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技術 磁性ガーネット単結晶膜育成用基板及びそれを用いた磁性ガーネット単結晶膜の製造方法

出願人 TDK株式会社
発明者 大井戸敦嶋川和也
出願日 2003年10月2日 (16年9ヶ月経過) 出願番号 2003-343979
公開日 2005年4月21日 (15年2ヶ月経過) 公開番号 2005-104803
状態 特許登録済
技術分野 結晶、結晶のための後処理
主要キーワード 円板状基板 育成面 光射出端 ガーネット型 生産数量 光学測定装置 円筒研削 最終研磨
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2005年4月21日)のものです。
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図面 (5)

課題

本発明は、磁性ガーネット単結晶膜育成する際に用いられる磁性ガーネット単結晶膜育成用基板及びそれを用いた磁性ガーネット単結晶膜の製造方法に関し、膜育成時の単結晶割れを抑制できる磁性ガーネット単結晶膜育成用基板及びそれを用いた磁性ガーネット単結晶膜の製造方法を提供することを目的とする。

解決手段

磁性ガーネット単結晶膜を育成する際に用いられる磁性ガーネット単結晶膜育成用基板であって、基板厚tが500μm以上で消光比aが45dBより大きく、基板厚t(μm)及び消光比a(dB)がa>0.00429t+42.84の関係を満たすようにする。

概要

背景

近年、ブロードバンドの普及による通信量の増加によって、光通信機器需要が増加している。それに伴い、光アイソレータや光アイソレータに使用されるファラデー回転子などの需要も増加している。ファラデー回転子は各種の光デバイスに用いられ、光デバイスの種類により種々の特性が要求されるようになっている。

一般にファラデー回転子は、液相エピタキシャルLPE)法により育成されるBi置換希土類鉄ガーネット単結晶膜を用いて作製される。Bi置換希土類鉄ガーネット単結晶膜は、希土類元素の選択、Bi置換量増減、又は鉄元素非磁性元素による置換などによる組成の調整が行われてきた。Bi置換希土類鉄ガーネット単結晶膜などの磁性ガーネット単結晶膜の育成に用いられる基板の厚さは、これらの種々のBi置換希土類鉄ガーネット単結晶膜の育成条件に基づいて選択されている。一般に、膜厚の厚い単結晶膜を育成する場合には、育成中単結晶割れを防止するために基板厚の厚い単結晶基板が用いられる傾向がある。

また、ファラデー回転子の生産数量の増加と共に、膜育成用の単結晶基板のサイズもより大きくなり、従来の2インチ基板に代えて3インチ基板や4インチ基板が用いられつつある。単結晶基板のサイズが大きくなると単結晶割れが生じ易くなる。育成中の単結晶割れを防止するために、基板厚の厚い単結晶基板が用いられるようになっている。

磁性ガーネット単結晶膜を育成するための単結晶基板には、引き上げ法により育成したガーネット単結晶インゴットから作製される単結晶ウエハが用いられる。ファラデー回転子に使用されるBi置換希土類鉄ガーネット単結晶膜を育成するための基板には、特にCaMgZr置換GGG(ガドリニウムガリウムガーネット)単結晶基板((GdCa)3(GaMgZr)5O12)やNGG(ネオジム・ガリウム・ガーネット)単結晶基板(Nd3Ga5O12)が多く用いられている。

ところが、基板厚の厚い単結晶基板を用いた磁性ガーネット単結晶膜の育成を繰り返すと、膜育成中の融液中での単結晶割れが高い頻度で発生してしまう。このため、膜厚の厚い磁性ガーネット単結晶膜の育成が困難になってしまうという問題が生じるとともに、基板サイズを大きくしてもファラデー回転子の生産性を十分に向上できないという問題が生じる。
特公平8−5755号公報

概要

本発明は、磁性ガーネット単結晶膜を育成する際に用いられる磁性ガーネット単結晶膜育成用基板及びそれを用いた磁性ガーネット単結晶膜の製造方法に関し、膜育成時の単結晶割れを抑制できる磁性ガーネット単結晶膜育成用基板及びそれを用いた磁性ガーネット単結晶膜の製造方法を提供することを目的とする。磁性ガーネット単結晶膜を育成する際に用いられる磁性ガーネット単結晶膜育成用基板であって、基板厚tが500μm以上で消光比aが45dBより大きく、基板厚t(μm)及び消光比a(dB)がa>0.00429t+42.84の関係を満たすようにする。

目的

本発明の目的は、膜育成時の単結晶割れを抑制できる磁性ガーネット単結晶膜育成用基板及びそれを用いた磁性ガーネット単結晶膜の製造方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

基板厚tが500μm以上で消光比aが45dBより大きく、前記基板厚t(μm)及び前記消光比a(dB)は、a>0.00429t+42.84の関係を満たすことを特徴とする磁性ガーネット単結晶膜育成用基板

請求項2

結晶インゴット育成し、前記インゴットを切断して複数の単結晶基板を作製し、基板厚tが500μm以上で消光比aが45dBより大きく、前記基板厚t(μm)及び前記消光比a(dB)が、a>0.00429t+42.84の関係を満たす前記単結晶基板を膜育成用基板とし、前記膜育成用基板を用いて磁性ガーネット単結晶膜を育成することを特徴とする磁性ガーネット単結晶膜の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、磁性ガーネット単結晶膜育成する際に用いられる磁性ガーネット単結晶膜育成用基板及びそれを用いた磁性ガーネット単結晶膜の製造方法に関する。

背景技術

0002

近年、ブロードバンドの普及による通信量の増加によって、光通信機器需要が増加している。それに伴い、光アイソレータや光アイソレータに使用されるファラデー回転子などの需要も増加している。ファラデー回転子は各種の光デバイスに用いられ、光デバイスの種類により種々の特性が要求されるようになっている。

0003

一般にファラデー回転子は、液相エピタキシャルLPE)法により育成されるBi置換希土類鉄ガーネット単結晶膜を用いて作製される。Bi置換希土類鉄ガーネット単結晶膜は、希土類元素の選択、Bi置換量増減、又は鉄元素非磁性元素による置換などによる組成の調整が行われてきた。Bi置換希土類鉄ガーネット単結晶膜などの磁性ガーネット単結晶膜の育成に用いられる基板の厚さは、これらの種々のBi置換希土類鉄ガーネット単結晶膜の育成条件に基づいて選択されている。一般に、膜厚の厚い単結晶膜を育成する場合には、育成中単結晶割れを防止するために基板厚の厚い単結晶基板が用いられる傾向がある。

0004

また、ファラデー回転子の生産数量の増加と共に、膜育成用の単結晶基板のサイズもより大きくなり、従来の2インチ基板に代えて3インチ基板や4インチ基板が用いられつつある。単結晶基板のサイズが大きくなると単結晶割れが生じ易くなる。育成中の単結晶割れを防止するために、基板厚の厚い単結晶基板が用いられるようになっている。

0005

磁性ガーネット単結晶膜を育成するための単結晶基板には、引き上げ法により育成したガーネット単結晶インゴットから作製される単結晶ウエハが用いられる。ファラデー回転子に使用されるBi置換希土類鉄ガーネット単結晶膜を育成するための基板には、特にCaMgZr置換GGG(ガドリニウムガリウムガーネット)単結晶基板((GdCa)3(GaMgZr)5O12)やNGG(ネオジム・ガリウム・ガーネット)単結晶基板(Nd3Ga5O12)が多く用いられている。

0006

ところが、基板厚の厚い単結晶基板を用いた磁性ガーネット単結晶膜の育成を繰り返すと、膜育成中の融液中での単結晶割れが高い頻度で発生してしまう。このため、膜厚の厚い磁性ガーネット単結晶膜の育成が困難になってしまうという問題が生じるとともに、基板サイズを大きくしてもファラデー回転子の生産性を十分に向上できないという問題が生じる。
特公平8−5755号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明の目的は、膜育成時の単結晶割れを抑制できる磁性ガーネット単結晶膜育成用基板及びそれを用いた磁性ガーネット単結晶膜の製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

上記目的は、基板厚tが500μm以上で消光比aが45dBより大きく、前記基板厚t(μm)及び前記消光比a(dB)は、a>0.00429t+42.84の関係を満たすことを特徴とする磁性ガーネット単結晶膜育成用基板によって達成される。

0009

また上記目的は、単結晶のインゴットを育成し、前記インゴットを切断して複数の単結晶基板を作製し、基板厚tが500μm以上で消光比aが45dBより大きく、前記基板厚t(μm)及び前記消光比a(dB)が、a>0.00429t+42.84の関係を満たす前記単結晶基板を膜育成用基板とし、前記膜育成用基板を用いて磁性ガーネット単結晶膜を育成することを特徴とする磁性ガーネット単結晶膜の製造方法によって達成される。

発明の効果

0010

本発明によれば、磁性ガーネット単結晶膜育成時の単結晶割れを抑制できる。

発明を実施するための最良の形態

0011

本発明の一実施の形態による磁性ガーネット単結晶膜育成用基板及びそれを用いた磁性ガーネット単結晶膜の製造方法について図1乃至図4を用いて説明する。まず、本実施の形態の原理について説明する。LPE法を用いた磁性ガーネット単結晶膜の育成に使用する磁性ガーネット単結晶膜育成用基板は、引き上げ法を用いて作製される。具体的には、引き上げ法を用いて単結晶のインゴットを育成し、育成した単結晶の結晶方位を調べた後に、膜育成面が必要な結晶方位になるような円板に加工する。そして円板エッジ部の面取りのために端面丸め加工を施し、さらに膜育成面の研磨及びエッチングを行って磁性ガーネット単結晶膜育成用の単結晶基板が作製される。

0012

膜育成中に単結晶が割れる様子を観察すると、単結晶割れは磁性ガーネット単結晶膜からではなく、初めに単結晶基板で生じていることが確認される。単結晶がエピタキシャル成長中に割れる場合、単結晶基板に発生した割れが磁性ガーネット単結晶膜に広がり、この割れにより円板状単結晶の一部が融液中に割れ落ちた後、基板固定用冶具から単結晶全体外れて融液中に脱落する。その後脱落した単結晶と基板固定用冶具とがぶつかって割れが進行し、単結晶は融液中でばらばらになる。

0013

単結晶基板の結晶品質が不十分であると、エピタキシャル成長中に単結晶基板と磁性ガーネット単結晶膜との間に応力が生じる。単結晶の割れは、単結晶基板がこの応力に耐えられないために発生するものと考えられる。単結晶基板の結晶性が低下すると結晶格子が歪むことになり、ガーネット型の単結晶では生じないはずの複屈折が発生する。複屈折が生じると単結晶基板の消光比は低下することになる。したがって、単結晶基板の結晶性を評価する基準として消光比を用いることができる。消光比が高いほど単結晶基板の結晶性が高いと考えられる。

0014

ここで、単結晶基板の消光比の測定方法について説明する。図1は、単結晶基板の消光比を測定するための一工程を模式的に示す図である。図1に示すように、まず直径12cmの2枚の偏光板12、14を平行ニコルに配置し、2枚の偏光板12、14の間に単結晶基板16を配置する。次に、一方の偏光板12側から光を照射し、他方の偏光板14側で偏光板12、単結晶基板16、及び偏光板14を透過する光の光量を評価する。次に、偏光板12、14の一方を回転させ、透過光の光量が最小になるように直交ニコルに配置する。この直交ニコル観察によって、透過光強度の最も高い領域を特定する。透過光強度の最も高い領域が単結晶基板16で消光比の最も低い領域に対応している。

0015

図2(a)、(b)は、直径3インチのCaMgZr置換GGG単結晶基板の直交ニコル観察を行った結果を示している。図2(a)は消光比が50.0dBであるGGG単結晶基板を示し、図2(b)は消光比が39.0dBであるGGG単結晶基板を示している。図2(a)、(b)を比較すると、図2(b)中には円A内の領域のように白く見える領域が存在する。このように白く見える領域は、透過光強度が高い領域、すなわちGGG単結晶基板の消光比の低い領域を示している。

0016

次に、光学測定装置を用いて単結晶基板16の消光比を評価する。図3は、光学測定装置の構成を模式的に示している。図3に示すように、光学測定装置20は、例えば波長1.55μmのレーザ光発振する光源22と、光源22からの光を導光して光射出端から光を射出する光ファイバ24とを備えた光源部を有している。また光学測定装置20は、光を受光する受光素子32と、受光素子32に接続され、光量を計測する光量計34とを有している。光ファイバ24の光射出端と受光素子32との間には、レンズ26、偏光子28、検光子30、及びレンズ27がこの順に配置されている。

0017

まず、偏光子28と検光子30との間の光の通過する位置に、単結晶基板16の最も消光比の低い領域を配置する。次に、単結晶基板16に光を透過させながら検光子30を回転させ、光の透過量が最も大きい平行ニコル配置での光量L1と、光の透過量が最も小さい直交ニコル配置での光量L2とを測定する。光量L1、L2を用いて、単結晶基板16の消光比を算出する。ここで、光量L1、L2の測定値は単結晶基板16の基板厚に影響されるので、基板厚を500μmとしたときの消光比を単結晶基板16の標準化された消光比aとする。単結晶基板16の基板厚をt(μm)とすると、標準化された消光比a(dB)は次式により算出される。
a=10log((L1/L2)/(500/t))

0018

そして単結晶基板16の基板厚t、消光比a及び育成中の単結晶割れの頻度の関係を調査した。特許文献1には消光比が35dB以上45dB以下の単結晶基板が記載されているが、上記の調査の結果、基板厚tが500μm以上(好ましくは500μm超、さらに好ましくは700μm以上)の場合、育成中の単結晶割れを効果的に抑制するには消光比aが45dBより大きい単結晶基板16を用いる必要があることが分かった。また、単結晶基板16の基板厚tが厚くなると単結晶割れ防止に必要な消光比aは大きくなる傾向があることが分かった。単結晶基板16の基板厚t(μm)と消光比a(dB)とは、式1の関係を満たすことが望ましい。
a>0.00429t+42.84 ・・・(式1)

0019

本実施の形態によれば、基板厚tが500μm以上であっても、消光比aが45dBより大きい単結晶基板16を用いることによって、膜育成中での単結晶割れを抑制できる。また本実施の形態によれば、基板厚t(μm)と消光比a(dB)とが上記式1の関係を満たす単結晶基板16を用いることによって、膜育成中での単結晶割れをさらに抑制できる。

0020

以下、本実施の形態による磁性ガーネット単結晶膜育成用基板及びそれを用いた磁性ガーネット単結晶膜の製造方法について、実施例1乃至4及び比較例1乃至4を用いて具体的に説明する。

0021

(実施例1)
直径82mmのCaMgZr置換GGG単結晶のインゴットを引き上げ法により育成した。X線回折による単結晶インゴット方位出し、円筒研削及びワイヤーソー切断により膜育成面が(111)面となる基板厚t1(t1=500(μm))、直径3インチの円板状基板を作製した。円板状基板の側面に対して端面丸め加工を施し、膜育成面に対して砥粒コロイダルシリカを使った最終研磨などの鏡面研磨加工を施した。さらに160℃の熱リン酸によるエッチングで加工変質層の除去を行い、単結晶基板16を複数枚作製した。偏光板12、14を用いた直交ニコル観察により単結晶基板16の消光比の最も低い領域を特定した後、光学測定装置20を用いて単結晶基板16の消光比a1を測定した。単結晶基板16の中から消光比a1(dB)が45.1≦a1≦46.1を満足する単結晶基板16を10枚選択し、膜育成用基板とした。これらの膜育成用基板の消光比a1は、a1>0.00429×t1+42.84の関係を満たしている。

0022

次に、白金製の坩堝るつぼ)にGd2O3、Yb2O3、Fe2O3、Ge2O3、B2O3、Bi2O3、PbOを充填した。前工程で作製した膜育成用基板を用いて、組成がBi1.20Gd0.60Yb0.58Pb0.02Fe4.98Ge0.01Pt0.01O12である磁性ガーネット単結晶膜をLPE法により約500μmの厚さに育成した。10枚の膜育成用基板を用い、磁性ガーネット単結晶膜を順次育成した。育成中の単結晶割れの発生頻度を評価したところ、単結晶割れを発生させずに磁性ガーネット単結晶膜を育成できる確率は80%であった。このように、本例では単結晶割れをほとんど生じさせずに磁性ガーネット単結晶膜を育成することができた。

0023

(実施例2)
直径82mmのCaMgZr置換GGG単結晶のインゴットを引き上げ法により育成した。X線回折による単結晶インゴットの方位出し、円筒研削及びワイヤーソー切断により膜育成面が(111)面となる基板厚t2(t2=700(μm))、直径3インチの円板状基板を作製した。円板状基板の側面に対して端面丸め加工を施し、膜育成面に対して砥粒にコロイダルシリカを使った最終研磨などの鏡面研磨加工を施した。さらに160℃の熱リン酸によるエッチングで加工変質層の除去を行い、単結晶基板16を複数枚作製した。偏光板12、14を用いた直交ニコル観察により単結晶基板16の消光比の最も低い領域を特定した後、光学測定装置20を用いて単結晶基板16の消光比a2を測定した。単結晶基板16の中から消光比a2(dB)が45.9≦a2≦46.9を満足する単結晶基板16を10枚選択し、膜育成用基板とした。これらの膜育成用基板の消光比a2は、a2>0.00429×t2+42.84の関係を満たしている。

0024

次に、白金製の坩堝にGd2O3、Yb2O3、Fe2O3、Ge2O3、B2O3、Bi2O3、PbOを充填した。前工程で作製した膜育成用基板を用いて、組成がBi1.20Gd0.60Yb0.58Pb0.02Fe4.98Ge0.01Pt0.01O12である磁性ガーネット単結晶膜をLPE法により約500μmの厚さに育成した。10枚の膜育成用基板を用いて、磁性ガーネット単結晶膜を順次育成した。育成中の単結晶割れの発生頻度を評価したところ、単結晶割れを発生させずに磁性ガーネット単結晶膜を育成できる確率は80%であった。このように、本例では単結晶割れをほとんど生じさせずに磁性ガーネット単結晶膜を育成することができた。

0025

(実施例3)
直径82mmのCaMgZr置換GGG単結晶のインゴットを引き上げ法により育成した。X線回折による単結晶インゴットの方位出し、円筒研削及びワイヤーソー切断により膜育成面が(111)面となる基板厚t3(t3=1000(μm))、直径3インチの円板状基板を作製した。円板状基板の側面に対して端面丸め加工を施し、膜育成面に対して砥粒にコロイダルシリカを使った最終研磨などの鏡面研磨加工を施した。さらに160℃の熱リン酸によるエッチングで加工変質層の除去を行い、単結晶基板16を複数枚作製した。偏光板12、14を用いた直交ニコル観察により単結晶基板16の消光比の最も低い領域を特定した後、光学測定装置20を用いて単結晶基板16の消光比a3を測定した。単結晶基板16の中から消光比a3(dB)が47.2≦a3≦48.2を満足する単結晶基板16を10枚選択し、膜育成用基板とした。これらの膜育成用基板の消光比a3は、a3>0.00429×t3+42.84の関係を満たしている。

0026

次に、白金製の坩堝にGd2O3、Yb2O3、Fe2O3、Ge2O3、B2O3、Bi2O3、PbOを充填した。前工程で作製した膜育成用基板を用いて、組成がBi1.20Gd0.60Yb0.58Pb0.02Fe4.98Ge0.01Pt0.01O12である磁性ガーネット単結晶膜をLPE法により約500μmの厚さに育成した。10枚の膜育成用基板を用いて、磁性ガーネット単結晶膜を順次育成した。育成中の単結晶割れの発生頻度を評価したところ、単結晶割れを発生させずに磁性ガーネット単結晶膜を育成できる確率は80%であった。このように、本例では単結晶割れをほとんど生じさせずに磁性ガーネット単結晶膜を育成することができた。

0027

(実施例4)
直径82mmのCaMgZr置換GGG単結晶のインゴットを引き上げ法により育成した。X線回折による単結晶インゴットの方位出し、円筒研削及びワイヤーソー切断により膜育成面が(111)面となる基板厚t4(t4=1200(μm))、直径3インチの円板状基板を作製した。円板状基板の側面に対して端面丸め加工を施し、膜育成面に対して砥粒にコロイダルシリカを使った最終研磨などの鏡面研磨加工を施した。さらに160℃の熱リン酸によるエッチングで加工変質層の除去を行い、単結晶基板16を複数枚作製した。偏光板12、14を用いた直交ニコル観察により単結晶基板16の消光比の最も低い領域を特定した後、光学測定装置20を用いて単結晶基板16の消光比a4を測定した。単結晶基板16の中から消光比a4(dB)が48.1≦a4≦49.1を満足する単結晶基板16を10枚選択し、膜育成用基板とした。これらの膜育成用基板の消光比a4は、a4>0.00429×t4+42.84の関係を満たしている。

0028

次に、白金製の坩堝にGd2O3、Yb2O3、Fe2O3、Ge2O3、B2O3、Bi2O3、PbOを充填した。前工程で作製した膜育成用基板を用いて、組成がBi1.20Gd0.60Yb0.58Pb0.02Fe4.98Ge0.01Pt0.01O12である磁性ガーネット単結晶膜をLPE法により約500μmの厚さに育成した。10枚の膜育成用基板を用いて、磁性ガーネット単結晶膜を順次育成した。育成中の単結晶割れの発生頻度を評価したところ、単結晶割れを発生させずに磁性ガーネット単結晶膜を育成できる確率は80%であった。このように、本例では単結晶割れをほとんど生じさせずに磁性ガーネット単結晶膜を育成することができた。

0029

(比較例1)
直径82mmのCaMgZr置換GGG単結晶のインゴットを引き上げ法により育成した。X線回折による単結晶インゴットの方位出し、円筒研削及びワイヤーソー切断により膜育成面が(111)面となる基板厚t1(t1=500(μm))、直径3インチの円板状基板を作製した。円板状基板の側面に対して端面丸め加工を施し、膜育成面に対して砥粒にコロイダルシリカを使った最終研磨などの鏡面研磨加工を施した。さらに160℃の熱リン酸によるエッチングで加工変質層の除去を行い、単結晶基板16を複数枚作製した。偏光板12、14を用いた直交ニコル観察により単結晶基板16の消光比の最も低い領域を特定した後、光学測定装置20を用いて単結晶基板16の消光比a5を測定した。単結晶基板16の中から消光比a5(dB)が44.0≦a5≦45.0を満足する単結晶基板16を10枚選択し、膜育成用基板とした。

0030

次に、白金製の坩堝にGd2O3、Yb2O3、Fe2O3、Ge2O3、B2O3、Bi2O3、PbOを充填した。前工程で作製した膜育成用基板を用いて、組成がBi1.20Gd0.60Yb0.58Pb0.02Fe4.98Ge0.01Pt0.01O12である磁性ガーネット単結晶膜をLPE法により約500μmの厚さに育成した。10枚の膜育成用基板を用いて、磁性ガーネット単結晶膜を順次育成した。育成中の単結晶割れの発生頻度を評価したところ、単結晶割れを発生させずに磁性ガーネット単結晶膜を育成できる確率は30%であった。このように、本例では磁性ガーネット単結晶膜を育成する際に大半の単結晶が割れてしまった。

0031

(比較例2)
直径82mmのCaMgZr置換GGG単結晶のインゴットを引き上げ法により育成した。X線回折による単結晶インゴットの方位出し、円筒研削及びワイヤーソー切断により膜育成面が(111)面となる基板厚t2(t2=700(μm))、直径3インチの円板状基板を作製した。円板状基板の側面に対して端面丸め加工を施し、膜育成面に対して砥粒にコロイダルシリカを使った最終研磨などの鏡面研磨加工を施した。さらに160℃の熱リン酸によるエッチングで加工変質層の除去を行い、単結晶基板16を複数枚作製した。偏光板12、14を用いた直交ニコル観察により単結晶基板16の消光比の最も低い領域を特定した後、光学測定装置20を用いて単結晶基板16の消光比a6を測定した。単結晶基板16の中から消光比a6(dB)が44.8≦a6≦45.8を満足する単結晶基板16を10枚選択し、膜育成用基板とした。

0032

次に、白金製の坩堝にGd2O3、Yb2O3、Fe2O3、Ge2O3、B2O3、Bi2O3、PbOを充填した。前工程で作製した膜育成用基板を用いて、組成がBi1.20Gd0.60Yb0.58Pb0.02Fe4.98Ge0.01Pt0.01O12である磁性ガーネット単結晶膜をLPE法により約500μmの厚さに育成した。10枚の膜育成用基板を用いて、磁性ガーネット単結晶膜を順次育成した。育成中の単結晶割れの発生頻度を評価したところ、単結晶割れを発生させずに磁性ガーネット単結晶膜を育成できる確率は30%であった。このように、本例では磁性ガーネット単結晶膜を育成する際に大半の単結晶が割れてしまった。

0033

(比較例3)
直径82mmのCaMgZr置換GGG単結晶のインゴットを引き上げ法により育成した。X線回折による単結晶インゴットの方位出し、円筒研削及びワイヤーソー切断により膜育成面が(111)面となる基板厚t3(t3=1000(μm))、直径3インチの円板状基板を作製した。円板状基板の側面に対して端面丸め加工を施し、膜育成面に対して砥粒にコロイダルシリカを使った最終研磨などの鏡面研磨加工を施した。さらに160℃の熱リン酸によるエッチングで加工変質層の除去を行い、単結晶基板16を複数枚作製した。偏光板12、14を用いた直交ニコル観察により単結晶基板16の消光比の最も低い領域を特定した後、光学測定装置20を用いて単結晶基板16の消光比a5を測定した。単結晶基板16の中から消光比a7(dB)が46.1≦a7≦47.1を満足する単結晶基板16を10枚選択し、膜育成用基板とした。

0034

次に、白金製の坩堝にGd2O3、Yb2O3、Fe2O3、Ge2O3、B2O3、Bi2O3、PbOを充填した。前工程で作製した膜育成用基板を用いて、組成がBi1.20Gd0.60Yb0.58Pb0.02Fe4.98Ge0.01Pt0.01O12である磁性ガーネット単結晶膜をLPE法により約500μmの厚さに育成した。10枚の膜育成用基板を用いて、磁性ガーネット単結晶膜を順次育成した。育成中の単結晶割れの発生頻度を評価したところ、単結晶割れを発生させずに磁性ガーネット単結晶膜を育成できる確率は30%であった。このように、本例では磁性ガーネット単結晶膜を育成する際に大半の単結晶が割れてしまった。

0035

(比較例4)
直径82mmのCaMgZr置換GGG単結晶のインゴットを引き上げ法により育成した。X線回折による単結晶インゴットの方位出し、円筒研削及びワイヤーソー切断により膜育成面が(111)面となる基板厚t4(t4=1200(μm))、直径3インチの円板状基板を作製した。円板状基板の側面に対して端面丸め加工を施し、膜育成面に対して砥粒にコロイダルシリカを使った最終研磨などの鏡面研磨加工を施した。さらに160℃の熱リン酸によるエッチングで加工変質層の除去を行い、単結晶基板16を複数枚作製した。偏光板12、14を用いた直交ニコル観察により単結晶基板16の消光比の最も低い領域を特定した後、光学測定装置20を用いて単結晶基板16の消光比a8を測定した。単結晶基板16の中から消光比a8(dB)が46.9≦a8≦47.9を満足する単結晶基板16を10枚選択し、膜育成用基板とした。

0036

次に、白金製の坩堝にGd2O3、Yb2O3、Fe2O3、Ge2O3、B2O3、Bi2O3、PbOを充填した。前工程で作製した膜育成用基板を用いて、組成がBi1.20Gd0.60Yb0.58Pb0.02Fe4.98Ge0.01Pt0.01O12である磁性ガーネット単結晶膜をLPE法により約500μmの厚さに育成した。10枚の膜育成用基板を用いて、磁性ガーネット単結晶膜を順次育成した。育成中の単結晶割れの発生頻度を評価したところ、単結晶割れを発生させずに磁性ガーネット単結晶膜を育成できる確率は30%であった。このように、本例では磁性ガーネット単結晶膜を育成する際に大半の単結晶が割れてしまった。

0037

図4は、上記実施例及び比較例の基板厚tと消光比aとの関係をまとめて示すグラフである。グラフの横軸は単結晶基板16の基板厚t(μm)を表し、縦軸は単結晶基板16の消光比a(dB)を表している。図4に示すように、単結晶割れがほとんど生じなかった実施例1乃至4の消光比aの範囲と、大半の単結晶が割れてしまった比較例1乃至4の消光比aの範囲との間の境界線となる直線Bは、a=0.00429t+42.84を表している。このように、基板厚が500μm以上(好ましくは500μm超、さらに好ましくは700μm以上)の場合、a>0.00429t+42.84の関係を満たすようにすれば、単結晶割れをほとんど生じさせずに磁性ガーネット単結晶膜を育成することができる。

図面の簡単な説明

0038

単結晶基板16の消光比を測定するための一工程を模式的に示す図である。
直径3インチのCaMgZr置換GGG単結晶基板の直交ニコル観察を行った結果を示す図である。
光学測定装置20の構成を模式的に示す図である。
基板厚tと消光比aとの関係を示すグラフである。

符号の説明

0039

12、14偏光板
16単結晶基板
20光学測定装置
22光源
24光ファイバ
26、27レンズ
28偏光子
30検光子
32受光素子
34 光量計

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