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技術 脂質取り込みアッセイ

出願人 デフヘン・ナムローゼ・フェンノートシャップ
発明者 ヴェルウェルデ,フィリップアントニッソン,シンディーデプレ,ベノアボネ,ビートリースボガート,ティエリー
出願日 2001年5月21日 (20年2ヶ月経過) 出願番号 2001-584878
公開日 2004年8月19日 (16年11ヶ月経過) 公開番号 2004-524803
状態 未査定
技術分野 生物学的材料の調査,分析 化学反応による材料の光学的調査・分析 特有な方法による材料の調査、分析 突然変異または遺伝子工学 酵素、微生物を含む測定、試験 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 化合物または医薬の治療活性 ペプチド又は蛋白質 第1-3族元素を含む化合物及びその製造
主要キーワード 測定時間範囲 長時間スケール 発熱成分 トリニトロフェニル基 込みモデル 黒色プラスチック 物理的性 脂肪酸ベース
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題・解決手段

脂質取り込み阻害剤または活性剤検出に適切な機能的高処理インビボアッセイにおけるC.elegansなどの微視的線虫の使用。アッセイを使用した腸脂質取り込みのモジュレーターとして同定された化合物により、ヒトまたは動物(例えば、哺乳動物)の疾患、特にヒトおよび/または動物代謝、脂肪処理および/または脂肪保存(例えば、肥満)、脂肪代謝障害および他の関連疾患(II型糖尿病および心血管疾患など)の治療の治療に有用な医薬品を開発するためのリード化合物を得ることができる。

概要

背景

概要

脂質取り込み阻害剤または活性剤検出に適切な機能的高処理インビボアッセイにおけるC.elegansなどの微視的線虫の使用。アッセイを使用した腸脂質取り込みのモジュレーターとして同定された化合物により、ヒトまたは動物(例えば、哺乳動物)の疾患、特にヒトおよび/または動物代謝、脂肪処理および/または脂肪保存(例えば、肥満)、脂肪代謝障害および他の関連疾患(II型糖尿病および心血管疾患など)の治療の治療に有用な医薬品を開発するためのリード化合物を得ることができる。

目的

本発明の1つの一般的な目的は、(高等多細胞動物における生体膜を通過する脂質取り込み/輸送のためのインビボモデルとして使用することができ、自動化および/または培地での高処理スクリーニング感受性を示し得る(すなわち、設定することができる)、インビボでの脂質取り込み/輸送を測定するためのアッセイを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

微視的線虫内への脂質取り込みアッセイする方法であって、シグナル発生標識に連結した脂質部分を含むプローブ分子の存在下で、前記微視的線虫をインキュベートする工程と、プローブ分子の標識部から発生するシグナルを検出することによって、前記微視的線虫に捕らえられるプローブ分子の量を決定する工程と、を含む、前記方法。

請求項2

微視的線虫がカエノラブディティス属である、請求項1に記載の方法。

請求項3

微視的線虫がC.エレガンスまたはC.ブリグサエである、請求項2に記載の方法。

請求項4

プローブ分子の存在下で微視的線虫をインキュベートする工程が、固体培地上で実行され、好ましくは寒天プレート上で実行される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。

請求項5

プローブ分子の存在下で微視的線虫をインキュベートする工程が、液体培地中で実行され、好ましくはマルチウェルプレート中で実行される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。

請求項6

プローブと共にインキュベートする工程と、微視的線虫に捕らえられるプローブ分子の量を決定する工程との間に、1つ以上の洗浄工程が更に含まれる、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。

請求項7

微視的線虫に捕らえられるプローブ分子の量を決定する工程が、マイクロタイタープレートリーダーを用いて、マイクロタイタープレートで行われる、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法。

請求項8

プローブ分子のシグナル発生標識部が、蛍光標識発光標識または着色標識を含む、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法。

請求項9

シグナル発生標識部が、BODIPY、NBD、DHPピレンペリレンフルオレセインまたはテキサスレッドを含む、請求項8に記載の方法。

請求項10

プローブ分子のシグナル発生標識部が蛍光標識を含み、プローブ分子が、標識部から発した蛍光消光させるのに適合した消光剤部分を更に含む、請求項8に記載の方法。

請求項11

プローブ分子の消光剤部分が、前記微視的線虫の腸管腔に存在する酵素の作用によってプローブ分子の残部から切断される、請求項10に記載の方法。

請求項12

酵素がプロテアーゼまたはエステラーゼである、請求項11に記載の方法。

請求項13

プローブ分子の脂質部分が、脂肪酸コレステロールリン脂質またはトリグリセリドより成る群から選択される、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の方法。

請求項14

微視的線虫を用いて、脂質取り込みの阻害剤またはエンハンサーとしての化合物を同定する方法であって、前記化合物の存在下で、前記微視的線虫をインキュベートする工程と、シグナル発生標識に連結した脂質部分を含むプローブ分子を加え、化合物とプローブの存在下で微視的線虫を更にインキュベートする工程と、プローブ分子の標識部から発生するシグナルを検出することによって、前記微視的線虫に捕らえられるプローブ分子の量を決定する工程と、を含む、前記方法。

請求項15

微視的線虫がカエノラブディティス属である、請求項14に記載の方法。

請求項16

微視的線虫がC.エレガンスまたはC.ブリグサエである、請求項15に記載の方法。

請求項17

前記化合物の存在下で前記微視的線虫をインキュベートする工程と、プローブ分子を加えた化合物の存在下で微視的線虫をインキュベートする工程とが、液体培地中で実行される、請求項14乃至16のいずれか一項に記載の方法。

請求項18

プローブとインキュベートする工程と、微視的線虫に捕らえられるプローブ分子の量を決定する工程との間に、1つ以上の洗浄工程が更に含まれる、請求項14乃至17のいずれか一項に記載の方法。

請求項19

微視的線虫に捕らえられるプローブ分子の量を決定する工程が、マイクロタイタープレートリーダーを用いて、マイクロタイタープレートで行われる、請求項14乃至18のいずれか一項に記載の方法。

請求項20

プローブ分子のシグナル発生標識部が、蛍光標識、発光標識または着色標識を含む、請求項14乃至19のいずれか一項に記載の方法。

請求項21

シグナル発生標識部が、BODIPY、NBD、DHP、ピレン、ペリレン、フルオレセインまたはテキサスレッドを含む、請求項20に記載の方法。

請求項22

プローブ分子のシグナル発生標識部が蛍光標識を含み、プローブ分子が、標識部から発した蛍光を消光させるのに適合した消光剤部分を更に含む、請求項20に記載の方法。

請求項23

プローブ分子の消光剤部分が、前記微視的線虫の腸管腔に存在する酵素の作用によってプローブ分子の残部から切断される、請求項22に記載の方法。

請求項24

酵素がプロテアーゼまたはエステラーゼである、請求項23に記載の方法。

請求項25

プローブ分子の脂質部分が、脂肪酸、コレステロール、リン脂質またはトリグリセリドより成る群から選択される、請求項14乃至24のいずれか一項に記載の方法。

請求項26

請求項14乃至25のいずれか一項に記載の方法を用いて、脂質取り込みの阻害剤またはエンハンサーとして同定し得る化合物。

請求項27

微視的線虫における脂質取り込みの阻害剤またはエンハンサーとして予め同定された化合物が作用する、脂質取り込み経路の成分を同定する方法であって、微視的線虫集団ランダム突然変異誘発に供する工程と、突然変異誘発F1線虫にF2子孫を生ずるよう許容する工程と、サプレッサー突然変異体F2線虫を同定する工程であって、前記化合物の脂質取り込みに対する効果が、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の脂質取り込みアッセイ法を用いることにより抑制される、前記工程と、前記サプレッサー突然変異体F2線虫で突然変異した、1つまたは複数の遺伝子を同定する工程と、を含む、前記方法。

請求項28

サプレッサー突然変異体F2線虫で突然変異した、1つまたは複数の遺伝子を単離する更なる工程を含む、請求項27に記載の方法。

請求項29

微視的線虫における脂質取り込みの経路に関与する新規な遺伝子及びタンパク質を単離する方法であって、微視的線虫集団をランダム突然変異誘発に供する工程と、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の脂質取り込みアッセイを用いて、野生型と比較して変えられた脂質取り込みを提示する突然変異型虫を同定する工程と、前記突然変異型虫で突然変異した、1つまたは複数の遺伝子を同定する工程と、を含む、前記方法。

請求項30

下記式(I)の化合物。(式中、R基の1つ(R’)は−A−X−Qである。ここで、Aは飽和または不飽和直鎖C3−21炭化水素鎖であり、Xは、酵素切断可能であるか加水分解可能である官能基であり、Qは化合物の4,4−ジフルオロ−4−ボラ−3a、4aジアザ−s−インダセン(BODIPYR)部分に対する消光剤であり;R基の1つ(R’’)は、H、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニルアリールC1−C6アルキル、アリールC2−C6アルケニル、アリールC2−C6アルキニル、アリール、C1−C6アルコキシアリールヘテロアリール、及び飽和または不飽和直鎖C3−C21炭化水素よりなる群から選択され;残りのR基(R’’’)は、各々、H、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、アリールC1−C6アルキル、アリールC2−C6アルケニル、アリールC2−C6アルキニル、アリール、C1−C6アルコキシアリール、及びヘテロアリールよりなる群から独立して選択される。)

請求項31

請求項10または11に従い、微視的線虫への脂質取り込みをアッセイする方法であって、プローブ分子が、請求項30で定義される式(I)の化合物である、前記方法。

請求項32

請求項22または23に従い、微視的線虫を用いて脂質取り込みの阻害剤またはエンハンサーとしての化合物を同定する方法であって、プローブ分子が、請求項30で定義される式(I)の化合物である、前記方法。

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0001

本発明は、腸脂質取り込み阻害剤または活性剤検出に適切な機能的高処理インビボアッセイにおけるC.elegansなどの微視的線虫の使用に関する。アッセイを使用した腸脂質取り込みのモジュレーターとして同定された化合物により、ヒトまたは動物(例えば、哺乳動物)の疾患、特にヒトおよび/または動物代謝、脂肪処理および/または脂肪保存(例えば、肥満)、脂肪代謝障害および他の関連疾患(II型糖尿病および心血管疾患など)の治療の治療に有用な医薬品を開発するためのリード化合物を得ることができる。

0002

脂肪が脊椎動物の腸に到達した場合、膵臓リパーゼトリグリセリド遊離脂肪酸およびモノグリセリド(主に、2−モノアシルグリセロール)と呼ばれるより小さな成分に加水分解する。脂肪酸は、片側にカルボン酸部分を含む長鎖炭化水素分子である。脂肪酸中の炭素ナンバリングは、カルボン酸基の炭素から始まる。

0003

代謝的には、脂肪酸はその発熱成分のために重要なエネルギー基質である。西先進国の典型的な食事では、約30から40%の食事熱量が主にジおよびトリグリセリド形態の脂質に由来する。過剰な食事脂質消費と肥満、糖尿病、および癌を含むいくつかの共通の病態生理学障害との関係が広範に報告されている(Wattsら、Am.J.Clin.Nutr.、64、202〜9、1996;Storlienら、Science、237、885〜8、1987)。

0004

身体において遊離脂肪酸には以下3つの主な役割がある:
1)より複雑な膜脂質成分として。

0005

2)トリアシルグリセロールの形態での貯蔵脂肪の主要成分として。

0006

3)β酸化による脂肪酸代謝はまた、ほとんどの生物、特に哺乳動物心筋のエネルギーとしての主要なATP源である。

0007

最近まで、消化中の身体への脂肪酸吸収は、炭水化物およびアミノ酸既知能動輸送過程よりもむしろ受動拡散によると考えら得ていた。現在、少なくとも5つの原形質膜タンパク質が同定され、これまで、脂肪酸輸送の候補として提唱されている。これらには、原形質膜脂肪酸結合タンパク質(FABPpm)、脂肪酸トランスロカーゼFAT)、カベオリン(22kDaの脂肪酸結合タンパク質)、56kbFABP、脂肪酸輸送タンパク質(FATP)が含まれるが、これらに制限されない。これらの膜タンパク質概説は、Yuen Hui and David A.Bernlohr、Bioscience、2、222〜231、1997で発表されている。

0008

FATPの発現は、一定の転写因子(「PPAR」(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体)転写因子「RXR」(レチノイド受容体)転写因子、および類似の因子など)によって調節される。したがって、これらの受容体の活性剤(フィブリン酸または抗糖尿病性チアゾリジンジオン、およびレチノール酸)は、FATP発現を増加させることができる。6つの既知のヒトFATPの1つであるFATP4は、最近、主要な腸脂肪酸輸送タンパク質に必要な機能的特長(その有無が脂肪酸取り込みの有無に関連する)および細胞の位置(腸細胞微絨毛で高度に発現する)を有することが示された(Stahl Aら、Mol.Cell Biol.、4、299〜308、1999)。他の輸送タンパク質の発現および活性も調節される可能性が高い。

0009

これらの脂肪酸輸送タンパク質(ヒトタンパク質およびそのC.elegansアナログの両方)をコードするヌクレオチド配列およびタンパク質配列を、公的にアクセル可能な配列データベースGenBank(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/PubMed/でアクセス可能)およびSnagerセンター、UK(http://wormbase.sanger.ac.uk/)C.elegansデータベースなど)で見出すことができる。配列および名称番号のいくつかの例を以下に示す。
FATP:
C.elegans F28D1.9およびD1009.1、
H.sapiensAF055899,
カベオリン:
C.elegans C56A3.7およびT13F2.8、
H.sapiens NM_001233、NM_001753、およびNM_001234、
FAT:
C.elegans Y49E10.20およびY76A2B.6、
H.sapiens P16671、
FABP:
C.elegans W02D3.7、W02D36.5、T22G5.2、およびF40F4.2、
H.sapiens NM_001445、NM_001443、およびM10617。

0010

あまり報告されていないが、他の脂質取り込みに関連するタンパク質が文献に記載されており、これらのタンパク質および遺伝子の配列が公表されている。例えば、ABC輸送物質、より詳細にはABC輸送物質ABCB1(ABC8)は、コレステロールおよびリン脂質輸送で重要な役割を果たすことが示されている(Kluckenら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、2000、97:817〜822)。脂質、より詳細にはステロールおよびコレステロールの送達は、スカベンジャー受容体BIによって行われる(Stanglら、J.Biol.Chem.、1999、274:32692〜32698)。Izzatらは、Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics、2000、293:315〜320に腸コレステロール取り込みを減少させる他の推定標的を記載している。このような標的には、胆汁酸輸送物質およびHMG−CoAレダクターゼが含まれる。コレステロールは、輸送物質に関係なく腸膜によって取り込まれる。腸内腔でコレステロールと化学量論的に相互作用する化合物もまた、コレステロール取り込みを減少させる。他の輸送タンパク質を、文献で見出すことができる。

0011

腸での脂質取り込みの調節により、肥満ならびに真性糖尿病、心血管疾患(動脈硬化症)、高血圧、脳卒中、および一定の形態の癌などのいくつかの関連疾患を治療可能である。他の組織での脂質取り込みの増強もまた特定の治療に適用することができる。例えば、皮膚による脂肪酸取り込みの増強により、化粧品が改良される。

0012

本発明者らは、本明細書中に、動物モデルとしてCaenorhabditis elegansなどの微視的線虫を使用した実際の腸環境でのインビボ脂質取り込みを測定するための機能的アッセイを記載する。この方法の特定の適用も記載する。

0013

したがって、本発明の第1の態様によれば、シグナル発生標識に連結された脂質部分を含むプローブ分子の存在下で微視的線虫をインキュベートする工程と、前記プローブ分子の標識部分によって発生したシグナルの検出によって前記微視的線虫によって取り込まれたプローブ分子の量を同定する工程とを含む、微視的線虫における脂質取り込みのアッセイ法が得られる。

0014

本発明のアッセイでは、線虫を、プローブ分子を含む培地でインキュベートする。このようなインキュベーションの際に、プローブは線虫の胃腸管(例えば、咽頭ポンピングによる)、特に線虫の腸(内腔)に取り込まれる。

0015

次いで、胃腸管の(すなわち、腸の)壁を介した腸内腔から線虫の体内に通過し、特定の細胞または組織(腸顆粒および/または他の細胞ならびに脂質を保存および処理する組織など)で濃縮され得る。

0016

本発明によれば、線虫の腸内腔から線虫の体内へのプローブ分子のこの通過を、線虫だけでなく、高等多細胞生物(脊椎動物、哺乳動物、さらにヒトなど)における生体膜またはバリアを通過する脂質輸送のインビボモデルとして使用する。(これに関して、線虫の内腔から線虫の体内へのプローブ分子の通過を、胃腸管壁を通過する脂質輸送モデルとしてだけでなく、一般に、任意の生体膜および/またはバリア(上皮細胞細胞層血管壁など)ならびに細胞膜を含む)を通過する脂質輸送モデルとしても使用することができることに留意すべきである)。

0017

本発明は、脂質輸送が起こり得る機構または経路に特別に制限されず(すなわち、本発明のアッセイで使用した線虫ならびに線虫をインビボモデルとして使用する高等生物の両方における)、例えば、能動輸送(好ましい)および(受動拡散、またはその組み合わせなどの機構を含み得る。1つの実施形態では、本発明を使用して、本アッセイの条件下で(すなわち、モデルとして使用する)プローブまたは脂質が能動輸送機構または受動輸送機構(例えば、拡散)のいずれで輸送されるのかを同定することもできる。

0018

これは、関連する特定の脂質またはプローブ型(すなわち、プローブ中に存在する脂質部分の型)、ならびに本発明のアッセイについては、使用した特定の線虫、使用した線虫株に影響を与える遺伝子因子(遺伝子抑制(例えば、RNAi(法)によって誘導される)、ならびに/または、例えば、脂質輸送に関連する一定の経路(の発現)および/またはこのような経路に関連する特異的遺伝子および/または酵素を誘導または抑制する化合物への線虫の曝露の結果としての使用した線虫における特異的誘導または抑制経路など)、にも依存し得る(以下でさらに説明する)。

0019

認識されるように、インビボでの線虫の腸内腔から体内へのプローブ分子の(能動または受動)輸送を測定するために、原則的には、適切な期間線虫の腸内腔におけるプローブの量および/または濃度(および/または任意のその変化)、線虫体内のプローブの量および/または濃度(および/または任意のその変化)、またはその両方のいずれかを測定する必要がある。しかし、これは非常に複雑であり、例えば、顕微鏡技術を使用して各線虫を試験する必要があるが、それでも定量的および/または統計的に適切な結果はおそらく得られない。また、任意のこのような測定は自動化および/または培地での高速スクリーニングに適切ではない。

0020

したがって、本発明の1つの一般的な目的は、(高等)多細胞動物における生体膜を通過する脂質取り込み/輸送のためのインビボモデルとして使用することができ、自動化および/または培地での高処理スクリーニングに感受性を示し得る(すなわち、設定することができる)、インビボでの脂質取り込み/輸送を測定するためのアッセイを提供することにある。

0021

より詳細には、本発明の目的は、モデル生物として線虫を使用するこのようなアッセイを提供することにある。

0022

本発明の1つの特定の目的は、小分子のこのような脂質取り込み/輸送、脂質取り込み/輸送に関連する経路の誘導もしくは抑制(例えば、誘導因子または抑制因子への曝露の延長による)、および/または変異もしくはRNAi誘導遺伝子抑制などの遺伝因子に対する影響の同定に使用することができるようなアッセイを提供することにある。

0023

この方法では、本発明のアッセイを使用して、小分子および/または生体膜/バリアを通過する脂質取り込み/輸送に影響を与えることができる(他の)因子について化合物をスクリーニングし、その後、小分子または因子を哺乳動物およびヒトなどの脊椎動物を含む多細胞生物における生体膜/バリアを通過する脂質取り込み/輸送を増加または減少させる、より一般的には動物およびヒトの多数の疾患領域(肥満、糖尿病、および心血管疾患(特に、コレステロール処理および代謝に関連する疾患)が含まれるが、これらに限定されない)に関連し得るこのような多細胞生物による脂肪および/または脂質処理または保存に影響を与えるか変化させるための組成物中で使用される化合物の開発に(出発点として)使用することができる。

0024

化合物ライブラリーのスクリーニングに加えて、本発明のアッセイを、薬物開発(例えば、リードヒット化学(hits−to−leadschemistry)またはリード開発)だけでなく、遺伝子スクリーニング、遺伝子発見技術、標的確証技術、および/または他の(機能的)ゲノミクス技術で使用することができる。

0025

特定の実施形態では、本発明のアッセイを使用して、食品または食品組成物の特定の成分(例えば、ヒトまたは動物用)(脂肪酸、脂肪、油、コレステロール様化合物および/または他の脂質(以下に定義のものなど)など)ならびに(例えば、ヒト用の食品組成物における)脂肪、油、および/または脂質の置換を意図する化合物、および/または前記組成物を消費する動物またはヒトにおいてコレステロールを低級にすることを意図する添加物(例えば、食品組成物用)の取り込みを測定/同定することもできる。本発明のこの特定の態様では、アッセイを、例えば、胃腸管からの取り込みの増減(すなわち、基準との比較)を示す成分を同定するための高等動物(動物またはヒトなど)の胃腸管からのこのような化合物の取り込みモデルとして使用することができる。したがって、本発明のアッセイを、ヒト消費用食品組成物、特殊栄養組成物、および/または特殊調製粉乳、またはその中で使用するための成分などの食品用成分/添加物の開発に使用することもできる。

0026

本発明は、本明細書中に記載のアッセイ技術の提供によって上記の目的を達成する。

0027

これらの技術は、特に、本明細書中に記載のアッセイ条件下で、線虫の全身(腸内腔を含む)、特に、線虫サンプル(以下に定義)によって発生されたシグナルを前記線虫による脂質輸送/取り込み(すなわち、腸(内腔)から線虫の身体への)の(定量の)尺度として使用することができる。

0028

したがって、本明細書中に記載のアッセイ条件を使用する場合、腸内腔中のプローブ量(によるシグナル)および/または線虫身体のプローブ量(によるシグナル)もいかなる変化も個別に測定する必要がない。

0029

また、本発明によれば、線虫の全身(すなわち、本明細書中に記載のプローブとのインキュベーションの際)、特に線虫サンプル由来のシグナルを脂質輸送を測定するための定量的シグナルとして使用し、本発明のアッセイを線虫(のサンプル)の処理および線虫(のサンプル)によって発生されるシグナルの測定のための従来の技術および装置(蛍光技術など)と共に使用することができる。これにより、本発明のアッセイを、培地中の線虫を処理および使用するための既知の(自動化)高処理スクリーニング技術を使用して培地での高処理スクリーニングのために自動化および/または設定することが可能である。

0030

さらにより驚いたことに、本明細書中に記載のアッセイ条件下で、線虫の(全身)サンプルによって発生されたシグナルでさえ、線虫がプローブ分子を含む培地に依然として接触している場合(すなわち、線虫が依然としてその胃腸管に(さらなる)プローブを取り込むことができるように(例えば、咽頭ポンピングによる))、脂質取り込みを示すことが見出された。

0031

したがって、1つの特に好ましい態様では、本発明は、線虫の腸(内腔)から線虫の身体へのプローブ分子の脂質取り込み/輸送の同定法であって、前記方法は、少なくとも15匹の線虫サンプルを得る工程と、前記線虫サンプルと少なくとも1つのプローブ分子とを少なくとも15分間接触させ、前記プローブ分子は少なくとも1つの脂質部分および少なくとも1つのシグナル発生部分を含む工程と、線虫サンプルを少なくとも1つの検出技術に供し、前記検出技術はプローブ分子(または少なくともそのシグナル発生部分)によって発生されるシグナルを検出することができる工程と、を含む、方法に関する。

0032

好ましくは、この方法では、少なくとも20匹の線虫サンプルを、少なくとも20分間プローブに接触させる。

0033

1つの好ましい実施形態では、以下にさらに記載のように、プローブは消光プローブである。

0034

使用した線虫サンプルは、工程a)好ましくは20匹と500匹との間の線虫、好ましくは30匹と200匹との間、より好ましくは40匹と100匹との間(約50匹の線虫など)である(しかし、本明細書中に記載の上限は重要ではない)。

0035

サンプルによって発生されたシグナルは線虫(のサンプル)によって取り込まれた脂質の量(例えば、共に基準と比較した脂質取り込みの増加を示すシグナルの減少および脂質取り込みの減少を示すシグナルの減少)だけでなく、サンプルのサイズに伴う一次関数様式での増加も示す(したがって、サンプルサイズの選択によってシグナル強度の一般的レベルを制御可能である)ことも見出された。

0036

サンプル中に存在する線虫は、好ましくは、これらが同一の株に属し、本質的に同一の発達段階にあり(すなわち、同期)、同一条件下(例えば、液体中またはプレート上)で成長し、および/または同一の化合物または因子(例えば、一定の経路またはそれに関連する酵素の誘導のため)に接触しているという点で本質的に同一である。好ましくは、L4線虫または成体線虫を使用する。

0037

各線虫サンプルは、好ましくは、各ホルダーコンテナ、または区画(1つの寒天プレートまたはマルチウェルプレートの1つのウェル(各ウェルは個別の線虫サンプルを含み得る)など)中に存在する。

0038

線虫サンプルは、好ましくは、適切な培地中または培地上(粘性培地(例えば、オストワルトまたはブルックフィールド粘度計または他の適切な技術などの適切な粘度測定技術によって測定したところ、アッセイ温度でM9培地と同一かより高い粘度を有する培地など)、半固体培地または固体培地寒天など)など)に維持されている。このような粘性培地は、例えば、本質的に2000年10月26日公開国際出願PCT/IB00/00575(「化合物スクリーニング法」)に記載され、この出願に記載のように、例えば、この出願書類中に記載の量/濃度のCMCなどの水溶性ポリマー液体培地への添加によって得ることができる。

0039

このような培地は、線虫の維持/生存に必要な全ての因子および栄養素(細菌などの適切な食餌など)をさらに含み得る。

0040

本発明のアッセイをマルチウェルプレート形式で行う場合、液体または粘性培地の使用が通常好ましい。

0041

本発明はまた、少なくとも1つの脂質部分および少なくとも1つのシグナル発生部分を含むプローブ(以下にさらに記載)の使用を含む。培地中のプローブ濃度は、好ましくは1μモルと500μモルとの間、好ましくは2μモルと100μモルとの間、より好ましくは3μモルと50μモルとの間、より好ましくは5μモルと20μモルとの間(約10μモルなど)である(しかし、本明細書中に記載の上限は重要ではない)。

0042

線虫サンプルを2つまたはそれ以上の異なるプローブ(そのうちの少なくとも1つは脂質部分を含む)に接触させることもまた本発明の範囲内である。例えば、線虫サンプルを:
それぞれ異なる脂質部分(例えば、これらのプローブの取り込みを測定するため、互いに比較するため)を含む2つまたはそれ以上のプレローブ
脂質部分(すなわち、脂質輸送を測定するため)を含む1つのプローブおよび脂質部分を含まないプローブ(例えば、咽頭ポンピングの測定用デザインされているかそれに適したプローブ)と接触することができる。

0043

この実施形態により、脂質取り込みおよび咽頭ポンピングの両方を本質的に同時に(すなわち、同一の線虫サンプル内で)測定することができる(例えば、咽頭ポンピング(速度)と脂質取り込み/輸送(速度)とを相関させる;測定した脂質取り込み量/速度で咽頭ポンピング量/速度を修正する、および/または1つの線虫サンプルから次への咽頭ポンピング量が本質的に同一であることを確認する)。

0044

咽頭ポンピングを測定するための適切なプローブ(およびこのようなプローブの適切な濃度)は、例えば、国際出願PCT/IB00/00575(WO00/63427として2000年10月26日に公開)およびPCT/IB00/00557(WO00/63425として2000年10月26日に公開)に記載されている。(これに関しては、これら2つの出願に記載のものなどの咽頭ポンピング(のみ)を測定する技術と比較して、本発明は少なくとも1つの脂質部分を含むプローブを使用しているので、(潜在的に)線虫の腸内腔から全身に通過することができることに留意のこと)(脂質部分(すなわち、能動輸送測定用)を含む1つのプローブおよび受動拡散(BCECFなど)測定用の基準プローブ)。

0045

これら全ての実施形態では、使用したプローブは、好ましくは少なくとも1つのシグナル発生部分を含む。2つまたは複数のプローブを使用する場合、これらは、好ましくは他のプローブによって発生されるシグナルとは別に検出可能であるシグナルをそれぞれ発生し、各プローブが個別に測定可能なように選択する。例えば、各プローブは、異なる波長で蛍光を発するシグナル発生部分を含み得る。

0046

原則的に、線虫株として、野生型またはN2などの任意の所望の線虫株を使用することができる。

0047

1つの実施形態では、使用した線虫(株)は、少なくともアッセイ条件下で構成的な咽頭ポンピングを示し得る。その例は、HD8などのいわゆる「高飲(high drinker)」(「HD」)株である。このような構成的ポンピング株を、特に本発明のアッセイを液体または粘性培地(寒天プレートと比較して)で行う場合に使用することができる。あるいは、咽頭ポンピングを誘導/増強するために、線虫を細菌などの適切な食餌源の存在下で維持/成長させることができる。

0048

例えば、遺伝子スクリーニングの一部として適用することができる別の実施形態では、使用した線虫(株)は、例えば、変異誘発によって誘導された変異を有し得る場合、線虫の脂質輸送/取り込みに対する影響を同定するための(ランダム)変異誘発の結果として得られた。この方法では、例えば、元の株と比較して脂質取り込み/輸送の性質が変化した変異体の同定および前記株で変異した遺伝子の同定によって、例えば、標的の同定、標的の確認、または他の(機能的)ゲノミクスの目的のために、脂質輸送/取り込みに影響を与え得る遺伝子および/または変異を同定することができる。

0049

別の実施形態では、野生型線虫と比較して脂質(脂肪)処理、代謝、または保存の性質が変化した線虫を使用する。例えば、これらは、いわゆるdaf変異体(daf−2、daf−18、またはdaf−9)などの休眠期入り、および/または休眠期からレスキューされる性質が変化した株であり得る。

0050

本発明のアッセイで使用することができる別の変異型は、いわゆるges−1などのges変異である。

0051

別の実施形態では、脂質取り込み/輸送に関連する1つまたは複数の経路(の1つまたは複数の遺伝子/酵素)が遺伝子抑制(例えば、RNAiの使用)の結果としておよび/または誘導小化合物などの誘導因子への長期間曝露のために誘導または抑制された線虫(株)を使用する。これはまた、誘導因子への比較的短時間(数時間)の曝露によって既にこのような経路(任意に、PPAR転写因子などの関連転写因子(の発現)の誘導または抑制を介する)を誘導または抑制することができるようにC.elegansは生活環が比較的短いという事実をうまく利用することができる。

0052

アッセイで使用する温度は、好ましくは5℃と50℃との間、より好ましくは10℃と30℃との間、さらにより好ましくは15℃と30℃との間(例えば、約20℃または約25℃)である。

0053

線虫のプローブとのインキュベーション時間は、使用した特定の線虫株、培地中のプローブ濃度などの因子に依存し、使用したプローブの型にも依存し得る。

0054

本発明では、インキュベーション時間は、好ましくは、以下のような時間である:
プローブ分子が培地から線虫の胃腸管、特に少なくとも線虫の腸(内腔)に取り込まれる;
(任意に、例えば、プローブ分子が以下にさらに記載の消光プローブである場合)以下に概説のように、プローブ分子が(例えば、酵素切断または化学的切断によって)線虫の胃腸管で切断される;
(i)一定量のプローブ分子(または例えば消光プローブの切断によって得られる少なくとも1つの検出可能な部分またはプローブ分子部分)によって、胃腸管壁を介して線虫の腸(内腔)から身体へ通過可能である。

0055

プローブとのインキュベーション時間は、好ましくは、(iii)に記載の量が腸内腔から線虫の身体に取り込まれたプローブの量を示し、Dさらにより好ましくは、この量が脂質取り込み/輸送(のレベル/量)を示すような時間である。

0056

さらに、インキュベーション時間は、得られたシグナル(のレベル/強度/量)(すなわち、上記の工程c)で測定された)が線虫の腸(内腔)から線虫の身体(の少なくとも1つの部分、細胞、または組織)へのプローブ(または前記少なくとも1つの検出可能な部分またはその一部)を示す(言い換えれば、好ましくは脂質取り込み/輸送の量を示す)ような時間である。

0057

一般に、インキュベーション時間は、少なくとも15分間、好ましくは少なくとも20分間、より好ましくは少なくとも30分間、さらにより好ましくは少なくとも45分間であり、6時間またはそれ以上に延長することができる。通常、インキュベーション時間は、約1時間である。

0058

一般に、本発明では、脂質取り込みの増加により測定されるシグナルが増加し、脂質取り込みの減少により測定されるシグナルが減少する。また、上記のサンプルサイズ内で、測位ていされるシグナルの量はまた、例えば、本質的に一次関数様式でサンプルのサイズに伴って増加し得る。

0059

本発明の方法を、特に、微視的線虫の腸を介した脂質取り込みアッセイに適用する。

0060

本発明の方法での使用に好ましいモデル生物は、最も既知の多細胞生物とみなすことができる自由生活線虫Caenorhabditis elegans(C.elegans)である。その全ゲノム配列決定されており、発生段階が研究および分析されている。実際の腸が微絨毛を有し、且つこの動物は透明であるので、C.elegansは腸内の脂質取り込みを評価および測定するための固有の機能的モデルである。

0061

C.elegansは本発明の方法で使用に最も好ましい線虫であるにもかかわらず、本方法を、他の線虫、特に他の微視的線虫、好ましくはCaenorhabditis属に属する微視的線虫を用いて行うこともできることが認識される。本明細書中で使用される、用語「微視的」線虫は、C.elegansとほぼ同一サイズ(成体期に1mm長)の線虫が含まれる。このおおよそのサイズの微視的線虫は、このようなスクリーニングを行うための当該分野で一般的に使用されている型のマルチウェルプレートのウェルで容易に成長することができるので中処理から高処理スクリーニングに非常に適する。

0062

本発明の方法は、本質的に、以下の2つの段階にわけることができる:(i)プローブ分子の存在下での線虫(のサンプル)のインキュベーションおよび(ii)脂質取り込み測定としての線虫(のサンプル)によって取り込まれたプローブ分子の量の同定。工程(i)と(ii)との間に中間洗浄工程を含んでもよく、これらの洗浄工程の目的は線虫によって取り込まれなかった過剰プローブを除去することである。

0063

インキュベーション工程(i)を、寒天プレート上などの固体線虫培養培地上または液体培培養地中で行うことができる。プローブインキュベーションを固体培養培地上で行う場合、プローブ取り込み同定(工程(ii))前に再回収する必要がある。プローブインキュベーションを液体培地中で行う場合、再回収工程は必要なく、プローブインキュベーション、洗浄工程、および取り込み同定を含む全アッセイをマイクロタイタープレートのウェルなどの1つの容器中で行うことができる。同定工程(ii)は、両方の場合で、好ましくは、マイクロタイタープレートリーダーを使用した中処理から高処理同定を行うことが可能なマイクロタイタープレート中で行う。

0064

本発明の方法での使用に適切なプローブ分子は、一般に、シグナル発生標識部分に(好ましくは、共有結合で)連結した脂質部分を含む。脂質部分は、好ましくは、脂肪酸、コレステロールなどのステロイド、リン脂質、またはモノ、ジ、もしくはトリグリセリドである。

0065

好ましくは、脂質部分は、任意に、モノ、ジ、もしくはトリグリセリドの一部として(例えば、脂肪または油残基の一部としての残基)またはリン脂質残基の一部として、少なくとも1つのC6〜C30、好ましくはC8〜C24、飽和、不飽和、または多価不飽和脂肪酸残基を含む。

0066

あるいは、脂質部分は、コレステロールなどの少なくとも1つのステロール/ステロイド残基(すなわち、少なくともコレステロールおよび他のステロール/ステロイド中に存在する4員環骨格を含む化合物)を含む。

0067

脂質部分は、天然に存在する脂質分子または天然に存在する脂質の合成構造アナログであり得る。脂質部分が線虫の腸を介した脂質取り込み経路の基質であることのみが必要である。

0068

使用することができる(すなわち、本発明のモデルで試験し、および/または組み込むことができる)他の脂質は当業者に自明であり、少なくとも1つの脂肪酸残基またはステロール/型残基が存在する限り、本発明を、脂質(部分)の特定の構造に特に限定しない。

0069

プローブのシグナル発生標識部分は、本質的に、線虫の身体を介して検出可能なシグナルを発生することができる任意の標識型であり得る。これらには、蛍光、発光、および着色標識が含まれ、蛍光標識が最も好ましい。その存在によりプローブ分子中での脂質取り込み経路を過度干渉しないように標識部分を選択することが理想的である。

0070

本発明で使用することができる好ましいプローブ分子型には、BODIPY、DHP、NBD、ピレン、またはペリレンで標識された脂質が含まれる。フルオレセインまたはテキサスレッドなどの他の蛍光標識型も使用することができる。

0071

本発明の方法でプローブ分子として使用することができる一定範囲の標識脂質は、例えば、Molecular Probes、Eugene、OR、USAから市販されている。

0072

本発明の1つの特定の実施形態では、プローブ分子は、脂質部分、蛍光標識部分、およびプローブの蛍光標識部分から発生する蛍光の消光適応する分子である更なる消光剤を含み得る。消光剤部分は、好ましくは、例えば、エステラーゼまたはプロテアーゼなどの線虫の腸内腔に存在する酵素によって切断または加水分解可能である結合(好ましくは共有結合)を介してプローブ分子の残存物に連結すべきである。好ましい標識/消光剤の組み合わせは、添付の実施例8で考察するようにBODIPY/DNPである。

0073

プローブの性質、特に脂質部分の性質により、任意の所与の脂質取り込みアッセイの脂質選択性が決定される。したがって、標識化脂肪酸を含むプローブを使用したアッセイは、一般に、脂肪酸取り込みに選択性を示し、標識化コレステロールを含むプローブを使用したアッセイは、一般に、コレステロール取り込みに選択性を示す。さらに、標識化脂肪酸ベースのプローブは、さらなるレベルの選択性(例えば、飽和対不飽和脂肪酸の選択性)を示し得る。任意の所与のプローブのために、脂質取り込みアッセイの脂質選択性を、競合実験(実施例4に記載のものなど)を使用して同定することができる。

0074

本発明の方法の任意の所与の適用のために、至適濃度のプローブおよびプローブとの線虫の最適な長さのインキュベーションを、上記および添付の実施例にさらに例示の日常的実験によって同定することができる。脂質取り込み速度は線虫の生活環に非常に依存し得ることも認められ、異なる成長段階の線虫で異なる取り込み速度が認められた。さらに、取り込みパターンは、株ごとに変化し得る。したがって、任意の所与の生活環の段階での任意の所与の線虫株(例えば、野生型、特定の変異、またはトランスジェニック)について、至適プローブ濃度およびインキュベーション時間を当業者の日常的作業のように経験的に同定すべきである。

0075

脂質取り込みアッセイを、野生型線虫および非野生型線虫(例えば、特定の変異、トランスジェニック、または「ヒト化」株)を使用して行うことができる。変異線虫は、1つの遺伝子または2つまたはそれ以上の異なる遺伝子中に変異を保有し得る。トランスジェニック株は、生物全体、または生物の一部、1つの組織、細胞型サブセット、1つの細胞型、またはさらに生物の1つの細胞中導入遺伝子を発現する株であり得る。トランスジェニック株は、さらに変異遺伝的背景を有し得る。ヒト化線虫は、ヒト標的タンパク質で特異的に指示し、線虫生物学の全ての利点および操作の容易さを有するスクリーニングを行うことができるので、ヒト薬学分野で潜在的治療活性を有する化合物の同定に特に有用である。

0076

線虫の標準培養方法は、Methodsin Cell biology、第48巻、1995、Epstein and Shakesp編、Academic Pressに記載されている。標準的方法は、選択されたC.elegans遺伝子中に変異を有する変異線虫の作製で知られており、例えば、J.Sutton and J.Hodgkin、「線虫Caenorhabditis elegans」、William B.Wood and Community of C.elegans Researchers CSHL編、1988、594〜595;Zwaalら、「標的−凍結トランスポゾン挿入変異バンクの使用によるCaenorhabditis elegansでの選択遺伝子不活性化」、1993、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、90、7431〜7435;Fireら、「C.elegansにおける二本鎖RNAによる強力且つ特異的な遺伝子干渉」、1998、Nature、391、860〜811を参照のこと。線虫集団を、EMS、TMP−UV、または照射の使用によるランダム変異誘発に供することができる(Methods in Cell Biology、第48巻、前出)。次いで、いくつかのPCR選択ラウンドを行って、所望の遺伝子が欠失した変異線虫を選択することができる。さらに、一定範囲の特異的C.elegans変異体は、C.elegans遺伝センター、ミネソタ大学、St Paul、MennesitaのC.elegans変異コレクションから利用可能である。

0077

線虫を、脂質取り込み同定の前にさらなる操作に供するこができる。例えば、線虫の標的遺伝子発現を、RNAi技術によって阻害することができる(Fireら、Nature、391、801〜811、1998;Timmons and Fire、Nature、395、854、1998、Plaetinckら、WO00/01846)。線虫を、脂質取り込みの前に化合物の存在下でインキュベートすることもできる。これは、脂質取り込みに既知の効果を有する化合物(例えば、特定の取り込み経路の阻害剤)または脂質取り込みに対する効果が未知の化合物であり得る。

0078

本発明の脂質取り込みアッセイ法は、本質的に、広範且つ一般的に適用される線虫における脂質取り込みを読み取るアッセイを提供する。脂質取り込みアッセイ法の多数の適用を、以下に記載する。

0079

1つの適用では、脂質取り込みアッセイ法を使用して、脂質取り込みの阻害剤またはエンハンサーである化合物を同定するためのスクリーニングを行うことができる。これらの化合物スクリーニングは、本質的に、微視的線虫を試験化合物に曝露し、その後、上記の本発明の脂質取り込みアッセイを使用して脂質取り込みに対する化合物の曝露効果を同定する工程を含む。

0080

したがって、本発明は、微視的線虫を使用した脂質取り込みの阻害剤またはエンハンサーとしての化合物の同定法であって、
前記化合物の存在下で前記微視的線虫をインキュベートする工程と、
シグナル発生標識に連結した脂質部分を含むプローブ分子を添加し、前記化合物および前記プローブの存在下で前記微視的線虫をさらにインキュベートする工程と、
前記プローブ分子の標識部分から発生したシグナルの検出によって前記微視的線虫によって取り込まれたプローブ分子の量を同定する工程とを含む方法を提供する。

0081

線虫の化合物への曝露および寒天プレートなどの固体培地上での化合物の存在下でのプローブとのインキュベーション工程を行うことが可能であるにもかかわらず、本発明の化合物スクリーニング法を、好ましくは、完全にマルチウェルアッセイプレート上で行って中間から高処理スクリーニングでの使用に適切にする。マルチウェルプレートは、好ましくは、96ウェルを有するが、本発明はまた、別のウェル数のマルチウェルプレート(6、12、24、384、864、または1536ウェルを有するプレートが含まれるがこれらに限定されない)を適用することができる。用語「マルチウェルプレート」および「マイクロタイタープレート」は、本明細書を通じて交換可能に使用される。

0082

典型的には、化合物スクリーニングアッセイは、試験で異なる濃度の化合物を含む複数のアッセイ混合物並行して行う工程を含む。典型的には、これらの濃度のうちの1つをネガティブコントロール(すなわち、ゼロ濃度の試験物質)として使用する。次いで、ネガティブコントロールと比較して、化合物への曝露に起因する脂質プローブ取り込みの変化を評価することができる。

0083

化合物スクリーニング法により、標的に関係なく脂質取り込みおよび輸送の阻害剤およびエンハンサーを迅速に発見可能である。このアッセイを使用して同定された化合物は、脂質取り込みを調整する医薬品開発のリード化合物であり得る。

0084

化合物スクリーニング法を、好ましくは、微視的線虫であるC.elegansまたはC.briggsaeを使用して行うが、C.elegansが最も好ましい。しかし、上記の他の微視的線虫を使用することができることが認識される。

0085

脂質および脂質取り込みの選択に使用したプローブの物理的性質により、古典的細胞培養技術を使用した脂質取り込みを変化させる化合物を選択するための高処理スクリーニングを開発することは困難である。マウスモデルなどの他の動物モデルが適切な高処理スクリーニングの開発に有用ではないことがさらに明白である。線虫、より詳細にはC.elegansおよびC.briggsaeなどの微視的線虫の使用により、全てではないがこれらのほとんどの制限を克服される。

0086

脂質取り込みを変化させる組織培養ベースの化合物選択法は、スクリーニングを特定の遺伝子または遺伝子産物に関連付けるさらなる利点を有する。全てではないがほとんどの場合、脂質取り込みに関連するタンパク質をコードする遺伝子を導入し、標的細胞中で発現させる必要がある。一旦これが達成されると、移入および発現標的遺伝子の影響により脂質取り込みを変化させる化合物を選択するための特異的クローニングを開発することができる。したがって、組織培養法により移入遺伝子および発現タンパク質に対して作用する化合物をスクリーニング可能であるが、脂質取り込み経路などの複雑な機構の他の成分はスクリーニングされない。

0087

C.elegansなどの微視的線虫の使用は、この問題を相殺する。C.elegansは、全ての脂質取り込み能力を有する多細胞生物である。したがって、適切なスクリーニングを開発するために遺伝子を移入する必要がなく、この生物においてタンパク質を発現させる必要がない。本明細書中に記載のスクリーニング法により、標的に無関係に脂質取り込みを変化させる化合物が単離される。言い換えれば、本発明者らによって開発された脂質取り込みを変化させる化合物を選択するためのC.elegansでのスクリーニングは、標的に無関係であり得る。さらに、同一の方法を適用して、特定の遺伝子またはタンパク質を標的する特異的スクリーニングを行うことができる。

0088

標的独立的および特異的スクリーニングの両方を行う能力は、脂質取り込みを変化させる化合物のスクリーニングにおけるC.elegansの使用の第2の主要な利点である。脂質取り込みはいくつかのタンパク質を含む複雑な系および調節系であるとみなされるので、少数の関連遺伝子およびタンパク質のみが単離され、ことを予測することができ、これは文献に帰さされている。本明細書中に記載のC.elegansスクリーニングにより、以前に同定されていない脂質取り込み系の成分に影響を与える化合物をスクリーニング可能であり、脂質取り込み経路の既知の成分に影響を与える化合物を特異的にスクリーニングすることも可能である。

0089

C.elegansの別の利点は、透明であること(例えば、線虫の体内で至適なシグナルを発生させる蛍光プローブまたは他のプローブ使用可能である)、そのゲノムが十分に特徴付けられていること、およびサイズが小さいのでマルチウェルプレート形式で使用可能であることである。

0090

本発明者らが記載した方法により、脂質取り込みに直接関連する酵素活性を変化させる化合物および活性剤およびレギュレーターの活性を変化させる化合物の選択的スクリーニングが可能である。例えば、脂肪酸取り込みでは、少なくともFABP、FAT、Caveoin、FATP酵素が直接関連し、PPARおよびRXR酵素は脂肪酸取り込み経路のレギュレーターである。脂質取り込みタンパク質の活性を変化させる化合物またはこのような輸送タンパク質活性の直接的活性剤もしくはレギュレーターは、約2時間以下の短時間スケールにその効果を発揮すると予想される。それに対して、調節タンパク質の活性を変化させ、脂質取り込み酵素発現のレギュレーターであるか、任意の他の型の調節酵素である化合物は、3時間から16時間を超える範囲のより長時間スケールにその効果を発揮する。したがって、本発明の方法における測定時間範囲の選択によって、単離化合物によって変化する種々の標的を最初に選択可能である。

0091

化合物スクリーニングアッセイの標的選択性を、アッセイを行うために使用した線虫の遺伝的背景の変化によって変化させることもできる。したがって、野生型線虫を使用して、標的独立性である化合物スクリーニングを行うことができる一方で、特異的変異、トランスジェニック、または変異/トランスジェニック株を使用して、標的特異的スクリーニングを行うことができる。特異的ヒト化株の使用により、ヒト脂質取り込み経路の特異的成分に対して作用する化合物をスクリーニング可能である。

0092

本発明の方法で試験される「化合物」は、通常線虫に存在しないか、線虫が通常その生活環で曝露されない任意の外来分子であり得る。例えば、この化合物は、既知の薬理学的活性を有するが脂質取り込み経路で未知の活性を有する、薬局方に列挙されている化合物であり得る。あるいは、化合物は、既知の生物活性を示さない既知の分子であるか、完全に新規の分子または分子のライブラリーコンビナトリアルケミストリーによって作製され得るものなど)であり得る。DNA、RNA、PNA、ポリペプチド、またはタンパク質である化合物は排除される。

0093

化合物を、任意の適切な濃度または濃度範囲(例えば、用量反応曲線確立するため)で試験することができる。例えば、適切な濃度は、0.001μモルと10000μモルとの間、好ましくは0.01μモルと1000μモルとの間、特に0.05μモルと500μモルとの間の範囲であり得るが、本発明はこれらに制限されない。

0094

例えば、2つの化合物が両化合物と同一であるかそれぞれ異なる脂質取り込みに影響を与えるかどうか(例えば、相乗効果または阻害もしくは競合効果を示すために)を同定するために、2つまたはそれ以上の化合物を本質的に同時間または同じ順序(例えば、中間洗浄工程に伴う)で曝露することも本発明の範囲内である。

0095

化合物と線虫(サンプル)との適切な接触時間は、10秒間と48時間との間、好ましくは1分間と36時間との間であり、例えば30分間と24時間との間であり得る。例えば、約1時間から一晩のインキュベーション(例えば、約16時間)を使用することができる。

0096

プローブを使用する特定のプローブ、サンプルのサイズ、アッセイ条件下での線虫の咽頭ポンピング速度などの因子に依存した任意の濃度で使用することができる。例えば、適切なプローブ濃度は、0.001μモルと10000μモルとの間、好ましくは0.01μモルと1000μモルとの間、特に0.05μモルと500μモルとの間の範囲であり得るが、1μモルと200マイクロモルとの間、特に、10μモルと100μモルとの間との間が特に好ましい(しかし、本発明はこれらに制限されない)。

0097

(線虫のサンプル)を、化合物およびプローブと本質的に同一の時間または順序(例えば、中間洗浄工程に伴う)でインキュベートすることができ、通常、後者が好ましい。

0098

プローブ(のシグナル発生部分)によって発生したシグナルを、光学的測定など(例えば、蛍光および/または他の放出または吸収波長の測定)の任意の適切な方法で測定することができる。使用した特定の波長は、当業者に自明であるように、使用したプローブ(のシグナル発生部分)に依存し、例えば、可視、UV、またはIRスペクトルの範囲内であり得る。例えば、蛍光測定用の自動化プレートリーダーが当該分野で既知であり、本発明で使用することができる。

0099

さらなる適用では、脂質取り込み法を使用して、C.elegansなどの微視的線虫の強力な遺伝子ツールを使用した本発明の基本的化合物スクリーニング法において脂質取り込みを変化させる化合物の分子標的を同定することができる。

0100

したがって、本発明は、微視的線虫における脂質取り込みの阻害剤またはエンハンサーとして先に同定した化合物が作用する脂質取り込み経路の成分の同定法であって、
微視的線虫集団をランダム変異誘発に供する工程と、
変異誘発F1線虫からF2子孫を作製する工程と、
脂質取り込みに対する前記化合物の効果が本発明の脂質取り込みアッセイ法を使用して抑制されるサプレッサー変異体F2線虫を同定する工程と、
前記変異F2線虫で変異した遺伝子を同定する工程とを含む方法を提供する。

0101

本発明のこの適用は、事実上、古典的遺伝子サプレッサースクリーニングであり、好ましくは、微視的線虫C.elegansを使用して行う。サプレッサースクリーニングでの目的は、線虫の化合物への曝露によって得られた表現型を抑制する変異を同定することである。したがって、脂質取り込みの阻害剤である化合物についてのサプレッサー変異を同定するために、脂質取り込みが化合物の添加によってもはや阻害されない「耐性変異」を調査することが有効である。脂質取り込みのエンハンサーである化合物についてのサプレッサー変異を同定するために、化合物の添加により脂質取り込みが増強されない変異を調査する。

0102

サプレッサー変異体を、標準的な変異誘発技術を使用して迅速に作製し、標準的なサプレッサーの遺伝的特性を使用して同定することができ、サプレッサー変異体中で変異した標的遺伝子を容易に単離することができる(Methodsin Cell Biology、第48巻、1995、「Caenorhabditis elegans:現代の生物学的生物分析」、H.F.Epstein and D.C.Shakes編、Academic Pressを参照のこと)。

0103

好ましい実施形態では、サプレッサースクリーニング法の全ての工程を、マイクロタイタープレート中で行い、この場合、本方法は、
微視的線虫集団をランダム変異誘発に供する工程と、
1つの変異誘発F1線虫をマルチウェルアッセイプレートの各ウェルに分注する工程と、
F1線虫からF2子孫を作製する工程と、
化合物の存在下でF2線虫をインキュベートする工程と、
シグナル発生標識に連結した脂質部分を含むプローブ分子を添加し、前記化合物およびプローブの存在下で前記微視的線虫をさらにインキュベートする工程と、
プローブ分子の標識部分から発生したシグナルの検出によって前記微視的線虫によって取り込まれたプローブ分子の量を同定し、それにより、脂質取り込みに対する化合物の効果が抑制されるサプレッサー変異体を同定する工程と、
前記変異体F2線虫で変異した遺伝子を同定する工程とを含む。

0104

さらなる適用では、本発明によって提供された脂質取り込み法により、脂質取り込みに関連する新規のタンパク質および遺伝子を単離可能である。本発明の方法を使用して、脂質取り込みが減少した線虫株を同定および単離可能である。このような変異株中に存在する変異は、脂質取り込みに直接関連するか脂質取り込みの調節に関連する遺伝子中に存在し得る。標準的なC.elegansの遺伝的特性を使用して、所与の変異株で変異した脂質取り込みに関連する新規の遺伝子およびタンパク質を単離することができる。

0105

したがって、本発明は、微視的線虫の脂質取り込み経路に関連する新規の遺伝子およびタンパク質の同定法であって、
微視的線虫集団をランダム変異誘発に供する工程と、
本明細書中に記載の脂質取り込みアッセイを使用して野生型と比較した脂質取り込みの変化を示す線虫を同定する工程と、
前記線虫で変異体遺伝子を単離する工程とを含む方法を提供する。

0106

脂質取り込みアッセイのこの適用を、好ましくは、C.elegansを使用して再度行う。この適用の文脈における比較のために、C.elegans分野の当業者に既知のN2 Bristol株である野生型C.elegansを使用する(Methodsin Cell Biology、第48巻、1995、「Caenorhabditis elegans:現代の生物学的生物分析」、Henry.F.Epstein and Diane.C.Shakes編、Academic Press;「線虫Caenorhabditis elegans」、William Wood and C.elegans研究委員会、1988、Cold Spring Harbor Laboratory Press;「C.elegans II」、Donald L.Riddle,Thomas Blumenthal,Barbara J.Meyer and James R.Priess編、1997、Cold Spring Harbor Laboratory Pressを参照のこと)。N2株を、CGC、ミネソタ大学、USAから入手することができる。

0107

本発明のさらなる態様では、先に記載したアッセイにおけるプローブ分子としての使用に特に適切な新規の化合物が得られる。これらのプローブは、一般に、 少なくとも1つのシグナル発生部分と、
少なくとも1つの脂質残基(上記で定義)と、
少なくとも1つの酵素切断可能なおよび/または酵素加水分解可能な官能基を含み、
前記少なくとも1つの酵素切断可能なおよび/または酵素加水分解可能な官能基は、アッセイを行うために使用する時間線虫の胃腸管に関連する条件下で除去される(すなわち、切断または加水分解による)ことが好ましく(しかし、アッセイを行うために使用する時間、使用培地中に関連する条件下で本質的に除去されない);
前記プローブおよび少なくとも1つの酵素切断可能なおよび/または酵素加水分解可能な官能基は、さらに、少なくとも1つの酵素切断可能なおよび/または酵素加水分解可能な官能基が除去される場合(すなわち、線虫の胃腸管で)、プローブ分子(例えば、そのシグナル発生部分)により、少なくとも1つの酵素切断可能なおよび/または酵素加水分解可能な官能基が存在する場合に得られるシグナルとは異なるシグナルが得られる。

0108

好ましくは、プローブおよび少なくとも1つの酵素切断可能なおよび/または酵素加水分解可能な官能基は、少なくとも1つの酵素切断可能なおよび/または酵素加水分解可能な官能基が除去される場合(すなわち、線虫の胃腸管で)、プローブ分子(例えば、そのシグナル発生部分)により、(検出可能な)シグナル(例えば、蛍光または他の光学的シグナル)が得られ、少なくとも1つの酵素切断可能なおよび/または酵素加水分解可能な官能基が存在する場合、プローブにより本質的にこのようなシグナルが得られない。

0109

本発明はまた、少なくとも1つの線虫の使用(例えば、モデル生物として)を含むアッセイ、特に少なくとも1つの線虫の代謝過程(脂質取り込み、輸送、または処理など)の同定/測定アッセイにおけるこのようなプローブ(本明細書中で、「消光プローブ」ともいう)の使用を提供する。

0110

したがって、好ましい実施形態では、本発明は、式I:

0111

【化2】

0112

(式中、R基(R’)の1つは−A−X−Qであり、Aは飽和または不飽和直鎖C3〜21炭化水素鎖であり、Xは酵素切断可能または酵素加水分解可能な官能基であり、Qは化合物の4,4−ジフルオロ−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン(BODIPY(登録商標))部分の消光剤であり;
R基(R’’)の1つは、H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニルアリールC1〜C6アルキル、アリールC2〜C6アルケニル、アリールC2〜C6アルキニル、アリール、C1〜C6アルコキシアリールヘテロアリール、および飽和または不飽和直鎖C3〜c21炭化水素からなる群から選択され;
残りのR基(R’’’)は、それぞれ独立して、H、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、アリールC1〜C6アルキル、アリールC2〜C6アルケニル、アリールC2〜C6アルキニル、アリール、C1〜C6アルコキシアリール、およびヘテロアリールからなる群から選択される)の化合物を提供する。

0113

本発明の文脈では、用語「不飽和」は、特定の官能基を限定する場合、前記基が1つまたは複数の炭素−炭素二重結合および/または1つまたは複数の炭素−炭素三重結合を含むことを意味する。

0114

本発明の文脈では、用語「酵素切断可能な」は、特定の官能基を限定する場合、前記基を天然または合成酵素の作用によって分解することができることを意味する。

0115

本発明の文脈では、用語「酵素加水分解可能な」は、特定の官能基を限定する場合、前記基を水の存在下での天然または合成酵素の作用によって分解することができることを意味する。好ましい酵素で加水分解可能な基は、エステル基およびアミド基である。

0116

本発明の文脈では、用語「消光剤」は、化合物のBODIPY部分の蛍光を少なくとも部分的に消光することができる任意の官能基を意味する。

0117

本発明の文脈では、用語「アルキル」は、特定数炭素原子を含む直鎖または分岐鎖飽和炭化水素鎖を意味する。好ましいアルキル基は、メチルエチル、(nまたはイソブチル、(nまたはイソ)プロピル、(直鎖または分岐鎖)ペンチルまたは(直鎖または分岐鎖)ヘキシルである。

0118

本発明の文脈では、用語「アルケニル」は、特定数の炭素原子および1つまたは複数の炭素−炭素二重結合を含む直鎖または分岐鎖炭化水素鎖を意味する。

0119

本発明の文脈では、用語「アルキニル」は、特定数の炭素原子および1つまたは複数の炭素−炭素三重結合を含む直鎖または分岐鎖炭化水素鎖を意味する。

0120

本発明の文脈では、用語「アリール」は、フェニルまたはナフチルを意味する。

0121

本発明の文脈では、用語「ヘテロアリール」は、環中に1〜3つのヘテロ原子を含む5員環または6員環の芳香環を意味し、前記ヘテロ原子はそれぞれ独立してN、O、およびSから選択される。好ましいヘテロアリール基には、ピロリル、フラニルおよびチオフェニル、ピラゾールイルイミダゾールイル、またはピリジルが含まれる。

0122

本発明の文脈では、用語「アルコキシ」は、酸素原子を介して置換部分に連結した特定数の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖飽和炭化水素鎖を意味する。好ましいアルコキシ基は、メトキシエトキシ、(nまたはイソ)ブチルオキシ、(nまたはイソ)プロピルオキシ、(直鎖または分岐鎖)ペンチルオキシ、または(直鎖または分岐鎖)ヘキシルオキシである。

0123

好ましい実施形態では、少なくとも任意の2つのR基=Hである。

0124

別の好ましい実施形態では、少なくとも任意の3つのR基=Hである。

0125

別の好ましい実施形態では、少なくとも任意の4つのR基=Hである。

0126

別の好ましい実施形態では、少なくとも任意の5つのR基=Hである。

0127

好ましい実施形態では、Aは飽和または不飽和直鎖C6〜C10炭化水素鎖である。より好ましくはAは、飽和C6〜C10炭化水素鎖である。最も好ましくは、−A−は−(CH2)8−である。

0128

好ましい実施形態では、−X−は、−CO−O−、−O−CO−、−NH−CO−、および−CO−NH−からなる群から選択される。最も好ましくは、−X−は−CO−O−である。

0129

Qは、化合物の4,4−ジフルオロ−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン(BODIPY(登録商標))蛍光部分の消光剤である。適切な消光剤基には、2,4−ジニトロフェニル官能基が含まれる。好ましくは、Qは、2,4−ジニトロフェニル官能基を含む。より好ましくは、Qは、式II:

0130

【化3】

0131

(式中、R1は、独立して、H、CH3、およびCH2CH3(但し、少なくとも2つのR1基がHである)から選択され;R2が、H、CH3、およびCH2CH3から選択される)の基である。最も好ましくは、Qは式II(式中、各R1はHであり、R2はHである)の基である。

0132

好ましい実施形態では、R’基は、上記の式Iで番号が付けられている7位に存在する。

0133

別の好ましい実施形態では、R’基は、上記の式Iで番号が付けられている4位に存在する。

0134

好ましい実施形態では、R’’はHではない。すなわち、R’’は、好ましくは、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、アリールC1〜C6アルキル、アリールC2〜C6アルケニル、アリールC2〜C6アルキニル、アリール、C1〜C6アルコキシアリール、ヘテロアリール、および飽和または不飽和直鎖C3〜c21炭化水素からなる群から選択される。より好ましくは、R’’は、C1〜C6アルキル(特にメチル)、フェニルC2〜C6アルケニル(特に、Ph−(CH=CH)m−(式中、m=1または2))、フェニル、C1〜C6アルコキシフェニル(特にメトキシフェニル)、ヘテロアリール(特に、チオフェン−2−イルまたはピロール−2−イル)、および飽和または不飽和直鎖C3〜c10炭化水素からなる群から選択される。最も好ましくは、R’’は、飽和または不飽和直鎖C3〜c6炭化水素からなる群から選択される。

0135

R’’がHではない場合、好ましくは、上記の式Iで番号が付けられている3位、5位、または7位に存在する。より好ましくは、R’’がHではない場合、上記の式Iで番号が付けられている1位に存在する。

0136

R’’がHではなく、且つ上記の式Iで番号が付けられている1位に存在する場合、Hではない任意の残りのR基(R’’’)は、好ましくは、上記の式Iで番号が付けられている3位および/または5位および/または7位に存在する。これらの状況では、Hではない残りのR基(R’’’)は、好ましくは、C1〜C6アルキル(特に、メチル)およびフェニルから選択される。

0137

本発明の特に好ましい化合物は、式I(式中、R基(R’)は、式Iで番号が付けられている4位または7位に存在し、−A−X−Qであり、Aは飽和または不飽和直鎖C3〜C21炭化水素鎖であり、Xは−CO−O−および−CO−NH−から選択され、Qは式II(式中、R1は独立してH、CH3、およびCH2CH3から選択される(但し、少なくとも2つのR1基がHであり、R2がHである))の基であり;
R基の1つ(R’’)が式Iで番号が付けられている1位に存在し、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルケニル、C1〜C6アルキニル、フェニルC1〜C6アルケニル、フェノール、C1〜C6アルコキシフェニル、ヘテロアリール、および飽和および不飽和直鎖C3〜C21炭化水素からなる群から選択され;残りのR基(R’’’)は、それぞれ独立して、H、C1〜C6アルキル、フェニルC1〜C6アルケニル、フェノール、C1〜C6アルコキシフェニル、およびヘテロアリールからなる群から選択され、Hではない場合、式Iで番号が付けられている3位および/または5位に存在する)の化合物である。

0138

本発明のさらに好ましい化合物は、式I(式中、R基(R’)は、式Iで番号が付けられている4位または7位に存在し、−A−X−Qであり、Aは飽和または不飽和直鎖C6〜C10炭化水素鎖であり、Xは−CO−O−であり、Qは式II(式中、R1は独立してH、CH3、およびCH2CH3から選択される(但し、少なくとも2つのR1基がHであり、R2がHである))の基であり;
R基の1つ(R’’)が式Iで番号が付けられている1位に存在し、飽和および不飽和直鎖C3〜C6炭化水素からなる群から選択され;残りのR基(R’’’)は、すべてHである)の化合物である。

0139

本発明の特に好ましい化合物は、式:

0140

【化4】
である。

0141

本発明の化合物またはその中間物質の合成についての一般的な合成スキームを、以下のスキーム1に記載する。

0142

【化5】

0143

合成化合物を所望する場合、最初の2つの工程を2つの置換ピロール等価物の添加によって同時に行うことができることに留意のこと。

0144

最終生成物中の4位への所望のR基の導入を、対応する置換塩アシルの選択によって行うことができる。適切に置換された酸クロリドは市販されているか、当業者に既知の技術によって容易に合成することができる(例えば、「応用有機化学」、第3版、Jerry March編、John Wiley & Sons出版の1146頁を参照のこと)。

0145

ピロール部分の置換を、置換基の選択に依存するBODIPY(登録商標)の形成の前後いずれかで行うことができる。BODIPY(登録商標)部分の形成前に置換を行う場合、適切に置換されたピロールは市販されているか、当業者に既知の技術によって容易に合成することができる(例えば、(本出願の出願日の)Molecular ProbesのウェブサイトのBODIPY−色素に関連する部分:http://www.probes.com/handbook/sections/0103.htmlを参照のこと)。BODIPY(登録商標)部分の形成後に置換を行う場合、本発明の化合物の合成における中間物質として有用であり得るBODIPY(登録商標)部分を含む広範な化合物の合成に関するさらなる詳細は、米国特許第4,774,339号および同第5,274,113号に記載されている。

0146

BODIPY(登録商標)部分を含み、且つ本発明の化合物の合成に特に有用な適切な中間物質もまた、Molecular Probes,Inc.から市販されている。例えば、Richard P.Haughlandの「蛍光プローブおよび研究試薬ハンドブック」の第13章を参照のこと。

0147

消光剤のQ基が上記のスキーム1による合成中に未だ分子に組み込まれていない場合、このような基を、当業者に既知の合成手順によって必要な−A−X−Q基が得られるように中間物質BODIPY(登録商標)化合物に容易に導入することができる。例えば、基R’の前駆体が−A−CO2Hである場合、エステル化アルコールQ−OHを使用する)またはアミド化アミンQ−NH2を使用する)によってQ基を添加して、−A−COO−Q基または−A−CONH−Q基を得ることができる。

0148

本発明は、添付の図面と共に以下の非限定的な実施例を参照してさらに理解される。

0149

一般的方法
1)材料および方法
構成的咽頭ポンピングを示すC.elegansHD8株(bg46またはHpr(bg46))を、微生物BCC LMMPコレクションのベルギー協定コレクション、Universities Gent、K.L.Ledeganckstraat35、B−900、Gent、Belgiumにおける微生物寄託の国際的承認に関するブダペスト条約の規定にしたがって2000年2月9日にアクセッション番号LMMP 5447CBで寄託した。

0150

C.elegans nuc−1(e1393):エンドヌクレアーゼ活性が減少した(>95%)C.elegans株;プログラム細胞死後の濃縮クロマチンは維持されており;腸内腔中の消化(細菌)DNAは分解されていない。いくつかの対立遺伝子を以下に記載する:e1392(強力対立遺伝子:下記の実験で使用した);n887(e1392に類似)、およびn334(弱い対立遺伝子)。参考文献:Stanfieldら、1998、東海岸Worm集会要約171;匿名、Worm Breeder定期刊行物1(1):17b;Heveloneら、1988、Biochem.Genet.、26、447〜461;Ellisら、Worm Breeder定期刊行物7(2):44;Babu、Worm Breeder定期刊行物1(2):10;Driscoll、1996、Brain Pathol.、6、411〜425;Ellisら、1991、Genetics、129、79〜94。

0151

C.elegans腸変異株bg85を、微生物BCC LMMPコレクションのベルギー協定コレクション、Universities Gent、K.L.Ledeganckstraat35、B−900、Gent、Belgiumにおける微生物寄託の国際的承認に関するブダペスト条約の規定にしたがって1999年12月23日にアクセッション番号LMMP 5334CBで寄託した。

0152

E.coliHT115(DE3)株の特徴:−F−mcrA mcrb IN(rrnD−rrnE)1λ−rnc14::tr10(DE3溶原菌:lacUV5プロモーター−T7ポリメラーゼ);IPT誘導性T7ポリメラーゼ発現用の宿主RNアーゼIII;FireA、Carnegie Institution、Baltimore、MD、Pers.Comm。

0153

C.elegans野生型(N2)または選択された変異またはトランスジェニックを、当該分野で既知のように寒天プレート上で成長させる(Methodsin Cell Biology、第48巻、1995、「Caenorhabditis elegans:現代の生物学的生物分析」、H.F.Epstein and D.C.Shakes編、Academic Press)。

0154

種々の方法を使用して、マルチウェルマイクロタイタープレートのウェルに線虫を分注し、確実に実質的に同数の線虫を各ウェルに添加することができる。これを行うことができる1つの方法は、当業者に既知の標準的手順に従って固体または液体培地中で培養した線虫の使用および粘性溶液への線虫の再懸濁による均一な懸濁液の作製による。溶液の粘性により懸濁液中での線虫の均一に分布し、各ウェルへの同体積の均一な線虫溶液の添加により実質的に同数の線虫を分注することができる。適切な粘性溶液には、低濃度ポリマー材料(例えば、0.25%の低融点アガロース)、グリセロールなどを含む溶液が含まれる。

0155

あるいは、マルチウェルプレートのウェルでの線虫の等しい分布を、Union Biometrica,Inc.、Somerville、MA、USAから市販されている「線虫分注装置」を使用して達成することができる。線虫分注器を、定数の線虫をプレートの各ウェルに添加するようにプログラミングすることができる。さらに、これを使用して、雌雄同体、オス、またはのみを分注し、特に、L1、L2、L3、L4、または成体線虫が分注されるサイズに基づいて選択することもできるような方法で線虫を選択することができる。

0156

脂質取り込みを検出するためのプローブは、主に検出可能なマーカーで標識された脂質からなる。このようなマーカーは、発光マーカーまたは着色マーカーであり得るが、蛍光マーカーが好ましい。標識脂質を、Molecular Probes、Eugene、OR、USAから購入することができる。BODIPY、DHP、NBD、ピレン、またはペリレンで標識された脂質が特に興味深いが、フルオレセインまたはテキサスレッドなどの他の蛍光標識を、本発明のアッセイで使用することができる。消光プローブの合成プロセスを以下に示す。

0157

実施例1−寒天プレートを使用した脂肪酸取り込みアッセイ
1)基本的方法
プローブインキュベーション工程を、以下のように寒天プレート上で行うことができる。E.coliなどの食餌細菌と共に播種した線虫(例えば、C.elegans)の成長用の標準的寒天プレートを調製する。プレート上に同期線虫を添加し、プローブの存在下で適切な時間インキュベートする。プレートを、適温(適用する方法に依存して変化し得る)の暗所でインキュベートすべきである。通常、インキュベーション時間は約1時間であるが、至適インキュベーションを任意の所与の環境について経験的に決定される。次いで、線虫をプレートから回収し、15mlのコニカルチューブにて1000rpmで5分間遠心分離する。ペレットを、約10mlのM9中での再懸濁によってリンスする。この操作を3回繰り返して、非組み込みプローブの除去を確実にする。

0158

次いで、プローブ取り込みを以下のように同定する。ウェルあたり約50匹の線虫を黒色のマイクロタイタープレートに3連で分注する。次いで、蛍光強度を標準的な蛍光フィルターを使用したマイクロタイタープレートリーダーで測定することができる。黒色マイクロタイタープレートは、従来のマイクロタイタープレートと本質的に同一であるが、黒色プラスチックで製造されている。測定されるウェルに隣接する周囲のウェル由来の蛍光干渉が測定されないように、黒色プレートを使用する。多数の製造者が、このようなプレート(例えば、Polylabo、Strasbourg、France)を供給している。

0159

2)プローブの選択(図1
線虫成長用の標準的寒天プレートを調製した。E.coli層について、1mlの50μmBODIPYプローブ溶質DMSO溶液を添加し(Molecular Probes、Eugene、OR)、同期線虫を寒天プレート上に置いた。線虫を有するプレートを、適温の暗所で60〜120分間インキュベートした。BODIPY500/510をブランクコントロールとして使用した。

0160

インキュベーション後、線虫を15mlのM9培地(6gのNa2HPO4、3gのKH2PO4、5gのNaCl、1mlのMgSO4(1M)、水で1Lにする)に回収し、線虫を穏やかな遠心分離によってペレット化した。上清吸引し、線虫を15mlのM9で3回洗浄する。ついで、線虫をCOPAS Worm分注器で96ウェルの黒色U形マイクロタイタープレートのウェルあたり50匹の線虫をそれぞれ異なる集団/条件について3連で分注する。

0161

ウェルへの線虫の分注後、標準的なマイクロタイタープレートリーダーを使用して蛍光強度を測定した。認められた蛍光強度は、プローブ取り込みに直接相関し得るので、脂肪酸取り込みに相関する。図1に示す結果から、少なくともこの種のアッセイでは、C4−BODIPY500/510−C9は選択プローブであることが明白である。

0162

3)プローブ濃度(図2
90匹の線虫を、黒色マイクロタイタープレートのウェル中で異なる濃度の10μlのプローブとインキュベートした。1時間のインキュベーション後、プレートを洗浄して(8回)バックグラウンドを除去し、緑色(フルオレセインフィルター;485・535nm)および赤色(485/590nm)の蛍光を測定した。図2に示すこの実験結果は、50μMのプローブ濃度を最適とみなすことができる。

0163

4)ライフステージ図3図4
N2野生型線虫およびHD8構成的咽頭ポンピング線虫を、異なるライフステージで回収した。線虫を、寒天プレート上で30μMのプローブの1ml M9溶液と共に1時間さらにインキュベートした。インキュベーション後、線虫を洗浄し、線虫分注器を使用して黒色マイクロタイタープレート中のウェルあたり50匹を分注し、マイクロタイタープレートリーダーを使用して蛍光強度を測定した。図3および図4に示す実験結果は、脂肪酸取り込みがC.elegans株に依存することを明白に示す。したがって、各C.elegans株ごとの至適取り込みを定義する必要がある。

0164

FP解剖顕微鏡によって、C.elegansの腸染色の目視を行うことができる。プローブ取り込みは、腸細胞の緑色の染色として現れる。プローブ取り込みの間、プローブ取り込みが不均一に分布することが明白に認められる。いくつかの細胞は他の細胞よりも多く取り込み、これは、C.elegans腸中の細胞が特定の機能的役割を果たすことを示す。これにより、特定のスクリーニングおよびアッセイの開発が可能である。より長いインキュベーション後、C.elegansの身体の他の部分へのプローブの蓄積および分布が認められる(図5)。

0165

実施例2−マルチウェルプレートでの脂肪酸取り込みアッセイ
本アッセイは上記の実施例1に記載のアッセイに非常に類似しているが、全てのアッセイ段階を、マルチウェルプレートで行う。

0166

均一な線虫懸濁液(すなわち、実質的に同数の線虫を確実に各ウェルに添加するための同体積の懸濁液のプレートのウェルへの添加)由来またはUBI、USAのWorm分注器などの線虫分取器を直接使用して、線虫を分注することができる。第1の技術によりより迅速に分注可能であり、第2の技術は線虫を調節(すなわち、計数)できるほどより正確である。任意の場合、各ウェルへの線虫の添加量は、マクロ炊いた−プレートを通じて妥当に均一であるので、コントロールウェル(未処理)を基準にすることができる。

0167

次いで、一定量のプローブをマイクロタイタープレートに分注する。線虫を、試験すべき分子の存在下または非存在下にて室温で1時間インキュベートする。マイクロタイタープレートを、標準的なプレート洗浄器(Wellwash、Labsystems、Zellik、Belgium)を使用して3から4回リンスし、底に残存するいかなる線虫も損失しないようにウェルの底から十分に離して伸長に吸引を行う。ついで、標準的なフルオレセインフィルターを使用する蛍光マイクロタイタープレートリーダーを使用して、蛍光強度を測定する。

0168

実施例3−脂肪酸取り込みを変化させる化合物のスクリーニング
プレートアッセイまたはマルチウェルアッセイのいずれかを使用して化合物を試験して、標識プローブの取り込みを変化させることにより脂肪酸取り込みを変化させる化合物を同定することができる。両アッセイ(プレートおよびマイクロタイタープレートアッセイ)では、試験化合物をプローブの添加前に線虫に添加する。

0169

線虫の試験化合物とのインキュベーション時間を変化させて、異なる分子標識型に対して作用する化合物を選択することができる。脂質取り込み輸送分子の活性を変化させるかその直接的レギュレーターの活性を変化させる化合物を選択的に同定するために、一般に、線虫をプローブの添加前に1から2時間化合物とインキュベートする。輸送タンパク質の発現を変化させるか調節転写因子の発現を変化させる化合物を選択的に同定するために、一般に、線虫をプローブの添加前に3から6時間化合物とインキュベートする。

0170

実施例4−競合アッセイ図6図7
蛍光プローブと比較して5倍過剰の種々の鎖長の飽和および不飽和脂肪酸をインキュベートした。マイクロタイターアッセイで記載のように、線虫を処理した。本方法により、プローブの選択性および脂肪酸取り込みの選択性を同定可能である。実験物に添加した脂肪酸が標識プローブの取り込みを防止、阻害、または減少させる場合、プローブは少なくともこの脂肪酸に特異的であると結論付けることができる。この競合法により、特異的プローブまたは一般的プローブの選択が可能である。C4−BODIPY500/510 C9での競合アッセイでは、飽和脂肪酸との競合は認められず、不飽和脂肪酸が明白に競合を示す(図7)。より詳細には、二重結合を有する不飽和脂肪酸が最も高い競合を示す。

0171

実施例5−FATPの活性化(図8図9
レチノイン酸およびトログルタゾン(troglutazone)は、それぞれRXRおよびPPARγの活性剤である。C.elegans線虫を、100μMから0.1μMの範囲のこれらの化合物と1から6時間インキュベートした。脂肪酸取り込みを、上記のマイクロタイタープレートアッセイを使用して測定した。

0172

より詳細には、後期L4期または幼若成体の構成的咽頭ポンピング線虫を、異なる濃度のレチノイン酸またはトログルタゾン(例えば、ロシグリタゾン)を含む寒天プレート上で一晩インキュベートした。1mlのM9溶液として化合物を添加した。一晩のインキュベーション後、これらの線虫を、同一の寒天プレート上で50μMのC4−BODIPY−C9の1mlのM9溶液と共に1時間さらにインキュベートした。インキュベーション後、線虫を3回洗浄し、マルチウェルプレート中のウェルあたり50匹までの線虫を線虫分注器で分注した。上記のようにマイクロタイタープレートリーダーを使用して蛍光強度を測定した。この実験結果を、図8および図9に示す。

0173

脂肪酸の5倍増加として認められるように、ロシグリタゾンの適用によって、FATPの明白な上方制御が認められる。この増加はまた3μMのロシグリタゾンの適用のみによって顕著に認められた。レチノイン酸を使用して認められた上方制御は、適用した濃度範囲ではあまり明白に濃度依存性を示さない。しかし、60%から100%の脂肪酸取り込みの増加が認められ、これは、FATPの上方制御を明白に示す。

0174

実施例6−RNAによるFATPの不活化(図10、図11
C.elegans遺伝子CEfatp1およびCEfatp2に対応する大量のdsRNAを産生可能なベクター構築した。後者は、FATP4のC.elegansホモログとみなされる。次いで、C.elegansのnuc−gun株にこの遺伝子のRNA阻害剤が得られるこのdsRNAを発現する細菌を与えた。次いで、標識プローブ取り込みは、この株NBに継がれた。nuc−gun株は、muc−1変異(ヌクレアーゼ発現の減少)およびgun変異(核酸の腸取り込みの増加)の両方を保有するので、RNAi実験に特に適切な二重変異である。nuc−gun株の選択プロトコールは、本明細書中に含まれる。しかし、nuc−gun株の使用は不可欠ではない。

0175

以下のCEfatp1およびCEfatp2のコード領域をクローン化するためのプライマー組を開発した。
CEfatp1:
oGN87 5’−gtgaaggttacaaaatgggcgacgttgtcg−3’
oGN88 5’−cgtcacagcgacacagtacattggagaaatc−3’
CEfatp2:
oGN89 5’−gaattcttggagttgggcaagctctgttgg−3’
oGN90 5’−cgaggcaattcttcatccaattactggattg−3’
上記のプライマー組およびテンプレートとしての野生型C.elegans(N2)DNAを使用する標準的なPCR増幅により、CEfatp1のエクソン5および6を含む731bpのPCR産物およびCEfatp2のエクソン6、エクソン7、およびエクソン8の一部を含む962bpのPCR産物が増幅された。

0176

これらのPCRフラグメントを、製造者が提供するプロトコールにしたがって、Invtogen、Groningen、Netherlandsが供給するBstXIアダプターに連結した。次いで、得られたフラグメントを、BstXIで消化したベクターpGN29にクローン化し、プラスミドpGX5およびpGX6を得た。pGN29は、RNAi実験のための大量のdsRNAの産生用の本発明者らによって開発されたクローニングベクターである。ベクターの鍵となる特徴は、相補RNA鎖転写を駆動する2つの反対T7プロモーターの存在である。dsRNA産生に適切な任意の他のベクター(例えば、出願者の同時継続出願WO 00/01846に記載のプラスミドpGN9)を使用することができる。

0177

線虫を寒天プレート上で2世代成長させ、プラスミドpGX5、pGX6を含むE.coliHT115細菌または両細菌を含む混合物を与えた。寒天プレートへのIPTGの添加によってこれらの細菌株中でdsRNAを誘導した。この後、線虫(成体)を、同一の寒天プレート上で50μMのC4−BODIPY−C9と2時間インキュベートした。インキュベーション後、線虫を3回洗浄し、黒色マイクロタイタープレートのウェルに分注した。次いで、上記のようにマイクロタイタープレートリーダーを使用して蛍光強度を測定した。

0178

トログルタゾンの適用によるFATP発現の増加によって脂肪酸取り込みが明白に増加したにもかかわらず、この発現実験の減少により脂肪酸取り込みは有意に減少せず、これは、おそらくRNA阻害の効率が低いためである。

0179

実施例7−コレステロール取り込み(図12図13
1)プローブの選択
C.elegansによるコレステロール取り込みを測位ていするためのプローブとして、NBD−コレステロール(N1148、Molecular Probes)を使用した。

0180

2)プローブ濃度
黒色マイクロタイタープレートにウェルあたり約50匹の線虫を添加し、異なる濃度の10μlのプローブの存在下で3から5時間インキュベートした。

0181

次いで、M9培地および最終濃度0.4%の中程度の粘度のカルボキシメチルセルロース(CMC)(Sigma)を含むM9を使用してコレステロール取り込みを測定した。インキュベーション後、線虫を最終濃度3μMまでのインベルメクチンの添加によって麻酔した。プレートを2回洗浄し、蛍光を測定した。この実験結果は(図12)、25μMのNBD−コレステロールは最終プローブ濃度で最適であることを明白に示す。さらに、CMCの添加により、コレステロール取り込みが改善される。

0182

3)インキュベーション時間
至適インキュベーション時間を同定するために、構成的咽頭ポンピング線虫(HD8株)を10μlの250μMプローブ(最終25μl)とインキュベートし、異なる時間間隔で測定した。この実験結果は(図13)、は、2時間がC.elegansのコレステロール取り込みを測定する至適インキュベーション時間であることを明白に示す。

0183

実施例8−消光標識リン脂質の適用
蛍光標識脂質および他のマーカーで標識した脂質の使用は、蛍光のバックグラウンドが高くなる不都合が生じる。このアッセイでは未消化脂質を洗浄して取り除いているにもかかわらず、その脂質の性質により、マイクロタイタープレートの壁に張り付く傾向があり、望ましくないバックグラウンドが得られる。BODIPYなどの蛍光標識は、それ自体と接触した場合により高い蛍光が得られる傾向がある。さらに、高濃度緑色蛍光から赤色蛍光までの放射シフトを認めることができる。NBDなどの蛍光標識は、溶液中での蛍光が非常に低くなる傾向があり、膜または他の脂質環境に挿入された場合、NDBはより高い傾向を有する。この理由のために、本発明者らはこれらのマーカーを好む。これらのマーカーのバックグラウンド傾向が低いために、線虫によって取り込まれたプローブと培地中の依然として遊離のプローブとの選択的な区別がより容易であり、アッセイの性能が全体的に改良される。より低い傾向バックグラウンドのプローブの使用は、アッセイ手順での洗浄回数を減らすことができることを意味する。マイクロタイタープレートの壁に張り付くプローブの存在により、アッセイの干渉も低減する。

0184

ジニトロフェニルは、蛍光BODIPY基を消光することが既知である。Hendricksonら(Anal.Biochemistry、1999、276、27〜35)が示すように、BODIPY基およびジニトロフェニル基を有する脂質アナログを、容易に合成することができる。Thurenら(Anal.Biochemistry、1998、170、248〜225)は、蛍光ピレンヘキサノイル基および商工トリニトロフェニル基を有するリン脂質アナログを合成した。この消光蛍光脂質アナログもまた容易に合成することができる。これらの二重標識脂質を使用して、改良アッセイを構築することができる。理想的には、ジニトロフェニル基は、例えば、エステラーゼまたはプロテアーゼなどの腸酵素によって用意に加水分解される結合によって脂質に連結すべきである。このようなプローブは、アッセイ培地中のバックグラウンド蛍光が全く存在しないか非常に低濃度でのみ存在する。消光(例えば、ジニトロフェニル)基の脂質に連結した結合の加水分解の際、プローブは蛍光を発し、明白なシグナルを示す。消光プローブを使用した脂質取り込みアッセイを行うためのプロトコールは、先に記載のアッセイに類似しているが、プローブのバックグラウンド蛍光がより低いので、洗浄工程数を減少させることができるという利点を有する。

0185

実施例9−消光プローブN−(2,4−ジニトロフェニル)、O−(5−ブチル−4,4−ジフルオロ−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−3−ノノイル)−エタノールアミンの合成
a)N−(2,4−ジニトロフェニル)エタノールアミンの合成
3.0gの2,4−ジニトロフルオロベンゼン(16.12mmol、1当量)と1.17mlのエタノールアミン(19.34mmol、1.2当量)との混合物の3.56gのK2CO3(25.79mmol、1.6当量)を含むアセトニトリル(30ml)溶液を、65℃で一晩加熱した。反応混合物は赤色に変化した。減圧下で溶媒を除去した。残渣を1NのNa2CO3中に希釈し、酢酸エチル(5×50ml)で抽出した。合わせた有機相を飽和NaCl(3×20ml)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、減圧濃縮した。この橙色溶液にエタノール(20ml)を添加し、溶解が完了するまで混合物を80℃で加熱した。蒸留水(20ml)を添加し、溶液を1時間かけて室温に冷却した。結晶化した黄色固体濾過によって回収し、30/70:エタノール/水、その後蒸留水で洗浄した(2×30ml)。固体を、凍結乾燥によって乾燥させた。

0186

b)N−(2,4−ジニトロフェニル)、O−(5−ブチル−4,4−ジフルオロ−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−3−ノノイル)−エタノールアミンの合成
5−ブチル−4,4−ジフルオロ−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−3−ノナン酸(Molecular Probes,Inc.から入手したC4−BODIPY 500/510C9、10.00mg、0.0247mmol、1当量)をKimbleチューブに入れた。N−(2,4−ジニトロフェニル)エタノールアミン(6.24mg、0.0275mmol、1.11当量)を添加し、その後4−N,N−ジメチルアミノピリジン(0.608mg)を含むジクロロメタン(0.247ml)を添加し、その後、塩酸エチル−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド(7.10mg)を添加した。溶液を室温で一晩撹拌した。反応物LCMSによって分析して、酸が完全に消費されたかを確認した。過剰量のN−(2,4−ジニトロフェニル)エタノールアミンのみが検出された。反応混合物を、フリットの10mlシリンジおよび溶出液としてジクロロメタンを使用したシリカゲル(3g)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、収率99.6%で純度97.7%の表題化合物を得た。

0187

実施例11−消光プローブを使用した実験
実験(i)から(iii)を、液体培養において消光プローブを使用した基本脂質取り込みアッセイでの種々のインキュベーション時間、プローブ濃度、およびウェルあたりのC.elegans数の効果を調査するようにデザインした。

0188

実験(i)−インキュベーション時間の効果
マイクロタイタープレートのウェルあたり約100から150匹のC.elegans線虫を入れた。C.elegansHD8株を使用する場合には成体線虫を使用し、野生型C.elegansを使用する場合にはL4期の線虫を使用した。最終体積100μlのM9培地に25μMの消光プローブを添加した。次いで、マイクロタイタープレートを自動蛍光リーダーに置き、プローブ添加から種々の時間間隔で蛍光を測位ていした。典型的な結果を、図17および図18に示す。

0189

実験結果は、広範な時間にわたりプローブ取り込みおよび蛍光の検出を即位ていすることができることを示す。野生型およびHD8株の両方について、プローブ添加から30分未満から300分を超える時間まで蛍光を検出することができる。

0190

実験(ii)−プローブ濃度の効果
マイクロタイタープレートのウェルあたり約100から150匹の幼若成体C.elegansを入れた。全体積100μlのM9培地中に、いくつかの濃度(最終濃度10から60μM)の消光プローブを添加した。マイクロタイタープレートを室温で3時間インキュベートし、自動化リーダーにて蛍光を測定した。典型的な結果を、図18および図19に示す。

0191

この実験結果は、種々の濃度の添加プローブでプローブ取り込みおよび蛍光検出を行うことができることを示す(QBFA)。野生型C.elegansおよびHD8株で類似の結果が得られる。結果は、本アッセイ系では野生型株の至適プローブ濃度は5μM未満から50μMを超える範囲であることを示し、至適プローブを最も高い読み取りを示す最も低い濃度のプローブと定義する。HD8株は、プローブ検出においてより感受性が高いので、至適プローブ濃度は、5μM未満から25μMw超える範囲である。

0192

実験(iii)−種々のC.elegans数の効果
種々の数のC.elegans HD8株を、マイクロタイタープレートのウェルに分注した。全体積100μlのM9培地中に最終濃度25μMのプローブQBFAを添加した。プレートを20℃でインキュベートし、自動化蛍光リーダーにて蛍光を測定した。典型的な結果を図20に示す。

0193

この実験結果は、種々の数のC.elegans線虫を使用して、プローブ取り込みを検出することができることを示す。特に、ウェルあたり50匹未満から200匹を超える各線虫を使用して、プローブ取り込みを有効に測定することができる。

0194

実験(iv)−脂質取り込みに対する効果を示す化合物の同定のための脂質取り込みアッセイの有用性
標準的な9cmの寒天プレートに、E.coli(C.elegans培養での使用に適切な任意の株を使用することができる)を播種した。体積1mlの種々の濃度のロシグリタゾンをプレートに添加し、プレートにL4期のC.elegansを播種した。一晩のインキュベーション後(約16時間)、C.elegansを単離し、約15mlのM9緩衝液で3回洗浄した。次いで、ウェルあたり100匹の線虫をマイクロタイタープレートに再懸濁した。最終濃度10μMで全体積100μlの消光プローブ(QBFA)を添加した。2時間後に自動化プレートリーダーにて蛍光を測定した。典型的な結果を、図21に示す。

0195

この実験結果は、消光プローブを使用してPPARγに対するその作用が既知のロシグリタゾンなどの脂質取り込みに対する効果を有する化合物を単離することができることを示す。

0196

実施例12−脂肪酸取り込みに対する変異体耐性世代
野生型C.elegans集団を、例えばEMSを使用して化学的に変異誘発させて約20000個のゲノムを対象とする変異体集団を作製する。この種の実験法は当該分野で既知であり、Methodsin Cell Biology、第48巻、1995、「Caenorhabditis elegans:現代の生物学的生物分析」、Epstein and Shakes編に記載されている。次いで、50μMのプローブの存在下で、F2世代をインキュベートする。プローブによって染色されなかった線虫を単離し、小さな寒天プレート上でクローン化する。種々のプローブでの染色について子孫を試験して、変異の特異性を同定する。次いで、脂肪酸取り込みに特に耐性を示す確認変異体を、ヒット確認のスクリーニングおよび/またはC.elegans腸における脂肪酸輸送タンパク質の同定に使用することができる。これは、C.elegans分野で、特異的変異体C.elegans株で変異した遺伝子を単離するための日常的作業とみなされる。

0197

実施例13−gun−nuc二重変異体C.elegans株の選択
例として、gun(bg85)とnuc−1との交差ストラテジーを示す。

図面の簡単な説明

0198

P0交配: gun(bg85)×WT雄
F1交配: nuc−1×gun(bg85)/+雄
F2交配: nuc−1×gun(bg85)/+;nuc−1/0雄(50%)
nuc−1×+/+;nuc−1/10雄(50%)
F3シングル: gun(bg85)/+;nuc−1雌雄同体(25%)
+/+;nuc−1雌雄同体(75%)
F4シングル: gun(bg85);nuc−1(BCECFで染色された第4の各プレートの1/4)
F5再試験:gun(bg85);nuc−1(BCECFでの高染色で選択されたF4の100%子孫)
gun表現型を選択するために、蛍光前駆体BCECF−AMを使用する(Molecular Probesから入手)。前駆体BCECF−AMが線虫の腸に存在するエステラーゼによって切断されて、6以上のpHで蛍光を発する色素BCECFが得られる。これによりgun表現型を有する線虫を選択可能である。BCECF−AMは咽頭を介して腸内腔に取り込まれ、切断されるまで蛍光を発せず、BCECF部分は内腔周囲の細胞に侵入する。野生型線虫は、BCECF蛍光がより遅いか増加しない。

図1
脂肪酸取り込みアッセイにおける多数の異なるBODIPY標識脂肪酸プローブの性能を示すグラフである。Y軸は、蛍光強度(FI、cps)である。
図2
脂肪酸取り込みアッセイにおけるプローブ濃度の効果を示すグラフである。
図3
C.elegansHD株の生活環の異なる段階における脂肪酸取り込みの変化を例示するグラフである。
図4
C.elegans野生型N2株の生活環の異なる段階における脂肪酸取り込みの変化を例示するグラフである。
【図5】
標識脂質プローブの存在下でインキュベートしたC.elegans線虫の2つの解剖顕微鏡画像を示す図である。比較的短期のインキュベーション後、プローブ蛍光は偏在している(5(a))ことが明白に認められる;より長いインキュベーション後(5(b))、C.elegansの身体の他の部分へのプローブの蓄積および分布が認められる。
図6
プローブC4−BODIPY−C9および種々の競合飽和脂肪酸との競合実験の結果を示す図である。
図7
プローブBODIPY−C9(C18)および種々の競合不飽和脂肪酸との競合実験の結果を示す図である。
図8
C.elegansにおける脂肪酸取り込みに対するロシグリタゾンの影響を示すグラフである。
図9
C.elegansにおける脂肪酸取り込みに対するレチノイン酸の影響を示すグラフである。
【図10】
(a)プラスミドpGN29の図、(b)プラスミドpGx5の図、(c)プラスミドpGX6の図である。
図11
C.elegansにおける脂肪酸取り込みに対するCEfatp1遺伝子、CEfatp2遺伝子、または両遺伝子の発現の阻害効果を示す図である。それぞれの場合、遺伝子発現をRNAiを使用して阻害した。
図12
C.elegansにおける標識コレステロール(NBD−コレステロール)の取り込みに対するプローブ濃度および培地粘度の効果を示す図である。
図13
C.elegansにおけるNBD−コレステロールの取り込みについての経時変化を示す図である(y軸は蛍光強度(FI,cps)、x軸はプローブ濃度)。
図14
プラスミドpGX5の完全なヌクレオチド配列を示す図である。
図15
プラスミドpGX6の完全なヌクレオチド配列を示す図である。
図16
C.elegansHD8株を使用した液体培養における消化プローブの取り込みについての経時変化を示す図である。x軸は蛍光(cps)であり、y軸は時間(分)である。
図17
野生型(N2株)C.elegansを使用した液体培養における消化プローブの取り込みについての経時変化を示す図である。x軸は蛍光(cps)であり、y軸は時間(分)である。
図18
野生型(N2株)C.elegansを使用した液体培養における消化プローブの取り込みについてのプローブ濃度の効果を示す図である。x軸は蛍光(cps)であり、y軸はプローブ濃度(μM)である。
図19
C.elegansHD8株を使用した液体培養における消化プローブの取り込みについてのプローブ濃度の効果を示す図である。x軸は蛍光(cps)であり、y軸はプローブ濃度(μM)である。
図20
C.elegansHD8株を使用した液体培養における消化プローブの取り込みについてのウェルあたりに添加した線虫量の変化の効果を示す図である。x軸は蛍光(cps)であり、y軸はウェルあたりに添加したした線虫するである。
図21
野生型(N2)C.elegansを使用した脂肪酸取り込みにおけるロシグリタゾンの効果を示す図である。線虫の種々の濃度のロシグリタゾンとの一晩のインキュベーションを寒天プレート上で行った。消光プローブでの染色を、液体培養中に行った。

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