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技術 冷延鋼帯の製造装置および製造方法

出願人 日新製鋼株式会社
発明者 嘉村真司
出願日 2003年5月21日 (17年7ヶ月経過) 出願番号 2003-143439
公開日 2004年12月9日 (16年0ヶ月経過) 公開番号 2004-346359
状態 未査定
技術分野 溶融金属による被覆 ストリップ・線材の熱処理 竪形炉、炉床形炉、アーク炉(炉1)
主要キーワード 垂下がり 駆動張力 品質仕様 兼用装置 ジェットクーラー 可燃性気体 ライン設備 鋼帯位置
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (3)

課題

横型炉を備え、冷延鋼帯溶融めっき連続焼鈍とを行なうことの可能な装置であって、多品種連続焼鈍材の製造に対応することのできる冷延鋼帯の製造装置を提供する。

解決手段

冷延鋼帯の製造装置10は、溶融めっき処理を施す前の熱処理に用いられる横型焼鈍炉13において熱処理された鋼帯11を、溶融めっきポット14に導くことなくバイパスさせるバイパス手段16と、バイパス手段16によって導かれる鋼帯11を加熱処理する熱処理炉19とを含んで構成される。鋼帯11は、バイパス手段16を介して連結される横型焼鈍炉13と熱処理炉19とを連続して通板されることによって、充分な均熱時間を有するように加熱処理される。

概要

背景

溶融めっき鋼帯製造ライン(以後、溶融めっきライン略称する)は、鋼帯溶融めっきを施す前処理、すなわち表面清浄化活性化処理のための焼鈍炉を備えるとともに、溶融めっき後に、溶融めっき鋼帯の表面性状や機械的性質を調整するための調質圧延設備、また形状を修正するためのテンションレベラ設備などを備えるものが多く、このような構成を有する溶融めっきラインは、冷延鋼帯製造の仕上工程に好適である。

概要

横型炉を備え、冷延鋼帯の溶融めっきと連続焼鈍とを行なうことの可能な装置であって、多品種連続焼鈍材の製造に対応することのできる冷延鋼帯の製造装置を提供する。冷延鋼帯の製造装置10は、溶融めっき処理を施す前の熱処理に用いられる横型焼鈍炉13において熱処理された鋼帯11を、溶融めっきポット14に導くことなくバイパスさせるバイパス手段16と、バイパス手段16によって導かれる鋼帯11を加熱処理する熱処理炉19とを含んで構成される。鋼帯11は、バイパス手段16を介して連結される横型焼鈍炉13と熱処理炉19とを連続して通板されることによって、充分な均熱時間を有するように加熱処理される。

目的

本発明の目的は、横型炉を備え、冷延鋼帯の溶融めっきと連続焼鈍とを行なうことの可能な装置であって、多品種の連続焼鈍材の製造に対応することのできる冷延鋼帯の製造装置を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

少なくとも鋼帯溶融めっき処理を施す前の熱処理に用いられる横型焼鈍炉と、鋼帯にめっき金属を付着させる溶融めっきポットとを備え、冷延鋼帯に溶融めっき処理を施すことのできる冷延鋼帯の製造装置において、前記横型焼鈍炉において熱処理された冷延鋼帯を溶融めっきポットに導くことなくバイパスさせるバイパス手段と、前記バイパス手段によって導かれる冷延鋼帯を加熱処理する熱処理炉とを含むことを特徴とする冷延鋼帯の製造装置。

請求項2

前記熱処理炉は、炉内雰囲気非酸化性雰囲気に設定されることを特徴とする請求項1記載の冷延鋼帯の製造装置。

請求項3

前記バイパス手段に関して前記冷延鋼帯の走行方向上流側および下流側の少なくとも一方には、ブライドルロールが設けられることを特徴とする請求項1または2記載の冷延鋼帯の製造装置。

請求項4

冷延鋼帯を調質圧延する調質圧延手段をさらに含み、前記バイパス手段と前記熱処理炉とは、前記横型焼鈍炉と前記調質圧延手段との間に配設されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の冷延鋼帯の製造装置。

請求項5

前記熱処理炉に関して前記冷延鋼帯の走行方向下流側には、前記冷延鋼帯を冷却する冷却手段が設けられ、前記熱処理炉と前記冷却手段との間には、前記熱処理炉の炉内雰囲気を遮断するための雰囲気遮断手段が設けられることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の冷延鋼帯の製造装置。

請求項6

鋼帯に溶融めっき処理と焼鈍熱処理とを施すことに兼用される設備を用いて冷延鋼帯を製造する冷延鋼帯の製造方法において、冷延鋼帯を、溶融めっき処理を施す前の熱処理に用いられる横型焼鈍炉に通板させて熱処理し、熱処理された冷延鋼帯を、溶融めっき処理に用いられる溶融めっきポットに導くことなくバイパス手段によってバイパスさせ、前記横型焼鈍炉よりも冷延鋼帯の走行方向下流側に設けられ、バイパス手段を介して前記横型焼鈍炉に連なるように設けられる熱処理炉に、冷延鋼帯を連続して通板させることによって、冷延鋼帯の焼鈍熱処理を行なうことを特徴とする冷延鋼帯の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、冷延鋼帯製造装置および製造方法に関する。

0002

溶融めっき鋼帯製造ライン(以後、溶融めっきライン略称する)は、鋼帯溶融めっきを施す前処理、すなわち表面清浄化活性化処理のための焼鈍炉を備えるとともに、溶融めっき後に、溶融めっき鋼帯の表面性状や機械的性質を調整するための調質圧延設備、また形状を修正するためのテンションレベラ設備などを備えるものが多く、このような構成を有する溶融めっきラインは、冷延鋼帯製造の仕上工程に好適である。

0003

しかしながら、溶融めっきラインは、冷延鋼帯製造の仕上工程に好適な構成を有するにも関らず、めっき処理を施すことのない通常の冷延鋼帯は、溶融めっきラインを用いて製造されることなく、別ラインを構成する焼鈍酸洗調質圧延形状修正などのライン設備で製造されている。いうまでもなく、溶融めっきラインでは、鋼帯の通板される行路であるパスライン溶融めっきポット内を通過するように構成されるので、鋼帯表面にめっき金属が付着されるからである。

0004

したがって、溶融めっきラインと、溶融めっきを施さない通常の冷延鋼帯の製造ラインとで共通に使用可能な設備が存在するにも関らず、溶融めっきラインおよび溶融めっきを施さない通常の冷延鋼帯の製造ラインの個々に前述のような設備を設けなければならないので、溶融めっき鋼帯や通常の冷延鋼帯などを製造する鉄鋼製造においては多大な設備投資を強いられている。

0005

このような問題を解決する従来技術に、連続焼鈍と溶融めっきとを兼用する設備を提案するものがある(たとえば、特許文献1、特許文献2参照)。図2は、従来技術の連続焼鈍および溶融めっき兼用設備の構成を例示する図である。

0006

図2に示す従来技術の連続焼鈍および溶融めっき兼用設備では、めっき材製造時、鋼板1は、連続焼鈍炉2を経た後、めっきポット3へ導かれめっきされる。その後、めっき装置4にてめっき付着量の調整が行なわれた後、必要に応じて、合金化炉5にて合金化処理が行なわれ、鋼板冷却装置6にて冷却され、ウォータクエンチ装置7にて概常温まで冷却される。一方連続焼鈍材製造時、鋼板1は、連続焼鈍炉2を経た後、めっきポット3、めっき装置4、合金化炉5、鋼板冷却装置6を経ることなく、バイパス装置8によって大気に触れることなくウォータクエンチ装置7へと導かれ概常温まで冷却される。

0007

このように従来技術の連続焼鈍および溶融めっき兼用設備では、めっき材と連続焼鈍材との両者を製造することができるけれども、従来技術の連続焼鈍炉は縦型炉に限定されている。縦型炉では、炉中にロールを設けて鋼帯を炉内で折返し通板させることによって、鋼帯の炉内滞留時間を長くすることができるので、所定の温度で充分に均熱時間を確保することができる。

0008

しかしながら、連続溶融めっきラインに設けられる連続焼鈍炉には、横型炉も数多く存在する。この横型炉では、ロール間における鋼帯の垂下がりの問題があるので、炉内にロールを設けて鋼帯を折返し通板することは困難である。したがって、横型炉において鋼帯の充分な均熱時間を確保するためには、横型炉の長さを長くするか、または鋼帯の通板速度を遅くすることが考えられるけれども、前者は設置スペースが大きくなり過ぎ、後者は生産効率が低下することから、現実的ではない。

0009

このように横型炉においては、鋼帯の熱処理に充分な均熱時間を確保するのが難しいので、たとえば炭素含有量の少ない鋼種では、比較的短い均熱時間でも充分な焼鈍熱処理をすることができるけれども、炭素含有量の多い鋼種では、加工などの用途に適した機械特性発現できるように充分な焼鈍熱処理をすることはできない。すなわち、連続焼鈍炉が横型炉であるような溶融めっきラインにおいて、横型炉の出側に単に冷却装置を設けるだけでは、めっき材と連続焼鈍材との両者の製造に兼用することはできるけれども、多品種の連続焼鈍材の製造に対応することはできないという問題がある。

背景技術

0010

【特許文献1】
特開2002−88414号公報
【特許文献2】
特開2002−275546号公報

0011

本発明の目的は、横型炉を備え、冷延鋼帯の溶融めっきと連続焼鈍とを行なうことの可能な装置であって、多品種の連続焼鈍材の製造に対応することのできる冷延鋼帯の製造装置を提供することである。

発明が解決しようとする課題

0012

本発明のもう一つの目的は、横型炉を備え、冷延鋼帯の溶融めっきと連続焼鈍とを行なうことの可能な装置を用いて、多品種の連続焼鈍材の製造に対応することのできる冷延鋼帯の製造方法を提供することである。

0013

本発明は、少なくとも鋼帯に溶融めっき処理を施す前の熱処理に用いられる横型焼鈍炉と、鋼帯にめっき金属を付着させる溶融めっきポットとを備え、冷延鋼帯に溶融めっき処理を施すことのできる冷延鋼帯の製造装置において、
前記横型焼鈍炉において熱処理された冷延鋼帯を溶融めっきポットに導くことなくバイパスさせるバイパス手段と、
前記バイパス手段によって導かれる冷延鋼帯を加熱処理する熱処理炉とを含むことを特徴とする冷延鋼帯の製造装置である。

0014

本発明に従えば、横型焼鈍炉において熱処理された冷延鋼帯は、溶融めっきポットに導かれることなく、バイパス手段によってバイパスされる。このことによって、めっき金属が付着されることのない通常の冷延鋼帯である連続焼鈍材の製造が可能になる。また横型焼鈍炉で熱処理された冷延鋼帯は、溶融めっきポットを通ることなく、バイパス手段によって熱処理炉に導かれて加熱処理される。このように、冷延鋼帯は、横型焼鈍炉において熱処理された後、連続して熱処理炉で加熱処理される。このことによって、所望の温度で冷延鋼帯を均熱する充分な時間を確保することができるので、多品種の連続焼鈍材の製造に対応することが可能になる。

0015

また本発明は、前記熱処理炉は、炉内雰囲気非酸化性雰囲気に設定されることを特徴とする。

0016

本発明に従えば、熱処理炉の炉内雰囲気が非酸化性雰囲気に設定される。バイパス手段によって横型焼鈍炉と熱処理炉とを大気から隔絶するようにして連結し、横型焼鈍炉の炉内雰囲気であるたとえばH2−N2雰囲気熱処理炉内へ導入することによって、非酸化性雰囲気の設定を実現することができる。このことによって、表面に酸化皮膜いわゆる酸化スケールを生成することなく冷延鋼帯を焼鈍熱処理することが可能になる。

0017

また本発明は、前記バイパス手段に関して前記冷延鋼帯の走行方向上流側および下流側の少なくとも一方には、ブライドルロールが設けられることを特徴とする。

0018

本発明に従えば、バイパス手段に関して冷延鋼帯の走行方向上流側および下流側の少なくとも一方には、ブライドルロールが設けられる。本製造装置には、横型焼鈍炉の冷延鋼帯走行方向下流側にバイパス手段および熱処理炉が設けられるので、装置内における冷延鋼帯の長さが長くなる。しかしながら、前述のブライドルロールを設けることによって、冷延鋼帯に充分な駆動張力を与えることができるので、製造装置内における長大な冷延鋼帯を円滑に走行させることが可能になる。

0019

また本発明は、冷延鋼帯を調質圧延する調質圧延手段をさらに含み、
前記バイパス手段と前記熱処理炉とは、前記横型焼鈍炉と前記調質圧延手段との間に配設されることを特徴とする。

0020

本発明に従えば、冷延鋼帯を調質圧延する調質圧延手段をさらに含み、バイパス手段と熱処理炉とは、横型焼鈍炉と調質圧延手段との間、より詳細には、横型焼鈍炉の出側であって冷延鋼帯を溶融めっきポットに導くスナウトの上流側と調質圧延手段の入側との間に配設される。このような配設位置は、冷延鋼帯を、溶融めっきする場合のパスラインと連続焼鈍する場合のパスラインとを、最も容易に切換えることの可能な位置である。したがって、バイパス手段と熱処理炉とを、前述の位置に配設することによって、冷延鋼帯のパスライン切換所要時間を短縮することが可能になり、生産効率向上に寄与することができる。

0021

また本発明は、前記熱処理炉に関して前記冷延鋼帯の走行方向下流側には、前記冷延鋼帯を冷却する冷却手段が設けられ、
前記熱処理炉と前記冷却手段との間には、前記熱処理炉の炉内雰囲気を遮断するための雰囲気遮断手段が設けられることを特徴とする。

0022

本発明に従えば、熱処理炉に関して冷延鋼帯の走行方向下流側には、冷延鋼帯を冷却する冷却手段が設けられる。このことによって、熱処理炉で加熱処理された冷延鋼帯を、その表面に大気酸化膜、いわゆるテンパーカラーを生じない温度まで冷却することができる。このように冷延鋼帯をテンパーカラーの生じない温度まで冷却することによって、連続焼鈍後酸洗処理を省くことができる。また熱処理炉と冷却手段との間には、熱処理炉の炉内雰囲気を遮断するための雰囲気遮断手段が設けられる。したがって、前述の炉内雰囲気に可燃性気体が含まれる場合であっても、可燃性気体が雰囲気遮断手段によって装置外漏洩することが防止されるので、操業時における安全性を向上することができる。

0023

また本発明は、鋼帯に溶融めっき処理と焼鈍熱処理とを施すことに兼用される設備を用いて冷延鋼帯を製造する冷延鋼帯の製造方法において、
冷延鋼帯を、溶融めっき処理を施す前の熱処理に用いられる横型焼鈍炉に通板させて熱処理し、
熱処理された冷延鋼帯を、溶融めっき処理に用いられる溶融めっきポットに導くことなくバイパス手段によってバイパスさせ、
前記横型焼鈍炉よりも冷延鋼帯の走行方向下流側に設けられ、バイパス手段を介して前記横型焼鈍炉に連なるように設けられる熱処理炉に、冷延鋼帯を連続して通板させることによって、冷延鋼帯の焼鈍熱処理を行なうことを特徴とする冷延鋼帯の製造方法である。

課題を解決するための手段

0024

本発明に従えば、冷延鋼帯は、溶融めっき処理を施す前の熱処理に用いられる横型焼鈍炉に通板されて熱処理され、その後溶融めっき処理に用いられる溶融めっきポットに導かれることなくバイパス手段によってバイパスされ、バイパス手段を介して横型焼鈍炉に連なるように設けられる熱処理炉に連続して通板される。このように、横型焼鈍炉において熱処理後、連続して熱処理炉で加熱処理することによって、冷延鋼帯を所望の温度で均熱するに充分な時間を確保することができるので、多品種の連続焼鈍材の製造に対応することが可能になる。

0025

図1は、本発明の実施の一形態である冷延鋼帯の製造装置10の構成を簡略化して示す系統図である。本実施の形態の冷延鋼帯の製造装置10(以後、製造装置10と略称する)は、冷延鋼帯11(以後、鋼帯11と略称する)に溶融めっき処理と連続焼鈍処理とを施すことのできる兼用装置である。

0026

製造装置10は、大略、装着されているコイル状の鋼帯11を巻戻す巻戻リール12と、横型焼鈍炉13と、鋼帯11に付着させる溶融めっき金属を収容する溶融めっきポット14と、めっき金属の付着された鋼帯11を冷却する鋼帯冷却手段15と、横型焼鈍炉13において熱処理された鋼帯11を溶融めっきポット14に導くことなくバイパスさせるバイパス手段16と、バイパス手段16に関して矢符30にて示す鋼帯走行方向上流側と下流側とに設けられる第1および第2ブライドルロール17,18と、バイパス手段16によって導かれる鋼帯11を加熱処理する熱処理炉19と、熱処理炉19の炉内雰囲気を遮断する第1雰囲気遮断手段20と、熱処理炉19で加熱処理された鋼帯11を冷却する冷却手段21と、冷却手段21の下流側にあって冷却手段21内の雰囲気を遮断する第2雰囲気遮断手段22と、鋼帯11を調質圧延する調質圧延手段23(スキンパスと呼ぶこともある)と、鋼帯11の形状修正を行なうテンションレベラ24と、鋼帯11を巻取巻取リール25と、鋼帯11のパスラインの各所に設けられるデフレクタロール26とを含む構成である。

0027

本実施の形態では、横型焼鈍炉13は、予熱炉無酸化炉とからなる第1加熱帯31と、鋼帯11を焼鈍温度まで加熱する第2加熱帯32と、第1および第2加熱帯31,32で加熱された鋼帯11をめっき金属の付着に好適な温度になるように調整するべく冷却する冷却帯33とを含んで構成される。横型焼鈍炉13の炉内雰囲気は、たとえばH2−N2混合ガスなどの非酸化性に保たれ、鋼帯11は、第1加熱帯31を通板されることによって、溶融めっきの前処理である表面清浄化および表面活性化処理が行なわれる。

0028

本実施の形態の横型焼鈍炉13では、第1および第2加熱帯31,32を合わせた長さは、約100mであり、第1および第2加熱帯31,32で鋼帯11を加熱することのできる最高加熱温度は、たとえば900℃である。冷却帯33は、鋼帯11を自然冷却させる調整冷却部と、冷却媒体強制的に鋼帯11に噴射させて冷却するジェットクーラー部とを含む。このように構成される横型焼鈍炉13の炉長は、たとえば約175mである。前述の第1ブライドルロール17は、バイパス手段16の上流側であって、冷却帯33内の最も下流側に設けられる。また冷却帯33には、鋼帯11を溶融めっきポット14へと導くスナウト34が設けられる。

0029

溶融めっきポット14は、金属製またはセラミックス容器であり、その内部には鋼帯11に付着させる溶融亜鉛35が収容される。溶融めっきポット14には、図示を省くけれども、亜鉛溶融状態に保つための加熱手段が備えられる。

0030

バイパス手段16は、横型焼鈍炉13と熱処理炉19とを連結する連結ダクトであり、横型焼鈍炉13と熱処理炉19とに、たとえばねじによって装着され、着脱可能に構成される。バイパス手段16である連結ダクトは、通気性の無い、たとえば鋼板および耐火物によって作製されるので、横型焼鈍炉13と熱処理炉19とに装着された状態で、鋼帯11を、大気から隔絶し、横型焼鈍炉13内の雰囲気と同じに保って通板させることができる。

0031

バイパス手段16を介して横型焼鈍炉13に連結される熱処理炉19は、炉内を非酸化性雰囲気、より具体的には還元性雰囲気に保持して鋼帯11を加熱処理する雰囲気熱処理炉である。熱処理炉19の熱源には、公知のたとえば抵抗発熱体などを用いることができる。本実施の形態では、熱処理炉19の炉内雰囲気は、熱処理炉19がバイパス手段16で横型焼鈍炉13と連結されることによって、横型焼鈍炉13の炉内雰囲気であるH2−N2混合ガスが導入されるので、横型焼鈍炉13内と同一の還元性雰囲気に保たれる。本実施の形態の熱処理炉19は、その長さがたとえば約100mであり、鋼帯11を加熱することのできる最高加熱温度は、たとえば500℃である。なお前述の第2ブライドルロール18は、熱処理炉19内の最上流側に設けられる。

0032

第1雰囲気遮断手段20は、熱処理炉19に連結されるダクトと、ダクト内に不活性ガスであるN2ガスチャージするためのガス供給源ガス配管とを備える。横型焼鈍炉13、バイパス手段16および熱処理炉19の内部雰囲気は、前述のように可燃性ガスであるH2ガスを含むので、操業の安全性をより高めるには、炉内雰囲気を大気から遮断することが好ましい。第1雰囲気遮断手段20は、前述の安全性の観点から、熱処理炉19内雰囲気を大気から遮断するために設けられる。

0033

冷却手段21は、第1雰囲気遮断手段20にさらに連結されるダクトである。また冷却手段21は、鋼帯11にN2ガスを噴射することのできるようにN2ガス供給源とガス配管とガス噴射手段とを備えてもよい。鋼帯11は、冷却手段21中を通板する過程において、テンパーカラーの生じない温度まで、N2ガス雰囲気中で自然冷却される。また本実施の形態では、冷却手段21は、鋼帯11の走行方向を転換させるように設けられるので、冷却手段21内にデフレクタロール機能をも有する鋼帯位置制御ロール36を備えることが望ましい。なお、冷却手段21は、本実施の形態に限定されることなく、熱処理炉19の延長上に真直に設けられてもよい。さらに、冷却手段21は、ダクトに限定されることなく、鋼帯11に当接するように設けられる冷却ロールであってもよい。このとき冷却ロールは、無垢のロールであってもよく、また内部を冷却媒体が通るたとえば水冷ロールであってもよい。

0034

第2雰囲気遮断手段22は、前述の第1雰囲気遮断手段20と同一の目的で設けられ、その構成も第1雰囲気遮断手段20と同じくする。ただし、第2雰囲気遮断手段22は、一連の熱処理を行なう設備の出口部分を構成し開口部38を有するので、第2雰囲気遮断手段22の開口部38には、鋼帯11を介して対向し、開口部38を塞ぐように一対のシールロール37が設けられる。

0035

第2雰囲気遮断手段22の鋼帯走行方向下流側に第3ブライドルロール39、調質圧延手段23、第4ブライドルロール40およびテンションレベラ24が、鋼帯走行方向上流側から下流側に向ってこの順序で設けられる。

0036

製造装置10において、鋼帯11に溶融めっき処理を施すことなく連続焼鈍処理を施す連続焼鈍材は、以下のように製造される。連続焼鈍材の製造時においては、バイパス手段16である連結ダクト16は、横型焼鈍炉13と熱処理炉19とに装着されている状態である。

0037

巻戻リール12から巻戻された鋼帯11は、横型焼鈍炉13の第1および第2加熱帯31,32を走行時に、焼鈍処理温度に加熱される。前述のように連結ダクト16が横型焼鈍炉13と熱処理炉19とに装着されているので、鋼帯11は、横型焼鈍炉13で加熱された後、連結ダクト16を通って熱処理炉19に導かれる。このとき、鋼帯11は、第2ブライドルロール18を周回し、第2ブライドルロール18によって駆動張力を与えられるとともに鋼帯位置制御されるので、鋼帯11のパスラインが長大であるにも関らず円滑に装置内を走行することができる。熱処理炉19に導かれた鋼帯11は、熱処理炉19によって再び所定温度に加熱処理される。

0038

熱処理炉19で加熱処理された鋼帯11は、第1雰囲気遮断手段20、冷却手段21および第2雰囲気遮断手段22を走行する過程において、テンパーカラーを生じない温度まで冷却される。第2雰囲気遮断手段22を出た鋼帯11は、連続焼鈍材の予め定められる品質仕様に従い、必要に応じて調質圧延手段23で調質圧延され、テンションレベラ24で形状修正されて、巻取リール25に巻取られる。

0039

このように鋼帯11は、横型焼鈍炉13の第1および第2加熱帯31,32で焼鈍処理温度に加熱された後、横型焼鈍炉13の冷却帯33を走行時にわずかに温度低下を生じるけれども、ほぼ連続して熱処理炉19によって所定温度に加熱処理される。したがって、第1および第2加熱帯31,32の長さと熱処理炉19の長さとの和を、鋼帯11の走行速度で除した時間が、鋼帯11の加熱処理時間として利用される。このことによって、炭素含有量の少ない鋼種から炭素含有量の多い鋼種まで、所望の温度で鋼帯11を均熱するに充分な時間を確保することができるので、多品種の連続焼鈍材の製造に対応することが可能になる。

0040

一方製造装置10において、鋼帯11に溶融めっき処理を施す溶融めっき材は、以下のように製造される。溶融めっき材の製造時においては、連結ダクト16は、横型焼鈍炉13と熱処理炉19とから離脱されている状態である。

0041

巻戻リール12から巻戻された鋼帯11は、横型焼鈍炉13の第1および第2加熱帯31,32を走行時に、表面清浄化および表面活性化処理されるとともに焼鈍処理温度に加熱される。前述のように連結ダクト16が横型焼鈍炉13と熱処理炉19とから離脱されているので、鋼帯11は、横型焼鈍炉13で加熱された後、第1ブライドルロール17を周回し、スナウト34を通って溶融めっきポット14に導かれる。このとき、鋼帯11は、第1ブライドルロール17によって駆動張力を与えられるとともに鋼帯位置制御されるので、鋼帯11のパスラインが長大であるにも関らず円滑に装置内を走行することができる。

0042

溶融めっきポット14の溶融亜鉛浴に浸漬された鋼帯11は、所定の付着量にめっきされるとともに、溶融亜鉛浴中シンクロール41を周回することによって方向を転換し、連続焼鈍材の製造時には連結ダクト16の設けられる部位を通過し、溶融めっきポット14の上方に設けられる鋼帯冷却手段15に導かれる。なお溶融めっきポット14と鋼帯冷却手段15との間に合金化処理手段が設けられて、合金化処理が行なわれてもよい。

0043

鋼帯冷却手段15を出た鋼帯11は、連続焼鈍材の製造時には連結ダクト16の設けられる部位を通過し、デフレクタロール26で方向転換されて調質圧延手段23の上流側に設けられる第3ブライドルロール39に至り、以降は連続焼鈍材の製造と同様のパスラインを通って、巻取リール25に巻取られる。

0044

前述のように製造装置10では、バイパス手段16である連結ダクトと熱処理炉19とが、横型焼鈍炉13と調質圧延手段23との間に配設されるので、連結ダクト16を着脱するという簡単かつ所要時間の短くて済む操作によって、鋼帯11を溶融めっき処理するためのパスラインと、連続焼鈍処理するためのパスラインとを、切換えることができる。したがって、本発明の製造装置10によれば、1つのラインを構成する装置において、溶融めっき材と連続焼鈍材との両者を効率的に製造することが可能になる。

発明を実施するための最良の形態

0045

以上に述べたように、本実施の形態では、溶融めっき金属は、亜鉛であるけれども、これに限定されることなく、亜鉛合金アルミニウムアルミニウム合金、その他のものであってもよい。

0046

本発明によれば、横型焼鈍炉において熱処理された冷延鋼帯は、溶融めっきポットに導かれることなく、バイパス手段によってバイパスされる。このことによって、めっき金属が付着されることのない通常の冷延鋼帯である連続焼鈍材の製造が可能になる。また横型焼鈍炉で熱処理された冷延鋼帯は、溶融めっきポットを通ることなく、バイパス手段によって熱処理炉に導かれて加熱処理される。このように、冷延鋼帯は、横型焼鈍炉において熱処理された後、連続して熱処理炉で加熱処理される。このことによって、所望の温度で冷延鋼帯を均熱する充分な時間を確保することができるので、多品種の連続焼鈍材の製造に対応することが可能になる。

0047

また本発明によれば、熱処理炉の炉内雰囲気が非酸化性雰囲気に設定される。バイパス手段によって横型焼鈍炉と熱処理炉とを大気から隔絶するようにして連結し、横型焼鈍炉の炉内雰囲気であるたとえばH2−N2雰囲気を熱処理炉内へ導入することによって、非酸化性雰囲気の設定を実現することができる。このことによって、表面に酸化皮膜いわゆる酸化スケールを生成することなく冷延鋼帯を焼鈍熱処理することが可能になる。

0048

また本発明によれば、バイパス手段に関して冷延鋼帯の走行方向上流側および下流側の少なくとも一方には、ブライドルロールが設けられる。本製造装置には、横型焼鈍炉の冷延鋼帯走行方向下流側にバイパス手段および熱処理炉が設けられるので、装置内における冷延鋼帯の長さが長くなる。しかしながら、前述のブライドルロールを設けることによって、冷延鋼帯に充分な駆動張力を与えることができるので、製造装置内における長大な冷延鋼帯を円滑に走行させることが可能になる。

0049

また本発明によれば、冷延鋼帯を調質圧延する調質圧延手段をさらに含み、バイパス手段と熱処理炉とは、横型焼鈍炉と調質圧延手段との間、より詳細には、横型焼鈍炉の出側であって冷延鋼帯を溶融めっきポットに導くスナウトの上流側と調質圧延手段の入側との間に配設される。このような配設位置は、冷延鋼帯を、溶融めっきする場合のパスラインと連続焼鈍する場合のパスラインとを、最も容易に切換えることの可能な位置である。したがって、バイパス手段と熱処理炉とを、前述の位置に配設することによって、冷延鋼帯のパスライン切換所要時間を短縮することが可能になり、生産効率向上に寄与することができる。

発明の効果

0050

また本発明によれば、熱処理炉に関して冷延鋼帯の走行方向下流側には、冷延鋼帯を冷却する冷却手段が設けられる。このことによって、熱処理炉で加熱処理された冷延鋼帯を、その表面に大気酸化膜、いわゆるテンパーカラーを生じない温度まで冷却することができる。このように冷延鋼帯をテンパーカラーの生じない温度まで冷却することによって、連続焼鈍後の酸洗処理を省くことができる。また熱処理炉と冷却手段との間には、熱処理炉の炉内雰囲気を遮断するための雰囲気遮断手段が設けられる。したがって、前述の炉内雰囲気に可燃性気体が含まれる場合であっても、可燃性気体が雰囲気遮断手段によって装置外に漏洩することが防止されるので、操業時における安全性を向上することができる。

図面の簡単な説明

0051

また本発明によれば、冷延鋼帯は、溶融めっき処理を施す前の熱処理に用いられる横型焼鈍炉に通板されて熱処理され、その後溶融めっき処理に用いられる溶融めっきポットに導かれることなくバイパス手段によってバイパスされ、バイパス手段を介して横型焼鈍炉に連なるように設けられる熱処理炉に連続して通板される。このように、横型焼鈍炉において熱処理後、連続して熱処理炉で加熱処理することによって、冷延鋼帯を所望の温度で均熱するに充分な時間を確保することができるので、多品種の連続焼鈍材の製造に対応することが可能になる。

図1
本発明の実施の一形態である冷延鋼帯の製造装置10の構成を簡略化して示す系統図である。
図2
従来技術の連続焼鈍および溶融めっき兼用設備の構成を例示する図である。
【符号の説明】
10 冷延鋼帯の製造装置
11鋼帯
12 巻戻リール
13 横型焼鈍炉
14 溶融めっきポット
15 鋼帯冷却手段
16 バイパス手段
17 第1ブライドルロール
18 第2ブライドルロール
19 熱処理炉
20 第1雰囲気遮断手段
21 冷却手段
22 第2雰囲気遮断手段
23調質圧延手段
24テンションレベラ
25巻取リール
26 デフレクタロール

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