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技術 平衡感覚機能診断システムおよびそれに用いられる装置

出願人 有限会社ジーエムアンドエム
発明者 大場俊彦松下宗一郎
出願日 2003年5月22日 (17年3ヶ月経過) 出願番号 2003-145400
公開日 2004年12月9日 (15年8ヶ月経過) 公開番号 2004-344433
状態 特許登録済
技術分野 生体の呼吸・聴力・形態・血液特性等の測定
主要キーワード 最短値 加速度軌跡 回転中心軸周り 次回測定 位置校正 無重力状態 電気信号配線 画像呈示
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2004年12月9日)のものです。
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図面 (13)

課題

平衡感覚診断装置およびシステム携帯可能な大きさならびに重量とすると同時に、使用場所使用方法を広範に広げることで、いつでも、どこでも、だれでもが平衡感覚異常に関する診断を受けられる環境を実現することを目的とする。

解決手段

運動センサ手段10ならびに、運動センサ手段10からの運動を表す信号を一時記憶する運動記憶手段18とが少なくとも利用者の身体に装着される。そして、一旦運動記憶手段18に運動状況が記録された後、運動記憶手段18の出力に対して運動診断手段12の入力を結合することで診断結果出力を得る平衡感覚機能診断システムにより解決する。

概要

背景

めまいを含めた平衡障害診断においては、例えば、特開平8−215176号公報に、利用者がまっすぐに立っている状態にて足裏にかかる体重の分布を時間と共に計測することで無意識のうちになされる身体の動き分析する重心動揺計と呼ばれる検査装置ならびにシステムが知られている(特許文献1)。

概要

平衡感覚診断装置およびシステムを携帯可能な大きさならびに重量とすると同時に、使用場所使用方法を広範に広げることで、いつでも、どこでも、だれでもが平衡感覚異常に関する診断を受けられる環境を実現することを目的とする。運動センサ手段10ならびに、運動センサ手段10からの運動を表す信号を一時記憶する運動記憶手段18とが少なくとも利用者の身体に装着される。そして、一旦運動記憶手段18に運動状況が記録された後、運動記憶手段18の出力に対して運動診断手段12の入力を結合することで診断結果出力を得る平衡感覚機能診断システムにより解決する。

目的

本発明は、利用者の身体に携帯可能に装着される携帯端末部と、この携帯端末部からのデータを分析する分析装置とを備えてなる平衡感覚機能診断システムであって、前記携帯端末は前記利用者の身体の運動を検出する運動センサ手段を備え、前記分析装置は当該運動センサ手段からの信号を処理し、あらかじめ記録された運動診断情報に基づき平衡感覚機能の診断を行う運動診断手段を備えてなり、前記利用者の運動を分析し平衡感覚機能に関する診断情報を出力可能に構成された平衡感覚機能診断システムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
3件

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請求項1

利用者の身体に携帯可能に装着される携帯端末部と、この携帯端末部からのデータを分析する分析装置とを備えてなる平衡感覚機能診断システムであって、前記携帯端末は前記利用者の身体の運動を検出する運動センサ手段を備え、前記分析装置は当該運動センサ手段からの信号を処理し、あらかじめ記録された運動診断情報に基づき平衡感覚機能診断を行う運動診断手段を備えてなり、前記利用者の運動を分析し平衡感覚機能に関する診断情報を出力可能に構成された平衡感覚機能診断システム。

請求項2

利用者の身体に携帯可能に装着される携帯端末部と、この携帯端末部からのデータを分析する分析装置とを備え、前記携帯端末部は前記利用者の身体の運動を検出する運動センサ手段と、この運動センサ手段からの信号を記録する運動記憶手段を備え、前記分析装置は当該動記憶手段に記録された運動センサからの信号を処理し、あらかじめ記録された運動診断情報に基づき平衡感覚機能の診断を行う運動診断手段を備えてなり、前記利用者の運動を分析して平衡感覚機能に関する診断情報を出力するように構成された平衡感覚機能診断システム。

請求項3

利用者の身体に携帯可能に装着される携帯端末部と、この携帯端末からのデータを分析する分析装置とを備え、前記携帯端末部は、利用者の身体の運動を検出する運動センサ手段と、この運動センサ手段からの信号を無線において外部に送信する運動情報送信手段とを備え、前記分析装置は前記運動情報伝送手段からの信号を受信し、前記運動センサ手段からの信号を得る運動情報受信手段と、該運動情報受信手段からの信号を処理し、あらかじめ記録された運動診断情報に基づき平衡感覚機能の診断をおこなう運動診断手段とを備え、前記利用者の運動を分析し平衡感覚機能に関する診断情報を出力可能に構成された平衡感覚機能診断システム。

請求項4

請求項1〜3のいずれか1項に記載の平衡感覚機能診断システムにおいて、前記運動診断手段が感覚的な刺激を前記利用者に与える刺激生成手段をさらに備え、該刺激生成手段から該利用者に対し与えられる感覚的な刺激の特徴に関する情報を前記運動診断手段において共有することにより、特定の刺激に対する前記運動センサ手段からの信号を分析し平衡感覚機能の診断情報を出力することを特徴とする平衡感覚機能診断システム。

請求項5

請求項1〜4のいずれか1項に記載の平衡感覚機能診断システムに用いられる前記携帯端末部であって、前記運動センサ手段は、前記利用者の頭頂部に設置されるように装着可能な構成であり、当該頭部の少なくとも前後方向ならびに左右方向にそれぞれ検出感度を有するように構成されてなる携帯端末部。

請求項6

請求項1〜4のいずれか1項に記載の平衡感覚機能診断システムに用いられる前記携帯端末部であって、前記運動センサ手段は前記利用者のの部分に設置されるように装着可能な構成であり、当該利用者の体の中心線を基準とし、腰の少なくとも前後方向ならびに左右方向にそれぞれ測定感度を有するように構成されてなる前記携帯端末部。

請求項7

請求項1〜4のいずれか1項に記載の分析装置。

請求項8

請求項1〜4のいずれか1項に記載の分析装置に前記運動分析手段を実行させるための、コンピュータ読み取り可能なプログラム

請求項9

請求項8記載のプログラムが記憶された記憶媒体

技術分野

0001

本発明は、利用者の身体に装着され、無意識のうちになされる身体の揺れや傾き等の運動情報を取得することによって平衡感覚機能に関する医療的所見診断支援するシステムおよびそれに用いられる装置に関する。このシステムは平衡感覚機能の疾患ばかりでなく、機能低下状態、例えば疲労状態を診断することにも有効である。

0002

めまいを含めた平衡障害の診断においては、例えば、特開平8−215176号公報に、利用者がまっすぐに立っている状態にて足裏にかかる体重の分布を時間と共に計測することで無意識のうちになされる身体の動き分析する重心動揺計と呼ばれる検査装置ならびにシステムが知られている(特許文献1)。

0003

このシステムでは、家庭用体重計に似た装置に利用者が乗り、体重計の水平面に作用する力の分布をストレインゲージ等の力覚センサによって測定しており、利用者が装置の上に立つだけで診断が行える。

0004

この装置で測定されるのは、足裏にかかる力の分布から推定される体の重心位置の時間変動であるが、30秒間あるいは60秒間という一定の時間において、利用者が目を開けた状態と目を閉じた状態において、健常者ならびに平衡機能障害に関わる特徴的な疾患を有する人についてあらかじめどのような運動パターンが検出されるのかを計測しておき、新たな運動パターンが入力されると、それがどのような状態の人によるデータに最も近いのかを統計的に識別することで平衡感覚機能診断を実現している。

0005

この方式による装置ならびに診断方法は、厚生労働省発行当時は厚生省)発行の社会保険診療報酬に関する医科点数表の解釈(平成6年3月16日、保険発25)に掲載されており、日本国内の保険医療機関において診断に使用されている。

背景技術

0006

【特許文献1】
特開平8−215176号公報

0007

従来の技術による平衡感覚機能診断においては、利用者が体重計のような装置の水平面上に立つことで、足裏にかかる体重の分布を計測しているため、装置は少なくとも両足で立っていられるだけの面積を水平面として確保している必要がある。また、少なくとも数10kgの重量に耐えつつ、無意識のもとで生じる微小運動(典型的には重心位置の移動距離にして数ミリ程度)を検出する必要があることから、現在使用されているストレイン(ひずみ)ゲージのようなセンサを使用する場合、検査装置にある程度の重さがあることが不可欠となる。

0008

すなわち、体重による装置の破損を防ぐと同時に、体重によって再現性良く可逆的にたわむような材料によって水平面を構成する必要があるが、そのような材料としては重量のある金属板を使用することが普通である。

0009

更には、重量分布を計測するという装置の性質上、利用者が乗る水平面に対し重力が鉛直方向に作用していることが望ましく、あらかじめ重力に対する水平面に対し測定装置の設置位置校正を行っておく必要がある。

0010

以上のようなことにより、装置の大きさならびに重量、そして設置場所に対する制約といった観点から、従来の平衡感覚機能診断装置日常的に携帯しつつ利用することはかなり困難である。また、装置の原理上、重力のない場所での利用は不可能である。

0011

更には、従来技術による診断装置では、少なくとも利用者が一定時間、例えば30秒ないし60秒の間両足で立っていられる状態になければならない。このため、診断を行えるのは、両足でまっすぐに立っていられる人に限られるが、平衡感覚機能に障害を有し、立位を長時間維持することが難しい人や、他の病状により立位での計測が困難である人には利用することができない診断手法となっている。

0012

以上のように、従来技術による平衡感覚診断装置においては、いつでも、どこでも、だれでもが、気軽に利用し診断を受けられる状況とはなっていない。

発明が解決しようとする課題

0013

そこで、本発明はこういった問題点を解決するためになされたものであり、診断装置を携帯可能な大きさならびに重量とすると同時に、使用場所使用方法を従来技術によるものに対し極めて広範に広げることで、いつでも、どこでも、だれでもが平衡感覚異常に関する診断を受けられる環境を実現することを目的としている。

0014

従来技術においては、利用者が体重計のような装置の上に立ち、足裏に作用する重力の分布を測定するという原理において平衡感覚異常に係る診断を行っているが、本発明においては、平衡感覚異常によっておこる、いわゆる「めまい」といった現象が利用者の頭部やの位置といった、身体上の特徴的な場所における運動として観測されることを利用し、これらの運動を計測するための運動センサ手段を用いる。また、運動センサ手段からの信号を処理し、適切な診断結果を与える運動診断手段を併せて用いる。

0015

また、運動診断手段を携帯しない等、運動センサ手段とは物理的に分離して設置する構成においては、運動センサ手段からの信号を半導体メモリ等の記憶素子を用いて一時的に記憶する運動記憶手段を運動センサ手段とともに携帯することで、より小型かつ軽量な装置のみを利用者が携帯することで診断を実施する構成とすることもできる。

0016

即ち、本発明は、利用者の身体に携帯可能に装着される携帯端末部と、この携帯端末部からのデータを分析する分析装置とを備えてなる平衡感覚機能診断システムであって、前記携帯端末は前記利用者の身体の運動を検出する運動センサ手段を備え、前記分析装置は当該運動センサ手段からの信号を処理し、あらかじめ記録された運動診断情報に基づき平衡感覚機能の診断を行う運動診断手段を備えてなり、前記利用者の運動を分析し平衡感覚機能に関する診断情報を出力可能に構成された平衡感覚機能診断システムを提供するものである。

0017

ここで、「運動の検出」とは、平衡感覚の疾患或いは低下に現れる特徴的な運動を検出するためのものであり、例えば、直線的な運動の速度、加速度や種々の回転中心軸周りの角速度等がある。

0018

また、本発明は、利用者の身体に携帯可能に装着される携帯端末部と、この携帯端末部からのデータを分析する分析装置とを備え、前記携帯端末部は前記利用者の身体の運動を検出する運動センサ手段と、この運動センサ手段からの信号を記録する運動記憶手段を備え、前記分析装置は当該動記憶手段に記録された運動センサからの信号を処理し、あらかじめ記録された運動診断情報に基づき平衡感覚機能の診断を行う運動診断手段を備えてなり、前記利用者の運動を分析して平衡感覚機能に関する診断情報を出力するように構成された平衡感覚機能診断システムを提供するものである。

0019

また、本発明は、利用者の身体に携帯可能に装着される携帯端末部と、この携帯端末からのデータを分析する分析装置とを備え、前記携帯端末部は、利用者の身体の運動を検出する運動センサ手段と、この運動センサ手段からの信号を無線において外部に送信する運動情報送信手段とを備え、前記分析装置は前記運動情報伝送手段からの信号を受信し、前記運動センサ手段からの信号を得る運動情報受信手段と、該運動情報受信手段からの信号を処理し、あらかじめ記録された運動診断情報に基づき平衡感覚機能の診断をおこなう運動診断手段とを備え、前記利用者の運動を分析し平衡感覚機能に関する診断情報を出力可能に構成された平衡感覚機能診断システムを提供するものである。

0020

また、前記運動診断手段が感覚的な刺激を前記利用者に与える刺激生成手段をさらに備え、該刺激生成手段から該利用者に対し与えられる感覚的な刺激の特徴に関する情報を前記運動診断手段において共有することにより、特定の刺激に対する前記運動センサ手段からの信号を分析し平衡感覚機能の診断情報を出力することもできる。

0021

また、本発明は上記のような構成を有する平衡感覚機能診断システムに用いられる携帯端末部であって、前記運動センサ手段は、前記利用者の頭頂部に設置されるように装着可能な構成であり、当該頭部の少なくとも前後方向ならびに左右方向にそれぞれ検出感度を有するように構成されてなる携帯端末部を提供するものである。

0022

また、本発明は上記のような構成を有する平衡感覚機能診断システムに用いられる携帯端末部であって、前記運動センサ手段は、前記利用者の腰の部分に設置されるように装着可能な構成であり、当該利用者の体の中心線を基準とし、腰の少なくとも前後方向ならびに左右方向にそれぞれ測定感度を有するように構成されてなる前記携帯端末部を提供するものである。

0023

また、本発明は上記のような構成を有する平衡感覚機能診断システムに用いられる分析装置を提供するものである。

課題を解決するための手段

0024

また、本発明は上記のような構成を有する分析装置に前記運動分析手段を実行させるための、コンピュータ読み取り可能なプログラムを提供するものである。このプログラムは記憶媒体に記憶することもできる。

0025

(第1の実施例)
図1は、本発明による第1の実施例を示したものであり、利用者の身体に装着された運動センサ手段10により検出された利用者の体の運動を示す信号は運動診断手段12へと入力される。運動診断手段12では、運動を示す信号について、運動診断情報蓄積手段16に格納されている物理的な運動を記述する種々のパラメータ、例えば加速度、速度、変位量周波数成分といった物理的な特徴量を計算し、あらかじめ健常者や平衡感覚機能に特定の障害を有する非健常者から取得した物理的特徴量、すなわち運動診断情報との比較を行うことで、平衡感覚機能に対する診断を行う。そして、診断結果は診断結果出力手段16を通じて出力される。

0026

本実施例では、利用者の身体には少なくとも運動センサ手段10が装着されるが、他の構成要件、すなわち運動診断手段12、運動診断情報蓄積手段14、診断結果出力手段16については利用者の身体には必ずしも装着されなくとも良い。

0027

ただし、電気信号配線といった物理的な配線によって運動センサ手段10と運動診断手段12とが結合されている場合には、配線が存在することにより利用者の自然な運動を妨げる可能性があることから、全ての手段が利用者の身体に装着されていることがより望ましい。

0028

(第2の実施例)
図2は、本発明の第2の実施例を示しており、運動センサ手段10ならびに、運動センサ手段10からの運動を表す信号を一時記憶する運動記憶手段18とが少なくとも利用者の身体に装着される。そして、一旦運動記憶手段18に運動状況が記録された後、運動記憶手段18の出力に対して運動診断手段12の入力を結合することで、第1の実施例に記載の手順と同様にして診断結果出力を得る。

0029

本実施例では、利用者が身に付けなければならない構成要件が運動センサ手段10ならびに運動記憶手段18のみとなり、また電気信号配線等の物理的な配線は利用者の運動を計測し終えた後に、運動記憶手段18と運動診断手段12との間に設置すれば良いことから、利用者の自然な運動を妨げることなく、診断に必要な計測を行うことが可能となる。

0030

(第3の実施例)
図3は、本発明の第3の実施例を示しているが、第2の実施例における運動記憶手段18に代えて、利用者が装着する運動情報送信手段20ならびに、必ずしも利用者が装着する必要の無い運動情報受信手段22との間で運動情報を無線の方法により運動情報信号として伝送する。

0031

すなわち、本実施例では利用者が少なくとも装着しなければならないのは、運動センサ手段10および運動情報送信手段20のみであり、その他の構成要件、すなわち運動情報受信手段22、運動診断手段12、運動診断情報蓄積手段14、診断結果出力手段16については必ずしも利用者の身体に装着されている必要はない。

0032

本実施例では、利用者の身体に装着する機器を最少限度にとどめつつ、計測した情報をリアルタイムにて外部に設置された運動診断を行う機器へと伝送できることから、利用者の自然な動きを妨げることなくリアルタイム性を要求されるような運動診断を実施することができる。

0033

(第4の実施例)
図4は本発明の第4の実施例を示しており、第1の実施例において述べた平衡感覚機能診断システムに対し、利用者に感覚的刺激を能動的に与える刺激生成手段24が運動診断手段12に対し結合されているものである。

0034

ここで、刺激生成手段24において生成される感覚的刺激としては、例えば、大型スクリーンへの動画像投射や、強弱に変化をもたせた光源、利用者の頭部に装着されるヘッドマウントディスプレイといった、目の近傍で映像を投射する機器からの画像呈示といった、利用者の視覚に対して刺激を与えるものや、ステレオ等の立体的なものを含めた音響によるもの、更には利用者の身体への物理的な力の作用、例えば、利用者の背中を押すといった能動的な刺激を与えるようなものがある。

0035

本実施例では、このような刺激を与える刺激生成手段24に加え、刺激生成手段24が、いつ、どのような刺激を利用者に与えたのかを運動診断手段12に伝えることで、これに呼応する運動センサからの信号の識別を容易なものとし、能動的な平衡感覚機能診断を可能とする。

0036

また、本実施例における刺激生成手段24は、本発明の第2の実施例ならびに第3の実施例とともに使用することもでき、いずれの場合にも利用者が身体に装着しなければならない機器の量を減らすことができるとともに、物理的な電気信号配線等によって利用者の自然な運動を妨げないことから、より自然な状況での外部刺激印加に対する利用者の運動診断を実施することができる。

0037

(第5の実施例)
図5は、本発明による第5の実施例に係る平衡感覚機能診断装置1の例であるが、頭頂部に装着され、頭部の前後方向ならびに左右方向についてそれぞれ感度を有する力センサ、あるいは加速度センサによって運動センサ30を構成した例である。

0038

なお、測定に際しては、利用者の頭部は地面に対し直立している時と同様の姿勢、すなわち頭頂部が地面に対し最も遠くなっている状態とすることが望ましい。平衡感覚機能の診断では、頭部の物理的な揺れを計測することが有効であるが、本実施例では頭部の前後方向、左右方向への座標移動に加え、頭頂部の地面水平面に対する角度、すなわち頭部の姿勢変化をも診断に供する運動情報として取得することができる。つまり、重力(静的な加速度)に対し感度を有する加速度センサを用いることで、頭頂部が重力方向に対しなしている角度を計算することができる。

0039

今、頭頂部が地面の水平面に対しなしている角度をθとし、重力加速度をG、加速度センサにおいて計測される加速度をaとすると、

0040

【式1】
a=G・sinθ

0041

という関係が成立する。ここで、θが非常に小さいとき、具体的には約5度程度よりも小さい時には、sinθ〜θ(ただしθの単位はラジアン)という関係が成立し、

0042

【式2】
a〜G・θ

0043

とできる。このことは、利用者が頭頂部にセンサを取り付ける際に、おおむね5度程度以下の誤差範囲で地面に対する角度を維持できれば、利用者の頭部の姿勢変化、すなわちθの変動は、計測される加速度aの変動として読み取ることができることを意味している。したがって、頭頂部にセンサを取り付ける毎に、姿勢(角度)と加速度との関係を校正しなくとも、頭頂部のゆれに関しては再現性よく測定できることとなる。

0044

なお、加速度センサが地面に対する角度、すなわち重力の作用の度合いに対し感度を有しているため、測定された加速度は直線運動によるものと、角度の変化に対応するものとがある。そこで、より正確な計測を可能にするため、角度の変化についてはジャイロセンサといった回転運動に感度を有するセンサを用い、直線運動との分離を図ることもできる。但し、実際の計測では地面に対する角度の変化は直線運動に対しゆっくりとした変化となる場合が多いため、加速度センサからの信号のうち高周波成分、例えば1秒間に2回程度以上の周期をもって変化している成分のみを観測することで適切な診断を行うことができる。かかる場合、加速度センサの姿勢変化による信号成分(例えば低周波成分)はノイズとして除去した上で診断を行う。

0045

また、頭頂部の前後、左右方向への座標移動についても、頭頂部への運動センサの取り付け位置のばらつきが傾斜角度にして±5度未満であるとすれば、sin5°〜0.08より、10%以下程度の誤差にて前後、左右方向への運動加速度の計測を行うことができる。

0046

また、頭頂部への運動センサの取り付けでは、利用者の服装に対する制約が少なく、ヘアバンドヘッドホンのような構成とすることで、だれでも気軽に利用できるという利点を有する。

0047

尚、運動センサとして使用するセンサとしては、センサ内部のおもりに作用する力を計測することで加速度を計算する加速度センサに加え、角速度を計測するジャイロセンサ等を使用することも考えられるが、頭頂部におけるゆらぎの計測という性格上、直立姿勢における頭頂部の姿勢に対し少なくとも前後/左右の2方向に対する運動を計測することが望ましい。

0048

(第6の実施例)
図6は、本発明による第6の実施例に係る平衡感覚機能診断装置2の例であり、利用者の腰に装着され、腰の体前面にベルト状の治具32を用いて固定された運動センサにより運動センサ手段34を構成している。

0049

腰は、人間のほぼすべての体の運動において基準となる部位であり、手足のような末梢部と比較して、平衡感覚機能診断上意味のないランダムな運動が生じにくいことから、信頼性の高い運動情報が得られる。従って、本実施例では運動センサが腰の体前面に設置されているが、後面中央部に設置されても同様の効果を得ることができる。

0050

平衡感覚機能診断においては、体のゆれを計測することが有効であることから、体の中心にあたる腰の部位の前後/左右への運動計測が有効であり、それぞれの方向に感度を有する加速度センサ、あるいは角速度センサを使用することが望ましい。

0051

次に、本発明の平衡感覚機能診断システムにおける各装置の機能を説明する。図7は本発明に係る平衡感覚機能診断システム3の構成を示す機能ブロック図である。この図における平衡感覚機能診断システム3は、X軸の運動とY軸の運動を検出するための運動センサ手段としての加速度センサ36が、X軸およびY軸ごとにそれぞれA/D変換器40,42に電気的に接続されており、さらに、各A/D変換器40,42がマイクロコンピュータ44に電気的に接続されている。また、マイクロコンピュータ44は、電気的に接続された診断情報メモリ46、起動スイッチ48、診断結果出力部50、スピーカ52をそれぞれ備えている。以下、各々の構成について説明する。

0052

まず、運動センサ手段としての加速度センサ36について説明する。加速度センサ36は、X軸の運動を検出するためのセンサ36a、Y軸の運動を検出するためのセンサ36bからなり、センサ内部のおもりに作用する力を計測することにより加速度を計算する。

0053

なお、平衡感覚機能を診断するという本発明の目的上、加速度センサ36は図5に示すような頭頂部または図6に示すような腰部に設置されることが望ましい。例えば、加速度センサを頭頂部に設置することにより、姿勢(角度)と加速度との関係を校正しなくとも、頭頂部のゆれに関して、少ない誤差で再現性よく測定できる。また、加速度センサを体の中心に相当する腰部に設置することにより、手足のような末梢部と比較して、平衡感覚機能診断上意味のないランダムな運動が生じにくいことから、信頼性の高い運動情報を得ることができる。なお、腰部に設置する場合は、人体の重心に近く、体の中心線上に位置する人間のへそ)の位置に設置することがより好ましい。

0054

本発明で使用される加速度センサ36は、健常者における典型的な体の揺れに対応する加速度である10〜20/1000G(Gは重力加速度)を十分な分解能をもって計測するため、おおむね5/1000G以下の加速度を捉えられる分解能を有することが好ましい。

0055

次に、マイクロコンピュータ44について説明する。マイクロコンピュータ44は、加速度センサ36から受信した加速度信号を、診断判定するための特徴量データに基づき演算処理する機能を有する。具体的には、診断判定用の情報がデータとして記憶されている運動診断蓄積手段としての診断情報メモリ46、加速度センサ36から受信した信号を診断判定用の運動特徴量データに基づき分析する運動診断手段(図示せず)を有し、その処理の結果を、後述する診断結果出力部50および/またはスピーカ52により出力する機能を有する。

0056

診断結果出力部50はマイクロコンピュータ44による診断結果を外部に出力するためのものであり、モニタを介して画面上で診断結果を表示するか、プリンタ等により紙媒体に診断結果を出力することもできる。

0057

A/D変換機40,42は、加速度センサ36から出力されたアナログ信号デジタル信号に変換するためのものである。スピーカ52は、測定の開始を音で伝える、マイクロコンピュータ44による診断結果を音声として出力する、オペレータの操作信号を音声として出力する、等のため、上述した診断結果出力部50の一つとして補助的に使用されるものである。これらA/D変換機40,42およびスピーカ52はその種類に特に制限はなく、一般に市販されているものを使用することができる。

0058

また、本発明の平衡感覚機能診断システム3は、加速度センサ36からの情報を一時的に記憶するための運動記憶手段、加速度センサ36からの情報を無線で送信するための運動情報送信手段、運動情報送信手段からの信号を受信し運動診断手段にその信号を伝えるための運動情報受信手段を備えることもできる。

0059

次に、本発明に係る平衡感覚機能診断システム3の情報処理の一例を、図8に記載したフローチャートに基づき説明する。

0060

本発明の平衡感覚機能診断システムの起動スイッチをONにすると(ST1)、平衡感覚機能診断システムが起動し、起動スイッチがONになった後、数秒後から加速度センサによる測定が開始される。そのため、診断装置は起動スイッチをONにする前に身体に取り付けておくことが望ましい。但し、起動から測定開始までの時間は診断を受ける人自らが測定を行う場合や、他人が装置の操作を行う場合等の状況に応じて適宜設定することが可能である。

0061

測定の開始/終了については、LED等による光を用いてタイミングの表示を行うこともできるが、利用者が一人で測定を行う場合には、装置自体が利用者の視野に入らない場合や、測定条件として利用者が目を閉じている場合もあり、光による通達方式を用いることが適切でない場合がある。このような場合はスピーカからの音響により測定の開始および終了を利用者に効果音にて伝える(ST2)。

0062

加速度センサから収集された運動データは、例えば加速度、速度、変位量、周波数成分といった物理的な特徴量であり、運動記憶手段によりコンピュータに記録される(ST3)。記録された運動データは一定時間記憶され、測定終了時に消去されるか、次回測定時に、新たに収集された運動データが上書きされるようにしてもよい。

0063

計測は典型的には30秒〜60秒で行うことができるが、計測時間は利用者の容態等に応じて適宜設定することも可能である。例えば、重度脳機能障害を有する患者は、直立姿勢を一定時間保持することが困難であるため計測時間を最短値に設定したり、めまいの診断に訪れた初診の患者を計測する場合は、めまいの程度を正確に測定する必要があるため計測時間を最長値に設定する等の変更が可能である。

0064

運動データの取得が終了すると、効果音等で計測の終了を利用者に知らせる(ST4)。この時点で利用者は診断装置を身体から取り外すことができる。

0065

同時に、マイクロコンピュータは取得した運動データの運動特徴量を計算する(ST5)。その結果、得られた運動特徴量は、健常者または平衡感覚機能に特定の障害を有する非健常者からあらかじめ計測・記憶された物理的特徴量、即ち運動診断情報としての診断判定用データと比較される(ST6)。

0066

比較の結果、得られた情報は診断情報として診断結果出力部により出力される(ST7)。この際、診断情報はディスプレイ等により画面表示するか、プリンタ等により紙媒体に印刷されて出力される。

0067

なお、計測は立っていても、座っていても行うことができ、利用者は従来の平衡感覚診断装置のように、測定している間中、常に直立している必要はない。

0068

次に、加速度センサから得られた運動データの処理方法について説明する。図9は加速度センサから得られた利用者の運動軌跡を示したものである。図の例では、加速度センサの設置場所は図5に示すような頭頂部である。

0069

加速度センサ54を人間の頭頂部に設置した場合、図9(a)におけるX軸方向で左右の揺れ(横揺れ)を検出し、Y軸方向で前後の揺れ(縦揺れ)を検出する。図9(b)は時間に対する加速度の値を軌跡パターンとして示したものである。この図では、時刻t1における加速度値と時刻t2における加速度値から、一定時間に体の軸がどの程度揺れたのかを表す特徴量を求めることができる。

0070

図10に、上記の加速度軌跡パターンに基づき面積を求める例を示す。この図で示すように、2次元加速度の軌跡から、その最外周を計算する。次いで、その最外周で囲まれた範囲(黒く塗りつぶされた範囲)の面積を求めることにより、利用者の頭部が最大でどの位の範囲で揺れたかを表す特徴量を求めることができる。

0071

また、加速度軌跡パターンに基づき、利用者の頭部が運動した量を求めることもできる。図11に、その加速度軌跡パターンから総軌跡長を求める例を示す。時刻t1から経時的にt2、t3…tnと加速度の軌跡をプロットし、各プロット間の距離を軌跡長L1、L2…として求める。そして、下記に示すように、時刻t1からt2までの加速度軌跡の長さL1、時刻t2からt3までの加速度軌跡の長さL2、…時刻tn−1からtnまでの加速度軌跡の長さをそれぞれ加えていくことにより、利用者の頭部が計測時間内にどれだけ運動したのかを表す特徴量(総軌跡長)を求めることができる。

0072

総軌跡長=時刻t1からt2までの加速度軌跡の長さL1+時刻t2からt3までの加速度軌跡の長さL2+時刻tn−1からtnまでの加速度軌跡の長さ

0073

更に、計測の結果、時間と加速度との関係が図12(a)のようなグラフとなった場合に、時間の信号である f(t)から周波数の関数F(ω)へのフーリエ変換を行うと、図12(b)のような周波数と振幅との関係を示すグラフが得られる。この中で、所定の周波数の範囲(矢印で示した範囲)にある振動エネルギーを特徴量として求めることができる。なお、この特徴量はX軸、Y軸それぞれについて求めることができる。

0074

以上、本発明に係る平衡感覚機能診断装置およびシステムを、人間の平衡感覚機能の測定に利用した場合を説明したが、本発明に係る平衡感覚機能診断装置およびシステムは、直立二足歩行ロボットに応用することもできる。かかる場合、運動センサから得られた情報は、マイクロコンピュータによりロボットが倒れるのを防止するような姿勢を形成するための情報処理を行い、診断結果出力手段が手足等の末梢部の動作に反映させることができる。仮にロボットが倒れた場合でも、倒れた際の衝撃を最小限に抑制するような姿勢を形成させるための指令をロボットに反映させることもできる。

発明を実施するための最良の形態

0075

また、本発明に係る診断装置およびシステムは、身体上の部分に設置された加速度センサ等の運動センサを用いて計測するため、従来技術による体重計的な計測のように重力が存在していることを前提とはしておらず、場所による制限を受けない。そのため、宇宙のような無重力状態でも使用することができる。

0076

以上のようにして、運動センサ手段を利用者の身体に装着し、平衡感覚機能に関わる身体の特徴的な部位の運動を計測することにより、従来の技術では困難であった、いつでも、どこでも、だれでもが利用できる平衡感覚機能診断装置およびシステムを実現することができる。

0077

また、いつでも、どこでも利用できるという本発明による装置およびシステムの特徴から、医療機関に利用者が出向くことなく、利用者が日常的に平衡感覚機能診断を行うことで、手軽に日々の健康状態を把握することができる。

発明の効果

0078

また、宇宙においてもめまいは重要な問題となっているが、本発明に係る診断装置およびシステムは宇宙のような無重力状態でも使用することができる。

図面の簡単な説明

0079

また、本発明に係る診断装置およびシステムを利用して、平衡機能定量的評価平衡異常重症度の評価、平衡異常の改善度の評価、治療の効果の評価、平衡機能発達指標、平衡異常の障害器官の推測等も行うことができる。

図1
本発明の第1の実施例による平衡感覚機能診断システムのブロック図である。
図2
本発明の第2の実施例による平衡感覚機能診断システムのブロック図である。
図3
本発明の第3の実施例による平衡感覚機能診断システムのブロック図である。
図4
本発明の第4の実施例による平衡感覚機能診断システムのブロック図である。
図5
本発明の第5の実施例による平衡感覚機能診断装置を説明する図である。
図6
本発明の第6の実施例による平衡感覚機能診断装置を説明する図である。
図7
本発明に係る平衡感覚機能診断システムの構成を示す機能ブロック図である。
図8
本発明に係る平衡感覚機能診断システムの情報処理の一例を記載したフローチャートである。
図9
加速度センサから得られた利用者の加速度軌跡パターンを示す図である。
図10
上記の加速度軌跡パターンに基づき面積を求める例を示す図である。
図11
上記の加速度軌跡パターンから総軌跡長を求める例を示す図である。
図12
時間の信号である f(t)から周波数の関数F(ω)へフーリエ変換した結果を示す図である。
【符号の説明】
1,2:平衡感覚機能診断装置、3:平衡感覚機能診断システム、10:運動センサ手段、12:運動診断手段、14:運動診断情報蓄積手段、16:診断結果出力手段、18:運動記憶手段、20:運動情報送信手段、22:運動情報受信手段、24:刺激生成手段、26,30,34:運動センサ、32:治具、36,54:加速度センサ、44:マイクロコンピュータ、46:診断情報メモリ

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