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技術 酸化チタンを含むゾル、薄膜およびそれらの製造方法

出願人 昭和電工株式会社
発明者 脇坂安顕黒田靖
出願日 2004年8月19日 (15年8ヶ月経過) 出願番号 2004-239226
公開日 2005年4月14日 (15年0ヶ月経過) 公開番号 2005-097096
状態 未査定
技術分野 空気の消毒,殺菌または脱臭 触媒 重金属無機化合物(I) 塗料、除去剤 触媒 高分子組成物
主要キーワード X線解析 増進器具 プロファイル関数 実験測定 原料酸化チタン 三塩化チタン溶液 基材原料 金属アルコキシド原料
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (2)

課題

波長400nm以上の光源下における光触媒能活性が高く、且つ、波長400nm以下の光源下における光触媒能についても良好な光触媒粒子を得るとともに、各種基材原料や各種物品への光触媒の適用を容易なものとする実用的手段を提供する。

解決手段

沈降成分量全固形分量の10質量%未満であり、水を溶媒として固形分濃度を1質量%としたときに、光路長2mmのセルで測定された波長550nmにおける透過率が50%以上となる、遷移金属化合物を含む酸化チタンゾルを製造する。光触媒活性に優れた粒子を、分散性のよいゾル状態で得ることにより、光触媒を適用する基材意匠性を損なうことなく、基材表面に薄膜を容易に作成する。

概要

背景

抗菌、消臭、防汚大気浄化水質の浄化等の環境浄化に使用する光触媒として、酸化チタンが検討されている。酸化チタンには、紫外線を吸収して電子励起させる性質があるため、発生した電子とホール粒子表面に到達すると、酸素や水と反応して様々なラジカル種を発生させる。このラジカル種が主として酸化作用を示し、表面に吸着した物質酸化分解する。これが光触媒としての基本原理である。

このような光触媒機能を利用する抗菌、消臭、防汚、大気の浄化、水質の浄化等の環境浄化が検討されている。
しかしながら、酸化チタンの優れた光触媒機能を利用するためには、波長400nm以下の紫外光が必要であるため、室内や車内のような紫外光が得られにくい空間において光触媒機能を利用するのは難しかった。
そこで、波長400nmよりも長波長の光を吸収する、いわゆる可視光応答型の光触媒について研究が行われている。

例えば、特許文献1および特許文献2では、酸化チタンに窒素をドープすることでバンドギャップを狭くして可視光線を吸収させることが検討されている。特許文献1では、三塩化チタン溶液アンモニア水との反応によって窒素をドープした酸化チタンを製造し、可視光線によるアセトアルデヒドガスの分解を確認している。また、特許文献2では、スパッタリングによって窒素をドープし、可視光線によるメチレンブルーの分解を確認している。

しかし、特許文献1乃至2に記載されているような、いわゆる窒素ドープ可視光応答型光触媒では、酸化チタンのバンドギャップ内に生じた不純物準位によって正孔と電子の再結合が起こるため、量子効率が低下して光触媒能が低くなる。
また、特許文献1のような手法で得られる光触媒粒子は、水などの溶媒に対する分散性が悪いため、スラリー化して塗布すると基材意匠性を損ないがちである。さらに、特許文献2では、光触媒を基板表面や物品表面に形成するために、基板あるいは物品スパッタ装置に入れなくてはならないため、実用面での制約が大きい。

一方、正孔と電子の電荷分離の促進のために、酸化チタンに白金担持させる検討も行われている。
例えば、特許文献3では、白金コロイド中に酸化チタン粉体投入した後、液部を限外濾過膜等を使用して濾去することによって白金金属担持酸化チタンを得ている。しかしながら、液中粒子状の酸化チタンを入れて混合すると沈降性の粒子となり、分散性のよいゾルは得られない。さらに、特許文献3で得られる粒子は、孔径0.1μmの限外濾過膜を通過しない凝集粒子であり、分散性が低いことは明らかである。

非特許文献1においては、塩化白金酸から白金金属をアナターゼ結晶酸化チタン上に析出させ、可視光照射下におけるアルコール分解能力の向上を確認している。しかし、白金金属の還元析出のためには、強力な光の照射や、爆発性水素ガスが必要不可欠である。
また、特許文献4においては、有機白金錯体を溶解した有機溶媒中にルチル結晶の酸化チタン粉体を投入しているが、白金担持のためには有機溶媒の揮発工程が必要である。従って、揮発した有機溶媒の回収防爆対策、様々な環境対策等が必要となり、工程の複雑化と設備コストの増大を招く。また、特許文献5においては、FRPへの適用を目的として、酸化チタンを塩化白金酸の溶液に浸漬させている。しかし、両文献においては、得られる物質が粉体であるため、水などの溶媒に対する分散性が悪く、スラリー化して塗布すると基材の意匠性を損ないがちである。

特許文献6においても同様に酸化チタンに塩化白金酸を吸着させることにより、可視光下のNO除去を確認している。しかし、同方法では、酸化チタンに塩化白金酸を効率よく付着させるために、加熱や、含有促進剤という実質的な還元剤を導入する等、煩雑な工程が必要である。さらに、製造される光触媒は粒子であり、水などの溶媒に対する分散性が悪いため、スラリー化して塗布すると基材の意匠性を損ないがちである。

このように、光触媒の活性の向上、可視光応答性の付与のため各種検討が行われてきたが、光触媒能が十分でなかったり、製造過程において安全対策や環境対策が多く必要であったり、非常に煩雑な工程が必要であったりした。
さらに、強調すべきこととして、上記すべての検討では、得られる光触媒が粉体であるか、あるいは粉体が溶媒中に存在する状態にあっても、溶媒に対する分散性が悪いという課題があった。一般に、粉体を溶媒に対して分散させるためには、超音波を用いたり、ミルを用いて解砕したり、分散剤を添加したりする必要が生じる。つまり、分散性の乏しいものに後工程で分散性を付与することには困難が伴う。しかも、そのようにして得られたスラリーにおいても、光触媒粒子の分散性は十分とはいえない。また、分散工程におけるコンタミネーションも避けられない。

溶媒に対する分散性が悪いと、塗布する基材の意匠性を損なうため、実用上の大きな欠点となる。さらに、基材の原料(例えば、ポリマー、繊維、紙など)と光触媒粒子とを混練して利用する際にも、基材原料中に光触媒粒子を均一分散させることが困難であるため、前処理工程が複雑になるだけでなく、適用可能な基材が限定されてしまう。
以上のように、光触媒としての産業上の利用性を高めるためには、光触媒粉体としての活性を向上するだけではなく、各種基材原料や各種物品への光触媒の適用を容易なものとする実用的手段が必要不可欠である。

特開2001−72419号公報
特開2001−205094号公報
公開特許1936966号公報
特開2000−262906号公報
特開平10−245439号公報
特開2002−239395号公報
特開平11—43327
Journal of Catalysis 179巻、375頁、1998年
酸化チタン清野学著 技報堂出版1991年
粉末X線解析の実際 中井書店2002年
Chemistry−A European Journal 9巻、3292頁、2003
Journal of Material Chemistry 11巻、1116頁、2001年

概要

波長400nm以上の光源下における光触媒能活性が高く、且つ、波長400nm以下の光源下における光触媒能についても良好な光触媒粒子を得るとともに、各種基材原料や各種物品への光触媒の適用を容易なものとする実用的手段を提供する。沈降成分量全固形分量の10質量%未満であり、水を溶媒として固形分濃度を1質量%としたときに、光路長2mmのセルで測定された波長550nmにおける透過率が50%以上となる、遷移金属化合物を含む酸化チタンゾルを製造する。光触媒活性に優れた粒子を、分散性のよいゾル状態で得ることにより、光触媒を適用する基材の意匠性を損なうことなく、基材表面に薄膜を容易に作成する。 なし

目的

本発明の課題は、波長400nm以上の光源下における光触媒能活性が高く、且つ、波長400nm以下の光源下における光触媒能についても良好な光触媒粒子を得るとともに、各種基材原料や各種物品への光触媒の適用を容易なものとする実用的手段を提供することにある。
すなわち、光触媒活性に優れた粒子を、分散性のよいゾル状態で得ることにより、光触媒を適用する基材の意匠性を損なうことなく基材表面に薄膜を容易に作成することを可能にすることにある。
さらに、基材そのものに混練などの手法によって光触媒粒子を含有させる際にもその工程を容易にすることにある。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
2件

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請求項1

沈降成分量全固形分量の10質量%未満であり、遷移金属化合物含有酸化チタンを含むゾル

請求項2

水を溶媒として固形分濃度を1質量%としたときに、光路長2mmのセルで測定された波長550nmにおける透過率が50%以上となる請求項1に記載のゾル。

請求項3

遷移金属化合物が1nmより大きい粒子を5質量%以上含まない請求項1または2に記載のゾル。

請求項4

金属換算で全固形分に対して0.01〜1質量%の遷移金属化合物が含まれる請求項1乃至3のいずれか1項に記載のゾル。

請求項5

遷移金属化合物の遷移金属が8〜11族の金属元素である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のゾル。

請求項6

遷移金属化合物の遷移金属が10族の金属元素である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のゾル。

請求項7

遷移金属化合物の遷移金属が白金である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のゾル。

請求項8

遷移金属化合物が塩化物である請求項5乃至7のいずれか1項に記載のゾル。

請求項9

ゾル中の固形分が、X線光電子分光測定で72.5eVと75.5eV(測定実験誤差範囲として±1.0eV)にピークを有する請求項8に記載のゾル。

請求項10

可視光下でも光触媒活性発現する光触媒を含む請求項1乃至9のいずれか1項に記載のゾル。

請求項11

ゾル中の固形分が、Cu−Kα1線を用いる粉末X線回折で測定される面間隔d(Å)において、少なくとも2.90(測定実験誤差範囲として0.02Å)に回折線が観察される請求項1乃至10のいずれか1項に記載のゾル。

請求項12

ゾル中の固形分がブルッカイト結晶酸化チタンを含んでいる請求項1乃至11のいずれか1項に記載のゾル。

請求項13

ゾル中の固形分が、リートベルト解析において、ブルッカイト結晶酸化チタンを10質量%以上含んでいる請求項12に記載のゾル。

請求項14

ゾル中の固形分が、リートベルト解析において、ブルッカイト結晶酸化チタンを30質量%以上含んでいる請求項12に記載のゾル。

請求項15

ゾル中の固形分のBET比表面積が20〜400m2/gである請求項1乃至14のいずれか1項に記載のゾル。

請求項16

沈降成分量が全固形分重量の10%未満である酸化チタンを含むゾルと、遷移金属化合物水溶液を混合することを特徴とするゾルの製造方法。

請求項17

遷移金属化合物をチタン化合物と混合し、加水分解することを特徴とするゾルの製造方法。

請求項18

チタン化合物を遷移金属化合物水溶液で加水分解することを特徴とするゾルの製造方法。

請求項19

チタン化合物が四塩化チタンあるいは四塩化チタン水溶液である請求項17または18に記載のゾルの製造方法。

請求項20

遷移金属化合物が塩化物である請求項16乃至19のいずれか1項に記載のゾルの製造方法。

請求項21

加水分解時の温度が50℃〜沸点である請求項17乃至20のいずれか1項に記載のゾルの製造方法。

請求項22

加水分解時の温度が75℃〜沸点である請求項21に記載のゾルの製造方法。

請求項23

加水分解時の混合方法がチタン化合物を滴下する方法である請求項17乃至22のいずれか1項に記載のゾルの製造方法。

請求項24

請求項16乃至23のいずれか1項に記載の製造方法で得られたゾル。

請求項25

請求項1乃至15もしくは請求項24のいずれか1項に記載のゾルを乾燥して得られる粉体

請求項26

請求項1乃至15もしくは請求項24のいずれか1項に記載のゾルを加温、減圧またはフリーズドライを用いて乾燥し、擂潰または粉砕して得られた粉体。

請求項27

請求項1乃至15もしくは請求項24のいずれか1項に記載されたゾルまたは該ゾル中の固形分を含有する有機重合体

請求項28

請求項1乃至15もしくは請求項24のいずれか1項に記載されたゾルまたは該ゾル中の固形分が表面に付与されている有機重合体。

請求項29

請求項1乃至15もしくは請求項24のいずれか1項に記載のゾルとバインダー成分を含むコーティング組成物

請求項30

請求項1乃至15もしくは請求項24のいずれか1項に記載のゾルまたは請求項29に記載のコーティング組成物を基材に塗布し、乾燥または硬化することによって得られた薄膜

請求項31

800℃以下の温度で硬化された請求項30に記載の薄膜。

請求項32

150℃以下の温度で硬化された請求項30に記載の薄膜。

請求項33

60℃以下の温度で硬化された請求項30に記載の薄膜。

請求項34

基材がセラミックス、金属、ガラスプラスチック、紙、木材のいずれかである請求項30乃至33のいずれか1項に記載の薄膜。

請求項35

請求項1乃至15もしくは請求項24のいずれか1項に記載のゾルから得られた物質を表面に具備あるいは含有する物品

請求項36

物品が、建材蛍光灯窓ガラス機械、車両、ガラス製品家電製品純水製造器、農業資材電子機器工具食器風呂用品、トイレ用品、家具衣類布製品、繊維、革製品紙製品スポーツ用品美容器具、健康増進器具医療用具布団容器眼鏡看板配管配線金具、衛生資材及び自動車用品からなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項35に記載の物品。

技術分野

0001

本発明は、光活性の高い光触媒を含むゾル及びその製造方法とその用途に関する。さらに詳しくは、蛍光灯のように実用的な光源波長400nmより長波長の光源によっても、十分に光触媒能を発揮しうる光触媒ゾルおよびその用途に関する。

背景技術

0002

抗菌、消臭、防汚大気浄化水質の浄化等の環境浄化に使用する光触媒として、酸化チタンが検討されている。酸化チタンには、紫外線を吸収して電子励起させる性質があるため、発生した電子とホール粒子表面に到達すると、酸素や水と反応して様々なラジカル種を発生させる。このラジカル種が主として酸化作用を示し、表面に吸着した物質酸化分解する。これが光触媒としての基本原理である。

0003

このような光触媒機能を利用する抗菌、消臭、防汚、大気の浄化、水質の浄化等の環境浄化が検討されている。
しかしながら、酸化チタンの優れた光触媒機能を利用するためには、波長400nm以下の紫外光が必要であるため、室内や車内のような紫外光が得られにくい空間において光触媒機能を利用するのは難しかった。
そこで、波長400nmよりも長波長の光を吸収する、いわゆる可視光応答型の光触媒について研究が行われている。

0004

例えば、特許文献1および特許文献2では、酸化チタンに窒素をドープすることでバンドギャップを狭くして可視光線を吸収させることが検討されている。特許文献1では、三塩化チタン溶液アンモニア水との反応によって窒素をドープした酸化チタンを製造し、可視光線によるアセトアルデヒドガスの分解を確認している。また、特許文献2では、スパッタリングによって窒素をドープし、可視光線によるメチレンブルーの分解を確認している。

0005

しかし、特許文献1乃至2に記載されているような、いわゆる窒素ドープ可視光応答型光触媒では、酸化チタンのバンドギャップ内に生じた不純物準位によって正孔と電子の再結合が起こるため、量子効率が低下して光触媒能が低くなる。
また、特許文献1のような手法で得られる光触媒粒子は、水などの溶媒に対する分散性が悪いため、スラリー化して塗布すると基材意匠性を損ないがちである。さらに、特許文献2では、光触媒を基板表面や物品表面に形成するために、基板あるいは物品スパッタ装置に入れなくてはならないため、実用面での制約が大きい。

0006

一方、正孔と電子の電荷分離の促進のために、酸化チタンに白金担持させる検討も行われている。
例えば、特許文献3では、白金コロイド中に酸化チタン粉体投入した後、液部を限外濾過膜等を使用して濾去することによって白金金属担持酸化チタンを得ている。しかしながら、液中粒子状の酸化チタンを入れて混合すると沈降性の粒子となり、分散性のよいゾルは得られない。さらに、特許文献3で得られる粒子は、孔径0.1μmの限外濾過膜を通過しない凝集粒子であり、分散性が低いことは明らかである。

0007

非特許文献1においては、塩化白金酸から白金金属をアナターゼ結晶酸化チタン上に析出させ、可視光照射下におけるアルコール分解能力の向上を確認している。しかし、白金金属の還元析出のためには、強力な光の照射や、爆発性水素ガスが必要不可欠である。
また、特許文献4においては、有機白金錯体を溶解した有機溶媒中にルチル結晶の酸化チタン粉体を投入しているが、白金担持のためには有機溶媒の揮発工程が必要である。従って、揮発した有機溶媒の回収防爆対策、様々な環境対策等が必要となり、工程の複雑化と設備コストの増大を招く。また、特許文献5においては、FRPへの適用を目的として、酸化チタンを塩化白金酸の溶液に浸漬させている。しかし、両文献においては、得られる物質が粉体であるため、水などの溶媒に対する分散性が悪く、スラリー化して塗布すると基材の意匠性を損ないがちである。

0008

特許文献6においても同様に酸化チタンに塩化白金酸を吸着させることにより、可視光下のNO除去を確認している。しかし、同方法では、酸化チタンに塩化白金酸を効率よく付着させるために、加熱や、含有促進剤という実質的な還元剤を導入する等、煩雑な工程が必要である。さらに、製造される光触媒は粒子であり、水などの溶媒に対する分散性が悪いため、スラリー化して塗布すると基材の意匠性を損ないがちである。

0009

このように、光触媒の活性の向上、可視光応答性の付与のため各種検討が行われてきたが、光触媒能が十分でなかったり、製造過程において安全対策や環境対策が多く必要であったり、非常に煩雑な工程が必要であったりした。
さらに、強調すべきこととして、上記すべての検討では、得られる光触媒が粉体であるか、あるいは粉体が溶媒中に存在する状態にあっても、溶媒に対する分散性が悪いという課題があった。一般に、粉体を溶媒に対して分散させるためには、超音波を用いたり、ミルを用いて解砕したり、分散剤を添加したりする必要が生じる。つまり、分散性の乏しいものに後工程で分散性を付与することには困難が伴う。しかも、そのようにして得られたスラリーにおいても、光触媒粒子の分散性は十分とはいえない。また、分散工程におけるコンタミネーションも避けられない。

0010

溶媒に対する分散性が悪いと、塗布する基材の意匠性を損なうため、実用上の大きな欠点となる。さらに、基材の原料(例えば、ポリマー、繊維、紙など)と光触媒粒子とを混練して利用する際にも、基材原料中に光触媒粒子を均一分散させることが困難であるため、前処理工程が複雑になるだけでなく、適用可能な基材が限定されてしまう。
以上のように、光触媒としての産業上の利用性を高めるためには、光触媒粉体としての活性を向上するだけではなく、各種基材原料や各種物品への光触媒の適用を容易なものとする実用的手段が必要不可欠である。

0011

特開2001−72419号公報
特開2001−205094号公報
公開特許1936966号公報
特開2000−262906号公報
特開平10−245439号公報
特開2002−239395号公報
特開平11—43327
Journal of Catalysis 179巻、375頁、1998年
酸化チタン清野学著 技報堂出版1991年
粉末X線解析の実際 中井書店2002年
Chemistry−A European Journal 9巻、3292頁、2003
Journal of Material Chemistry 11巻、1116頁、2001年

発明が解決しようとする課題

0012

本発明の課題は、波長400nm以上の光源下における光触媒能活性が高く、且つ、波長400nm以下の光源下における光触媒能についても良好な光触媒粒子を得るとともに、各種基材原料や各種物品への光触媒の適用を容易なものとする実用的手段を提供することにある。
すなわち、光触媒活性に優れた粒子を、分散性のよいゾル状態で得ることにより、光触媒を適用する基材の意匠性を損なうことなく基材表面に薄膜を容易に作成することを可能にすることにある。
さらに、基材そのものに混練などの手法によって光触媒粒子を含有させる際にもその工程を容易にすることにある。

課題を解決するための手段

0013

本発明者らは、上記課題を解決するために光触媒について鋭意検討を重ねた結果、分散性と吸着性に優れた酸化チタンゾルを製造し、該ゾルに遷移金属化合物超微粒子状態で吸着あるいは含有させることにより、本発明を完成するに至った。

0014

すなわち、本発明は以下の発明からなる
(1)沈降成分量全固形分量の10質量%未満であり、遷移金属化合物含有酸化チタンを含むゾル。
(2)水を溶媒として固形分濃度を1質量%としたときに、光路長2mmのセルで測定された波長550nmにおける透過率が50%以上となる(1)に記載のゾル。
(3)遷移金属化合物が1nmより大きい粒子を5質量%以上含まない(1)または(2)に記載のゾル。
(4)金属換算で全固形分に対して0.01〜1質量%の遷移金属化合物が含まれる(1)乃至(3)のいずれか1項に記載のゾル。
(5)遷移金属化合物の遷移金属が8〜11族の金属元素である(1)乃至(4)のいずれか1項に記載のゾル。
(6)遷移金属化合物の遷移金属が10族の金属元素である(1)乃至(4)のいずれか1項に記載のゾル。
(7)遷移金属化合物の遷移金属が白金である(1)乃至(4)のいずれか1項に記載のゾル。
(8)遷移金属化合物が塩化物である(5)乃至(7)のいずれか1項に記載のゾル。
(9)ゾル中の固形分が、X線光電子分光測定で72.5eVと75.5eV(測定実験誤差範囲として±1.0eV)にピークを有する請求項8に記載のゾル。
(10)可視光下でも光触媒活性を発現する光触媒を含む(1)乃至(9)のいずれか1項に記載のゾル。
(11)ゾル中の固形分が、Cu−Kα1線を用いる粉末X線回折で測定される面間隔d(Å)において、少なくとも2.90(測定実験誤差範囲として0.02Å)に回折線が観察される(1)乃至(10)のいずれか1項に記載のゾル。
(12)ゾル中の固形分が、ブルッカイト結晶酸化チタンを含んでいる(1)乃至(11)のいずれか1項に記載のゾル。
(13)ゾル中の固形分が、リートベルト解析において、ブルッカイト結晶酸化チタンを10質量%以上含んでいる(12)に記載のゾル。
(14)ゾル中の固形分が、リートベルト解析において、ブルッカイト結晶酸化チタンを30質量%以上含んでいる(12)に記載のゾル。
(15)ゾル中の固形分のBET比表面積が20〜400m2/gである(1)乃至(14)のいずれか1項に記載のゾル。
(16)沈降成分量が全固形分重量の10%未満である酸化チタンを含むゾルと、遷移金属化合物水溶液を混合することを特徴とするゾルの製造方法。
(17)遷移金属化合物をチタン化合物と混合し、加水分解することを特徴とするゾルの製造方法。
(18)チタン化合物を、遷移金属化合物水溶液で加水分解することを特徴とするゾルの製造方法。
(19)チタン化合物が四塩化チタンあるいは四塩化チタン水溶液である(17)または(18)に記載のゾルの製造方法。
(20)遷移金属化合物が塩化物である(16)乃至(19)のいずれか1項に記載のゾルの製造方法。
(21)加水分解時の温度が50℃〜沸点である(17)乃至(20)のいずれか1項に記載のゾルの製造方法。
(22)加水分解時の温度が75℃〜沸点である(21)に記載のゾルの製造方法。
(23)加水分解時の混合方法がチタン化合物を滴下する方法である(17)乃至(22)のいずれか1項に記載のゾルの製造方法。
(24)(16)乃至(23)のいずれか1項に記載の製造方法で得られたゾル。
(25)(1)乃至(15)もしくは(24)のいずれか1項に記載のゾルを乾燥して得られる粉体。
(26)(1)乃至(15)もしくは(24)のいずれか1項に記載のゾルを加温、減圧またはフリーズドライを用いて乾燥し、擂潰または粉砕して得られた粉体。
(27)(1)乃至(15)もしくは(24)のいずれか1項に記載されたゾルまたは該ゾル中の固形分を含有する有機重合体
(28)(1)乃至(15)もしくは(24)のいずれか1項に記載されたゾルまたは該ゾル中の固形分が表面に付与されている有機重合体。
(29)(1)乃至(15)もしくは(24)のいずれか1項に記載のゾルとバインダー成分を含むコーティング組成物
(30)(1)乃至(15)もしくは(24)のいずれか1項に記載のゾルまたは(29)に記載のコーティング組成物を基材に塗布し、乾燥または硬化することによって得られた薄膜。
(31)800℃以下の温度で硬化された(30)に記載の薄膜。
(32)150℃以下の温度で硬化された(30)に記載の薄膜。
(33)60℃以下の温度で硬化された(30)に記載の薄膜。
(34)基材がセラミックス、金属、ガラスプラスチック、紙、木材のいずれかである(30)乃至(33)のいずれか1項に記載の薄膜。
(35)(1)乃至(15)もしくは(24)のいずれか1項に記載のゾルから得られた物質を表面に具備あるいは含有する物品。
(36)物品が、建材、蛍光灯、窓ガラス機械、車両、ガラス製品家電製品純水製造器、農業資材電子機器工具食器風呂用品、トイレ用品、家具衣類布製品、繊維、革製品紙製品スポーツ用品美容器具、健康増進器具医療用具布団容器眼鏡看板配管配線金具、衛生資材及び自動車用品からなる群より選ばれた少なくとも1種である(35)に記載の物品。

発明の効果

0015

本発明の遷移金属化合物および酸化チタンを含むゾルは、波長400nm以上の光源下においても光触媒能が高く、不純物準位を持たず結晶性が高いため量子効率の高い光触媒粒子であり、容易な手法により、さらに溶媒に対する分散性がよい状態で得ることができる。

0016

高分散性の光触媒粒子を含むゾルを得ることにより、光触媒を適用する基材の意匠性を損なうことなく、基材表面へ薄膜を容易に作成することが可能であり、基材そのものに混練などの手法により含有させる際にも、その工程を容易とすることが可能である。

0017

さらに、原料としてブルッカイト結晶を含有する酸化チタンゾルを使用することで、分散性と吸着能という二つの特性を利用することができる。従って、加熱や含有促進剤の配合のような煩雑な工程をとることもなく、酸化チタン粒子表面に効率的に金属化合物を含有させることが可能である。

0018

しかも、得られる光触媒体に対して特殊な工程を用いる必要がなく、ゾルが合成された直後から分散性が高いという優れた特徴を持ち、塗布膜が実質的に無色透明であるため、光触媒を適応する基材に対してその意匠性を損なうことなく波長400nm以上の光源下で励起する高性能な光触媒を容易な手法で表面に成膜すること、あるいは内部に含有させることが可能である。

発明を実施するための最良の形態

0019

本発明のゾルには、ブルッカイト結晶の酸化チタンの特徴を示す酸化チタンを含むことが好ましい。ブルッカイト結晶の酸化チタンだけでなく、これにアナターゼ結晶の酸化チタン、ルチル結晶の酸化チタンを1種または2種含んでいてもよい。また、非晶質な相を含んでいてもよい。さらに、これらの相を単相で含む粒子がゾル中に分散していてもよいし、複数の結晶相を含む粒子が分散していてもよい。少なくとも、明らかにブルッカイト結晶の特徴を有する結晶相の存在が確認できることが好ましい。

0020

ブルッカイト結晶相の存在を確認する方法として最も簡便で実用的な手法は、ゾルを常温減圧乾燥、または100℃を若干超える温度で加熱を行うことによって水分を除き、粉末X線回折を測定することが挙げられる。

0021

ゾル中にブルッカイト結晶相を含む酸化チタンが存在した場合、Cu−Kα1線の回折角から算出される面間隔d(Å)(測定誤差範囲として±0.02Å)について、2.90Å近傍に特徴的な回折線が見られる。しかしながら、同位置近傍により強い回折線を持つ添加物がゾル中に存在した場合、必ずしもその位置ではピークとして観察されず、より大きな回折ピークの一部として判断される場合があるので注意が必要である。
2.90Å以外にも3.51Å、3.46Åにブルッカイト結晶相由来の回折線が観察されるが、ゾル中にアナターゼ結晶相を含む酸化チタンが存在した場合、アナターゼ結晶相酸化チタン由来のピーク3.51Åとスペクトル位置が重なってしまい、ピーク分離が困難である。

0022

アナターゼ結晶相酸化チタンが存在した場合d=3.51(Å)のピークは上記の理由により判別が困難であるが、他にも2.38Å近傍にアナターゼ結晶相由来のピークが比較的明瞭に観察される。
また、ルチル結晶相の酸化チタンが存在する場合にはd=3.25Å近傍に明瞭なピークが観察される。
これらブルッカイト結晶由来の2.90Å、アナターゼ結晶由来の2.38Å,ルチル結晶由来の3.25Åのピークを比較することによって酸化チタン中に各結晶相がある程度存在していることの確認や、相対的な存在比率概算できる。しかしながら、この3種のピークの相対強度と酸化チタン中に含まれるそれぞれの結晶相の割合とが完全に一致しないため、各結晶相の含有率の測定に関しては、非特許文献3に記載されるようなリートベルト法を用いることが望ましい。

0023

例えば、本発明においては、各結晶の存在比を確認するために泉富士夫作製のリートベルト解析用ソフト「RIETAN−2000」を用いた。フィッティングには分割型プロファイル関数を用い、ブルッカイト結晶、アナターゼ結晶、ルチル結晶の三種が存在するものとして、解析信頼性因子Rwp値(測定値計算値のずれの割合)が8未満になるまで、バックグラウンドシフト格子定数FWHM値、各結晶相の存在比の最適化を行った。この解析により、ゾルより得られた酸化チタン粉末各結晶相の質量比率がわかる。

0024

酸化チタン中におけるブルッカイト結晶相の割合が10質量%以上であると、酸化チタンゾルの分散性および遷移金属化合物の酸化チタンへの吸着性が向上するために好ましい。ブルッカイト結晶相の割合が30質量%以上であるとより好ましく、50質量%であるとさらに好ましいが、最も好ましくは70質量%以上である。アナターゼ結晶相が80質量%を超えて存在するような場合には、ゾルのゲル化が起こりやすく好ましくない。ルチル結晶相が80%をこえて多く含まれる場合には、凝集沈降が起こりやすく好ましくない。

0025

ゾル中に含まれる遷移金属の定量法には特に制限はないが、原子吸光分析あるいはICP発光分光分析法が例示できる。

0026

例えば、ゾル固形分をフッ化水素酸及び硝酸とともにテフロン登録商標樹脂密閉容器に入れ、マイクロ波などを利用して全溶解し液体サンプルを得ることができる。この液体サンプルに関してフレームまたはフレームレス原子吸光分析法あるいはICP発光分光分析法を用いることによってゾル固形分中の遷移金属濃度の定量を行うことができる。

0027

遷移金属化合物の含有量は、特に限定されず、用途に応じて最適量を選択すればよいが、固形分全量に対して金属換算で0.01〜1質量%であるのが好ましく、より好ましくは0.05〜0.5質量%であり、さらに好ましくは0.1〜0.3質量%である。0.01質量%以下では、光触媒能の向上が不十分な場合がある。1質量%を越える金属を含有させると、粒子表面に吸着あるいは含有される金属化合物の分散性が損なわれる場合がある。さらに、この場合には光触媒能の低い遷移金属化合物によって酸化チタンが被覆されすぎてしまい、合成されるゾルの光触媒能が低下してしまう可能性がある。
遷移金属化合物と酸化チタンとの相互作用は明らかではないが、以下のような機構が考えられる。

0028

(1)光が照射された際に酸化チタンの中で荷電子帯から伝導帯へ電子の励起が起こり、生じた励起電子非局在化できる遷移金属化合物に流入することにより、励起された電子と光触媒中に生じた正孔との再結合を妨げ、有効に利用できる正孔が増えるために反応効率が上昇する。
(2)酸化チタンよりも小さいバンドギャップを持つ遷移金属化合物が励起して酸化チタンの伝導帯に電子を与え酸化チタン上で還元反応に寄与し、遷移金属化合物上で生じた原子状塩素酸化反応に寄与するため、波長400nm以上の光源下でも光触媒活性を発現する。
上記いずれの機構にしても、本発明の酸化チタンゾルの高分散性によって、遷移金属化合物との相互作用が促進され、従来の酸化チタンよりも優れた光触媒活性を発揮することができる。

0029

さらに、アナターゼルチルという他の二種の結晶種と比較して、ブルッカイト結晶酸化チタンの誘電率はきわめて大きく見積もられる、という報告もある。従って、酸化チタンの分極が大きくなることで、酸化チタンと周囲の物質との静電的相互作用、すなわち電子あるいは正孔のやり取りが多くなり、本発明のブルッカイト結晶含有酸化チタンの優れた特性に寄与していると推測される。

0030

本発明のゾルを乾燥し、X線分子分光スペクトルを測定すると、遷移金属化合物と酸化チタンゾルとの相互作用によって、原料由来でない新規なピークが現れることがある。この、新規なピークの発生は、どのような遷移金属化合物を使用しても起こり得る。たとえば金属化合物が塩化白金酸であった場合、原料由来で無いピークとして、72.5eV及び75.5eV(実験測定誤差±1.0eV)に新規なピークの発生が確認できる。

0031

本発明における遷移金属化合物とは、IUPAC無機化学命名法改訂版(1989)に規定された3〜11族の金属を含有する化合物である。中でも、6〜10族の金属化合物を含有することが好ましく、さらに好ましくは8〜10族、最も好ましくは10族である。遷移金属化合物以外の金属化合物を含有すると、光触媒機能が大きく低下する場合がある。

0032

本発明のゾルは、酸化チタン内部に不純物準位を持たず、且つ結晶性が高いため、量子効率が高い。

0033

さらに、本発明のブルッカイト結晶含有酸化チタンは溶媒中での分散性が高いだけでなく、イオン吸着能力に優れている。これは、ルチル結晶の酸化チタンやアナタ−ゼ結晶の酸化チタンには見られない、優れた特性である。すなわち、本発明のブルッカイト結晶含有酸化チタンにおける分散性と吸着能力という二つの特性を利用することによって、加熱や含有促進剤の配合のような煩雑な工程をとることもなく、酸化チタン粒子表面に効率的に金属化合物を吸着あるいは含有させることが可能となる。

0034

しかも、得られる光触媒に対して特殊な工程を用いる必要がなく、ゾルが合成された直後から分散性が高いという優れた特徴を有している。その結果、塗布膜が実質的に無色透明となるために、光触媒を適用する基材に対してその意匠性を損なうことなく、波長400nm以上の可視光線を吸収する高性能な光触媒を、容易な手法で基材表面に成膜すること、あるいは基材内部に含有させることが可能である。

0035

ここで、本発明のゾルの分散性および安定性を定量的に示すために定義した沈降成分量、固形分量について説明する。

0036

ゾル中の固形分とは、該ゾル100gをパイレックス(登録商標)製ビーカー取り、120℃の恒温乾燥器に24時間以上静置し、残った固形分の質量を秤量することで測定される。固形分質量より、ゾルの固形分濃度X[質量%]も算出される。

0037

本発明における沈降成分量Z[g]は以下のように定義される。まず固形分濃度X[質量%]の該ゾル100gを密閉容器に入れて、室温にて240時間静置後、液面から90体積%相当分をデカンテーションで分離し、残りを120℃の恒温乾燥器に24時間以上静置して水分を蒸発させる。得られた固形分には沈降している分だけでなく、当然デカンテーションによって除かれなかった下層の液中に分散していた分も含まれるので、得られた固形分Y[g]から、分散している分と予想される0.1X[g]を減じたものが沈降成分量Z[g]として定義される。すなわち、沈降成分量Z[g]は(式1)によって表すことができる。

0038

Z=Y−0.1X (式1)
この沈降成分量Z[g]が、全固形分X[g]の10質量%を越えないような良好な分散状態にあることが望ましく、好ましくは10〜0.0001質量%であり、より好ましくは5〜0.001質量%である。

0039

ゾルの分散性の評価に関しては特に制限はされないが、分光光度計や、分光測色計で測定される光透過率で評価することができる。透過率が大きいことは凝集粒子が小さく、分散性が良好であることを意味する。

0040

例としてミノルタ株式会社製分光測色計CM−3700dでの測定方法について記す。光路長2mmのセルに1質量%濃度のゾルまたはスラリーを用意する。このセル中のサンプルにキセノンランプを光源として積分球によって拡散反射された光を照射し、透過した光を測定分光器受光する。一方、積分球内拡散された光は照明光用分光器で受光し、それぞれの光を分光し、各波長での透過率を測定する。ここで、分散性の指標として、ゾルまたはスラリーの光触媒粒子の濃度を1質量%とした時に、ゾルまたはスラリーの2mm厚み(光路長)の波長550nmにおける光透過率を用いる。

0041

本発明のゾルは、波長550nmでの光透過率が50%以上であることが好ましい。特に好ましくは60%以上の光透過率を有する。このように光透過率の高いゾルを用いることによって、塗布すべき対象の意匠性や色彩を損なうことがなくなり、実用上の応用において非常に有利となる。

0042

本発明中のゾルに含まれている固形分濃度は、特に限定されないが、好ましくは0.01〜30質量%であり、より好ましくは0.1〜20質量%、さらに好ましくは1〜10質量%である。さらに、固形分中には酸化チタンや遷移金属化合物以外の添加物が含まれていても良い。

0043

本発明のゾル、あるいはゾル中に含まれる固形分は、波長400nm以下の光でも光触媒能の発現が可能であるが、さらに波長400nm以上の可視光下においても光触媒能を発現する。

0044

本発明における光触媒能には、抗菌、消臭、防汚、大気の浄化、水質の浄化等の環境浄化のような機能が含まれる。具体的には以下の機能が例示できるが、特にこれらには限定されない。
(1)系内にゾルあるいはそれより得られた固形分とメチレンブルーやアルデヒド類などの有機化合物あるいはNH3、H2S、NOx、SOxなどの環境に悪影響を与える物質が存在したときに、光照射下において、暗所と比較した場合に有機物あるいは上記無機物質の濃度の低下が見られる。
(2)基板や物品上にゾルを塗布したとき、光照射下で暗所と比較した場合に水滴接触角が小さくなる現象が起こる。

0045

本発明の好ましい原料ゾルとして用いられる酸化チタンゾルの製造方法に特に制限はないが、以下に記載した合成方法を例示することができる。
原料ゾルである酸化チタンゾルは、特許文献7に記載の方法により製造することができる。ブルッカイト結晶を含むゾルの合成では、中間体が塩化物を経由すると推定され、塩素濃度および合成時の温度制御が重要である。このため、加水分解によって塩化水素が発生するチタン化合物を原料とすることが好ましく、さらに好ましくは四塩化チタン、より好ましくは四塩化チタン水溶液である。

0046

合成時の塩素濃度を最適値に保つため、加圧などの手法によって系外への塩化水素の飛散を防止してもよいが、最も効果的な方法は、加水分解の反応槽還流冷却器を用いて加水分解を行う手法である。
有機溶媒中においても塩酸分濃度、水分濃度を調節することによって、金属アルコキシド原料などから酸化チタンを得ることはできるが、反応制御の容易性、原料価格、環境負荷などから考えて、反応媒は水であることが好ましい。

0047

加水分解における温度は50℃以上、四塩化チタン水溶液の沸点までの温度であることが好ましい。50℃未満では加水分解反応に長時間を要する。加水分解は上記の温度に昇温して、10分から12時間程度保持して行われる。この保持時間は加水分解の温度が高温側にある程短くてよい。四塩化チタン水溶液の加水分解は四塩化チタンと水との混合溶液を反応槽中で所定の温度に加熱してもよく、また水を反応槽中であらかじめ加熱しておき、これに四塩化チタンもしくは四塩化チタン水溶液を添加し、所定の温度にしてもよい。この加水分解により酸化チタンを得ることができる。その中でブルッカイト結晶相の酸化チタンの含有率を高めるためには、水を反応槽であらかじめ75℃から沸点に加熱しておき、これに四塩化チタンもしくは四塩化チタン水溶液を添加し、75℃から沸点の温度範囲で加水分解する方法が適する。

0048

酸化チタンゾルの酸化チタン粒子は細かいほうが好ましい。酸化チタン薄膜光触媒作用が高まり、また透明性もよくなるからである。さらに、酸化チタン粒子のバルクに対する表面の割合が増え、遷移金属化合物を酸化チタン表面に付与するために効率的である。しかし、あまり細かい酸化チタン粒子を得ることは製造上の困難を伴う場合があるので、ゾル中の酸化チタン粒子のBET比表面積は20〜400m2/gであることが好ましい。より好ましくは50〜350m2/gであり、さらに好ましくは120m2/g〜300m2/gである。

0049

また触媒作用の点から、酸化チタンは結晶質であることが好ましい。
合成直後の酸化チタンゾルは液中に残留しているイオン強度が大きい場合、凝集沈降する場合があるが、合成された酸化チタンを、電気透析脱塩装置、あるいは限外濾過膜を使用した濾過などの洗浄工程を経由させることによって、分散性をより完全なものとすることが可能である。

0050

上記により製造された高分散性酸化チタンゾルを、遷移金属化合物水溶液と接触させ、酸化チタン粒子表面に遷移金属化合物を付与することにより、分散性が高く、かつ、光触媒活性の高い酸化チタンゾルを得ることが本発明の最大の特徴である。

0051

以下に酸化チタンゾルと、遷移金属化合物との複合化について説明する。
本発明において遷移金属化合物水溶液と接触させる酸化チタンゾルは、分散性が良好で沈降成分量が固形分全量の10質量%未満であることが好ましい。沈降成分量に関しては、先に説明したものと同様の定義である。沈降成分量が10質量%未満であるような分散性の良好な酸化チタンゾルを用いると、加熱や還元剤、光照射など複雑な工程を必要とすることなく、酸化チタン粒子表面に遷移金属化合物を付与することが可能である。

0052

このようにして得られた光触媒粒子表面には、きわめて細かく分散の良好な状態で金属化合物が付着していると推測される。これは、金属化合物を複合化させても、原料の酸化チタンゾルの分散性を損なわないことから明らかである。さらに、透過型電子顕微鏡で観察しても、光触媒粒子表面に付着している金属化合物が視認できなかったことから、この金属化合物が、きわめて微粒で分散性よく付着していることが確認できる。従って、この金属化合物の粒子サイズは、実質的には1nm以下であって、1nmより大きな粒子が存在しても、その比率は5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下である。

0053

本発明のゾルを合成する際に原料として用いられる遷移金属化合物については、特に制限はないが、例として、金属コロイド酸化金属コロイド水酸化金属コロイド、有機金属錯体ハロゲン化金属金属塩金属酸塩などがあげられる。好ましくは、周期律表第8〜11族の金属を含む金属化合物を例示できる。より好ましくは、ニッケル化合物パラジウム化合物白金化合物などの10族金属化合物を例示できる。さらに好ましくは、プラチナアセチルアセトネート、プラチナムビスベンゾニトリルジクロライド無水臭化白金、臭化白金酸水和物、臭化白金酸ナトリウム水和物、臭化白金酸カリウム水和物、無水塩化白金、塩化白金酸水和物、塩化白金酸ナトリウム水和物、塩化白金カリウム水和物、無水ヨウ化白金、ヨウ化白金酸水和物、ヨウ化白金酸ナトリウム水和物、ヨウ化白金カリウム水和物、シアン化白金、プラチナム−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体、白金イリジウムコロイド、白金パラジウムコロイド、白金ルテニウムコロイド、白金ロジウムコロイド、白金アルミナコロイド、硫化白金コロイド、プラチナム−2,4,6,8−テトラメチル−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサン錯体などが挙げられる。これらの中でも、白金コロイド、白金塩化物、白金臭化物、白金ヨウ化物が好ましく、ヘキサクロロ白金酸水和物にたとえられるような白金塩化物であることが特に好ましい。

0054

上記に示した遷移金属化合物と、吸着性と分散性の良好なブルッカイト結晶含有酸化チタンゾルとの混合を行うという工程によって、本発明の光触媒能の高いゾルが得られる。金属化合物を混合する際には、粉体状の金属化合物を直接原料ゾルと混合することもできるし、金属化合物を溶媒に溶解あるいは分散させたものを原料酸化チタンゾルと混合してもよい。ここで、酸化チタンゾルに均一に金属化合物を付与させるためには、溶媒に溶解あるいは分散させた金属化合物を混合するほうが好ましい。

0055

このようにして得られたゾルを、必要に応じて、限外濾過膜や電気透析等の手法によって洗浄を行ったり、試薬等でpHを調節を行ってもよい。また、特に粉体光触媒を得たい場合には、得られた光触媒ゾルを加熱あるいはフリーズドライなどの公知の手法によって乾燥し、擂潰、粉砕してもよい。

0056

本発明のゾルは、原料酸化チタンゾルの合成初期段階の加水分解時に用いる水あるいは原料とされる四塩化チタン水溶液中に、金属化合物を溶解あるいは分散させることによって得てもよい。ゾルを合成する際に原料として用いられる金属化合物については、先に例示した金属化合物より任意に選択することができる。

0057

本発明のゾルは、分散性が良好であるため、光触媒粒子を有機重合体(例えば樹脂)に混練して含有あるいは複合化したり、表面に付与させることに適している。

0058

ここで、使用できる有機重合体には、熱可塑性樹脂熱硬化性樹脂天然樹脂などが挙げられる。光触媒粒子の分散性が良好であることから、均一に光触媒を含有させることが可能である。また、実質的に塗布したものが透明となる為、基材の意匠性を損なうことなく光触媒機能を表面に付与することも可能である。

0060

本発明の酸化チタンゾルから酸化チタンの薄膜を形成する場合、加水分解反応で生成したゾルを、乾燥粉体を経由することなく、ゾルのまま用いて塗布することが好ましい。

0061

本発明で得られたゾルは、粒子の一次粒子径が小さいと同時に分散性が良好であるので、ゾルの状態で白濁している場合であっても、薄膜を形成した場合には透明なものとできる。

0062

また、このゾルにバインダーを任意に添加して塗工剤となし、各種構造体の表面に塗布することにより、光触媒性構造体を製造することができる。すなわち、塗料、コーティング組成物などの形態で使用できる。

0063

本発明においては、バインダー材料について制限されるものではなく有機系バインダーであっても無機系バインダーであっても良い。有機系バインダーには水溶性のバインダーが挙げられるが、具体例として、ポリビニルアルコール、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、セルロイド、キチン、澱粉シート、ポリアクリルアミドアクリルアミド等が挙げられる。また、無機系バインダーとしてはZr化合物Si化合物Ti化合物Al化合物が例示される。具体的にはオキシ塩化ジルコニウムヒドロキシ塩ジルコニウム硝酸ジルコニウム硫酸ジルコニウム酢酸ジルコニウム炭酸ジルコニウムアンモニウムプロピオン酸ジルコニウム等のジルコニウム化合物アルコキシシラン、アルコキシシランの鉱酸による部分加水分解生成物珪酸塩等の珪素化合物、或いはアルミニウムやTiやジルコニウムの金属アルコキシドやそれらの鉱酸による部分加水分解生成物等が挙げられる。また、アルミニウム、シリコンチタンやジルコニウムのアルコキシドから、複数金属種のアルコキシドを選択して複合化したり加水分解させたものも挙げられる。中でも、アルミニウムアルコキシドチタニウムアルコキシド共加水分解物やアルミニウムアルコキシド−シリコンアルコキシドの共加水分解物が好ましい。

0064

基材が金属やセラミックス、例えばガラス等の耐熱性である場合は酸化チタン薄膜を形成後加温することができ、これによって薄膜は一層強く基材に密着し、薄膜の硬度も上る。加温する温度は、基材の耐熱性に応じて定めればよいが、あまり温度を高くしても薄膜の硬度や基材との密着性は増さず、さらにブルッカイト結晶がルチル結晶に転移してしまい、優れた特性を失うことがあるので800℃以下で硬化することが好ましい。

0065

ただし、150℃を若干下回る程度で硬化できるバインダーを用いた場合、基材が強化ガラスである場合には強化ガラスの特性を損なわせることなく成膜することができ、耐熱性の樹脂であれば塗布、成膜することができる。さらに基材が熱可塑性の樹脂であった場合、その構造意匠性を損なわないためには60℃以下で硬化させることが可能なバインダーを用いて成膜する事が好ましい。昇温硬化時の雰囲気は特に制限されず、大気中でも構わない。加温時間は特に制限はなく、例えば1〜60分の範囲で行えばよい。

0066

本発明の遷移金属化合物を含有する酸化チタンのゾルの場合は、合成時の特殊な熱履歴により、ゾル中の酸化チタン微粒子が高い結晶性を有している点も一つの特長である。

0067

従来、チタンアルコキシド原料や、ペルオキソチタン酸など酸化チタン前駆体を用いて成膜した光触媒膜は、成膜後500℃程度の加温で酸化チタンの結晶を成長させて初めて光触媒能が発揮されるものが多い。それに対して、本発明のゾルは、加温しなくとも、すでにゾルである時点で酸化チタンの結晶性が高く、光触媒能が高く、且つ可視光応答性を持ち、且つ分散性がよいという特徴をあわせ持つ。
すなわち、本発明のゾルに、常温で硬化可能なバインダーを用いれば、プラスチック、紙など、熱に弱い基材に対しても高い光触媒能を有する薄膜を形成しやすいという、従来技術にはない優れた効果を発揮する。

0068

本発明の遷移金属化合物を含有する酸化チタンのゾルを各種の材料、成形体等の基材に塗布することによって、基材の表面に酸化チタン薄膜を容易に形成することができる。基材としてはセラミックス、ガラス、金属、プラスチック、木材、紙等殆ど制限なく対象とすることができる。

0069

基材をアルミナジルコニア等からなる触媒担体とし、これに酸化チタン薄膜の触媒を担持して触媒として使用することもできる。このようにして得られた薄膜に対して、実際の使用の前に、太陽光や、ブラックライトを照射させたり、蛍光灯を非常に高い照度で照射することは、光触媒膜の性能の向上に有効である。理由は定かではないが、光触媒粒子近傍に残留、あるいは大気中から吸着された光触媒作用を阻害する有機物を除去し、触媒粒子露出する働きがあるのではないかと考えられる。

0070

光触媒性や親水性を付与する対象となる物品としては、特に制限されないが、各種建材、蛍光灯、窓ガラス、機械、車両、ガラス製品、家電製品、純水製造器、農業資材、電子機器、工具、食器、風呂用品、トイレ用品、家具、衣類、布製品、繊維、革製品、紙製品、スポーツ用品、美容器具、健康増進器具、医療用具、蒲団、容器、眼鏡、看板、配管、配線、金具、衛生資材、自動車用品などを例示することができる。

0071

また、シックハウス対策や、水・大気・土壌中のPCBやダイオキシン類のような有機塩素化合物の分解、水・土壌中の残留農薬環境ホルモンの分解、温泉の浄化などに有効な環境浄化機器・装置にも応用できる。その際には、あらかじめ遷移金属化合物を含む酸化チタンを樹脂に練りこんだり、繊維に混合したりしたものを物品等成形時の原料に混合したり、また物品上に成膜して使用することも可能であるが、特に限定されない。

0072

上記の中でも、特に蛍光灯に対して本発明を適用した場合、光触媒粒子に対して、紫外線及び可視波長を含む非常に大きい光量のエネルギーを得ることができる。蛍光灯はほぼすべての家庭オフィス店舗その他に普及しているため、室内環境に悪影響を与える有機及び無機物質の濃度の低減に多大な貢献をすることができる。また、純水製造器に用いた場合、本発明の遷移金属化合物を含む酸化チタンは、非常に強い酸化力を持つため、水中に微量に含まれる有機不純物を分解するのに最適である。

0073

また、物品が効果的にその光触媒性や親水性を発現することができる光源として、太陽、蛍光灯、白熱電球水銀ランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ水銀キセノンランプメタルハライドランプ発光ダイオードレーザー、有機物の燃焼炎などを例示することができる。

0074

また蛍光灯としては、紫外線吸収膜付き蛍光灯、白色蛍光灯昼白色蛍光灯昼光色蛍光灯、温白色蛍光灯、電球色蛍光灯、ブラックライト、などを例示することができるが、特にこれらに限定されない。

0075

以下、実施例により具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。

0076

実施例1
(1−1.)酸化チタンゾルの合成
蒸留水908mLを還流冷却器付きの反応槽に装入し、95℃に加温してそれを維持した。攪拌速度を約200rpmに保ちながら、ここに四塩化チタン水溶液(Ti含有量16.5質量%、比重1.52、住友チタニウム(株)製)水溶液92mLを約1mL/minの速度で反応槽に滴下した。このとき、反応液の温度が下がらないように注意した。この結果、四塩化チタン濃度が0.5moL/L(酸化チタン換算4質量%)であった。反応槽中では反応液が滴下直後から、白濁し始めたがそのままの温度で保持を続け、滴下終了後さらに昇温し沸点付近の温度(101℃)で60分間維持した。得られたゾルについて限外濾過膜(旭化成(株)製マイクローザACP−1050孔径約6nm)を用いて洗浄液伝導度が100μS/cmになるまで純水で洗浄を行い、120℃乾燥時における固形分濃度が10質量%になるように濃縮を行った。

0077

得られたサンプルの一部100gをパイレックス(登録商標)製密閉容器に入れ、25℃にて240時間放置し、液面側の90体積%の液をデカンテーションにより取り除き、残留している10体積%分の液を120℃にされた恒温乾燥機の中で24時間かけて乾燥を行った。残留していた下層に分散していたと考えられる1gを減じた固形分は0.2gであり、沈降成分量は全固形分の2質量%であった。2mmの光路長のセルを用いて波長550nmにおいて測った透過率は74%であった。

0078

得られた固形分のBET比表面積をBET比表面積計(Simadzu製FlowSorb2300)を用いて測定したところ150m2/gであった。またこの固形分をめのう乳鉢で粉砕し、粉末X線回折の測定を行った。測定装置としてRigaku−Rint Ultima+を使用した。X線源はCuKα1を使用し、出力は40kV−40mA、発散スリットは1/2°発散制限スリットは10mm、散乱スリットは1/2°、受光スリットは0.15mmで測定を行った。スキャンのステップは0.04°、計数時間は25秒とし、FT条件でのX線回折パターンの測定を行った。得られたX線回折パターンを図1に示す。得られたX線パターンについて、リートベルト解析法を用いて解析すると、ブルッカイト結晶75質量%、アナターゼ結晶20質量%、ルチル結晶5質量%を含む酸化チタンであった。
また透過型電子顕微鏡(JEOL製EM−200CX)で観察したところ、酸化チタンの粒子径は約10nmであった。

0079

(1−2.)酸化チタンゾルと遷移金属化合物(Pt)の混合
このようにして得られた固形分が10質量%含まれる酸化チタンゾル200gを密閉可能なパイレックス(登録商標)製の容器に入れた。一方パイレックス(登録商標)製ビーカーの中にヘキサクロロ白金酸六水和物(関東化学、特級)を0.054g(酸化チタンに対して白金金属換算で0.1質量%)を入れ10gの純水を加え溶解させた。酸化チタンゾルを約200rpmで攪拌しながら、徐々に上記のヘキサクロロ白金六水和物水溶液を滴下していった。30分常温で攪拌の後、限外濾過膜を使用することによって、洗浄液が100μS/cmになるまで洗浄を行い、120℃乾燥時における固形分濃度が10質量%になるように濃縮した。

0080

得られたサンプルの一部100gをパイレックス(登録商標)製密閉容器に入れ、25℃にて240時間放置し、液面側の90体積%の液をデカンテーションにより取り除き、残留している10体積%分の液を120℃にされた恒温乾燥機の中で24時間かけて乾燥を行った。残留していた下層に分散していたと考えられる1gを減じた固形分は0.25gであり、沈降成分量は全固形分の2.5質量%であった。2mmの光路長のセルを用いて波長550nmにおいて測った透過率は66%であった。
得られた固形試料に関してBET比表面積測定、粉末X線回折、リートベルト解析を行ったが、原料である酸化チタンゾルとほぼ同等の値が得られた。

0081

さらに、該固形試料を、フッ化水素酸、硝酸とともにテフロン(登録商標)製密閉容器に入れ、マイクロ波照射装置(Milestone社 mls1200mega)に入れ全溶解させた後、ICP発光分光分析装置(Shimadzu製ICPS−7500)で白金元素の定量を行ったところ、101%(有効数字上位二桁)の収率であった。また透過型電子顕微鏡(JEOL製JEM−200CX)で観察したところ、粒子径は約10nmであった。
X線光電子分光分析装置SSI社 SSI−100X)を用いて光電子スペクトルを測定したところ、Pt4f軌道のピークとして、原料においては現れなかった72.5eVと75.5eVの位置にピークが観察された。

0082

(1−3.)メチレンブルー消色試験
パイレックス(登録商標)製容器に(1−2.)で得られたゾルを1mL入れた。これに100質量ppmメチレンブルー水溶液を1mL加え、さらに純水8mLを加えた。光路長2mmの分光光度測定用セルに、上記で調製した青みを帯びたサンプルを3本に分けて取った。
一つは昼白色蛍光灯(東ライテック(株)社製メロウホワイト(登録商標))を15000ルクスになるように照射し、一つは東芝ライテック社製紫外線吸収膜付き蛍光灯(東芝ライテック(株)社製)を15000ルクスになるように照射し、一つは光なしの環境下におき、時間の経過とともに660nmの透過率の変化からメチレンブルーの分解の度合いを測定した。
ここでのメチレンブルー分解率M(%)は、初期メチレンブルー濃度における透過率をT0(%)、X時間後の透過率をTx(%)、メチレンブルーなしのゾルのみの透過率をTs(%)としたときに、以下のように定義される。
M(%)=(Tx−T0)/(Ts−T0)×100
時間の経過によるメチレンブルー分解率の変化を光源別に表したものを図2に示す。

0083

(1−4.)塩化ヒドロキシジルコニウムを用いた成膜
パイレックス(登録商標)製容器に(1−2.)で得られたゾルを、5mL入れた。塩化ヒドロキシジルコニウム水溶液(酸化ジルコニウム換算で1.5質量%)を5mL加え、10mLのコーティング液を得た。20cm四方清浄ガラス板にこのコーティング液を片面が十分濡れるまで垂らし、垂直に1時間ほど液が切れるまで保持し、150℃に維持された恒温乾燥機中で15分間硬化を行った。

0084

(1−5.)炭酸アンモニウムジルコニウムを用いた成膜
(1−4.)において、塩化ヒドロキシジルコニウムに替えて炭酸アンモニウムジルコニウムを用いたこと以外は(1−4.)に記載と同様な方法で成膜を行った。

0085

(1−6.)アセトアルデヒドガス消臭試験
(1−4.)および(1−5.)で得られたガラスサンプルに対して、アセトアルデヒドガスの消臭試験を行った。ガラスサンプルは光源に応じて3種類準備し、ガラスサンプル及び20体積ppmのアセトアルデヒドガスを含む空気を容量5Lのテドラー(登録商標)バック(ジーエルサイエンス(株)製)中に封入した。
一つには外部から昼白色蛍光灯(東芝ライテック(株)社製メロウホワイト(登録商標)を6000ルクスになるように照射し、一つには紫外線吸収膜付き蛍光灯(東芝ライテック(株)社製)を6000ルクスになるように照射し、一つは暗所に保持した。
時間経過後のテドラー(登録商標)バック内アセトアルデヒド濃度ガス検知管((株)ガステック、92L)で測定した。初期濃度20ppmに対してガスが減少した割合をガス除去率[%]で表1に示した。

0086

(1−7.)鉛筆ひっかき試験及びヘイズ値測定
(1−4.)及び(1−5.)で得られたサンプルに関して、鉛筆ひっかき試験(JIS—K5400)及びヘイズメーター(東京電飾製TC−H3DP)で測ったヘイズ値(値:大きいほど曇りの度合いが大きい)の測定結果を表1に示す。

0087

実施例2
(2−1.)遷移金属化合物を原料に溶解し、酸化チタンを含むゾルを合成
四塩化チタン水溶液92mL中に、あらかじめヘキサクロロ白金酸六水和物を0.108g(酸化チタンに対して白金金属換算で0.1質量%)溶解させて白金含有四塩化チタン水溶液を調製した。この溶液を四塩化チタン水溶液の替わりに用いたこと以外は(1−1.)と同様の方法でゾルを合成した。これにより一段の工程で遷移金属化合物及び酸化チタンを含むゾルを得た。

0088

沈降成分量は全固形分の3質量%であった。2mmの光路長のセルを用いて波長550nmにおいて測定した光透過率は68%であった。
得られた固形分のBET比表面積は145m2/gであった。またこの固形分をめのう乳鉢で粉砕し、粉末X線回折測定を実施し、得られた回折パターンに対してリートベルト解析を行ったところ、ブルッカイト結晶75質量%、アナターゼ結晶15質量%、ルチル結晶10質量%を含んでいた。

0089

白金元素の定量を行ったところ、96%(有効数字上位一桁)の収率であった。光電子スペクトルを測定したところ、原料においては現れなかった72.5eVと75.5eVにピークが観察された。

0090

(2−2.)メチレンブルー消色試験
(1−2.)で得られたゾルに替えて、(2−1.)で得られたゾルを用いたこと以外は(1−3.)と同様な手法により、メチレンブルー消色試験を行った。結果を図2に示す。

0091

(2−3.)塩化ヒドロキシジルコニウムを用いた成膜
(1−2.)で得られたゾルに替えて、(2−1.)で得られたゾルを用いたこと以外は(1−4.)と同様な手法により成膜を行った。
(2−4.)炭酸アンモニウムジルコニウムを用いた成膜
(1−2.)で得られたゾルに替えて、(2−1.)で得られたゾルを用いたこと以外は(1−5.)と同様な手法により成膜を行った。

0092

(2−5.)アセトアルデヒドガス消臭試験
(1−4.)および(1−5.)で得られたサンプルに替えて(2−3.)および(2−4.)で得られたサンプルを用いた以外は、(1−6.)と同様な手法により消臭試験を行った。結果を表1に示す。

0093

(2−6.)鉛筆ひっかき試験及びヘイズ値測定
(1−4.)および(1−5.)で得られたサンプルに替えて(2−3.)及び(2−4.)で得られたサンプルを用いた以外は、(1−7.)と同様な手法により鉛筆ひっかき試験及びヘイズ値の測定を行った。結果を表1に示す

0094

実施例3
(3−1.)酸化チタンゾルの合成
(1−1.)と同様な手法によりブルッカイト含有酸化チタンゾルの合成を行った。

0095

(3−2.)酸化チタンゾルと遷移金属化合物(Fe)の混合
ヘキサクロロ白金酸六水和物(関東化学、特級)を0.054g用いたことに替えて、塩化鉄(関東化学、特級)を0.097g(酸化チタンに対して鉄金属換算で0.1質量%)用いた以外は、(1−2.)と同様な手法により、酸化チタンゾルと金属化合物の混合を行った。

0096

沈降成分量は全固形分の3質量%であった。2mmの光路長のセルを用い、波長550nmにおいて測定した透過率は69%であった。
得られた固形試料に関してBET比表面積測定、粉末X線回折測定、リートベルト解析を行ったが、原料である酸化チタンゾルと同等の結果となった。鉄元素の定量を行ったところ、90%(有効数字上位一桁)の収率であった。

0097

(3−3.)メチレンブルー消色試験
(1−2.)で得られたゾルに替えて、(3−2.)で得られたゾルを用いたこと以外は、(1−3.)と同様な手法により、メチレンブルー消色試験を行った。結果を図2に示す。

0098

(3−4.)塩化ヒドロキシジルコニウムを用いた成膜
(1−2.)で得られたゾルに替えて、(3−2.)で得られたゾルを用いたこと以外は、(1−4.)と同様な手法により成膜を行った。
(3−5.)炭酸アンモニウムジルコニウムを用いた成膜
(1−2.)で得られたゾルに替えて、(3−2.)で得られたゾルを用いたこと以外は、(1−5.)と同様な手法により成膜を行った。

0099

(3−6.)アセトアルデヒドガス消臭試験
(1−4.)および(1−5.)で得られたサンプルに替えて(3−4.)および(3−5.)で得られたサンプルを用いた以外は(1−6.)と同様な手法により消臭試験を行った。結果を表1に示す。

0100

(3−7.)鉛筆ひっかき試験及びヘイズ値測定
(1−4.)および(1−5.)で得られたサンプルに替えて(3−4.)および(3−5.)で得られたサンプルを用いた以外は(1−6.)と同様な手法により鉛筆ひっかき試験及びヘイズ値の測定を行った。結果を表1に示す

0101

実施例4
(4−1.)酸化チタンゾルの合成
(1−1.)と同様な手法によりブルッカイト含有酸化チタンゾルの合成を行った。
(4−2.)酸化チタンゾルと遷移金属化合物(Au)の混合
ヘキサクロロ白金酸六水和物(関東化学、特級)を0.054g用いたことに替えて、テトラクロロ金酸四水和物(関東化学、特級)を0.042g(酸化チタンに対して金金属換算で0.1質量%)を用いたほかは(1−2.)と同様な手法により、酸化チタンゾルと遷移金属化合物の混合を行った。

0102

沈降成分量は全固形分の2質量%であった。2mmの光路長のセルを用い、波長550nmにおいて測定した光透過率は67%であった。
得られた固形試料に関してBET比表面積測定、粉末X線回折、リートベルト解析を行ったが、原料である酸化チタンゾルとほぼ同等の値となった。金元素の定量を行ったところ、91%(有効数字上位一桁)の収率であった。

0103

(4−3.)メチレンブルー消色試験
(1−2.)で得られたゾルに替えて、(4−2.)で得られたゾルを用いたこと以外は(1−3.)と同様な手法により、メチレンブルー消色試験を行った。結果を図2に示す。

0104

(4−4.)塩化ヒドロキシジルコニウムを用いた成膜
(1−2.)で得られたゾルに替えて、(4−2.)で得られたゾルを用いたこと以外は、(1−4.)と同様な手法により成膜を行った。

0105

(4−5.)炭酸アンモニウムジルコニウムを用いた成膜
(1−2.)で得られたゾルに替えて、(4−2.)で得られたゾルを用いたこと以外は(1−5.)と同様な手法により成膜を行った。
(4−6.)アセトアルデヒドガス消臭試験
(1−4.)および(1−5.)で得られたサンプルに替えて(4−4.)および(4−5.)で得られたサンプルを用いた以外は(1−6.)と同様な手法により消臭試験を行った。結果を表1に示す。

0106

(4−7.)鉛筆ひっかき試験及びヘイズ値測定
(1−4.)および(1−5.)で得られたサンプルに替えて(4−4.)および(4−5.)で得られたサンプルを用いた以外は(1−7.)と同様な手法により鉛筆ひっかき試験及びヘイズ値の測定を行った。結果を表1に示す

0107

比較例1
(5−1.)遷移金属化合物を含まないブルッカイト結晶含有酸化チタンゾル
(1−1.)で合成された固形分濃度が10質量%であるブルッカイト含有酸化チタンゾルを比較例1のサンプルとする。

0108

(5−2.)メチレンブルー消色試験
(1−2.)で得られたゾルに替えて、(5−1.)のゾルを用いたこと以外は(1−3.)と同様な手法により、メチレンブルー消色試験を行った。結果を図2に示す。

0109

(5−3.)塩化ヒドロキシジルコニウムを用いた成膜
(1−2.)で得られたゾルに替えて、(5−1.)のゾルを用いたこと以外は(1−4.)と同様な手法により成膜を行った。
(5−4.)炭酸アンモニウムジルコニウムを用いた成膜
(1−2.)で得られたゾルに替えて、(5−1.)のゾルを用いたこと以外は(1−5.)と同様な手法により成膜を行った。

0110

(5−5.)アセトアルデヒドガス消臭試験
(1−4.)および(1−5.)で得られたガラスサンプルに替えて(5−3.)および(5−4.)で得られたガラスサンプルを用いた以外は(1−6.)と同様な手法により消臭試験を行った。結果を表1に示す。

0111

(5−6.)鉛筆ひっかき試験及びヘイズ値測定
(1−4.)および(1−5.)で得られたガラスサンプルに替えて(5−3.)および(5−4.)で得られたガラスサンプルを用いた以外は(1−7.)と同様な手法により鉛筆ひっかき試験及びヘイズ値の測定を行った。結果を表1に示す。

0112

比較例2
(6−1.)遷移金属化合物(Pt)及びアナターゼ結晶含有酸化チタンを含むスラリー
純水500mLにヘキサクロロ白金酸六水和物0.135g(酸化チタンに対して白金金属換算で0.1質量%)を添加し、よく攪拌し、光触媒酸化チタン粒子ST−01(石原産業製)50gを添加した後、次亜りん酸水溶液(50%)7.2mLを加え、ついで90℃で1時間加熱処理を行った。限外濾過膜を使用することによって、洗浄液が100μS/cmになるまで洗浄を行い、固形分が10質量%となるように濃縮しスラリーを得た。

0113

2mmの光路長のセルを用いて波長550nmにおいて測った透過率は30%であった。ただし、セルに導入し、測定している際にも目視で沈降の進行が確認できるので、完全に懸濁させた際の透過率は30%未満であると推測される。沈降成分量は、全固形分の86質量%であった。
得られた固形試料のBET比表面積は300m2/gであった。粉末X線回折結果よりリートベルト解析を行ったが、アナターゼ結晶酸化チタンが100質量%であった。白金元素の定量を行ったところ、89%(有効数字上位一桁)の収率であった。

0114

(6−2.)メチレンブルー消色試験
(6−1.)のスラリーに関しては時間の経過とともに光触媒粒子がメチレンブルーを吸着しながら沈降し、青みを帯びた凝集体が底にたまったため、有意な透過率の変化を測定することができなかった。
(6−3.)塩化ヒドロキシジルコニウムを用いた成膜
(1−2.)で得られたゾルに替えて、(6−1.)で得られたスラリーを用いたこと以外は、(1−4.)と同様な手法により成膜を行った。

0115

(6−4.)炭酸アンモニウムジルコニウムを用いた成膜
(1−2.)で得られたゾルに替えて、(6−1.)で得られたスラリーを用いたこと以外は(1−5.)と同様な手法により成膜を行った。

0116

(6−5.)アセトアルデヒドガス消臭試験
(1−4.)および(1−5.)で得られたガラスサンプルに替えて(6−3.)および(6−4.)で得られたガラスサンプルを用いた以外は、(1−6.)と同様な手法により消臭試験を行った。結果を表1に示す。

0117

(6−6.)鉛筆ひっかき試験及びヘイズ値測定
(1−4.)および(1−5.)で得られたガラスサンプルに替えて(6−3.)および(6−4.)で得られたガラスサンプルを用いた以外は(1−6.)と同様な手法により鉛筆ひっかき試験及びヘイズ値の測定を行った。結果はを表1に示す。

0118

比較例3
(7−1.)遷移金属化合物(Pt)及びアナターゼ結晶含有酸化チタンを含むスラリー
純水500mLにヘキサクロロ白金酸六水和物0.135g(酸化チタンに対して白金金属換算で0.1質量%)を添加し、よく攪拌し、光触媒酸化チタン粒子ST−01(石原産業製)50gを添加した後、90℃で1時間加熱処理を行った。限外濾過膜を使用することによって、洗浄液が100μS/cmになるまで洗浄を行い、固形分が10質量%となるように濃縮しスラリーを得た。

0119

2mmの光路長のセルを用い、波長550nmにおいて測定した光透過率は30%であった。ただし、(6−1)と同様の理由により、完全に懸濁させた際の光透過率は30%未満であると推測される。沈降成分量は、全固形分の83質量%であった。
得られた固形試料のBET比表面積は300m2/g、粉末X線回折測定結果よりリートベルト解析を行ったが、アナターゼ結晶酸化チタンが100質量%であった。白金元素の定量を行ったところ、55%(有効数字上位一桁)の収率であった。

0120

(7−2.)メチレンブルー消色試験
(6−2.)と同様な沈降状態であるため、有意な透過率の変化を測定することができなかった。

0121

(7−3.)塩化ヒドロキシジルコニウムを用いた成膜
(1−2.)で得られたゾルに替えて、(7−1.)で得られたスラリーを用いたこと以外は(1−4.)と同様な手法により成膜を行った。
(7−4.)炭酸アンモニウムジルコニウムを用いた成膜
(1−2.)で得られたゾルに替えて、(7−1.)で得られたスラリーを用いたこと以外は、(1−5.)と同様な手法により成膜を行った。

0122

(7−5.)アセトアルデヒドガス消臭試験
(1−4.)および(1−5.)で得られたガラスサンプルに替えて(7−3.)および(7−4.)で得られたガラスサンプルを用いた以外は、(1−6.)と同様な手法により消臭試験を行った。結果を表1に示す。

0123

(7−6.)鉛筆ひっかき試験及びヘイズ値測定
(1−4.)および(1−5.)で得られたガラスサンプルに替えて(7−3.)および(7−4.)で得られたガラスサンプルを用いた以外は(1−7.)と同様な手法により鉛筆ひっかき試験及びヘイズ値の測定を行った。結果を表1に示す。

0124

比較例4
(8−1.)遷移金属化合物(Fe)及びアナターゼ結晶含有酸化チタンを含むスラリー
ヘキサクロロ白金酸六水和物0.135gに替えて、塩化鉄(関東化学、特級)を0.242g(酸化チタンに対して鉄金属換算で0.1質量%)用いた他は(7−1.)と同様な手法によりスラリーを得た。

0125

2mmの光路長のセルを用い、波長550nmにおいて測った光透過率は31%であった。ただし、(6−1.)と同様な理由により、完全に懸濁させた際の透過率は31%未満であると推測される。沈降成分量は、全固形分の84質量%であった。

0126

得られた固形試料のBET比表面積は300m2/g、粉末X線回折測定結果よりリートベルト解析を行ったが、アナターゼ結晶酸化チタンが100質量%であった。鉄元素の定量を行ったところ、60%(有効数字上位一桁)の収率であった。

0127

(8−2.)メチレンブルー消色試験
(6−2.)と同様な沈降状態であるため、有意な透過率の変化を測定することができなかった。
(8−3.)塩化ヒドロキシジルコニウムを用いた成膜
(1−2.)で得られたゾルに替えて、(8−1.)で得られたスラリーを用いたこと以外は(1−4.)と同様な手法により成膜を行った。

0128

(8−4.)炭酸アンモニウムジルコニウムを用いた成膜
(1−2.)で得られたゾルに替えて、(8−1.)で得られたスラリーを用いたこと以外は(1−5.)と同様な手法により成膜を行った。
(8−5.)アセトアルデヒドガス消臭試験
(1−4.)および(1−5.)で得られたガラスサンプルに替えて(8−3.)および(8−4.)で得られたガラスサンプルを用いた以外は(1−6.)と同様な手法により消臭試験を行った。結果を表1に示す。

0129

(8−6.)鉛筆ひっかき試験及びヘイズ値測定
(1−4.)および(1−5.)で得られたガラスサンプルに替えて(8−3.)および(8−4.)で得られたガラスサンプルを用いた以外は、(1−7.)と同様な手法により鉛筆ひっかき試験及びヘイズ値の測定を行った。結果を表1に示す。

0130

比較例5
(9−1.)遷移金属化合物及びアナターゼ結晶含有酸化チタンを含むスラリー
ヘキサクロロ白金酸六水和物0.135gに替えて、テトラクロロ金四水和物を0.105g(酸化チタンに対して金金属換算で0.1質量%)用いた他は(7−1.)と同様な手法によりスラリーを得た。

0131

2mmの光路長のセルを用いて波長550nmにおいて測った光透過率は30%であった。ただし、(6−1.)と同様な理由により、完全に懸濁させた際の透過率は30%未満であると推測される。沈降成分量は、全固形分の83質量%であった。
得られた固形試料のBET比表面積は300m2/g、粉末X線回折測定結果よりリートベルト解析を行ったが、アナターゼ結晶酸化チタンが100質量%であった。金元素の定量を行ったところ、54%(有効数字上位一桁)の収率であった。

0132

(9−2.)メチレンブルー消色試験
(6−2)と同様な沈降状態であるため、有意な透過率の変化を測定することができなかった。

0133

(9−3.)塩化ヒドロキシジルコニウムを用いた成膜
(1−2.)で得られたゾルに替えて、(9−1.)で得られたスラリーを用いたこと以外は(1−4.)と同様な手法により成膜を行った。

0134

(9−4.)炭酸アンモニウムジルコニウムを用いた成膜
(1−2.)で得られたゾルに替えて、(9−1.)で得られたスラリーを用いたこと以外は(1−5.)と同様な手法により成膜を行った。

0135

(9−5.)アセトアルデヒドガス消臭試験
(1−4.)および(1−5.)で得られたガラスサンプルに替えて、(9−3.)および(9−4.)で得られたガラスサンプルを用いた以外は(1−6.)と同様な手法により消臭試験を行った。結果を表1に示す。

0136

(9−6.)鉛筆ひっかき試験及びヘイズ値測定
(1−4.)および(1−5.)で得られたガラスサンプルに替えて(9−3.)および(9−4.)で得られたガラスサンプルを用いた以外は(1−7.)と同様な手法により鉛筆ひっかき試験及びヘイズ値の測定を行った。結果を表1に示す。

0137

図面の簡単な説明

0138

実施例1の粉末X線回折パターン
メチレンブルーの分解率の時間変化を示すグラフ

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