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技術 再帰性反射シートの製造方法、再帰性反射シート、物品

出願人 出光興産株式会社
発明者 藤井淳司生賀康則
出願日 2003年6月13日 (17年5ヶ月経過) 出願番号 2003-169008
公開日 2005年1月6日 (15年10ヶ月経過) 公開番号 2005-001300
状態 拒絶査定
技術分野 曲げ・直線化成形、管端部の成形、表面成形
主要キーワード 高周波誘導加熱器 高周波ウェルダ 保持用シリンダ 正三角錐 保安用 アームバンド スノーポール 襟部分
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題

転写部材からの再帰性反射シート剥離性を高めることができ、かつ、輝度の高い再帰性反射シートを得ることができる製造方法及びこの製造方法により製造された再帰性反射シート及びこの再帰性反射シートを備えた物品を提供すること。

解決手段

円筒状スタンパー31は、金属製、例えば電鋳ニッケル製の筒状部材であり、その表面が再帰性反射シートの原反となる被転写シートエンボスパターンを形成するための転写面31Aとなっている。この転写面31Aには、表面粗さ0.3μmRz以下、対水接触角90°以上となる物質31B、例えば、フッ素系シランカップリング剤コーティングされている。転写シートを円筒状スタンパー31の転写面31Aとニップロールとで挟圧して再帰性反射シートを製造する。

概要

背景

従来から、表面にマイクロプリズムキューブコーナ)形状のエンボスパターンが形成された再帰性反射シート反射板分野、ファッション分野、建築分野等で使用されている。
このような再帰性反射シートの製造方法としては、例えば、金属の型(転写部材)の表面にマイクロプリズム形状のエンボスパターンを形成しておき、この型と、エンボスパターンが形成されていない金属平板とで被転写シートを挟み込み加圧して、被転写シートの表面に転写する方法がある(例えば特許文献1参照)。
また、円筒金属ロール(転写部材)の表面にエンボスパターンを形成し、このエンボスパターンを転写する方法もある(例えば、特許文献2参照)。

概要

転写部材からの再帰性反射シートの剥離性を高めることができ、かつ、輝度の高い再帰性反射シートを得ることができる製造方法及びこの製造方法により製造された再帰性反射シート及びこの再帰性反射シートを備えた物品を提供すること。円筒状スタンパー31は、金属製、例えば電鋳ニッケル製の筒状部材であり、その表面が再帰性反射シートの原反となる被転写シートにエンボスパターンを形成するための転写面31Aとなっている。この転写面31Aには、表面粗さ0.3μmRz以下、対水接触角90°以上となる物質31B、例えば、フッ素系シランカップリング剤コーティングされている。転写シートを円筒状スタンパー31の転写面31Aとニップロールとで挟圧して再帰性反射シートを製造する。

目的

本発明の目的は、転写部材からの再帰性反射シートの剥離性を高めることができ、かつ、輝度の高い再帰性反射シートを得ることができる製造方法及びこの製造方法により製造された再帰性反射シート及びこの再帰性反射シートを備えた物品を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

表面にマイクロプリズム形状のエンボスパターンが形成された再帰性反射シートの製造方法であって、前記エンボスパターンが形成された転写面を有し、この転写面に表面粗さ0.3μmRz以下、対水接触角90°以上となる物質コーティングされた転写部材と、この転写部材に対向配置される加圧部材とで被転写シートを挟圧してこの被転写シートに前記エンボスパターンを転写することを特徴とする再帰性反射シートの製造方法。

請求項2

請求項1に記載の再帰性反射シートの製造方法において、前記転写面にコーティングされる物質は、ケイ素化合物であることを特徴とする再帰性反射シートの製造方法。

請求項3

請求項1又は2に記載の再帰性反射シートの製造方法において、前記転写シート熱可塑性樹脂を含有するものであることを特徴とする再帰性反射シートの製造方法。

請求項4

請求項3に記載の再帰性反射シートの製造方法において、前記熱可塑性樹脂は、ポリウレタン系樹脂又はポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする再帰性反射シートの製造方法。

請求項5

請求項1から4のいずれかに記載の製造方法により製造されたことを特徴とする再帰性反射シート。

請求項6

請求項5に記載の再帰性反射シートにおいて、ポリウレタン系樹脂を含有しており、再帰性反射率が150cd/lux/m2以上であることを特徴とする再帰性反射シート。

請求項7

請求項5又は6に記載の再帰性反射シートを備えたことを特徴とする物品

請求項8

請求項7に記載の物品が衣類又は履物用部材であることを特徴とする物品。

請求項9

請求項7に記載の物品が保安用具であることを特徴とする物品。

請求項10

請求項7に記載の物品は、ポリウレタン系樹脂を含有し、再帰性反射率が150cd/lux/m2以上である前記再帰性反射シートを備えたリフレクタであることを特徴とする物品。

技術分野

0001

本発明は、再帰性反射シートの製造方法、再帰性反射シート、物品に関する。

0002

従来から、表面にマイクロプリズムキューブコーナ)形状のエンボスパターンが形成された再帰性反射シートが反射板分野、ファッション分野、建築分野等で使用されている。
このような再帰性反射シートの製造方法としては、例えば、金属の型(転写部材)の表面にマイクロプリズム形状のエンボスパターンを形成しておき、この型と、エンボスパターンが形成されていない金属平板とで被転写シートを挟み込み加圧して、被転写シートの表面に転写する方法がある(例えば特許文献1参照)。
また、円筒金属ロール(転写部材)の表面にエンボスパターンを形成し、このエンボスパターンを転写する方法もある(例えば、特許文献2参照)。

背景技術

0003

【特許文献1】
特公昭60−56103号(図1
【特許文献2】
特公平3−43051号(図7

0004

このような製造方法により再帰性反射シートを製造する際、シート材質によっては、エンボスパターンが形成された型や金属ロールの表面からシートがはがれにくくなる場合がある。この問題を解決するために、型や金属ロールの表面に剥離層を形成することが考えられるが、剥離層の表面が粗い場合等には、被転写シートのマイクロプリズム部分(エンボスパターン部分)での全反射が損なわれ、輝度の高い再帰性反射シートを得ることができないという問題がある。

発明が解決しようとする課題

0005

本発明の目的は、転写部材からの再帰性反射シートの剥離性を高めることができ、かつ、輝度の高い再帰性反射シートを得ることができる製造方法及びこの製造方法により製造された再帰性反射シート及びこの再帰性反射シートを備えた物品を提供することである。

0006

本発明の再帰性反射シートの製造方法は、表面にマイクロプリズム形状のエンボスパターンが形成された再帰性反射シートの製造方法であって、前記エンボスパターンが形成された転写面を有し、この転写面に表面粗さ0.3μmRz以下、対水接触角90°以上となる物質コーティングされた転写部材と、この転写部材に対向配置される加圧部材とで被転写シートを挟圧してこの被転写シートに前記エンボスパターンを転写することを特徴とする。

0007

ここで、本願において、表面粗さとは、十点平均粗さのことをいい、JISB0601に基づいて測定されるものである。
本発明によれば、転写部材の転写面に対水接触角90°以上となる物質がコーティングされているので、転写部材と被転写シートとが接着しにくくなり、これにより転写面からの被転写シートの剥離性を向上することができる。
また、転写部材の転写面にコーティングされた物質の表面粗さが0.3μmRzを超えるものである場合には、再帰性反射シートの表面が粗くなり、輝度が低下する可能性があるが、本発明では表面粗さが0.3μmRz以下であるため、輝度の低下を防止することができる。
なお、被転写シートの製造方法としては、種々のシート成形方法を採用することができ、例えば、カレンダ成形Tダイ押出成形等を採用することができる。

0008

この際、前記転写面にコーティングされる物質は、ケイ素化合物であることが好ましい。
本発明で、使用するケイ素化合物は、表面の表面粗さが、0.3μmRz以下、好ましくは0.1μmRz以下、対水接触角90°以上となるケイ素化合物であり、例えば、フッ素系シランカップリング剤シラン離型剤等が挙げられる。
一般に、被転写シートへの転写を行う際には、転写部材の転写面を加熱する。ケイ素化合物は、耐熱性が高いため、転写面への塗布に適している。

0009

また、本発明では、前記転写シート熱可塑性樹脂を含有するものであることが好ましい。
このような本発明によれば、転写シートは熱可塑性樹脂を含有するため、転写時の加熱・加圧により容易にマイクロエンボス形状のエンボスパターンを形成することができる。

0010

この際、前記熱可塑性樹脂は、ポリウレタン系樹脂又はポリオレフィン系樹脂であることが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレンLLDPE)、ポリプロピレン(PP)、熱可塑性エラストマTPO)、エチレン環状オレフィン共重合体(EPO)、エチレン−酢酸ビニル共重合体EVA)、エチレン−メチルメタクリレート共重合体EMMA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、アイオノマ等を採用することができる。
なかでも、以上のようなポリオレフィン系樹脂のうち、軟質樹脂であるアイオノマを使用することが特に好ましい。
アイオノマは、軟質樹脂であり、接着性も高く、剥離性に劣るものであるが、本発明では、転写部材の転写面に対水接触角90°以上となる物質が塗布されているため、転写部材から良好に剥離することができる。
また、同様に、本発明で採用するポリウレタン系樹脂も軟質樹脂であり、接着性も高く、剥離性に劣るものであるが、本発明では、転写部材の転写面に対水接触角90°以上となる物質が塗布されているため、転写部材から良好に剥離することができる。

0011

ここで、ポリウレタン系樹脂としては、例えば、25℃で硬度(JIS)が80〜100、特に好ましくは85〜95、抗張力が好ましくは200kg/cm2以上、特に好ましくは300〜500kg/cm2、破断伸度が好ましくは300%以上、特に好ましくは400%以上の物性を有するものであり、ポリヒドロキシル化合物ポリオール成分)と、ポリイソシアネート化合物イソシアネート成分)とを反応してなるポリウレタン樹脂が使用出来る。

0012

ポリヒドロキシル化合物としては、例えば一般のウレタン化合物の製造に用いられる種々のポリエステルポリオール及び/又はポリエーテルポリオールが挙げられる。
ここで言うポリエステルポリオールとは、多価アルコール多塩基性カルボン酸縮合物ヒドロキシカルボン酸と多価アルコールの縮合物などが挙げられる。多価アルコールとしては、例えばエチレングリコールプロピレングリコールブタンジオールジエチレングリコールグリセリンヘキセントリオールトリメチロールプロパンなどが挙げられ、多塩基性カルボン酸としては例えばアジピン酸グルタール酸アゼライン酸フマール酸マレイン酸フタール酸テレフタール酸ダイマー酸ピロメリット酸などが挙げられる。
また、ヒドロキシカルボン酸と多価アルコールの縮合物としてはヒマシ油、ヒマシ油とエチレングリコール、プロピレングリコールなどの反応生成物も有用である。
更にポリエステルポリオールとしては、ε−カプロラクトン等のラクトン類開環重合して得られるラクトン系ポリエステルポリオール類も用いる事が出来る。このラクトン系ポリエステルポリオール類としては、先に述べた多価アルコール類にε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン等の一種又は二種以上を付加重合させたものがいずれも使用出来る。

0013

ポリエーテルポリオールとしては、例えばエチレンオキサイドプロピレンオキサイドブチレンオキサイドテトラヒドロフランなどのアルキレンオキサイドの一種もしくは二種以上を、2個以上の活性水素を有する化合物に付加重合した生成物であり、通常のポリウレタン樹脂の製造に用いられる公知のポリエーテルポリオールがいずれも使用できる。この場合2個以上の活性水素を有する化合物としては、例えば先にのべた多価アルコール、多塩基性カルボン酸の他、エチレンジアミンヘキサメチレンジアミンなどのアミン類エタノールアミンプロパノールアミンなどのアルカノールアミン類レゾルシンビスフェノールの如き多価フェノール類、ヒマシ油などが挙げられる。

0014

さらに、ポリヒドロキシル化合物は、ポリエステルポリオール及びポリエーテルポリオールの一種もしくは二種以上を用い、更にこれらに先に述べた多価アルコールの如き低分子量ポリヒドロキシ化合物鎖伸長剤として併用しても良い。
ポリイソシアネート化合物とは、分子中にイソシアネート基を2個以上有する化合物であり、通常のポリウレタン樹脂の製造に用いられる種々のものが使用でき、例えばトリレンジイソシアネートジフェニルメタンジイソシアネート、ジアニジンジイソシアネートナフタレンジイソシアネートトリフェニルメタントリイソシアネートビスジイソシアナトトリルフェニルメタンポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートなどの芳香族系ポリイソシアネート化合物脂肪族系又は脂環族系のポリイソシアネート化合物としては、イソホロンジイソシアネートジシクロヘキシルメタンジイソシアネート水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート)、ヘキサメチレンジイソシアネートキシリレンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、イソプロピリデンビスシクロヘキシルイソシアネート)等である。

0015

また、ポリイソシアネート化合物は、2種以上のポリイソシアネート化合物を併用してもよく、特に脂肪族系又は脂環系族ポリイソシアネート化合物に芳香族系ポリイソシアネート化合物を併用してもよい。
ポリウレタン樹脂のポリオール成分としては、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの製造に用いられる前記のポリヒドロキシル化合物が全て使用出来る。即ち、前記のポリエステルポリオール及びポリエーテルポリオールの一種もしくは二種以上を用いる事が出来る。又、前記の多価アルコールの如き低分子量ポリヒドロキシ化合物をポリオール成分として併用することもできる。

0016

本発明の再帰性反射シートは以上のような製造方法により製造されたことを特徴とする。
本発明の再帰性反射シートは、上述した製造方法により製造されたものであるため、剥離性がよく、かつ、高輝度の再帰性反射シートとなる。

0017

さらに、本発明の再帰性反射シートは、ポリウレタン系樹脂を含有しており、再帰性反射率が150cd/lux/m2以上であること好ましい。
ここで、再帰性反射率はJISZ8714に基づいて測定されたものである。
このような本発明では、再帰性反射シートは高い再帰性反射率を有しているため、高輝度のものとなる。
また、本発明の再帰性反射シートは、ポリウレタン系樹脂を含有しており、このポリウレタン系樹脂は伸びに対する回復性が優れているため、再帰性反射シート表面に形成されたエンボスパターンはくずれにくくなる。従って、エンボスパターンのくずれによる輝度の低下を防止できる。
また、再帰性反射シートをポリウレタン系樹脂を含有するものとすることで、再帰性反射シートの表面の耐磨耗性が向上する。従って、高い輝度を長期間維持することも可能となる。

課題を解決するための手段

0018

本発明の物品は、上述したような再帰性反射シートを備えることを特徴とするものであり、この物品としては、例えば、衣類又は履物用部材、保安用具、リフレクタ等が挙げられる。
物品をリフレクタにする場合には、リフレクタは、ポリウレタン系樹脂を含有し、再帰性反射率が150cd/lux/m2以上、なかでも300cd/lux/m2以上である再帰性反射シートを備えたものであることが好ましい。
上述した再帰性反射シートは高輝度のものであるため、高い視認性を有する物品とすることができる。

0019

以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1および図2には、本実施形態の再帰性反射シート1が示されている。
再帰性反射シート1は、表面1Aにマイクロプリズム形状のエンボス加工が施されたものである。この再帰性反射シート1はポリウレタン系樹脂を含有した単層構造のシートである。

0020

以上のような再帰性反射シート1の製造装置および製造方法を、図3を参照して説明する。
製造装置100は、転写装置33と、ガイドロール38と、ニップロール39と、艶付け装置40と、加熱装置50と、遮蔽板60とを備えている。
この転写装置33は、スタンパー保持用シリンダ30と、このスタンパー保持用シリンダ30の外周に嵌合し、スタンパー保持用シリンダ30に保持される円筒状スタンパー31(転写部材)と、スタンパー保持用シリンダ30内部にスタンパー保持用シリンダ30よりも内径の小さい支持ロール32およびバックアップロール35とを備えている。

0021

円筒状スタンパー31は、金属製、例えば電鋳ニッケル製の筒状部材であり、図4に示すように、その表面が再帰性反射シート1の原反となる被転写シート2にエンボスパターンを形成するための転写面31Aとなっている。この転写面31Aのエンボスパターンは、マイクロプリズム型の正三角錐ダイヤカットパターンであり、正三角錐の底面の一辺の長さは例えば173μm、高さは86μmである。また、転写面31Aの表面粗さは0.05μmRzである。なお、転写面31Aのエンボスパターンは以上のようなものに限定されるものではなく、再帰性反射シート1の用途等に応じて任意に設定できる。
そして、この転写面31Aには、表面粗さ0.3μmRz以下、対水接触角90°以上となる物質31B、例えば、シラン系離型剤等のケイ素化合物がコーティングされている。
この物質31Bのコーティングの厚みは1nm以上、100μm以下が好ましい。100μmを超えると、転写面31Aに形成されたエンボスパターン形状が変形してしまう虞がある。
物質31Bのコーティング方法は任意であるが、蒸着スピンコートディップコート等でコーティングすることができる。
なお、ここでいう表面粗さとは、十点平均粗さのことをいい、JISB0601に基づいて測定されるものである。

0022

バックアップロール35は、スタンパー保持用シリンダ30及び円筒状スタンパー31を介してニップロール39と対向する位置に設けられている。このバックアップロール35は、ニップロール39により被転写シート2を円筒状スタンパー31に圧接する際に、スタンパー保持用シリンダ30を介して、円筒状スタンパー31を内側から支持するものである。
さらに、スタンパー保持用シリンダ30の内部における支持ロール32とバックアップロール35との間には、熱交換器からなる冷却装置70が設けられている。

0023

ニップロール(加圧部材)39は、金属ロールの表面にシリコーンゴム製弾性材被覆されたものであり、円筒状スタンパー31上に供給された被転写シート2を、円筒状スタンパー31に対して所定圧力押圧するようにされている。なお、被覆する弾性材の硬度及び厚さは、使用するシートの硬度や厚さ
等に応じて適宜設定することができる。

0024

艶付け装置40は、転写装置33の近傍に配置された第1、第2冷却ロール41、42と、転写装置33から離れた位置に配置された第3冷却ロール43と、これら各ロール41、42、43に巻装されたエンドレスベルト44とを含んで構成されている。
ここで、第1、第2冷却ロール41、42間のエンドレスベルト44に沿った位置にも、冷却装置70が設けられている。

0025

第1〜第3冷却ロール41、42、43は、金属製ロールであり、その内部には水冷式等の冷却手段が設けられている(図示省略)。また、第1〜第3冷却ロール41、42、43のうち少なくとも1つの回転軸は、回転駆動手段と連結されている。なお、第3冷却ロール43は、適宜省略してもよい。
一方、エンドレスベルト44は、ステンレス製ベルトであり、第1、第2冷却ロール41、42間で被転写シート2のエンボスが転写される面とは反対側の面を円筒状スタンパー31側に付勢するように設定されている。

0026

加熱装置50は、円筒状スタンパー31の外部に配置されている。この加熱装置50は、例えば、高周波誘導加熱器ハロゲンヒーター、IR加熱器バーナー加熱器等の中から、使用するシートの材質、厚さ等に応じて適宜選択して使用することができる。
なお、本実施形態では、加熱装置50を円筒状スタンパー31の外部に配置したが、これに限らず、スタンパー保持用シリンダ30の内部に配置してもよい。
遮蔽板60は、例えば、アルミニウムステンレス等の金属板、またはこれらの金属板に断熱部材を取り付けたもの等の断熱効果を有する板である。

0027

このように構成された製造装置100を用いた再帰性反射シート1の製造は、次のように行われる。
まず、スタンパー保持用シリンダ30を回転させるとともに、エンドレスベルト44を回動させる。なお、スタンパー保持用シリンダ30の回転に伴って円筒状スタンパー31も回転することとなる。
さらに、加熱装置50により、円筒状スタンパー31を加熱して転写可能な所定の温度とし、支持ロール32内部には冷却媒体循環させる。

0028

この状態で、予めTダイ押出成形等により成形された被転写シート2を、ガイドロール38を介して円筒状スタンパー31上に供給した後、ニップロール39で被転写シート2を円筒状スタンパー31の表面に押圧し、被転写シート2にエンボスパターンを転写させる。この際、ニップロール39の表面に被覆された弾性材の弾性により、被転写シート2は面状圧接されることとなる。すなわち、被転写シート2は、ニップロール39と、円筒状スタンパー31とで挟圧されることとなる。
なお、被転写シート2の成形方法はTダイ押出し成形に限られず、例えば、カレンダ成形等であってもよい。

0029

この後、転写された被転写シート2を円筒状スタンパー31の回転とともに移動させて、艶付け装置40を構成するエンドレスベルト44と、円筒状スタンパー31との間で狭圧して被転写シート2の被転写面とは反対側の面に鏡面転写して艶付けを行い、再帰性反射シート1とする。
このようにして両面に転写が施された再帰性反射シート1は、冷却装置70において冷却、剥離されて巻き取られる。このようにして再帰性反射シート1が得られる。

0030

以上のようにして得られた再帰性反射シート1の再帰性反射率は150cd/lux/m2以上となる。なお、この再帰性反射率はJISZ8714に基づいて測定されるものである。
そして、このような再帰性反射シート1は、一例として、図5に示すようなリフレクタ8Aに使用される。このリフレクタ8Aは、例えば、道路標識工事標識、安全標識等で使用されるものであり、再帰性反射シート1と、この再帰性反射シート1の表面1A(エンボスパターンが形成された面)に対向配置されるシール部材81Aとを備えている。このシール部材81Aと再帰性反射シート1との間には、シール部材81Aと再帰性反射シート1とをシールするための82Aが設置されている。
リフレクタ8Aに入射した光Lは、再帰性反射シート1の表面で全反射される。
また、再帰性反射シート1を図6に示すようなジャケット等の衣類8B、さらには図7に示すような8C等に使用してもよい。この場合には、再帰性反射シート1を所定形状にカットし、空気封入シール(ハーメチックシール)によりテープ状に成形した後、衣類本体81B、靴本体81Cに貼り付けたり、縫製したりする。貼り付ける方法としては、例えば、高周波ウェルダ加工等があげられる。また、貼り付ける部分としては、光のあたりやすいところが好ましく、例えば、衣類本体81Bのの部分、の部分、靴本体81Cのかかとつまさき、サイド部分に貼り付ける。

0031

なお、図6に示した衣類8Bはジャケットであったが、これに限らず、制服等としてもよい。制服のラインロゴワッペンの部分に再帰性反射シート1を貼り付けることができる。また、衣類をレインコートセーフティガウン等としてもよい。さらに、衣類を図8に示すように、安全チョッキ8Dとしてもよい。この安全チョッキ8Dは、チョッキ本体81Dの襟部分等に再帰性反射シート1が貼り付けられている。

0032

従って、本実施の形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1−1)円筒状スタンパー31の転写面31Aに対水接触角90°以上となる物質31Bがコーティングされているので、円筒状スタンパー31と被転写シート2とが接着しにくくなり、これにより転写面31Aからの被転写シート2の剥離性を向上することができる。これに加え、冷却装置70で円筒状スタンパー31は冷却されるため、再帰性反射シート1をより容易に剥離することができる。
本実施形態の再帰性反射シート1は、軟質樹脂であり、接着性の高いポリウレタン系樹脂を含有するため、転写面31Aから特に剥離しにくいものであるが、このように、転写面31Aに物質31Bがコーティングされており、また、冷却装置70により充分に冷却されているため、転写面31Aからの剥離が容易となる。

0033

(1−2)また、円筒状スタンパー31の転写面31Aにコーティングされた物質31Bの表面粗さが0.3μmRzを超えるものである場合には、再帰性反射シートの表面が粗くなり、輝度が低下する可能性があるが、本実施形態では、物質31Bの表面粗さが0.3μmRz以下であるため、輝度の低下を防止することができる。
(1−3)円筒状スタンパー31の転写面31Aは、加熱装置50により加熱されるが、本実施形態では、転写面31Aに塗布される物質31Bをシラン系離型剤としたので、加熱装置50による加熱に耐えることができる。

0034

(1−4)被転写シート2は熱可塑性樹脂製であるポリウレタン系樹脂を含有するであるため、転写時の加熱・加圧により容易にマイクロエンボス形状のエンボスパターンを形成することができる。
(1−5)また、再帰性反射シート1はポリウレタン系樹脂を含有するものであるため、伸びに対する回復性が優れており、表面1Aに形成されたエンボスパターンがくずれにくい。従って、エンボスパターンのくずれによる輝度の低下を防止できる。

0035

(1−6)さらに、再帰性反射シート1はポリウレタン系樹脂を含有するため、耐洗濯性耐ドライクリーニング性に優れている。従って、本実施形態の再帰性反射シート1は洗濯が繰り返し行われるような物品、例えば、衣類8Bや、靴8Cに貼り付けることに適している。
(1−7)また、再帰性反射シート1をポリウレタン系樹脂を含有するものとすることで、表面1Aの耐磨耗性が向上する。従って、高い輝度を長期間維持することも可能となる。

0036

(1−8)さらに、再帰性反射シート1はポリウレタン系樹脂を含有するものであるため、焼却処理時塩素系ガス等の有毒ガスを排出しにくく、環境適応性の高いものとなる。
(1−9)本実施形態で得られる再帰性反射シート1は、150cd/lux/m2以上という高い再帰性反射率を有しており、高輝度のものである。従って、このような再帰性反射シート1を備えた物品8A,8B,8Cは、高い視認性を有するものとなる。

0037

なお、本発明は前述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、再帰性反射シート1を備えた物品として、リフレクタ8A,衣類8B,8D、靴8Cを例示したが、これに限らず、図9(A)に示すように、保安用具(カラーコーン8E、コーンバー8F)を採用してもよい。カラーコーン本体81Eや、コーンバー本体81Fの外面に再帰性反射シート1からなるテープを巻きつける。さらに、図9(B)に示すように、保安用具として、豪雪地帯に埋まった道路の端を認識させるために用いられるスノーポール8Gを採用してもよい。この場合にも、スノーポール本体81Gに再帰性反射シート1からなるテープを巻きつける。
さらに、再帰性反射シート1を備えた物品としては、取り外し可能なワッペン、ステッカー、ラベル腕章自転車用パーツランドセルアームバンドタスキ等があげられる。

0038

また、前記実施形態では、再帰性反射シート1をポリウレタン系樹脂を含有するものとしたが、これに限らず、例えばポリオレフィン系樹脂を含有するものとしてもよい。例えば、ポリオレフィン系樹脂としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン(PPという)、熱可塑性エラストマ(TPO)、エチレン−環状オレフィン共重合体(EPO)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、アイオノマ等を採用できる。なかでも、軟質樹脂であるアイオノマを使用することが特に好ましい。軟質樹脂であるアイオノマは、接着性が高いため、円筒状スタンパー31からの剥離性に劣るが、本願発明では、転写面31Aに、表面粗さ0.3μmRz以下、対水接触角90°以上となる物質31Bが塗布されているので、アイオノマ樹脂を含有する再帰性反射シートであっても容易に円筒状スタンパー31から剥離することができる。
さらに、再帰性反射シートを熱可塑性樹脂に限らず、例えば、電離線紫外線等)の照射硬化する樹脂を含有するものとしてもよい。例えば、紫外線硬化アクリル樹脂等を採用してもよい。
この場合には、電離線を照射するための照射手段を備えた製造装置を使用すればよい。

0039

さらに、前記実施形態では、再帰性反射シート1を単層構造のシートとしたが、これに限らず、複数層構造のシートとしてもよい。例えば図10に示すように、マイクロエンボス形状のエンボスパターンが形成される表面を構成する第1層91と、第2層92と、第3層93とを備える再帰性反射シート9としてもよい。
この場合、第1層91硬質樹脂であるPP製、第2層92を軟質樹脂であるLLDPE製、第3層93を硬質樹脂であるPP製とすることができる。PP/LLDPE/PPの三層構造とすることでブリードアウトを防止したり、移染性を向上させたりすることができる。また、三層構造とする場合、PP/EVA/PPという構成にしてもよい。このような構成にすることで、高周波ウェルダ適性等の二次加工性を向上させることができる。

0040

さらに、前記実施形態では、転写面31Aにコーティングされる物質をシラン系離型剤等のケイ素化合物としたが、これに限らず、表面粗さ0.3μmRz以下、対水接触角90°以上となる物質であれば任意である。
また、前記実施形態では、円筒状スタンパー31に被転写シート2を押し当てることで転写する製造方法により、再帰性反射シート1を製造したが、このような製造方法には限られず、例えば、金属の型(転写部材)の表面にマイクロプリズム形状のエンボスパターンを形成しておき、この型と、エンボスパターンが形成されていない金属平板とで被転写シートを挟圧して、被転写シートの表面に転写する方法で再帰性反射シートを製造してもよい。また、マイクロプリズム形状のエンボスパターンが形成された型上に被転写シートを設置し、ロールと型とで被転写シートを挟圧して再帰性反射シートを製造してもよい。

0041

【実施例】
本発明の効果を確認するために以下の実験を行った。
(実施例1)
前記実施形態と略同様の製造装置100を用いて再帰性反射シートを製造した。
製造装置100の円筒状スタンパー31は、電鋳ニッケル製であり、転写面31Aのエンボスパターンは、マイクロプリズム型の正三角錐ダイヤカットパターンである。この正三角錐の底面の一辺の長さは173μm、高さは86μmである。また、転写面31Aの表面粗さは0.05μmRzである。
円筒状スタンパー31の転写面31Aに塗布された物質31Bはフッ素系シランカップリング剤(ダイキン工業社製「オプツールDSX」)であり、この物質31Bの表面物性は表1に示すとおりである。
物質31Bがコーティングされた円筒状スタンパー31の転写面31Aの温度が230℃になるように加熱し、ポリウレタン系樹脂を含有する被転写シート2(250μm厚)をニップロール39により円筒状スタンパー31に、30kg/cm2の圧力で押圧した。そして、冷却装置70で冷却して、剥離した。

0042

(実施例2)
円筒状スタンパー31の転写面31Aに塗布された物質31Bをシラン系離型剤(ケムリース社製「ケムリースRC−1」)とした。他の条件は、実施例1と同じである。

0043

(比較例1)
円筒状スタンパー31の転写面31Aになにも塗布しなかった。転写面31Aの表面物性は表1に示すとおりである。他の条件は実施例1と同じである。
(比較例2)
円筒状スタンパー31の転写面31Aにハードクロムめっきを0.5μmの厚さで施した。ハードクロムめっきの表面物性は表1に示すとおりである。他の条件は実施例1と同じである。
(比較例3)
円筒状スタンパー31の転写面31AにDLC(ダイアモンドライクカーボン)を施した。DLCの表面物性は表1に示すとおりである。他の条件は実施例1と同じである。
(比較例4)
円筒状スタンパー31の転写面31Aにケイ素系無機高分子離型剤(材料学研究所製「バリセラム/ガンマースプレー」)を施した。ケイ素系無機高分子離型剤の表面物性は表1に示すとおりである。他の条件は実施例1と同じである。

0044

(実施例1,2及び比較例1〜4の結果)
結果を表1に示す。

0045

【表1】

発明を実施するための最良の形態

0046

なお、表面粗さは、JISB0601に基づいて測定されたものであり、また、再帰性反射率はJISZ8714に基づいて測定されたものである。
さらに、表1中、○は剥離性が良好であったことを示し、×は、剥離性が悪かったことを示す。
実施例1,2では、再帰性反射シートの剥離性は良好であり、また、再帰性反射率が高いものとなった。
比較例1〜3では、剥離性が悪いものとなった。さらに、比較例4では、剥離性は良好であったものの、再帰性反射率が低く、輝度の劣るシートとなった。
上より、転写部材からの再帰性反射シートの剥離性を高めることができ、かつ、輝度の高い再帰性反射シートを得ることができるという本発明の効果を確認することができた。

図面の簡単な説明

0047

このような本発明によれば、転写部材からの再帰性反射シートの剥離性を高めることができ、かつ、輝度の高い再帰性反射シートを得ることができる製造方法及びこの製造方法により製造された再帰性反射シート及びこの再帰性反射シートを備えた物品を提供できるという効果がある。

図1
本発明の実施形態の再帰性反射シートを示す平面図である。
図2
前記再帰性反射シートの断面図である。
図3
前記再帰性反射シートを製造する製造装置を示す模式図である。
図4
前記製造装置の要部を示す断面図である。
図5
前記再帰性反射シートを用いたリフレクタを示す断面図である。
図6
前記再帰性反射シートを用いた衣類を示す斜視図である。
図7
前記再帰性反射シートを用いた靴を示す斜視図である。
図8
前記再帰性反射シートを用いた衣類を示す斜視図である。
図9
前記再帰性反射シートを用いた保安用具を示す図である。
図10
前記再帰性反射シートの変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 再帰性反射シート
1A 表面
2被転写シート
8A リフレクタ
8B 衣類
8C 靴
8D 安全チョッキ
8Eカラーコーン
8Fコーンバー
8Gスノーポール
9 再帰性反射シート
30スタンパー保持用シリンダ
31円筒状スタンパー
31B物質
31A転写面
33転写装置
35バックアップロール
38ガイドロール
39 ニップロール

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