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技術 防腐殺菌剤並びに該防腐殺菌剤を配合した化粧料、医薬品及び食品

出願人 株式会社マンダム
発明者 岡本裕也岡田文裕
出願日 2003年8月26日 (16年0ヶ月経過) 出願番号 2003-301851
公開日 2005年3月17日 (14年6ヶ月経過) 公開番号 2005-068095
状態 特許登録済
技術分野 非アルコール性飲料 食品の保存(凍結・冷却・乾燥を除く) 化粧料 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 化合物または医薬の治療活性 非環式または炭素環式化合物含有医薬 洗浄性組成物 農薬・動植物の保存 医薬品製剤
主要キーワード 使用濃度範囲 生活者 黄色ブドウ状球菌 ネールエナメル 防腐殺菌剤 使用制限 パーマネントウェーブ剤 等量混合物
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2005年3月17日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (3)

課題

従来の1,2−アルカンジオールやN−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチルピロリドンカルボン酸塩を用いた防腐殺菌剤は、パラベン安息香酸類等の防腐殺菌剤の配合量を低減又は排除させるために、1,2−アルカンジオールやN−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチルピロリドンカルボン酸塩を併用していたが、1,2−アルカンジオールやN−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチルピロリドンカルボン酸塩が本来有する抗菌力をさらに増強させようとする試みは全くなされていなかった。

解決手段

炭素数5〜10の1,2−アルカンジオールとN−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチルピロリドンカルボン酸塩とを含有することによって、相乗的に増強された抗菌力を有する防腐殺菌剤を提供する。

概要

背景

化粧品医薬部外品を含む)、医薬品及び食品などには、防腐殺菌剤として、パラベン安息香酸類サリチル酸類等が用いられている。しかしながら、上記した従来の防腐殺菌剤は皮膚刺激性が高いなど安全性が低いため、使用濃度範囲が制限されやすいといった欠点を有していた。例えば、パラベンや安息香酸塩使用制限濃度は1%、安息香酸サリチル酸の使用制限濃度は0.2%とされている。また、これら防腐殺菌剤はpHによる影響を受け易いため、防腐殺菌効果の安定性が悪く、界面活性剤などの他の配合成分との併用によりその防腐殺菌効果が著しく低下する場合があるといった問題も有していた。また、近年これらの防腐殺菌剤に対してアレルギー反応を起こす人が増えているために生活者の安全性に対する指向がより強まり、これら防腐殺菌剤を全く配合していないか、或いはその配合量を低減させた化粧料、医薬品及び食品の需要が高まっている。

そこで、1,2−アルカンジオールを用いた防腐殺菌剤に関する技術として、1,2−アルカンジオールが大腸菌黄色ブドウ状球菌等に対して抗菌力を有することが報告されている(特許文献1参照)。また、1,2−アルカンジオールと他の防腐殺菌力を有する物質とを併用した技術としては、1,2−ペンタンジオール2−フェノキシエタノールからなる外用組成物(特許文献2参照)、1,2−アルカンジオールとパラベンからなる防腐殺菌剤(特許文献3参照)、1,2−アルカンジオールとヒノキチオールからなる外用組成物(特許文献4参照)等が開示されている。

一方、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチルピロリドンカルボン酸塩も、抗菌力を有することが知られており、他の防腐殺菌力を有する物質と併用する技術としては、ヒノキチオールと併用した化粧品(特許文献5)が開示されている。

特開平11−322591号公報
特開平10−53510号公報
特開平11−310506号公報
特開2001−48781号公報
特開平8−157322号公報

概要

従来の1,2−アルカンジオールやN−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチルピロリドンカルボン酸塩を用いた防腐殺菌剤は、パラベンや安息香酸類等の防腐殺菌剤の配合量を低減又は排除させるために、1,2−アルカンジオールやN−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチルピロリドンカルボン酸塩を併用していたが、1,2−アルカンジオールやN−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチルピロリドンカルボン酸塩が本来有する抗菌力をさらに増強させようとする試みは全くなされていなかった。炭素数5〜10の1,2−アルカンジオールとN−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチルピロリドンカルボン酸塩とを含有することによって、相乗的に増強された抗菌力を有する防腐殺菌剤を提供する。 なし

目的

本発明は前記従来技術に鑑みてなされたものであって、1,2−アルカンジオールとN−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチルピロリドンカルボン酸塩とを有効成分として共に用いると、1,2−アルカンジオール及びN−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチルピロリドンカルボン酸塩が本来有する抗菌力を相乗的に増強することができる防腐殺菌剤並びに該防腐殺菌剤を配合した化粧料、医薬品及び食品を提供することを課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

次式1(化1)に示される炭素数5〜10の1,2−アルカンジオールと、次式2(化2)に示されるN−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチルピロリドンカルボン酸塩とを含有することを特徴とする防腐殺菌剤。(但し、nは2〜7の整数を示す。)(但し、RCOはヤシ油脂肪酸残基を示す。)

請求項2

前記1,2−アルカンジオールが、1,2−ヘキサンジオール及び/又は1,2−オクタンジオールであることを特徴とする請求項1に記載の防腐殺菌剤。

請求項3

前記1,2−アルカンジオールが、1,2−オクタンジオールであることを特徴とする請求項1に記載の防腐殺菌剤。

請求項4

請求項1乃至3のいずれかに記載の防腐殺菌剤を配合していることを特徴とする化粧品医薬品または食品

技術分野

0001

本発明は、防腐殺菌剤並びに該防腐殺菌剤を配合した化粧料医薬品及び食品に関する。より具体的には、炭素数5〜10の1,2−アルカンジオールとN−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチルピロリドンカルボン酸塩とを共に有効成分として含有することにより、1,2−アルカンジオール及びN−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチルピロリドンカルボン酸塩が本来有する抗菌力相乗的に増強する防腐殺菌剤並びに該防腐殺菌剤を配合した化粧料、医薬品及び食品に関する。

背景技術

0002

化粧品医薬部外品を含む)、医薬品及び食品などには、防腐殺菌剤として、パラベン安息香酸類サリチル酸類等が用いられている。しかしながら、上記した従来の防腐殺菌剤は皮膚刺激性が高いなど安全性が低いため、使用濃度範囲が制限されやすいといった欠点を有していた。例えば、パラベンや安息香酸塩使用制限濃度は1%、安息香酸サリチル酸の使用制限濃度は0.2%とされている。また、これら防腐殺菌剤はpHによる影響を受け易いため、防腐殺菌効果の安定性が悪く、界面活性剤などの他の配合成分との併用によりその防腐殺菌効果が著しく低下する場合があるといった問題も有していた。また、近年これらの防腐殺菌剤に対してアレルギー反応を起こす人が増えているために生活者の安全性に対する指向がより強まり、これら防腐殺菌剤を全く配合していないか、或いはその配合量を低減させた化粧料、医薬品及び食品の需要が高まっている。

0003

そこで、1,2−アルカンジオールを用いた防腐殺菌剤に関する技術として、1,2−アルカンジオールが大腸菌黄色ブドウ状球菌等に対して抗菌力を有することが報告されている(特許文献1参照)。また、1,2−アルカンジオールと他の防腐殺菌力を有する物質とを併用した技術としては、1,2−ペンタンジオール2−フェノキシエタノールからなる外用組成物(特許文献2参照)、1,2−アルカンジオールとパラベンからなる防腐殺菌剤(特許文献3参照)、1,2−アルカンジオールとヒノキチオールからなる外用組成物(特許文献4参照)等が開示されている。

0004

一方、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチルピロリドンカルボン酸塩も、抗菌力を有することが知られており、他の防腐殺菌力を有する物質と併用する技術としては、ヒノキチオールと併用した化粧品(特許文献5)が開示されている。

0005

特開平11−322591号公報
特開平10−53510号公報
特開平11−310506号公報
特開2001−48781号公報
特開平8−157322号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、従来の1,2−アルカンジオールやN−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチルピロリドンカルボン酸塩を用いた防腐殺菌剤に関する技術は、パラベンや安息香酸類等の防腐殺菌剤の配合量を低減又は排除させるために、1,2−アルカンジオールやN−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチルピロリドンカルボン酸塩を併用するものであって、1,2−アルカンジオールやN−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチルピロリドンカルボン酸塩が本来有する抗菌力をさらに増強させようとする試みは全くなされていなかった。

0007

本発明は前記従来技術に鑑みてなされたものであって、1,2−アルカンジオールとN−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチルピロリドンカルボン酸塩とを有効成分として共に用いると、1,2−アルカンジオール及びN−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチルピロリドンカルボン酸塩が本来有する抗菌力を相乗的に増強することができる防腐殺菌剤並びに該防腐殺菌剤を配合した化粧料、医薬品及び食品を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0008

即ち、請求項1に係る発明は、次式1(化1)に示される炭素数5〜10の1,2−アルカンジオールと、次式2(化2)に示されるN−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチルピロリドンカルボン酸塩とを含有することを特徴とする防腐殺菌剤に関する。

0009

(但し、nは2〜7の整数を示す。)

0010

(但し、RCOはヤシ油脂肪酸残基を示す。)
請求項2に係る発明は、前記1,2−アルカンジオールが、1,2−ヘキサンジオール及び/又は1,2−オクタンジオールであることを特徴とする請求項1に記載の防腐殺菌剤に関する。
請求項3に係る発明は、前記1,2−アルカンジオールが、1,2−オクタンジオールであることを特徴とする請求項1に記載の防腐殺菌剤に関する。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の防腐殺菌剤を配合していることを特徴とする化粧品、医薬品または食品に関する。

発明の効果

0011

本発明によれば、1,2−アルカンジオール及びN−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチルピロリドンカルボン酸塩の本来有する抗菌力が相乗的に増強された防腐殺菌剤並びに該防腐殺菌剤を配合した化粧料、医薬品及び食品を提供することができる。

発明を実施するための最良の形態

0012

以下、本発明に係る防腐殺菌剤について詳述する。本発明に係る防腐殺菌剤は、1,2−アルカンジオールとN−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチルピロリドンカルボン酸塩を有効成分として含有する。
本発明に係る防腐殺菌剤の第一の成分は、次式3(化3)に示される炭素数5〜10の1,2−アルカンジオールであり、具体的には、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ノナンジオール、1,2−デカンジオールである。

0013

(但し、nは2〜7の整数を示す。)

0014

本発明では、前述の炭素数5〜10の1,2−アルカンジオールのうちの一種を単独で使用することもでき、二種以上を混合して用いることもできる。
1,2−アルカンジオールはそれ自体優れた抗菌力を有しており、本発明に係る防腐殺菌剤の抗菌力を高める効果を奏する。特に本発明では、一般細菌酵母などに対して優れた抗菌作用を示すことから、炭素数5〜10の1,2−アルカンジオールのうち、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオールを用いることが好ましく、1,2−オクタンジオールを用いることがより好ましい。

0015

本発明に係る防腐殺菌剤の第二の成分は、次式4(化4)に示されるN−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチルピロリドンカルボン酸塩である。

0016

(但し、RCOはヤシ油脂肪酸残基を示す。)
N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチルピロリドンカルボン酸塩は、L−アルギニンとヤシ油脂肪酸との縮合物エタノールエステル化し、DL−ピロリドンカルボン酸塩としたものである。このような市販のN−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチルピロリドンカルボン酸塩としては、商品CAE登録商標、味の素株式会社製)を例示することができる。

0017

本発明に係る防腐殺菌剤において、第一の成分である炭素数5〜10の1,2−アルカンジオールと第二の成分であるN−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチルピロリドンカルボン酸塩の含有量は特に限定されないが、重量比で1:10〜10:1、好ましくは1:5〜5:1となるように配合する。1,2−アルカンジオールをN−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチルピロリドンカルボン酸塩の配合量の10重量倍を超えて配合すると、またN−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチルピロリドンカルボン酸塩を1,2−アルカンジオールの配合量の10重量倍を超えて配合すると、共に抗菌活性増強効果が期待できなくなるために好ましくない。

0018

本発明に係る防腐殺菌剤は、第一の成分である1,2−アルカンジオールと、第二の成分であるN−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチルピロリドンカルボン酸塩を含有するから、後述する試験に示されるように、第一の成分と第二の成分との相乗効果によって、一般細菌、カビなどの菌に対して相乗的に増強された防腐殺菌作用が発揮される。従って、パラベン、安息香酸、サリチル酸のような以前から用いられている防腐殺菌剤を低配合又は配合する必要がなくなり、極めて高い安全性を得ることもできる。

0019

上述した本発明に係る防腐殺菌剤は、化粧品、医薬品及び食品などに配合して使用することができる。
具体的には、洗顔料化粧水乳液クリームファンデーションマスカラネールエナメル口紅などの皮膚用化粧料シャンプーヘアトリートメント養毛育毛料ヘアクリームヘアローションヘアフォームパーマネントウェーブ剤などの頭髪用化粧料、しみやそばかすなどの特定の使用目的を有した薬用化粧料(医薬部外品)、にきび治療薬うがい薬トローチなどの医薬品、さらにはチューインガムキャンディー、飲料などの食品に好適に用いることができる。

0020

本発明に係る防腐殺菌剤を用いて化粧品、医薬品又は食品を調製する場合、本発明の効果が損なわれない範囲内で化粧品、医薬品又は食品に通常用いられる成分を適宜任意に配合することができる。例えば、化粧品や医薬品(医薬部外品を含む)の場合、油脂、ロウ類高級脂肪酸低級アルコール高級アルコールステロール脂肪酸エステル保湿剤、界面活性剤、高分子化合物無機顔料色素香料酸化防止剤紫外線吸収剤ビタミン類収斂剤美白剤動植物抽出物金属イオン封鎖剤精製水などを例示することができる。
また食品の場合は、動植物油多糖類甘味料着色料ガムベースなどを例示することができる。
化粧品、医薬品又は食品を調製する場合、本発明に係る防腐殺菌剤の配合量は特に限定されないが、組成物中、0.01〜20重量%、好ましくは0.05〜5重量%配合する。20重量%を超えて配合したとしてもそれ以上の効果が望めない。また0.01重量%未満の場合は、抗菌効果が劣るために好ましくない。

0021

殺菌力テスト
供試菌は、黄色ブドウ状球菌(Staphylococcus aureus IFO13276)及びクロカビ(Aspergillus niger IFO9455)を用いた。

0022

接種菌液の調製)
接種用菌液としては、黄色ブドウ状球菌の場合、寒天培地で、35℃で培養後、更にブイヨン培地移植して、35℃で培養した。得られた培養液をブイヨン培地で約108個/mlに希釈したものを接種用菌液とした。
また、クロカビの場合は、25℃で培養後にTween 80(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート)0.2%加生理食塩水胞子を懸濁させ約106個/mlに調製したものを接種用菌液とした。

0023

被験物質希釈系列の調製)
20w/w%エチルセルソルブ希釈溶媒とし、5w/v%の1,2−オクタンジオール液(母液)を調製した。この母液を倍倍希釈して、10段階希釈系列を調製した。
また、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチルピロリドンカルボン酸塩(商品名CAE、登録商標、味の素株式会社製)及び1,2−オクタンジオールとN−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチルピロリドンカルボン酸塩の等重量混合物についても、同様にして、それぞれ10段階希釈系列を調製した。

0024

最小発育阻止濃度MIC)の測定)
上記被研物質を含む希釈系列を加えた各寒天培地をシャーレに入れ、それぞれについて、上記接種用菌液を約1cmの長さに画線した。
培養は、黄色ブドウ状球菌については、35℃で培養を行い、2日後の菌の生育の有無を判定した。また、クロカビについては、25℃で培養を行い、3日後の菌の生育の有無を判定した。このとき、生育の認められなかった最小濃度をMICとして求めた。その結果、黄色ブドウ状球菌については、1,2−オクタンジオールは2250μg/ml、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチルピロリドンカルボン酸塩は10μg/ml、両者の等量混合物は10μg/mlであった。また、クロカビについては、1,2オクタンジオールは1250μg/ml、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチルピロリドンカルボン酸塩は625μg/ml、両者の等量混合物は625μg/mlであった。
尚、最小発育阻止濃度(MIC)によって、抗菌力を評価することができる。被験物質の濃度が薄いときには微生物への影響がないが、濃度を増していくと発育抑制が起こる。この程度は、濃度に依存して発育抑制が進み、ついには発育が停止する。そのときの濃度がMICとして表される。従って、MIC以上の濃度になると、微生物は死滅していくことになる。

0025

(二元最小発育阻止濃度)
得られた1,2−オクタンジオール、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチルピロリドンカルボン酸塩及び1,2−オクタンジオールとN−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチルピロリドンカルボン酸塩の等重量混合物の各MICを、1,2−オクタンジオール及びN−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチルピロリドンカルボン酸塩の配合量に対してプロットして、二元最小発育阻止濃度図を求めた。結果を図1〜2に示す。
尚、二元最小発育阻止濃度により、抗菌性を有する二種類の物質を配合した場合の作用効果を判定することができる。具体的には、抗菌性を有する二種類の物質を配合した場合、それにより生じる作用は、相乗作用相加作用拮抗作用に大別される。相乗作用とは、2薬剤が相乗的に作用し、本来有する抗菌力が更に増強される作用である。相加作用とは、各薬剤の抗菌力が合わさった作用である。拮抗作用とは、1薬剤が他剤の抗菌力を打ち消す場合の作用である。そして、二元最小発育阻止濃度による方法は、例えば図3に示すように、A物質とB物質について、それぞれの割合を変えてMICを測定し、グラフから判定する方法である。これによると、A物質のみにおけるMIC(点A)とB物質のみにおけるMIC(点B)とをプロットした点を結び、両物質を併用したときのMICが、この線上より内側にある場合(点C)は、併用により抗菌力が増強された相乗作用であると、線上(点D)にある場合は、相加作用であると、線上より外側にある場合(点E)は、一方又は双方の抗菌力を打ち消し抗菌力を減少させる拮抗作用であると判定することができる。

0026

(抗菌効果の評価)
図1及び図2の結果から、1,2−オクタンジオールとN−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチルピロリドンカルボン酸塩とを組み合わせることにより、両者の抗菌力の相乗効果が認められることが分かる。

0027

以下、本発明に係る防腐殺菌剤を配合した化粧品、医薬品及び食品の配合例を示す。
<処方例1:保湿クリーム>
モノラウリン酸デカグリセリル1.0
モノステアリン酸POE(15)グリセリル1.0
水素添加大豆リン脂質1.0
ステアリン酸 4.0
セタノール2.0
ベヘニルアルコール2.0
パラフィン3.0
スクワラン12.0
ホホバ油4.0
メチルポリシロキサン0.2
1,3−ブチレングリコール3.0
L−アルギニン0.1
キサンタンガム0.001
1,2−オクタンジオール0.25
N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニン
エチルピロリドンカルボン酸塩0.10
精製水適 量
合計 100.0重量%

0028

<処方例2:親水性軟膏
アスコルビン酸0.5
ポリオキシエチレンセチルエーテル2.0
水素添加大豆リン脂質1.0
ステアリン酸4.0
グリセリンモノステアレート10.0
流動パラフィン10.0
ワセリン4.0
セタノール5.0
プロピレングリコール5.0
1,2−ヘキサンジオール0.5
N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニン
エチルピロリドンカルボン酸塩0.2
精製水適 量
合計 100.0重量%

0029

<処方例3:飲料>
ブドウ糖液糖 33.0
グレープフルーツ果汁64.0
1,2−ペンタンジオール0.5
N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニン
エチルピロリドンカルボン酸塩0.1
香料0.5
酸味料適 量
合計 100.0重量%

図面の簡単な説明

0030

実施例1の黄色ブドウ状球菌の二元最小発育阻止濃度図である。
実施例1のクロカビの二元最小発育阻止濃度図である。
二元最小発育阻止濃度から、抗菌性を有する二種類の物質を配合した場合により生じる作用効果を判定する方法の一例を示す図である。

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