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技術 横電界方式の液晶表示素子用の配向膜を形成するポリイミド系ワニス、配向膜および該配向膜を有する横電界方式の液晶表示素子

出願人 チッソ株式会社JNC石油化学株式会社
発明者 谷岡聡横田純一郎
出願日 2004年6月23日 (16年7ヶ月経過) 出願番号 2004-184433
公開日 2005年2月24日 (15年11ヶ月経過) 公開番号 2005-049835
状態 特許登録済
技術分野 液晶3(基板、絶縁膜及び配向部材) 液晶3-2(配向部材) 含窒素連結基の形式による高分子化合物一般
主要キーワード コントラスト面 赤外吸光度 連素子 段差近傍 配向機構 ジェットスプレー ポリイミド系ワニス 突起構造物
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2005年2月24日)のものです。
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図面 (1)

課題

特に高い一軸配向性を有する配向膜を形成することのできるポリイミド配向剤ワニス、該ワニスを用いて形成された配向膜および該配向膜を有する、優れたコントラスト高視野角のIPS型液表示素子を提供する。

解決手段

基板の表面に対し支配的に平行な電界が形成されることにより表示を行う横電界方式(IPS型)の液晶表示素子用の配向膜を形成するポリイミド系ワニスであり、次式(1)で表される配向指数Δが1.3以上の配向膜を形成することができるポリイミド系ワニスを調製し、該ワニスを用いて配向膜を形成するとともに、該配向膜を有するIPS型液晶表示素子を作製する。

概要

背景

液晶表示素子ノートパソコンデスクトップパソコンモニターをはじめ、ビデオカメラビューファインダー投写型のディスプレイなどの様々な液晶表示装置に使われており、最近ではテレビとしても用いられるようになってきた。さらに、光プリンターヘッド光フーリエ変換素子ライトバルブなどのオプトエレクトロニクス連素子としても利用されている。従来の液晶表示素子としては、ネマチック液晶を用いた表示素子が主流であり、90度ツイストしたTN(Twisted Nematic)型液晶表示素子、通常180度以上ツイストしたSTN(Super Twisted Nematic)型液晶表示素子、薄膜トランジスタを使用したいわゆるTFT(Thin−film−transistor)型液晶表示素子が実用化されている。

しかしながら、これらの液晶表示素子は画像が適正に視認できる視野角が狭く、斜め方向から見たときに、輝度コントラストの低下、および中間調での輝度反転を生じるという欠点を有している。近年、この視野角の問題については、光学補償フィルムを用いたTN型液晶表示素子垂直配向突起構造物の技術を併用したMVA(Multi−domain Vertical Alignment)型液晶表示素子、または横電界方式のIPS型液晶表示素子(例えば、特許文献1〜3参照。)などの技術により改良され実用化されている。

このうち、従来のTN型液晶表示素子に光学補償フィルムを併用する方法は、設備投資などの負担も少なく導入しやすいが、特に中間調表示における視野角改善の効果が十分ではなかった。

一方、MVA型液晶表示素子に代表される垂直配向方式の液晶表示素子は、負の誘電率異方性を有するn形ネマチック液晶を基板面に対して法線方向に配列させ、電界印加時液晶を傾斜させることで表示を行うものである。電圧の無印加時に液晶が垂直配向していて全く複屈折を生じないことから、入射光液晶中を、その偏光面をほとんど変化させることなく通過する。したがって、クロスニコル下で良好な黒表示を容易に実現できることから、この液晶表示素子は極めて高いコントラストを得ることができる。

このようにMVA型液晶表示素子は、コントラスト面では非常に有利な垂直配向方式の液晶表示素子である。しかし、MVA型液晶表示素子は、特に中間調表示において基板面に対して液晶が斜めに傾いた状態では、前述した光学補償フィルムを併用する方法と同様に視野角特性が悪化する。MVA型液晶表示素子は、基板に突起構造物を形成して液晶の傾く方向を制御することにより視野角依存ディスクリネーションの発生を軽減するものであるが、こと視野角特性に関してはさらなる改善の余地がある。

他方、IPS型液晶表示素子は、液晶を基板面に対し支配的に平行に配向させ、一方の基板上に形成された櫛歯状の電極より生じる基板面に対し支配的に平行な電界により、液晶を基板面内で回転させることで表示を行うものである。このIPS型液晶表示素子は、本来電圧の印加時においても基板面に対して液晶が斜めに傾くことがない。したがって、基本的に視野角によって複屈折が大きく変化することがないため、IPS型液晶表示素子は中間調表示も含めて非常に理想的な視野角特性が得られる。

しかしながら、IPS型液晶表示素子は、クロスニコル消光位で黒表示を得ているため液晶の配向状態に敏感であり、場合によっては光漏れが生じてコントラストが低下する。特に、垂直配向して全く複屈折を生じない状態を利用しているMVA型液晶表示素子と比較すると、このコントラストの問題は致命的である。

以上の様に、IPS型液晶表示素子は視野角特性の面では他の方式と比較して格段に優れているが、コントラストの面では高視野角タイプの液晶表示素子として競合するMVA型液晶表示素子よりも劣るものであった。(例えば、非特許文献1参照。)

液晶表示素子の性能を表す指標の一つとして黒表示の輝度に対する白表示の輝度の比率であるコントラストが用いられている。一般的に白表示の輝度は大きく変わらないため、コントラストは分母の黒表示の輝度に大きく左右される。したがって、コントラストを高めるためには黒表示の輝度を下げることが重要である。

IPS型液晶表示素子は、一般的にクロスニコル下で片方偏光板の方向に液晶の配向方向を合わせることにより、電圧の無印加時に黒表示を行うノーマリーブラック表示である。このような素子構成のとき、配向膜一軸配向性が充分でないと、オーダーパラメーターで表される液晶の配向方向の分布に起因する光漏れにより、黒表示特性が悪化してコントラストが低下することがある。さらに、IPS型液晶表示素子においてもラビング処理により配向膜は一軸配向性を付与される。しかし、櫛歯状に配置された電極の段差近傍の領域が特にラビング処理されにくいことから、配向膜の一軸配向性は不完全となる。この領域は、無秩序な方向に配向するため光漏れが生じてコントラストの悪化を招いていた。

以上の様に、IPS型液晶表示素子のコントラストを向上するためには、配向膜の一軸配向性を制御することが重要である。

特公昭63−21907号公報
特開平6−160878号公報
特開平9−15650号公報
日経マイクロデバイス、2003年5月号、P71

概要

特に高い一軸配向性を有する配向膜を形成することのできるポリイミド配向剤ワニス、該ワニスを用いて形成された配向膜および該配向膜を有する、優れたコントラストと高視野角のIPS型液晶表示素子を提供する。基板の表面に対し支配的に平行な電界が形成されることにより表示を行う横電界方式(IPS型)の液晶表示素子用の配向膜を形成するポリイミド系ワニスであり、次式(1)で表される配向指数Δが1.3以上の配向膜を形成することができるポリイミド系ワニスを調製し、該ワニスを用いて配向膜を形成するとともに、該配向膜を有するIPS型液晶表示素子を作製する。なし。

目的

本発明の課題は、高い一軸配向性を有する配向膜を形成することのできるポリイミド系配向剤ワニス、該ワニスを用いて形成された配向膜および該配向膜を有する、優れたコントラストと高視野角のIPS型液晶表示素子を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
6件
牽制数
2件

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請求項1

基板の表面に対し支配的に平行な電界が形成されることにより表示を行う横電界方式液晶表示素子用配向膜を形成するポリイミド系ワニスであり、次式(1)で表される配向指数Δが1.3以上の配向膜を形成することができるポリイミド系ワニス。式中、A‖は配向処理方向に平行な偏光成分を有する赤外光を配向膜に入射させたときのイミド環のC−N伸縮振動による吸光度であり、A⊥は配向処理方向に垂直な偏光成分を有する赤外光を配向膜に入射させたときのイミド環のC−N伸縮振動による吸光度である。dは配向膜の膜厚(単位はnm)である。

請求項2

配向指数Δが1.5〜10.0である請求項1記載のポリイミド系ワニス。

請求項3

ポリイミド系ワニスの高分子成分が、以下に表すテトラカルボン酸二無水物の少なくとも1種と、以下に表すジアミンの少なくとも1種とから得られる可溶性ポリイミドまたはその前駆体であるポリアミック酸である、請求項1または2記載のポリイミド系ワニス。ここに、下記式中のnは1〜20の整数であり、Rは水素または炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH2−は−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい。シクロヘキサン環およびベンゼン環の任意の水素は、ハロゲンまたは炭素数1〜5のアルキルで置き換えられてもよい。

請求項4

テトラカルボン酸二無水物が、式1−1、式1−2、式1−13、式1−17、式1−18、式1−19、式1−20、式1−27、式1−28、および式1−29のそれぞれで表されるテトラカルボン酸二無水物から選択される少なくとも1種である請求項3記載のポリイミド系ワニス。

請求項5

ジアミンが、式2−5、式2−6、式2−9、式2−10、式2−11、式2−12、式2−13、式2−14、式2−15、式2−16、式2−17、式2−18、式2−19、式2−20、式2−30、式2−35、式2−39、式2−40、式2−41、式2−42、式2−43、および式2−56のそれぞれで表されるジアミンから選択される少なくとも1種である請求項3記載のポリイミド系ワニス。ここに、これらの式中のnは2〜10の整数であり、ベンゼン環の任意の水素は、ハロゲンまたは炭素数1〜5のアルキルで置き換えられてもよい。

請求項6

ジアミンが、式2−12、式2−13、式2−14、式2−15、式2−16、式2−17、式2−18、式2−19、式2−20、および式2−39のそれぞれで表されるジアミンから選択される少なくとも1種である請求項3記載のポリイミド系ワニス。ここに、これらの式中のnは2〜10の整数であり、ベンゼン環の任意の水素は、ハロゲンまたは炭素数1〜5のアルキルで置き換えられてもよい。

請求項7

請求項1〜6のいずれか1項記載のポリイミド系ワニスを用いて形成される配向膜。

請求項8

配向膜の配向処理条件が毛足押し込み量0.2〜0.8mm、ステージ移動速度5〜250mm/sec、ローラー回転速度500〜2,000rpmでラビング処理することである請求項7に記載の配向膜。

請求項9

請求項7または8記載の配向膜を有する横電界方式の液晶表示素子

技術分野

0001

本発明は、基板の表面に対し支配的に平行な電界が形成されることにより表示を行う横電界方式、すなわちIPS(In Plane Switching)型の液晶表示素子用ポリイミド系ワニス(varnish)、該ワニスを用いて形成される配向膜および該配向膜を有するIPS型液表示素子に関するものである。

背景技術

0002

液晶表示素子ノートパソコンデスクトップパソコンモニターをはじめ、ビデオカメラビューファインダー投写型のディスプレイなどの様々な液晶表示装置に使われており、最近ではテレビとしても用いられるようになってきた。さらに、光プリンターヘッド光フーリエ変換素子ライトバルブなどのオプトエレクトロニクス連素子としても利用されている。従来の液晶表示素子としては、ネマチック液晶を用いた表示素子が主流であり、90度ツイストしたTN(Twisted Nematic)型液晶表示素子、通常180度以上ツイストしたSTN(Super Twisted Nematic)型液晶表示素子、薄膜トランジスタを使用したいわゆるTFT(Thin−film−transistor)型液晶表示素子が実用化されている。

0003

しかしながら、これらの液晶表示素子は画像が適正に視認できる視野角が狭く、斜め方向から見たときに、輝度コントラストの低下、および中間調での輝度反転を生じるという欠点を有している。近年、この視野角の問題については、光学補償フィルムを用いたTN型液晶表示素子垂直配向突起構造物の技術を併用したMVA(Multi−domain Vertical Alignment)型液晶表示素子、または横電界方式のIPS型液晶表示素子(例えば、特許文献1〜3参照。)などの技術により改良され実用化されている。

0004

このうち、従来のTN型液晶表示素子に光学補償フィルムを併用する方法は、設備投資などの負担も少なく導入しやすいが、特に中間調表示における視野角改善の効果が十分ではなかった。

0005

一方、MVA型液晶表示素子に代表される垂直配向方式の液晶表示素子は、負の誘電率異方性を有するn形ネマチック液晶を基板面に対して法線方向に配列させ、電界印加時液晶を傾斜させることで表示を行うものである。電圧の無印加時に液晶が垂直配向していて全く複屈折を生じないことから、入射光液晶中を、その偏光面をほとんど変化させることなく通過する。したがって、クロスニコル下で良好な黒表示を容易に実現できることから、この液晶表示素子は極めて高いコントラストを得ることができる。

0006

このようにMVA型液晶表示素子は、コントラスト面では非常に有利な垂直配向方式の液晶表示素子である。しかし、MVA型液晶表示素子は、特に中間調表示において基板面に対して液晶が斜めに傾いた状態では、前述した光学補償フィルムを併用する方法と同様に視野角特性が悪化する。MVA型液晶表示素子は、基板に突起構造物を形成して液晶の傾く方向を制御することにより視野角依存ディスクリネーションの発生を軽減するものであるが、こと視野角特性に関してはさらなる改善の余地がある。

0007

他方、IPS型液晶表示素子は、液晶を基板面に対し支配的に平行に配向させ、一方の基板上に形成された櫛歯状の電極より生じる基板面に対し支配的に平行な電界により、液晶を基板面内で回転させることで表示を行うものである。このIPS型液晶表示素子は、本来電圧の印加時においても基板面に対して液晶が斜めに傾くことがない。したがって、基本的に視野角によって複屈折が大きく変化することがないため、IPS型液晶表示素子は中間調表示も含めて非常に理想的な視野角特性が得られる。

0008

しかしながら、IPS型液晶表示素子は、クロスニコル消光位で黒表示を得ているため液晶の配向状態に敏感であり、場合によっては光漏れが生じてコントラストが低下する。特に、垂直配向して全く複屈折を生じない状態を利用しているMVA型液晶表示素子と比較すると、このコントラストの問題は致命的である。

0009

以上の様に、IPS型液晶表示素子は視野角特性の面では他の方式と比較して格段に優れているが、コントラストの面では高視野角タイプの液晶表示素子として競合するMVA型液晶表示素子よりも劣るものであった。(例えば、非特許文献1参照。)

0010

液晶表示素子の性能を表す指標の一つとして黒表示の輝度に対する白表示の輝度の比率であるコントラストが用いられている。一般的に白表示の輝度は大きく変わらないため、コントラストは分母の黒表示の輝度に大きく左右される。したがって、コントラストを高めるためには黒表示の輝度を下げることが重要である。

0011

IPS型液晶表示素子は、一般的にクロスニコル下で片方偏光板の方向に液晶の配向方向を合わせることにより、電圧の無印加時に黒表示を行うノーマリーブラック表示である。このような素子構成のとき、配向膜の一軸配向性が充分でないと、オーダーパラメーターで表される液晶の配向方向の分布に起因する光漏れにより、黒表示特性が悪化してコントラストが低下することがある。さらに、IPS型液晶表示素子においてもラビング処理により配向膜は一軸配向性を付与される。しかし、櫛歯状に配置された電極の段差近傍の領域が特にラビング処理されにくいことから、配向膜の一軸配向性は不完全となる。この領域は、無秩序な方向に配向するため光漏れが生じてコントラストの悪化を招いていた。

0012

以上の様に、IPS型液晶表示素子のコントラストを向上するためには、配向膜の一軸配向性を制御することが重要である。

0013

特公昭63−21907号公報
特開平6−160878号公報
特開平9−15650号公報
日経マイクロデバイス、2003年5月号、P71

発明が解決しようとする課題

0014

本発明の課題は、高い一軸配向性を有する配向膜を形成することのできるポリイミド配向剤ワニス、該ワニスを用いて形成された配向膜および該配向膜を有する、優れたコントラストと高視野角のIPS型液晶表示素子を提供することである。

課題を解決するための手段

0015

本発明者らは前記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、基板の表面に対し支配的に平行な電界が形成されることにより表示を行う横電界方式の液晶表示素子用の配向膜を形成するポリイミド系ワニスであり、次式(1)で表される配向指数Δが1.3以上の配向膜を形成することができるポリイミド系ワニスを用いることによって、IPS型液晶表示素子のコントラストが飛躍的に改善できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成した。



式中、A‖は配向処理方向に平行な偏光成分を有する赤外光を配向膜に入射させたときのイミド環のC−N伸縮振動による吸光度であり、A⊥は配向処理方向に垂直な偏光成分を有する赤外光を配向膜に入射させたときのイミド環のC−N伸縮振動による吸光度である。dは配向膜の膜厚(単位はnm)である。

0016

本発明は、下記の構成からなる。
[1]基板の表面に対し支配的に平行な電界が形成されることにより表示を行う横電界方式の液晶表示素子用の配向膜を形成するポリイミド系ワニスであり、次式(1)で表される配向指数Δが1.3以上の配向膜を形成することができるポリイミド系ワニス。

式中、A‖は配向処理方向に平行な偏光成分を有する赤外光を配向膜に入射させたときのイミド環のC−N伸縮振動による吸光度であり、A⊥は配向処理方向に垂直な偏光成分を有する赤外光を配向膜に入射させたときのイミド環のC−N伸縮振動による吸光度である。dは配向膜の膜厚(単位はnm)である。

0017

[2]配向指数Δが1.5〜10.0である[1]項記載のポリイミド系ワニス。

0018

[3]ポリイミド系ワニスの高分子成分が、以下に表すテトラカルボン酸二無水物の少なくとも1種と、以下に表すジアミンの少なくとも1種とから得られる可溶性ポリイミドまたはその前駆体であるポリアミック酸である、[1]項または[2]項記載のポリイミド系ワニス。ここに、下記式中のnは1〜20の整数であり、Rは水素または炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキルにおいて任意の−CH2−は−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい。シクロヘキサン環およびベンゼン環の任意の水素は、ハロゲンまたは炭素数1〜5のアルキルで置き換えられてもよい。

0019

[4]テトラカルボン酸二無水物が、式1−1、式1−2、式1−13、式1−17、式1−18、式1−19、式1−20、式1−27、式1−28、および式1−29のそれぞれで表されるテトラカルボン酸二無水物から選択される少なくとも1種である[3]項記載のポリイミド系ワニス。

0020

[5]ジアミンが、式2−5、式2−6、式2−9、式2−10、式2−11、式2−12、式2−13、式2−14、式2−15、式2−16、式2−17、式2−18、式2−19、式2−20、式2−30、式2−35、式2−39、式2−40、式2−41、式2−42、式2−43、および式2−56のそれぞれで表されるジアミンから選択される少なくとも1種である[3]項記載のポリイミド系ワニス。ここに、これらの式中のnは2〜10の整数であり、ベンゼン環の任意の水素は、ハロゲンまたは炭素数1〜5のアルキルで置き換えられてもよい。

0021

[6]ジアミンが、式2−12、式2−13、式2−14、式2−15、式2−16、式2−17、式2−18、式2−19、式2−20、および式2−39のそれぞれで表されるジアミンから選択される少なくとも1種である[3]項記載のポリイミド系ワニス。ここに、これらの式中のnは2〜10の整数であり、ベンゼン環の任意の水素は、ハロゲンまたは炭素数1〜5のアルキルで置き換えられてもよい。

0022

[7] [1]項〜[6]項のいずれか1項記載のポリイミド系ワニスを用いて形成される配向膜。

0023

[8]配向膜の配向処理条件が毛足押し込み量0.2〜0.8mm、ステージ移動速度5〜250mm/sec、ローラー回転速度500〜2,000rpmでラビング処理することである[7]項に記載の配向膜。

0024

[9] [7]項または[8]項記載の配向膜を有する横電界方式の液晶表示素子。

発明の効果

0025

本発明によれば、特に優れたコントラストを有するIPS型液晶表示素子を実現して、本来持つ視野角特性の面でのメリットと合わせて、理想的な高視野角タイプの液晶表示素子、そのための配向膜および該配向膜を形成することができるワニスを提供することができる。

発明を実施するための最良の形態

0026

本発明は、特に高い一軸配向性すなわち配向指数Δが1.3以上の配向膜を用いることにより、優れたコントラストを有するIPS型液晶表示素子を実現したものである。

0027

これまで、ラビング処理された配向膜上における液晶の配向機構は、次の2つが提案されている。
(1)ラビング処理により発生するマイクログルーブに起因する表面形状効果
(2)ラビング処理により一軸配向した配向膜と液晶との分子間相互作用
近年では(1)の表面形状効果の寄与は比較的小さく、(2)の分子間相互作用の寄与が支配的であることが確認されている。したがって、配向膜の一軸配向性を制御することにより、配向膜に接している液晶の配向状態、さらには液晶表示素子としての性能についても改善することが期待できる。

0028

配向膜のような高分子化合物からなる膜の分子配向を直接評価するため、偏光赤外光を用いた赤外線吸収分光法が広く行われている。この方法は、試料に直交する2つの直線偏光赤外光を入射したときの赤外線吸収量が分子配向方位によって違うという赤外二色性を検出して、分子配向を評価する。この方法の適用範囲は、シリコンフッ化カルシウムホタル石:CaF2)など赤外光が透過する基板上に作成された膜に限られる。赤外光はガラス基板を透過しないため、この方法は、ガラス基板上に作成した配向膜の分子配向を測定できない。

0029

配向膜の赤外二色性を評価する方法としては、(1)赤外二色比を評価する方法(例えば、特許文献a、非特許文献a参照。)、(2)二色差を評価する方法(例えば、非特許文献b、非特許文献c参照。)などが提案されている。

0030

配向膜の赤外二色性は、配向処理方向に平行な偏光成分を有する赤外光を配向膜に入射したときの吸光度と、配向処理方向に垂直な偏光成分を有する赤外光を配向膜に入射したときの吸光度から求められる。なお、赤外二色比の測定方法は、非特許文献aにおいて記載されている。すなわち、赤外分光光度計(好ましくはFT−IR)の光源と配向膜を有する試料を保持する試料ホルダーとの間に偏光子を配置し、配向膜のラビング処理方向が偏光子の偏光方向と平行になるようにして試料ホルダーに前記試料を固定し、赤外吸光度を測定する。次に、配向膜を試料ホルダーに固定した状態で試料ホルダーを90度回転させて偏光子を通過した偏光赤外光がラビング配向処理方向と垂直に配向膜に入射するようにして赤外吸光度を測定する。このようにして得られた赤外吸光度において、強い吸収(ピーク)を示す波長における値から二色比が算出される。

0031

ポリイミド系配向膜を使用するとき、ポリイミドの強い赤外吸収ピークは1380cm−1付近(イミド環のC−N伸縮振動)、1510cm−1付近(フェニルのC−C伸縮振動)および1720cm−1付近(イミド基のC=O伸縮振動)などに現れる。どの赤外吸収ピークを用いてもよいが、分子振動によって生じる分極の方向がポリイミド主鎖に沿っていて、ポリイミド組成による赤外吸収ピークの変化が比較的少ない1380cm−1付近(イミド環のC−N伸縮振動)を特に好ましく用いることができる。さらに、赤外二色比は、配向膜の膜厚により異なるときがあるので、赤外二色差を用い膜厚の影響を除去して一軸配向性を評価する方が好ましい。

0032

特許文献a:特開昭64−35419号公報
非特許文献a:S.Ishibashi 他、Liquid Crystals,4,669(1989)
非特許文献b:R.Hasegawa et at., Mol. Cryst. & Liq. Cryst.,262(1995) 77
非特許文献c:長谷川 et at、液晶討論会第21回 ,1A07,P14〜15

0033

以上のことから、本発明においては1380cm−1付近のイミド環のC−N伸縮振動の赤外二色差により配向膜の一軸配向性を評価することとした。なお、本発明における1380cm−1付近の吸光度とは、1330〜1430cm−1の範囲にある吸光スペクトル最大値ピーク高さを示すものとする。さらに、膜厚の影響を補正するために膜厚(単位はnm)についても測定した。

0034

本発明では、次式(1)で表される配向処理後の配向膜の配向指数Δにより配向膜の一軸配向性を評価する。

式中、A‖は配向処理方向に平行な偏光成分を有する赤外光を配向膜に入射させたときのイミド環のC−N伸縮振動による吸光度であり、A⊥は配向処理方向に垂直な偏光成分を有する赤外光を配向膜に入射させたときのイミド環のC−N伸縮振動による吸光度である。dは配向膜の膜厚(単位はnm)である。

0035

本発明で用いるIPS型液晶表示素子用の配向膜は、配向指数Δが1.3以上、好ましくは1.5〜10.0、さらに好ましくは2.0〜8.0である。配向指数Δが1.3以上であれば一軸配向性が充分であり、得られるIPS型液晶表示素子のコントラストは良好である。

0036

本発明で用いるIPS型液晶表示素子用の配向膜の膜厚は、通常10〜500nm、好ましくは30〜200nmである。

0037

本発明に係わる上記配向指数Δを有する配向膜を形成することができるポリイミド系ワニスは、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、可溶性ポリイミド、ポリアミドイミドなどの高分子成分を溶剤に溶解した状態のワニス組成物である。このワニス組成物を基板上に塗布したのち、溶剤を乾燥すると配向膜が形成される。該高分子成分は、ランダム共重合体ブロック共重合体などの共重合体であってもよく、複数種の高分子成分を併用してもよい。

0038

配向膜を形成するポリイミド系ワニスは、イミド結合を有する高分子化合物であればどのようなものを用いてもよい。特に好ましいイミド結合を有する高分子化合物は、テトラカルボン酸二無水物などとジアミンとを反応させて得られるポリアミック酸、該ポリアミック酸の脱水反応などによって得られる可溶性ポリイミドである。

0039

該ポリアミック酸、可溶性ポリイミドを与えるテトラカルボン酸二無水物は、芳香環に直接ジカルボン酸無水物が結合した芳香族系(複素芳香環系を含む)、芳香環に直接ジカルボン酸無水物が結合していない脂肪族系(複素環系を含む)の何れの群に属するものであってもよい。中でも環構造を有する芳香族系および脂肪族系のテトラカルボン酸二無水物は、液晶の配向性を良好に保つため好ましい。したがって、非環状脂肪族系のものを用いるときには、これを環構造を有する芳香族系および脂肪族系のテトラカルボン酸二無水物と併用することが好ましく、しかもその使用量は配向性に悪影響を与えない範囲内とすべきである。さらに、液晶表示素子の電気特性低下原因となりやすいエステルやエ−テル結合などの酸素硫黄を含まない構造のものが好ましい。しかし、そのような構造を有していてもこれらの特性に悪影響を与えない範囲内の使用量であれば何ら問題とはならない。

0040

本発明で用いることのできるテトラカルボン酸二無水物の具体例は前記1−1〜1−38である。

0041

本発明で用いるテトラカルボン酸二無水物はこれらに限定されることなく、本発明の目的が達成される範囲内で他にも種々の形態が存在することはいうまでもない。また、これらのテトラカルボン酸二無水物は単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。

0042

これらの中で、式1−1、式1−2、式1−13、式1−17、式1−18、式1−19、式1−20、式1−27、式1−28、および式1−29のそれぞれで表されるテトラカルボン酸二無水物が好ましい。さらに好ましくは式1−1、式1−13、式1−17、式1−19、式1−20、および式1−29のそれぞれで表されるテトラカルボン酸二無水物である。

0043

脂肪族系テトラカルボン酸二無水物は電圧保持率などの電気的特性に優れている。しかし、脂肪族系テトラカルボン酸二無水物はプレチルト角などの配向特性にやや難点があり、特に180℃以下の低温焼成のときは配向が崩れやすいことがある。一方、芳香族系テトラカルボン酸二無水物は配向安定性に優れているが、電気的特性に関しては、脂肪族系テトラカルボン酸二無水物を用いた方がむしろ好ましい。したがって、芳香族系テトラカルボン酸二無水物と脂肪族系テトラカルボン酸二無水物を併用した方がより好ましい。

0044

本発明のポリイミド系液晶配向剤の高分子成分であるポリアミック酸、可溶性ポリイミドを与えるジアミンの具体例は前記2−1〜2−56である。

0045

さらに、コレステリルアンドステリル、β−コレステリル、エピアンドロステリル、エリゴステリル、エストリル、11α−ヒドロキシメチルステリル、11α−プロゲステリル、ラノステリル、メチルテストロステリル、ノレチステリル、プレグネノニル、β−シトステリル、スチグマステリル、テストステリル、酢酸コレステロ−ルエステルなどのステロイド骨格の側鎖を有するジアミンを挙げることができる。

0046

さらに、本発明で用いる上記のジアミンと併用することができるその他のジアミンとして、シロキサン結合を有するシロキサン系ジアミンを挙げることができる。該シロキサン系ジアミンは特に限定されるものではないが、式(2)で表されるものが本発明において好ましく使用することができる。

式中、R2およびR3は独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、R4はメチレンフェニレンまたはアルキル置換されたフェニレンである。xは1〜6の整数であり、yは1〜10の整数である。

0047

本発明で用いるジアミンはこれらに限定されることなく、本発明の目的が達成される範囲内で他にも種々の形態が存在することはいうまでもない。また、これらのジアミンは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。

0048

これらの中で、式2−5、式2−6、式2−9、式2−10、式2−11、式2−12、式2−13、式2−14、式2−15、式2−16、式2−17、式2−18、式2−19、式2−20、式2−30、式2−35、式2−39、式2−40、式2−41、式2−42、式2−43、および式2−56のそれぞれで表されるジアミンが好ましい。さらに好ましくは、直鎖状アルキレンを有する式2−12、式2−13、式2−14、式2−15、式2−16、式2−17、式2−18、式2−19、式2−20、および式2−39のそれぞれで表される芳香族ジアミンの中でnが2〜10であるジアミン、ベンゼン環の3,3’−位にアミノを有する式2−13、式2−16および式2−20のそれぞれで表されるジアミン、ベンゼン環の3,4’−位にアミノを有する式2−14で表されるジアミンである。これらのジアミンを用いることにより、高い配向指数Δが得られやすい。

0049

一方、本発明で用いるジアミンについても前述したテトラカルボン酸二無水物と同様に、芳香環に直接アミノ基が結合した芳香族系(複素芳香環系を含む)、芳香環に直接アミノ基が結合していない脂肪族系(複素環系を含む)の何れの群に属するものであってもよい。中でも環構造を有する芳香族および脂肪族のジアミンは、液晶の配向性を良好に保つため好ましい。さらに、液晶表示素子の電気特性の低下原因となりやすいエステルやエ−テル結合などの酸素や硫黄を含まない構造のものが好ましい。しかし、そのような構造を有していてもこれらの特性に悪影響を与えない範囲内の使用量であれば何ら問題とはならない。

0050

さらに、これらのテトラカルボン酸二無水物およびジアミン以外にポリアミック酸、可溶性ポリイミドの反応末端を形成する、モノアミン化合物、または/およびモノカルボン酸無水物を併用することも可能である。基板への密着性をよくするために、アミノシリコン化合物を導入することもできる。

0052

本発明で用いるポリアミック酸または可溶性ポリイミドの分子量は、例えばゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)で、好ましくは10,000〜500,000、さらに好ましくは20,000〜200,000である。

0053

本発明のポリイミド系ワニス中の高分子成分の濃度は、特に限定されないが0.1〜40重量%が好ましい。該ワニスを基板に塗布するときには、膜厚調整のため含有されている高分子成分を予め溶剤により希釈する操作が必要とされることがある。高分子成分の濃度が40重量%以下であるとワニスの粘度が最適となり、膜厚調整のためにワニスを希釈する必要があるときに、ワニスに対して溶剤を容易に混合できるため好ましい。スピンナ−法や印刷法のときには膜厚を良好に保つために、通常10重量%以下とすることが多い。その他の塗布方法、例えばディッピング法インクジェット法ではさらに低濃度とすることもあり得る。一方、高分子成分の濃度が0.1重量%以上であると、得られる配向膜の膜厚が最適となり易い。従って高分子成分の濃度は、通常のスピンナ−法や印刷法などでは0.1重量%以上、好ましくは0.5〜10重量%である。しかしながら、該ワニスの塗布方法によっては、さらに希薄な濃度で使用してもよい。

0054

本発明のポリイミド系ワニスにおいて前記高分子成分と共に用いられる溶剤は、高分子成分を溶解する能力を持った溶剤であれば格別制限なく適用可能である。かかる溶剤は、ポリアミック酸、可溶性ポリイミドなどの高分子成分の製造工程や用途方面で通常使用されている溶剤を広く含み、使用目的に応じて、適宜選択できる。これらの溶剤の例は以下のとおりである。ポリアミック酸や可溶性ポリイミドに対し親溶剤である非プロトン性極性有機溶剤の例は、N−メチル−2−ピロリドンジメチルイミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、N−メチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルアセトアミドジメチルスルホキシド、N,Nジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドジエチルアセトアミドγ−ブチロラクトンなどのラクトンである。塗布性改善などを目的とした他の溶剤の例は、乳酸アルキル、3−メチル−3−メトキシブタノールテトラリンイソホロンエチレングリコールモノブチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテルジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのジエチレングリコールモノアルキルエーテルエチレングリコールモノアルキルまたはフェニルアセテートトリエチレングリコールモノアルキルエーテルプロピレングリコールモノブチルエーテルなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテルマロン酸ジエチルなどのマロン酸ジアルキル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのジプロピレングリコールモノアルキルエーテル、これらアセテート類などのエステル化合物である。これらの中で、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどを特に好ましく用いることができる。

0055

本発明のポリイミド系ワニスは、必要により各種の添加剤を含むことができる。例えば、塗布性の向上を望むときにはかかる目的に沿った界面活性剤を、帯電防止の向上を必要とするときは帯電防止剤を、また基板との密着性の向上を望むときにはシランカップリング剤チタン系のカップリング剤を配合してもよい。

0056

本発明に係るIPS型液晶表示素子は、薄膜トランジスタが形成された第1の透明基板、対向する第2の透明基板およびそれらの基板間に狭持される液晶からなる。第1の透明基板は、交互に櫛歯が延びるように形成された画素電極および共通電極を有する。第2の透明基板は、画素領域以外の光を遮断するブラックマトリクスカラーフィルター平坦化膜などを有する。櫛歯状の電極は、ガラスなどの透明基板上にCrなどの金属をスパッタリング法などを用いて堆積した後、所定の形状のレジストパターンマスクとしてエッチングを行って形成される。

0057

次いで、得られた2枚の透明基板上にワニスを塗布する工程、これに続く乾燥工程および脱水閉環反応に必要な加熱処理する工程が施される。

0058

ワニス塗布工程での塗布方法としてはスピンナー法、印刷法、ディッピング法、滴下法、インクジェット法などが一般に知られている。これらの方法は本発明においても同様に適用可能である。また、乾燥工程および脱水・閉環反応に必要な加熱処理を施す工程の方法として、オーブンまたは赤外炉の中で加熱処理する方法、ホットプレート上で加熱処理する方法などが一般に知られている。これらの方法も本発明において同様に適用可能である。

0059

乾燥工程は溶剤の蒸発が可能な範囲内の比較的低温で実施することが好ましい。加熱処理の工程は一般に150〜300℃程度の温度で行うことが好ましい。

0060

次いで、得られた配向膜を配向処理する工程、該基板をスペーサーを介して対向させて組み立てる工程、液晶材料封入する工程、偏光フィルムを貼り付ける工程が施されて液晶表示素子が製造される。配向処理工程での配向処理方法としてはラビング法光配向法転写法などが一般に知られている。本発明の目的が達成される範囲内である限り、これらの方法は本発明においても同様に適用可能である。

0061

本発明で特に好ましく用いることのできる配向処理方法は、ラビング布と配向膜が直接、接触することにより、高い配向指数Δが得られるラビング法である。本発明の目的が達成される範囲内である限りどのようなラビング処理条件であってもよい。特に好ましい条件は、毛足押し込み量0.2〜0.8mm、ステージ移動速度5〜250mm/sec、ローラ回転速度500〜2,000rpmである。更に好ましいステージ移動速度は31〜250mm/secである。毛足押し込み量が大きくなるほど、ステージ移動速度が小さくなるほど、またはローラー回転速度が大きくなるほど、ラビング処理の条件が強くなり高い配向指数Δが得られる。しかし、ラビング処理条件が強くなりすぎると配向膜の膜削れが発生することがある。本発明の配向膜はステージ移動速度を31mm/sec以上にすることができ、生産速度を上げられるという長所も有しているのである。

0062

本発明の液晶表示素子は、配向処理の前後に洗浄液による洗浄処理を行うこともできる。洗浄方法としては、ブラッシングジェットスプレー蒸気洗浄または超音波洗浄などが挙げられる。これらの方法は単独で行ってもよいし、併用してもよい。洗浄液としては純水または、メチルアルコールエチルアルコールイソプロピルアルコールなどの各種アルコール類ベンゼントルエンキシレンなどの芳香族炭化水素類塩化メチレンなどのハロゲン系溶剤アセトンメチルエチルケトンなどのケトン類を用いることができるが、これらに限定されるものではない。もちろん、これらの洗浄液は十分に精製された不純物の少ないものが用いられる。

0063

本発明で用いることのできる液晶のプレチルト角は、好ましくは0.1〜5.0度であり、より好ましくは0.2〜3.0度である。IPS型液晶表示素子においては、駆動原理上あまり大きな液晶のプレチルト角は必要としない。プレチルト角が0.1〜5.0度の範囲であれば得られるIPS型液晶表示素子の視野角特性は良好である。

0064

本発明のIPS型の液晶表示素子において用いられる液晶組成物は、特に制限はなく、誘電率異方性が正の各種の液晶組成物を用いることができる。好ましい液晶組成物の例は、特許第3086228号公報、特許第2635435号公報、特表平5−501735号公報、特開平8−157828号公報、特開平8−231960号公報、特開平9−241644号公報(EP885272A1)、特開平9−302346号公報(EP806466A1)、特開平8−199168号公報(EP722998A1)、特開平9−235552号公報、特開平9−255956号公報、特開平9−241643号公報(EP885271A1)、特開平10−204016号公報(EP844229A1)、特開平10−204436号公報、特開平10−231482号公報、特開2000−087040公報、特開2001−48822公報などに開示されている。

0065

誘電率異方性が負の各種の液晶組成物を用いることができる。好ましい液晶組成物の例は、特開昭57−114532号公報、特開平2−4725号公報、特開平4−224885号公報、特開平8−40953号公報、特開平8−104869号公報、特開平10−168076号公報、特開平10−168453号公報、特開平10−236989号公報、特開平10−236990号公報、特開平10−236992号公報、特開平10−236993号公報、特開平10−236994号公報、特開平10−237000号公報、特開平10−237004号公報、特開平10−237024号公報、特開平10−237035号公報、特開平10−237075号公報、特開平10−237076号公報、特開平10−237448号公報(EP967261A1)、特開平10−287874号公報、特開平10−287875号公報、特開平10−291945号公報、特開平11−029581号公報、特開平11−080049号公報、特開2000−256307公報、特開2001−019965公報、特開2001−072626公報、特開2001−192657公報などに開示されている。

0066

前記誘電率異方性が正または負の液晶組成物に一種以上の光学活性化合物を添加して使用することも何ら差し支えない。

0067

以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

0068

実施例および比較例で用いるテトラカルボン酸二無水物、ジアミンおよび溶剤の名称略号で示す。以降の記述にはこの略号を使用することがある。

0069

●テトラカルボン酸二無水物
1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物:CBDA
ピロメリット酸二無水物:PMDA
●ジアミン
1,3−ビス(4−(4−アミノベンジル)フェニル)プロパン:BZ3
4,4’−ジアミノジフェニルメタンDD
4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル:DDE
4,4’−ジアミノジフェニルエタン:DD2
1,4−ビス(4−アミノフェニル)ブタン:DD4
1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)プロパン :DDO3
1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン:DDO5
3,3’−ジアミノジフェニルメタン :mDDM
●溶剤成分
N−メチル−2−ピロリドン:NMP
γ—ブチロラクトン:GBL
ブチルセロソルブ:BC

0070

実施例1
1)ポリイミド系ワニスA1の調製
温度計攪拌機原料投入仕込み口および窒素ガス導入口を備えた200mlの四つ口フラスコにBZ3を3.3125g、脱水NMPを30.00g入れ、乾燥窒素気流攪拌溶解した。反応系の温度を5℃に保ちながらCBDAを0.7989g、PMDAを0.8886g添加し、30時間反応させた後、BCを35.00g、GBLを30.00g加えて高分子成分の濃度が5重量%のポリアミック酸のワニスを調製した。原料の反応中に反応温度により温度が上昇するときは、反応温度を約70℃以下に抑えて反応させた。なお、本発明の実施例では、反応中の粘度をチェックしながら反応を行い、BCを添加後のワニスの粘度が30〜35mPa・s(E型粘度計を使用。25℃)になった時点で反応を終了とし、低温にて保存した。得られたポリアミック酸の重量平均分子量は63,000であった。なお、重量平均分子量は、島津製作所製GPC測定装置クロマトパックC−R7A)を用いてカラム温度50℃にて測定した。
前記のようにして得られたワニスA1にNMPとBCの1対1の混合溶剤で希釈して全高分子成分の濃度が3重量%となるように調整し塗布用ワニスとした。

0071

2)赤外光の吸光度、配向膜の膜厚の測定および配向指数Δの算出
得られた塗布用ワニスをシリコン基板上にスピンナーにて塗布した。塗布条件は2300rpm、15秒であった。塗膜後、80℃にて約5分間乾燥した後、210℃にて30分間加熱焼成処理を行い膜厚およそ80nmの配向膜を形成した。得られたポリイミド膜を株式会社飯ゲージ製作所製のラビング処理装置を用いて、ラビング布(毛足長1.9mm:レーヨン)の毛足押し込み量0.40mm、ステージ移動速度を60mm/sec、ローラー回転速度を1000rpmの条件で、ラビング処理した。
得られた配向膜の赤外光スペクトルの測定は、パーキンエルマー(Perkin Elmer)製FT−IR装置(Paragon1000)を用いて、分解能4cm−1、積算144回の条件で測定した。また、水蒸気ノイズを除去するために乾燥窒素または空気(露点−60℃以下)を使用して試料室10リッター/分、分光室5リッター/分で各々の室をパージした。
偏光子を透過した赤外光を配向膜に対して垂直に配向膜側から入射した。サンプルのラビング方向(配向処理方向)と偏光方向とが平行で測定したときの吸光度をA‖とし、垂直で測定したときの吸光度をA⊥とした。平行と垂直で測定した赤外光スペクトルの差スペクトルを吸光度で計算し、C−N伸縮振動に相当するピーク高さを(A‖−A⊥)とした。また、吸光度で表示した平行と垂直とのスペクトルのC−N伸縮振動に相当するピーク高さの和(A‖+A⊥)を計算した。さらに、配向膜の膜厚(d)を、株式会社溝光学工業所製のエリプソメータ(Ellipsometer;DVA−FL3G)を用いて測定したところ81.6nmであった。
次いで、次式(1)に従い、得られた(A‖−A⊥)、(A‖+A⊥)および膜厚(d)の値より、配向処理後の配向膜の配向指数Δは2.41であった。

0072

3)コントラストおよび電圧保持率測定用セルの作製
図1に示すIPS用櫛歯状電極付きガラス基板および電極のないガラス基板の2枚のガラス基板を用いる以外は、シリコン基板を用いた方法に準じた方法で配向膜を形成した。
上記のようにして得られた配向膜をエタノール中で5分間超音波洗浄後、純水にて表面を洗浄してからオーブン中120℃で30分間乾燥した。前記IPS用櫛歯状電極付きガラス基板に4μmのギャップ材散布し、配向膜を形成した面を内側にして電極のないガラス基板を対向させた後、エポキシ硬化剤シールし、ギャップ4μmのパラレルセルを作成した。前記セルに液晶材料を注入し、注入口を光硬化剤封止した。次いで、110℃で30分間加熱処理を行った後、対向させたガラス基板の外側に2枚の偏光フィルムを貼り付け、コントラストおよび電圧保持率測定用セルとした。なお、対向するIPS用櫛歯状電極付きガラス基板および電極のないガラス基板のラビング方向は互いに同方向とした。一方の偏光フィルムの偏光透過軸をラビング方向と同方向とし、もう一方をこれと垂直に配置した。液晶材料として使用した液晶組成物Aの組成を下記に示す。この組成物のNI点は100.0℃であり、複屈折は0.093であった。

0073

液晶組成物A

0074

次いで、大塚電子株式会社製の液晶パネル評価装置(LCD−5100)を用いて透過率印加電圧曲線を求め、白表示の輝度と黒表示の輝度の比からコントラストを算出したところ202であった。また、ラビング筋のような配向むら配向欠陥は全く認められず、非常に均一な表示が得られた。なお、コントラスト測定時の条件は駆動電圧0〜10Vp−p、駆動周波数70Hz、矩形波であった。

0075

さらに、既存の方法(水嶋他、第14回液晶討論会予稿集p78を参照。)にて、このセルの電圧保持率を測定したところ98.5%であった。電圧保持率の測定条件は、ゲ−ト幅69μs 、周波数60Hz、波高±4.5Vであり、測定温度は60℃である。

0076

4)プレチルト角測定用セルの作製
一対のITO透明電極付きガラス基板、20μm用のギャップ材を用いて作成し、ラビング方向をアンチパラレルとし、偏光フィルムを貼り付けないこと以外は、コントラストおよび電圧保持率測定用セルと同様の方法によってプレチルト角測定用セルを作成した。なお、プレチルト角測定における液晶材料もコントラスト測定時と同じものを用いた。このセルを用いてクリスタルローテーション法にて液晶のプレチルト角を測定したところ、1.4度であった。

0077

実施例2〜13、比較例1〜3
実施例1におけるワニスA1の代わりに、ワニスA2〜A13およびワニスB1〜B3をそれぞれ後記の表1の原料組成で調製し、これを用いて配向指数Δ、コントラスト、電圧保持率およびプレチルト角の評価を実施例1と同様に行なった。

0078

各種ワニスの調製
ワニスA2〜A13およびワニスB1〜B3の調製については、ワニスA1と同様の方法で調製した。反応中に反応熱により温度が上昇するときは、反応温度を約70℃以下に抑えて反応させた。なお、ポリアミック酸の合成は、反応混合物の粘度をチェックしながら反応を行い、BCおよびGBLを添加後のポリアミック酸の粘度が30〜35mPa・s(E型粘度計を使用。25℃)になった時点で反応を終了とし、ポリアミック酸を低温にて保存した。
すなわち、当初のポリアミック酸をNMPのみで合成し、次いでBCおよびGBLを加えて最終的にポリアミック酸濃度を5重量%に調整した。
各実施例および比較例の原料モル比および重量平均分子量を表1、表2に示した。

0079

0080

0081

ワニスA1〜A13およびワニスB1〜B3の膜厚、配向指数Δ、コントラスト、電圧保持率およびプレチルト角の評価結果を表3、表4に示した。
なお、本発明の実施例の試験方法において、優れたコントラストとは150以上の値を、好ましいプレチルト角とは0.1〜5.0度の範囲を、好ましい電圧保持率とは97.0%以上の値を意味する。

0082

0083

0084

実施例1〜13および比較例1〜3の結果から、配向指数Δが1.3以上である配向膜を用いることにより150以上の優れたコントラストを示すIPS型液晶表示素子が得られることがわかる。また、実施例1〜13の配向膜はIPS型液晶表示素子として好ましい電圧保持率およびプレチルト角を示すことがわかる。

図面の簡単な説明

0085

IPS用櫛歯状電極構造を示す。

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