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技術 高分子電解質膜およびその製造法

出願人 宇部興産株式会社
発明者 平野徹治木内政行
出願日 2003年6月6日 (17年8ヶ月経過) 出願番号 2003-162092
公開日 2004年12月24日 (16年1ヶ月経過) 公開番号 2004-363028
状態 特許登録済
技術分野 多孔性物品の製造および廃物の回収・処理 導電材料 電線ケーブルの製造(1) 燃料電池(本体)
主要キーワード ポリベンズイミダゾ 多孔基材 ステンレス網 ホルムアルデヒド化合物 凝固溶媒 耐酸化劣化性 全仕込み量 ミリ等量
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2004年12月24日)のものです。
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課題

容易に製造することのできる耐熱性のある芳香族高分子からなる多孔基材高分子電解質充填された高分子電解質膜およびその製造法を提供する。

解決手段

ガラス転位温度を100℃より低い温度に持たない多孔基材に、スルホン酸基またはその塩を有するフェノル樹脂が充填されたことを特徴とする高分子電解質膜、(1)フェノ−ル類および/またはその誘導体、(2)亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩、(3)ホルムアルデヒド水溶液および/またはホルマ−ル、パラホルムアルデヒドなどのホルムアルデヒド化合物必要ならば(4)水を混合後、反応して得られる溶液を多孔基材に充填後、高分子電解質を加熱し、硬化することを特徴とする高分子電解質膜の製造法。

概要

背景

固体高分子型燃料電池用イオン交換膜として、パ−フロロスルホン酸膜や炭化水素系高分子電解質膜が多く検討されている。しかし、耐熱性燃料バリア性力学的強度、価格、環境などの点から、まだ多くの問題を有している。
高分子電解質膜の耐熱性や強度を高め、また、燃料透過性を調節する方法として、多孔基材高分子電解質充填する方法は有用である。

概要

容易に製造することのできる耐熱性のある芳香族高分子からなる多孔基材に高分子電解質が充填された高分子電解質膜およびその製造法を提供する。ガラス転位温度を100℃より低い温度に持たない多孔基材に、スルホン酸基またはその塩を有するフェノル樹脂が充填されたことを特徴とする高分子電解質膜、(1)フェノ−ル類および/またはその誘導体、(2)亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩、(3)ホルムアルデヒド水溶液および/またはホルマ−ル、パラホルムアルデヒドなどのホルムアルデヒド化合物必要ならば(4)水を混合後、反応して得られる溶液を多孔基材に充填後、高分子電解質を加熱し、硬化することを特徴とする高分子電解質膜の製造法。 なし

目的

本発明の目的は、容易に製造することのできる耐熱性のある芳香族高分子からなる多孔基材に高分子電解質が充填された高分子電解質膜およびその製造法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

ガラス転位温度を100℃より低い温度に持たない多孔基材に、スルホン酸基またはその塩を有するフェノル樹脂充填されたことを特徴とする高分子電解質膜

請求項2

スルホン酸基またはその塩を有するフェノ−ル樹脂が、下記の化学式(1)[ここで、R1は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示し、Xは、水素原子またはアルカリ金属を示す。]からなる構造を含有するスルホン酸基またはその塩を有するフェノ−ル樹脂である請求項1に記載の高分子電解質膜。

請求項3

ガラス転位温度を100℃より低い温度に持たない多孔基材が、芳香環を有する炭化水素系高分子である請求項1あるいは2に記載の高分子電解質膜。

請求項4

ガラス転位温度を100℃より低い温度に持たない多孔基材が、芳香族ポリイミドである請求項1〜3のいずれかに記載の高分子電解質膜。

請求項5

ガラス転位温度を100℃より低い温度に持たない多孔基材が、芳香族ポリエ−テルである請求項1〜4のいずれかに記載の高分子電解質膜。

請求項6

(1)フェノ−ル類および/またはその誘導体、(2)亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩、(3)ホルムアルデヒド水溶液および/またはホルマ−ル、パラホルムアルデヒドなどのホルムアルデヒド化合物必要ならば(4)水を混合後、反応して得られる溶液を多孔基材に充填後、高分子電解質を加熱し、硬化することを特徴とする高分子電解質膜の製造法

請求項7

スルホン酸基またはその塩を有するフェノ−ル樹脂のプレポリマ−溶液の粘度が200ポイズ以下である請求項6に記載の高分子電解質膜の製造法。

技術分野

0001

本発明は、スルホン酸、および/または、そのアルカリ金属塩を有するフェノル樹脂多孔基材充填された高分子電解質膜に関するものであり、さらに詳しくは、燃料電池、2次電池キャパシタイオン交換膜分離膜などの用途に好適な高分子電解質膜に関するものである。

0002

固体高分子型燃料電池用イオン交換膜として、パ−フロロスルホン酸膜や炭化水素系高分子電解質膜が多く検討されている。しかし、耐熱性燃料バリア性力学的強度、価格、環境などの点から、まだ多くの問題を有している。
高分子電解質膜の耐熱性や強度を高め、また、燃料透過性を調節する方法として、多孔基材に高分子電解質を充填する方法は有用である。

0003

例えば、オレフィン多孔基材に高分子電解質が充填されたもの(特許文献1)や、フッ素系多孔基材に高分子電解質が充填されたものが知られている(特許文献2、特許文献3)。しかし、これらの多孔基材は、耐熱性や燃料透過性が不十分であり、フッ素系多孔基材では、その製造時あるいは廃棄時に環境負荷が大きい問題もある。耐熱性炭化水素系高分子からなる多孔基材を用いた高分子電解質膜として、例えば、芳香族ポリアミド系多孔基材にパ−フルオロスルホン酸系電解質を充填したものが知られている(特許文献4)が、フッ素系電解質の使用は、前述したように価格や環境などに問題がある。

0004

また、芳香族ポリイミド系多孔基材に、主にビニルポリマ電解質を充填したものが知られている(特許文献5)が、ビニル系ポリマ−電解質は、耐熱性、耐酸化劣化性が低い問題がある。また種々の多孔膜スルホン化されたポリマ−を充填したものが知られている(特許文献6、特許文献7)。しかし、浸透させる高分子電解質溶液はその溶液の粘度が高い、耐熱性高分子多孔基材との親和性が乏しいなどの原因により、簡単に耐熱性高分子多孔基材に高分子電解質を充填することができないという問題があった。また、これらの耐熱性炭化水素行高分子からなる多孔基材に高分子電解質を充填した高分子電解質膜を記載した特許では、充填される高分子電解質として、スルホン化フェノ−ル樹脂についてなんら言及されていない。

0005

【特許文献1】
特開平1−22932号公報
【特許文献2】
特開平6−29032号公報
【特許文献3】
特開平9−194609号公報
【特許文献4】
特開2002−358979号公報
【特許文献5】
特開2002−083612号公報
【特許文献6】
特表2001−514431号公報
【特許文献7】
米国特許第6248469号明細書

背景技術

0006

【本発明が解決しようとする問題】
本発明の目的は、容易に製造することのできる耐熱性のある芳香族高分子からなる多孔基材に高分子電解質が充填された高分子電解質膜およびその製造法を提供することを目的とする。

0007

上記の課題に対し、スルホン酸基あるいはその塩を有するフェノ−ル樹脂が炭化水素系芳香族高分子に非常に馴染みが良く、容易に充填可能なことを見い出した。
従って、本発明は、ガラス転位温度を100℃より低い温度に持たない多孔基材に、スルホン酸基またはその塩を有するフェノ−ル樹脂が充填されたことを特徴とする高分子電解質膜に関する。

課題を解決するための手段

0008

また、本発明は、(1)フェノ−ル類および/またはその誘導体、(2)亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩、(3)ホルムアルデヒド水溶液および/またはホルマ−ル、パラホルムアルデヒドなどのホルムアルデヒド化合物必要ならば(4)水を混合後、反応して得られる溶液を多孔基材に充填後、高分子電解質を加熱し、硬化することを特徴とする高分子電解質膜の製造法に関する。

0009

以下にこの発明の好ましい態様を列記する。
1)スルホン酸基またはその塩を有するフェノ−ル樹脂が、下記の化学式(1)

0010

【化2】

0011

[ここで、R1は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示し、R2はなしあるいはCH2を、Xは水素原子またはアルカリ金属を示す。]
からなる構造を含有するスルホン酸基またはその塩を有するフェノ−ル樹脂である上記の高分子電解質膜。

0012

2)ガラス転位温度を100℃より低い温度に持たない多孔基材が、芳香環を有する炭化水素系高分子である上記の高分子電解質膜。
3)ガラス転位温度を100℃より低い温度に持たない多孔基材が、芳香族ポリイミドである上記の高分子電解質膜。
4)ガラス転位温度を100℃より低い温度に持たない多孔基材が、芳香族ポリエ−テルである上記の高分子電解質膜。
5)スルホン酸基またはその塩を有するフェノ−ル樹脂のプレポリマ−溶液の粘度が200ポイズ以下である上記の高分子電解質膜の製造法。

0013

本発明においては、多孔基材として、ガラス転移温度を100℃より低い温度に持たない、好適には110℃より低い温度に持たない耐熱性高分子からなる高分子微多孔質膜を使用する。高分子微多孔質膜を構成する高分子融点が高くても、ガラス転移温度が低いと高温使用時機械的強度が劣る恐れがある。本発明においては、高温使用時の耐熱性、線膨張係数が小さいことによる多孔質構造保持性の観点から前記の耐熱性高分子からなる高分子微多孔質膜を選択する。

0014

そのような高分子微多孔質膜としては、ポリイミドポリエ−テルイミドポリスルホン、ポリエ−テルスルホン、ポリスルホン、ポリアリ−ルエ−テルスルホン、ポリフェニレンオキシドポリフェニレンスルフィド、ポリエ−テルケトン、ポリエ−テルエ−テルケトン、ポリベンズイミダゾ−ル、ポリキノキサリンポリフェニルキノキサリンなどの芳香族高分子微多孔質膜を好ましく挙げることができる。
特に、ポリイミド、ポリエ−テルイミド、ポリスルホン、ポリエ−テルスルホン、ポリエ−テルケトン、ポリエ−テルエ−テルケトン、ポリアリ−ルエ−テルスルホンが、充填のされやすさ、耐熱性、入手のしやすさの点から好ましい。

0015

上記多孔基材の厚みは、0.1〜500μmであり、好ましくは、1〜400μm、さらに好ましくは、3〜300μmである。厚みが、0.1μm以下となると、膜の強度が低くなることから好ましくなく、また、500μmより厚くなるとイオン伝導抵抗が大きくなり好ましくない。

0016

多孔基材全体の体積から、高分子の占める体積を減じたものを多孔基材全体の体積で除した百分率である多孔基材の空隙率は、10〜95%、好ましくは、15〜90%、さらに好ましくは20〜85%である。空孔率が10%より小さいと、高分子電解質膜とした時のイオン伝導度が低くなり好ましくなく、一方、空孔率が95%より高いと高分子電解質膜の強度が低くなり好ましくない。

0017

本発明に用いられる多孔基材の平均孔径は、好ましくは、0.01〜50μmであり、さらに好ましくは、0.05〜10μmである。平均孔径が小さすぎるとスルホン酸基またはその塩を有するフェノ−ル樹脂の充填が困難となり、大きすぎると多孔基材の機械的強度が低下したり、スルホン酸基またはその塩を有するフェノ−ル樹脂を安定に保持できなくなるので好ましくない。また、ガ−レイ値は、10〜1000sec/100ccの膜が好適に使用できる。

0018

本発明に用いられる高分子微多孔質膜は、溶媒流延法、押出法溶融法延伸法などの公知の方法で製造することができ、市販のものを用いてもよい。
例えば、芳香族ポリエ−テルスルホン微多孔質膜は、一般的な溶媒流延法により製造される。芳香族ポリエ−テルスルホンを水と混和する溶媒所定濃度に溶解し、ガラス板状に流延、これを水中に浸漬してポリマ−を析出させ、乾燥することによって芳香族ポリエ−テルスルホン微多孔質膜を得ることができる。また、市販のものを入手して用いることもできる。芳香族ポリエ−テルスルホンは、公知の方法で合成でき、市販のものを入手して用いることもできる。

0019

また、両面に貫通した細孔を有するポリイミド微多孔質膜は、例えば特開平11−310658、特開2000−306568に開示されている。すなわち、ポリイミド前駆体0.3〜60重量%と溶媒99.7〜40重量%からなる溶液を調製し、前記溶液をフィルム状に流延した後、溶媒の置換速度を調整するために、ポリオレフィン等の微多孔質膜で表面を覆い、凝固溶媒に接触させることによってポリイミド前駆体を析出、微多孔質化させる。その後、該ポリイミド前駆体微多孔質膜を熱処理或いは化学処理することでイミド化することにより該ポリイミド微多孔質膜を得ることができる。

0020

本発明で用いられるスルホン酸基またはその塩を有するフェノ−ル樹脂は、化学式(2)

0021

【化3】

0022

[ここで、R1は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示し、Xは、水素原子またはアルカリ金属を示す。]
もしくは、化学式(1)

0023

【化4】
[ここで、R1は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示し、Xは、水素原子またはアルカリ金属を示す。]
で表される構造を有するものである。このようなスルホン酸基またはその塩を有するフェノ−ル樹脂は、すでに公知であり、例えば、具体的な構造が、例えば、山新一、「プラスチック材料講座15 フェノ−ル樹脂」、日刊工業新聞社、東京、78頁図(1970)などに記載されている。

0024

また、その合成法は、化学式(1)の構造を有するものならば、例えば、特公昭33−9490号公報に記載されており、化学式(2)の構造を有するものならば、例えば、米国特許2204539号明細書に記載されている。本発明においては、高分子電解質膜の容易さ、およびスルホン酸基またはその塩の安定性から、前記の化学式(1)で表される構造を有するものが好ましい。

0025

本発明において、前記の化学式(1)の構造を有するスルホン酸基またはその塩を有するフェノ−ル樹脂は、例えば、(1)フェノ−ル、クレゾ−ル、アニソ−ル、エトキシベンゼンブトキシベンゼンなどのフェノ−ル化合物および/またはその誘導体、(2)亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩、(3)ホルムアルデヒド水溶液および/またはホルマ−ル、パラホルムアルデヒドなどのホルムアルデヒド化合物とを原料として、必要ならば水を添加して、反応させることによって合成することができる。

0026

本発明において、スルホン酸基またはその塩を有するフェノ−ル樹脂の原料を混合しただけでは、その溶液は、固形成分の存在するスラリ−状である。したがって、多孔基材に充填するためには、充填する温度で均一溶液状態となる幾分反応が進行したプレポリマ−溶液を調整し、そのプレポリマ−溶液を充填する必要がある。このことから、高分子電解質膜は、(1)スルホン酸基またはその塩を有するフェノ−ル樹脂のプレポリマ−溶液を調整し、(2)その溶液を多孔基材に充填後、(3)スルホン酸基またはその塩を有するフェノ−ル樹脂のプレポリマ−を硬化させることによって、製造することができる。

0027

スルホン酸基またはその塩を有するフェノ−ル樹脂のプレポリマ−溶液は、上記原料を、所定の割合で、混合、加熱することによって、調整される。この時、フェノ−ル化合物および/またはその誘導体1モルに対して、ホルムアルデヒド水溶液および/またはホルマ−ル、パラホルムアルデヒドなどのホルムアルデヒド化合物は、1.5〜10モル、より好ましくは、1.5〜7モル用いることが好ましい。1.5モルより少ないと、硬化反応が不十分となり、一方、10モルより多くなると副反応や未反応のホルムアルデヒドが多くなり好ましくない。また、亜硫酸塩および/または亜硫酸水素塩は、フェノ−ル化合物またはその誘導体1モルに対して、0.2〜2モル、より好ましくは、0.3〜1.5モル用いることが好ましい。0.2モルより少ない、あるいは2モルより多くなると硬化反応が不十分となり好ましくない。

0028

本発明において、前記のフェノ−ル樹脂のプレポリマ−溶液は、必要ならば、水が添加され、50〜100℃で、1分〜24時間加熱することによって、調整される。このとき、フェノ−ル樹脂のプレポリマ−溶液の粘度は、多孔基材に充填する温度において、200ポイズ以下であることが好ましい。プレポリマ−溶液の粘度が200ポイズより高いと、多孔基材に充填することが困難となることから好ましくない。添加する水の量は、ホルムアルデヒド水溶液の水分と合わせて全仕込み量の5〜60重量%、より好ましくは、10〜50重量%となるように添加することが好ましい。系中の水分量が5重量%より少ないとプレポリマ−溶液が均一にならない可能性があることから好ましくなく、また、60重量%より多いと、多孔基材に充填後の硬化時に、発泡する可能性があることから好ましくない。

0029

本発明において、スルホン酸基またはその塩を有するフェノ−ル樹脂の多孔基材への充填は、公知の方法を用いることができ、例えば、(1)プレポリマ−溶液に、多孔基材を浸漬する、(2)多孔基材上にプレポリマ−溶液を塗布する、(3)多孔基材上にプレポリマ−溶液を塗布し、反対面から減圧するなどの方法により達成することができる。

0030

プレポリマ−溶液充填後、60〜200℃、好ましくは65〜190℃、さらに好ましくは、70〜180℃で、1分〜72時間、好ましくは、2分〜48時間、加熱することにより、スルホン酸基またはその塩を有するフェノ−ル樹脂を硬化させることにより、本発明の高分子電解質膜を製造することができる。このとき、ステンレスなどの金属板、ガラス板、ポリプロピレンポリエチレン、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−ト、ポリイミド、ポリアミド、芳香族ポリエ−テル、ポリフッ化エチレンなどのフッ素系樹脂などの樹脂フィルムによって、プレポリマ−溶液の充填された多孔基材の片面を支持してもよく、また、保護の目的で両面に張り合わせても良い。実際の使用時には、これらの支持体または保護体剥離して用いる。

0031

本発明では、上記の方法によるスルホン酸基またはその塩を有するフェノ−ル樹脂の多孔基材への充填後、あるいは硬化後、必要ならば、再度、片面または両面にプレポリマ−溶液を塗布し、硬化させても良い。この時、充填されるプレポリマ−溶液と後から塗布されるプレポリマ−溶液は、同一でもよく、異なっていても良い。
また、必要ならば、高分子電解質膜にパ−フルオロスルホン酸ポリマ−、スルホン化ポリイミドアルコキシスルホン化ポリイミド、スルホン化芳香族ポリエ−テル、アルキルスルホン化芳香族ポリエ−テル、スルホン化ポリベンゾイミダゾ−ル、スルホン化ポリベンゾオキサゾ−ル、スルホン化ポリフェニレンオキシド、スルホン化ポリフェニレンスルフィドスルホン化ポリスチレンなどのスルホン酸基を有するポリマ−溶液を塗布(あるいは含浸)、乾燥して用いてもよい。

0032

本発明では、上記により得られた高分子電解質膜のスルホン酸基が、塩の状態の場合、高分子電解質膜を塩酸硫酸硝酸水溶液などの酸性水溶液に浸漬することにより、容易にスルホン酸基に変換することができる。

0033

【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明を、より具体的に説明する。なお、実施例および実施例における各測定は以下のように行った。
<ガラス転位温度>
−150℃〜450℃の範囲について、歪み0.1%、周波数5Hzで、レオメトリックス社製RSA−IIにより測定。
により測定した。
<イオン伝導度>
恒温恒湿機中で、2mmの間隔で白金線が取り付けられ、その間にスリットを設けてあるポリフッ化エチレンン板と、通常のポリフッ化エチレンン板の間に5mm幅の高分子電解質膜を挟み、50℃、90%RHで、日置電機(株)製3532 LCRハイテスタを用いて、複素インピダンス測定によりイオン伝導度を求めた。

0034

イオン交換容量>
試料を0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液に、60℃で3時間浸漬後、その水酸化ナトリウム水溶液を、0.05Nの塩酸で滴定し、試料浸漬により消費された水酸化ナトリウム量を求めることにより、イオン交換容量を求めた。
<粘度>
プレポリマ−溶液1.1ml(比較例1では、0.4ml)を用いて、東京計器製E型粘度計で、所定温度で測定した。なお、加熱は、カップ部に所定温度の水を流すことにより行った。
充填率および空孔率>
実施例および比較例で用いたポリイミド多孔基材の空孔率S1はポリイミドの密度ρ1(1.34g/cm3)を用いて、次式により求めた。

0035

【式1】
[ここで、Vはポリイミド多孔基材の面積と厚みから求めた体積であり、W1は質量である。]

0036

充填率S2は充填前の多孔基材の質量W1と、充填、硬化後の質量W2とから、次式により求めた。
【式2】

0037

[ここで、ρ2はフェノ−ル樹脂の密度である。なお、以下の計算では、実施例1のフェノ−ルプレポリマ−溶液を微多孔膜に充填せずに、ガラス板に挟んで、実施例1の条件で硬化したものの密度(1.27g/cm3)を用いた。]

0038

合成例1(ポリイミド多孔基材の合成)
攪拌器窒素導入管排気管を備えた四つ口セパラブルフラスコ中に溶媒としてN,N−ジメチルアセトアミドジアミン成分として4,4’−ジアミノジフェニルエ−テルを、窒素雰囲気下、40℃にて攪拌、溶解させた。次いで、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物をジアミン成分に対して等モルまで順次数段階に分けて添加し、40℃で約12hr攪拌反応させることで、固形成分の重量比が9.1重量%の粘稠ポリアミック酸溶液を得た。この溶液を、鏡面研磨したSUS板上に流延し、その後、溶媒の置換速度を調整するために、ポリオレフィン製微多孔質膜(宇部興産社製;UP−3025)で表面を覆い、該積層物メタノ−ル中に、続けて水中に浸漬することでポリアミック酸微多孔質膜を得た。この膜の周囲をピンテンタ−で固定した後、大気中にて320℃で熱処理を行うことで、次の特性を持つポリイミド微多孔質膜PI−1を得た。

0039

Tg 275℃
平均孔径0.18μm
空孔率40%
ガ−レイ値110sec/100cc
膜厚29μm

0040

実施例1
フェノ−ル5g(0.05モル)、パラホルムアルデヒド4.85g(0.16モル)、亜硫酸ナトリウム1g(0.01モル)、亜硫酸水素ナトリウム0.75g(0.01モル)、水5gを、窒素気流下、85℃で5分間、加熱、撹拌した。得られた淡黄色の均一溶液を、室温まで冷却した。冷却後も、プレポリマ−溶液は、均一溶液の状態であった。また、その粘度は、室温で、45センチポイズであった。

0041

合成例1で得たポリイミド多孔基材を、室温でプレポリマ−溶液に10秒間浸漬し、プレポリマ−溶液を充填した。プレポリマ−溶液を充填したポリイミド多孔基材を、ガラス板で挟み、90℃、15時間加熱した。冷却後、ガラス板間から試料を取り出したところ、ポリイミド多孔基材を充填してフェノ−ル樹脂は硬化していた。40℃、16時間真空乾燥後、この膜の厚みは30μmであり、また、充填率は85容積%であった。なお、プレポリマ−溶液には、水分(仕込み時、30質量%)が存在することを考慮すると、プレポリマ−溶液はポリイミド基材空孔をほぼ完全に充填していると考えられる。
得られた膜を、1Nの硫酸水溶液に、室温で5時間浸漬後、洗浄液中性になるまで水洗した。この膜のイオン交換容量は、1.2ミリ等量/gであった。また、イオン伝導度は、1ミリS/cmであった。

0042

実施例2
実施例1を繰り返して再現性をみたところ、ほぼ同一の結果を得ることができた。

0043

実施例3
実施例1で調整したプレポリマ−溶液を、室温でポリイミド多孔基材上に塗布し、プレポリマ−溶液を充填した。プレポリマ−溶液を充填したポリイミド多孔基材を、ガラス板で挟み、90℃、15時間加熱した。冷却後、ガラス板間から試料を取り出したところ、ポリイミド多孔基材を充填してフェノ−ル樹脂は硬化していた。この充填率は84容積%であった。プレポリマ−溶液はポリイミド基材の空孔をほぼ完全に充填していると考えられる。
また、イオン伝導度は、実施例1とほぼ同等である。

0044

実施例4
プレポリマ−の調整時間を10分間とした以外は、実施例1と同様にしてプレポリマ−溶液を調整した。得られた液は、黄色均一溶液で、その粘度は、室温で50センチポイズであった。
ポリイミド多孔基材をステンレス網上に置き、室温でプレポリマ−溶液を塗布後、下部から減圧した。プレポリマ−溶液がポリイミド多孔基材を透過することが観察された。このようにしてプレポリマ−溶液を充填したポリイミド多孔基材を、ガラス板で挟み、90℃、15時間加熱した。得られた高分子電解質膜は、ポリイミド多孔基材を充填してフェノ−ル樹脂が硬化したものであった。この充填率は87容積%であった。プレポリマ−溶液はポリイミド基材の空孔をほぼ完全に充填していると考えられる。
また、イオン伝導度は、実施例1とほぼ同等である。

0045

実施例5
添加した水を3.15g、反応温度を76℃、反応時間を15分とした以外は、実施例1と同様にしてプレポリマ−溶液を調整した。得られた液は、70℃で黄色均一溶液で、その粘度は、70℃で2ポイズであった。
ポリイミド多孔基材を、70℃でプレポリマ−溶液に浸漬し、プレポリマ−溶液を充填した。プレポリマ−溶液を充填したポリイミド多孔基材を、ガラス板で挟み、90℃、15時間加熱した。冷却後、ガラス板間から試料を取り出したところ、ポリイミド多孔基材を充填してフェノ−ル樹脂は硬化していた。この充填率は85容積%であった。
また、イオン伝導度は、実施例1とほぼ同等である。

0046

実施例6
フェノ−ル5g(0.05モル)、パラホルムアルデヒド9.7g(0.33モル)、亜硫酸ナトリウム2g(0.02モル)、亜硫酸水素ナトリウム1.5g(0.01モル)、水6.3gを、窒素気流下、85℃で5分間、加熱、撹拌した。得られた黄色の均一溶液を、室温まで冷却した。冷却後も、プレポリマ−溶液は、均一溶液の状態であった。また、その粘度は、室温で、47センチポイズであった。
ポリイミド多孔基材を、室温でプレポリマ−溶液に浸漬し、プレポリマ−溶液を充填した。プレポリマ−溶液を充填したポリイミド多孔基材を、ガラス板で挟み、100℃、5時間加熱した。冷却後、ガラス板間から試料を取り出したところ、ポリイミド多孔基材を充填してフェノ−ル樹脂は硬化していた。この充填率は83容積%であった。
また、イオン伝導度は、実施例1とほぼ同等である。

0047

比較例1〜3
加熱時間を90分とした以外は、実施例5と同様にしてプレポリマ−溶液を調整した。得られた溶液は、色であり、また、70℃での粘度は、300ポイズであった。
ポリイミド多孔基材を、70℃でプレポリマ−溶液に浸漬したが、ポリイミド多孔基材に、プレポリマ−溶液は充填することはできなかった。
また、実施例3と同様な方法で充填を試みた(プレポリマ−溶液の温度:70℃)が、プレポリマ−溶液は、ポリイミド多孔基材を透過することなく、充填することはできなかった。

発明を実施するための最良の形態

0048

実施例7
実施例1と同様にして得られた高分子電解質膜を、ナフィオン溶液アルドリッチ社製、5質量%、アルコ−ル類/水溶液)に浸漬後、取出し、乾燥した。乾燥後の厚みは31μmであった。イオン伝導度は実施例1と同等であった。

発明の効果

0049

この発明によれば、高分子電解質が耐熱性のある芳香族高分子からなる多孔基材に簡単な操作で高い充填率で充填したイオン伝導度を有する高分子電解質膜を得ることができる。
また、この発明の方法によれば、耐熱性のある芳香族高分子からなる多孔基材に高分子電解質が充填された均一な性能の高分子電解質膜を再現性良く製造することができる。

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