安定剤、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、静電気防止剤、増量剤等が挙げられる。
(d)無機化合物としては、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、黒鉛等を挙げることができる。
0019
(2)各成分の配合量
本発明の成形品を構成する各成分の割合は、
・(A)PET再生樹脂100重量部に対し、(B)オレフィン系組成物1〜30重量部であり、
・オレフィン系組成物(B)が、(B−1)エポキシ基含有オレフィン系共重合体と(B−2)エポキシ基を含有しないオレフィン系共重合体とを90〜10:10〜90の重量比で含む。
0020
本発明において、オレフィン系組成物が、PET再生樹脂100重量部に対し、1重量部未満では成形品の耐衝撃性改良の効果が少ないので好ましくなく、30重量部より多いと、樹脂混合物の流動性が低下して成形性が悪くなるので好ましくない。より好ましい配合量は5〜20重量部である。
0021
オレフィン系組成物(B)において、(B−1)エポキシ基含有オレフィン系共重合体の重量比が、90より大きい場合、樹脂混合物の流動性が低下して、成形性が悪くなるので好ましくない。10より少ない場合、成形品の耐衝撃性改良の効果が少ないので好ましくない。より好ましい(B−1)と(B−2)の重量比は、70〜30:30〜70である。
0022
更に、結晶核剤は、(A)PET再生樹脂とオレフィン組成物(B)の合計100重量部に対し、5重量部までの量で含むことが好ましい。5重量部より多くなると得られる成形品の機械的物性の低下が生じるので好ましくない。より好ましい配合割合は、0.1〜5重量部であり、特に好ましい配合量は、0.5〜2重量部である。なお、原料のPET再生樹脂に結晶核剤が含まれている場合は、その量を考慮して新たに添加される結晶核剤の量を調整することが好ましい。
0023
更にまた、強化充填材を、PET再生樹脂100重量部に対し、50重量部までの量で含むことが好ましい。50重量部より多いと成形性が悪くなるので好ましくない。より好ましい配合量は5〜40重量部である。
0024
本発明の成形品には、成形品に所望される品質を損ねない程度に他の熱可塑性樹脂、樹脂添加剤、無機化合物等の他の成分を更に含んでいてもよい。
0025
他の成分は、上記PET再生樹脂、エポキシ基含有オレフィン系共重合体、エポキシ基を含有しないオレフィン系共重合体、結晶核剤及び強化充填材の合計量100重量部に対して、好ましくは0.01〜50重量部、特に好ましくは、0.1〜30重量部配合することがより好ましい。なお、樹脂添加剤及び無機化合物は、エポキシ基含有オレフィン系共重合体、エポキシ基を含有しないオレフィン系共重合体や他の熱可塑性樹脂に添加しておくこともできる。
0026
(3)地中又は地面敷設用成形品の具体例
本発明の成形品は、地中又は地面に敷設するための成形品であれば特に限定されない。また、成形品の形状は、特に限定されず、立方体、直方体、多角柱、円柱、円又は角パイプ状、板状等の形状が挙げられる。更に、具体的な成形品としては、使用形態から見れば、水道メーターボックス(量水器;本体ボックス、底板及び蓋)、散水栓又は止水栓ボックス(本体ボックス、底板及び蓋)、マス蓋又はマス蓋受枠(汚水マス用、雨水マス用、浸透マス用、公共マス用、泥溜マス用、下水マス用、分離マス用等)、簡易トラップ用蓋又は蓋受枠等が挙げられる。上記成形品は、公道(歩道のような大きな荷重のかからない場所であることが好ましい)や、公園、花壇、芝生、緑地帯等の市街や、宅地内等で使用することができる。ここで、本発明の成形品をマス蓋に使用する場合、その直径は75〜400mmであることが好ましく、150〜300mmであることがより好ましい。
0027
本発明の成形品は、ヒケの発生が抑制され、更に表面光沢も高くかつ均一であるので、外観及び寸法精度が良好である。
0028
(4)成形品の成形方法
本発明の成形品は、通常、公知の方法で製造される。例えば、PET再生樹脂、オレフィン系組成物、必要に応じて結晶核剤、強化充填材及び他の成分を、エクストルーダー、ニーダー、ロールあるいはバンバリーミキサー中で溶融混練する方法、あるいは、前記各成分を均一に機械的に混合したあと、直接成形機で溶融混練と同時に成形する方法等が挙げられる。
0029
上記のようにして得られた混練物は、成形加工されるが、得られた成形品は、耐衝撃性、耐熱性及び外観、更には電気絶縁性にも優れている。なお、成形法は、射出成形、押出成形、吹込成形、圧縮成形、熱成形等を使用することができる。
0030
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
0031
実施例1〜8及び比較例1〜3
PET再生樹脂組成物形成用の原料として以下のものを使用した。
・PET再生樹脂:よのPETボトルリサイクル社製のA級品(フレーク状)
・エポキシ基含有オレフィン系共重合体:エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体(E−GMA):アトフィナ・ジャパン社製Lotader AX8840
・エポキシ基を含有しないオレフィン系共重合体:エチレン−ブチルアクリレート共重合樹脂(EBA):アトフィナ・ジャパン社製Lotryl 30BA02(商品名)
・結晶核剤(ステアリン酸ナトリウム):旭電化工業社製エフコ・ケムNA
・強化充填材:日本電気硝子社製T−120(ガラス繊維)
・ABS:ダイセルポリマー社製セビアン680
上記原料を表1に示す割合で秤量した後、混合し、得られた混合物をスクリュー径30mmの二軸押出機に導入し、加工温度260℃で溶融混錬し、押出し、ペレタイズした。
0032
得られたペレットを、以下の条件で、衝撃強さ、MFR及び荷重たわみ温度を測定した。
(衝撃強さ)
得られたペレットを、型締力100トンの射出成形機を用いて、加工温度260℃、金型温度60℃で、所定の形状の試験品を成形した。得られた試験品をISO179に準拠してシャルピー衝撃強さを測定した。
(MFR)
得られたペレットを、140℃で充分乾燥した後、ISO1133に準拠して試験温度260℃、荷重2160gの条件で測定した。
(荷重たわみ温度)
衝撃強さの測定と同様の方法で成形した所定の試験品を用いて、ISO75に準拠して荷重たわみ温度(荷重1.8MPa)を測定した。
0033
得られた結果を表1に示す。
0034
次に、得られたペレットを、型締力850トンの射出成形機を用いて、加工温度260℃、金型温度35℃で、長さ456mm×幅316mm×高さ223mmの水道用メーター用本体ボックスを成形した。目視により本体ボックスの外観を観察し、ヒケの「ある」、「なし」を評価した。
0035
更に、夏場の埋設条件を考慮して、70℃のオーブンにて耐熱性試験を実施した。24時間、48時間及び72時間毎に本体ボックスの開口部寸法を測定し、収縮した大きさを計算した。この大きさは小さいほど耐熱性が良好であることを意味し、2mmを超えた場合蓋と干渉して開閉できなくなり使用できないことを意味する。
0036
得られた結果を表1に示す。
0037
0038
表1から、本発明によれば、成形性もよく、耐衝撃性、実用に十分な耐熱性を有する成形品を得ることができることがわかった。