図面 (/)

技術 葉状地衣体の野外での人工増殖方法と、この人工増殖方法で増殖した葉状地衣体を利用した物

出願人 東海コンクリート工業株式会社
発明者 近芳明柏谷博之
出願日 2003年7月29日 (17年2ヶ月経過) 出願番号 2003-281889
公開日 2005年2月24日 (15年8ヶ月経過) 公開番号 2005-046059
状態 特許登録済
技術分野 植物の栽培
主要キーワード 隣どうし 年平均気温 半球体状 天然林 スギ樹皮 亜硫酸ガス量 外部形態 小突起状
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2005年2月24日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (17)

課題

地衣体は生育が極端に遅く、人工栽培が困難である。新規の人工栽培法が産業界では、強く望まれていた。本出願人は試験管内で菌類藻類から容易に地衣体を再分化させる方法を確立し、その方法を特許出願(特開平4-63528号)し、再分化した地衣体は、天然と同じ化学成分を合成することを明らかにした。試験管内の地衣体を試験管外に取り出し野外と同じように樹皮等で生育させることは不可能であった。

構成

本発明は、野外のウメノキゴケから一片の地衣体を切り出し、基物の表面に移植し、ナイロンメッシュ被覆し、かつ留め付け、地衣体中の藻類層あたりから半球体状突起の形成と、イシデア状の拡大、及び隣接するイシデア状の小裂片の融合で、イシデア状の小裂片を手のひら状に拡大する発生段階と、小裂片の形成時に発生する下皮根で基物への定着と、地衣体の増殖を図るウメノキゴケの野外での人工増殖方法である。

概要

背景

周知の如く、地衣類は、南極高山砂漠等の厳しい環境に耐えて生活できるものが多い。しかし、大気汚染都市化による環境の変化に対する耐性は非常に低く、僅かな環境の変化で、いとも簡単に死滅し、又は個体数極端に減少し、その生育が抑制される。尚、この特性を考慮して、大気汚染の指標植物としても利用されている。

そして、現実の状況では、この種の地衣体絶滅へと追いやる主な要因は、大気中の亜硫酸ガス量の増大であり、例えば、東京周辺では亜硫酸ガス濃度が0.02ppmを越えるとウメノキゴケ類は生育できなくなる。また他の死滅原因としては、酸性雨人工的な環境の作り出す乾燥、天然林伐採等が挙げられる。

そして、参考として説明すると、1997年に環境発表した植物版レッドリスト(従来技術)には、国内産地衣体のうち絶滅のおそれのある地衣体として82種が列挙されている。即ち、絶滅(我が国ではすでに絶滅したと考えられる種)3種、絶滅危惧I類(現在の状況をもたらした圧迫要因が引き続き作用する場合、存続が困難な種)22種、絶滅危惧II類(現在の状況をもたらした圧迫要因が引き続き作用する場合、近い将来"絶滅危惧I類"のランクに移行すると考えられる種)23種、準絶滅危惧(現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては"絶滅危惧"として上位ランクに移行する要素を有する種)17種、情報不足(稀産種と考えられるが評価するだけの情報が不足している種)17種と考えられている。

以上のような状況と、地衣類は生育が極端に遅く、人工栽培が困難であるため、新規の人工栽培法が産業界では、強く望まれていた。そこで、本出願人は試験管内で菌類藻類から容易に地衣体を再分化させる方法を確立し、その方法を特許として出願(特開平4-63528号)し、再分化した地衣体は、天然と同じ化学成分を合成することを明らかにした。しかし、試験管内の地衣体を試験管外に取り出し野外と同じように樹皮等で生育させることは不可能であった。

そして、この種のウメノキゴケが付いた、梅の枝に付いたこけ松、こけ梅等は、日本では古来より、珍重されてきた。しかし、これまで、人工的にこけ松、こけ梅を作出する試みがなされてきたが、成功した例がない。ただ、近畿大学の教授らのグループでは、ウメノキゴケを丸くくり抜き、ポリ袋内で培養し、定期的にその直径を測定し、最適な培養条件を見いだしたが、再分化は確認していない。

特開平4-63528号

概要

地衣体は生育が極端に遅く、人工栽培が困難である。新規の人工栽培法が産業界では、強く望まれていた。本出願人は試験管内で菌類と藻類から容易に地衣体を再分化させる方法を確立し、その方法を特許出願(特開平4-63528号)し、再分化した地衣体は、天然と同じ化学成分を合成することを明らかにした。試験管内の地衣体を試験管外に取り出し野外と同じように樹皮等で生育させることは不可能であった。 本発明は、野外のウメノキゴケから一片の地衣体を切り出し、基物の表面に移植し、ナイロンメッシュ被覆し、かつ留め付け、地衣体中の藻類層あたりから半球体状突起の形成と、イシデア状の拡大、及び隣接するイシデア状の小裂片の融合で、イシデア状の小裂片を手のひら状に拡大する発生段階と、小裂片の形成時に発生する下皮根で基物への定着と、地衣体の増殖をるウメノキゴケの野外での人工増殖方法である。 1

目的

また請求項2の発明は、請求項1の発明を達成するに最適なウメノキゴケの野外での人工増殖方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

(1)野外で生育している大型の葉状地衣体周辺部分から一片地衣体切り出し、(2)この切り出した地衣体を、スギ、梅、等の樹種、又は石等の基物の表面に移植し、(3)移植した地衣体を脱落防止用ナイロンメッシュビニールメッシュ等のメッシュ材被覆するとともに、この地衣体を基物にホッチキスピン接着材等の止具留め付け、(4)この留め付けた地衣体中の藻類層あたりから半球体状突起の形成と、この突起の成長によってイシデア状の拡大、及びこの拡大によって、前記隣接するイシデア状の小裂片の融合によって、当該イシデア状の小裂片を手のひら状に拡大する発生段階と、(5)この拡大した小裂片(裂状のもの)が形成される時期に発生する下皮根を介して前記基物への定着と、地衣体の増殖を図ることを特徴とした葉状地衣体の野外での人工増殖方法

請求項2

(1)野外で生育している大型の葉状地衣体の周辺部分から一片の長さが4mm〜10mm、重さ2mg〜8mgの正方形の地衣体を切り出し、(2)この切り出した正方形の地衣体を、スギ、梅、松等の樹種、又は石等の基物の表面に移植し、(3)移植した地衣体を脱落防止用のナイロンメッシュ、ビニールメッシュ等のメッシュ材で被覆するとともに、この地衣体を基物にホッチキス、釘、ピン、接着材等の止具で留め付け、(4)この留め付けた正方形の地衣体中の藻類層あたりから半球体状の突起の形成と、この突起の成長によってイシデア状の拡大、及びこの拡大によって、前記隣接するイシデア状の小裂片の融合によって、当該イシデア状の小裂片を手のひら状に拡大する発生段階と、(5)この拡大した小裂片(裂芽状のもの)が形成される時期に発生する下皮層偽根を介して前記基物への定着と、この髄層が下皮層によって覆われた段階で、この下皮層は、前記髄層の菌糸で形成された後、(6)この下皮層の発達と、又は地衣体の増殖を図ることを特徴とした葉状地衣体の野外での人工増殖方法。

請求項3

請求項1又は請求項2に記載の野外での人工増殖方法で生成された葉状地衣体を、盆栽の土又は樹木植生したことを特徴とする人工増殖方法で増殖した葉状地衣体を利用した物。

請求項4

請求項1又は請求項2に記載の野外での人工増殖方法で生成された葉状地衣体を、大気汚染生物指標として利用することを特徴とする人工増殖方法で増殖した葉状地衣体を利用した物。

技術分野

0001

本発明は、葉状地衣体(例えば、ウメノキゴケ類、カブゴケ類等)の野外での人工増殖方法と、この人工増殖方法で増殖した葉状地衣体を利用した物に関する。

背景技術

0002

周知の如く、地衣類は、南極高山砂漠等の厳しい環境に耐えて生活できるものが多い。しかし、大気汚染都市化による環境の変化に対する耐性は非常に低く、僅かな環境の変化で、いとも簡単に死滅し、又は個体数極端に減少し、その生育が抑制される。尚、この特性を考慮して、大気汚染の指標植物としても利用されている。

0003

そして、現実の状況では、この種の地衣体絶滅へと追いやる主な要因は、大気中の亜硫酸ガス量の増大であり、例えば、東京周辺では亜硫酸ガス濃度が0.02ppmを越えるとウメノキゴケ類は生育できなくなる。また他の死滅原因としては、酸性雨人工的な環境の作り出す乾燥、天然林伐採等が挙げられる。

0004

そして、参考として説明すると、1997年に環境発表した植物版レッドリスト(従来技術)には、国内産地衣体のうち絶滅のおそれのある地衣体として82種が列挙されている。即ち、絶滅(我が国ではすでに絶滅したと考えられる種)3種、絶滅危惧I類(現在の状況をもたらした圧迫要因が引き続き作用する場合、存続が困難な種)22種、絶滅危惧II類(現在の状況をもたらした圧迫要因が引き続き作用する場合、近い将来"絶滅危惧I類"のランクに移行すると考えられる種)23種、準絶滅危惧(現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては"絶滅危惧"として上位ランクに移行する要素を有する種)17種、情報不足(稀産種と考えられるが評価するだけの情報が不足している種)17種と考えられている。

0005

以上のような状況と、地衣類は生育が極端に遅く、人工栽培が困難であるため、新規の人工栽培法が産業界では、強く望まれていた。そこで、本出願人は試験管内で菌類藻類から容易に地衣体を再分化させる方法を確立し、その方法を特許として出願(特開平4-63528号)し、再分化した地衣体は、天然と同じ化学成分を合成することを明らかにした。しかし、試験管内の地衣体を試験管外に取り出し野外と同じように樹皮等で生育させることは不可能であった。

0006

そして、この種のウメノキゴケが付いた、梅の枝に付いたこけ松、こけ梅等は、日本では古来より、珍重されてきた。しかし、これまで、人工的にこけ松、こけ梅を作出する試みがなされてきたが、成功した例がない。ただ、近畿大学の教授らのグループでは、ウメノキゴケを丸くくり抜き、ポリ袋内で培養し、定期的にその直径を測定し、最適な培養条件を見いだしたが、再分化は確認していない。

0007

特開平4-63528号

発明が解決しようとする課題

0008

前述の文献は、分化した地衣体の一部から未分化な菌類と藻類からなる細胞集団を得て、特定の条件下で培養したものであって、再分化した地衣体は、天然と同じ化学成分を合成することを明らかにした段階であり、あくまでも試験管内において培養した内容である。従って、試験管内での無菌状態を条件として培養したものであり、試験管外に取り出し野外と同じように樹皮等で生育させる内容ではなかった。また細菌、かび等を遮蔽した条件下での培養であった。従って、野外での培養とは、本質的に相違する。

0009

そこで、本発明は、大気汚染がない条件(清浄な空気の環境)下で、地衣体の再生実験を図りつつ、地衣体を野外において培養(増殖)し、この地衣体を要望する業界に確実に供給すること、又は人類成育と、生物指標としての利用を図ることを意図する。

課題を解決するための手段

0010

請求項1の発明は、例えば、実験場所は、周辺には多くの大型葉状地衣体が多数みられる地域、また大気の清浄度は、大気中には二酸化硫黄等の汚染源となる物質は少ないと考えられる地域、また気候条件は、年平均気温は比較的温暖で、その降水量も2000mmを越す地域を指定し、この条件を兼ね備えた地域において、地衣体を野外において培養し、この地衣体を要望する業界に確実に供給すること、又は人類の成育と、生物指標としての利用を図ることを意図する。またこのような場所を選択し、ナイロンメッシュの使用と、基物へ留め付ける方法によって容易にウメノキゴケの再分化を誘導することを意図する。

0011

請求項1は、 (1)野外で生育している大型のウメノキゴケの周辺部分から一片の地衣体を切り出し、
(2) この切り出した地衣体を、スギ、梅、松等の樹種、又は石等の基物の表面に移植し、
(3) 移植した地衣体を脱落防止用のナイロンメッシュ、ビニールメッシュ等のメッシュ材被覆するとともに、この地衣体を基物にホッチキスピン接着材等の止具で留め付け、
(4) この留め付けた地衣体中の藻類層あたりから半球体状突起の形成と、この突起の成長によってイシデア状の拡大、及びこの拡大によって、前記隣接するイシデア状の小裂片の融合によって、当該イシデア状の小裂片を手のひら状に拡大する発生段階と、
(5) この拡大した小裂片(裂状のもの)が形成される時期に発生する下皮根を介して前記基物への定着と、地衣体の増殖を図ることを特徴としたウメノキゴケの野外での人工増殖方法である。

0012

また請求項2の発明は、請求項1の発明を達成するに最適なウメノキゴケの野外での人工増殖方法を提供する。

0013

請求項2は、(1)野外で生育している大型の葉状地衣体の周辺部分から一片の長さが4mm〜10mm、重さ2mg〜8mgの正方形の地衣体を切り出し、
(2) この切り出した正方形の地衣体を、スギ、梅、松等の樹種、又は石等の基物の表面に移植し、
(3) 移植した地衣体を脱落防止用のナイロンメッシュ、ビニールメッシュ等のメッシュ材で被覆するとともに、この地衣体を基物にホッチキス、釘、ピン、接着材等の止具で留め付け、
(4) この留め付けた正方形の地衣体中の藻類層あたりから半球体状の突起の形成と、この突起の成長によってイシデア状の拡大、及びこの拡大によって、前記隣接するイシデア状の小裂片の融合によって、当該イシデア状の小裂片を手のひら状に拡大する発生段階と、
(5) この拡大した小裂片(裂芽状のもの)が形成される時期に発生する下皮層偽根を介して前記基物への定着と、この髄層が下皮層によって覆われた段階で、この下皮層は、前記髄層の菌糸で形成された後、
(6) この下皮層の発達と、又は地衣体の増殖を図ることを特徴としたウメノキゴケの野外での人工増殖方法である。

0014

請求項3の発明は、この種のウメノキゴケが付いた松、梅の枝に付いたこけ松、こけ梅等は、日本では古来より、珍重されてきたことに鑑み、このウメノキゴケが付いたこけ松、こけ梅を有効利用して、商品価値と、優れた感覚盆栽を提供することを意図する。

0015

請求項3は、請求項1又は請求項2に記載の野外での人工増殖方法で生成されたウメノキゴケを、盆栽の土又は樹木植生したことを特徴とする人工増殖方法で増殖したウメノキゴケを利用した物である。

0016

請求項4の発明は、今後自分たちの住む地域の大気汚染の状況を容易に知ることができる生物指標の提供を意図する。またこの小さなウメノキゴケ裂片を適当な板に張り付け、それを校内のサクラ等の樹枝ぶら下げ、数ヶ月放置した後、そのウメノキゴケの状態から大気汚染の状態を知ることができるので、小中学校の児童生徒に対する環境教育の有効な材料として利用可能とすること、そして、この生物指標としての市販を可能とすること等を意図する。

0017

請求項4は、請求項1又は請求項2に記載の野外での人工増殖方法で生成されたウメノキゴケを、大気汚染の生物指標として利用することを特徴とする人工増殖方法で増殖したウメノキゴケを利用した物である。

発明の効果

0018

請求項1の発明は、(1)野外で生育している大型のウメノキゴケの周辺部分から一片の地衣体を切り出し、 (2) 切り出した地衣体を、スギ、梅、松等の樹種、又は石等の基物の表面に移植し、 (3) 地衣体を脱落防止用のメッシュ材で被覆するとともに、地衣体を基物に止具で留め付け、 (4) 地衣体中の藻類層あたりから半球体状の突起の形成と、突起の成長によってイシデア状の拡大、及び拡大によって、隣接するイシデア状の小裂片(裂芽という器官)の融合によって、イシデア状の小裂片を手のひら状に拡大する発生段階(形態形成)と、 (5) 拡大した小裂片が形成される時期に発生する下皮層偽根を介して基物への定着と、地衣体の増殖を図るウメノキゴケの野外での人工増殖方法である。

0019

従って、請求項1は、例えば、実験場所は、周辺には多くの大型葉状地衣体が多数みられる地域、また大気の清浄度は、大気中には二酸化硫黄等の汚染源となる物質は少ないと考えられる地域、さらに気候条件は、年平均気温は比較的温暖で、その降水量も略1000mm〜3000mm程度の地域を指定し、この条件を兼ね備えた地域において、地衣体を野外において培養し、この地衣体を要望する業界に確実に供給できること、又は人類の成育と、生物指標としての利用が図れること等の特徴がある。またこのような場所を選択し、ナイロンメッシュの使用と、基物へ留め付ける方法によって容易にウメノキゴケの再分化を誘導できる特徴がある。

0020

請求項2の発明は、(1)野外で生育している大型のウメノキゴケの周辺部分から一片の長さが7mm、重さ4mgの正方形の地衣体を切り出し、 (2) 正方形の地衣体を、スギ、梅、松等の樹種、又は石等の基物の表面に移植し、 (3) 地衣体を脱落防止用のメッシュ材で被覆するとともに、地衣体を基物に止具で留め付け、 (4) 正方形の地衣体中の藻類層あたりから半球体状の突起の形成と、突起の成長によってイシデア状の拡大、及び拡大によって、隣接するイシデア状の小裂片の融合によって、イシデア状の小裂片を手のひら状に拡大する発生段階と、 (5) 拡大した小裂片が形成される時期に発生する下皮層偽根を介して基物への定着と、髄層が下皮層によって覆われた段階で、下皮層は、髄層の菌糸で形成された後、 (6) 下皮層の発達と、又は地衣体の増殖を図るウメノキゴケの野外での人工増殖方法である。

0021

従って、請求項2は、請求項1の発明を達成するに最適なウメノキゴケの野外での人工増殖方法を提供できる。

0022

請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の野外での人工増殖方法で生成されたウメノキゴケを、盆栽の土又は樹木に植生したことを特徴とする人工増殖方法で増殖したウメノキゴケを利用した物である。

0023

従って、請求項3は、この種のウメノキゴケが付いた松、梅の枝に付いたこけ松、こけ梅等は、日本では古来より、珍重されてきたことに鑑み、このウメノキゴケが付いたこけ松、こけ梅を有効利用して、商品価値と、優れた感覚の盆栽を提供できる。

0024

請求項4の発明は、請求項1又は請求項2に記載の野外での人工増殖方法で生成されたウメノキゴケを、大気汚染の生物指標として利用することを特徴とする人工増殖方法で増殖したウメノキゴケを利用した物である。

0025

従って、請求項4は、今後自分たちの住む地域の大気汚染の状況を容易に知ることができる生物指標を提供できる。またこの小さなウメノキゴケ裂片を適当な板に張り付け、それを校内のサクラ等の樹枝にぶら下げ、数ヶ月放置した後、そのウメノキゴケの状態から大気汚染の状態を知ることができるので、小中学校の児童、生徒に対する環境教育の有効な材料としての利用が可能となること、そして、この生物指標としての市販が可能となること等の特徴がある。

発明を実施するための最良の形態

0026

以下、本発明の実施の形態(実施例)を説明する。
1. 実施例1
1−1実験の条件設定
(1)採集の場所と実験場所
採集場所:千葉県君津市某所
実験場所:同上

(2)方法
・野外で生育している大型のウメノキゴケの周辺部分から一片の長さが7mmの正方形の地衣体(重さ4mg)を切り出す。
・基物の樹種:スギ
・地衣体が脱落するのを防ぐ目的で、ナイロンメッシュをかけ、基物にホッチキスで留める。この所作は、光の照射を確保し(絶対的な条件である)、飛散防止とを図る。
・結果の調査方法として
実体顕微鏡表裏外部形態を撮り図面で表示した。
光学顕微鏡内部形態を撮り図面で表示した。
走査電子顕微鏡で細かな外部形態を撮り図面で表示した。
内部形態観察の際の、切片作成法(凍結ミクロトーム)を用いて表示した。

1−2 結果
(1)生態写真を図1〜図3で表示した。
図1は、2001年5月5日、移植開始時のものである。
図2は、2001年9月27日、移植開始後約4ヶ月のものである。
図3は、2002年8月3日、移植開始後約15ヶ月(1年3ヶ月)のものである。
上記の図に於いて、図2は、周辺に小裂片が認められないが、図3では、明らかに周辺から小さな裂片の形成が多数認められる。

(2) 外部形態を顕微鏡撮影して図4、図5で表示した。
図4は、表面を図面で表示した。
図5は、裏面を図面で表示した。

(3) 走査電子顕微鏡で撮影して図6〜図11で表示するが、総括すると、地衣体の断面には、発生段階が進んだ部位と、遅い部位が同時にみられるので、段階的に発生段階を追うことができる。以下、具体的な一例を説明する。
図6は、分化した地衣体の表面を走査電子顕微鏡で撮影して図面で表示した。
図7は、分化した地衣体の裏面を走査電子顕微鏡で撮影して図面で表示した。偽根が観察できる。
図8は、移植した地衣体(古い)表面に新しく形成した裂芽を、走査電子顕微鏡で撮影して図面で表示した。
図9は、切断面に形成された極初期の地衣体であり、外部形態が裂芽と似ている状態を走査電子顕微鏡で撮影して図面で表示した。
図10は、少し成長した状態の地衣体を走査電子顕微鏡で撮影して図面で表示した。
図11は、手のひら状に十分に発達した地衣体を走査電子顕微鏡で撮影して図面で表示した。
以上で図示した発生段階の内容を検討したので、その結果を下記に記す。
a:藻類層あたりから半球体状の突起が形成される。突起は成長し、地衣体表面に形成されたイシデアと形態が酷似している。
b:このイシデア状のものは徐々に大きくなり、手のひら状に展開する。隣どうしの小裂片は融合しさらに大きくなると考えられる。その理由は、形成されたイシデア状のものの数と小裂片の数は同じ長さの下で比較すると、小裂片の数が少ないことから推察される。
c:イシデアが形成される時期には、髄層の菌糸はまだむき出しのままであるが、やがて、この髄層は下皮層(茶褐色で判断した)によっておおわれ、下皮層の形成はむき出しの髄層菌糸からできるようにみえる。

(4) 内部形態
図12は、発生初期(イシデア状の円筒形の地衣体の形成時)の状態を顕微鏡で撮影して図面で表示した。その概要は下記の通りである。
上皮層は連続している。
・藻類層は連続しない部分もある。
・髄層部分に下皮層は発達しない(髄層菌糸はむき出し)。
ことを図面に記入した。
図13は、発生後期(倒卵形の裂片の形成時) の状態を顕微鏡で撮影して図面で表示した。その概要は下記の通りである。
・上皮層、藻類層は新旧地衣体と連続している。
・新地衣体では髄層の発達が悪く、従って地衣体は薄い。
・下皮層は十分発達している。明瞭な境が認められる。
ことを図面に記入した。

(5)地衣成分の比較
新しく形成された小裂片の地衣成分を天然のものと比較した処、アトラノリンとレカノール酸が検出された。これは、本来天然の地衣体が含有する成分と同じであり、再分化による地衣体の増殖が確認できた証左である。

0027

「発明の要約」
以下、本発明の一実施例を基にした要約を説明する。

0028

ウメノキゴケの地衣体周辺部から切り出した、7mm四方の地衣体片1をスギ樹皮2にナイロンメッシュ3で固定し、15ヵ月間培養したところ、地衣体片1の周辺部分から、多くの新しい小型の地衣体100(裂片)の再分化が確認された。即ち、藻類層若しくは髄層を一部含む部分から、裂芽状のものが形成され、この裂芽の形成がスタートとなり再生化が始まるものと考えられる。そして、この裂片形成の過程は、以下のように推察される。即ち、形成の初期段階においては、藻類を含む皮層若しくは髄層部分から小突起状4のものが形成される。これらは、上皮層から形成されるイシデアと形態が非常によく似ている。さらにこの小突起は、円筒形状に伸び、やがて、これらはお互いに癒合し手のひら状の裂片が形成される。ウメノキゴケには二次代謝産物として、レカノール酸とアトラノリンが含まれるが、新しく形成された裂片にも同じ2成分が検出された。

0029

「使用例」
本発明の他の使用例としては、図14〜図16に示す如く、観賞用として利用する例があり、例えば、地衣体を樹木Hや盆栽H1の土、樹木、石等に植栽することも可能である。

0030

また、図示しないが、生物指標として利用する例がある。この例は、小さなウメノキゴケ裂片を適当な板に張り付け、それを校内のサクラ等の樹枝にぶら下げ、数ヶ月放置した後、そのウメノキゴケの状態から大気汚染の状態を知ることができる。従って、小中学校の児童、生徒に対する環境教育の有効な材料として利用可能である。

図面の簡単な説明

0031

実験に使用した地衣体の生態写真であり、2001年5月5日、移植開始時のものを示した図
実験に使用した地衣体の生態写真であり、2001年9月27日、移植開始後約4ヶ月のものを示した図
実験に使用した地衣体の生態写真であり、2002年8月3日、移植開始後約15ヶ月(1年3ヶ月)のものを示した図
地衣体の外部形態の表面を示した図
地衣体の外部形態の裏面を示した図
地衣体の発生段階を走査電子顕微鏡で撮影したものであり、分化した地衣体の表面を示した図
地衣体の発生段階を走査電子顕微鏡で撮影したものであり、分化した地衣体の裏面を示した図
地衣体の発生段階を走査電子顕微鏡で撮影したものであり、移植した地衣体表面に新しく形成した裂芽を示した図
地衣体の発生段階を走査電子顕微鏡で撮影したものであり、切断面に極初期の地衣体が形成され、外部形態が裂芽と似ている状態を示した図
地衣体の発生段階を走査電子顕微鏡で撮影したものであり、少し成長した状態の地衣体を示した図
地衣体の発生段階を走査電子顕微鏡で撮影したものであり、手のひら状に十分に発達した地衣体を示した図
地衣体の内部形態を顕微鏡で撮影したものであり、発生初期の状態を示した図
地衣体の内部形態を顕微鏡で撮影したものであり、発生後期の状態を示した図
ホテルロビー旅館玄関等に設置された大型の盆栽に本発明の地衣体を植栽した正面図
主として家庭用の小型の盆栽に本発明の地衣体を植栽した正面図
庭園の樹木等に本発明の地衣体を植栽した正面図

符号の説明

0032

1地衣体片
100 地衣体
2スギ樹皮
3ナイロンメッシュ
4小突起状
H樹木
H1 盆栽

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 大友慶孝の「 テラヘルツ電磁波照射効果の実証装置と方法」が 公開されました。( 2020/08/31)

    【課題】従来においてはテラヘルツ波照射を浴びさせた各種の商材が、人間の健康面への影響を確認するには、体感的、又は主観的な推測に委ねられ、科学的に客観的な確認が出来なかった。【解決手段】侵襲をともなわな... 詳細

  • 三菱重工機械システム株式会社の「 建造物」が 公開されました。( 2020/08/31)

    【課題】観客の視線を妨げることなく天然芝の育成維持管理を実行できる建造物を提供すること。【解決手段】表面に天然芝23の育成面を有し、床部11の上に載置される床構造体20と、床構造体20を昇降する昇降装... 詳細

  • 株式会社竹中庭園緑化の「 ケイ酸塩を含む液肥及びそれを用いた植物の育成方法」が 公開されました。( 2020/08/31)

    【課題】光合成を高め、酸素の排出量を増加させるケイ酸塩を含む観葉植物又は樹木用液肥及びそれを用いた植物の育成方法を提供する。【解決手段】ケイ酸塩を含む観葉植物又は樹木用液肥。前記ケイ酸塩が、ケイ酸カリ... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ