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技術 超音波診断装置

出願人 富士フイルムホールディングス株式会社
発明者 辻田和宏
出願日 2003年9月30日 (17年4ヶ月経過) 出願番号 2003-340681
公開日 2005年4月21日 (15年10ヶ月経過) 公開番号 2005-102988
状態 未査定
技術分野 超音波診断装置 超音波診断装置
主要キーワード チャープ波形 参照波形 送信波形データ スペクトル画像データ 包絡線波形 チャープ波 Bモード 形状認識装置
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2005年4月21日)のものです。
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図面 (7)

課題

音波送受信して超音波の強度情報スペクトル情報とを同時に取得することにより、精密な生体組織に関してより多くの画像情報を得ることが可能な超音波診断装置を提供する。

解決手段

この超音波診断装置は、チャープ信号発生手段14と、チャープ信号発生手段によって発生されたチャープ信号に基づいて超音波を送受信することによって検出信号を生成する超音波送受信手段10と、検出信号に基づいて得られるデータに対して自己相関演算を行うことにより、超音波の強度に基づく第1の画像データを生成すると共に、検出信号に基づいて得られるデータに対してスペクトル演算を行うことにより、超音波のスペクトルに基づく第2の画像データを生成する画像データ生成手段26〜31と、第1の画像データと第2の画像データとの内の少なくとも一方を選択する画像選択手段32とを具備する。

概要

背景

医療用に用いられる超音波撮像装置においては、通常、超音波送受信機能を有する複数の超音波トランスデューサを含む超音波用探触子プローブ)が用いられる。このような超音波用探触子を用いて、複数の超音波を合波することにより形成される超音波ビームによって被検体走査し、被検体内部において反射された超音波エコーを受信することにより、超音波エコーの強度に基づいて被検体に関する画像情報が得られる。さらに、この画像情報に基づいて、被検体に関する2次元又は3次元画像再現される。

ところで、人体には、筋肉等の軟部組織や骨等の硬部組織のような様々な組織が含まれている。超音波撮像においては、これらの組織を区別するための情報として、超音波エコーのスペクトル情報を利用することが考えられる。しかしながら、従来は、超音波エコーの強度に基づく断層像情報と超音波エコーのスペクトル情報とを同時に取得することはできなかったので、生体動きによる画像位置のずれやアーティファクト虚像)が問題となってしまう。

関連する技術として、下記の特許文献1には、対象物体の形状を示す情報を得る手段としてチャープ超音波を用いる形状認識装置が開示されている。また、下記の特許文献2には、被検材の面に向けてチャープ超音波を発射し、このチャープ超音波のエコーから検出した信号の包絡線を抽出し、この包絡線を分析、処理することにより、簡単な装置で精度の高い被検材の検査を行うことができる超音波検査装置が開示されている。さらに、下記の特許文献3には、検出したチャープ超音波のエコーを増幅するために、短時間間隔内に検出した信号が有する周波数帯のみを通過させ、かつこの各周波数帯で所定のゲインを持った増幅器を備える超音波検査装置が開示されている。しかしながら、これらの文献には、チャープ超音波を分析して得られたスペクトル情報を、人体の組織に関する情報として利用することは開示されていない。

また、下記の特許文献4には、超音波チャープ波を被検部に発射し、該被検部から反射された超音波チャープ波から所定の反射波を選択し、この選択された反射波を包絡線検波することにより温度情報を得る超音波温度測定装置が開示されている。この文献においては、反射波の周波数成分の変化を温度に換算することや、異なる時間における包絡線波形を比較することにより温度差の情報を得ることが記載されている。しかしながら、パルス波形用の駆動回路チャープ波形用の駆動回路とを備え、両者を切り換える必要があるので、装置が複雑かつ高価になるという問題がある。また、パルス波形用の信号処理回路とチャープ波形用の信号処理回路とを切り換えて断層像情報と温度情報とを得るものであり、断層像情報と温度情報とを同時に得ることはできない。さらに、強度情報とスペクトル情報とに基づいて、被検体に関する2次元又は3次元画像を再現する考え方については示唆されていない。
特開昭60−241177号公報(第2頁、第1図)
特開昭61−7465号公報(第4頁、第1図)
特開昭61−162747号公報(第6頁、第1図)
特開平3−140830号公報(第2、4頁、第1図)

概要

超音波を送受信して超音波の強度情報とスペクトル情報とを同時に取得することにより、精密な生体組織に関してより多くの画像情報を得ることが可能な超音波診断装置を提供する。 この超音波診断装置は、チャープ信号発生手段14と、チャープ信号発生手段によって発生されたチャープ信号に基づいて超音波を送受信することによって検出信号を生成する超音波送受信手段10と、検出信号に基づいて得られるデータに対して自己相関演算を行うことにより、超音波の強度に基づく第1の画像データを生成すると共に、検出信号に基づいて得られるデータに対してスペクトル演算を行うことにより、超音波のスペクトルに基づく第2の画像データを生成する画像データ生成手段26〜31と、第1の画像データと第2の画像データとの内の少なくとも一方を選択する画像選択手段32とを具備する。

目的

そこで、上記の点に鑑み、本発明は、超音波を送受信して超音波の強度情報とスペクトル情報とを同時に取得することにより、精密な生体組織に関してより多くの画像情報を得ることが可能な超音波診断装置を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
0件

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請求項1

チャープ信号を発生するチャープ信号発生手段と、前記チャープ信号発生手段によって発生されたチャープ信号に基づいて被検体に超音波を送信し、被検体から反射され又は被検体を透過した超音波を受信することによって検出信号を生成する超音波送受信手段と、前記検出信号に基づいて得られるデータに対して自己相関演算を行うことにより、超音波の強度に基づく第1の画像データを生成すると共に、前記検出信号に基づいて得られるデータに対してスペクトル演算を行うことにより、超音波のスペクトルに基づく第2の画像データを生成する画像データ生成手段と、前記画像データ生成手段によって生成された第1の画像データと第2の画像データとの内の少なくとも一方を選択する画像選択手段と、を具備する超音波診断装置

請求項2

前記画像データ生成手段が、前記チャープ信号発生手段において発生されるチャープコードを用いて、前記検出信号に基づいて得られるデータに対して自己相関演算を行う自己相関演算部を含む、請求項1記載の超音波診断装置。

請求項3

前記画像データ生成手段が、前記自己相関演算部の演算結果に基づいて参照波形データを出力する参照波形データ生成部を含む、請求項2記載の超音波診断装置。

請求項4

前記画像データ生成手段が、前記検出信号に基づいて得られるデータに対して包絡線検波処理を行う包絡線検波処理部と、前記包絡線検波処理部によって包絡線検波処理されたデータにおける少なくとも1つの周波数成分の強度と、前記参照波形データ生成部から出力される参照波形データにおける少なくとも1つの周波数成分の強度とに基づいて演算を行うことにより、被検体内組織の違いを表すデータを生成するスペクトル演算部とを含む、請求項3記載の超音波診断装置。

請求項5

前記画像データ生成手段が、前記検出信号に基づいて得られるデータを高速フーリエ変換することにより、少なくとも1つの周波数成分を抽出すると共に、前記参照波形データ生成部から出力される参照波形データを高速フーリエ変換することにより、少なくとも1つの周波数成分を抽出し、抽出された周波数成分に基づいて演算を行うことにより、被検体内の組織の違いを表すデータを生成するスペクトル演算部を含む、請求項3記載の超音波診断装置。

請求項6

前記参照波形データ生成部が、被検体内において超音波が反射された位置の深度を自己相関演算部の演算結果に基づいて算出し、超音波が反射された位置の深度に応じて参照波形データにおける周波数成分が変化するように参照波形データを補正する、請求項3記載の超音波診断装置。

請求項7

前記参照波形データ生成部が、被検体内において超音波が反射された位置の深度を自己相関演算部の演算結果に基づいて算出し、超音波が反射された位置の深度と信号強度とに応じて参照波形データにおける振幅が変化するように参照波形データを補正する、請求項3記載の超音波診断装置。

請求項8

前記参照波形データ生成部が、撮像対象の部位に応じた参照波形データを出力する、請求項3記載の超音波診断装置。

請求項9

前記参照波形データ生成部が、撮像対象の部位の形状に応じて参照波形データを補正する、請求項3記載の超音波診断装置。

請求項10

超音波の送信及び/又は受信に用いられる複数の超音波トランスデューサ周波数特性を記録する記録手段をさらに具備し、前記参照波形データ生成部が、前記記録手段に記録されている前記複数の超音波トランスデューサの周波数特性に対応して参照波形データを補正する、請求項3記載の超音波診断装置。

請求項11

前記画像選択手段が、前記画像データ生成手段によって生成された第1の画像データと第2の画像データとを合成して出力する、請求項1〜10のいずれか1項記載の超音波診断装置。

技術分野

0001

本発明は、超音波送受信することにより生体内臓器や骨等の撮像を行って、診断のために用いられる超音波画像を生成する超音波診断装置に関する。

背景技術

0002

医療用に用いられる超音波撮像装置においては、通常、超音波の送受信機能を有する複数の超音波トランスデューサを含む超音波用探触子プローブ)が用いられる。このような超音波用探触子を用いて、複数の超音波を合波することにより形成される超音波ビームによって被検体走査し、被検体内部において反射された超音波エコーを受信することにより、超音波エコーの強度に基づいて被検体に関する画像情報が得られる。さらに、この画像情報に基づいて、被検体に関する2次元又は3次元画像再現される。

0003

ところで、人体には、筋肉等の軟部組織や骨等の硬部組織のような様々な組織が含まれている。超音波撮像においては、これらの組織を区別するための情報として、超音波エコーのスペクトル情報を利用することが考えられる。しかしながら、従来は、超音波エコーの強度に基づく断層像情報と超音波エコーのスペクトル情報とを同時に取得することはできなかったので、生体動きによる画像位置のずれやアーティファクト虚像)が問題となってしまう。

0004

関連する技術として、下記の特許文献1には、対象物体の形状を示す情報を得る手段としてチャープ超音波を用いる形状認識装置が開示されている。また、下記の特許文献2には、被検材の面に向けてチャープ超音波を発射し、このチャープ超音波のエコーから検出した信号の包絡線を抽出し、この包絡線を分析、処理することにより、簡単な装置で精度の高い被検材の検査を行うことができる超音波検査装置が開示されている。さらに、下記の特許文献3には、検出したチャープ超音波のエコーを増幅するために、短時間間隔内に検出した信号が有する周波数帯のみを通過させ、かつこの各周波数帯で所定のゲインを持った増幅器を備える超音波検査装置が開示されている。しかしながら、これらの文献には、チャープ超音波を分析して得られたスペクトル情報を、人体の組織に関する情報として利用することは開示されていない。

0005

また、下記の特許文献4には、超音波チャープ波を被検部に発射し、該被検部から反射された超音波チャープ波から所定の反射波を選択し、この選択された反射波を包絡線検波することにより温度情報を得る超音波温度測定装置が開示されている。この文献においては、反射波の周波数成分の変化を温度に換算することや、異なる時間における包絡線波形を比較することにより温度差の情報を得ることが記載されている。しかしながら、パルス波形用の駆動回路チャープ波形用の駆動回路とを備え、両者を切り換える必要があるので、装置が複雑かつ高価になるという問題がある。また、パルス波形用の信号処理回路とチャープ波形用の信号処理回路とを切り換えて断層像情報と温度情報とを得るものであり、断層像情報と温度情報とを同時に得ることはできない。さらに、強度情報とスペクトル情報とに基づいて、被検体に関する2次元又は3次元画像を再現する考え方については示唆されていない。
特開昭60−241177号公報(第2頁、第1図)
特開昭61−7465号公報(第4頁、第1図)
特開昭61−162747号公報(第6頁、第1図)
特開平3−140830号公報(第2、4頁、第1図)

発明が解決しようとする課題

0006

そこで、上記の点に鑑み、本発明は、超音波を送受信して超音波の強度情報とスペクトル情報とを同時に取得することにより、精密な生体組織に関してより多くの画像情報を得ることが可能な超音波診断装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

上記課題を解決するため、本発明に係る超音波診断装置は、チャープ信号を発生するチャープ信号発生手段と、チャープ信号発生手段によって発生されたチャープ信号に基づいて被検体に超音波を送信し、被検体から反射され又は被検体を透過した超音波を受信することによって検出信号を生成する超音波送受信手段と、検出信号に基づいて得られるデータに対して自己相関演算を行うことにより、超音波の強度に基づく第1の画像データを生成すると共に、検出信号に基づいて得られるデータに対してスペクトル演算を行うことにより、超音波のスペクトルに基づく第2の画像データを生成する画像データ生成手段と、画像データ生成手段によって生成された第1の画像データと第2の画像データとの内の少なくとも一方を選択する画像選択手段とを具備する。

発明の効果

0008

本発明によれば、チャープ信号発生手段によって発生されたチャープ信号に基づいて被検体に超音波を送信し、被検体から反射され又は被検体を透過した超音波を受信して得られたデータに対して自己相関演算及びスペクトル演算を行うことにより、超音波の強度情報とスペクトル情報とを同時に取得して、精密な生体組織に関してより多くの画像情報を得ることが可能となる。

発明を実施するための最良の形態

0009

以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る超音波診断装置の構成を示すブロック図である。本実施形態に係る超音波診断装置は、超音波用探触子10と、走査制御部11と、送信遅延パターン記憶部12と、送信制御部13と、チャープ信号発生部14とを含んでいる。

0010

被検体に当接させて用いられる超音波用探触子10は、トランスデューサアレイを構成する1次元又は2次元状に配列された複数の超音波トランスデューサ10aを備えている。これらの超音波トランスデューサ10aは、印加される駆動信号に基づいて超音波ビームを送信すると共に、伝搬する超音波エコーを受信して検出信号を出力する。

0011

各々の超音波トランスデューサは、例えば、PZTチタン酸ジルコン酸鉛:Pb(lead) zirconate titanate)に代表される圧電セラミックや、PVDFポリフッ化ビニリデン:polyvinylidene difluoride)に代表される高分子圧電素子等の圧電性を有する材料(圧電素子)の両端に電極を形成した振動子によって構成される。このような振動子の電極に、パルス状の電気信号又は連続波の電気信号を送って電圧を印加すると、圧電素子は伸縮する。この伸縮により、それぞれの振動子からパルス状の超音波又は連続波の超音波が発生し、これらの超音波の合成によって超音波ビームが形成される。また、それぞれの振動子は、伝搬する超音波を受信することによって伸縮し、電気信号を発生する。これらの電気信号は、超音波の検出信号として出力される。

0012

或いは、超音波トランスデューサとして、変換方式の異なる複数種類素子を用いても良い。例えば、超音波を送信する素子として上記の振動子を用い、超音波を受信する素子として光検出方式の超音波トランスデューサを用いるようにする。光検出方式の超音波トランスデューサとは、超音波信号光信号に変換して検出するものであり、例えば、ファブリーペロー共振器ファイバブラッググレーティングによって構成される。

0013

また、超音波を送信する超音波用探触子と超音波を受信する超音波用探触子とを対向して配置することにより、被検体を透過する超音波を受信するようにしても良い。その場合には、送信用探触子と受信用探触子との間の距離を調節可能とし、それらの探触子を被検体に押し付けて使用する。

0014

走査制御部11は、超音波ビームの送信方向及び超音波エコーの受信方向を順次設定する。送信遅延パターン記憶部12は、超音波ビームを形成する際に用いられる複数の送信遅延パターンを記憶している。送信制御部13は、走査制御部11において設定された送信方向に応じて、送信遅延パターン記憶部12に記憶されている複数の遅延パターンの中から所定のパターンを選択し、そのパターンに基づいて、複数の超音波トランスデューサ10aの各々に与えられる遅延時間を設定する。

0015

チャープ信号発生部14は、チャープコードに基づいてチャープ信号を発生するチャープ信号発生回路と、チャープ信号発生回路が発生するチャープ信号に所望の遅延を与え、複数の超音波トランスデューサ10aに供給される複数の駆動信号をそれぞれ発生する複数の駆動回路とによって構成されている。これらの駆動回路は、送信制御部13において設定された遅延時間に基づいて、チャープ信号を遅延させる。ここで、チャープ信号とは、周波数を時間的に変化させた信号のことで、エネルギー時間軸方向に分散させる効果がある。なお、時間と共に周波数分布が異なる信号を交互に送信して、受信される超音波において隣接反射点の影響を除去するようにしても良い。例えば、時間と共に周波数が上昇するチャープ信号と、時間と共に周波数が下降するチャープ信号とを、交互に送信するようにしても良い。

0016

また、本実施形態に係る超音波診断装置は、操作卓15と、CPUによって構成された制御部16と、ハードディスク等の記録部17とを含んでいる。制御部16は、操作卓15を用いたオペレータの操作に基づいて、走査制御部11、チャープ信号発生部14、及び、画像選択部32を制御する。記録部17には、制御部16を構成するCPUに各種の動作を実行させるプログラムや、超音波トランスデューサの送受信における周波数特性が記録される。

0017

さらに、本実施形態に係る超音波診断装置は、信号処理部21と、受信遅延パターン記憶部22と、受信制御部23と、A/D(アナログディジタル変換器24と、1次記憶部25と、自己相関部26と、Bモード画像データ生成部27と、参照波形データ生成部28と、包絡線検波処理部29と、スペクトル演算部30と、スペクトル画像データ生成部31と、画像選択部32と、2次記憶部33と、画像処理部34と、表示部35とを含んでいる。

0018

信号処理部21において、複数の超音波トランスデューサ10aの各々から出力される検出信号が増幅され、STC(sensitivity time control:センシティビティタイムコントロール)増幅器を用いて、被検体内において超音波が到達した距離による減衰補正が施される。

0019

受信遅延パターン記憶部22は、複数の超音波トランスデューサ10aから出力された複数の検出信号に対して受信フォーカス処理を行う際に用いられる複数の受信遅延パターンを記憶している。受信制御部23は、走査制御部11において設定された受信方向に基づいて、受信遅延パターン記憶部22に記憶されている複数の受信遅延パターンの中から所定のパターンを選択し、そのパターンに基づいて複数の検出信号に遅延を与えて加算することにより、受信フォーカス処理を行う。この受信フォーカス処理により、超音波エコーの焦点絞り込まれた音線信号が形成される。なお、受信フォーカス処理は、STC増幅器による補正の前、又は、A/D変換の後に行うようにしても良い。

0020

受信制御部23から出力される音線信号は、A/D変換器24によってディジタル信号音線データに変換される。なお、A/D変換器24のサンプリング周波数としては、少なくとも超音波の周波数の10倍程度の周波数が必要であり、超音波の周波数の16倍以上の周波数が望ましい。また、A/D変換器24の分解能としては、10ビット以上が望ましい。1次記憶部25は、A/D変換器24から出力される音線データを、時系列に記憶する。

0021

自己相関演算部26は、1次記憶部25に記憶されている音線データに対して、チャープ信号発生部14から供給される送信波エンコードに用いられたのと同じチャープコードを掛けて足し合わせることにより、自己相関係数を求める。このようにして音線データをデコードすることにより、広帯域の音線信号に含まれている複数の周波数成分が有する情報を圧縮して、超音波エコーの強度に関する情報を得ることができる。Bモード画像データ生成部27は、自己相関演算部26から出力されるデコードされた音線データに基づいて、Bモード画像データを生成する。

0022

図2に、音線データによって表されるチャープ信号の波形と自己相関係数との関係を示す。図2においては、時間t1及びt2において大きな自己相関係数が観測されており、これらは、軟部組織と硬部組織との境界のように超音波の反射率の大きな部分において、超音波が反射されたことを示している。このようにして、超音波の反射位置が求められる。

0023

参照波形データ生成部28は、送信波形データ自己相関演算結果に基づいて、予め計測又は演算によって求められて記録されている複数種類の参照波形データの中から適切な参照波形データを選択することにより、超音波の反射位置に対して参照波形データを対応付ける。参照波形データは、参照波形エンベロープを表していても良いし、参照波形そのものを表していても良い。

0024

ここで、参照波形データ生成部28は、超音波の反射位置の深度に応じて参照波形データにおける周波数成分が変化するように参照波形データを補正したり、超音波の反射位置の深度と信号強度に応じて参照波形データにおける振幅が変化するように参照波形データを補正する。

0025

また、参照波形データ生成部28は、撮像対象の部位に応じた参照波形データを出力したり、撮像対象の部位の形状に応じて、参照波形データを補正するようにしても良い。さらに、超音波トランスデューサの送受信における周波数特性を記録部17に記録しておき、超音波トランスデューサの周波数特性に対応して参照波形データを補正するようにすれば、より正確な参照波形データを生成することができる。

0026

包絡線検波処理部29は、1次記憶部25に記憶されている音線データに対して包絡線検波処理を施し、音線信号のエンベロープを表すエンベロープデータを求める。スペクトル演算部30は、包絡線検波処理部29から出力されるエンベロープデータと、参照波形データ生成部28から出力される、参照波形のエンベロープを表す参照波形データとに基づいて、両者のエンベロープを比較する。この比較は、例えば、少なくとも1つの周波数におけるエンベロープデータの値を、その周波数における参照波形データの値で割ることにより行われる。

0027

あるいは、スペクトル演算部30は、1次記憶部25から出力される音線データと、参照波形データ生成部28から出力される、参照波形そのものを表す参照波形データとに基づいて、FFT高速フーリエ変換)によるスペクトル演算を行う。これにより、音線データに含まれている少なくとも1つの周波数成分と、参照波形データに含まれている少なくとも1つの周波数成分とが求められる。両者の値は、音線データの自己相関値に比例した中心周波数強度値によって規格化された後、比較される。この比較は、例えば、音線データに含まれている少なくとも1つの周波数成分の値を、参照波形データに含まれている少なくとも1つの周波数成分の値で割ることにより行われる。

0028

図3図5に、被検体内の組織の違いによる超音波の相対透過率の違いを示す。図3背骨A部、図4は背骨B部、図5は背骨C部における相対透過率の周波数特性を示している。駆動信号としては、中心周波数1MHzのチャープ信号と、中心周波数2.25MHzのチャープ信号とを用いている。ここで、背骨A部及び背骨B部は、比較的軟らかい組織であり、背骨C部は、比較的硬い組織である。図3図5に示すように、各部における相対透過率の周波数特性は、大きく異なっている。

0029

従って、スペクトル演算部30は、少なくとも1つの周波数成分に注目することにより、軟部組織と硬部組織との比率のような被検体内の組織に関する情報を得ることができる。スペクトル画像データ生成部31は、スペクトル演算部30から出力される情報に基づいて、スペクトル画像データを生成する。

0030

画像選択部32は、Bモード画像データ生成部27によって生成されたBモード画像データと、スペクトル画像データ生成部31によって生成されたスペクトル画像データとを合成して、或いは、これらの内の一方を選択して出力する。2次記憶部33は、画像選択部32から出力される画像データを記憶する。画像処理部34は、2次記憶部33に記憶されている画像データに、各種の画像処理を施す。表示部35は、例えば、CRTやLCD等のディスプレイ装置を含んでおり、画像処理部34によって画像処理が施された画像データに基づいて超音波画像を表示する。

0031

図6に、本実施形態に係る超音波診断装置において表示される超音波画像の例を模式的に示す。図6の(a)は、Bモード画像を示す図であり、硬部組織(骨)の内部はほとんど不明であるが、硬部組織(骨)の外側に存在する軟部組織(筋)が表された超音波画像が生成される。一方、図6の(b)は、スペクトル画像を示す図であり、適切な周波数成分を抽出することにより、硬部組織(骨)の内部を強調して表示することができる。また、硬部組織(骨)と軟部組織(筋)との分離もはっきりと表されており、骨から表皮までを撮像することが可能である。図6の(c)は、Bモード画像とスペクトル画像とを合成して表示したものであり、一度の送受信で超音波の強度情報とスペクトル情報との両方を取得しているために、時間ずれ位置ずれのないスペクトル画像が得られている。

0032

上記の実施形態においては、参照波形データ生成部28によって生成される参照波形データを用いてスペクトル演算部30がスペクトル演算を行うようにしたが、スペクトル演算部30は、自己相関演算部26によって算出された超音波の反射位置に対して、送信波形のスペクトル中心を対応させてスペクトル演算を行っても良い。

0033

また、上記の実施形態においては、超音波の1回の送受信により断層像情報とスペクトル情報との両方を同時に求めるようにしたが、被検体における1つの走査領域に超音波を2回送信することにより、2回の送受信により断層像情報とスペクトル情報とを順次求めるようにしても良い。また、断層像情報とスペクトル情報とを、1音線毎、1ライン毎、又は、1フレーム毎に交互に求めるようにしても良い。あるいは、複数フレーム分の断層像情報を求める間に、1フレーム分のスペクトル情報を求めるようにしても良い。

0034

本発明は、超音波を送受信することにより生体内の臓器や骨等の撮像を行って、診断のために用いられる超音波画像を生成する超音波診断装置において利用することが可能である。

図面の簡単な説明

0035

本発明の一実施形態に係る超音波診断装置の構成を示すブロック図である。
音線データによって表されるチャープ信号の波形と自己相関係数との関係を示す図である。
背骨A部における相対透過率の周波数特性を示す図である。
背骨B部における相対透過率の周波数特性を示す図である。
背骨C部における相対透過率の周波数特性を示す図である。
本発明の一実施形態に係る超音波診断装置において表示される超音波画像の例を模式的に示す図である。

符号の説明

0036

10超音波用探触子
10a超音波トランスデューサ
11走査制御部
12送信遅延パターン記憶部
13送信制御部
14チャープ信号発生部
15操作卓
16 制御部
17 記録部
21信号処理部
22受信遅延パターン記憶部
23受信制御部
24 A/D変換器
25 1次記憶部
26自己相関演算部
27Bモード画像データ生成部
28参照波形データ生成部
29包絡線検波処理部
30スペクトル演算部
31スペクトル画像データ生成部
32画像選択部
33 2次記憶部
34画像処理部
35 表示部

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