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技術 接着剤を用いた光学基板の接合方法および装置

出願人 株式会社ニコン
発明者 米澤徳則中村徹
出願日 2003年9月16日 (15年0ヶ月経過) 出願番号 2003-323148
公開日 2005年4月7日 (13年5ヶ月経過) 公開番号 2005-091595
状態 未査定
技術分野 光学要素の取付・調整 回折格子、偏光要素、ホログラム光学素子 偏光要素 ガラスの接着
主要キーワード 低粘性接着剤 上下方向移動機構 非密着状態 記録表示装置 右側ガイド 入射レンズ面 接合効果 加熱硬化型接着剤
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (5)

課題

薄くて脆い光学基板を破損させることなく、かつ接着層にアワ干渉縞のない状態で、接合する方法および装置を提供する。

解決手段

接着剤14を介して2枚の光学基板5、6を接合する光学基板の接合方法であって、光学基板5、6を、両者の間隙12に充填された未硬化の接着剤14を介して、上下方向に重なるように保持する第1のプロセス(S4)と、第1のプロセス(S4)により上下方向に重なるように保持された光学基板5に対する保持状態解除して、接着剤14を、光学基板5の重さで更に押し広げる第2のプロセス(S5)と、第2のプロセス(S5)により更に押し広げられた、接着剤14を硬化させる第3のプロセスと、を有する。

概要

背景

顕微鏡デジタルカメラ等の光学機器部品として用いられる光学素子レンズプリズム、および、ローパスフィルタ等)は、複数のガラス等の部材を接合して形成される場合が多い。下に示す特許文献1には、接着剤を介さずに複数の部材を押圧して接合することにより光学素子を形成する技術が開示されている。また、下に示す特許文献2〜3および非特許文献1には、部材の接合面に接着剤を塗布し複数の部材を接合することにより光学素子を形成する技術が開示されている。

下に示す非特許文献1では、接合に使用する接着剤を充分に脱泡している。しかし、接合作業中に周りの空気を巻き込み、微小な泡が入ることがある。このため、接合工程では、基板密閉容器に格納し、接合する基板を、接着剤を介して重ね合わせた後、ポンプ等の吸気により密閉容器内を減圧する。この減圧による接着剤とその外部との圧力差により、接着剤内の微小な泡を接着剤から脱泡する。そして、下に示す特許文献2では、減圧を維持したままで、基板を載せた台板振動させて基板を加振し、接着層のアワ出しを促進する作業を行なっている。また、下に示す特許文献3では、基板を押して接着層のアワ出しを促進する作業を行なっている。

特開2001−302287号公報

特開2001−274538号公報

特開平9−198720号公報

久本 方 著 「ガラスの精密加工」工業技術全書(株)誠久堂新光社 P.104 (第1表 「接合」の段)

概要

薄くて脆い光学基板を破損させることなく、かつ接着層にアワや干渉縞のない状態で、接合する方法および装置を提供する。接着剤14を介して2枚の光学基板5、6を接合する光学基板の接合方法であって、光学基板5、6を、両者の間隙12に充填された未硬化の接着剤14を介して、上下方向に重なるように保持する第1のプロセス(S4)と、第1のプロセス(S4)により上下方向に重なるように保持された光学基板5に対する保持状態解除して、接着剤14を、光学基板5の重さで更に押し広げる第2のプロセス(S5)と、第2のプロセス(S5)により更に押し広げられた、接着剤14を硬化させる第3のプロセスと、を有する。

目的

本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、薄くて脆い光学基板を破損させることなく、かつ接着層にアワや干渉縞のない状態で、光学基板を接合する方法および装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

接着剤を介して2枚の光学基板接合する光学基板の接合方法であって、前記2枚の光学基板を、両者の間隙充填された未硬化の前記接着剤を介して、上下方向に重なるように保持する第1のプロセスと、前記第1のプロセスにより上下方向に重なるように保持された前記2枚の光学基板のうちの上側に位置する光学基板に対する保持状態解除して、前記接着剤を、前記上側に位置する光学基板の重さで押し広げる第2のプロセスと、前記第2のプロセスにより押し広げられた、前記接着剤を硬化させる第3のプロセスと、を有することを特徴とする光学基板の接合方法。

請求項2

請求項1に記載の光学基板の接合方法であって、前記接着剤の粘度が100cps以下であることを特徴とする光学基板の接合方法。

請求項3

請求項1または2に記載の基板の接合方法であって、前記接着剤が紫外線硬化型の接着剤であることを特徴とする光学基板の接合方法。

請求項4

請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光学基板の接合方法により接合された2枚の光学基板を有する光学素子

請求項5

接着剤を介して2枚の光学基板を接合する光学基板の接合装置であって、一方の光学基板の両端を保持することで前記一方の光学基板を水平に保持する第1の保持手段と、未硬化の前記接着剤が塗布された他方の光学基板が載置されることで前記他方の光学基板を水平に保持する第2の保持手段と、前記接着剤を硬化する硬化手段と、を有し、前記第1の保持手段は、前記一方の光学基板が前記第2の保持手段で保持されている前記他方の光学基板と所定の位置で上下方向に重なるように、前記一方の光学基板を水平方向に移動する移動機構を有し、且つ、前記一方の光学基板の両端の保持状態を解除することができ、前記第2の保持手段は、前記他方の光学基板が、前記第1の保持手段で保持されている前記一方の光学基板の下側に間隙を介して配置されるように、前記他方の光学基板を垂直方向に移動する移動機構を有することを特徴とする光学基板の接合装置。

請求項6

請求項5に記載の光学基板の接合装置であって、前記接着剤は、紫外線硬化型接着剤であり、前記接着剤硬化機構は、前記上側基板あるいは前記下側基板から、前記接着剤に紫外線を均等に照射する紫外線照射光学系であることを特徴とする光学基板の接合装置。

技術分野

0001

本発明は、光学用平面基板接合する技術に係り、特に、接着剤による接合を行なう技術に関する。

背景技術

0002

顕微鏡デジタルカメラ等の光学機器部品として用いられる光学素子レンズプリズム、および、ローパスフィルタ等)は、複数のガラス等の部材を接合して形成される場合が多い。下に示す特許文献1には、接着剤を介さずに複数の部材を押圧して接合することにより光学素子を形成する技術が開示されている。また、下に示す特許文献2〜3および非特許文献1には、部材の接合面に接着剤を塗布し複数の部材を接合することにより光学素子を形成する技術が開示されている。

0003

下に示す非特許文献1では、接合に使用する接着剤を充分に脱泡している。しかし、接合作業中に周りの空気を巻き込み、微小な泡が入ることがある。このため、接合工程では、基板密閉容器に格納し、接合する基板を、接着剤を介して重ね合わせた後、ポンプ等の吸気により密閉容器内を減圧する。この減圧による接着剤とその外部との圧力差により、接着剤内の微小な泡を接着剤から脱泡する。そして、下に示す特許文献2では、減圧を維持したままで、基板を載せた台板振動させて基板を加振し、接着層のアワ出しを促進する作業を行なっている。また、下に示す特許文献3では、基板を押して接着層のアワ出しを促進する作業を行なっている。

0004

特開2001−302287号公報

0005

特開2001−274538号公報

0006

特開平9−198720号公報

0007

久本 方 著 「ガラスの精密加工」工業技術全書(株)誠久堂新光社 P.104 (第1表 「接合」の段)

発明が解決しようとする課題

0008

しかし、接合を行なう光学基板が薄い場合、光学基板を振動させる、あるいは、光学基板に押圧を加える際に光学基板に破損(ワレ)が発生することがある。特に、光学基板に用いられるニオブ酸リチウムなどの結晶材料や、ガラス製カラーフィルタ等は、脆いため割れやすく接合が難しい。また、加振あるいは押圧による接合によって、接合面にムラができ、干渉縞が発生し、光学性能に悪影響を与えることがある。

0009

本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、薄くて脆い光学基板を破損させることなく、かつ接着層にアワや干渉縞のない状態で、光学基板を接合する方法および装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

前記目的を達成するために、請求項1に係る発明の光学基板の接合方法は、接着剤を介して2枚の光学基板を接合する光学基板の接合方法であって、前記2枚の光学基板を、両者の間隙充填された未硬化の前記接着剤を介して、上下方向に重なるように保持する第1のプロセスと、前記第1のプロセスにより上下方向に重なるように保持された前記2枚の光学基板のうちの上側に位置する光学基板に対する保持状態解除して、前記接着剤を、前記上側に位置する光学基板の重さで押し広げる第2のプロセスと、前記第2のプロセスにより押し広げられた、前記接着剤を硬化させる第3のプロセスと、を有することを特徴とする光学基板の接合方法である。

0011

請求項2に係る発明の光学基板の接合方法は、請求項1に記載の光学基板の接合方法であって、前記接着剤の粘度が100cps以下であることを特徴とする。

0012

請求項3に係る発明の光学基板の接合方法は、請求項1または2に記載の光学基板の接合方法であって、前記接着剤が紫外線硬化型の接着剤であることを特徴とする。

0013

請求項4に係る発明の光学素子は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光学基板の接合方法により接合された2枚の光学基板を有する光学素子である。

0014

請求項5に係る発明の光学基板の接合装置は、接着剤を介して2枚の光学基板を接合する光学基板の接合装置であって、一方の光学基板の両端を保持することで前記一方の光学基板を水平に保持する第1の保持手段と、未硬化の前記接着剤が塗布された他方の光学基板が載置されることで前記他方の光学基板を水平に保持する第2の保持手段と、前記接着剤を硬化する硬化手段と、を有し、前記第1の保持手段は、前記一方の光学基板が前記第2の保持手段で保持されている前記他方の光学基板と所定の位置で上下方向に重なるように、前記一方の光学基板を水平方向に移動する移動機構を有し、且つ、前記一方の光学基板の両端の保持状態を解除することができ、前記第2の保持手段は、前記他方の光学基板が、前記第1の保持手段で保持されている前記一方の光学基板の下側に間隙を介して配置されるように、前記他方の光学基板を垂直方向に移動する移動機構を有することを特徴とする。

0015

請求項6に係る発明の光学基板の接合装置は、請求項5に記載の光学基板の接合装置であって、前記接着剤は、紫外線硬化型接着剤であり、前記接着剤硬化機構は、前記上側基板あるいは前記下側基板から、前記接着剤に紫外線を均等に照射する紫外線照射光学系であることを特徴とする。

発明の効果

0016

本発明によれば、薄くて脆い光学基板を破損させることなく、かつ接着層にアワや干渉縞のない状態で、接合する方法および装置を提供することができる。

発明を実施するための最良の形態

0017

以下、本発明の実施形態について、説明する。

0018

先ず、本発明の第1実施形態について説明する。

0019

図1は、本発明の第1実施形態が適用された低粘性UV接着剤を用いた光学基板の接合装置の概略構成図である。図1(A)は上面図を、図1(B)は前面図を示している。

0020

本実施形態の光学用平面基板の接合装置100は、2枚の光学基板の一方を上側(上側基板5とする)に、他方を下側(下側基板6とする)に配置して両者を接合する。接合装置100は、左側から上側基板5を保持し、また、左右に移動させる左側ガイド部101と、右側から上側基板5を保持し、また、左右に移動させる右側ガイド部102と、下側基板6を保持し、また、上下方向に移動させる下側基板保持部103と、を備えて構成される。

0021

左側ガイド部101は、上側基板保持用薄板7a、基板保持用ガイド3a、ガイド移動ツマミ11a、および、ガイド保持台2a、を備えて構成される。上側基板保持用薄板7aの一端近傍では、基板保持用ガイド3aの一端と、薄板固定部15aで、固定されている。上側基板保持用薄板7aの他端近傍の上面である基板保持部16aは接合対象の上側基板5の下面と接し、上側基板5を下から保持している。基板保持用ガイド3aは、ガイド保持台2a上に載置され、図示していない左側水平移動機構によって、上側基板保持用薄板7aを伴って、ガイド保持台2a上を左右に移動する。ガイド移動ツマミ11aは、左側水平移動機構に連動し、ツマミの回転方向と回転量によって、左側水平移動機構による基板保持用ガイド3aの水平移動方向と水平移動量とを調節する。

0022

右側ガイド部102は、上側基板保持用薄板7b、基板保持用ガイド3b、ガイド移動ツマミ11b、および、ガイド保持台2b、を備えて構成される。上側基板保持用薄板7bの一端近傍では、基板保持用ガイド3bの一端と、薄板固定部15bで、固定されている。上側基板保持用薄板7bの他端近傍の上面である基板保持部16bは接合対称の上側基板5の下面と接し、上側基板5を下から保持している。基板保持用ガイド3bは、ガイド保持台2b上に載置され、図示していない右側水平移動機構によって、上側基板保持用薄板7bを伴って、ガイド保持台2b上を左右に移動する。ガイド移動ツマミ11bは、右側水平移動機構に連動し、ツマミの回転方向と回転量によって、右側水平移動機構による基板保持用ガイド3bの水平移動方向と水平移動量とを調節する。

0023

なお、左側水平移動機構と右側水平移動機構とは、ガイド移動ツマミ11a、bにより連動させることが可能である。連動した場合は、左側水平移動機構と右側水平移動機構とによる水平移動方向、および、水平移動量は同じとなる。この機構は、接合対象である上下基板5、6の外形合わせの際に用いられる。

0024

また、奥行き方向の外形合わせは、手前側と上下基板5、6の奥からそれぞれ上下基板5、6を接触可能なくさび形ピンにより突き合わせることにより可能となる。

0025

また、下側基板保持部103は、Z軸ステージ保持台1、Z軸ステージ部4、保持用台座17、Z軸ステージ調整ツマミ8、マイクロメータ部9、および、Z軸ステージ調整軸10を備えて構成される。また、Z軸ステージ部4の中心部直上には、紫外線(UV)を照射する紫外線照射装置13(不図示)が設けてある。接合対象である下側基板6は、Z軸ステージ部4上の保持用台座17に、上側基板5と対向するように、載置される。

0026

下側基板保持部103は、Z軸ステージ保持台1内に、上下方向移動機構を有している。この機構は、Z軸ステージ保持台1上に載置されたZ軸ステージ部4、Z軸ステージ部4上の保持用台座17、保持用台座17に水平に設置された接合対象の下側基板6を一体として、上下方向に移動させる。移動量の調整は、上下方向移動機構に連動し、Z軸ステージ調整軸10と同軸上で、その末端に取り付けられたZ軸ステージ調整ツマミ8と、Z軸ステージ保持台1とZ軸ステージ調整ツマミ8との間に装着されたマイクロメータ部9によって、行なわれる。

0027

次に、本実施形態の光学用平面基板の接合装置100の作動部について、図2を用いて説明する。

0028

ユーザは、Z軸ステージ調整ツマミ8を回転させ、上下方向移動機構により、Z軸ステージ部4、保持用台座17、および、下側基板6を一体として、Z軸方向に上下動させることができる。なお、Z軸ステージ調整ツマミ8は、時計回りの方向(矢印f)に回転させることで、Z軸ステージ部4、保持用台座17、および、下側基板6を、Z軸の+方向(矢印e)に移動するように設定してある。更に、ユーザは、マイクロメータ部9を微調整することで、Z軸ステージ部4、保持用台座17、および、下側基板6の上下動を微調整することができる。これにより、基板間隙部12のZ軸方向の間隔を微調整することができる。なお、Z軸ステージ調整ツマミ8およびマイクロメータ部9にはストッパー機能付属しており、ユーザは一度設定した基板間隙部12(図1参照)のZ軸方向の間隔を維持することができる。

0029

また、ユーザは、下側基板6の上面が上側基板保持用薄板7a、7bの下面に接する状態になるまで、Z軸ステージ部4、保持用台座17、および、下側基板6を、Z軸の+方向(矢印e)に移動させることができる。その際、保持用台座17と基板保持用ガイド3a、3bとが接触しないように、左側ガイド部101、右側ガイド部102、および、下側基板保持部103の各々の高さと、Z軸の+方向(矢印e)への可動範囲が設定されている。

0030

左側ガイド部101は、ガイド移動ツマミ11aを備えている。ユーザは、ガイド移動ツマミ11aを回転させ、左側水平移動機構により、基板保持用ガイド3aと、薄板固定部15aで一端が基板保持用ガイド3aに固定された上側基板保持用薄板7aと、を左右方向に移動させることができる。なお、ガイド移動ツマミ11aは、反時計回り(矢印c)に回転させることで、基板保持用ガイド3aおよび上側基板保持用薄板7aを、左方向(矢印a)に移動させることができるように設定されている。

0031

同様に、右側ガイド部102は、ガイド移動ツマミ11bを備えている。ユーザは、ガイド移動ツマミ11bを回転させ、右側水平移動機構により、基板保持用ガイド3bと、一端が薄板固定部15bで基板保持用ガイド3bに固定された上側基板保持用薄板7bとを左右方向に移動させることができる。なお、ガイド移動ツマミ11bは、時計回りの方向(矢印d)に回転させることで、基板保持用ガイド3aおよび上側基板保持用薄板7aを、左方向(矢印b)に移動させることができるように設定されている。

0032

また、図2に示すように、紫外線照射装置13は、上側基板5に対し均等に紫外線を照射できる位置に設置されている。

0033

次に、本実施形態の光学用平面基板の接合装置100を用いた上側基板5と下側基板6との接合のプロセスを、図3を用いて説明する。

0034

図3(A)のステップ1(S1)で、ユーザは、接合装置100の保持用台座17上に、下側基板6を設置する。なお、本実施形態においては、下側基板6の厚みは、0.15mm程度とした。

0035

次に、図3(B)のステップ2(S2)で、ユーザは、低粘度UV硬化型接着剤14を、ディスペンサーを用いて保持用台座17上の下側基板6の上面に、塗布する。本実施形態においては、接着剤14として、3種類の市販の低粘度UV硬化型接着剤を使用し、接合結果を比較している(後述)。

0036

次に、図3(C)のステップ3(S3)で、ユーザは、基板保持用ガイド3a、3bと、上側基板保持用薄板7a、7bとの配置を調整し、上側基板5と下側基板6とが平行で且つ対向した位置となるように両者を配置する。本実施形態では、上側基板5の厚みを0.234mm程度とした。また、上側基板保持用薄板7a、7bの厚みは、0.04〜0.1mmとした。

0037

図3(D)のステップ4(S4)で、ユーザは、下側基板6の上面に塗布された接着剤14が上側基板5の下面に接触するまで、Z軸ステージ4、保持用台座17、および、下側基板6をZ軸+方向(矢印e)に移動させる。そして、上側基板6と下側基板5とを完全に密着せずに非密着状態(両基板5、6に圧力をかけずに、両基板5、6が接着剤14に接した状態)にする。非密着状態を保つことにより、基板間隙部12において、未硬化の低粘性UV硬化接着剤14内にある微小な泡を脱泡する。なお、未硬化の低粘性UV硬化接着剤14は、押圧のかからない非密着状態であっても、その低粘性により水平方向に広がり、低粘性UV硬化接着剤14内の脱泡を促進する。

0038

そして、一定時間経過し脱泡の確認後に、上側基板5と下側基板6とがZ軸方向から見て重なるように、仮の外形合わせを行なう。外形合わせでは、左側ガイド部101および右側ガイド部102に各々備わった右側水平移動機構と左側水平移動機構とをガイド移動ツマミ11a、bにより連動させて、上側基板5の水平位置を調節する。

0039

図3(E)のステップ5(S5)では、ユーザは、ガイド移動ツマミ11aを回転させて、基板保持用ガイド3aおよび基板保持用ガイド3aにその一端が固定された上側基板保持用薄板7aを、左方向(矢印a)にスライドさせる。同様に、ユーザは、ガイド移動ツマミ11bを回転させて、基板保持用ガイド3bおよび基板保持用ガイド3bにその一端が固定された上側基板保持用薄板7bを、右方向(矢印b)にスライドさせる。このスライド動作を、上側基板保持用薄板7a、7bと上側基板5とが接する部分(基板保持部16a、16b)がなくなる、つまり、上側基板保持用薄板7a、7bが上側基板5を保持しなくなるまで続ける。

0040

このスライド動作により上側基板5は上側基板保持用薄板7a、7bからの保持を失い、その自重のみで接着剤14に圧接する。その際に未硬化の低粘性UV硬化接着剤14は、上側基板5の自重によって押し広げられ、基板間隙部12内を満たす。また、下側基板6は、上側基板5および接着剤14の重量によって、接着剤14に圧接する。この状態で、ユーザは、上側基板5と下側基板6との外形合わせを行なう。外形合わせでは、ステップ4(S4)と同様に、左側ガイド部101および右側ガイド部102に各々備わった右側水平移動機構と左側水平移動機構とをガイド移動ツマミ11a、bにより連動させて、上側基板5の水平位置を調節する。

0041

次に、紫外線照射装置13は、紫外線(UV)を、上側基板5を通して低粘性UV硬化接着剤14に対し、照射する。紫外線により低粘性UV硬化接着剤14は硬化し、上側基板5および下側基板6は、硬化した低粘性UV硬化接着剤14を介して接合する。

0042

以上、本実施形態における接合装置100を用いた上側基板5および下側基板6の接合プロセスを説明した。

0043

次に、表1に、本実施形態の接合装置100に対し異なる3種類の低粘性UV硬化接着剤14を別々に適用し、上側基板5と下側基板6とを接合させた場合の、接合結果を示した。具体的には、図3(E)のステップ5(S5)で、紫外線による低粘性UV硬化接着剤14の硬化を充分に行ない、不図示の観察系により接着剤14を介して接合した上下基板5、6と基板間隙部12の硬化した接着剤14とを観察した。そして、干渉縞の有無と接合面(基板間隙部12の硬化した接着剤14)における泡の有無とを接合結果として表1に示した。

0044

また、従来の装置(従来の、上下基板5および6に押圧を加え脱泡しながら接合する装置)に、上記の異なる3種類の低粘性UV硬化接着剤14を別々に適用した場合を、比較のために表1に表示した。

0045

0046

表1の第1列は、3種類のUV硬化接着剤14の名称製品コード製造社名を示している。第2列は、接着剤14の粘度を単位CPS(Centi−Poises:1cps=1/100 g・cm/sec)で、表している。第3列は、本実施形態の接合装置100の利用の有無を示している。本実施形態の接合装置100を利用した場合を「使用」とし、従来の装置を利用した場合を「未」とした。第4列は、第1列に示した低粘性UV硬化型接着剤14を硬化させて接合した上側基板5に、干渉縞が観測されるか否かを示している。干渉縞が観察される場合を×印とし、観察されない場合を○印とした。第5列は、同様に、接合面(基板間隙部12)に泡が観察されるか否かを示している。泡が観察される場合を×印とし、観察されない場合を○印とした。第6列は、3種類の低粘度UV硬化型接着剤14を硬化させて上下基板5および6を接合した場合の総合評価を示している。干渉縞と接合面泡とのいずれかが観察される場合を×印とし、干渉縞と接合面泡とが共に観察されない場合を○印とした。

0047

表1のタイトル行に続く1、2行目が示すように、ハードロック商標登録)は、3種類の接着剤14の中で最も粘度が高い(275cps)。 ハードロック(商標登録)を使用した場合、上下基板5および6の接合に従来の装置を利用すると、干渉縞および接合面泡の双方が観測された。一方、上下基板5および6の接合に本実施形態の接合装置100を利用すると、干渉縞は観察されず、接合面泡は観察された。

0048

表1の3、4行目は、接着剤14としてA−1421D(粘度100cps)を利用した場合の接合結果を示している。表1の3行目が示すように、従来の装置を用いて接合した場合は、干渉縞と接合面泡の双方が観察された。一方、表1の4行目が示すように、接合にA−1421Dと本実施形態の接合装置100を利用した場合は、干渉縞と接合面泡の双方とも観察されなかった。

0049

表1の5、6行目に、接着剤14としてオプトクレープUT−20:粘度 8〜10cps)を利用した場合の接合結果を示している。表1の5行目が示すように、従来の装置を用いて接合した場合は、干渉縞と接合面泡の双方が観察された。一方、表1の6行目が示すように、本実施形態の接合装置100を利用し手接合した場合は、干渉縞と接合面泡の双方とも観察されなかった。

0050

上より、本実施形態の接合装置100と粘度100cps以下の低粘度UV硬化型接着剤とを用いて上側基板5と下側基板6とを接合した場合、干渉縞および接合面泡の双方を抑制できる効果があることが分かった。

0051

なお、本実施形態では、低粘度UV硬化型接着剤14の粘度の下限値を、オプトクレープ(UT−20)の粘度8〜10cpsとしている。この下限値は、接着剤14からの脱泡効果と基板5、6の接合効果とのバランスにより定めるのが望ましい。例えば、粘度が低すぎると脱泡効率は高いが、接着剤が容易に水平方向に流動し、基板が相互に接触することがありえる。

0052

また、本実施形態は光学基板を接合する方法である。したがって、低粘度UV硬化型接着剤14を光が透過する。よって、光学的性質劣化を避けるため、低粘度UV硬化型接着剤14は、硬化した状態で、等方性均質、かつ透過効率が高いものが好ましい。

0053

以上、本発明の第1実施形態について説明した。

0054

次に、本発明の第2実施形態について説明する。

0055

本発明の第2実施形態の光学撮像系200は、本発明の第1実施形態の接合装置100によって接合された複数の光学基板からなる光学ローパスフィルタを構成要素としている。

0056

図4は、本発明の第2実施形態が適用された光学撮像系200の概略構成を示す断面図である。本発明の第2実施形態が適用された光学撮像系200は、平行光20、光軸23、その光軸23と同軸に並ぶ投影レンズ21、光学ローパスフィルタ24、撮像素子(CCD)群25、信号処理装置26、および、記録・表示装置27を備えて構成される。

0057

入射レンズ面22は、投影レンズ21の、光軸23上にある不図示の光源に対向する側の面である。

0058

また、光学ローパスフィルタ24は、結晶方位の異なるニオブ酸リチウム結晶から複屈折板IRカットフィルタが設けられたガラス基板の3層構造となっており、第1実施形態の接合装置100と低粘度UV硬化型接着剤14によって接合されたこれら複数の光学基板からなる光学素子である。複数の光学基板とその間に封入された低粘度UV硬化型接着剤14によって、光学ローパスフィルタ24に入射した光は、その高周波成分が反射減衰する。なお、各光学基板の厚さは、最もレンズ寄りのニオブ酸リチウム結晶板では0.015mm、次にレンズ寄りのニオブ酸リチウム結晶板では0.23mm、最もCCD群25寄りのIRカットフィルタが設けられたガラス基板は0.3mmである。

0059

撮像素子(CCD)群25は、投影レンズ21と光学ローパスフィルタ24からなる光学系の片側焦点位置に設置されている。

0060

信号処理装置26は、CCD群25で光学信号から変換された電気信号を受信・処理し、映像信号とする処理回路を有する。

0061

記録表示装置27は、信号処理装置26から送られた映像信号を表示するモニタコマンド入力用キーボードメモリ等の記録媒体とを有する。

0062

上記構成の撮像光学系において、投影レンズ21へ入射面22から入射した光束20は、投影レンズ21内で屈折出射する。投影レンズ21を出射した光束20は、光学ローパスフィルタ24に入射し、光学ローパスフィルタ24でその高周波成分を失い、撮像素子(CCD)群25上で焦点を結ぶ。信号処理装置26は、各CCDで光学信号から変換された電気信号を受信・処理し、映像信号として、記録表示装置27に出力する。

0063

記録表示装置27は、信号処理装置26から送られた映像信号をモニタに表示し、また、メモリ等の記録媒体に記録する。

0064

以上、第2実施形態の光学撮像系200は、第1実施形態の接合装置によって接合された光学ローパスフィルタを適用することにより、小型化され且つ光学性能が高い、光学撮像系が提供できる。

0065

以上、本発明の各実施形態を説明した。

0066

上記の第1実施形態によれば、押圧や加振をせずに上側基板の自重により低粘度接着剤を押し広げ、上下基板を接合する構成とする。この構成により、上下基板が薄い場合であっても、上下基板を破損させることなく接合ができる。また、押圧や加振をしないことで、上下基板の歪、傾きを抑えることができ、干渉縞の発生等、光学性能の劣化を避けることができる。

0067

また、下側基板に接着剤を塗布し、別の機構で保持された上側基板と、下側基板に塗布された接着剤とを接触させる。そして、その接触した状態(非密着状態)を一定時間保持する。この構成により、接合面における、より確実な脱泡ができる。

0068

また、接着剤として低粘性接着剤を利用することで、上下基板が接着剤に接触した後に接着剤が水平方向に広がりやすい。よって、接着剤の水平方向への流動に伴って、接着剤内に含まれる泡の脱泡が促進されるという効果がある。

0069

また、本発明の第2実施形態によれば、第1実施形態の接合装置によって接合された光学ローパスフィルタを適用することにより、小型化され且つ光学性能が高い、光学撮像系が提供できる。

0070

なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。例えば、上記第1実施形態において低粘性UV型接着剤の代わりに、低粘性の可視光硬化型あるいは加熱硬化型接着剤を用いてもよい。この構成により、接着剤を硬化させる手段が増え、接合装置100の構成を柔軟に変更できる。したがって、更なるコストの削減、小型化等が可能な接合装置100を提供できる。

0071

また、上記の第1実施形態では、紫外線が上側基板5を通して均等に低粘性UV硬化型接着剤14に照射される位置に、紫外線照射装置13を設置した。しかし、紫外線が均等に低粘性UV硬化型接着剤14に照射されるのであれば、紫外線照射装置13の設置位置を、上記実施形態における設置位置に限定しなくともよい。例えば、紫外線が、下側基板6を通して均等に低粘性UV硬化型接着剤14に照射される位置に、紫外線照射装置13を設置してもよい。このような構成とすることで、更なる低コスト化、小型化等が可能な接合装置100を提供できる。

0072

また、上記の第2実施形態において、光学ローパスフィルタ24の代わりに、第1実施形態の接合装置100により接合した偏光板あるいは偏光フィルタを適用してもよい。

図面の簡単な説明

0073

図1は第1実施形態の(A)上面図、(B)正面図である。
図2は第1実施形態の作動部分の説明図である。
図3は第1実施形態における接合プロセスの説明図である。
図4は第2実施形態の概略構成図である。

符号の説明

0074

1…Z軸ステージ保持台、2a、2b…ガイド保持台、3a、3b…基盤保持用ガイド、4…Z軸ステージ、5…上側基板、6…下側基板、7a、7b…上側基板保持用薄板、8…Z軸ステージ調整ツマミ、9…マイクロメータ部、10…Z軸ステージ調整軸、11a、11b…ガイド調整ツマミ、12…基板間隙部、13…紫外線照射装置、14…接着剤、15a、15b…薄板固定部、16a、16b…基盤保持部、17…保持用台座、
100…接合装置、101…左側ガイド部、102…右側ガイド部、103…下側基板保持部

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