図面 (/)

技術 銅箔の表面粗化方法及び表面粗化装置

出願人 日立電線株式会社
発明者 伊藤保之佐々木元小平宗男
出願日 2003年6月20日 (17年5ヶ月経過) 出願番号 2003-176924
公開日 2005年1月13日 (15年10ヶ月経過) 公開番号 2005-008972
状態 拒絶査定
技術分野 電気鍍金;そのための鍍金浴 電気メッキ方法,物品 電気分解または電気泳動による被覆 その他の表面処理
主要キーワード 強度増加率 回転軸位置 対費用効果 導電体用 電解脱脂処理 ロープロファイル リール方式 銅電着物
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2005年1月13日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (7)

課題

高電流密度での粗化めっき処理においても陽極電極の消耗が少なく、高い電流密度で容易に粗化めっき処理を行なうことができる銅箔表面粗化方法及び表面粗化装置を提供する。

解決手段

めっき液4を収容しためっき槽3と、めっき槽3の内部に円弧状の凹面を有する陽極電極2と、陽極電極2に対向して配置され銅箔1をめっき液4中に浸漬するめっき用ロール5とを備え、めっき時に銅箔1に与える電流密度を50A/dm2以上200A/dm2以下とし、陽極電極2に与える電流密度を銅箔1に与える電流密度の0.8倍以下とした。

概要

背景

電子回路基板用Liイオン二次電池負極集電体用の分野で、現在銅箔が大量に使用されている。例えば、電子回路基板の分野ではガラスエポキシ基材熱プレスしたり、接着剤付きポリイミドフィルムラミネートしたり、あるいはポリイミドワニスを塗布後キュアして基板としたりして、プリント配線板の基本的な構成要素となる。またLiイオン二次電池の負極集電体の場合、銅箔表面活物質と呼ばれる黒鉛バインダーを混合したものが塗布されるが、最近ではSn或いはSn系合金を銅箔表面に被覆する検討が行われている。

概要

高電流密度での粗化めっき処理においても陽極電極の消耗が少なく、高い電流密度で容易に粗化めっき処理を行なうことができる銅箔の表面粗化方法及び表面粗化装置を提供する。めっき液4を収容しためっき槽3と、めっき槽3の内部に円弧状の凹面を有する陽極電極2と、陽極電極2に対向して配置され銅箔1をめっき液4中に浸漬するめっき用ロール5とを備え、めっき時に銅箔1に与える電流密度を50A/dm2以上200A/dm2以下とし、陽極電極2に与える電流密度を銅箔1に与える電流密度の0.8倍以下とした。

目的

本発明の目的は、高電流密度での粗化めっき処理においても陽極電極の消耗が少なく、高い電流密度で容易に粗化めっき処理を行なうことができる銅箔の表面粗化方法及び表面粗化装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

銅めっき液中で陽極電極に対向する位置にある銅箔陰極としてめっき処理を施し、銅箔の表面に突起状の銅電着物からなる粗化処理層を形成する銅箔の表面粗化方法において、めっき処理時に銅箔に与える電流密度を50A/dm2以上200A/dm2以下とし、陽極電極に与える電流密度を銅箔に与える電流密度の0.8倍以下としたことを特徴とする銅箔の表面粗化方法。

請求項2

更に、Ni、Co、Mo、Znの1種以上の金属を前記銅箔上にめっきしたことを特徴とする請求項1に記載の銅箔の表面粗化方法。

請求項3

更に、クロメート処理及び/又はシランカップリング処理を前記銅箔上に施したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の銅箔の表面粗化方法。

請求項4

銅めっき液を収容しためっき槽と、該めっき槽の内部に円弧状の凹面を有する陽極電極と、該陽極電極に対向して配置され銅箔を銅めっき液中に浸漬するめっき用ロールとを備え、めっき時に銅箔に与える電流密度を50A/dm2以上200A/dm2以下とし、陽極電極に与える電流密度を銅箔に与える電流密度の0.8倍以下としたことを特徴とする銅箔の表面粗化装置

請求項5

前記陽極電極が複数に分割されており、分割された陽極電極がそれぞれ独自に電流密度を設定できることを特徴とする請求項4に記載の銅箔の表面粗化装置。

請求項6

前記めっき用ロールの回転軸位置を前記陽極電極の円弧状の凹面の曲率の中心位置から偏心させたことを特徴とする請求項4に記載の銅箔の表面粗化装置。

請求項7

前記陽極電極が不溶性金属または不溶性金属を表面にめっきした金属板からなることを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載の銅箔の表面粗化装置。

技術分野

0001

本発明は、銅箔表面粗化方法及び表面粗化装置係り、更に詳しくは、プリント配線板Liイオン電池極材等の導電体用途に於いて好適な銅箔を提供できる表面粗化方法及び表面粗化装置に関するものである。

0002

電子回路基板用Liイオン二次電池負極集電体用の分野で、現在銅箔が大量に使用されている。例えば、電子回路基板の分野ではガラスエポキシ基材熱プレスしたり、接着剤付きポリイミドフィルムラミネートしたり、あるいはポリイミドワニスを塗布後キュアして基板としたりして、プリント配線板の基本的な構成要素となる。またLiイオン二次電池の負極集電体の場合、銅箔表面活物質と呼ばれる黒鉛バインダーを混合したものが塗布されるが、最近ではSn或いはSn系合金を銅箔表面に被覆する検討が行われている。

0003

前記において、銅箔と樹脂あるいは銅箔と電池用活物質との間の密着性を向上させるため、銅箔にはいわゆるトリート処理と称する表面粗化処理が施される。銅箔には電解銅箔圧延銅箔があるが、表面粗化処理についてはいずれも同様の方法がとられる。すなわち銅イオンを含有する電解液中で銅箔を陰極電解し、銅箔表面に樹枝状米粒状の銅電着層を形成する。最適な表面状態を得るため電解液中には微量の塩素イオンゼラチンあるいは複数の金属イオンが共添されることがある。このようにして形成された凹凸を持った銅電着層は樹脂などと接着されるときアンカー効果により密着性を向上させることになる。

0004

しかしながら、近年の配線ピッチ微細化や樹脂層極薄化が進み、銅箔の粗度が高いと回路形成のためエッチングをした際に、銅箔の一部が完全にエッチングされずに残ってしまい、樹脂によっては完全には絶縁されないために電子回路上の不都合が起こり易くなってきた。このため、銅箔の粗度はできるだけ低い方が良いとされ、銅箔のロープロファイル化が求められるようになってきている。しかし、粗度が低いと樹脂との密着性が十分ではない。このため、ロープロファイルかつ高密着性といった相反する性能を持った銅箔の開発がさらに求められる結果となっている。

0005

図5に、従来より用いられている銅箔の表面粗化装置の概略図を示す。この装置では、銅イオンを含有するめっき液4を収容しためっき槽3内に、一対の銅製平板陽極電極12,12が設けられている。その陽極電極12,12間を陰極となる銅箔1が連続的に搬送される。銅箔1が2枚の陽極電極12,12の間を搬送される際、陽極電極12の面積と、その陽極電極12と対向する位置に有る、めっきされるべき銅箔1の面積はほぼ等しい関係となっている。

0006

この装置においては、銅箔1は図示しない巻き出しリールから送り出され、めっき槽3を経由して、図示しない巻き取りリールによって巻き取られる、いわゆるリール・ツー・リール方式により搬送される。銅箔1は、2枚の陽極電極12,12の間を搬送される際に、銅イオンを含有するめっき液4中で陰極電解され、銅箔1の表面に樹枝状や米粒状の凹凸を持った銅電着層が形成されて、表面粗化処理が行われる。

0007

一方、帯状導電材料の電解処理方法において、図6に示すような装置も用いられている(特許文献1)。

0008

【特許文献1】
特公昭53−12450号

背景技術

0009

この電解処理装置では、電解液21を収容している電解槽23の内部に円弧状の陽極電極25を有し、その対向位置に直径250mmの電解用ロール27が陽極電極25と20mmの間隔を置いて配されている。電解用ロール27はその周面の約2/5が部分的に電解液21中に浸漬されている。更に、電解用ロール27の上流側及び下流側にそれぞれガイドロール31,33が設けられている。銅箔29は、ガイドロール31から送り出され、電解用ロール27により電解槽23内部の電解液21に浸漬される。電解液21は硫酸銅硫酸浴が用いられ浴温50℃で陰極電流密度7A/dm2の条件で銅箔29の片面に粗めっきが行われる。

0010

銅箔の表面に対し粗化めっき処理を行なう場合、高電流密度電着であるほど、そのめっき膜形態は微細化し、アンカー効果が増大して樹脂との密着性が向上する。しかしながら、図5に示した銅箔の表面粗化装置では、陽極電極12,12の面積とめっきされる銅箔1との面積が等しいため、高電流密度の電流を用いて粗化めっき処理を行おうとするとそれと同じ電流密度の電流を陽極電極12,12に流すことが必要となる。このため陽極電極12,12の消耗が激しくなってしまい、取替えによるコストがかさむという不具合があった。従って、対費用効果といった面から使用する電流密度がある一定の限度に抑えられ、十分に高くすることができなかった。

0011

また、図6に示した帯状導電材料の電解処理装置においても、円弧状の陽極電極25の曲率半径(135mm)に対して、電解用ロール27の半径がかなり大きい(125mm)ため、陽極電極25の面積とめっきされる銅箔29の面積とが実質的に等しくなり、銅箔29に高電流密度の電流を流すと陽極電極25にも実質的に同じ電流密度の電流が流れてしまい、図5に示す銅箔の表面粗化装置と同様の不都合があった。

発明が解決しようとする課題

0012

従って、本発明の目的は、高電流密度での粗化めっき処理においても陽極電極の消耗が少なく、高い電流密度で容易に粗化めっき処理を行なうことができる銅箔の表面粗化方法及び表面粗化装置を提供することである。

0013

上記目的を達成するため、本発明の銅箔の表面粗化方法は、銅めっき液中で陽極電極に対向する位置にある銅箔を陰極としてめっき処理を施し、銅箔の表面に突起状の銅電着物からなる粗化処理層を形成する銅箔の表面粗化方法において、めっき処理時に銅箔に与える電流密度を50A/dm2以上200A/dm2以下とし、陽極電極に与える電流密度を銅箔に与える電流密度の0.8倍以下としたことを特徴とする。

0014

更に、Ni、Co、Mo、Znの1種以上の金属を前記銅箔上にめっきすることもできる。

0015

更に、クロメート処理及び/又はシランカップリング処理を前記銅箔上に施すこともできる。

0016

また、本発明の銅箔の表面粗化装置は、銅めっき液を収容しためっき槽と、該めっき槽の内部に円弧状の凹面を有する陽極電極と、該陽極電極に対向して配置され銅箔を銅めっき液中に浸漬するめっき用ロールとを備え、めっき時に銅箔に与える電流密度を50A/dm2以上200A/dm2以下とし、陽極電極に与える電流密度を銅箔に与える電流密度の0.8倍以下としたことを特徴とする。

0017

前記陽極電極を複数に分割し、分割した陽極電極でそれぞれ独自に電流密度を設定できるようにすることもできる。

0018

前記めっき用ロールの回転軸位置を前記陽極電極の円弧状の凹面の曲率の中心位置から偏心させることもできる。

課題を解決するための手段

0019

また、前記陽極電極を不溶性金属または不溶性金属を表面にめっきした金属板とすることもできる。

0020

以下、本発明に係る銅箔の表面粗化方法及び表面粗化装置の実施形態について説明する。

0021

本実施形態において、粗化めっき処理を行なう銅箔は、電解銅箔と圧延銅箔のどちらでも良い。まず、粗化めっき処理の前処理として、電解脱脂処理酸洗処理を行なった方が、得られるめっき膜の均一性が向上するため好ましい。電解脱脂処理は、陰極電解または陽極電解で行ない、液組成としては水酸化ナトリウム1〜100g/L、炭酸ナトリウム1〜100g/Lを用い、温度10〜50℃、電流密度1〜10A/dm2、処理時間1〜60秒で行なうことができる。また、酸洗処理については液組成として硫酸1〜200g/Lで、温度10〜50℃、処理時間1〜60秒の条件で行なうことができる。

0022

次に、銅めっき液中で銅箔を陰極として高電流密度でめっき処理を施し、銅箔の表面に突起状の銅電着物からなる粗化処理層を形成して銅箔の表面に粗化めっき処理を行なう。

0023

図1に、本発明の銅箔の表面粗化方法を好適に実施するための銅箔の表面粗化装置の第一実施形態を示す。この装置では、めっき槽3の内壁に断面が円弧状の凹面を有する陽極電極2が形成され、更に陽極電極2に対向して、銅箔1をめっき液4中に浸漬するめっき用ロール5が、めっき液4中にその周面が半分程度浸潰するように配置されている。また、めっき用ロール5の上流側及び下流側にはそれぞれ銅箔1の搬送用ロール6が配置されている。

0024

ここで、めっき用ロール5の回転軸の位置は、陽極電極2の円弧状の凹面の曲率の中心部に対応するように形成され、めっき用ロール5の半径は陽極電極2の凹面の曲率半径の0.8倍以下に形成されている。めっき用ロール5の周面のうち銅箔1と接触しかつめっき液4中に浸漬される部分の面積(即ち、銅箔1がめっきされる面積)は、陽極電極2の面積の0.2倍以上0.8倍以下が好ましく、0.4倍以上0.6倍以下に形成されていることがより好ましい。0.8倍を超えると下記に規定する銅箔1に流す電流の電流密度範囲で、陽極電極2に流れる電流密度が40A/dm2以上となり、消耗が激しくなって使用できなくなり、0.2倍未満では銅箔1への銅めっき効率が悪くなってしまう。

0025

陽極電極2としては、比較的に高電流密度まで溶出が少なく、不溶性金属であるPtまたはTi、Fe、Ni、Zn、Cuもしくはこれらのいくつかを含有する合金にPtめっきを行なった金属板が好ましいが、Cuそのものを陽極電極2として使用することも可能である。

0026

めっき時に銅箔1に流す電流の電流密度として、ロープロファイルかつ樹脂との密着性の良い粗化めっき膜を得るために、50A/dm2以上200A/dm2以下であることが望ましい。50A/dm2未満ではめっき膜形態は平坦なものとなるか、比較的凹凸の大きい形状となってしまう。逆に200A/dm2を超えると銅箔1に流れる電流によって銅箔1が発熱し、銅箔1の表面状態や機械的特性が変化してしまい、目的のめっき膜形状を得ることが難しくなる。

0027

めっき液4は、一般的な銅めっき液が用いられる。組成としては例えば硫酸濃度10〜200g/L、硫酸銅濃度10〜300g/Lが適当である。適宜、塩化ナトリウムを1〜100ppm、添加しても良い。温度は10〜50℃が好ましい。

0028

本実施形態の銅箔の表面粗化装置において、銅箔1は、図示しない巻き出しリールから送り出され、搬送用ロール6を経由し、めっき用ロール5によりめっき液4中に浸漬された後、搬送用ロール6を経由して、図示しない巻き取りリールにより巻き取られる。

0029

銅箔1がめっき用ロール5によりめっき液4中に浸漬される際、めっき用ロール5の半径が陽極電極2の曲率半径の0.8倍以下に形成され、めっき用ロール5の周面のうち銅箔1と接触しかつめっき液4中に浸漬される部分の面積(即ち、銅箔1がめっきされる面積)が、陽極電極2の面積の0.8倍以下に形成されているので、銅箔1に流れる電流が集中される。よって陽極電極2に流れる電流の電流密度に対して、銅箔1に流れる電流の実質的な電流密度を高めることができる。従って、めっき時に銅箔1の電流密度が50A/dm2以上200A/dm2以下の高電流密度となっても、陽極電極2の電流密度が銅箔1の電流密度の0.8倍以下とできるため、陽極電極2の消耗を最小限に抑えることが出来る。

0030

図2に、本発明に係る銅箔の表面粗化装置の第二実施形態を示す。この装置では、図1に示す銅箔の表面粗化装置の陽極電極2を二分割して、第1の陽極電極7と第2の陽極電極8とし、第1の陽極電極7と第2の陽極電極8とでそれぞれ独自に電流密度を設定することができるようにしたものである。

0031

本実施形態の銅箔の表面粗化装置においては、第一実施形態の銅箔の表面粗化装置と同様の効果を奏する他、第1の陽極電極7と第2の陽極電極8とでそれぞれ独自に電流密度を設定することが出来るため、例えば第1の陽極電極7で電流密度10〜50A/dm2で被覆銅めっきを行ない、銅箔素地の影響を無くした後に、第2の陽極電極8で電流密度50〜200A/dm2の粗化めっきを行なうというように、銅箔1のめっき膜形態の制御を行なうことが出来る。

0032

また、図3に、本発明に係る銅箔の表面粗化装置の第三実施形態を示す。この装置では、図1に示す銅箔の表面粗化装置の陽極電極2を四分割して、第1の陽極電極15、第2の陽極電極16、第3の陽極電極17、第4の陽極電極18とし、それぞれ独自に電流密度を設定することができるようにしたものである。

0033

本実施形態の銅箔の表面粗化装置においては、第一実施形態の銅箔の表面粗化装置と同様の効果を奏する他、第1から第4の陽極電極間でそれぞれ独自に電流密度を設定することが出来るため、銅箔1のめっき膜形態の制御を更に細かく行なうことが出来るという効果を奏することができる。

0034

図4に、本発明に係る銅箔の表面粗化装置の第四実施形態を示す。この装置では、図1に示す銅箔の表面粗化装置のめっき用ロール5の回転軸位置を陽極電極の円弧状の凹面の曲率の中心位置から偏心させて配置したものである。

0035

本実施形態の銅箔の表面粗化装置においては、第一実施形態の銅箔の表面粗化装置と同様の効果を奏する他、陽極電極2と銅箔1の間隔が狭い領域に電流が集中するため、陽極電極2を二分割した第二実施形態と同様の効果を奏することが可能となる。

0036

上述した第一乃至第四の実施の形態の銅箔の表面粗化装置により銅箔に粗化めっき処理を行なった後、必要に応じて公知の方法によって耐熱性耐薬品性を向上させる処理を行ない、また、防錆処理を施すことができる。耐熱性、耐薬品性を向上させる処理は、Ni、Co、Mo、Zn等の金属を公知の技術を用いてめっきすることにより行われる。また、さらに防錆処理を施すため、クロメート処理やシランカップリング処理等が行なわれる。ただし、樹脂との密着性が求められる場合にはベンゾトリアゾール系の有機防錆処理は行なわない方が望ましい。

0037

【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。

0038

【実施例1】
厚さ16.3μmの圧延銅箔を、水酸化ナトリウム40g/L、炭酸ナトリウム20g/Lにおいて温度25℃、電流密度6A/dm2、処理時間10秒で陰極電解にて電解脱脂処理した後、硫酸50g/Lにおいて温度25℃、処理時間10秒で酸洗処理を行なった。この銅箔を用いて図1に示す第一の実施形態の銅箔の表面粗化装置にて、めっき液4として硫酸100g/L、硫酸銅200g/Lの電解液を用い、電流密度を20A/dm2から80A/dm2まで変化させ、温度25℃でめっき膜厚理論値で0.5μmになるように粗化めっき処理を行なった。また、陽極電極2の曲率半径を150mm、めっき用ロール5の半径を50mmとしている。

0039

この粗化銅箔の粗面をエポキシ型接着剤付きポリイミドフィルムと温度160℃、圧力0.15MPaでロールラミネートし、その後170℃にて30分加熱した。この試料を用いて、銅箔幅5mm、垂直方向に50mm/minの速度で引き剥がした際の引き剥がし強度を測定した。その結果を表1に示す。また、原子間力顕微鏡により粗面の表面粗さRzを測定した結果も表1に併せて示す。

0040

【表1】

0041

上記表1の結果より、電流密度が20A/dm2と低いサンプルAでは、引き剥がし強度が0.2N/mmと不十分であったが、電流密度が60A/dm2(サンプルB)、80A/dm2(サンプルC)では、引き剥がし強度が大幅に向上していることが分かった。また、サンプルB、サンプルCにおいては高電流密度の電流を流しているにもかかわらず、陽極電極2の消耗はほとんど観察されなかった。

0042

【実施例2】
実施例1と同様に、16.3μmの圧延銅箔を用いて電解脱脂処理、酸洗処理を行なった後、図2に示す第二の実施形態の銅箔の表面粗化装置にて、めっき液4として硫酸100g/L、硫酸銅150g/Lの電解液を用い、温度25℃でめっき膜厚が0.4μmとなるように粗化めっき処理を行なった。ここで、めっきの始めに第1の陽極電極7により電流密度(1)がかかり、その後第2の陽極電極8により電流密度(2)がかかることとした。また、第1の陽極電極7及び第2の陽極電極8が合わせて形成される凹面の曲率半径を150mm、めっき用ロール5の半径を50mmとした。この粗化銅箔の粗面を、実施例1と同様の方法で引き剥がし強度と表面粗さを測定した。その結果を表2に示す。

0043

【表2】

0044

上記表2の結果より、電流密度を(1)または(2)のいずれかで80A/dm2から100A/dm2とすることにより、引き剥がし強度がサンプルAと比較して大幅に向上していることが分かった。また、サンプルD〜サンプルIのいずれにおいても、高電流密度の電流を流しているにもかかわらず、陽極電極7及び陽極電極8の消耗はほとんど観察されなかった。

0045

【実施例3】
実施例1において粗化めっき処理を行った粗化銅箔の両面について、電着によってNiの膜厚が0〜100nm、Znの膜厚が0〜400nmとなるようなめっきを行なった。この銅箔をエッチングにより回路を作製した後、Snめっきを行なった。また、大気中にて150℃で168時間加熱し、その前後の引き剥がし強度の減少率を測定した。結果を表3に示す。

0046

【実施例4】
実施例3と同様にNi、Znめっきを行なったうえに、電解にてクロメート処理を行なった。クロメートの条件は、クロム酸濃度0.2g/L、pH2.5、電流密度1.0A/dm2、温度25℃、処理時間5秒とした。この銅箔を用いて大気中にて300℃で10分加熱し、その酸化度合いを調査した。結果を表3に示す。

0047

【実施例5】
実施例3と同様にNi、Znめっきを行なったうえに、粗面に対してシランカップリング処理を行なった。シランカップリング処理は市販のシランカップリング剤に、温度25℃で10秒浸漬することで行なった。その銅箔を実施例1と同様の方法で引き剥がし強度を測定し、シランカップリング処理前後の引き剥がし強度の増加率を調査した。その結果を表3に示す。

0048

【表3】

発明を実施するための最良の形態

0049

上記表3の結果より、NiめっきとZnめっきを施したサンプルK〜Nは、めっきを施さないもの(サンプルJ)と比較して加熱後の引き剥がし強度増加率が低下しているものの、クロメート処理後の耐酸化性が良好となることが確認された。また、シランカップリング処理による引き剥がし強度増加率も概ね良好であることが認められた。

0050

本発明の銅箔の表面粗化方法は、めっき処理時に銅箔に与える電流密度を50A/dm2以上200A/dm2以下とし、陽極電極に与える電流密度を銅箔に与える電流密度の0.8倍以下としているので、高電流密度で粗化めっき処理を行っているにもかかわらず陽極電極の消耗が少ないものとなる。このため、従来の技術では困難であった高電流密度での粗化めっき処理を容易に行なうことができ、これによりロープロファイルかつ樹脂との密着性の高い粗化銅箔を容易に提供することが可能となる。

0051

また、Ni、Co、Mo、Znの1種以上の金属を前記銅箔上にめっきすることにより、さらに耐熱性、耐薬品性を向上させることができる。

0052

更に、クロメート処理及び/又はシランカップリング処理を前記銅箔上に施すことにより、さらに防錆力を向上させることが可能となる。

0053

また、本発明の銅箔の表面粗化装置は、円弧状の凹面を有する陽極電極を備え、めっき時に銅箔に与える電流密度を50A/dm2以上200A/dm2以下とし、陽極電極に与える電流密度を銅箔に与える電流密度の0.8倍以下としているので、高電流密度で粗化めっき処理を行っているにもかかわらず陽極電極の消耗が少ないものとすることができる。

0054

更に、陽極電極を複数に分割し、分割した陽極電極でそれぞれ独自に電流密度を設定できるようにすることにより、銅箔のめっき膜形態をより微細に制御することが可能となる。

発明の効果

0055

また、めっき用ロールの回転軸位置を陽極電極の円弧状の凹面の曲率の中心位置から偏心させることにより、陽極電極と銅箔の間隔が狭い領域に電流が集中するため、陽極電極を分割した場合と同様の効果を奏することが可能となる。

図面の簡単な説明

0056

また、陽極電極を不溶性金属または不溶性金属を表面にめっきした金属板とすることにより、さらに陽極電極の耐久性を向上させることができる。

図1
本発明に係る銅箔の表面粗化装置の第一の実施形態を示す概略断面図である。
図2
本発明に係る銅箔の表面粗化装置の第二の実施形態を示す概略断面図である。
図3
本発明に係る銅箔の表面粗化装置の第三の実施形態を示す概略断面図である。
図4
本発明に係る銅箔の表面粗化装置の第四の実施形態を示す概略断面図である。
図5
従来の銅箔の表面粗化装置を示す概略断面図である。
図6
従来の帯状導電材料の電解処理装置を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 銅箔
2 陽極電極
3めっき槽
4めっき液
5 めっき用ロール
7 第1の陽極電極
8 第2の陽極電極
15 第1の陽極電極
16 第2の陽極電極
17 第3の陽極電極
18 第4の陽極電極

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ