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技術 スギ花粉由来の新規アレルゲン

出願人 国立研究開発法人科学技術振興機構国立大学法人広島大学西川ゴム工業株式会社
発明者 小埜和久大西伸和藤村孝志河本正次重田征子秋庸裕島田弥生
出願日 2003年8月21日 (16年8ヶ月経過) 出願番号 2003-297444
公開日 2005年3月17日 (15年1ヶ月経過) 公開番号 2005-065536
状態 特許登録済
技術分野 生物学的材料の調査,分析 電気化学的な材料の調査、分析 突然変異または遺伝子工学 微生物による化合物の製造 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 植物物質含有医薬 化合物または医薬の治療活性 ペプチド又は蛋白質
主要キーワード コロイダルキチン エヴァポレーター 財政的 最小領域 年度版 居住環境 陽イオンカラム 減感作用
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2005年3月17日)のものです。
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図面 (7)

課題

スギ花粉症に関するCry j1、Cry j2以外の新規アレルゲン、それらを用いたアレルギー診断薬予防薬、および治療薬等を提供する。

解決手段

スギ花粉中に含まれ、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により測定すると分子量約25,000〜40,000ダルトンを示し、等電点電気泳動法により測定すると4.0〜5.0付近等電点を示すことを特徴とし、スギ花粉粗抗原陽イオン交換クロマトグラフィーに供した画分から、コロイダルキチンを用いたアフィニティー精製で得られる。

概要

背景

アレルギー疾患罹患率および死亡率は、食生活や居住環境の変化などに伴い、ここ10年間で世界的にも増加傾向にある。民間調査新薬開発の現状と将来展望91年度版,(株)シードプランニング)によると、現在、我国で3人に1人は、スギ花粉症アトピー性皮膚炎気管支喘息などの典型的なIgE依存型(I型)アレルギー疾患の症状を示しており、このデータは、厚生省保険福祉動向調査(1991年)でも裏付けられている。アレルギー疾患は、直接生命に関わることがない反面、ごく若い世代に突然現れ、早い時期での自然治癒はまず期待できず慢性に経過することによって、本人や家族の負担は勿論のこと、長期に亘って社会的活動にも大きな影響を及ぼしていると考えられる。

スギ花粉症は、国民の15〜20%、都市部ではそれ以上が罹患しているといわれているが、とくに、花粉飛散するには、多くの患者がこのアレルギー症状に苦しめられている。

スギ花粉の主要アレルゲンは、安枝らによって報告されている、分子量が45,000〜50,000ダルトン等電点が約9.0であるCry j1(例えば、非特許文献1参照。)と、坂口らによって報告された分子量が約37,000ダルトン、等電点が約9.5のCry j2(例えば、非特許文献2参照。)の2つが知られており、患者血清中のIgEがこれらのアレルゲンと高頻度に反応する。

花粉症治療に最も有効な方法は、アレルゲンとの接触を避けることであるが、居住環境の至る所に遊離して存在するアレルゲンで感作発症している患者では、抗ヒスタミン剤などの副作用もある、対症療法剤を用いた一時的な解決策に依存せざるを得ないのが実状である。このため、これを使用し続けない限り発症を繰り返すことになり、財政的にも、肉体的にも大きな負担を強いられ、使用を中止するとリバウンドによる症状の悪化も懸念されるという問題を抱えている。

一方、アレルギー原因物質であるアレルゲン自体を、患者に繰り返し投与して根治しようとする、減感作療法の試みがなされてきている。ホヤ喘息における減感作治療では90%以上の患者で症状の改善がみられたとの報告もあり(例えば、非特許文献3参照。)、欧米ではアレルギーの標準的な治療方法の1つとして確立されている(例えば、非特許文献4参照。)。しかしながら、使用抗原の選択を誤るとアナフィラキシーショックなどの副作用もあるため、患者個々に対する適切な診断が求められている。

スギ花粉症の減感作においては、上記主要アレルゲンCry j1とCry j2のみでは、充分な治療効果が得られていない。治療のためには、まず、的確な診断が重要であるが、現状においては主要アレルゲン以外での診断は殆どなされていないため、近年、その他のアレルゲンタンパクの詳細な免疫化学的特性の解明が望まれている。

これまでに報告されているCry j1とCry j2以外のスギ花粉アレルゲンとしては、河本らによる、イソフラボンレダクターゼと高い相同性を示すCJP−6(例えば、非特許文献5参照。)や、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法で測定した分子量が57,000〜67,000ダルトンで等電点が7.0〜9.0の範囲にあるスギ花粉由来アレルゲン(例えば、特許文献1参照。)などがある。

Yasueda, H. et al.,J. Allergy Clin. Immunol. 71, 77-86, 1983
Sakaguti, M. et al., Allergy, 45, 309-312, 1990
Sigeta S. et al., Arerugi, 39(3), 313-21, 1990
Bousquet J, et al., J. Allergy Clin. Immunol. 102, 558-62, 1998
Kawamoto S. et al.,Clin. Exp. Allergy, 32(7), 1064-70, 2002
特開2001−151797号公報

概要

スギ花粉症に関するCry j1、Cry j2以外の新規アレルゲン、それらを用いたアレルギーの診断薬予防薬、および治療薬等を提供する。スギ花粉中に含まれ、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により測定すると分子量約25,000〜40,000ダルトンを示し、等電点電気泳動法により測定すると4.0〜5.0付近に等電点を示すことを特徴とし、スギ花粉粗抗原陽イオン交換クロマトグラフィーに供した画分から、コロイダルキチンを用いたアフィニティー精製で得られる。 なし

目的

治療のためには、まず、的確な診断が重要であるが、現状においては主要アレルゲン以外での診断は殆どなされていないため、近年、その他のアレルゲンタンパクの詳細な免疫化学的特性の解明が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
1件

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請求項1

スギ花粉中に含まれるタンパク質で、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により測定すると分子量約25,000〜40,000ダルトンを示し、等電点電気泳動法により測定すると4.0〜5.0付近等電点を示すことを特徴とする、スギ花粉アレルゲン

請求項2

部分アミノ酸配列として-X-Y-Cys-Asp-Gly-Gly-Asn-Ala-Ala-Thr-Val-Ala-Ser-Z-(但し、Xは、PheまたはMet、Yは、GluまたはGln、 Zは、ArgまたはThr)の配列を有する請求項1に記載のスギ花粉アレルゲン。

請求項3

列番号1に記載のアミノ酸配列を有する請求項1または2に記載のスギ花粉アレルゲン。

請求項4

スギ花粉粗抗原から、キチンを用いたアフィニティー精製、イオン交換クロマトグラフィーゲルろ過クロマトグラフィー遠心分離濃縮透析から選ばれる2種以上の方法によって得られたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスギ花粉アレルゲン。

請求項5

化学的な合成によって調製された請求項1〜4のいずれかに記載のタンパク質または少なくともその1部のアミノ酸配列を含むタンパク質。

請求項6

請求項1〜4のいずれかに記載のスギ花粉タンパク質の全部またはその少なくとも1部のアミノ酸配列をコードするDNA。

請求項7

配列番号1に記載の塩基配列を有する請求項6に記載のDNA。

請求項8

スギ花粉またはスギ雄花由来する請求項6または7に記載のDNA。

請求項9

請求項6または7に記載のDNAで形質転換された宿主細胞において産生された請求項1〜4のいずれかに記載のスギ花粉タンパク質またはその少なくとも1部のアミノ酸配列を含むタンパク質。

請求項10

無細胞発現系によって調製された請求項1〜4のいずれかに記載のスギ花粉タンパク質または少なくともその1部のアミノ酸配列を含むタンパク質。

請求項11

アレルゲン性を有する請求項5または9〜10に記載のタンパク質。

請求項12

スギ花粉で感作された患者のT細胞を増殖させることが可能な請求項1〜5、9〜11のいずれかに記載のスギ花粉タンパク質のT細胞エピトープペプチド

請求項13

請求項1〜5、9〜12のいずれかに記載のスギ花粉タンパク質またはその少なくとも1つのタンパク質断片に特異的に反応するモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体

請求項14

請求項1〜4、9〜11に記載のスギ花粉アレルゲンを用いた花粉症患者用の診断薬

請求項15

請求項1〜4、9〜12に記載のスギ花粉タンパク質を用いた減感作用治療薬

技術分野

0001

本発明は、スギ花粉由来する新規アレルゲンタンパク質、およびこれを用いたアレルギー診断、予防および治療等に関するものである。

背景技術

0002

アレルギー疾患罹患率および死亡率は、食生活や居住環境の変化などに伴い、ここ10年間で世界的にも増加傾向にある。民間調査新薬開発の現状と将来展望91年度版,(株)シードプランニング)によると、現在、我国で3人に1人は、スギ花粉症アトピー性皮膚炎気管支喘息などの典型的なIgE依存型(I型)アレルギー疾患の症状を示しており、このデータは、厚生省保険福祉動向調査(1991年)でも裏付けられている。アレルギー疾患は、直接生命に関わることがない反面、ごく若い世代に突然現れ、早い時期での自然治癒はまず期待できず慢性に経過することによって、本人や家族の負担は勿論のこと、長期に亘って社会的活動にも大きな影響を及ぼしていると考えられる。

0003

スギ花粉症は、国民の15〜20%、都市部ではそれ以上が罹患しているといわれているが、とくに、花粉飛散するには、多くの患者がこのアレルギー症状に苦しめられている。

0004

スギ花粉の主要アレルゲンは、安枝らによって報告されている、分子量が45,000〜50,000ダルトン等電点が約9.0であるCry j1(例えば、非特許文献1参照。)と、坂口らによって報告された分子量が約37,000ダルトン、等電点が約9.5のCry j2(例えば、非特許文献2参照。)の2つが知られており、患者血清中のIgEがこれらのアレルゲンと高頻度に反応する。

0005

花粉症の治療に最も有効な方法は、アレルゲンとの接触を避けることであるが、居住環境の至る所に遊離して存在するアレルゲンで感作発症している患者では、抗ヒスタミン剤などの副作用もある、対症療法剤を用いた一時的な解決策に依存せざるを得ないのが実状である。このため、これを使用し続けない限り発症を繰り返すことになり、財政的にも、肉体的にも大きな負担を強いられ、使用を中止するとリバウンドによる症状の悪化も懸念されるという問題を抱えている。

0006

一方、アレルギーの原因物質であるアレルゲン自体を、患者に繰り返し投与して根治しようとする、減感作療法の試みがなされてきている。ホヤ喘息における減感作治療では90%以上の患者で症状の改善がみられたとの報告もあり(例えば、非特許文献3参照。)、欧米ではアレルギーの標準的な治療方法の1つとして確立されている(例えば、非特許文献4参照。)。しかしながら、使用抗原の選択を誤るとアナフィラキシーショックなどの副作用もあるため、患者個々に対する適切な診断が求められている。

0007

スギ花粉症の減感作においては、上記主要アレルゲンCry j1とCry j2のみでは、充分な治療効果が得られていない。治療のためには、まず、的確な診断が重要であるが、現状においては主要アレルゲン以外での診断は殆どなされていないため、近年、その他のアレルゲンタンパクの詳細な免疫化学的特性の解明が望まれている。

0008

これまでに報告されているCry j1とCry j2以外のスギ花粉アレルゲンとしては、河本らによる、イソフラボンレダクターゼと高い相同性を示すCJP−6(例えば、非特許文献5参照。)や、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法で測定した分子量が57,000〜67,000ダルトンで等電点が7.0〜9.0の範囲にあるスギ花粉由来アレルゲン(例えば、特許文献1参照。)などがある。

0009

Yasueda, H. et al.,J. Allergy Clin. Immunol. 71, 77-86, 1983
Sakaguti, M. et al., Allergy, 45, 309-312, 1990
Sigeta S. et al., Arerugi, 39(3), 313-21, 1990
Bousquet J, et al., J. Allergy Clin. Immunol. 102, 558-62, 1998
Kawamoto S. et al.,Clin. Exp. Allergy, 32(7), 1064-70, 2002
特開2001−151797号公報

発明が解決しようとする課題

0010

上述のような従来技術に鑑み、本発明は、スギ花粉症に関するCry j1、Cry j2以外の新規アレルゲン、それらを用いたアレルギーの診断薬予防薬、および治療薬等を提供しようとするものである。

課題を解決するための手段

0011

本発明者らは、上記の目的を達成すべく、スギ花粉粗抗原プロテオーム解析によって、花粉症患者血清中IgE抗体と高頻度に反応するスポットを広く検索した。その結果、分子量が約25,000〜40,000ダルトンで、等電点が4.0〜5.0付近にあるタンパク質(CJP−16)に高いアレルゲン性があることを初めて見出した。さらに、タンパク質工学および遺伝子工学的手法による解析から、その免疫化学的特性を明らかにして、本発明を完成するに至った。

0012

すなわち,本発明は以下のとおりである。
(1)スギ花粉中に含まれるタンパク質で、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により測定すると分子量約25,000〜40,000ダルトンを示し、等電点電気泳動法により測定すると4.0〜5.0付近に等電点を示すことを特徴とする、スギ花粉アレルゲン。
(2)部分アミノ酸配列として
-X-Y-Cys-Asp-Gly-Gly-Asn-Ala-Ala-Thr-Val-Ala-Ser-Z-(但し、Xは、PheまたはMet、Yは、GluまたはGln、 Zは、ArgまたはThr)の配列を有する前記(1)のスギ花粉アレルゲン。
(3)配列番号1に記載のアミノ酸配列を有する前記(1)または(2)のスギ花粉アレルゲン。
(4)スギ花粉粗抗原から、キチンを用いたアフィニティー精製、イオン交換クロマトグラフィーゲルろ過クロマトグラフィー遠心分離濃縮透析から選ばれる2種以上の方法によって得られたことを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかのスギ花粉アレルゲン。

0013

(5)化学的な合成によって調製された前記(1)〜(4)のいずれかのタンパク質または少なくともその1部のアミノ酸配列を含むタンパク質。

0014

(6)前記(1)〜(4)のいずれかのスギ花粉タンパク質の全部またはその少なくとも1部のアミノ酸配列をコードするDNA。
(7)配列番号1に記載の塩基配列を有する前記(6)のDNA。
(8)スギ花粉またはスギ雄花に由来する前記(6)または(7)のDNA。

0015

(9)前記(6)または(7)のDNAで形質転換された宿主細胞において産生された前記(1)〜(4)のいずれかのスギ花粉タンパク質またはその少なくとも1部のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(10)無細胞発現系によって調製された前記(1)〜(4)のいずれかのスギ花粉タンパク質または少なくともその1部のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(11)アレルゲン性を有する前記(5)または(9)〜(10)のタンパク質。
(12)スギ花粉で感作された患者のT細胞を増殖させることが可能な前記(1)〜(5)、(9)〜(11)のいずれかに記載のスギ花粉タンパク質のT細胞エピトープペプチド
(13)前記(1)〜(5)、(9)〜(12)のいずれかのスギ花粉タンパク質またはその少なくとも1つのタンパク質断片に特異的に反応するモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体

0016

(14)前記(1)〜(4)、(9)〜(11)のスギ花粉アレルゲンを用いた花粉症患者用の診断薬。
(15)前記(1)〜(4)、(9)〜(12)に記載のスギ花粉タンパク質を用いた減感作用の治療薬。

発明の効果

0017

本発明の新規のスギ花粉アレルゲンは、アレルギーの診断薬、予防薬、および治療薬等に利用することができ、また、このアレルゲンタンパク質ならびにそのタンパク質断片は、Cry j1、Cry j2、およびその他のスギ花粉アレルゲンと組み合わせることによって、スギ花粉症の診断または減感作治療等に使用することができる。

発明を実施するための最良の形態

0018

以下に本発明を詳細に説明する。
スギ花粉アレルギーにおいては、Cry j1とCry j2の主要抗原が同定され詳細に研究されているが、その他のアレルゲンに関しては、未だ充分なされていない。そこで、本発明者らは、スギ花粉中に含まれるアレルゲンの網羅的解析を目指して、スギ花粉粗抗原を2次元電気泳動により展開した後、イムノブロッティング法によって患者血清IgEと特異的に反応するスポットを検索した。その結果、塩基性域のCry j1およびCry j2以外に、IgEと反応するアレルゲンが酸性域にも存在することを見出した。その後、得られた陽性スポットのアミノ酸シークエンスESI Q−TOF MSを用いて行い、ホモロジー検索をしたところ、A. thaliana由来のclassI chitinaseと高
い相同性を示すことが明らかになった。これらと共通のアミノ酸構造を持つclassI chi
tinaseは、ラテックスアレルギーなどの原因抗原の1つとして知られている。しかしながら、スギ花粉症においてchitinaseが重要なアレルゲンであるという報告はないことからも、本タンパク質が新規のスギ花粉アレルゲン(CJP−16)であると考えられた。

0019

また、本発明のスギ花粉アレルゲン(CJP−16)遺伝子を単離するため、スギから精製したTotal RNAを用いてスギcDNA構築した。chitinaseの保存配列から縮重プライマーを設計し、cDNAを鋳型としてPCRを行った。増幅した配列に対してシークエンス解析を行い、得られた塩基配列を基にさらにプライマーの設計を行い、RACE法によってCJP−16の全長遺伝子を取得した。得られた配列は、開始コドンおよび終始コドンを含みそのORFは846塩基であった。また、ESI Q−TOF MSの解析で得られた配列と相同性を示す配列も確認された。

0020

さらに、本発明者らは、スギ花粉粗抗原から天然型CJP−16アレルゲンの精製を試みた。CJP−16アレルゲンが酸性域に存在することから、SP-sepharose陽イオンカラムに供し、その素通り画分採取した。この画分からchitinaseを特異的に取得するためコロイダルキチンを用いたアフィニティー精製を行った。その結果、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法で測定すると分子量約30,000ダルトンを示すCJP−16タンパク質が得られた。

0021

得られた天然型CJP−16のアレルゲン性をELISA法によって評価した。花粉症患者血清を用いて、CJP−16特異IgE抗体価を分析したところ、約50%の患者血清で陽性反応を示した。

0022

続いて、chitinaseがラテックスアレルギーの原因抗原の1つとして知られていることから、ラテックスアレルギーの患者血清を用いて、スギ花粉アレルゲンCJP−16の交差反応性を調査した。その結果、分析した全ての患者血清(3検体)において陽性反応を示したことから、CJP−16がラテックスアレルギー患者血清と交差反応することが明らかになった。

0023

また、ELISAinhibition assayによってスギ花粉粗抗原(CJP)中のCJP−16含量を調査した。96ウェルプレートに粗抗原CJPをコートし、患者プール血清をCJP−16、CJPおよびRnaseAとプレインキュベートすることによってその阻害能を調査したところ、50% inhibition rateを示す抗原量がCJP−16では321.4 ng/ml、CJPでは7.72 ng/mlであったことからスギ花粉粗抗原(CJP)中のCJP−16含量は約2.4%であることが推察された。

0024

本発明のCJP−16は、タンパク質の全部、またはその少なくとも1つの断片をコードするcDNAを発現ベクターに組込み、大腸菌酵母昆虫、または動物細胞に導入し、培養することで取得することが可能である。ただし、大腸菌などの原核細胞を使う発現系は、糖鎖などの適切な修飾が行われないために、組換えCJP−16の発現には酵母などの真核細胞を使用する方がよい場合がある。

0025

本発明で得られた新規のスギ花粉アレルゲンCJP−16は、スギ花粉症の診断試薬として利用ができる。また、その診断結果からラテックスなどの交差感作に関する情報提供も可能である。

0026

また、本発明によってCJP−16タンパク質の全アミノ酸配列が明らかにされたため、CJP−16タンパク質のT細胞エピトープ部位の同定が可能になった。そのため、それらのT細胞エピトープペプチドを用いたスギ花粉症の免疫療法が期待できる。

0027

アレルギーの治療法の1つとして減感作療法があるが、アナフィラキシーなどの副作用も考えられることから、最近の治療においては、患者にアレルゲン全体を投与するのではなく、T細胞が特異的に認識するアレルゲンの最小領域、つまり、T細胞エピトープのみからなるペプチドを投与する、ペプチドワクチンが注目されている。

0028

これまでに、主要抗原であるCry j1およびCry j2のT細胞エピトープが報告されているが(特開平7-118295,特開平8-47392)、それらを連結させる試みも開示されている(特開平10-259198)。

0029

アレルゲンタンパク質のT細胞エピトープの同定方法は、既に確立された技術になっているので、CJP−16タンパク質のT細胞エピトープペプチドも容易に取得が可能である。

0030

本発明で得られたCJP−16タンパク質のT細胞エピトープペプチドは、それ単独、あるいは、Cry j1、Cry j2、およびその他のスギ花粉アレルゲンのT細胞エピトープペプチドと混在、もしくは結合させることによって、花粉症の免疫療法に用いることができる。

0031

さらに、本発明は、CJP−16タンパク質、またはそのタンパク質断片に特異的に反応するモノクローナル抗体、およびポリクローナル抗体を提供することが可能である。

0032

以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳しく説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>スギ花粉粗抗原のプロテオーム解析
スギ花粉粗抗原の調製
日本スギ花粉(広島県豊田にて採取)80 gに抽出バッファー(20 mMPBS+3 mMEDTApH 7.6)を3.0 L加えた後、4℃で4時間攪拌した。その後、遠心分離(7,000 rpm, 30 min)によって得た上清に対して、終濃度80%飽和になるよう硫酸アンモニウムを加え、4℃で一晩攪拌した。次に、遠心分離(7,000 rpm, 30 min)によって沈殿を採取し、ミリQ水で一晩透析を行った。その後、遠心分離(10,000 rpm, 30 min)をすることで得られた上清の凍結乾燥を行い、スギ花粉粗抗原(CJP)を得た。

0033

スギ花粉粗抗原の2次元電気泳動
スギ花粉粗抗原(CJP)200 mgに4 mlのPBS+ジチオトレイトール(DTT)60 mgを加えて懸濁し、PBSで60%に調製したトリクロロ酢酸2 mlを加えた後、上で90分間静置した。その後、遠心分離(3,500 rpm, 15 min)を行い、沈殿を回収した。この沈殿に冷アセトン10 mlを加えて懸濁し、洗浄した。さらに、遠心分離(3,500 rpm,20 min)を行った後、スピードバックで沈殿を乾燥させた。その沈殿にLysis Buffer(8 M尿素,2 Mチオ尿素,2%CHAPS, 2% SB3-10, 1% DTT, 0.8% Ampholine)1mlを加えて懸濁し、超音波破砕によって完全に溶解させた。その後、遠心分離(18,000 rpm, 20 min)を行い、その上清を2次元電気泳動用のサンプルに用いた。

0034

pIレンジ3〜10のドライストリップをLysis bufferで一晩膨潤させた後、CJPのサンプルをストリップにアプライして1次元目(等電点)の電気泳動を行った。

0035

アクリルアミド濃度9〜18%のグラジエンゲルを作製し、その上に等電点電気泳動後のゲルをセットした。ゲルの上から低融点アガロース重層固化させた後、80 Vで一晩、2次元目(分子量)の電気泳動を行った。

0036

2次元目の電気泳動が終了した後、ゲルを銀染色することによってタンパク質を検出した。その結果の一例を、図1に示した。スギ花粉粗抗原中には、主要抗原であるCry j1とCry j2以外にも多くのタンパク質が確認された。

0037

ウェスタンブロッティング
2次元電気泳動後のタンパク質を、ブロッティングキット(HoeferDALT)を用いて約6時間、60Vの条件でメンブレン転写した。その後、メンブレンをPBST(0.1% Tween20/PBS)で洗浄し、ブロッキング液(5% skim milk,1%BSA/PBST)で一晩振とうした。その後、PBSTで洗浄し、ブロッキング液で10倍希釈した患者血清中で4時間振とうしながらインキュベートした。洗浄後、ブロッキング液で2,500倍希釈した抗ヒトIgE−ビオチン標識(Biosource)を加え、2時間振とうしながらインキュベートした。PBSTで洗浄した後、ブロッキング液で2,500倍希釈したストレプトアビジン−HRP標識(ZYMED)と共に、1時間インキュベートした。その後、PBSTで洗浄した後、ECLWesternblotting detection reagents(Amersham Pharmacia Biotech)と共に5分間インキュベートを行い、X線フィルム感光させて陽性スポットを検出した。

0038

ウェスタンブロットによる解析の結果、スギ花粉粗抗原中にはCry j1およびCry j2以外にも陽性反応を示すスポットが多く存在することが明らかになった。12名の患者血清IgEで調査した内、とくに強い陽性反応があったスポットを、図1に□の囲みで示した。

0039

その中で、50%以上の反応頻度を示したCJP−16タンパク質のアミノ酸シークエンスをESI Q−TOF MSを用いて行った。その結果、-Phe-Glu-Cys-Asp-Gly-Gly-Asn-Ala-Ala-Thr-Val-Ala-Ser-Arg-の配列が得られ、ホモロジー検索をしたところ、A. thaliana由来のclassI chitinaseと高い相同性を示すことが明らかになった。

0040

<実施例2> CJP−16遺伝子の塩基配列およびアミノ酸配列の決定
スギtotal RNAの精製
スギ葯(2g)を液体窒素中で粉砕し、10倍量(W/V)の2× CTAB(cetyltrimethylammonium bromide)溶液に溶かした後、65℃で10分間インキュベートした。等量のクロロホルムイソアミルアルコール(24:1)を加え攪拌し、室温で遠心分離(15,000 rpm,10 min)した後、水層を採取した。再度、等量のクロロホルム/イソアミルアルコール(24:1)を加え攪拌し、室温で遠心分離(15,000 rpm,10 min)の後、水層を採取し、3/4倍量のイソプロパノールを加え室温で10分間静置した。4℃で遠心分離(15,000 rpm,10 min)後、沈殿をTE bufferに溶解し、1/4倍量の10M塩化リチウム液を加え、2時間氷上でインキュベートした。4℃で遠心分離(15,000 rpm,10 min)後、沈殿をTE bufferに溶解し、等量のTE飽和フェノール(pH 9.0)を加えて攪拌した。室温で遠心分離(15,000 rpm,10 min)後、水層を採取し、フェノール/クロロホルムを加えて攪拌し、室温で遠心分離(15,000 rpm,10 min)した。遠心分離後の上清に1/10倍量の3M酢酸ナトリウムを加え、更に2倍量の冷エタノール(-20℃)を加え、-80℃に10分間静置した。4℃で遠心分離(15,000 rpm,10 min)し、RNAを沈殿させ、沈殿を70%エタノールで洗浄した。沈殿を真空乾燥した後、適量のTE bufferに溶解した。

0041

スギcDNAの作製
得られたtotal RNAからcDNAを3' RACE System for Rapid Amplification of cDNA Ends(#18373-019 Invitrogen)を用いて合成した。
Total RNA(5μg)溶液を5μl、アダプタープライマー1μl、DEPC処理水6μlを加え、インキュベート(70℃,10 min)した後、氷上に1分間静置した。反応液に10 ×PCRBuffer 2 μl、MgCl2(25 mM)溶液 2 μl、dNTPMI×(2.5 mM each) 1 μl、DTT(0.1 M) 2 μlを加え42℃で5分間プレインキュベートし、SUPERSCRIPT II (Life Technologies, Inc.Rockville, MD) を1μl加えた。インキュベート(42℃、50 min)の後、反応を停止(70℃,15 min)させた。氷上で静置後、遠心し反応液を集めRNaseH 1μlを加えインキュベート(37℃,20 min)した後、−80℃で保存した。

0042

CJP−16の全長遺伝子配列の決定
数種のchitinaseで高度に保存されているアミノ酸配列(EIAAFFAHV)をもとに縮重primer「5'- GARATHGCNGCNTTYTTYGC −3'」を設計し、作製したcDNAを鋳型としてPCR反応を行った。増幅した配列に対してシークエンス解析を行ったところ、配列表の配列番号2に示す結果が得られた。得られた塩基配列(QGFGATI)を基に、再度primer「5'- ATNGTNGCNCCRAANCCYTG −3'」の設計を行い、PCR反応を行った。その結果、配列表の配列番号3に示す結果が得られた。これら2つの結果においては、261番目(配列番号2:A,配列番号3:T),および322番目の塩基配列(配列番号2:G,配列番号3:C)において差がみられた。また326塩基以降の塩基配列にも差異が見られるが、326番目に1塩基挿入することにより他の植物chitinaseの塩基配列との相同性が高まり、配列番号2のアミノ酸配列とも一致する。これらのことから326番目の塩基はPCRの増幅反応により欠損したと考えられた。また、これを考慮した場合、スギ花粉粗抗原のプロテオーム解析から明らかにされたCJP−16の部分アミノ酸配列[FECDGGNAA]と相同性を示す配列がC末端の[MQCDGGNA]に存在する。これらのことからスギcDNA中には少なくとも2種類のCJP−16のisoformが存在することが示唆された。
また、配列番号2および配列番号3における保存配列からプライマーを設計し5'-RACEを行った。得られた5‘側の塩基配列をもとに、さらにプライマーを設計し3'-RACEを行いCJP−16の全長遺伝子の取得を試みた。その結果、配列番号1に示すCJP−16の塩基配列が得られた。得られた配列は開始コドンおよび終止コドンを含みそのORFは846塩基であった。また、TOF MS解析より得られた[FECDGGNAATVASR]と相同性を示す配列が[247 MECDGGNAATVAST260]に存在することからも、得られた配列がCJP−16の全長遺伝子配列であることが示された。

0043

CJP−16遺伝子およびタンパク質の相同性検索
GenBankデータベースを用いたFASTA及びBLAST検索によって、得られたCJP−16の遺伝子およびタンパク質の相同性を検索した。CJP−16のアミノ酸配列と他の植物由来chitinaseとの相同性について調査した結果を、図2に示す。*は一致したアミノ酸配列を示す。CJP−16は、P.glauca chitinase proteinとアミノ酸レベルで65.2%、DNAレベルで62.4%,V.venifera class IV endochitinaseとアミノ酸レベルで59.1%、DNAレベルで60.1%の相同性を示した。また、A.thaliana class IV chitinaseとアミノ酸レベルで54.4%,DNAレベルで57.5%, D.carota class IV chitinaseとアミノ酸レベルで49.3%、DNAレベルで61.7%の相同性を示した。以上のようにCJP−16が他種のchitinaseと高い相同性を保持していることが確認された。それらの全てのchitinaseがclass IV chitinaseであった事から、当CJP−16もclass IV chitinaseであると考えられた。

0044

これまでにアレルゲンとして報告されているchitinaseとCJP−16のホモロジーについて検索した結果を、図3に示す。*は一致したアミノ酸配列を示す。相同性の高いアレルゲンとしてラテックスアレルギーの主要アレルゲンとして報告されているHev b 11wとアミノ酸レベルで43.2%、DNAレベルで47.6%の相同性を示した。また、oral allergy syndromeにおけるアレルゲンとして報告されているavocado由来のPers a 1とアミノ酸レベル43.2%、DNAレベルで48.7%の相同性を示しており、これらのアレルゲンとの交差反応することが考えられた。

0045

<実施例3>天然型CJP−16タンパク質の精製
コロイダルキチンの作製
粉末キチン2gを蒸留水50mlに懸濁したものと濃硫酸50mlを氷上で3時間、冷却した。その後、濃硫酸を氷上にて1滴づつキチン/蒸留水に全量滴下した。滴下後、グラスウール濾過し氷上で蒸留水90mlに加えた。混合液を遠心分離(2000 g,20 min,4℃)した後、沈殿したコロイダルキチンをMilliQ水及びPBSで遠心洗浄(2000 g,20 min,4℃)した。沈殿のpHを中性とした後、4℃で使用時まで保存した。

0046

CJP−16タンパク質の精製
スギ花粉80gをPBS(pH 7.6 +EDTA)3 Lに溶解し、4℃で一晩攪拌した。攪拌後、遠心分離(7000 rpm,35 min,4℃)を行い、上清をプールし80%飽和となるように硫酸アンモニウムを加えて一晩4℃で攪拌した。その後、遠心分離(7000 rpm,35 min,4℃)によって沈殿を集め、酢酸Buffer(pH 5.0)に溶解させたものを同酢酸Buffer(pH 5.0)に対して透析を行った。透析の後、遠心分離(10000 rpm,15 min,4℃)を行い、上清を0.8 μm pore-sizeで濾過した後、陽イオン交換クロマトグラフィー(SP-Sepharose)に供して素通り画分を回収した。素通り画分をエヴァポレーターにて100〜200mlにまで減圧濃縮し、コロイダルキチン5g wet-weightを加えて4℃ で一晩攪拌した。その後、更に氷上でインキュベートを1時間行い、遠心分離(2000 g,30 min,4℃)によって沈殿を回収した。回収した沈殿を0.1% Tween-20/PBSで洗浄し、得られた沈殿に3mlのPBSを加え60℃湯浴中でインキュベートした。その後、遠心分離(2000 g,30 min,25℃)を行って得られた上清を凍結乾燥し、それを1mlのPBSに溶解させ精製CJP-16タンパク質(キチナーゼ)とした。

0047

天然型CJP−16タンパク質の精製過程を、図4に示す。スギ花粉粗抗原(図4レーン2)、陽イオン交換クロマトグラフィーに供した後の素通り画分(図4レーン3)、および精製CJP−16タンパク質(図4レーン4)のサンプルを用いて、SDS-PAGE(Laemmli法)を行った。ポリアクリルアミド濃度11.5%の分離ゲルを用いて電気泳動した後、染色液(EtOH:AcOH:H2O=9:2:9 + 0.25% CBB R-250)でタンパク質を染色した。その後、脱色液(EtOH:AcOH:H2O=25:8:65)で余分な染色を除いた。分子量が約30,000〜35,000ダルトン(図4レーン4)に単一のバンドが確認され、該タンパク質がCJP−16であると考えられた。なお、図4のレーン1は分子量マーカーである。

0048

<実施例4>天然型CJP−16タンパク質のアレルゲン性(IgE結合能
天然型CJP−16タンパク質のIgE結合能をELISA法により測定した。まず、マイクロタイタープレートウェルに100 mM bicarbonate buffer(pH 9.3)で希釈した抗原溶液(250 ng/ml)を50 μlアプライした。また、humanIgEstandardをまず1000 ng/mlになるように希釈し、倍希釈系列をそれぞれのウェルに50 μl ずつ加え、室温で2時間静置した。PBSTにて洗浄した後、blocking buffer(PBS, 3 % skim milk, 1 %BSA)を300 μlアプライし、4℃で一晩静置した。洗浄後、同bufferで200倍希釈したスギアレルギー患者及び健常者血清を50 μlをアプライし、4℃で4時間静置した。洗浄後、同bufferで1,000倍に希釈したanti-human IgEEPSILONCHAIN BIOTIN CONJUGATE (Biosource International,Inc.)50 μlをアプライし、室温で2時間静置した。洗浄後、同bufferで1,000倍に希釈したアルカリフォスファターゼ標識Streptavidinを50 μlアプライし、室温で1時間静置した。充分洗浄した後、50 μlのAttoPhosTMを加えCytoFluorTMII(PerSeptive Biosyatems)にて蛍光強度を測定した。

0049

スギ花粉症患者血清18検体(RASTScore≧2)および健常者血清3検体を用いて、CJP−16特異的IgE抗体価を分析した結果を、図5に示す。基準として健常者3人の平均値標準偏差の3倍を足した値を破線で示した。破線以上のIgE値を示した検体を危険率5%以下で当CJP−16に対して陽性であると評価した。
その結果、18検体中9検体(No.2,4,5,7,8,9,12,13,14)(50%)の患者血清で当CJP−16に対してIgE反応陽性であった。これらの結果は、2次元電気泳動のimmuno blottingによってアレルゲン反応頻度を評価した結果(反応頻度40検体中21検体(52.5%))とも良く一致しており、精製CJP−16タンパク質が強いアレルゲン性を有していることが示された。

0050

天然型CJP−16によるCJPの阻害能(ELISAinhibition assay)
CJP中のCJP−16含量の調査を目的としてELISA inhibition assayを行った。100 mM bicarbonate bufferで希釈したCJP溶液(1μg/ml)を50μlアプライし、室温で2時間静置した。洗浄後、blocking buffer(3% skim milk,1%BSA,0.1% Tween 20 /PBS)を300 μlアプライし、4℃で一晩静置した。またblocking bufferで希釈した様々な濃度(10μg-0.001μg/mlの1/10希釈系列)となるよう抗原(CJP−16, CJP,RNase)をblocking bufferで終濃度40倍希釈した患者プール血清(11検体,RAST値≧2)と4℃で一晩プレインキュベートした。プレートを洗浄後、抗原とプレインキュベートした患者血清溶液を50 μl/wellアプライし、4℃で4時間静置した。洗浄後、Blocking bufferで1,000倍に希釈したanti-humanIgEEPSILONCHAIN BIOTIN CONJUGATE 50 μlをアプライし、室温で2時間静置した。洗浄後、同bufferで1,000倍に希釈したアルカリフォスファターゼ標識Streptavidinを50 μlアプライし、室温で1時間静置した。充分洗浄した後、50 μlのAttoPhosTMを加えCytoFluorTMIIによって蛍光強度を測定した。

0051

ELISAinhibition assay の結果を、図6に示す。なお、ネガティブコントロールとしてRnaseAを用いた。CJP−16がCJPと患者血清IgEとの反応を阻害したことから、CJP中にCJP−16がアレルゲンとして存在していることが示された。また、50% inhibition rateを示す抗原量をグラフより換算するとCJP−16では321.4 ng/ml、CJPでは7.72 ng/mlである事からCJP中のCJP−16の含量は約2.4%である事が示唆された。

0052

天然型CJP−16とラテックスアレルギー患者血清との交差反応
CJP−16タンパク質がラテックスアレルギーの主要抗原であるHev b 11と高い相同性を有していた事から、該CJP−16がラテックスアレルギー患者血清IgEと交差反応を示すかELISAによって調査した。それらの結果を、図7に示す。健常者3人の平均値に標準偏差の3倍を足した値の合計値を破線で示し、破線以上の値を有意な値とした。その結果、分析したラテックスアレルギー患者血清3検体において全て該CJP−16に対し陽性を示した。これらの結果から、該CJP−16がラテックスアレルギー患者と交差反応性を有する事が明らかになった。

0053

配列番号2−人工配列の説明:chitinaseのアミノ酸配列をもとに作製したcDNA
配列番号3−人工配列の説明:chitinaseのアミノ酸配列をもとに作製したcDNA

図面の簡単な説明

0054

スギ花粉粗抗原(CJP)の2次元電気泳動を示す図である。
スギ花粉アレルゲンCJP−16と他の植物由来chitinaseとの相同性を示す図である。
スギ花粉アレルゲンCJP−16とアレルゲン性を有する他種chitinaseとの相同性を示す図である。
天然型CJP−16アレルゲンの精製過程を、SDS-PAGEで解析した図である。
スギ花粉症患者血清18検体(RASTScore≧2)および健常者血清3検体を用いて、CJP−16特異的IgE抗体価を分析した結果を示す図である。
精製CJP−16による患者血清IgEのCJP結合阻害能をELISAinhibitionによって分析した結果を示す図である。
精製CJP−16とラテックスアレルギー患者血清IgEとの交差反応をELISAによって調査した結果を示す図である。

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