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技術 酸窒化物の製造方法

出願人 昭栄化学工業株式会社
発明者 投野義和
出願日 2003年9月22日 (16年7ヶ月経過) 出願番号 2003-329795
公開日 2005年4月14日 (15年0ヶ月経過) 公開番号 2005-097011
状態 特許登録済
技術分野 硫黄、窒素等及びそれらの化合物;過化合物 重金属無機化合物(I) 発光性組成物
主要キーワード 半金属窒化物 尿素付加体 酸窒化物粉末 溶融尿素 アモルファス窒化ケイ素 機械的粉砕処理 緩和現象 段加熱
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2005年4月14日)のものです。
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課題

酸化物以外の出発材料を用いて、簡単なプロセスで効率良く酸窒化物を製造することができる酸窒化物の製造方法を提供すること。

解決手段

酸窒化物の製造方法は、少なくとも、金属または半金属化合物の少なくとも1種を、溶融した尿素および/または溶融した尿素誘導体に溶解させて前駆体を形成し、この前駆体を、不活性または還元性雰囲気中で加熱することにより酸窒化物を生成する。ここで、前駆体には、更に、金属窒化物および/または半金属窒化物が分散されていてもよい。また、前駆体には、更に、アルカリ土類金属化合物が溶解されていてもよく、更にまた、付活剤として機能する金属の化合物が溶解されていてもよい。

概要

背景

防災照明信号灯等のように高い信頼性が要求される分野や、車載照明液晶バックライトのように小型軽量化が要求される分野、行き先案内板等のように視認性が要求される分野等では、白色LEDが使用されることが多くなっている。このような白色LEDに使用する蛍光体として、青色半導体発光ダイオード(以下、「青色LED」と称す)の青色光により励起されて黄色または橙色に発光する酸窒化物蛍光体が適していることは良く知られている。

酸窒化物の製造方法としては、酸窒化物を構成する複数の金属または半金属酸化物粉末窒化物粉末とを原料とし、これを所定の割合で混合した後、所定時間、高温条件下で反応させるという、いわゆる「高温固相反応」が知られている。しかしながら、高温固相反応による製造方法では、均質組成を有する酸窒化物が生成され難いので、均質な組成の酸窒化物を得るために高温で長時間、加熱処理を行わなければならない、という問題があった。例えば、特開2002−363554号公報(特許文献1参照)には、高温固相反応によって形成された酸窒化物蛍光体が開示されているが、ここでは、原料として窒化物粉末と酸化物粉末とを用い、これらを20MPaの加圧下、1700℃の高温条件下で処理して酸窒化物蛍光体を製造することが記載されている。また、高温固相反応によって形成された酸窒化物から微細粒子を得るためには粉砕処理を行うことが必要であるが、粉砕処理中の機械的衝撃により、粉砕後の粒子は、その表面及び内部に種々の欠陥が発生し、輝度が低下する、という問題があった。

また、例えば、特開2002−154823号公報(特許文献2参照)には、金属酸化物と、常温金属酸化物表面吸着する尿素化合物とを混合し、この混合物を加熱することによって酸窒化物を製造する方法が記載されている(例えば、特許文献2参照)。この方法によれば、原料の酸化物粉末と尿素化合物とを混合し、酸化物表面に尿素化合物を吸着させた状態で、比較的低い温度で加熱することにより、原料酸化物内へ窒素侵入させることができ、これによって酸化物酸素の一部が窒素で置換されて酸窒化物を形成することができる、と記載されている。しかしながら、原料として使用する酸化物は、一般的に窒化されにくいため、仮に表面近傍は窒化されて酸窒化物が形成されたとしても、その内部は窒化されないという欠点があった。更に、2種類以上の金属元素または半金属元素から成る複合体の酸窒化物を製造することは困難であった。
特開2002−363554号公報
特開2002−154823号公報

概要

酸化物以外の出発材料を用いて、簡単なプロセスで効率良く酸窒化物を製造することができる酸窒化物の製造方法を提供すること。 酸窒化物の製造方法は、少なくとも、金属または半金属の化合物の少なくとも1種を、溶融した尿素および/または溶融した尿素誘導体に溶解させて前駆体を形成し、この前駆体を、不活性または還元性雰囲気中で加熱することにより酸窒化物を生成する。ここで、前駆体には、更に、金属窒化物および/または半金属窒化物が分散されていてもよい。また、前駆体には、更に、アルカリ土類金属化合物が溶解されていてもよく、更にまた、付活剤として機能する金属の化合物が溶解されていてもよい。 なし

目的

本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、本発明は、酸化物以外の出発材料を用いて、簡単なプロセスで効率良く酸窒化物を製造することができる新規な酸窒化物の製造方法を提供することを目的とする。更にまた、組織的に極めて均質な、2種類以上の金属元素および/又は半金属元素を構成成分として有する酸窒化物を製造することができる酸窒化物の製造方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

少なくとも、金属または半金属化合物の少なくとも1種を、溶融した尿素および/または溶融した尿素誘導体に溶解させて前駆体を形成し、該前駆体を、不活性または還元性雰囲気中で加熱することにより酸窒化物を生成することを特徴とする酸窒化物の製造方法。

請求項2

前記前駆体には、更に、金属窒化物および/または半金属窒化物が分散されていることを特徴とする請求項1に記載の酸窒化物の製造方法。

請求項3

前記金属または半金属の化合物がアルミニウム化合物であり、前記金属窒化物および/または半金属窒化物が窒化ケイ素であり、生成される酸窒化物がサイアロンであることを特徴とする請求項2に記載の酸窒化物の製造方法。

請求項4

前記前駆体には、更に、アルカリ土類金属化合物が溶解されていることを特徴とする請求項3に記載の酸窒化物の製造方法。

請求項5

前記前駆体には、更に、付活剤として機能する金属の化合物が溶解されており、生成される酸窒化物がサイアロン蛍光体であることを特徴とする請求項3または4に記載の酸窒化物の製造方法。

請求項6

前記アルカリ土類金属化合物がカルシウム成分を含有することを特徴とする請求項4または5に記載の酸窒化物の製造方法。

請求項7

前記金属窒化物および/または半金属窒化物がアモルファス状であることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載の酸窒化物の製造方法。

請求項8

前記加熱が、一段階または二段階で行われることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の酸窒化物の製造方法。

請求項9

前記加熱が、二段階で行われ、第一段目の加熱温度は第二段目の加熱温度よりも低いことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の酸窒化物の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、酸窒化物の製造方法に関し、特に、白色発光ダイオード(以下、「白色LED」と称す)に使用する蛍光体としての酸窒化物の製造方法に関する。

背景技術

0002

防災照明信号灯等のように高い信頼性が要求される分野や、車載照明液晶バックライトのように小型軽量化が要求される分野、行き先案内板等のように視認性が要求される分野等では、白色LEDが使用されることが多くなっている。このような白色LEDに使用する蛍光体として、青色半導体発光ダイオード(以下、「青色LED」と称す)の青色光により励起されて黄色または橙色に発光する酸窒化物蛍光体が適していることは良く知られている。

0003

酸窒化物の製造方法としては、酸窒化物を構成する複数の金属または半金属酸化物粉末窒化物粉末とを原料とし、これを所定の割合で混合した後、所定時間、高温条件下で反応させるという、いわゆる「高温固相反応」が知られている。しかしながら、高温固相反応による製造方法では、均質組成を有する酸窒化物が生成され難いので、均質な組成の酸窒化物を得るために高温で長時間、加熱処理を行わなければならない、という問題があった。例えば、特開2002−363554号公報(特許文献1参照)には、高温固相反応によって形成された酸窒化物蛍光体が開示されているが、ここでは、原料として窒化物粉末と酸化物粉末とを用い、これらを20MPaの加圧下、1700℃の高温条件下で処理して酸窒化物蛍光体を製造することが記載されている。また、高温固相反応によって形成された酸窒化物から微細粒子を得るためには粉砕処理を行うことが必要であるが、粉砕処理中の機械的衝撃により、粉砕後の粒子は、その表面及び内部に種々の欠陥が発生し、輝度が低下する、という問題があった。

0004

また、例えば、特開2002−154823号公報(特許文献2参照)には、金属酸化物と、常温金属酸化物表面吸着する尿素化合物とを混合し、この混合物を加熱することによって酸窒化物を製造する方法が記載されている(例えば、特許文献2参照)。この方法によれば、原料の酸化物粉末と尿素化合物とを混合し、酸化物表面に尿素化合物を吸着させた状態で、比較的低い温度で加熱することにより、原料酸化物内へ窒素侵入させることができ、これによって酸化物酸素の一部が窒素で置換されて酸窒化物を形成することができる、と記載されている。しかしながら、原料として使用する酸化物は、一般的に窒化されにくいため、仮に表面近傍は窒化されて酸窒化物が形成されたとしても、その内部は窒化されないという欠点があった。更に、2種類以上の金属元素または半金属元素から成る複合体の酸窒化物を製造することは困難であった。
特開2002−363554号公報
特開2002−154823号公報

発明が解決しようとする課題

0005

本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、本発明は、酸化物以外の出発材料を用いて、簡単なプロセスで効率良く酸窒化物を製造することができる新規な酸窒化物の製造方法を提供することを目的とする。更にまた、組織的に極めて均質な、2種類以上の金属元素および/又は半金属元素を構成成分として有する酸窒化物を製造することができる酸窒化物の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明の酸窒化物の製造方法は、少なくとも、金属または半金属の化合物の少なくとも1種を、溶融した尿素および/または溶融した尿素誘導体に溶解させて前駆体を形成し、該前駆体を、不活性または還元性雰囲気中で加熱することにより酸窒化物を生成することを特徴とする。ここで、前記前駆体には、更に、金属窒化物および/または半金属窒化物が分散されていてもよい。また、前記金属または半金属の化合物がアルミニウム化合物であり、前記金属窒化物および/または半金属窒化物が窒化ケイ素であって、サイアロンを生成することができる。この場合、前記前駆体には、更に、アルカリ土類金属化合物が溶解されていることが好ましい。また、前記前駆体に、更に、付活剤として機能する金属の化合物が溶解されていて、サイアロン蛍光体を生成することができる。

発明の効果

0007

本発明の酸窒化物の製造方法によれば、酸化物以外の出発材料を用いて、簡単なプロセスで効率良く酸窒化物を製造することができる。特に、例えば、サイアロンのように2種類以上の金属元素および/または半金属元素を成分として含む酸窒化物を製造する場合に本発明の製造方法を適用すると、均一な組成で優れた特性を有する生成物を、比較的低温で、かつ、容易に製造することができる。

発明を実施するための最良の形態

0008

以下に、本発明の酸窒化物を製造する方法の一例を具体的に説明する。
まず、尿素および/または尿素誘導体(以下、「尿素等」と称すこともある)をこれらの融点以上の温度まで加熱して、溶融状態にする。ただし、加熱温度が高すぎると別の生成物が生ずる場合があるので、尿素等が溶解し、かつ、後述する金属または半金属の化合物等を添加した後も溶融状態を所定時間保持することができる程度の温度とすることが好ましい。例えば、尿素を用いる場合、その融点は132℃であるので、それより若干高めの温度まで加熱すれば充分である。

0009

溶融状態にする尿素誘導体としては、尿素窒化原子への各種有機基置換体としての尿素化合物、あるいは、カーバメイト化合物、尿素錯化合物尿素付加体化合物等の各種のものを使用することができる。溶融状態にする尿素等としては、入手のしやすさや取扱いの容易さ等の点から、尿素が好適なものとして用いられる。

0010

次に、最終生成物の構成成分となる、溶融した尿素および/または尿素誘導体(以下、「溶融尿素等」と称す)に溶解する金属または半金属の化合物の少なくとも1種を、溶融尿素等に溶解して前駆体を形成する。この金属または半金属の化合物としては、溶融尿素等に溶解することができれば特に限定されるものではないが、例えば、Ca、Mg、Sr、Ba等のアルカリ土類金属元素、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Yb等の希土類金属元素、および、Ti、Cu、Ag、Zr、Mn、B、In、Bi、Si、Al、Ga、Ge、Znを含む金属の化合物や半金属の化合物、等を使用することができる。

0011

この様にして得られた前駆体を、例えば放冷し乾燥させて固体状にする。この固体状のものを、必要に応じて機械的に粉砕し、加熱炉を用いて加熱し、酸窒化物を生成する。加熱炉としては、バッチ炉ベルト炉管状炉ロータリーキルン等、公知のものを使用することができる。ただし、加熱は不活性雰囲気または還元性雰囲気のもとで行う必要がある。加熱温度、加熱時間等の諸条件は目的の酸窒化物を生成し得る様な条件を選択する。例えば、酸窒化アルミニウムを生成する場合、1,350℃〜1,600℃で0.5時間〜12時間程度の加熱を行えばよい。

0012

本発明の酸窒化物の製造方法においては、金属または半金属の化合物の少なくとも1種の他に、更に、金属窒化物および/または半金属窒化物を、溶融尿素等に添加し混合して前駆体となすことができる。当該前駆体を上記と同様な方法で加熱すれば、二種類以上の金属元素および/または半金属元素を構成成分として含む酸窒化物(以下、「複合酸窒化物」と称すこともある)を生成することが出来る。金属窒化物または半金属窒化物としては、溶融尿素等の中に均一に分散することができるものであれば使用することが出来る。また、金属窒化物または半金属窒化物としてアモルファス状のものを採用すれば、結晶質のものを使用した場合と比較して、比較的低温で酸窒化物を生成することができる。

0013

例えば、上述の複合酸窒化物を製造する方法において、上記金属の化合物としてアルミニウム化合物(例えば、AlCl3)を選択し、上記金属窒化物または半金属窒化物としてアモルファス窒化ケイ素を選択して前駆体を形成し、この前駆体を加熱すれば、サイアロンを生成することが出来る。
ここで前駆体には、更にアルカリ土類金属化合物が溶解されていてもよい。使用されるアルカリ土類金属化合物としては、Ca、Mg、Sr、Ba等のアルカリ土類金属元素を含むものが挙げられる。

0014

また、上記サイアロンを製造する方法において、更に付活剤として機能する金属の化合物を溶解させて前駆体を形成し、この前駆体を加熱すればサイアロン蛍光体を生成することができる。付活剤として機能する金属の化合物としては、溶融尿素等に溶融するものであれば特に制限はなく、例えば、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Yb等の希土類金属元素の塩化物の1種または2種以上を使用することが出来る。

0015

このように、本発明の酸窒化物の製造方法は複成分系の酸窒化物を形成するのに適しており、発光特性の優れたサイアロン蛍光体を形成するのに特に適している。従来から、例えばβ−サイアロン蛍光体の製造方法として、Si3N4とAl2O3、AlN、希土類酸化物、及び、必要に応じてアルカリ土類酸化物を、窒素雰囲気中、高温で長時間反応させる方法が知られている。しかしながら、これは背景技術の説明において記載した通り、高温・高圧下での加熱処理及び機械的粉砕処理等を必要とするものである。一方、本発明の酸窒化物(サイアロン蛍光体)の製造方法によれば、所望の化合物の所定量を溶融尿素等の中に溶解もしくは分散させて形成した前駆体を比較的低温で加熱するという極めて簡単な処理で、優れた特性を有するサイアロン蛍光体粉末を効率良く生成することができる。

0016

更に、本発明の酸窒化物(サイアロン蛍光体)の製造方法によれば、加熱温度、反応容器材質添加物の種類等を調整することにより、α-サイアロン、β-サイアロン、あるいは、それらの混合相を任意に生成することができる。具体的には、加熱温度を比較的低温にし、添加するアルカリ土類金属化合物としてMgあるいはCaを含むものを選択し、蓋付カーボン製あるいはモリブデン製加熱反応容器を採用すれば、α相が支配的なサイアロン蛍光体が得られる。一方、加熱温度を比較的高温にし、添加するアルカリ土類金属としてBaを選択し、アルミナ製あるいはカーボン製の加熱反応容器を採用すれば、β-サイアロン単相の蛍光体とすることができる。なお、本発明によって製造されたα-サイアロンは、熱及び機械的性質に優れ、励起エネルギーが失われる原因となる熱的緩和現象を抑えることが出来る。従って、α-サイアロンは温度上昇に伴う発光強度現象が少なくなり、使用可能な温度領域が従来の蛍光体と比べて広くなる。更に、α-サイアロンは、化学的定性にも優れ、耐候性に優れている。

0017

本発明において、酸窒化物(上述した生成物)を得る場合、いずれの生成物の製造方法においても、中性雰囲気あるいは還元ガス雰囲気中、一段の加熱(焼成)で目的の生成物を形成してもよいし、複数段に分けて加熱(焼成)することにより目的とする生成物を得てもよい。例えば、2段階で加熱すれば、1段階の加熱では得られない特性を有する生成物を得ることができる。加熱温度、加熱時間等の条件は目的とする生成物の種類及び要求されている特性に応じて適宜設定すればよいが、目安としては、1段加熱の場合には、1,200〜1,700℃の範囲内の温度で0.5〜12時間の範囲から条件を設定すればよい。また、2段加熱の場合には、第2段目の加熱温度を第1段目の加熱温度よりも高く設定することが望ましく、例えば、第1段目の加熱を、約300〜900℃、好ましくは約400〜800℃の範囲内の温度で、約0.5時間〜4時間の範囲内で行い、第2段目の加熱を、約1,200〜1,650℃、好ましくは1,350〜1,600℃の範囲内の温度で、約0.5時間〜6時間の範囲内で行えばよい。複数段の加熱は、より均一な組成の生成物を再現性よく得ることができる点で有利である。

0018

特に、蛍光体を目的生成物とする場合には、複数段加熱を採用し、その条件を適切に設定することにより、良好な発光特性を有する蛍光体を得ることが出来る。例えば、水素ガスを含有する窒素雰囲気中で、第1段目を500℃で、第2段目を1500℃で焼成することで、より蛍光強度が強く特性の優れた蛍光体を生成することができる。

0019

上記いずれの生成物を得る場合にも有効な他の加熱手段として、機械的に粉砕した前駆体粉末を、望ましくは粒度調整した後、気相中に分散させた状態で加熱することにより、微細かつ粒子径の揃った結晶性の高い酸窒化物粉末を得ることが出来る。特に、特願2002−230595号に記載されている方法が好ましい。

0020

更に他の加熱手段として、噴霧熱分解法を利用しても良い。すなわち、液体状の前駆体を超音波式二流体ノズル方式等の噴霧器や他の霧化手段を用いて、微細な液滴とし、これを不活性雰囲気または還元性雰囲気条件下で加熱し、前駆体を分解、反応させて、微細かつ粒径の揃った酸窒化物粉末を得ることが出来る。なお、上述の製造例においては、溶融状態にした尿素等に金属または半金属の化合物等を溶解または分散させる方法を述べたが、予め尿素等と金属または半金属の化合物等を混合してから加熱して尿素等を溶融しても良い。

0021

以上詳細に説明したように、本発明の酸窒化物の製造方法によれば、酸化物を原材料として使用せず、また前駆体として酸化物が生成されることもないので、比較的低温条件下で、均質な酸窒化物、特に複合酸窒化物が簡単に製造でき、更に、原材料としてアモルファス状の金属窒化物あるいは半金属窒化物を用いることにより、結晶質のものを使用する場合と比較して、比較的低温で酸窒化物を生成することが出来る。

0022

以下に実施例を用いて、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。

実施例1
尿素を132℃で溶融して溶融尿素を得た。この溶融尿素20g中に、GaCl3を4.89g添加し、溶解させた後、放冷して固形の前駆体を生成した。得られた前駆体を、機械的に粉砕した後、蓋付きカーボンボート内に載置し、窒素雰囲気中で、横型シリコニット炉により900℃で0.5時間加熱を行い、薄片状のGa(O,N)を生成した。

0023

実施例2
尿素を132℃で溶融し、溶融尿素を得た。この溶融尿素120g中に、EuCl3・6H2Oを2.41g、AlCl3・6H2Oを14.3g、及び、CaCl2を1.17g添加し、溶解させ、更に、アモルファス構造のSi3N4粉末を12g添加し、攪拌して均一に分散させた。これを放冷して、元素モル比がCa:Eu:Al:Si=0.5:0.25:1.5:10.5の固体酸窒化物前駆体を生成した。得られた前駆体を、機械的に粉砕した後、蓋付きカーボンボート内に載置し、4%のH2/N2雰囲気下で、シリコニット炉により1400℃で2時間加熱を行った。得られた粉末状の生成物をX線回折分析したところ、α-サイアロン単相であった。また、得られた生成物の結晶径は約1μm〜約16μmであった。このサイアロンは分光蛍光光度計日立製F-4500型)に内蔵するXeランプの400nm励起光により発光し波長590nmにピークを有する、優れた蛍光体であった。このサイアロン蛍光体について、大気中、700℃および900℃の2条件でそれぞれ1時間加熱し、その後の発光強度を測定することにより、耐熱性の評価を行った。加熱処理後の発光強度は加熱処理前の発光強度と比較して、約5%程度、最大でも10%程度の劣化に留まった。

0024

実施例3
実施例2において、1段加熱を2段加熱に変更した以外は、実施例2と同様にして、サイアロン蛍光体を作製した。すなわち、実施例2と同様にして得られた前駆体を、蓋付きカーボンボートに載置し、4%のH2/N2雰囲気中、約500℃で1時間、加熱を行った後、粉砕した。これを更に、蓋なしカーボンボートに載置し、4%のH2/N2雰囲気中、約1500℃で1時間、加熱を行い、粉末状のサイアロン蛍光体を作製した。得られたサイアロン蛍光体はα-サイアロン単相であった。また、この結晶の結晶径はD50で約10μmであり、六角柱状の結晶であることを電界放射走査型電子顕微鏡(FE—SEM)によって確認した。このサイアロン蛍光体について、大気中、700℃および900℃の2条件でそれぞれ1時間加熱し、その後の発光強度を測定することにより、耐熱性の評価を行った。加熱処理後の発光強度は加熱処理前の発光強度と比較して、約5%程度、最大でも10%程度の劣化に留まった。

0025

実施例3によって生成されたサイアロン蛍光体は、実施例2により得られたサイアロン蛍光体よりも、蛍光スペクトル半値幅が狭く、ピーク位置は10nm程度長波長側へシフトしており、発光強度は約20%向上していることがわかった。すなわち、1段焼成よりも2段焼成によって生成した酸窒化物蛍光体の方が、蛍光特性において優れていた。

0026

すなわち、本発明によれば、比較的低い温度で酸窒化物を生成することができ、得られた酸窒化物は、高品質であり、かつ耐熱性、耐久性に優れたものである。

0027

本発明により得られた酸窒化物は、白色LEDに使用する蛍光体として用いられる。従って、白色LEDの使用が期待される照明、携帯電話等の液晶のバックライト等に適用される。

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