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技術 脂肪溶融物をベースとする種結晶懸濁物の製造方法

出願人 ビューラー・アクチエンゲゼルシャフト
発明者 エーリッヒヴィントハープツェンユアントン
出願日 1999年5月29日 (21年7ヶ月経過) 出願番号 2000-620816
公開日 2004年1月8日 (16年11ヶ月経過) 公開番号 2004-500025
状態 特許登録済
技術分野 菓子 脂肪類、香料 食用油脂
主要キーワード バネエレメント 組み込み部材 取り付け物 品質特徴 調温室 製品体積 圧着圧 配量ポンプ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2004年1月8日)のものです。
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図面 (18)

課題・解決手段

本発明は、脂肪溶融物ベースとする種結晶懸濁物、殊に高いβVI変態分量を有する安定な微細分散カカオバター結晶懸濁物を製造する方法および装置および溶融物に種結晶懸濁物を添加する、チョコレートおよびチョコレート類似材料等のような分散固体粒子を含有する、脂肪をベースとする懸濁物の種結晶化におけるその使用に関する。これにより、結晶粉末での種結晶添加方法に比べて、流動性配量が可能であるので、改善された配量性が生じる。さらに、本発明による種結晶懸濁物の機械的/熱的剪断/伸展流動処理は、従来の粉末をベースとする種結晶化方法によるよりも実質的に少量の種結晶の製造を許容し、こうして改善された微小均質な混合物および高い種結晶添加効率(最適の予備結晶化を得るため種結晶分量の減少)ならびに高度に安定なβVI結晶変態の増加分量を生じる。

概要

背景

概要

本発明は、脂肪溶融物ベースとする種結晶懸濁物、殊に高いβVI変態分量を有する安定な微細分散カカオバター結晶懸濁物を製造する方法および装置および溶融物に種結晶懸濁物を添加する、チョコレートおよびチョコレート類似材料等のような分散固体粒子を含有する、脂肪をベースとする懸濁物の種結晶化におけるその使用に関する。これにより、結晶粉末での種結晶添加方法に比べて、流動性配量が可能であるので、改善された配量性が生じる。さらに、本発明による種結晶懸濁物の機械的/熱的剪断/伸展流動処理は、従来の粉末をベースとする種結晶化方法によるよりも実質的に少量の種結晶の製造を許容し、こうして改善された微小均質な混合物および高い種結晶添加効率(最適の予備結晶化を得るため種結晶分量の減少)ならびに高度に安定なβVI結晶変態の増加分量を生じる。

目的

本発明の根底をなす課題は、微細分散性粒径<10マイクロメーター(μm))の、殆ど専ら(≧95%)熱に高度に安定な(最高融点多形の結晶変態、たとえばカカオバターではβVI変態の)脂肪結晶を含有する高濃度(結晶分量5〜35vol%)の種結晶懸濁物を製造しおよび該懸濁物を低濃度(結晶分量約0.01〜0.2%)で予め種結晶添加温度にもたらされた製品流中に連続的に、一様に配量しならびに均質に混入し、それにより材料の温度が今まで常用予備結晶化温度(チョコレートでは今まで最高で約31℃)以上に明らかに上昇(約2〜3℃)する場合でも、従来の予備結晶化された材料とは反対に、種結晶は材料の冷却時に所望の結晶化開始能力が失われるように溶融せずに、必要な範囲内に維持され、かつそれによりチョコレートの場合に約34℃より高い注型温度またはより大きな注型温度変動の場合でも非常に良好な品質特性を有する申し分なく結晶化した製品を製造することができ、かつさらに本発明による高い加工温度において生じる粘度低下は加工プロセスにおいて有利に利用することができるように、従来の予備結晶化方法を改善することである

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

脂肪溶融物ベースとする種結晶懸濁物、殊にチョコレートチョコレート類似材料等のような分散脂肪粒子を含有する脂肪ベースの懸濁物の種結晶化において使用される、調節可能な全結晶含有量(I)、高融点のβVI結晶変態分量(II)ならびに平均結晶の大きさ(III)を有する、高いβVI変態分量を有する安定な微細分散性カカオバター結晶分散液の製造方法において、冷間噴霧脂肪粉末に段階的熱コンディショニングを、粉末粒子団塊化なしに多形脂肪系の変態転移が、熱的に高度に安定なβVI結晶変態が≧10パーセントの分量に構成されるまで進行するように実施し、このようにコンディショニングされた脂肪粉末を、βVI結晶変態の溶融物エンタルピピーク最低温度の約1℃〜2℃下にテンパリングされた結晶不含の脂肪溶融物中に懸濁させ、この脂肪懸濁物を機械的および熱的条件ならびに剪断/伸張流中での滞留時間の定義された調整下に、調節すべき特性:全結晶含有量、βVI変態分量および平均の結晶の大きさが達成されるまで処理し、こうして製造された種結晶懸濁物を、0.01〜0.2%の間(全質量に対して)の種結晶分量を有する予備結晶化すべきチョコレートまたはチョコレート類似材料の製品流中に均等に配量し、その後製品流中に慎重均質および連続的に混合する、脂肪溶融物をベースとする種結晶懸濁物の製造方法。

請求項2

冷間噴霧粉末の製造のため、過冷却室噴霧塔)中でのカカオバター溶融物の噴霧を、1〜200μmの特定の液滴の大きさで微細に噴霧して製造された溶融物液滴を、それが噴霧される冷ガス気流に対して相対的に運動させ、冷ガスの温度(−40℃〜0℃)および噴霧されるカカオバター溶融物の温度(+40℃〜+60℃)ならびに液滴の大きさ分布調和された冷ガス速度(0.1〜1m/s)の定義された調節により限定されて結晶化し、引き続き冷ガス温度で搬出することを特徴とする請求項1記載の方法。

請求項3

−40℃〜0℃で冷間噴霧されたカカオバター粉末中のβVI分量の構成/増加のために行われる粉末の熱コンディショニングを多段階に、好ましくは2段階に、不安定な結晶変態の高度に安定な結晶変態へのできるだけ迅速な変態転移が、脂肪粉末粒子の団塊化なしに、その貯蔵の際に粉末堆積として保証されているように行い、これをたとえば12℃で>2日間(I段階)およびその後25℃で>30日間(II段階)の2段階組合せにおいて実現させることを特徴とする請求項1記載の方法。

請求項4

純カカオバター系の場合、十分に結晶不含の過冷却された脂肪溶融物中に熱コンディショニングされた噴霧脂肪粉末≧1パーセントを懸濁させるのを、26〜32.5℃の温度で行うことを特徴とする請求項1記載に方法。

請求項5

剪断/伸張流ゾーン中での噴霧脂肪粉末懸濁物の熱的/機械的処理を、立体的に均質に、有効剪断応力ないしは剪断速度および温度の調節下に一段階または多段階に行いおよび低融点の結晶変態の部分的溶融および結晶の機械的分散粉砕により約100(噴霧脂肪粉末)から<10マイクロメーター(μm)への平均の結晶の大きさの減少を行い、5〜35体積パーセントの懸濁物中の結晶含有量を有する定常状態が調節可能であることを特徴とする請求項1記載の方法。

請求項6

冷間噴霧しおよび熱コンディションされたカカオバター粒子から出発して、種結晶懸濁物を製造する場合、この粒子が最高に安定なβVI結晶変態の≧10パーセントの分量を有し、引き続き脂肪粉末/脂肪溶融物懸濁物中の増加した機械的エネルギー導入下に該分量を約32℃〜34℃で≧95パーセントに増加することを特徴とする請求項1および5記載の方法。

請求項7

予め製造した種結晶懸濁物の残分に液状カカオバターを添加し、これを一定に保持した調温および撹拌条件下に60分以下の時間内に新しい種結晶懸濁物の製造のために使用することを特徴とする請求項1および5記載の方法。

請求項8

本発明による方法の特殊な実施形において、結晶化促進剤としての冷間噴霧カカオバター(脂肪)粉末の使用を完全に断念し、種結晶懸濁物中の全種結晶含有量を直接に機械的/熱的処理工程において剪断/伸張流区域中で製造し、その際壁温度を10〜25℃に低下し、滞留時間を>150秒に増加し、壁に形成した脂肪結晶を連続的に掻き取り、脂肪溶融物と混合することを特徴とする請求項1および5記載の方法。

請求項9

予冷した製品流に32℃〜35℃の間の温度で結晶懸濁物を添加することを特徴とする請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。

請求項10

種結晶添加を連続的に配量導入および慎重な微細均質混合により、製品流中の種結晶の部分的溶融をたとえば増加した局部的エネルギー散逸により避けることを特徴とする請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。

請求項11

製品の全質量に対し、種結晶0.01〜0.2%の分量を有する種結晶懸濁物を製品流に連続的に供給することを特徴とする請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。

請求項12

カカオバター脂肪をベースとするチョコレート系の代わりに、懸濁物を連続相としての他の脂肪を比較可能な方法で添加し、その際使用すべき脂肪種結晶は脂肪系特異的に適当な高融点トリグリセリド合物であることを特徴とする請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。

請求項13

冷間噴霧塔(11)、調温室、懸濁物撹拌容器、剪断/拡張モジュールポンプおよびスタティックミキサ(3)からなり、その際冷間噴霧塔(11)中でカカオバター脂肪溶融物ないしはカカオバターおよび他の脂肪からなる混合物の冷間噴霧を本発明により、噴霧される脂肪系の最低融点脂肪成分結晶化温度の10〜50℃下の温度に調節可能である冷ガス気流中で行うことができおよび1成分ノズルを用いて1〜500barゲージ圧噴霧圧で≦50〜500マイクロメーター(μm)の直径を有する脂肪噴霧粒子を製造することができ、該粒子は引き続き調温室に移され、ここで2段階または多段階の熱コンディショニング(10)において、好ましくは−10℃および+25℃ないしは+28℃の平坦域温度を有する調節可能な温度−時間−経過で、噴霧粉末粒子の団塊化なしに、制御された変態転移(βVI分量≧10〜50%の構成)が行われ、および引き続きこのようにコンディショニングされた粉末を、慎重に小さい回転数で均質に混合する撹拌エレメントを備えている約26〜32.5℃にテンパリングされた撹拌混合容器中で、約26〜32.5℃にまで過冷却されたカカオバター脂肪ないしは脂肪混合物溶融物中に懸濁させならびに引き続きこの噴霧粉末−脂肪結晶懸濁物を、本発明により好ましくは同心または偏心の≦5mmの間隙直径を有するシリンダ剪断間隙からなる、連続的に軸方向に流過する剪断/伸張流モジュール(8)中で、同時に剪断間隙の軸方向の流過速度を≦1cm/sに調節下に、5〜30℃の壁温度に調節可能な剪断間隙外壁の冷却および0.2〜2m/sの周速内側シリンダの回転で、剪断間隙からの結晶懸濁物の出口温度が、剪断および熱排出による重畳する粘性エネルギー散逸に基づき、32℃および34.5℃の間で0.5℃に正確に調節可能であるように剪断され、同時に≦10〜20マイクロメーター(μm)の平均直径に結晶の微細分散出口の大きさ約50〜500μmから)が行われ、ならびにさらに剪断間隙中での剪断、壁温度および滞留時間に依存して流出する結晶懸濁物を、回転する内側シリンダに伝達される回転モーメントにより5〜35%の結晶含有量(制御および調整可能)に調節することができ、およびその後この種結晶懸濁物が機械的に慎重に作業する配量ポンプ(5)で、32℃〜34.5℃にテンパリングされた、チョコレート材料またはチョコレート類似材料に連続的に、製品1kgあたり種結晶懸濁物が≦1%の少量で配量され、製品中にスタティックミキサ(3)を用い慎重および均質に混入される、請求項1から12記載の方法を実施するための装置。

請求項14

テンパリングされたコンディショニング室が回転または振動する組み込み部材を備えていて、取付けられたエレメントまたは混合室自体の回転ないしは振動により形成される粉末の永久運動を実現し、それと共に高められた温度(βVI結晶変態の製造の場合28℃まで)における噴霧粉末の促進された熱状態調節を、団塊形成の回避下に好ましくは可能にすることを特徴とする請求項13記載の装置。

請求項15

噴霧粉末懸濁物を処理するための剪断/伸張流モジュール(8)が、内側シリンダと共に回転する、冷却された外側シリンダ内壁に壁掻き取り式に配置された組み込み部材を有しおよび/または内側シリンダおよび外側シリンダの間または付加的に組み込み部材自体中に狭い間隙を構成し、この間隙中で流れの局部的加速が行われ、それと共に伸張流効果が有効になり、それで本発明により改善された微細分散が、冷却された壁でないしは該壁からの脂肪結晶ないしは脂肪結晶凝集物の交互の延展(=伸張+剪断)および掻取りにより達成されることを特徴とする請求項13記載の装置。

請求項16

剪断/伸張流モジュール(8)が撹拌容器へのバイパス導管中へ組込まれていて、それで剪断モジュール(8)中で処理された微細分散の結晶懸濁物はこの撹拌容器中で、まだ機械的に処理されてない懸濁物と再混合可能となりおよび撹拌容器内容物は剪断モジュール(8)を数回通過した後組込まれた三方コック(13)によりサイクル運転製品導管中への配量に切り替えることが可能になることを特徴とする請求項13記載の装置。

請求項17

剪断モジュール(8)に配量ポンプ(5)が前接されていて、該ポンプが剪断モジュール(8)の軸方向の流過速度を、剪断間隙幅、配量材料流および製品流に対する0.01〜0.2%の結晶分量の配量に相当する種結晶懸濁物中の結晶濃度に応じて調節でき、結晶懸濁物が剪断モジュール(8)を1回直接流過した後、この懸濁物を製品流中へ配量導入するかまたは剪断モジュール(8)中で数回処理された結晶懸濁物が再混合される撹拌容器からこの懸濁物を製品流中へ配量することを特徴とする請求項13記載の装置。

請求項18

剪断モジュール(8)が軸方向に2つのゾーンに分割されていて、第1ゾーンは、約10〜15℃の温度の水で冷却され、それと共にカカオバター脂肪溶融物中に強い結晶形成(βIV変態、βV変態およびβVI変態の混合物)を惹起する冷却ゾーンであり、第2ゾーンは不安定なβVIカカオバター結晶を溶融し、βVI変態分量を増加しおよび粘度を調節するため、25〜30℃のより高い温度の冷却水でテンパリングされ、その際製造された、βV結晶変態0〜50%およびβVI結晶変態50〜100%の割合を有する結晶分量10〜30%を有するカカオバター結晶懸濁物は配量ポンプ(5)を用いて直接、0.01および0.2%の間の種結晶分量を有する予備結晶化すべきチョコレート材料またはチョコレート類似材料の製品流中へ均質に配量し、その後製品流中で慎重、均質、連続的に混合されることを特徴とする請求項13および15から17までに記載の装置。

請求項19

回転する内側シリンダの外壁およびテンパリングされた外側シリンダの内壁の間の剪断間隙が、第1冷却段階においては小さく(Ri/Ra≧0.8)および第2冷却段階においては大きく(Ri/Ra≦0.8)、それで第1冷却段階において強い冷却の際に形成した不安定な結晶は、強い剪断(剪断応力:1000〜2000Pa)に基づき迅速に安定なβV結晶およびβVI結晶に転移され、第2冷却段階において剪断は、結晶濃度の増加した結晶懸濁物の粘性エネルギー散逸による付加的な局所的加熱を十分小さくするために、剪断間隙の増大により減少されていることを特徴とする請求項18記載の装置。

請求項20

剪断モジュール(8)用の制御/調整ユニットにより、内側シリンダ(場合により組み込み部材と共に)の回転数(調整量1)、外側シリンダの壁冷却温度(調整量2)と材料の流量(調整量3)ないしは剪断モジュール(8)の反応室内の滞留時間(滞留時間は配量ポンプ(5)の回転数により調節される)との調和が、懸濁物の出口温度(目標/調整量1)はカカオバターの場合+/−0.25℃の精度で30および34.5℃の間および懸濁物の結晶含有量(目標/調整量2)は10および30%の間(+/−1%)に調節できるように行われ、その際間隙の形状大きさおよび回転数により決定される結晶懸濁物の剪断/伸張により≦10〜20マイクロメーター(μm)の種結晶の大きさを生じさせることを特徴とする請求項13記載の装置。

請求項21

制御/調整ユニットに、付加的に剪断モジュール(8)の軸で測定された回転モーメント−測定信号が供給され、該信号が回転数、質量流量および壁冷却温度の与えられた調節下に、生成した種結晶濃度との直接相関関係を許容し、それと共に出口結晶濃度の制御または調整を実現させることを特徴とする請求項19記載の装置。

請求項22

種結晶を添加すべき製品(チョコレート製品)の製品流中に組込むべきスタティックミキサ(3)が十分に大きい流過間隙を有し、間隙中でチョコレート製品にとり重要な粘度(約0.1〜5Pasの)および設定された材料の流量において局所的粘性エネルギー散逸は、製品の34.5℃より大きい温度への局所的加熱(純βVIカカオバター種結晶の場合)を避けるために十分に小さくしおよび95%の混合効率を保証するために、≧10〜12の増加数の静的混合エレメント直列に接続することを特徴とする請求項13記載の装置。

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0001

利用分野
本発明は、脂肪溶融物ベースとする種結晶懸濁物の製造、殊に高いβVI変態分量を有する安定な微細分散カカオバター結晶分散液の製造方法、およびチョコレートチョコレート類似材料等のような、分散した固体粒子を含有する脂肪をベースとする懸濁物の種結晶化におけるそれの使用に関する。

0002

さらに、本発明はこの方法を実施する装置に関する。

0003

技術水準
チョコレートおよびチョコレート類似材料の慣習的製造におけるいわゆる予備結晶化段階の目的は、材料の成形ないしは注型後、続く冷却工程において十分な固化結晶化を開始させる十分に大量の脂肪種結晶の製造である。この場合、予備結晶化工程において製造される種結晶が所望の安定な結晶変態で存在することがとくに重要である。これは、カカオバター脂肪系については、カカオバターの主要トリグリセリドSOSPOP、、SOP、S=ステアリン、O=オレイン、P=パルミチン)が三斜晶系結晶格子に配置されて存在するいわゆるβvおよびβVI結晶変態である。いわゆる不安定な変態は、γ−(非晶質)、α−(六方晶系)およびβIV−(斜方晶系結晶構造である。種結晶の変態は、注型された予備結晶化された材料の冷却および固化の際に他の結晶の形成に決定的に影響を及ぼす。

0004

従って、種結晶が主に不安定な変態からなる限り、製造プロセスにおける冷却工程の終了後、主として不安定に凝固した最終製品が生じる。貯蔵の間、不安定な結晶は低い貯蔵温度においても安定な変態に転移する、それというのもこの変態は熱力学的に安定であり、それと共に低エネルギーであるからである。不安定な変態からなる結晶は、あまり緻密でない凝固構造を有する。この凝固構造ならびに変態転移の際に経過する拡散プロセスは、殊に低融点脂肪分チョコレート製品の表面に“運搬”され、そこに結晶性皮膜、いわゆるファットブルーム(Fettreif)を構成する原因となる。このファットブルームが、チョコレートの表面の白い変色およびそれと共にチョコレート品質の明らかな損傷を惹起する。予備結晶化の際に十分に安定な種結晶が製造されれば、貯蔵の間ファットブルームの形成は出現しない。

0005

予備結晶化の際にできるだけ安定な種結晶を製造するほかに特に、製造される種結晶の全量を、有効な予備結晶化性を損なわずにできるだけ最小にすることが目的でもある、それというのもこれが予備結晶化材料を注型ないしは成形する場合に粘度を低下させ、ひいては加工上の利点を生じるからである。低い材料粘度は、たとえば均等な壁厚保証するため、充填された製品外殻中空体の製造)においてに均質な成形のための前提条件である。

0006

従来の予備結晶化法においては、全脂肪質量に対して約0.5〜2%を種結晶の形で固化させる。カカオバターの出所原産地)に依存しならびにトリグリセリド(脂肪)と他の配合成分(殊に乳化剤)との間の物理的/化学的相互作用に基づき、結晶化の動力学は種々に経過しうる。これは、工業的プロセスにおいて十分に確定された滞留時間では、必然的に予備結晶化状態に強い変動を生じさせ、このことが製品の品質に対し作用を及ぼす。従来の予備結晶化技術においては、段階的温度操作のバリエーションによりできるだけ最適の予備結晶化を実現することが試みられる。これは、一方では多数の実験的経験を必要とし、他方では予備結晶化プロセスにおけるわずかな温度変動(たとえば±1℃)の場合でも既に結晶化性の調節可能性がしばしば問題になる。

0007

予備結晶化性の制御のために、従来のプロセス制御オフライン)ではいわゆるテンパーメーター法(Tempermeterverfahren)が使用される。この測定方法の場合、予備結晶化温度予備結晶化装置から取り出されるわずかな量の試料が、温度センサーが中心に装備されている試料細管中へもたらされる。試料細管は、定義された温度条件水浴)下に冷却され、試料中の温度経過が測定される。測定された温度経過が、試料中の固化結晶化の経過を反映する。「結晶化の容易さ」は、この方法で試料の予備結晶化の熱放出に基づく特定の温度推移(時間の関数として)で確認することができる。このような温度曲線推移に応じて、専門家は“過剰調温”、“不足調温”および“良好調温”に分類する。

0008

チョコレートの予備結晶化のための従来の方法ないしは装置は、段階的調温(テンパリング)の原理に従って作業する。これは、>45℃の温度でテンパー(予備結晶化装置)に入るチョコレート材料は通常3つの調温ゾーンにおいて、まず軽度に予冷(調温ゾーン1:約30℃)され、次に過冷却(調温ゾーン2:25℃〜27℃)されおよび最後に加工温度に加熱(調温ゾーン3:28℃〜31℃)されることを意味する。従来の複数の予備結晶化装置(Temper)からの出口温度は28℃および31℃の間であり、まれの場合に31℃より軽度に上である。材料が記載されたように予備テンパリングされた場合、生じた種結晶はいわゆる直接DSC示差走査熱量測定法)を用い結晶化装置後方取出される材料につき測定が実施される直接分析により、典型的な結晶変態スペクトルを示す。連続脂肪相としてのカカオバターの場合、主要な種結晶成分はβV結晶(約50〜70%)、次がβIV結晶(20〜40%)からなりならびに一部はα結晶の残部(約10%)からなる。通常は、主要分量のβV結晶は、固化結晶化がファットブルーム安定性および他の品質特徴(たとえばパキン割れる特性、柔らかな融解)を保証するために十分な構造品質を達成することを保証する。それにも拘わらず、従来のチョコレート材料では、殊に低融点の脂肪分(たとえば乳脂または胡桃油)が含有されているときでも、しばしばファットブルーム形成による品質低下が生じる。部分的に、ファットブルームは2〜3ヶ月(部分的にはより長く)の貯蔵後に始めて現れる。ファットブルームを有するチョコレートは、販売できないかないしは消費者クレームを生じる。

0009

WO98/30108号から、製品溶融物結晶粉末直接添加する、チョコレートの予備結晶化方法が周知である。下記になお記述するように、結晶粉末の添加は多数の実地上の欠点と結びついている。

0010

課題
本発明の根底をなす課題は、微細分散性粒径<10マイクロメーター(μm))の、殆ど専ら(≧95%)熱に高度に安定な(最高融点多形の結晶変態、たとえばカカオバターではβVI変態の)脂肪結晶を含有する高濃度(結晶分量5〜35vol%)の種結晶懸濁物を製造しおよび該懸濁物を低濃度(結晶分量約0.01〜0.2%)で予め種結晶添加温度にもたらされた製品流中に連続的に、一様に配量しならびに均質に混入し、それにより材料の温度が今まで常用の予備結晶化温度(チョコレートでは今まで最高で約31℃)以上に明らかに上昇(約2〜3℃)する場合でも、従来の予備結晶化された材料とは反対に、種結晶は材料の冷却時に所望の結晶化開始能力が失われるように溶融せずに、必要な範囲内に維持され、かつそれによりチョコレートの場合に約34℃より高い注型温度またはより大きな注型温度変動の場合でも非常に良好な品質特性を有する申し分なく結晶化した製品を製造することができ、かつさらに本発明による高い加工温度において生じる粘度低下は加工プロセスにおいて有利に利用することができるように、従来の予備結晶化方法を改善することである。

0011

さらに、本発明の根底をなす課題は、本発明による方法を実施する装置を提供することである。

0012

課題の解決手段
前記の課題は、請求項1および13に記載された特徴によって解決される。

0013

他の実施態様
本発明による方法の他の実施態様は、請求項2〜12および14〜22に記載されている。

0014

利点
本発明による方法においては、微細分散性(粒径<10マイクロメーター(μm))の専ら熱に対し高度に安定な(最高融点の多形の結晶変態、カカオバターではβVI変態50〜95%、残余βV変態の)脂肪結晶を含む高濃度(結晶分量5〜35体積%)の種結晶懸濁物の製造は、3つまでの処理工程を包含する本発明によるプロセスにおいて行われる。これら3つの工程は:
1.冷間噴霧工程、この工程においては脂肪溶融物(たとえばカカオバター)が過冷却室中へ噴霧され、まず最初に不安定な結晶変態(たとえばカカオバターの場合では、γ、α、βIV変態)からなる、約≦100〜200マイクロメーター(μm)の粉末粒度を有する流動性粉末に固化される。

0015

2.多段階の熱コンディショニング工程、この工程においては最高に安定な結晶変態(カカオバターではβVI)が約50%分量に到達するまで脂肪結晶の変態転移が行われる。

0016

3.剪断/伸張処理工程、この工程においては機械的エネルギーの導入下に、脂肪溶融物中に懸濁された、工程2からの結晶粉末が剪断/伸張処理され、その際機械的エネルギーの導入、温度および滞留時間の適当な調和下に部分的溶融および機械的分割工程による懸濁された結晶粒度の減少および最高融点の結晶変態へのほぼ完全な(≧95%)変態転移ならびに5〜35質量%への結晶分量の調節が行われる。この剪断/伸張処理工程は、回転数が調節可能な回転する内側シリンダを有する、軸方向に流過する同心のシリンダ間隙中で行われるのが有利であり、前記の内側シリンダは壁掻き取り組み込み部材を有することができる。その際剪断および拡張の程度は、回転数により材料流とは十分に無関係に調節することができる。

0017

冷間噴霧され(工程I)およびコンディショニングされた(工程II)約50%のβVIカカオバター粉末の添加は、原則的に種結晶懸濁物を初めて製造する場合にだけ絶対に必要である。この懸濁物の残りに液状のカカオバターを添加する場合には、一定に保持された調温条件および撹拌条件下に約≧30〜60分(機械的エネルギー導入に依存して)の時間内に新しい種結晶懸濁物を製造することができる。

0018

本発明による方法の特別な実施態様においては、種結晶懸濁物の製造を工程IおよびIIなしに、つまり過冷却脂肪溶融物の剪断処理工程における直接製造によって行うこともできる。しかしこの場合、種結晶形成開始のための必要性は、5〜35質量%の所望の種結晶含有量を調節するため、約10〜28℃(カカオバターに対し)の流過する剪断間隙の明らかに低下した壁温度を調節することおよび剪断流れの場中での滞留時間を十分に、つまり20〜500秒に延長することである。しかし、工程IIIに限定するこの特殊な場合には、低下した壁温度下に剪断処理工程を1回通過する際に>50%のβVI種結晶含有量(カカオバターの場合)を達成することができない。その代わりに、種結晶形成および結晶成長動力学を促進するために必然的に低下した壁温度が、>50%の程度に付加的βV種結晶の生成(カカオバターの場合)を生じさせる。剪断処理工程の数回流過が実現される限り、第2流過から壁温度を25〜32℃に上げても、βVI分量を増加することができる。剪断処理工程の数回流過は、原則的にこのような剪断処理工程の直列接続によって行うこともできる。

0019

≧5%の全脂肪のカカオバター分量を有するチョコレートまたはチョコレート類似材料では、先に記載したように製造した種結晶懸濁物を結晶分量0.01〜0.2質量%(全材料に対して)を有する量割合で、純カカオバター脂肪では32〜34.5℃の間ないしは低融点脂肪分を有する材料では27〜34.5℃の間の温度に予冷された材料が連続的に配量供給される。微細均質混合は、製品導管中に組込まれ、調温されたスタティックミキサ中で行われる。

0020

種結晶懸濁物を用いた添加は、結晶粉末を用いる直接添加に比べて明らかな利点を実現させる。これは主に次のことである:
1.改善された配量性、流動配量が可能なため。脂肪結晶粉末の正確な配量は比較的極めて困難であり、配量性に制限があって開放容器中にのみ可能である。開放容器は、連続的な工業的プロセスにおいては望ましくない(衛生、操業安全性)。

0021

2.チョコレートマトリックス中での良好な微細均質混合が、懸濁物中での個別化された種結晶の存在に基づいて生じる。種結晶の粉末形での配量では、決まって既に流動相への接触に先立ちまたは接触と同時に粉末粒子の部分的凝集が生じる。

0022

3.明らかに小さい種結晶(約≦1〜10マイクロメーター)を、懸濁物中にその機械的および熱的応力により、一部はいわゆる二次核形成により製造できる。比較のために、冷間噴霧または冷間粉砕した脂肪粉末を用いると、たんに約20〜200マイクロメーターの最小脂肪粒度が達成できる。従って、剪断処理した種結晶懸濁物を用いると、明らかに低い種結晶材料の配量において製品体積(チョコレート)中に、粉末を用いるよりも高い種結晶数密度を達成することができる。

0023

それにより、後続トンネル式冷却装置中での冷却の際に製品の均質および迅速な固化が生じる。

0024

4.比較可能な予備結晶化性(利点1〜3に基づき)の調節のために、結晶粉末に比して種結晶懸濁物の使用の場合添加される結晶の全量を減少させたにも拘わらず、高い種結晶添加効率を達成することができる。これは、種結晶配量添加後の材料の加工粘度が種結晶懸濁物の場合には種結晶粉末の添加の際のように増加しないで、むしろさらに低下することができるという結果になる。これは、後続の加工工程(たとえば注型工程)にとり有利である。

0025

固化結晶化の場合、βVI結晶懸濁物を添加したチョコレート材料ないしはチョコレート類似材料中に、意外にも主要なβV結晶ならびに場合により非常に小量(<5%)のβIV結晶が製造される。それで、βVI種結晶を添加したチョコレート材料は、従来の良好に予備結晶化したチョコレート材料に比べて、一般に明らかにより高い溶融温度シフトした溶融温度スペクトルを示さない。α成分は観察されない。βV変態はβVI変態(種結晶)と同様に同じ結晶格子構造(三斜晶系の結晶格子)を有するので、βVI種結晶添加の記載された効果、つまり殆ど専らβV結晶の生成は、意外であるが物理的には完全に論理的である。

0026

従来の予備結晶化とβVI種結晶を用いた種結晶化と間の重要な相違は、予備結晶化プロセスからの可能な出口温度の点にある。一般に28〜31℃の温度でさらに加工される(注型、成形工程)従来の予備結晶化された材料では、≧約31.5〜32℃の温度において、十分に有効量の種結晶はもはや存在しない。βVI種結晶懸濁物を用いた種結晶化の場合には、34℃〜34.5℃の材料出口温度(ないしは種結晶添加温度)でさえ、結晶化の継続した進行を一定に連続させるために、なお十分な種結晶が得られる。

0027

従来の予備結晶化法で製造されるβV種結晶とは異なり、種結晶化の際に配量されるカカオバターβVI種結晶は、明らかにより高い温度にシフトした溶融温度範囲(約34℃〜39℃)を有するが、同じ結晶格子構造(三斜晶系の格子構造)を有する。βVI種結晶の溶融開始は約34℃である。従来、予備結晶化において製造された種結晶は、32.5℃で既に殆ど完全に溶融した。従って、従来の予備結晶化にとり通常、予備結晶化効率の予備結晶化装置での出口温度(たいてい約29℃〜31℃)への強い依存性が生じる。製造に通常の+/−0.5℃〜1℃の変動は、既に強い予備結晶化の差異を惹起しうる。約34℃までの温度範囲平均温度)内での種結晶添加による予備結晶化における同様の温度変動は、予備結晶化性に対して何の影響も示さない。

0028

他の有利な性質および作用は、本発明を一部図示して詳説している図面の次の記載から明らかである。

0029

図1および2は、高度に安定な脂肪種結晶を有する脂肪をベースとする種結晶懸濁物の製造方法およびその種結晶化における使用を概略的に記載する。

0030

図1は、出発種結晶として冷間噴霧した脂肪粉末の使用を考慮し、図2は脂肪粉末の使用なしの特別な本発明による方法の実施形を記載する。ここで、出発種結晶は剪断処理工程において脂肪溶融物中で直接に製造される。

0031

図3には、高度に安定な微細分散脂肪結晶を有する本発明による高濃度の種結晶懸濁物の製造装置が図示されている。

0032

符号1は、結晶懸濁物が約32℃〜33℃で用意される、カカオバター用貯蔵容器を表示する。図3において符号2は、50℃の温度で用意される、チョコレート材料を有する貯蔵容器を表示する。

0033

3ではスタティックミキサが図解されており、4は熱交換器を示す。

0034

符号5で配量ポンプが表示されており、6はチョコレート材料を給送することのできるプロセスポンプを示す。

0035

7では循環サーモスタットが図示されており、8はいわゆる剪断/伸張モジュールに関する。9で、導管として構成された懸濁物返送装置が表示されており、10で多段階の熱コンディショニング装置が表示されている。

0036

符号11は、当該脂肪材料が約−40℃〜0℃で冷間噴霧される冷間噴霧塔を表示する。

0037

カカオバターが50℃〜60℃で用意されるココアバタータンクは符号12で表示されている。

0038

13で三方コックが表示されており、14は回転モーメント測定装置に関する。符号15は剪断/伸張モジュール8用の制御ユニットに関する。

0039

図4は、剪断モジュール8中に組込まれた一緒に回転する組み込み部材を記載し、これは一方でテンパリング(冷却)された壁からの新たに形成した結晶の掻き取りを可能にし、他方では相応する本発明による成形の場合、図4に図示されたように、取り付け物図4、3)が伸張流の生成(流動方向加速される層流)を実現させる。伸張流は、殊に結晶ないしは結晶凝集物の微細分散の場合に有効である。

0040

図4〜6には、剪断モジュール8中へ組込まれて一緒に回転する、剪断/伸張エレメントとして構成された組み込みエレメント16、17、18および19が図示されていて、これらのエレメントは大体において翼形のように構成されおよび同じ側へ円錐形るかないしは先細になるように形成されている。殊に図4から気付くように、組み込みエレメント16および18はその尖るかないしは先細になる縁範囲20、21でドラムの内側シリンダ套面22に接していて、ドラム中にはモーターで駆動される軸体3が同心に配置されている。この軸体23に、直径の相対している側で2つの組み込みエレメント17および19が所属されていて、これらは原則的に組み込みエレメント16および18のように形成されている、従って同様に様の延長部図6)を有しおよびその尖るかないしは先細になる縁範囲24および25で容器23の外周面26に接している。

0041

こうして、組み込みエレメント16および18は、内側シリンダ套面に接し、それと共に内側シリンダ套面22および組み込みエレメント16および18の外側縁の間の間隙中の流れを加速することができ、組み込みエレメント17および19は外周面26に掻き取り式に接している。

0042

さらに図4から、組み込みエレメント16〜19はその都度軸受けエレメント27〜30を介して容器23と結合していることが認められる。軸受けエレメント27〜30は、同時にまたは個々に調節可能であり、その都度の位置にロック可能であってもよい。さらに、軸受けエレメント27〜30を、翼形の組み込みエレメント16〜19をその迎え角に関し調節するかまたは調整し、こうして縁範囲20、21ないしは24、25をその都度のシリンダ套面に関して空間的および/または必要な圧着圧位置決めおよびロックすることができるように構成することが可能である。この目的のために、軸受けエレメント27〜30にその都度図示されていないバネエレメントが所属されていてもよく、それで翼形の組み込みエレメントは場合によりバネ弾性的に所属するシリンダ套面に接する。このバネ弾性的に接するのは、水圧シリンダによって達成することもできる(図示されていない)。

0043

回転する組み込みエレメント16〜19は剪断エレメントとして構成されていて、軸体23と共に回転する。エレメント17および19は、テンパリング(冷却)された壁からの新たに形成した結晶の掻き取りを可能にする。エレメント16および18は、内側シリンダ套面22上の流動性材料を削りおとす。さらに図5から、組み込みエレメント16〜19を本発明により相応に造形する場合、一方で翼形組み込みエレメント16〜19および他方で所属するシリンダ套面26との間の狭くなる流入部横断面中に伸張流、それと共に加速された層流を実現できることが明らかである。このような伸張流は、殊に図5に概略的および切抜き式に示唆されているように、結晶ないしは結晶凝集体の微細分散の際に有効である。

0044

冷間噴霧塔11中での脂肪溶融物の冷間噴霧のために、噴霧される脂肪系の結晶化温度の10℃〜50℃下の温度を有する冷ガス気流が製造され、脂肪噴霧粒子は≦100〜200マイクロメーター(μm)の直径を有し、該粒子は続いて調温室として構成された多段の熱コンディショニング装置10中に移され、ここで2段階または多段階の熱コンディショニング装置中で制御された変態転移(βVI分量≧10〜50%の構成)が噴霧粉末粒子の団塊化なしに行われる。引き続き、コンディショニングされた粉末はテンパリングされた撹拌混合容器中で32℃〜32.5℃に過冷却された脂肪溶融物(ココアバター)中に懸濁されならびにこれに続いて噴霧粉末懸濁物は、好ましくは≦5mmの間隙幅を有する同心のシリンダ剪断間隙からなる、連続的に軸方向に流過する剪断モジュール8中で、剪断間隙外壁、つまり内側のシリンダ套面22の同時冷却下に、内側シリンダとして構成された容器23の回転により剪断間隙の軸方向流過速度の調節下に剪断され、剪断間隙からの結晶懸濁物の出口温度は剪断および熱排出による重畳する粘性エネルギー散逸に基づき32℃および34℃の間で0.5℃に正確に調節できおよび同時に結晶の100〜200μmの出発大きさから≦10マイクロメーター(μm)の直径への微細分散およびさらに剪断間隙中での滞留時間および壁温度に依存して流出する結晶懸濁物は5〜35%の結晶含有量に、回転する内側シリンダ23に伝達される回転モーメントにより調整および制御可能に、調節される。その後、種結晶懸濁物は機械的に慎重に作業する配量ポンプで32℃〜34℃にテンパリングされた製品流に連続的に配量され、この製品流中でスタティックミキサ3により慎重および均質に混入される。

0045

配量ポンプ5は、剪断モジュール8を通る軸方向の流過速度を、剪断間隙幅および配量材料の流れに応じて、製品流に0.01〜0.2%結晶分量を配量するために維持し、結晶懸濁物の剪断モジュール8を通る1回の直接流過後にこの懸濁物を製品流中に配量するかまたは剪断モジュール8中で数回処理された結晶懸濁物が再混合される撹拌容器からこの懸濁物を戻り製品流中へ配量することを確保する。

0046

剪断モジュール8用の制御/調整ユニットにより、内側シリンダとして構成された軸体23の回転数、外側シリンダの壁冷却温度とそのシリンダ套面22および配量ポンプ5の回転数により調節される、剪断モジュール8の反応室中での材料の流量ないしは滞留時間との調和が、しかも≦10〜20マイクロメーター(μm)の種結晶の大きさが調節できおよび懸濁物の出口温度がカカオバターの場合に+/−0.25℃の精度で32℃および34.5℃の間に調節することができるように行われる。

0047

種結晶添加すべき製品(チョコレート材料等)を製品流中に組込むべきスタティックミキサ3は、十分に大きい流過間隙を有し、該間隙中でチョコレート製品にとり重要な約0.1〜5Pasの粘度および設定された材料の流量において、純βVIカカオバター種結晶の場合34.5℃より大きい温度への製品の加熱を避けるために、局部的粘性エネルギー散逸を十分に小さくする。その際、95%の最小混合効率を保証するために、≧10〜12個の増加数のスタティックミキサを直列に接続することが可能である。

0048

図7には、本発明により壁掻き取りエレメントを、内側シリンダの楕円形形状により形成される“延展伸張ゾーン(Ausstreich−Dehnzonen)”と兼備する回転する内側シリンダの選択的形状大きさが図示されている。

0049

図8には、示差熱分析DSCにより記録される溶融温度スペクトルないしは溶融エンタルピスペクトルが、従来の結晶化法および種結晶化法を用いて予備結晶化の経過後の2つの予備結晶化されたチョコレート材料につき比較的に図示されている。図8に記録された溶融エンタルピスペクトルは、固化プロセス後に記録されている。従来の結晶化材料および種結晶化材料につき、主にβV結晶分量(約65〜75%)からなる脂肪結晶組織が明らかになる。34.5〜37℃の範囲内の小さいピークは、βVI種結晶の存在を示す。

0050

さらに、純種結晶懸濁物の溶融温度スペクトルは図9に記録されている。

0051

図10には、異なる温度で種結晶化されたチョコレート材料のいわゆる温度曲線が図示されている。この温度曲線は、予備結晶化プロセス後に取り出され、8℃で水浴中の試料小管中で冷却されるチョコレート材料試料中の結晶熱発生の経過を描写する。予備結晶化材料中に十分に種結晶が存在する限り、S字形の温度経過が成立する。34℃の出口温度に対し記録された、種結晶により予備結晶化されたチョコレート材料の調温(Temper)曲線は、相変わらず相応するS字形の温度経過を示す。

0052

図11は、従来の結晶化チョコレートの出口温度32℃で記録された調温曲線を、既に明らかに不足調温(結晶不足)の曲線経過と比較して示す。これは、種結晶がもはや十分に存在しないことを意味する。

0053

従来のチョコレート材料および種結晶添加および結晶化したチョコレート材料の品質特性の比較実験は、多数の異なる配合物において種結晶化材料の少なくとも同等の品質を示すが、しばしば種結晶化試料の改善されたファットブルーム安定性を示した。構造(破壊、耐裂性)において、種結晶化材料はしばしば従来技術により製造された材料に比べて軽度に増加した強度を有する。この強度増加は、大抵の場合同様に所望の改善として評価される。

0054

たんに遅延して結晶化する異種脂肪成分を有する特別な材料は、従来の調温装置では全くまたは不完全にしか予備結晶化することができない。これは、長いトンネル式冷却器ないしは低い冷却温度(表面の光沢に対し持続する不利な結果を有する)ないしはトンネル式冷却器中での長い滞留時間が必要であるという結果となる。これらの欠点は、種結晶化を用いて明らかに減少できる。

0055

種結晶化材料では、従来による結晶化材料に比べてその強く低下した粘度およびそれと共に同様に現れるプロセス出口温度でのその改善されたおよび長い加工性がとくに明らかになる(図12参照)。低下した粘度は、後続の加工の際にとくに有利である。相応に、減少した脂肪分およびそれにも拘わらず十分な流動性を有する配合物も、種結晶化方法を用いて製造できる。

0056

図13は、熱量測定曲線(溶融エンタルピスペクトル)につき、1段階の剪断モジュールの単独使用の場合でも、βVI結晶分の高割合(約50%;残りβV)を達成することができる(結晶分量は図示された曲線下方の面積相等する)。

0057

図14には、2つの調温ゾーンを有する2段階の剪断モジュールに対し、同様に溶融エンタルピスペクトルにつき、βVI結晶分量はこの剪断モジュール構成を用い回転数(I段階:900l/min、II段階:最適800l/min)、壁温度(段階I:10℃、段階II:30℃)および滞留時間(段階I:420秒、段階II:420秒)の最適調和の場合に約90%にまで増加させうることが示されている。

0058

図15は、2つの調温ゾーンおよび剪断ゾーンを有する2段階剪断モジュールの概略構造を示す。内側シリンダ範囲は、付加的に図4および7に記載された組み込み部材ないしは形状大きさを有して実施されていてもよい。

0059

図16には、特定の出口温度で定義された種結晶含有量を有する種結晶懸濁物を製造するための制御/調整の原理的構成が図示されている。種結晶含有量の把握は、間接的に剪断モジュール軸で測定された回転モーメントにより行われる。この回転モーメントは、懸濁物の結晶含有量および出現する粘度増加で同様に増加する。結晶含有量の増加は、壁温度の低下および延長した滞留時間により(=減少した材料の流れ)により達成することができる。回転数増加は、結晶形成動力学を最適回転数になるまで加速する。別の回転数増加は、増強されたエネルギー散逸に基づき温度上昇およびそれと同時に出現する結晶の部分的溶融を惹起する。それで、最適回転数は壁温度に依存する。種結晶の大きさは、記載した最適条件図13、14参照)の場合、約≦10マイクロメーターに調節される。量:壁温度、回転数および滞留時間(ないしは材料の流れ)と目標/調整量:出口温度および結晶含有量との複雑な関係は、集積実験データから、近似式を用い、制御/調整アルゴリズムとして補充される近似の関係の形で記載することができる。エレガントな方法は、記述した量の間の非線形関係も“学習”および記述させるニューロンネットワークプログラムの使用である。次いで、“学習”したパターンに従い制御/調整が実現される。

0060

図17は、種結晶懸濁物中の約5%および22%の間の製造された調節可能な結晶含有量を回転数の関数として示す(ここでは、壁掻き取り組み込み部材を備え、次の調節量を有する2段階の剪断モジュールの使用下:段階I:n=900rpm、冷却水温度=10℃、段階II:回転数は変えた、冷却水温度=30℃(滞留時間図17参照)。

図面の簡単な説明

0061

要約、特許請求の範囲および明細書に記載されならびに図面から明白な特徴は、個別的にならびに任意の組合わせで本発明の実現のために重要でありうる。

図1
高度に安定な脂肪種結晶を有する脂肪をベースとする種結晶懸濁物の製造方法および冷間噴霧した脂肪粉末の使用下での種結晶化におけるその使用を示す図
図2
高度に安定な脂肪種結晶を有する脂肪をベースとする種結晶懸濁物の製造方法および脂肪粉末の使用なしの種結晶化におけるその使用を示す図
図3
種結晶懸濁物の製造装置ならびに種結晶化における該懸濁物の配量および混入を示す図
図4
改善された結晶微細分散のための剪断/伸張モジュール中への組み込み部材の断面図
図5
図4からの組み込み部材を拡大尺度で、一部切断して示す図
図6
図4からの組み込み部材を切断しおよび拡大尺度で示す同様の断面図
図7
交互に展延/伸張過程および壁掻き落し工程を達成するための回転軸および壁掻き取りナイフ組み込み部材の形状を示す断面図
図8
示差熱分析を用いる種結晶化されたチョコレートおよび従来の予備結晶化されたチョコレートの比較実験を示す熱流束/温度曲線図
図9
純種結晶懸濁物の溶融温度スペクトルを示す熱流束/温度曲線図
図10
異なる温度での種結晶化されたチョコレート材料の調温/時間曲線
図11
従来の異なる温度での予備結晶化されたチョコレートの調温/時間曲線図
図12
種結晶化された材料の粘度/時間曲線図
図13
1段階だけの剪断/伸張モジュール中で冷間噴霧カカオバター粉末の使用なしに製造した種結晶懸濁物の溶融温度スペクトルを示す熱流束/温度曲線図
図14
2段階の剪断/伸張モジュール中で冷間噴霧カカオバター粉末の使用なしに製造した種結晶懸濁物の溶融温度スペクトルを示す熱流束/温度曲線図
図15
2段階の剪断/伸張モジュールの原理を示す図
図16
出口温度および種結晶含有量を調節するための制御/調整装置の構成の説明図
図17
種結晶懸濁物中で製造された5%〜22%の間の結晶含有量/回転数曲線図
【符号の説明】
1   カカオバター結晶懸濁物(32℃から33℃)を有する貯蔵容器
2   チョコレート材料(50℃)を有する貯蔵容器
3   スタティックミキサ
4   熱交換器
5   配量ポンプ
6   プロセスポンプ
7   循環サーモスタット
8   剪断/伸張モジュール、剪断/伸張流モジュール
9   懸濁物の返送管
10  熱コンディショニング装置、多段階
11  冷間噴霧塔(−40℃〜0℃)
12  カカオバタータンク(50℃〜60℃)
13  三方コック
14  回転モーメント測定装置
15  剪断モジュール8の制御ユニット
16  剪断エレメントとしての組み込みエレメント、翼形
17  同上
18  同上
19  同上
20  縁範囲、先細
21  同上
22  シリンダ套面、内側
23  容器、モーター駆動の軸体
24  縁範囲、先細
25  同上
26  容器23の外周面
27  軸受けエレメント
28  同上
29  同上
30  同上
M   モーター
SK1 剪断/伸張モジュール1
SK2 剪断/伸張モジュール2
t   時間(分)
rpm 回転数毎
℃   摂氏度
Ra  シリンダ套面の半径
RiII  内側シリンダ半径(剪断モジュール段階II)
RiI  内側シリンダ半径(剪断モジュール段階I)
βV   溶融範囲約28℃〜32℃を有する結晶変態形
βVI   溶融範囲約34℃〜39℃を有する結晶変態形
Pas  パスカル・秒=動的粘度の尺度
mJ/(smg)  熱流束(ミリジュール毎秒ミリグラム

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