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技術 溶接棒送り装置

出願人 横場工業株式会社
発明者 松角勝信松岡雄一
出願日 2003年6月30日 (16年10ヶ月経過) 出願番号 2003-187144
公開日 2005年1月27日 (15年3ヶ月経過) 公開番号 2005-021903
状態 拒絶査定
技術分野 アーク溶接の制御
主要キーワード 操作ローラ 支持角度 フレキシブルジョイント 操作用ハンドル 連続電流 アーク発生位置 溶加棒 ガイドブラケット
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2005年1月27日)のものです。
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図面 (9)

課題

熟練を要せず、溶接トーチの操作のみにて片手溶接を適確に実行する。

解決手段

ガイドブラケット102は、溶接トーチ10の支持部材20に所定の距離を保持するフレキシブルジョイント30により連結されて、溶接部位付近を移動自在に形成されている。モータ108を含む駆動機構200は、モータベース106により角度調整自在にガイドブラケット102に連結されている。溶接棒が挿入される送り機構は、ガイドフレーム114によりモータベースに連結され、溶接棒は、モータ108により駆動される送りローラ116とガイドローラ118により所定量送りまたは戻されて、その先端が溶接部位と溶接トーチとの間に適確に送給される。

概要

背景

たとえばTIG溶接では、アルゴンヘリウムなどの不活性ガスシールドガスとして用い、その雰囲気中で、融点が高く消耗しにくいタングステン電極母材との間にアークを発生させて、そのアーク中に溶接棒溶加棒) の先端を挿入しつつ、その先端を溶融して溶接を行なうものである。

概要

熟練を要せず、溶接トーチの操作のみにて片手で溶接を適確に実行する。ガイドブラケット102は、溶接トーチ10の支持部材20に所定の距離を保持するフレキシブルジョイント30により連結されて、溶接部位付近を移動自在に形成されている。モータ108を含む駆動機構200は、モータベース106により角度調整自在にガイドブラケット102に連結されている。溶接棒が挿入される送り機構は、ガイドフレーム114によりモータベースに連結され、溶接棒は、モータ108により駆動される送りローラ116とガイドローラ118により所定量送りまたは戻されて、その先端が溶接部位と溶接トーチとの間に適確に送給される。

目的

本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、溶接トーチのみを操作して溶接することができ、かつ、熟練を要せず、そのアーク発生に応じた溶接棒の送給を行なうことができる溶接棒送り装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

所定の径を有するロッド状に形成された溶接棒アークを発生する溶接トーチ溶接される母材における溶接部位との間にその溶接速度に応じて供給する溶接棒送り装置であって、該装置は、溶接部位付近に載置自在に形成されたベース部材に、溶接トーチに流れるアーク電流の有無に対応して駆動されるモータが搭載された駆動手段を含み、該駆動手段に、溶接棒が挿通される挿通孔が形成された送り機構であって、モータにより駆動される送りローラと、送りローラに対向して回転するガイドローラが挿通孔に臨み配設された送り機構と、が連結されていることを特徴とする溶接棒送り装置。

請求項2

請求項1に記載の溶接棒送り装置において、ベース部材は、溶接トーチに対して所定の距離を保持するフレキシブルジョイントによって溶接トーチの支持部材に連結されていることを特徴とする溶接棒送り装置。

請求項3

請求項1または請求項2に記載の溶接棒送り装置において、送り機構は、溶接部位に対する溶接棒の角度が調整設定自在にベース部材に接続されていることを特徴とする溶接棒送り装置。

請求項4

請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の溶接棒送り装置において、該装置は、トーチ電流を検出する検出手段と、該検出手段の検出結果に基づいてモータを制御する制御手段とを含み、該制御手段は、溶接トーチがパルス電流により駆動される際のパルスモードと、連続電流により駆動される際の通常モードとを切り替えモード切替手段を含むことを特徴とする溶接棒送り装置。

請求項5

請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の溶接棒送り装置において、制御手段は、スイッチオフの際に、モータを所定の回転量反転して、溶接棒を所定量引き戻すことを特徴とする溶接棒送り装置。

請求項6

請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の溶接棒送り装置において、前記制御手段は、溶接棒の送り速度を調整自在な速度調整手段を含むことを特徴とする溶接棒送り装置。

請求項7

請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の溶接棒送り装置において、該装置は、モータを手動により正転・反転を切り替える手動送りスイッチ手段を含むことを特徴とする溶接棒送り装置。

技術分野

0001

本発明は、溶接棒送り装置係り、特に、たとえばTIG(Tungsten Inert −Gas )溶接に用いて好適な溶接棒送り装置に関するものである。

0002

たとえばTIG溶接では、アルゴンヘリウムなどの不活性ガスシールドガスとして用い、その雰囲気中で、融点が高く消耗しにくいタングステン電極母材との間にアークを発生させて、そのアーク中に溶接棒溶加棒) の先端を挿入しつつ、その先端を溶融して溶接を行なうものである。

0003

従来、上記のような溶接に用いられる溶接棒送り装置として、実用新案文献1または特許文献2に示すものが提案されている。たとえば、実用新案文献1による溶接棒送り装置は、中心部軸方向に溶接棒が通過する径の貫通孔穿設し、片手把持することができる大きさとした棒状のホルダー本体の中間部に、貫通孔に挿通させた溶接棒に当接させるべく上下対向位置に受けローラ操作ローラを回転自在に軸着し、操作ローラはホルダー本体を把持した手の指で回動操作ができるように一部を器外に突出させ、操作ローラを手指回動させることによって溶接棒をホルダー本体の先方へ送り出すようにしたものであった。これにより、溶接棒の把持先方が短くなっても溶接棒を持ち替えることなく、連続的に溶接棒を溶接部位補給することができるものであった。

0004

また、特許文献2による溶接棒送り装置は、溶接棒を挿通し保持できるように構成した保持構造に、溶接棒を送るローラと、これを回転させるモータとを含む棒送り機構を設け、スイッチ操作によって棒送り機構を動作させるようにしたものであった。これにより、手に保持し指先の操作で行なっていた従来の溶接棒の送り込みを、保持機構と棒送り機構とによって機械的に行ない得て、溶接棒を有効に溶接部位に送給することができるものであった。

背景技術

0005

【実用新案文献1】
実用新案登録第3044697号公報
【特許文献2】
特開2002−263843号公報

0006

しかしながら、上述した従来の技術では、たとえば前者の実用新案文献1では送りローラ手動により回動させて溶接棒を送るので、その回転量の送り具合により、溶接の出来、不出来が発生し、指先により送る場合と同様に熟練を要するという欠点があった。また、後者の特許文献2では、モータを適用することによりそのスイッチ操作により送り量を一定にしている。しかし、そのスイッチ操作が手動により行なうようになっているので、溶接トーチからのアーク発生の具合に応じた送り量を得ることができず、やはりスイッチ操作をに頼って行なわなければならず、溶接トーチの操作とともに熟練を要するという欠点があった。さらに、両文献ともに、一方の手で溶接トーチを操作し、他方の手で溶接棒送り装置を操作しつつ溶接を行なうので、やはり双方の手の使い方に熟練を要するものであった。

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、溶接トーチのみを操作して溶接することができ、かつ、熟練を要せず、そのアーク発生に応じた溶接棒の送給を行なうことができる溶接棒送り装置を提供することを目的とする。

0008

本発明による溶接棒送り装置は、上記課題を解決するために、所定の径を有するロッド状に形成された溶接棒をアークを発生する溶接トーチ(10)と溶接される母材(50)における溶接部位(A)との間にその溶接速度に応じて供給する溶接棒送り装置であって、溶接部位付近に載置自在に形成されたベース部材(102)に、溶接トーチに流れるアーク電流の有無に対応して駆動されるモータ(108)が搭載された駆動手段(200)を含み、その駆動手段に、溶接棒Wが挿通される挿通孔(114a,114b)が形成された送り機構(300)であって、モータにより駆動される送りローラ(116)と、送りローラに対向して回転するガイドローラ(118)が挿通孔に臨み配設された送り機構(300)が連結されていることを特徴とする。これにより、溶接トーチの操作によりアークを発生した際のアーク電流に応じて駆動手段のモータが駆動され、その駆動により送り機構の送りローラが回転し、その送りローラとガイドローラとの間に挿通された溶接棒が所定量毎に送り出されて、溶接部位に供給される。

0009

この場合、ベース部材(102)は、溶接トーチに対して所定の距離を保持するフレキシブルジョイント(30)によって溶接トーチ(10)の支持部材(20)に連結されていることにより、溶接が進行するにともなって、溶接トーチを溶接部位に沿って移動する際に、その移動とともにフレキシブルジョイントを介してベース部材が溶接トーチと所定の距離を保持しつつ移動して、装置に装着された溶接棒が溶接トーチと溶接部位の間に臨む位置を保持しつつ溶接を継続し得る。特に、フレキシブルジョイントによる接続により、トーチと溶接棒がそれぞれ狙う溶接部位に対して作業者の溶接時の作業姿勢を含めたそれぞれ最適な角度、位置関係を自在に設定でき、その状態での溶接作業を可能とする。なお、溶接トーチ10と溶接棒の駆動機構、送り機構を含む駆動送り機構とをフレーム、ロッド、板体、その他の固定連結手段により固定させてもよく、その際は、溶接部位に対するトーチの狙い部分を可動調整可能とし、さらに必要に応じて溶接棒の支持角度可能構成としてトーチからのアークの程度に対応する溶接棒送りを行わせるようにしてもよい。

0010

また、送り機構(300)は、溶接部位Aに対する溶接棒Wの角度を調整設定自在にベース部材に接続されていることにより、溶接の際に、溶接トーチと溶接部位との間に対して溶接棒を所望の角度に調整して、有効な溶接を実行し得る。なお、溶接部位に対しての溶接棒Wの角度調整自在構成は、必ずしも必須のことではなく、溶接棒の送り方向を固定的に設定して溶接作業進行に伴って溶接棒を自動送りするようにしても良い。

0011

さらに、本発明による溶接棒送り装置は、トーチ電流を検出する検出手段と、検出手段の検出結果に基づいてモータを制御する制御手段とを含み、制御手段は、溶接トーチがパルス電流により駆動される際のパルスモードと、連続電流により駆動される際の通常モードとを切り替えるモード切替手段(606)を含むことにより、パルス溶接および通常溶接に応じた適量の溶接棒を溶接部位に送給し得る。

0012

また、制御手段は、スイッチオフの際に、モータを所定の回転量反転して、溶接棒を所定量引き戻すことにより、溶接終了時または停止時に溶接棒の先端と溶接部位の融着を防止し得る。

0013

さらに、制御手段は、溶接棒の送り速度を調整自在な速度調整手段(608)を含むことにより、溶接状況に応じて溶接棒の送り速度を調整して、所望の送り量を達成し得る。

課題を解決するための手段

0014

また、本発明による溶接棒送り装置は、モータを手動により正転・反転を切り替える手動送りスイッチ(204)を含むことにより、溶接前または溶接後にスイッチを操作して、任意の位置に溶接棒を送りまたは戻し得る。

0015

次に、添付図面を参照して本発明による溶接棒送り装置の実施の形態を詳細に説明する。図1および図2には、本発明による溶接棒送り装置の一実施形態が示されている。本実施形態による溶接棒送り装置は、TIG溶接などに適用される所定の径のロッド状に形成された溶接棒(溶加棒) を溶接トーチと溶接される母材の溶接部位との間にその溶接速度に応じて順次供給する送り装置であり、本実施形態では、たとえば図2に示すように、溶接トーチ10に、その支持部材20にフレキシブルジョイント30を介して連結されて、母材50の溶接部位A付近において移動自在に載置されている。特に、本実施形態における溶接棒送り装置100は、溶接棒の送りを溶接トーチ10に流れるアーク電流を検出して所定量毎に送る点が主な特徴点である。

0016

詳細には、本実施形態による溶接棒送り装置は、たとえば図1に示すように、フレキシブルジョイント30に取り付けられるガイドブラケット102を基台として形成されている。ガイドブラケット102は、断面L字状に形成されたベース部材であり、本実施形態では、例えば軸の長手方向を横方向に設定したローラ軸を有して直線状にのみ装置を移動させるように底部にローラ104,104が配置されて移動自在に形成され、縦部にその横方向に駆動機構200のモータベース106が取り付けられる。駆動機構200は、モータベース106と、モータ108と、第1のかさ歯車110と、第2のかさ歯車112とを含む。モータベース106は、下向きの断面略コ字状に形成されて、上部にモータ108が取り付けられる貫通孔が形成され、本実施形態では、ガイドブラケット102にその垂直面内において図示しない枢着構成あるいはボルトナット固定等により角度調整自在に、あるいは角度調整可能に取り付けられている。

0017

モータ108は、本実施形態では、ステッピングモータ等の直流モータが有効に適用されており、同図に示すように、その回転軸がモータベース106にその上方から内部に臨むように取り付けられ、その回転軸に第1のかさ歯車110が取り付けられている。第2のかさ歯車112は、本実施形態では、第1のかさ歯車110よりやや大となるように形成されており、モータベース106の内部において第1のかさ歯車110に噛合して、モータ108の回転をその直交する方向に変換して送り機構300に伝達する伝達部材である。

0018

送り機構300は、ガイドフレーム114と、送りローラ116と、ガイドローラ118と、フレーム板120とを含む。ガイドフレーム114は、平面視にて略コ字状に形成されて、その両側部を貫通するように、溶接棒Wが挿入される貫通孔114a,114bが形成されたガイド部材であり、貫通孔の一方側外方には、第1のノズル122と、落下防止用ゴム124と、先端ノズル126とにより形成された溶接棒を案内する案内部材が取り付けられる。一方、ガイドフレーム114の貫通孔114a,114bを臨む内部には、その上方に、送りローラ116が回転自在に配置されている。送りローラ116は、その回転軸の一方側がベアリング128を介してガイドフレーム114に回転自在に取り付けられ、その先端部にカラー130を介して上記第2のかさ歯車112が取り付けられている。なお、ベアリング128の両側には、Eリング132が取り付けられ、送りローラ116の回転軸をフレーム114に係止している。回転軸の他方側は、ベアリング134を介してフレーム板120に回転自在に取り付けられ、ロックナット136により止められている。他方、貫通孔114a,114bを臨む位置の下方には、送りローラ116に対向してガイドローラ118が配置されている。ガイドローラ118は、ガイドフレーム114とフレーム板120に固定されたローラシャフト138に、ベアリング140を介して回転自在に取り付けられている。フレーム板120は、複数のボルトによりガイドフレーム114に取り付けられている。

0019

他方、図3には、本実施形態に適用される溶接トーチ10とその支持部材20が示されている。本実施形態では、トーチスイッチ202と、手動送りスイッチ204とが支持部材20に設けられ、それらの配線が支持部材20を介して溶接トーチ10および送り装置100に接続されている。本実施形態において、支持部材20と送り装置100とは長手方向に自在に曲げられ支持部材20と送り装置100との間隔、位置を調整自在に接続しかつ調整後の接続状態で全体として剛体状にそれらを連結する自在接続手段で連結されており、本実施形態では、複数の屈曲自在部分を有して長手の方向から上下左右に曲げられてその曲げられた接続状態を維持させるフレキシブルジョイント30が適用されている。トーチスイッチ202は、溶接トーチ10でのアーク発生のオンオフを操作する押下スイッチである。手動送りスイッチ204は、溶接棒の前進または後退を行なうトグルスイッチであり、たとえば溶接トーチ10側に倒した際に、モータ108が正転して溶接棒が前方に送られ、手前側に倒した際にモータ108が反転して溶接棒が後退するようになっている。それぞれの配線は、図5に示す操作パネル60に接続されている。

0020

図4において、符号602は、電源スイッチである。606は、パルス溶接の有無を切り替えるスイッチであり、上方に倒した際に、パルス無しを表わし、下方に倒した際にパルス有りを表わす。608は、コントロールスイッチであり、溶接棒の送給スピードを切り替えるスイッチである。本実施形態では、たとえば0.09m/min〜0.48m/minの間を連続的に調整自在となっている。符号610は、溶接用電源に接続されるコンセントであり、612は、トーチ側へのコンセントである。さらに、614はAC電源への接続用コンセントである。

0021

図5には、本実施形態における溶接の際の配線図が示されている。アルゴンガスは、ガスボンベ70から溶接用電源80を介して溶接用トーチ10に接続される。溶接用電源80からは、母材50への配線と、トーチスイッチ202への配線と、操作パネル60への配線がそれぞれ接続されている。

0022

次に、図6および図7を参照して上記実施形態による溶接棒送り装置の動作を説明すると、まず、パルス溶接を行なう場合は、操作パネル60のスイッチ606をパルス有りに切り替える。次に、送り装置100を溶接部位A付近の所要の位置に配置して、溶接棒Wの先端が溶接部位に臨むように配置する。その際、溶接トーチ10の手動送りスイッチ204を適宜操作して、溶接棒の先端を溶接部位の位置まで送っておく。次いで、溶接トーチ10を溶接部位に向けて、トーチスイッチ202をオンとすると、溶接トーチ10にアーク電流が流れ、その先端から溶接部位に向けてアークが発生する。この際、図6に示すように、ステップS10において、トーチスイッチ202のオンを検出し、ステップS12に進む。ステップS12では、溶接トーチ10に流れるアーク電流のパルスが発生したか否かを検出し、パルスを検出すると、ステップS14に移る。ステップS14では、パルス検出から所定の遅延時間、たとえば1.5秒後にモータ108を正転させて、溶接棒を前方に所定量送る。これにより、アーク発生により溶接棒が溶融した分の溶接棒が補給される。溶接棒を所定量送ると、ステップS18に進み、トーチスイッチ202が再び押下されたか否かを判定する。トーチスイッチ202が押下されなければ、溶接が継続されて、ステップS12に戻り、上記と同様にステップS14を繰り返して、溶接の進行とともに溶接棒を順次送って、溶接部位に溶接棒を補給する。ステップS12において、パルスがオフとなると、ステップS16に移り、溶接棒の送りを一時停止し、再びステップS18に進む。以降、ステップS12〜ステップS18を繰り返して、溶接を実行する。その際、溶接が進み、溶接部位が所定方向に移っていくと、これにともない溶接トーチ10を例えば片手で把持して移動させると、その支持部材20に接続されたフレキシブルジョイント30を介してガイドブラケット102が引っ張られて、溶接方向に移動する。これにより、溶接棒の位置が溶接方向に沿って移動して、所定の溶接が有効に実行される。

0023

次に、溶接が終了して、トーチスイッチ202を再び押下してアークをオフとすると、ステップS18においてスイッチの押下を再び検出して、ステップS20に進む。ステップS20に移ると、モータ108を1秒間反転するように制御して、溶接棒を所定の量後方に戻す。これにより、溶接棒の先端部が溶接されていた部位から離れ、その固着を防止する。溶接棒を引き戻すと、ステップS22に進み、モータ108を停止して、作業を終了する。

0024

次に、パルス無し溶接、つまり連続電流によるアーク発生を行なう溶接を実行する場合は、操作パネル60のパルス切り替えスイッチ606をパルス無しに切り替える。次に、上記と同様に、送り装置100を溶接部位A付近の所定の位置に配置して、溶接棒Wの先端が溶接部位に臨むように配置する。その際、上記と同様に、手動スイッチ204の操作により溶接棒の先端を溶接位置に送っておく。次いで、上記と同様に、溶接トーチ10を溶接部位に向けて、トーチスイッチ202をオンとすると、溶接トーチ10にアーク電流が流れ、その先端から溶接部位に向けてアークが発生する。この際、図7に示すように、ステップS30において、トーチスイッチ202のオンを検出し、ステップS32に進む。ステップS32では、溶接トーチ10に流れるアーク電流が発生したか否かを検出し、ステップS32で電流を検出すると、ステップS34に移る。ステップS34では、電流検出から所定の遅延時間、たとえば1.5秒後にモータ108を正転させて、溶接棒を前方に所定量送る。これにより、アーク発生により溶接棒が溶融した分の溶接棒が補給される。次に、溶接棒を所定量送ると、ステップS38に進み、トーチスイッチ202が再び押下されたか否かを判定する。トーチスイッチ202が押下されなければ、溶接が継続されて、ステップS32に戻り、上記と同様にステップS34を繰り返して、溶接の進行とともに溶接棒を順次送って、溶接部位に溶接棒を補給する。ステップS32において、電流がオフとなると、ステップS36に移り、溶接棒の送りを一時停止し、再びステップS38に進む。以降、ステップS32〜ステップS38を繰り返して、溶接を実行する。その際、上記と同様に溶接が進み、溶接部位が所定方向に移っていくと、これにともない溶接トーチ10を移動させると、その支持部材20に接続されたフレキシブルジョイント30を介してガイドブラケット102が引っ張られて、溶接方向に移動する。これにより、溶接棒の位置が溶接方向に沿って移動して、所定の溶接が有効に実行される。

0025

次に、溶接が終了して、トーチスイッチ202を再び押下してアークをオフとすると、上記と同様に、ステップS38においてスイッチの押下を再び検出して、ステップS40に進む。ステップS40に移ると、モータ108を1秒間反転するように制御して、溶接棒を所定の量後方に戻す。これにより、溶接棒の先端部が溶接されていた部位から離れ、その固着を防止する。溶接棒を引き戻すと、ステップS42に進み、モータ108を停止して、作業を終了する。

0026

以上のように本実施形態の溶接棒送り装置によれば、溶接トーチ10のトーチスイッチ202の操作によりアークを発生した際のアーク電流に応じてモータ108が駆動されて、その駆動により送りローラ116が回転し、その送りローラ116とガイドローラ118との間に挿通された溶接棒Wが所定量毎に送り出されて、溶接棒を溶接部位に有効に供給することができる。したがって、溶接トーチ10の操作のみにより熟練を要さず、適確な溶接を実行することができる。この際、作業者の片手はフリーだから作業を安定して行えるうえに、自身の身体のバランスや安定支持状態を確実に保持して高精度の溶接作業を実現し得る。また、ガイドブラケット102が溶接トーチ10に対して所定の距離を保持するフレキシブルジョイント30によって溶接トーチ10の支持部材20に連結されているので、溶接が進行するにともなって、溶接トーチ10を溶接部位に沿って移動する際に、その移動とともにフレキシブルジョイント30を介してガイドブラケット102が溶接トーチ10と所定の距離を保持しつつ移動して、装着された溶接棒が溶接トーチ10と溶接部位の間に臨む位置を保持しつつ溶接を有効に継続することができる。したがって、溶接トーチを握る片手操作のみにより溶接を有効に実行することができる。また、モータ108を手動により正転・反転を切り替える手動送りスイッチ204を含むので、溶接前または溶接後にスイッチを操作して、任意の位置に溶接棒を送りまたは戻すことができる。さらに、溶接部位に対する溶接棒の角度が調整自在、あるいは角度調整可能にガイドブラケット102に連結されているので、溶接の際に、溶接トーチ10と溶接部位との間に対して溶接棒を所望の角度に調整して、有効に溶接を実行することができる。また、溶接トーチ10がパルス電流により駆動される際のパルスモードと、連続電流により駆動される際の通常モードとを切り替えるモード切替をパルス切替スイッチ606により行なうことができるので、パルス溶接および通常溶接に応じた適量の溶接棒を溶接部位に送給することができる。また、溶接が終了した際に、トーチスイッチ202が再び押下されたことを検出すると、モータ108を所定の回転量反転して、溶接棒を所定量引き戻すので、溶接終了時または停止時に溶接棒の先端と溶接部位の融着を防止することができる。また、さらに、コントロールスイッチ608により溶接棒の送り速度を調整自在としているので、溶接状況に応じて溶接棒の送り速度を調整して、所望の送り量を達成することができる。

0027

次に、図8により本発明の第2の実施形態について説明するが、第1実施形態と同一部材には同一符号を付しその詳細な説明は省略する。この実施形態では、大ベース部材150に溶接棒Wの駆動機構200および送り機構300を含む駆動送り機構が横軸周りに角度調整可能に取り付けられるとともに、溶接トーチ10を支持する支持部材20が同じく角度調整可能にベース面の同じ側に取り付けられている。そして、該大ベース部材150にはさらに操作用ハンドル152がベース面の他の側に固定されており、これによって、溶接作業時には、ハンドル152を把持して移動させることにより溶接作業を実施できる。この場合、溶接トーチ10および溶接棒Wを予め調整してそれぞれアーク発生位置と溶接棒の送り先位置を設定し、その状態でこれらを同時に支持する大ベース部材150に取り付けられたハンドル152を操作することにより楽な作業姿勢と労力、および作用の正確性を確保しうる。

発明を実施するための最良の形態

0028

以上、本実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、例えば、種々の変更、改良、組合せが可能なことは当業者に自明であろう。

0029

以上説明したように、本発明の溶接棒送り装置によれば、所定の径を有するロッド状に形成された溶接棒をアークを発生する溶接トーチと溶接される母材における溶接部位との間にその溶接速度に応じて供給する溶接棒送り装置であって、溶接部位付近に載置自在に形成されたベース部材に、溶接トーチに流れるアーク電流の有無に対応して駆動されるモータが搭載された駆動手段を含み、その駆動手段に、溶接棒が挿通される挿通孔が形成された送り機構であって、モータにより駆動される送りローラと、送りローラに対向して回転するガイドローラが挿通孔に臨み配設された送り機構と、が連結されているので、溶接トーチの操作によりアークを発生した際のアーク電流に応じて駆動手段のモータが駆動され、その駆動により送り機構の送りローラが回転し、その送りローラとガイドローラとの間に挿通された溶接棒が所定量毎に送り出されて、溶接部位に有効に供給することができる。したがって、溶接トーチの操作のみにより熟練を要さず、適確な溶接を実行することができる。

0030

本発明の請求項2に係る溶接棒送り装置によれば、ベース部材は、溶接トーチに対して所定の距離を保持するフレキシブルジョイントによって溶接トーチの支持部材に連結されているので、溶接が進行するにともなって、溶接トーチを溶接部位に沿って移動する際に、その移動とともにフレキシブルジョイントを介してベース部材が溶接トーチと所定の距離を保持しつつ移動して、装置に装着された溶接棒が溶接トーチと溶接部位の間に臨む位置を保持しつつ溶接を継続することができる。したがって、溶接トーチを握る片手操作のみにより溶接を有効に実行することができる。

0031

本発明の請求項3に係る溶接棒送り装置によれば、溶接部位に対する溶接棒の角度が調整設定自在にベース部材に接続されているので、溶接の際に、溶接トーチと溶接部位との間に対して溶接棒を所望の角度に調整して、有効に溶接を実行することができる。

0032

本発明の請求項4に係る溶接棒送り装置によれば、トーチ電流を検出する検出手段と、検出手段の検出結果に基づいてモータを制御する制御手段とを含み、制御手段は、溶接トーチがパルス電流により駆動される際のパルスモードと、連続電流により駆動される際の通常モードとを切り替えるモード切替手段を含むので、パルス溶接および通常溶接に応じた適量の溶接棒を溶接部位に送給することができる。

0033

本発明の請求項5に係る溶接棒送り装置によれば、制御手段は、スイッチオフの際に、モータを所定の回転量反転して、溶接棒を所定量引き戻すので、溶接終了時または停止時に溶接棒の先端と溶接部位の融着を防止することができる。

発明の効果

0034

本発明の請求項6に係る溶接棒送り装置によれば、制御手段は、溶接棒の送り速度を調整自在な速度調整手段を含むので、溶接状況に応じて溶接棒の送り速度を調整して、所望の送り量を達成することができる。

図面の簡単な説明

0035

本発明の請求項7に係る溶接棒送り装置によれば、モータを手動により正転・反転を切り替える手動送りスイッチを含むので、溶接前または溶接後にスイッチを操作して、任意の位置に溶接棒を送りまたは戻すことができる。

図1
本発明による溶接棒送り装置の一実施形態を示す分解斜視図である。
図2
図1の実施形態による溶接棒送り装置および溶接トーチを示す側面図である。
図3
図1の実施形態による溶接棒送り装置に適用される溶接トーチ10の一例を示す斜視図である。
図4
(a)、(b)は、図1の実施形態による溶接棒送り装置に適用される操作パネルの一例を示すそれぞれ表面図及び裏面図である。
図5
図1の実施形態による溶接棒送り装置が適用される溶接の際の配線を示す概略配線図である。
図6
図1の実施形態による溶接棒送り装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図7
図1の実施形態による溶接棒送り装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図8
本発明による溶接部送り装置の第2実施形態の概略奢侈説明図である。
【符号の説明】
10 溶接トーチ
20支持部材
30フレキシブルジョイント
60 操作パネル
102ガイドブラケット
108 モータ
116送りローラ
118ガイドローラ
200駆動機構
202トーチスイッチ
204 手動送りスイッチ
300送り機構
606パルス切替スイッチ
608 コントロールスイッチ

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