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技術 義歯安定剤

出願人 小林製薬株式会社
発明者 吉川秀一松尾篤士
出願日 2003年4月1日 (17年7ヶ月経過) 出願番号 2003-098639
公開日 2004年12月16日 (15年11ヶ月経過) 公開番号 2004-350694
状態 特許登録済
技術分野 歯科補綴 歯科用製剤
主要キーワード 本タンク B型粘度計 ペーストタイプ プラスチックパウダー 性能試験結果 水不溶性粉体 クッション効果 咀嚼力
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2004年12月16日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

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課題

義歯床の裏面から全体を容易に剥すことができるように、剥離性を向上させた義歯安定剤を提供する。

解決手段

この発明の義歯安定剤は、酢酸ビニル樹脂として平均重合度200〜500の低重合度酢酸ビニル樹脂、平均重合度1000〜2000の中重合度酢酸ビニル樹脂および平均重合度4000〜7000の高重合度酢酸ビニル樹脂を主成分として含み、さらに、アクリル酸低級アルキルメタアクリル酸低級アルキルとメタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチルとを構成成分とする三元共重合体を含むものである。酢酸ビニル樹脂の配合量は好ましくは30〜80重量%である。酢酸ビニル樹脂として低重合度酢酸ビニル樹脂、中重合度酢酸ビニル樹脂、高重合度酢酸ビニル樹脂のそれぞれの配合割合は、好ましくは300〜600:300〜600:1〜8である。

概要

背景

義歯安定剤として、従来、平均重合度200〜500の低重合度酢酸ビニル樹脂、平均重合度1000〜2000の中重合度酢酸ビニル樹脂および平均重合度5000〜7000の高重合度酢酸ビニル樹脂を、それぞれ所定の配合量で配合してなるもの(特許文献1参照)や、アクリル酸低級アルキルメタアクリル酸低級アルキルとメタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチルとを構成成分とする三元共重合体ベースとしたもの(特許文献2参照)が提案されている。

概要

義歯床の裏面から全体を容易に剥すことができるように、剥離性を向上させた義歯安定剤を提供する。この発明の義歯安定剤は、酢酸ビニル樹脂として平均重合度200〜500の低重合度酢酸ビニル樹脂、平均重合度1000〜2000の中重合度酢酸ビニル樹脂および平均重合度4000〜7000の高重合度酢酸ビニル樹脂を主成分として含み、さらに、アクリル酸低級アルキルとメタアクリル酸低級アルキルとメタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチルとを構成成分とする三元共重合体を含むものである。酢酸ビニル樹脂の配合量は好ましくは30〜80重量%である。酢酸ビニル樹脂として低重合度酢酸ビニル樹脂、中重合度酢酸ビニル樹脂、高重合度酢酸ビニル樹脂のそれぞれの配合割合は、好ましくは300〜600:300〜600:1〜8である。 なし

目的

この発明は、上述のような実状に鑑み、義歯床の裏面から全体を容易に剥すことができるように、剥離性を向上させた義歯安定剤を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

酢酸ビニル樹脂として平均重合度200〜500の低重合度酢酸ビニル樹脂、平均重合度1000〜2000の中重合度酢酸ビニル樹脂および平均重合度4000〜7000の高重合度酢酸ビニル樹脂を主成分として含み、さらに、アクリル酸低級アルキルメタアクリル酸低級アルキルとメタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチルとを構成成分とする三元共重合体を含む義歯安定剤。

請求項2

酢酸ビニル樹脂の配合量が30〜80重量%である請求項1に記載の義歯安定剤。

請求項3

酢酸ビニル樹脂として低重合度酢酸ビニル樹脂、中重合度酢酸ビニル樹脂、高重合度酢酸ビニル樹脂のそれぞれの配合割合が300〜600:300〜600:1〜8である請求項1または2に記載の義歯安定剤。

請求項4

粘度が300000〜900000センチポイズである請求項1〜3のいずれかに記載の義歯安定剤。

技術分野

0001

この発明は、義歯床顎堤の間の隙間に充填して、義歯ガタツキをなくし咀嚼力の低下を改善するために用いられるペーストタイプの義歯安定剤に関し、さらに詳しくは、義歯床の裏面から剥す際に剥離性がよい義歯安定剤に関する。

0002

義歯安定剤として、従来、平均重合度200〜500の低重合度酢酸ビニル樹脂、平均重合度1000〜2000の中重合度酢酸ビニル樹脂および平均重合度5000〜7000の高重合度酢酸ビニル樹脂を、それぞれ所定の配合量で配合してなるもの(特許文献1参照)や、アクリル酸低級アルキルメタアクリル酸低級アルキルとメタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチルとを構成成分とする三元共重合体ベースとしたもの(特許文献2参照)が提案されている。

0003

非特許文献1】
特開昭60−253440号公報。

背景技術

0004

【非特許文献2】
特開平2−124808号公報。

0005

義歯の使用後は義歯を顎堤から外し、義歯床の裏面すなわち接触面から義歯安定剤を剥がす。その際に義歯安定剤は義歯床の裏面から全体が容易に剥せるものであることが望まれる。

0006

上記特許文献に提案の義歯安定剤はいずれも、義歯安定剤を義歯床の裏面から剥がす際に部分的に残ることがあり剥離性に問題があった。

発明が解決しようとする課題

0007

この発明は、上述のような実状に鑑み、義歯床の裏面から全体を容易に剥すことができるように、剥離性を向上させた義歯安定剤を提供することを課題とする。

0008

本発明者らは、上記課題を解決すべく研究を重ねた結果、特定の重合度を有する3種の酢酸ビニル樹脂をベースとし、これに特定の三元共重合体を組み合わせて用いると、義歯安定剤全体を義歯床の裏面から容易に剥すことができるという知見を得、この発明を完成した。

課題を解決するための手段

0009

すなわち、この発明による義歯安定剤は、酢酸ビニル樹脂として平均重合度200〜500の低重合度酢酸ビニル樹脂、平均重合度1000〜2000の中重合度酢酸ビニル樹脂および平均重合度4000〜7000の高重合度酢酸ビニル樹脂を主成分として含み、さらに、アクリル酸低級アルキルとメタアクリル酸低級アルキルとメタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチルとを構成成分とする三元共重合体を含むものである。

0010

以下、この発明の義歯安定剤を構成する各成分および義歯安定剤の製造法について説明する。

0011

この発明による義歯安定剤の主成分である酢酸ビニル樹脂は、低重合度のもの、中重合度のものおよび高重合度のものの3種の酢酸ビニル樹脂からなる。低重合度の酢酸ビニル樹脂としては、平均重合度200〜500、好ましくは250〜450のものが用いられる。中重合度の酢酸ビニル樹脂としては、平均重合度1000〜2000、好ましくは1200〜1500のものが用いられる。高重合度の酢酸ビニル樹脂としては、平均重合度4000〜7000、好ましくは4500〜6500のものが用いられる。

0012

義歯安定剤の全体量に対する酢酸ビニル樹脂の配合量(低重合度のもの、中重合度のものおよび高重合度のものの配合量の総和)は、30〜80重量%、好ましくは40〜65.5重量%である。酢酸ビニル樹脂の配合量が少なすぎると、指への付着量が増加し、良好な使用感が得られず、多すぎると、義歯安定剤が固くなり、チューブ容器から押出しにくく、義歯への塗布が容易にできない。

0013

酢酸ビニル樹脂として低重合度酢酸ビニル樹脂、中重合度酢酸ビニル樹脂、高重合度酢酸ビニル樹脂のそれぞれの配合割合は、300〜600:300〜600:1〜8、好ましくは200〜250:200〜250:1〜3である。低重合度酢酸ビニル樹脂及び中重合度酢酸ビニル樹脂の各配合割合が低すぎると、義歯安定剤が固くなり、チューブ容器から押出しにくく、義歯への塗布が容易にできない。低重合度酢酸ビニル樹脂及び中重合度酢酸ビニル樹脂の各配合割合が高すぎると、指への付着量が増加し、良好な使用感が得られない上に、義歯安定剤が曳糸性を示し、取扱いが難しくなる。高重合度酢酸ビニル樹脂の配合割合が低すぎると、指への付着量が増加し、良好な使用感が得られず、高すぎると、義歯安定剤が固くなり、チューブ容器から押出しにくく、義歯への塗布が容易にできない。

0014

上記配合量および配合割合が上述した各範囲内にある場合は、義歯安定剤全体を義歯床の裏面から容易に剥すことができる。

0015

この発明による義歯安定剤の粘度は300000〜900000センチポイズ、好ましくは400000〜800000センチポイズである。義歯安定剤の粘度が低すぎると、指への付着量が増加し、良好な使用感が得られず、高すぎると、義歯安定剤が固くなり、チューブ容器から押出しにくく、義歯への塗布が容易にできない。粘度が上記範囲にある場合、義歯床からの義歯安定剤の剥離性が良い上に、チューブ容器からの義歯安定剤の押出しがスムーズになし得る。

0016

この発明による義歯安定剤は、主成分である酢酸ビニル樹脂に加え、アクリル酸低級アルキルとメタアクリル酸低級アルキルとメタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチルとを構成成分とする三元共重合体(以下、これを単に「三元共重合体」という)を含む。

0017

三元共重合体における低級アルキルは、メチルエチルプロピルブチル等の炭素数1〜6のアルキルを示す。特に好ましい三元共重合体はアクリル酸エチルメタアクリル酸メチルと比較的少量のメタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチルとからなるものである。この好ましい三元共重合体としては、ロームファルマ(Rohm Pharma)社から「オイドラギット(Eudragit) RS」の登録商標で市販されている分子量約150,000のランダム共重合体を挙げることができる(以下、この市販品を「市販三元共重合体」という)。ただし、この発明で用いられる三元共重合体は市販三元共重合体に限定されない。

0018

三元共重合体は、この発明による義歯安定剤の助剤として、すなわち、義歯安定剤を義歯床の接触面から剥し易くする成分として作用し、また口腔粘膜の調整剤としても有用である。

0019

義歯安定剤の全体量に対する三元共重合体の配合量は好ましくは2〜7重量%である。三元共重合体の配合量が少なすぎると良好な剥離性が得られず、多すぎると、義歯安定剤が固くなり、チューブ容器から押出しにくく、義歯への塗布が容易にできない。

0020

なお、酢酸ビニル樹脂は食品添加物としてチューインガム基礎剤などに使用されており、三元共重合体は医薬結合剤コーティング剤等に使用されており、いずれも安全性に問題はない。

0021

この発明による義歯安定剤には、上記酢酸ビニル樹脂および三元共重合体の外に、義歯安定剤に所望の性状を与えるために可塑剤乳化剤粘度調整剤剥離向上剤水不溶性粉体湿潤剤防腐剤金属石けん香料着色料歯垢分解酵素など公知の添加剤をこの発明の効果を損なわない限りにおいて、適宜配合してもよい。

0022

可塑剤としては、ミツロウ、木ロウカルナウバロウキャンデリラワックスが例示される。

0023

乳化剤としては、グリセリンモノステアレートのようなグリセリン脂肪酸エステルソルビタンモノステアレートのようなソルビタンの脂肪酸エステルが例示される。

0024

粘度調整剤は義歯安定剤の粘度を調整するもので、エタノール好ましくは無水エタノール、水がそれぞれ通常10〜25重量%配合され、場合によってはグリセリン、プロピレングリコール等が併用される。エタノールの配合量が少なすぎると、酢酸ビニル樹脂を溶解することができなくなるため、同樹脂を均一に混練することができず、多すぎると指への付着量が増加し、良好な使用感が得られない。水の配合量が少なすぎると、指への付着量が増加し、良好な使用感が得られず、多すぎると、義歯安定剤が固くなり、チューブ容器から押出しにくく、義歯への塗布が容易にできない。

0025

剥離向上剤は、義歯の使用後に義歯安定剤を義歯床の接触面から剥し易くするもので、ポリブテンポリイソブチレン炭酸カルシウムリン酸カルシウムベントナイト二酸化ケイ素等が例示される。

0026

水不溶性粉体としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、プラスチックパウダータルクシリカ等が例示される。

0027

湿潤剤としては、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコール、グリセリン、ソルビット等が例示される。

0028

防腐剤としては、メチルパラベンエチルパラベンが例示される。

0029

金属石けんとしては、ステアリン酸カルシウムが例示される。

0030

この発明による義歯安定剤を製造するには、例えば高重合度酢酸ビニル樹脂が溶解しにくいため予めこれを無水エタノール/精製水混合液に溶解しておき、別途、三元共重合体を無水エタノール/精製水の混合液に溶解する。こうして得られた高重合度酢酸ビニル樹脂の溶液と三元共重合体の溶液を、中重合度酢酸ビニル樹脂と低重合度酢酸ビニル樹脂が入れてあるタンクに添加して、全体を攪拌する方法が挙げられる。

0031

また、予め、ステンレスビーカーに高重合度酢酸ビニル樹脂を入れ、これに精製水を加えて、樹脂を水に分散させておく。予製タンクに無水エタノールを入れておき、さらに上記高重合度酢酸ビニル樹脂分散液と三元共重合体を加えて撹拌し、高重合度酢酸ビニル樹脂と三元共重合体を無水エタノール/精製水に溶解させる。別途、本タンクに中重合度酢酸ビニル樹脂と低重合度酢酸ビニル樹脂を入れ、ここへ少量の精製水を加え、本タンク内を減圧状態に保っておく。ついで、本タンクに上記高重合度酢酸ビニル樹脂と三元共重合体の溶液を流し込み、全体を攪拌する方法なども挙げられる。

0032

一般に義歯安定剤には、次に掲げるような性質を有することが求められている。すなわち、(a)容器からの取り出しが容易な柔軟性を有すること(チューブ容器から押出し易いこと)、(b)無味、無臭、無害であり、口腔粘膜への刺激がないこと、(c)義歯への塗布が容易なこと、(d)適度のクッション効果を有し、使用感が良好なこと、(e)義歯への適度な粘着力あるいは固着力を有し、長時間使用可能なこと、(f)使用後に義歯床からの剥離が容易なこと。この発明による義歯安定剤は上記のような要件をすべて満たすものである。

0033

【実施例】
つぎに、この発明を具体的に説明するために、この発明の実施例およびこれとの比較を示すための比較例をいくつか挙げ、さらに得られた義歯安定剤の性能試験結果を示す。義歯安定剤の粘度はB型粘度計(BROOKFIELD社製、「DV・II+」)を用い、義歯安定剤が温度条件37±1℃に保持される条件下で測定した。

0034

実施例1
重合度5500の酢酸ビニル樹脂0.14gを無水エタノールと精製水の混合液10.3gに加え、スターラーで撹拌し、高重合度酢酸ビニル樹脂を混合液に溶解させた。

0035

別途、無水エタノールと精製水の混合液17.2gに市販三元共重合体、すなわちローム・ファルマ社製の「オイドラギットRS」3.5gを加え、ディスパー回転数1500rpmで約1時間攪拌し、市販三元共重合体を混合液に溶解させた。

0036

重合度1380の酢酸ビニル樹脂32.68gと重合度330の酢酸ビニル樹脂32.68gが入れてあるタンクに、精製水3.5gを予め入れておき、そのタンクへ先に調製した高重合度酢酸ビニル樹脂の溶液と市販三元共重合体の溶液を添加して、全体を減圧下に脱泡させながらプラネタリーミキサーで回転数11rpmで温度50℃にて45分間攪拌した。こうして得られた義歯安定剤をチューブ容器に充填した。義歯安定剤の粘度は410000センチポイズであった。

0037

比較例1
重合度5500の酢酸ビニル樹脂0.14gを無水エタノールと精製水の混合液31gに加え、スターラーで撹拌し、高重合度酢酸ビニル樹脂を混合液に溶解させた。

0038

以降は、市販三元共重合体を使用しなかった以外、実施例1と同様の操作を行い、義歯安定剤を得た。義歯安定剤の粘度は200000センチポイズであった。

0039

比較例2
無水エタノールと精製水の混合液31gに市販三元共重合体3.5gを加え、ディスパーで回転数1500rpmで約1時間攪拌し、市販三元共重合体を混合液に溶解させた。

0040

得られた市販三元共重合体の溶液を重合度1200の酢酸ビニル樹脂65.5gに添加して、全体を減圧下に脱泡させながらプラネタリーミキサーで回転数11rpmで温度50℃にて45分間攪拌した。こうして得られた義歯安定剤の粘度は750000センチポイズであった。

0041

実施例および比較例で用いた各成分の配合量を表1にまとめて示す。

0042

【表1】

0043

剥離性試験
実施例および比較例で得られた義歯安定剤について、下記の方法で剥離性の試験を行った。同じ試験を3回繰り返した。

0044

▲1▼義歯安定剤を1g取り、アクリル樹脂板上に薄く塗布した。

0045

▲2▼これを約37℃の温水中に3日間浸漬した。

0046

▲3▼この後、義歯安定剤を試験板から剥した。この時の剥離された義歯安定剤の面積を下記の5段階の評価基準で評価した。

0047

1;義歯安定剤が100%剥がれた。

0048

2;義歯安定剤が80%剥がれた。

0049

3;義歯安定剤が50%剥がれた。

0050

4;義歯安定剤が30%剥がれた。

0051

5;義歯安定剤が全く剥がれなかった。

0052

得られた結果を表2に示す。

発明を実施するための最良の形態

0053

【表2】

発明の効果

0054

表2から明らかなように、実施例の義歯安定剤は頗る良好な剥離性を示した。
この発明によれば、義歯床の裏面から全体を容易に剥すことができる剥離性に優れた義歯安定剤を提供することができる。

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