図面 (/)

技術 グランドトゥルース支援装置およびグランドトゥルース支援プログラム

出願人 三菱電機株式会社
発明者 和泉秀幸
出願日 2003年5月12日 (17年2ヶ月経過) 出願番号 2003-133414
公開日 2004年11月25日 (15年8ヶ月経過) 公開番号 2004-333445
状態 特許登録済
技術分野 教示用装置 レーダ方式及びその細部
主要キーワード 境界角度 完成済み 補正後位置 地球科学 グレードバー 電波画像 調査レポート 観測状況
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2004年11月25日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (20)

課題

電波画像や地図上で位置や高さを指定して、構造物などに対応して要求される補正データを自動的に算出し画面に表示し、現地調査の効率化を図ることを可能にする。

解決手段

電波地図位置変換手段により、測位手段から入手しあるいは入力手段から入力された位置情報連係して地図情報手段から読み出した地図と電波画像情報管理手段から読み出した電波画像を表示する装置で、表示された電波画像上で指定された位置と高さの情報から、位置情報と撮像再生情報から得た当該電波画像の撮影時の電波センサの位置に基づいて、地図上の位置座標補正量を求め、補正位置座標を算出する電波画像指定フォーショートニング補正手段を備える。

概要

背景

マイクロ波等を使った画像レーダは、日中、夜間、雲霧等の天候を問わずに地表等の観測を可能とする特徴があり、リモートセンシングの分野で利用されている。この画像レーダの1つに合成開口レーダ(Synthetic Aperture Radar:以下SARと称する。)がある。SARは、人工衛星航空機へ比較的小さなアンテナの搭載し、その飛翔体の進行を利用し、かつ信号処理技術を用いることにより、仮想的に大きなアンテナを用いた場合と同様な高解像度で地表を撮像可能とするため、地球観測のリモートセンシングとして利用されている。ここでは、SARの観測データ信号処理等を施して、電波画像として利用することが多い。

概要

電波画像や地上で位置や高さを指定して、構造物などに対応して要求される補正データを自動的に算出し画面に表示し、現地調査の効率化をることを可能にする。電波地位置変換手段により、測位手段から入手しあるいは入力手段から入力された位置情報連係して地情報手段から読み出した地と電波画像情報管理手段から読み出した電波画像を表示する装置で、表示された電波画像上で指定された位置と高さの情報から、位置情報と撮像・再生情報から得た当該電波画像の撮影時の電波センサの位置に基づいて、地上の位置座標補正量を求め、補正位置座標を算出する電波画像指定フォーショートニング補正手段を備える。

目的

この発明は、上記のような課題を解消するためになされたもので、電波画像上または地図上で位置や高さを指定することにより、構造物などに対応して要求される補正データを自動的に算出して画面上で表示し、現地調査で求められる作業の効率化を図ることを可能にするグランドトゥルース支援装置およびグランドトゥルース支援プログラムを得ることを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

現在位置を示す位置情報入手する測位手段と、対象地域地図情報および地図に関連した情報を管理する地図情報手段と、調査対象電波画像および当該電波画像の撮影時と画像再生に関する撮像再生情報を保持して管理する電波画像情報管理手段と、前記撮像・再生情報を参照して電波画像と地図で対応する位置を変換して算出する電波地図位置変換手段とを備え、前記電波・地図位置変換手段により、前記測位手段から入手しあるいは入力手段から入力された位置情報に連係して前記地図情報手段から読み出した地図と電波画像情報管理手段から読み出した電波画像を表示するグランドトゥルース支援装置において、表示された電波画像上で指定された位置と高さの情報から、位置情報と前記撮像・再生情報から得た当該電波画像の撮影時の電波センサの位置に基づいて、地図上の位置座標補正量を求め、補正後の位置座標を算出する電波画像指定フォーショートニング補正手段とを備えたことを特徴とするグランドトゥルース支援装置。

請求項2

地図上で指定された位置座標と高さの情報から、位置情報と電波・地図位置換算手段を使って電波画像上での位置座標を求め、高さ情報と撮像・再生情報から得た当該電波画像の撮像時の電波センサの位置に基づいて電波画像上の位置の補正量を求め、補正後の電波画像上の位置を算出する地図指定フォーショートニング補正手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のグランドトゥルース支援装置。

請求項3

地図上または電波画像上で指定された一定の範囲の領域とその領域の高さの情報から、対応する領域に対する電波画像上または地図上での位置補正量を求め、補正後の電波画像上または地図上の領域の位置を算出する領域指定手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載のグランドトゥルース支援装置。

請求項4

光学情報機器と接続して連係して動作し、光学情報機器から得られる画像情報と、当該装置上で使用する地図上または電波画像上で入力された光学画像撮影位置や撮影方向から得られた情報とを関連付けて記録する光学情報記録手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載のグランドトゥルース支援装置。

請求項5

対象物の電波の反射強度や高さを観測する観測機器と連係して動作し、前記観測機器から得られる観測対象物の高さや電波の反射強度の情報と、地図上または電波画像上で入力された観測位置観測方向の情報とを関連付けて記録する反射強度・高さ記録手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載のグランドトゥルース支援装置。

請求項6

電波画像上で指定された地点に対して高さの範囲が設定された場合、電波画像情報管理手段、電波・地図位置換算手段、電波画像指定フォーショートニング補正手段および地図情報手段により、設定された高さの範囲に対応した地図上の補正後位置座標をそれぞれ算出させ、各高さに対応させて算出された補正後位置座標を地図上に表示させる電波画像指定位候補列挙手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のグランドトゥルース支援装置。

請求項7

地図上で指定された地点に対して高さの範囲が設定された場合、電波画像情報管理手段、電波・地図位置換算手段、地図指定フォーショートニング補正手段、地図情報手段により、設定された高さの範囲に対応した電波画像補正後位置をそれぞれ算出させ、各高さに対応する算出された電波画像補正後位置を電波画像上に表示させる地図指定位置候補列挙手段を備えたことを特徴とする請求項2記載のグランドトゥルース支援装置。

請求項8

同一地点に対する地図上と電波画像上の位置を指定することで、指定地点の高さを算出する反射位置高度推定手段を備えたことを特徴とする請求項2記載のグランドトゥルース支援装置。

請求項9

地図上または電波画像上で指定された影を発生させる物体の位置と高さの情報から、地図上または電波画像上で、電波センサからの電波の影となる領域およびその高さを算出する影域算出手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載のグランドトゥルース支援装置。

請求項10

地図上または電波画像上で指定された物体の位置と高さの情報から、地図上または電波画像上で光学画像と比べて上下反転して見える領域を算出する上下反転域算出手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載のグランドトゥルース支援装置。

請求項11

地図上または電波画像上で指定された物体の位置と高さの情報から、地図上または電波画像上で光学画像と比べて上下反転して見える領域を算出する上下反転域算出手段と、電波影域算出手段で算出した電波の影となる領域およびその高さと前記上下反転して見える領域を合成する上下反転電波影域合成手段とを備えたことを特徴とする請求項9記載のグランドトゥルース支援装置。

請求項12

地図上または電波画像上で指定された物体の位置と高さの情報から、地図上または電波画像上で画像が光学画像と比べて上下反転して見える斜面の角度を算出する上下反転斜度算出手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載のグランドトゥルース支援装置。

請求項13

電波画像上で指定された電波センサからの電波の影となる領域の情報から、その領域が地図上に現れる位置とその高度を算出する電波影域地図位置算出手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のグランドトゥルース支援装置。

請求項14

電波を後方散乱しないと仮定した物体の形状を定義する物体形状設定手段と、地図上で指定され、前記物体形状設定手段で定義した物体を置く位置の情報から、この物体による電波の影が電波画像上に現れる領域を算出する電波影域制御手段を備えたことを特徴とする請求項9記載のグランドトゥルース支援装置。

請求項15

地図上で多重散乱を起こす原因となる反射面の範囲を指定する反射面指定手段と、地図上で指定された散乱基準点の位置と高さの情報から、前記反射面指定手段で指定された反射面を考慮して、電波画像上に現れる多重散乱点を算出する多重散乱点算出手段とを備えたことを特徴とする請求項2記載のグランドトゥルース支援装置。

請求項16

反射面指定手段で指定された多重散乱を起こす領域に対して、対象領域を複数指定すると共に、各対象領域の高さ、水平面に対する角度および反射角の大きさ、反射面での通算反射回数の上限値を設定する反射面管理手段を備え、多重散乱点算出手段が、前記反射面管理手段の設定条件に応じた反射散乱点を算出するようにしたことを特徴とする請求項15記載のグランドトゥルース支援装置。

請求項17

電波画像上で指定された多重散乱点と、地図上で指定された電波を反射する基準点の位置と高さの情報から、多重散乱を起こす反射点の、地図上での位置と高度を算出する多重反射面位置高度推定手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のグランドトゥルース支援装置。

請求項18

調査対象の電波画像を撮影した時の観測状況に応じたパラメータを予め設定する観測状況設定手段と、調査対象に関する条件が入力された場合、前記パラメータを用いて、シミュレーションにより参考となる電波画像を生成するか、またはデータベースを参照することにより参考となる電波画像を選択して表示させる参考画像呼び出し手段とを備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載のグランドトゥルース支援装置。

請求項19

電波画像に影響を与える情報が予め設定されたデータベースを検索し、参考となる情報を選択して表示させる参考情報検索手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載のグランドトゥルース支援装置。

請求項20

地図と電波画像の対応地点を複数入力することで、電波画像と地図上の位置の対応関係を算出する電波・地図位置換算手段での計算を補正する電波画像対地位置変換情報補正手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載のグランドトゥルース支援装置。

請求項21

撮像・再生情報から得た電波センサの位置と電波の照射方向の情報を用いて、電波・地図位置換算手段により地図上における電波の照射方向を算出させ、算出された地図上における電波の照射方向を表示させる電波の照射方向表示手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載のグランドトゥルース支援装置。

請求項22

グランドトゥルース調査内容を、地図または電波画像の位置、入力日時、電波画像の撮影情報などと結びつけて記録するグランドトゥルース調査データ記録手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載のグランドトゥルース支援装置。

請求項23

電波画像を解析判読する時に利用する認識のための画像データベースなどと連係するために、グランドトゥルース調査データ記録手段に記録する情報のカテゴリを設定するデータベース項目設定手段を備えたことを特徴とする請求項22記載のグランドトゥルース支援装置。

請求項24

グランドトゥルース調査データ記録手段に記録された高さ情報を入手し、電波画像情報管理手段から前記高さ情報に対応する電波画像および撮像・再生情報を読み出して高さによる位置を幾何補正した電波画像を作成する画像幾何補正手段を備えたことを特徴とする請求項22記載のグランドトゥルース支援装置。

請求項25

電波センサにより撮影した電波画像、それらの電波画像の関連情報および画像再生情報などの撮像・再生情報を格納した撮像・再生情報記憶装置と、各地域の地図データを格納した地図情報記憶装置と、現在位置を示す位置情報を入手する測位手段を内蔵または外部に備えて利用するコンピュータに適用するグランドトゥルース支援プログラムであって、位置情報に基づいて前記撮像・再生情報より対応する地域の電波画像を得ると共に、前記地図情報記憶装置から対応する地域の地図データを入手して表示手段に表示し、入力手段により、表示されている電波画像上の任意の位置を指定されると共に、その指定された位置に対する高さが入力されたとき、指定された位置から電波画像に対応する地図上の位置座標を補正前位置座標として算出し、前記指定された位置と高さ、その指定された位置を示す電波画像を撮像した時の電波センサの位置座標および前記補正前位置座標に基づいて、前記補正前位置座標について指定された位置の高さによるずれを補正した補正後位置座標を算出し、算出された補正後位置座標を地図上に表示するようにしたグランドトゥルース支援プログラム。

請求項26

電波センサにより撮影した電波画像、それらの電波画像の関連情報および画像再生情報などの撮像・再生情報を格納した撮像・再生情報記憶装置と、各地域の地図データを格納した地図情報記憶装置と、現在位置を示す位置情報を入手する測位手段を内蔵または外部に備えて利用するコンピュータに適用するグランドトゥルース支援プログラムであって、位置情報に基づいて、前記地図情報記憶装置から対応する地域の地図データを得ると共に、前記撮像・再生情報から対応する地域の電波画像を入手して表示手段に表示し、入力手段により、表示された地図上で位置座標と高さの情報が指定され入力されたとき、指定された位置座標に対応する前記電波画像上の位置を電波画像補正前位置として算出し、この電波画像補正前位置に基づいて撮像・再生情報から得た撮像時の電波センサの位置、前記電波画像補正前位置および高さの情報を用いて前記電波画像上の位置の高さによるずれを補正して電波画像補正後位置を算出し、前記電波画像補正前位置と電波画像補正後位置を電波画像上に表示するようにしたグランドトゥルース支援プログラム。

技術分野

0001

この発明は、リモートセンシングにより得た電波画像に対して、その電波画像が対象とした現地調査活動を補助するグランドトゥルース支援装置およびグランドトゥルース支援プログラムに関するものである。

0002

マイクロ波等を使った画像レーダは、日中、夜間、雲霧等の天候を問わずに地表等の観測を可能とする特徴があり、リモートセンシングの分野で利用されている。この画像レーダの1つに合成開口レーダ(Synthetic Aperture Radar:以下SARと称する。)がある。SARは、人工衛星航空機へ比較的小さなアンテナの搭載し、その飛翔体の進行を利用し、かつ信号処理技術を用いることにより、仮想的に大きなアンテナを用いた場合と同様な高解像度で地表を撮像可能とするため、地球観測のリモートセンシングとして利用されている。ここでは、SARの観測データ信号処理等を施して、電波画像として利用することが多い。

0003

一般に、電波画像は、光学画像と比較して判読解析が難しい。すなわち、何が写っているのかわかりづらいところがある。このため、グランドトゥルース(Ground Truth:撮像した現地に行って、画像と現地にある物体を比較する調査作業)を行うことがある。このグランドトゥルースの作業では、電波画像上の位置と調査を実施している実際の位置との対応関係を明確にすることが課題となる。そのための現地の位置情報は、GPS(Global Positioning System)やDGPS(Differential GPS)などを使って比較的容易に入手できる。また、地図情報電子化も進んでおり、国内の道路標高情報を含んだ地図情報が販売されている。位置情報を使って、地図情報と連係したシステムとしては、カーナビゲーションなど、既に多くのシステムで実用化されている。

0004

従来の電波画像と位置情報および地図データを連係させたシステムについての報告がある(例えば、非特許文献1参照)。ここでは、農地面積などの調査実験として、掲載された図のシステムにより、RADARSATの準リアルタイム処理を行った画像を使って、撮影から3日後にGPSで現在地を確認しながら現地状況の調査を実施したことが記載されている。
この発明の説明で使用する図8引用して見ると、電波画像は、画像レーダからの距離(観測位置からの距離)を基準とした画像である。このため、反射物に高さがある場合に、地図上の位置関係とずれた位置に対象物が現れる可能性が高い。図8の例では、SARからの距離であるレンジAを基準に単純にSARからの地図上の距離を算出すると、距離A1となってしまい、実際の距離B1よりも手前の位置を算出してしまう。このように、単純に位置情報を算出すると、電波画像上の位置と対応をとることが困難である。この散乱点の高度による電波画像で地図上の位置関係のずれを生じさせる要因フォーショートニング倒れ込みやレイオーバー)歪みと呼ぶ。このずれを、DEM(Digital Elevation Map:電子標高地図)データなどを利用して、幾何補正する方法がある(例えば、特許文献1参照)。このシステムでは、数値地形モデルを用いた幾何補正により、フォーショートニング歪みを補正する。一方、位置情報を使って、現地調査での調査結果から地図の歪みの補正を行うシステムがある(例えば、特許文献2参照)。

背景技術

0005

【非特許文献1】
石塚直樹、斉元也(農業環境技術研究所)「農業分野におけるALOS/PALSARデータ利用にむけて」、SARWorkshop 2002、社団法人資源協会地球科学技術推進機構、2002年1月17日〜18日、P18
【特許文献1】
特開平4−244989号公報
【特許文献2】
特開2000−298430号公報

0006

従来の電波画像と位置情報および地図データを連係させて補正を行うシステムは以上のように構成されているが、下記のような課題があった。
非特許文献1のようなシステムで、特許文献1に示されるフォーショートニングによる地図上の位置とのずれを補正した電波画像を利用することは、人工構造物が少なく、土地利用状況反射特性)が比較的大きな範囲で一定である農村部などでは、電波画像と地図上の位置関係をある程度一致させながら、現地で調査活動を行えると考えられる。しかし、人工の構造物が多い都市部では、地形だけでなく、構造物の高さを考慮しなければならない。また、人工構造物は、形状や構成素材により、電波反射強度反射位置が異なる。そのため、DEMなどの事前に得られる地図情報による幾何補正だけでは、電波画像上の位置と地図上の位置を対応させるのが困難であるという問題があった。また、幾何補正等により、電波画像を地図上の座標系に変換した画像にすると、情報が欠落する可能性がある。このため、グランドトゥルースでは、一切の補正を行わないオリジナルの電波画像など、地図とは異なった座標系の画像を使う場合もある。その場合、GPS(Global Positioning System)等で入手した位置情報から、様々な座標系や画像に施した幾何補正を考慮して、電波画像上の位置へ変換することが別途必要になるという問題もあった。

0007

地震や、土砂崩れ火山の噴火、津波洪水などの大規模自然災害が発生した場合には、地形が大きく変わってしまい、既存の標高データを基にした幾何補正では、対応できない時もある。非特許文献1と特許文献1を組み合わせたような従来システムを想定したとき、このような既存の標高データを利用できない場合に、現地で新たに得た標高情報などを利用して電波画像上の位置と地図上の位置を対応させることが困難であるという問題があった。また、特許文献2の方法によれば、現地で得た位置情報を使って地図の歪みの補正を行うことは可能であるが、標高情報などを利用してSRA画像上の位置と地図上の位置を対応させる機能については提供されていなかった。

0008

近年では、都市部の人工構造物の情報を含んだ、3次元地図も提供されてきている。電波画像では、人工構造物の電波の反射強度や反射位置により、画像上での出現位置が異なるため、既存の情報を使って電波画像上の位置と地図上の位置を対応させるには、3次元地図の各人工構造物に対して、高さや形状の情報に加えて、電波の反射強度や反射位置の情報も必要になる。人工構造物は、新規建設改築取り壊しにより、自然の地形に比べて高さの変化および変更の周期が短い。また、地震等の自然災害により倒壊するなど、高さや位置および形状が大きな変化を受ける。このため、事前に電波画像上の位置と地図上の位置を対応させるための完全な情報を得ることは困難であり、非特許文献1と特許文献1を組み合わせたような従来システムでは、都市部のグランドトゥルースに十分対応できないという問題があった。

0009

また、グランドトゥルースで観測した情報を、効率良く記録できることも要求される。その場合、調査結果を地図情報だけでなく、画像データおよび撮影された場所の状況に対応して記録できるようにしておくとよい。これは、グランドトゥルースが、単に撮影された地域の情報を収集するだけでなく、そこでの調査の収集情報を基に、実際に行くことが困難な地域の電波画像の解析や判読を行うノウハウ蓄積を目的としているからであるが、従来の技術ではこのような点については何も解決する方法を示していなかった。

発明が解決しようとする課題

0010

この発明は、上記のような課題を解消するためになされたもので、電波画像上または地図上で位置や高さを指定することにより、構造物などに対応して要求される補正データを自動的に算出して画面上で表示し、現地調査で求められる作業の効率化を図ることを可能にするグランドトゥルース支援装置およびグランドトゥルース支援プログラムを得ることを目的とする。

0011

この発明に係るグランドトゥルース支援装置は、現在位置を示す位置情報を入手する測位手段と、対象地域の地図情報および地図に関連した情報を管理する地図情報手段と、調査対象の電波画像および当該電波画像の撮影時と画像再生に関する撮像・再生情報を保持して管理する電波画像情報管理手段と、撮像・再生情報を参照して電波画像と地図で対応する位置を変換して算出する電波・地図位置変換手段とを備え、電波・地図位置変換手段により、測位手段から入手しあるいは入力手段から入力された位置情報に連係して前記地図情報手段から読み出した地図と電波画像情報管理手段から読み出した電波画像を表示するグランドトゥルース支援装置において、表示された電波画像上で指定された位置と高さの情報から、位置情報と前記撮像・再生情報から得た当該電波画像の撮影時の電波センサの位置に基づいて、地図上の位置座標の補正量を求め、補正後の位置座標を算出する電波画像指定フォーショートニング補正手段とを備えたものである。

課題を解決するための手段

0012

この発明に係るグランドトゥルース支援プログラムは、電波センサにより撮影した電波画像、それらの電波画像の関連情報および画像再生情報などの撮像・再生情報を格納した撮像・再生情報記憶装置と、各地域の地図データを格納した地図情報記憶装置と、現在位置を示す位置情報を入手する測位手段を内蔵または外部に備えて利用するコンピュータに適用するグランドトゥルース支援プログラムであって、位置情報に基づいて撮像・再生情報より対応する地域の電波画像を得ると共に、地図情報記憶装置から対応する地域の地図データを入手して表示手段に表示し、入力手段により、表示されている電波画像上の任意の位置を指定されると共に、その指定された位置に対する高さが入力されたとき、指定された位置から電波画像に対応する地図上の位置座標を補正前位置座標として算出し、指定された位置と高さ、その指定された位置を示す電波画像を撮像した時の電波センサの位置座標および補正前位置座標に基づいて、補正前位置座標について指定された位置の高さによるずれを補正した補正後位置座標を算出し、算出された補正後位置座標を地図上に表示するようにしたものである。

0013

実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるグランドトゥルース支援装置の構成を示すブロック図である。なお、この実施の形態1を含め、以下のこの発明の各実施の形態では、SARの電波画像を例に説明しているが、この発明はSARに限定されたものではなく、リモートセンシングにおいてマイクロ波等を使った他の画像レーダ(総称して「電波センサ」とする。)から得られる電波画像に対しても適用できるものである。

0014

電波画像情報管理手段8は、SAR(電波センサ)を用いたリモートセンシングにより撮影した電波画像、それらの電波画像の関連情報および電波画像を再生するため使用する情報(補正の有無や画像補正方法等を含む画像の作成方法)等を含む撮像・再生情報を内外の撮像・再生情報記憶装置に保持する。ここで、電波画像の関連情報は、電波画像の撮像日時、撮影時のSARの位置座標、電波の照射方向、照射角度、照射した電波の情報(波長偏波変調方法等のSARの緒元情報)である。この撮像・再生情報が意図するところは、対象(被写体)の電波画像に対応して、位置情報を算出するためのパラメータを与えるものである。位置の算出に必須の情報は、電波画像そのものと、撮影時のSARの位置座標、電波の照射方向、照射角度である。この実施の形態1では、標高データを基に、地形の高さが補正済みの電波画像を例に説明するので、画像の補正で利用した標高データと画像を補正した場所の情報が電波画像情報管理手段8に保存させて用いるようにすることもできる。
なお、SARが移動しながら撮影している時に、全ての撮影時のSARの位置座標の情報を記録していることは少なく、撮影開始時と撮影終了時の位置座標を格納しているのが一般的である。それは、SARの運動が撮影開始時と撮影終了時の間で等速直線運動を行うと仮定することで、その間に存在する電波画像を撮影したSARの位置座標は、撮影開始時刻終了時刻、各時のSARの位置座標、SARの速度を用いて容易に算出できるからである。

0015

電波・地図位置換算手段4は、電波画像情報管理手段8が保持する撮像・再生情報を用いて、電波画像上と地図上の互いに対応する位置を算出する手段である。電波画像は、図4に示すように、移動する人工衛星や航空機に搭載されたSARからマイクロ波を地表に照射し、その反射波を受信することにより、順次撮影して得られる。この電波画像に対して、SARを搭載した人工衛星や航空機などの撮像時のプラットホーム位置と、オフナディア角等の電波の照射方向と、電波画像生成時の幾何補正などの画像再生方法により、地表面上の位置を計算で求めることができる。電波・地図位置換算手段4は、この計算を使って、電波画像上で位置が指定された場合には、対応する地図上の位置を算出し、一方、地図上で位置が指定された場合には、電波画像上の位置を算出するものである。
なお、SARを搭載した人工衛星や航空機などの位置情報と、地図で利用されている位置情報とでは、座標系が異なることが多い。このため、電波・地図位置換算手段4では、電波画像情報管理手段8と地図情報手段7に格納されている情報の座標系の違いを考慮して、地図と電波画像の位置を変換できるようにしている。また、人工衛星等のようにマイクロ波の照射位置が地表から離れている場合には、座標系に加えて地表の湾曲も考慮して、SAR(電波センサ)の観測位置で地表が水平面と仮定したときのSAR(電波センサ)の地図での位置へ変換できるようにしている。

0016

測位手段6は、ここではグランドトゥルースを実施する任意の位置で現在位置を示す位置情報を入手するものである。測位手段6は、簡易設備で正確な現在位置を取得できる手段であればよく、例えば、市販のGPSやDGPS(アンテナおよび付属の測位手段)、携帯電話で実現している基地局との距離や方位による測位手段などを利用してもよい。なお、この実施の形態1では、測位手段6として、GPSアンテナと付属の測位手段で現在位置を取得する方法について説明する。
表示手段9は、グランドトゥルースを実施する地域の地図データや電波画像を表示する手段である。入力手段10は、当該装置の使用者の操作を受け付け、表示手段9に表示された地図データや電波画像上で任意の位置を指定したり、高さ情報を入力したりする手段で、コンピュータで言えば、キーボードマウスがこれにあたる。

0017

地図情報手段7は、市販の地理情報システムGIS:Geographic Information System)と同じように、地図情報記憶装置に保持している地図情報から、測位によって入手した現在位置を含む地域の地図データを読み出して地図上の現在位置の座標を算出し、その地図データと現在位置の座標を表示手段9の画面上に表示させる手段である。また、別途位置の座標が与えられると、同様にその位置を地図上に表示することができるものである。この場合、表示手段9は、現在位置や別途与えられた位置の座標に対応する地図上の場所をマーク等で表示する。また、この場合の表示形態としては、地図の拡大・縮小表示範囲の移動などに対応できるようになっている。この他、地図情報手段7としては、地名、鉄道や道路名といった一般的地図データに含まれる情報の他、標高情報、土地の利用データランドマークとなる建物商店名等の情報を含ませるようにしてもよい。

0018

グランドトゥルース支援装置の形態としては、CPU、メモリおよび要求される機能を実行するプログラムが搭載され、できれば、持ち運びが容易な端末が好ましい。また、扱うデータ量が大きい場合には、それを格納するメモリを装置外に置き、通信手段によりデータ交換できるようにしてもよい。グランドトゥルース支援装置の例としては、ノートパソコン、PDA(Personal Digital Assistants)、ウェアラブルPC、携帯電話などにこの発明の機能を追加したものが考えられる。この実施の形態1では、図10に例示した装置1のように、表示手段9と入力手段10を備えた面を有し、タッチパネルの画面に、地図または電波画像を表示し、その画面上で指定した地図上または電波画像上の位置に、指定したい情報を入力できるものを想定して説明する。
端末制御手段5は、グランドトゥルース支援装置内の各手段間のデータ交換や各手段の動作の実行を指示制御する手段で、コンピュータではCPUの処理に相当するものである。

0019

端末制御手段5の制御動作により実行されるグランドトゥルース支援装置の動作手順図2フローチャートに従って説明する。
まず、グランドトゥルースを実施する場所で、次のように初期化作業を実施する。測位手段6が位置情報として現在位置を入手し(ステップST1)、入手した現在位置を、端末制御手段5を介在して地図情報手段7と電波・地図位置換算手段4に渡す(ステップST2)。地図情報手段7では、受け取った現在位置に対応する地域の地図データを読み出し、現在位置に対応する地図上の座標を算出する(ステップST3)。その後で、端末制御手段5を介して地図データと現在位置の地図上の座標を表示手段9に渡す(ステップST4)。一方、電波・地図位置換算手段4は、電波画像情報管理手段8が保持する撮像・再生情報から電波画像と撮影時のSARの位置座標、電波の照射方向、照射角度等の情報を参照して、受け取った現在位置の座標に対応する電波画像上の位置を算出する(ステップST5)。電波・地図位置換算手段4は、該当する電波画像と算出した位置情報を取り出し(ステップST6)、端末制御手段5を介して表示手段9に渡す(ステップST7)。地図情報手段7と電波・地図位置換算手段4から地図データ、電波画像およびそれぞれの計算結果(現在の各位置情報)を受け取ると、表示手段9は、現在位置にマークを加えた地図および現在位置に対応する位置にマークを付加した電波画像を表示し、初期化を完了する(ステップST8)。

0020

これまで説明した電波画像や地図についての例を図で説明すると、図5は衛星に搭載したSARによりサンプル画像を入手する撮影状況を模式的に示すもので、ここで撮影したサンプル画像(電波画像)は、後に電波画像情報管理手段8に保存される。図6は地図情報手段7から得た地図上に測位手段6で得た現在位置のマーク(×印)を加えた表示例を示している。また、図7は電波画像情報管理手段8に記憶された電波画像に関し、電波・地図位置換算手段4で算出した現在位置に対応する位置にマーク(×印)を加えた表示例を示している。

0021

次に、装置使用者が、入力手段10を用いて、図9(a)に例示するように表示手段9に表示された電波画像上の1点、例えば人工構造物(ビル)上の1点を指定し、その点(星印)に対する高さを入力したとする(ステップST9)。すると、入力手段10は、端末制御手段5を介して、指定された位置を電波・地図位置換算手段4に送る。電波・地図位置換算手段4は、受け取った指定された位置から対応する地図上の位置座標を算出し、補正前位置座標として電波画像指定フォーショートニング(Foreshortening)補正手段(電波画像指定フォーショートニング補正手段)2に渡す。この補正前位置座標は、地図情報手段7により表示手段9の地図上に表示した場合、図9(b)に示すような位置(星印)が表示されたものとなる。こで、図9(b)を補正前地図とする。この補正前地図に示される座標は、電波画像と地図とは全くの同一性を持たないので正確に対応した位置を示していない。
これと同時に、入力手段10は、上記入力された電波画像上の指定された位置と高さの情報を、端末制御手段5を介して、電波画像指定フォーショートニング補正手段2に渡す(ステップST10)。電波画像指定フォーショートニング補正手段2は、指定された位置と高さの情報に基づいて地図上の座標での位置の補正計算を行う(ステップST11)。電波画像指定フォーショートニング補正手段2は、端末制御手段5を介して、計算結果、すなわち地図上の補正前後の位置座標を地図情報手段7に渡す(ステップST12)。また、この計算結果はグランドトゥルース調査データ記録手段3へ電波画像上の位置と高さの情報と共に渡される(ステップST13)。

0022

地図情報手段7は、受け取った位置座標を補正後位置座標として認識し、その後で、表示手段9に対してこの補正後位置座標を示すマークを加えるように依頼する(ステップST14)。ここでは、地図情報手段7が補正後位置座標を認識しておくことで、地図の拡大縮小や表示範囲が変更されても、補正後の位置が正しく表示されるようにしている。表示手段9は、地図情報手段7からの補正後の位置を示すマークを加える要請に従って、図9(c)で表わされるように表示中の補正後地図に、補正後位置座標を示すマーク(星印)を加える(ステップST15)。なお、ここでは、表示オプションなどを指定することで、補正後と補正前の位置座標の両方を地図上に表示しておいてもよい。

0023

電波画像指定フォーショートニング補正手段2では、上記ステップST11で述べたように、電波画像上の位置(以下、「高さ指定位置」とする。)とその地点に対する高さの情報から、地図上での位置の補正量を計算しているが、このステップST11の詳細について図3のフローチャートで説明する。
まず、入力手段10からの高さ指定位置とその地点の高さの情報を端末制御手段5経由で入手する(ステップST110)。これらを基に、電波画像情報管理手段8が保持する撮像・再生情報を参照してSARの位置座標を入手し(ステップST111)、移動する量(地表面で移動する距離:以下、「移動距離」とする。)を算出する(ステップST112)。
図8は高さによる位置のずれについて説明する図である。電波画像上の位置(レンジA:指定した位置)、人工構造物の高さ(入力した高さ)hおよびSARの位置座標から、距離B1を計算で求める。すなわち、距離B1は、レンジAの半径の円と高さhの交点から鉛直に降ろした地点を基準にして計算できる。また、レンジAの半径の円と地表面との交点を基準に距離A1を算出し、距離B1と距離A1の差を求めることで、地表(地図上)での移動距離を算出する。

0024

次に、電波画像指定フォーショートニング補正手段2は、高さ指定位置に対する地図上の位置、すなわち補正前位置座標を、電波・地図位置換算手段4から入手する(ステップST113)。その後で、電波画像情報管理手段8からの高さ指定位置を計測した時のSARの位置座標と入手した補正前位置座標から、地図上で位置を補正する方向を算出する。補正前位置座標を基準に、ここで算出した方向へ移動距離だけ離れた座標、すなわち補正後位置座標を求める(ステップST114)。電波画像指定フォーショートニング補正手段2は、処理を完了した時に、補正前位置座標と補正後位置座標を処理結果として、端末制御手段5を介して、地図情報手段7とグランドトゥルース調査データ記録手段3に渡すべく出力する(ステップST115)。

0025

グランドトゥルース調査データ記録手段3は、グランドトゥルース実施中に得られた情報を記録しておく手段である。ここでは、電波画像上の位置、対象の位置の高さ、補正前位置座標および補正後位置座標を受け取り、これを一組のデータとして蓄える。なお、グランドトゥルース調査データ記録手段3は、これら情報が入力された日時も、一組のデータに含めて蓄える。これは、電波画像情報管理手段8で保持する電波画像の撮影日時と、グランドトゥルース実施の日時が異なる可能性が高いためである。

0026

なお、上記の例では、高さの情報を入力し、その位置を補正して電波画像上の位置から地図上の位置を表示することについて説明したが、本装置では、補正無しの位置データについても表示可能である。この高さの情報が入力されない場合には、端末制御手段5が電波・地図位置換算手段4に指示して電波画像上の位置に対する地図上の位置を算出させ、地図情報手段7に表示指定位置として伝える。地図情報手段7は、与えられた地図上の位置を、電波画像に対応する位置として認識し、その位置を示すマークを加えるように、補正後の位置のケースと同様の手順で、表示手段9により表示させる。

0027

なお、以上の説明では、1点に対して高さを設定する例について述べたが、複数の点を繰り返し指定して実行することも可能である。その場合には、上述と同様の操作を繰り返すことで実現できる。また、初期状態から、最初グランドトゥルース調査データ記録手段3に観測によるデータが入っていない例について説明したが、観測結果を蓄えた後であっても、上記と同様の操作を行うこともできる。その場合には、電波・地図位置換算手段4は、位置の換算指示があった時にグランドトゥルース調査データ記録手段3を参照し、対応する場所の高さに対する補正前と補正後の座標がある場合には、そのデータを呼び出し元の手段へ伝達する。その結果、高さに対する補正前と補正後の座標を登録した地点では、登録後は補正した正しい位置での参照を常に行うことができる。

0028

さらに、上記例では、図8に示すように高さによる地図上の移動距離の算出にあたって、地表面が同一の水平な面である場合について説明してきたが、これは、説明を簡単にするためである。その地点の標高データが予め撮像・再生情報として存在していれば、それを利用して観測地域標高を考慮して計算結果を補正するようにすればよい。この場合の標高データとしては、GPSなどを使って現地で標高情報を入手することや、市販のDEMデータ等を利用することが考えられる。また、衛星画像での地球の丸みや、航空機での機体動揺など、計算結果に影響を与える他のパラメータについても、電波画像情報管理手段8の撮像・再生情報として、補正に必要な情報が完備されていれば、その情報を基に計算結果を補正することは可能である。

0029

以上のように、この実施の形態1によれば、測位手段より入手した現在位置の情報に基づいて、撮像・再生情報より対応する地域の電波画像を得ると共に、地図情報手段から対応する地域の地図データを入手して表示手段に表示し、入力手段により、表示されている電波画像上の任意の位置を指定されると共に、その指定された位置に対する高さが入力されたとき、指定された位置から電波画像に対応する地図上の位置座標を補正前位置座標として算出し、指定された位置と高さ、その指定された位置を示す電波画像を撮像した時の電波センサの位置座標および補正前位置座標に基づいて、補正前位置座標について指定された位置の高さによるずれを補正した補正後位置座標を算出し、算出された補正後位置座標を地図上に表示するようにしたので、電波画像上の位置と地図上の位置を正確に対応させることができ、特に、人工の構造物が多い都市部において電波画像のグランドトゥルースにより現地調査を行う時に、構造物の高さによる影響を自動的に補正した地図上の位置を得ることができるため、現地調査をより効率良く行える効果が得られる。また、この実施の形態1によれば、指定された位置、その位置に対する高さ、補正前位置座標および補正後位置座標を、指定された位置と高さの入力日時と共に保存するようにしたので、これにより、グランドトゥルースの結果を、特定の地図上の位置に対する情報としてだけではなく、ある種の電波画像に対する補正例の情報として後で利用できるように自動収集できる効果が得られる。

0030

実施の形態2.
図11はこの発明の実施の形態2によるグランドトゥルース支援装置の構成を示すブロック図で、図1と同一または相当する部分には同一符号を付し、原則としてその説明は省略する。この実施の形態2の装置は、実施の形態1で示した電波画像指定フォーショートニング補正手段2の代わりに、地図指定フォーショートニング補正手段11を設けた構成を有する。地図指定フォーショートニング補正手段11は、地図上の位置とその地点に対する高さの情報から、電波画像上での位置の補正量を計算する手段である。

0031

図12は実施の形態2に係る装置の動作手順を示すフローチャート、図14は高さによる電波画像上の位置のずれ補正を例示する説明図である。
この実施の形態2の動作は、ステップST8の初期化作業までは、実施の形態1と同じであるので、説明を省略する。初期化作業が完了した後、装置の使用者が、入力手段10により、図14(a)で示すように、地図上でビルなどの人工構造物上の1点(星印)を指定し、その点に対する高さを入力する(ステップST29)。すると、入力手段10は、入力された地図上の指定位置と高さの情報を、端末制御手段5を介して地図指定フォーショートニング補正手段11へ伝達する(ステップST30)。地図指定フォーショートニング補正手段11は、受け取った地図上の指定位置と高さの情報に基づいて、対応する電波画像上における位置の補正計算を行う(ステップST31)。地図指定フォーショートニング補正手段11は計算結果である補正前後の電波画像上の位置を、端末制御手段5を介して表示手段9へ渡し、表示している電波画像に補正後の位置を示すマークを加えるように要請する(ステップST32)。表示手段9は、電波画像上に補正後の位置を示すマークを加える(ステップST34)。すなわち、補正前の図14(b)の電波画像は、補正後には図14(c)の電波画像のように表示される。また、この時、表示オプションなどを指定することで、補正後と補正前の位置の両方を同じ電波画像上に表示するようにしてもよい。

0032

一方、地図指定フォーショートニング補正手段11は、端末制御手段5を介して、計算結果(補正前後の電波画像上の位置)を電波画像情報管理手段8へも伝え、また、グランドトゥルース調査データ記録手段3へは、地図上の位置と高さの情報と一緒に、計算結果を伝える(ステップST33)。
電波画像情報管理手段8では、対応する位置情報を補正後の位置として記録しておく。このことは、画像の表示範囲が変更された後で再表示を行う場合などにおいて、補正後の位置情報を電波画像データと一緒に表示手段9に渡すことにより、補正後の位置情報を継続して表示できるようにするためである。また、グランドトゥルース調査データ記録手段3では、実施の形態1と同様に、端末制御手段5を介して受け取った地図上で指定された位置と高さの情報、補正前と後の電波画像上の位置を、指定された位置と高さの入力日時と共に一組のデータとして蓄える。

0033

地図指定フォーショートニング補正手段11では、上記ステップST31において述べたように、地図上の位置(以下、「高さ指定座標」とする。)とその地点に対する高さの情報から、電波画像上での位置の補正量を計算しているが、この動作の詳細を図13のフローチャートにより説明する。
まず、入力手段10からの高さ指定座標と高さの情報を受け付けると(ステップST130)、この高さ指定座標に基づいて、電波・地図位置換算手段4を使って、高さを補正しない場合の電波画像上の位置(以下、「電波画像補正前位置」とする。)を求める(ステップST131)。図8の例では、距離B1からレンジBを求めることに相当する。次に、電波画像補正前位置の情報から、電波画像情報管理手段8が保持する撮像・再生情報を参照して、撮像時のSARの位置を求める(ステップST132)。この後、SARの位置、電波画像補正前位置および高さ情報とから、電波画像上で移動する距離(以下、「レンジ移動距離」とする。)を算出する(ステップST133)。図8の例で説明すると、まず、距離B1に対応した電波画像補正前位置から、高さh1の分だけ垂直に上昇した地点と、SARの位置との距離をレンジAとして求める。次に、レンジAとレンジBの差分を算出する。この差分がレンジ移動距離である。レンジ移動距離を算出後、電波画像補正前位置からレンジ移動距離だけレンジ方向、すなわちSARに近い方向に動かした位置を電波画像補正後位置として算出する(ステップST134)。この後、表示手段9、電波画像情報管理手段8およびグランドトゥルース調査データ記録手段3へ電波画像補正前位置と電波画像補正後位置を出力する(ステップST135)。

0034

なお、実施の形態1と同様に、地図上の位置に対して高さを入力しない場合には、高さ補正を行わない電波画像上の位置を表示することも可能である。この場合、端末制御手段5が電波・地図位置換算手段4に指示して地図上の位置に対する電波画像上の位置を算出させ、表示手段9へ表示を指示する。また、高さ補正を行うケースと同様に、表示位置の情報を電波画像情報管理手段8に登録し、また、電波画像が必要な時には電波画像情報管理手段8からデータを取り出して表示手段9へ渡す。

0035

なお、以上の説明では、1点に対して高さを設定する例について述べたが、実施の形態1と同様に、複数の点を繰り返し指定して実行することも可能である。また、初期状態から、最初グランドトゥルース調査データ記録手段3に観測によるデータが入っていない例について説明したが、観測結果を蓄えた後であっても、上記と同様の操作を行うこともできる。その場合には、実施の形態1と同様に、電波・地図位置換算手段4は、グランドトゥルース調査データ記録手段3を参照し、高さに対する補正前と補正後の座標を登録した地点では、補正した正しい位置での参照を常に行う。さらに、図8に示すように、地表面が同一の水平な面である場合について説明してきたが、実施の形態1と同様に、同一の水平な面を仮定しない場合でも適用できる。また、衛星画像での地球の丸みや、航空機での機体の動揺など、計算結果に影響を与える他のパラメータについても、計算結果を補正することでは可能である。

0036

以上のように、この実施の形態2によれば、測位手段から入手した現在位置の情報に基づいて地図情報から対応する地域の地図データを得ると共に、撮像・再生情報から対応する地域の電波画像を入手して表示手段に表示し、入力手段により、表示された地図上で位置座標と高さの情報が指定され入力されたとき、指定された位置座標に対応する電波画像上の位置を電波画像補正前位置として算出し、この電波画像補正前位置に基づいて撮像・再生情報から得た撮像時の電波センサの位置、電波画像補正前位置および高さの情報を用いて電波画像上の位置の高さによるずれを補正して電波画像補正後位置を算出し、電波画像補正前位置と電波画像補正後位置を電波画像上に表示するようにし、また、地図上で指定された位置と高さ、電波画像補正前位置および電波画像補正後位置を、指定された位置と高さの入力日時と共に保存するようにしたので、人工の構造物が多い都市部でグランドトゥルースにより現地調査を行う時に、電波画像上の位置と地図上の位置を対応させ、構造物の高さによる影響を自動的に補正した電波画像上の位置を得ることができるため、現地調査をより効率良く行える効果が得られ、またグランドトゥルースの結果を、後で利用できるように自動収集できる効果が得られる。

0037

実施の形態3.
図15はこの発明の実施の形態3よるグランドトゥルース支援装置の構成を示すブロック図で、図において、図1または図11と同一または相当する部分には同一符号を付し、原則としてその説明は省略する。この実施の形態3の装置は、実施の形態1の構成に、実施の形態2で説明した地図指定フォーショートニング補正手段11を加えた構成を有する。
この実施の形態3の装置は、入力手段10により、電波画像上で位置とその高さを指定した場合には図2のフローチャートで説明した手順で動作し、一方、地図上で位置座標とその高さを指定した場合には図12のフローチャートで説明した手順で動作する。両ケースで、初期化作業完了までは共通したステップであり、入力の指示に従って以降の動作ステップを選択し実行することになる。

0038

以上のように、この実施の形態3によれば、電波画像上の任意の地点に対して高さの情報を入力した時と、地図上の任意の地点に対して高さの情報を入力した時との双方で、装置内に保持する撮像情報などを使って、電波画像上および地図上の適切な補正位置を算出して表示するようにしたので、実施の形態1および実施の形態2の効果を奏することができ、グランドトゥルースによる現地調査をより効率良く行える効果が得られる。

0039

実施の形態4.
図16はこの発明の実施の形態4よるグランドトゥルース支援装置の構成を示すブロック図で、図において、図1と同一または相当する部分には同一符号を付し、原則としてその説明は省略する。この実施の形態4の装置は、実施の形態1に領域指定手段12を加えた構成を有する。図17はこの実施の形態4に係る領域を指定した高さ情報による位置の補正の概要を示す説明図である。

0040

ここでは、装置の使用者は表示手段9と入力手段10を使って、図17(a)に示すように電波画像上で多角形の領域を指定し、その領域の高さを入力する。定義された多角形の情報(頂点および辺の情報)は、領域指定手段12に記録される。領域指定手段12は、多角形の各頂点に対する地図上の各補正位置(補正位置座標)を求めるように端末制御手段5を介して電波・地図位置換算手段4および電波画像指定フォーショートニング補正手段2等に指示する。端末制御手段5およびそこから呼び出される各手段は、実施の形態1と同様の手順で各頂点に対する地図上の補正位置を求める。ただし、求めた結果は直接表示手段9に表示させずに、一旦領域指定手段12に渡す。領域指定手段12では、算出された地図上の補正位置を頂点とする多角形を内部で算出して記録する。この場合、この算出した多角形は、高さが補正された多角形である。その後で、この高さが補正された多角形を地図上に表示するように表示手段9に指示する。表示手段9は、多角形の領域とその高さが指定された電波画像上の範囲に対応した補正多角形を、図17(c)のように地図上に表示することになる。

0041

上記例の説明では、電波画像上で領域とその領域の高さを指定入力し、対応する地図上に高さが補正された領域を表示するものであるが、これに対し、領域指定手段12を、実施の形態2または実施の形態3に適用し、地図上で領域と高さを指定入力し、電波画像上に高さが補正された領域を表示するようにしてもよい。
なお、以上の説明では、多角形に対する補正を頂点で求める例について述べたが、多角形の辺から数個の地点を選択し、その地点に対する位置補正を行い、その結果として、表示する対象の多角形の辺を補完した曲線として表示するようにしてもよい。その場合、より正確に多角形に対する補正領域を表示できる。

0042

以上のように、この実施の形態4によれば、表示されている電波画像上または地図上で指定された領域とその領域の高さが入力された場合、領域を形成する外周の複数の地点の位置に対する地図上または電波画像上の各補正位置を算出させ、算出された地図上または電波画像上の補正位置を複数の地点とする高さが補正された領域を生成し、この補正された領域を対応する地図上または電波画像上に表示させるようにしたので、画像上で多角形の領域として表示されることが多い建築物などの人工の構造物が多い都市部において、多角形の領域での位置補正を自動的に行うことで、その地域のグランドトゥルースによる現地調査の効率良く行える効果が得られる。

0043

実施の形態5.
グランドトゥルース調査データ記録手段3に記録する情報は、基本的に、対象地点の位置情報、その地点の高さの情報、入力が行われた調査の日時であり、実施の形態1で述べように自動的に記録される。一方、対象地点に写っていたもの(散乱点の正体)が何かは、現地へ行ってグランドトゥルースを行って明確にするわけである。したがって、現地調査で入力した情報も対応させて記録しておくことで、その後の電波画像の解析・判読支援の重要なデータとなるため、システム全体のデータベースとして、カテゴリを設定しておくことが必要となる。実施の形態5は、この課題に対応するものである。

0044

図18はこの発明の実施の形態5によるグランドトゥルース支援装置の構成を示すブロック図で、図において、図1と同一または相当する部分には同一符号を付し、原則としてその説明は省略する。この実施の形態5の装置は、実施の形態1にデータベース項目設定手段13を加えた構成を有する。データベース項目設定手段13は、グランドトゥルース調査データ記録手段3に記録する情報のカテゴリを予め設定し保持する手段である。
この記録する情報のカテゴリとしては、ビルや鉄塔などの人工構造物の種類、建設中解体中などの工事状況、土砂崩れや、河川氾濫増水などの現地の状況等が考えられる。このカテゴリは、電波画像を解析・判読する時の画像データベースの情報を利用して予め設定しておけばよい。また、データベース項目設定手段13は、現地でカテゴリを追加できる構成としてもよい。

0045

データベース項目設定手段13では、電波画像等の観測情報種別を表わすカテゴリが設定され保持される。グランドトゥルース調査データ記録手段3は、記録する際に、端末制御手段5を介して前記データベース項目設定手段13を参照し、設定されているカテゴリからデータの記録先となるカテゴリを選択する。グランドトゥルース調査データ記録手段3は、実施の形態1〜2で説明したような電波画像上または地図上で指定された条件から算出した記録対象のデータを、選択したカテゴリと組みにして対応するメモリに記録する。このようにすることにより、画像データベースに取り込んで、後日、電波画像を解析・判読する時にカテゴリ別検索し利用することが可能となる。

0046

以上のように、この実施の形態5によれば、電波画像の種別等を表わすカテゴリを設定し、グランドトゥルースで得たデータを記録する際に設定されたカテゴリからデータの記録先となるカテゴリを選択し、選択したカテゴリの記録先に電波画像上または地図上で指定された条件から算出した記録対象のデータを記録するようにしたので、調査結果を電波画像の種別等のカテゴリで検索できるようになり、実際に現地に行くことができない場合など、該当場所の電波画像の解析時に、過去のグランドトゥルースの記録結果を利用することが可能となる効果が得られる。
なお、実施の形態5では、実施の形態1に対する例で説明したが、データベース項目設定手段13を、実施の形態2〜実施の形態4にそれぞれ適用してもよく、同様の効果を奏することができる。

0047

実施の形態6.
図19はこの発明の実施の形態6によるグランドトゥルース支援装置の構成を示すブロック図で、図において、図1と同一または相当する部分には同一符号を付し、原則としてその説明は省略する。この実施の形態6の装置は、実施の形態1に調査レポート記録手段14を加えた構成を有する。調査レポート記録手段14は、現地での調査内容を、地図または電波画像の位置を指定して入力することで、地図と電波画像の位置および電波画像の撮影情報などと結び付けてグランドトゥルース調査データ記録手段3に記録する手段である。

0048

装置の使用者が、調査活動の現地で、表示手段9とキーボードなどの入力手段10を利用して、地図または電波画像の任意の地点または領域を選択した後で、現地調査の結果のレポートテキストなどでSARグランドトゥルース支援装置に書き込む。このような場合、調査レポート記録手段14は、そのレポートを、端末制御手段5経由で受け付ける。次に、端末制御手段5経由で、地図情報手段7、電波画像情報管理手段8および電波・地図位置換算手段4を利用して対応する地図および電波画像の情報を得て、入力されたレポートを、地図と電波画像の位置および電波画像の撮影情報など記録対象のデータと結び付けてグランドトゥルース調査データ記録手段3へ記録する。

0049

以上のように、この実施の形態6によれば、電波画像上または地図上の任意の位置または領域が入力された後で、現地調査の結果のレポートがテキストなどで入力された場合、そのレポートを、算出された地図または電波画像の位置および電波画像の撮影情報など記録対象のデータと結び付けて記録するようにしたので、調査レポートをリアルな情報に基づいて作成でき、後日の利用を有効にする効果が得られる。
なお、実施の形態6では、実施の形態1に対する例で説明したが、調査レポート記録手段14を、実施の形態2〜実施の形態5に適用してもよく、同様な効果を奏することができる。

0050

実施の形態7.
図20はこの発明の実施の形態7によるグランドトゥルース支援装置の構成を示すブロック図で、図において、図1と同一または相当する部分には同一符号を付し、原則としてその説明は省略する。この実施の形態7の装置は、実施の形態1に光学情報記録手段15を加えた構成を有する。光学情報記録手段15は、デジタルカメラビデオカメラ等の光学情報機器と接続して連係して動作し、光学情報機器から得られる画像情報を取り込み、かつこの装置上で使用する地図上または電波画像上で入力された光学画像の撮影位置や撮影方向から得られる情報と関連づけてグランドトゥルース調査データ記録手段3に記録させる手段である。

0051

デジタルカメラやビデオカメラ等の光学情報機器と接続するために、光学情報記録手段15の一部として、光学情報機器から画像情報を入手可能なインタフェース(以下、「光学入力インタフェース」とする。)を設ける。光学入力インタフェースとしては、例えばUSB(Universal Serial Bus)等の有線ケーブルコネクタ赤外線等の無線インタフェース送受信設備が考えられる。この他、コンパクトフラッシュ(登録商標)やスマートメディアのような媒体経由でデータをやり取りするためのメディアを読み書きする設備も考えられる。ここでは、光学情報機器で撮影したデータの入手や撮影日時等の情報を入手できる機能を持つ光学入力インタフェースであればよいが、パソコンとデジタルカメラやデジタルビデオ等の機器を接続するのに利用される一般的なインタフェース等を採用すれば、光学情報記録手段15の汎用性が図れる。

0052

光学情報記録手段15は、上記の光学入力インタフェース経由で、カメラ等の光学情報機器から写真などの光学画像を取り込み、端末制御手段5経由でグランドトゥルース調査データ記録手段3に現地調査の情報として記録させる。ここで、用いた光学情報機器が、撮影日時や撮影場所の情報を提供できる場合には、光学情報記録手段15は、そのような撮影情報を光学入力インタフェース経由で入手し、光学画像と一緒にグランドトゥルース調査データ記録手段3へ記録させるようにしてもよい。また、光学情報記録手段15は、端末制御手段5経由で、表示手段9および入力手段10と連係して動作することで、装置の使用者が、表示された地図上または電波画像上で光学画像の撮影位置や撮影方向などを入力できる画面インタフェースを提供している。光学情報記録手段15では、実施の形態1および実施の形態2で述べたように、ここで入力された光学画像の撮影位置や撮影方向などから得られた地図上または電波画像上での情報を、取り込んだ光学画像と一緒にグランドトゥルース調査データ記録手段3へ記録させる。

0053

以上のように、この実施の形態7によれば、光学情報機器と接続して連係して動作し、光学情報機器から得られる画像情報と、当該装置上で使用する地図上または電波画像上で入力された光学画像の撮影位置や撮影方向から得られた情報とを関連付けて記録するようにしたので、本来直感的に理解が難しい電波画像データに対して、光学画像を添えることで、電波画像を利用したリモートセンシングにおいて解析と判読を容易にする効果が得られる。
なお、この実施の形態7では、実施の形態1に対する例で説明したが、光学情報記録手段15を実施の形態2〜実施の形態6に適用してもよく、同様の効果を奏することができる。

0054

実施の形態8.
図21はこの発明の実施の形態8によるグランドトゥルース支援装置の構成を示すブロック図で、図において、図1と同一または相当する部分には同一符号を付し、原則としてその説明は省略する。この実施の形態8の装置は、実施の形態1に反射強度・高さ記録手段16を加えた構成を有する。反射強度・高さ記録手段16は、観測対象物の電波の反射強度や高さを観測する機器と接続して、この装置上の地図や電波画像から観測対象物の位置情報を得、観測対象物の高さや電波の反射強度とその位置情報を関連付けて記録する手段である。

0055

反射強度・高さ記録手段16には、観測対象物の電波の反射強度や高さを観測する機器と接続するインタフェース(以下、観測機器入力インタフェース)が設けられる。ここでは、観測対象物の高さや電波の反射強度を観測する機器からの情報が得られるインタフェースであれば、任意のものを選択すればよい。実施の形態7で述べた光学情報記録手段15と同様に、USB等のパソコン等で広く利用される一般的なインタフェース等を採用することが考えられ、その場合、反射強度・高さ記録手段16の汎用性が図れる。

0056

反射強度・高さ記録手段16は、端末制御手段5経由で表示手段9と入力手段10と連係して動作することにより、観測機器から得られる観測対象物の情報に対し、装置の使用者が、この装置上で表示する地図上または電波画像上で観測対象物の位置を指定する画面インタフェースを提供する。反射強度・高さ記録手段16は、観測機器から観測対象物の高さや電波の反射強度の観測情報を取り込む。この時、装置の使用者は、観測位置や観測方向を地図上または電波画像上で入力する。このことにより、実施の形態1および実施の形態2で述べたように、地図上または電波画像上に入力された位置が表示され、その位置情報がデータ化される。反射強度・高さ記録手段16は、入力された観測位置や観測方向と観測情報とを関連付けて、端末制御手段5経由でグランドトゥルース調査データ記録手段3へ記録する。

0057

また、反射強度・高さ記録手段16は、観測にあたって、電波画像情報管理手段8が保持する撮像・再生情報から電波画像の撮像時の反射強度を測る対象の電波の周波数変調、偏波などのパラメータを取り出し、指定された観測対象物の位置における適切な反射強度の計測条件を算出する。この後、電波の反射強度を測る計測器直接制御可能な場合には、観測機器入力インタフェース経由で、算出した計測条件で反射強度を測るように、その計測機器を制御する。一方、直接制御ができない場合には、算出した計測条件を、端末制御手段5経由で表示手段9に表示し、計測機器の使用者に設定のための情報を提供する。

0058

以上のように、この実施の形態8によれば、観測機器と接続して、この観測機器で観測した観測対象物の高さや電波の反射強度の情報を取り込み、表示された電波画像上または地図上で入力された観測対象物の位置や観測方向の情報と関連付けて記録するようにしたので、電波画像データに変化を与える大きな要因となる電波の反射強度や構造物の高さ情報を自動的に入手し記録できるため、現地調査が効率良く行える効果が得られる。また、観測にあたって、撮像・再生情報から電波画像の撮像時の反射強度を測る対象の電波の周波数や変調、偏波などのパラメータを取り出し、指定された観測対象物の位置における適切な反射強度の計測条件を算出して提示するようにしたので、観測機器に自動的に計測条件を設定したり、あるいはマニュアルで設定する場合の利便性を提供でき、現地調査がより効率良く行える効果が得られる。
なお、この実施の形態8では、実施の形態1に対する例で説明したが、反射強度・高さ記録手段16を、実施の形態2〜実施の形態7に適用してもよく、上記と同様の効果を奏することができる。

0059

実施の形態9.
図23は実施の形態9に係る観測状況を模式的に示す説明図である。図23(a)、(b)の2つのケースに示されるように、反射物がビルのように高さを持つものと殆ど高さがないものがある。地図上の指定された位置に、複数の高さの散乱点があった場合には、電波画像上では、使用者が指定した1点での散乱点データとして現れる。これは、複数の散乱点からの反射波が和となって現れるからである。したがって、図23(a)のビルと、図23(b)の高さ0の反射物が、同時に存在するような場合には、ビルの屋上からの散乱波と高さ0の反射物からの散乱波が、電波画像上の1点のデータとして現れることになる。これは、高さが異なるものに対して、SARから双方への距離が等しく、かつSARから見て同じ方向にあるからであり、その場合、地図上の位置で異なる所にある散乱点が、電波画像上では同じ位置に現れてしまう。その結果として、電波画像上のある散乱点に対する対象物の候補が絞りにくくなるという問題が生じる。このような場合、電波画像上のある散乱点に対して、地図上での位置を高さ別に表示できたら、現地での調査により、散乱点に対する対象物を容易に特定できることになる。この実施の形態9は、このような要望を実現するための手段を提供するものである。

0060

図22はこの発明の実施の形態9によるグランドトゥルース支援装置の構成を示すブロック図で、図において、図1と同一または相当する部分には同一符号を付し、原則としてその説明は省略する。この実施の形態9の装置は、実施の形態1に電波画像指定位置候補列挙手段17を加えた構成を有する。電波画像指定位置候補列挙手段17は、電波画像上での指定地点に対して高さの範囲が設定された場合、設定された高さの範囲に対応する補正後位置座標を各手段に指示して算出させ、各高さに対する補正後位置座標を地図上に表示させる手段である。

0061

ここでは、装置の使用者は、表示手段9と入力手段10を使って電波画像上で1点を指定した後、その地点に対する高さの範囲を指定し入力できるものとする。この高さの範囲は、負の数を含めて、任意の範囲を指定可能であるが、この実施の形態9では、0mから50mが指定された例で説明する。
指定された高さの範囲と電波画像上の地点の情報は、電波画像指定位置候補列挙手段17に記録される。電波画像指定位置候補列挙手段17は、指定された範囲の高さに対する地図上の補正位置を順次求めるように端末制御手段5系由で指示する。ここでは、例えば、0m、10m、20m、30m、40m、50mの各高さに対する地図上のそれぞれの補正位置を順次求めるように指示する。指示された各手段、すなわち電波画像情報管理手段8、電波・地図位置換算手段4、電波画像指定フォーショートニング補正手段2、地図情報手段7等は、実施の形態1と同様の手順で各高さに対する地図上の各補正後位置座標を算出する。ただし、算出結果を表示手段9に直接表示させずに、一旦電波画像指定位置候補列挙手段17に渡す。電波画像指定位置候補列挙手段17は、算出された補正後位置座標を基に、各高さに対する補正後位置座標を地図上に表示するように端末制御手段5経由で表示手段9に指示する。

0062

図24により、この時の状況を説明する。図24(a)で、電波画像上の指定した1点(星印)に対して高さの範囲を指定すると、処理の結果、図24(b)に示すように高さの範囲に対応したそれぞれの位置が地図上に表示される。
図24(b)は、図24(a)の電波画像の星印の位置に写っている物体に関し、物体の高さ別の地図上の位置を表わしている。例えば、高さ0mの物体であれば、グレードバーの左端(一番色の薄い部分)の位置に対象物体があることになる。また、高さ25mの物体であれば、グレードバーの中間の位置に対象物体があることになる。さらに、高さ50mの物体であれば、グレードバーの左端(一番色の濃い部分)の位置に対象物体があることになる。これら3つのケースのいずれの場合も、電波画像では星印の位置に散乱点として現れるので、観測者は、グレードバーが表示された図24(b)のような地図画面を参照しながら、対象の位置とその位置にある物体の高度を調べ、現地で何が散乱点となっているかを調査することになる。
なお、上記説明では、補正位置座標を求める間隔を10m単位としたが、この間隔は任意に選択してもよい。また、補正位置座標を求めた後、単純に表示する例について説明したが、各間隔毎に算出した地図上の位置に対して適当な補完を行うことで、補正位置座標を、より滑らかに、かつ正確に表示するようにしてもよい。

0063

以上のように、実施の形態9によれば、電波画像上で指定された地点に対して高さの範囲が設定された場合、設定された高さの範囲に対応した補正後位置座標をそれぞれ算出し、各高さに対応させて補正後位置座標を地図上に表示するようにしたので、地図上では位置が異なり、高さが異なるが、電波画像上では1点として見えてしまう情報が実際には複数の散乱点からの反射波の和の情報となっていることを認識でき、現地での調査により、散乱点に対する対象物の特定を容易にし、また、電波画像上で複数の散乱点データとして重なっている地図領域の判定を可能にするため、現地調査が効率良く行える効果が得られる。
なお、この実施の形態9では、実施の形態1に対する例で説明したが、電波画像指定位置候補列挙手段17を、実施の形態3〜実施の形態8に適用してもよく、上記と同様の効果を奏することができる。

0064

実施の形態10.
図25はこの発明の実施の形態10によるグランドトゥルース支援装置の構成を示すブロック図で、図において、図2と同一または相当する部分には同一符号を付し、原則としてその説明は省略する。この実施の形態10の装置は、実施の形態2に地図指定位置候補列挙手段18を加えた構成を有する。地図指定位置候補列挙手段18は、地図上で指定された位置に対して高さの範囲が設定された場合、設定された高さの範囲に対応した電波画像補正後位置をそれぞれ算出させ、各高さに対応する電波画像補正後位置を電波画像上に表示させる手段である。

0065

装置の使用者は表示手段9と入力手段10を使って、地図上で1点を指定した後、その地点に対する高さの範囲を入力できるものとする。ここでは、負の数を含めて、任意の範囲を指定可能であるが、0mから50mが指定された例について説明する。指定された高さの範囲と地図上の地点の情報は、地図指定位置候補列挙手段18に記録される。電波画像指定位置候補列挙手段17は、指定された範囲の高さに対する電波画像上のそれぞれの補正位置(電波画像補正後位置)を順次求めるように端末制御手段5に指示する。ここでは、例えば、0m、10m、20m、30m、40m、50mの各高さに対する地図上のそれぞれの補正位置を求めるように指示する。呼び出される各手段、すなわち電波画像情報管理手段8、電波・地図位置換算手段4、地図指定フォーショートニング補正手段11、地図情報手段7等は、実施の形態2と同様の手順で、各高さに対する電波画像上のそれぞれの電波画像補正後位置を算出する。ただし、算出結果を表示手段9に直接表示させずに、一旦地図指定位置候補列挙手段18に渡す。次に、地図指定位置候補列挙手段18は、算出された電波画像補正後位置を基に、各高さに対応させて電波画像補正後位置を電波画像上に表示するように、端末制御手段5経由で表示手段9に指示する。

0066

図26は、この時の状況を説明する。図26(a)の地図上で指定された1点(星印)に対して高さの範囲が指定されると、処理の結果、図26(b)に示すように、電波画像上に高さの範囲に対応したそれぞれの電波画像補正後位置が表示される。
図26(b)は、図26(a)の地図上の位置にある星印の物体について、物体の高さ別の電波画像上の位置を表わしている。例えば、高さ0mの位置が散乱点として写っていれば、グレードバーの右端(一番色の薄い部分)に散乱点があることになる。また、高さ25mの物体であれば、グレードバーの中間の位置に対象物体があることになる。さらに、高さ50mの物体であれば、グレードバーの左端(一番色の濃い部分)の位置に対象物体があることになる。観測者は、グレードバーが表示された図26(b)のような電波画像を参照しながら、対象の物体のどの高さが散乱点として写っているかを判断する。すなわち、その高度のあたりで、散乱点となりそうな反射物を捜索することになる。
上記説明では、電波画像補正後位置を求める間隔を10m単位としたが、この間隔は任意に選択してもよい。また、電波画像補正後位置を求めた後、単純に表示する例について説明したが、各間隔毎に算出した電波画像上の位置に対して適当な補完を行うことにより、電波画像補正後位置を、より滑らかに、かつ正確に表示するようにしてもよい。

0067

以上のように、実施の形態10によれば、地図上で指定された地点に対して高さの範囲が設定された場合、設定された高さの範囲に対応した電波画像補正後位置をそれぞれ算出し、各高さに対応する電波画像補正後位置を電波画像上に表示するようにしたので、調査活動中に、地図上で目標となる構造物等に対して、電波が散乱している高さが不明な場合においても、その構造物が電波画像上のどの位置にあるかを容易に推測できるようになり、現地調査が効率良く行える効果が得られる。
なお、この実施の形態10では、実施の形態2に対する例で説明したが、地図指定位置候補列挙手段18を、実施の形態3に対して適用してもよく、また実施の形態4〜実施の形態9で地図指定フォーショートニング補正手段11と共に加えて適用してもよく、上記と同様な効果を奏することができる。
また、この実施の形態10では、地図への指定範囲の高さの設定方法として、表示手段9と入力手段10を使った例で説明したが、この位置と高さの情報として、市販の地図情報を利用してもよい。市販の地図情報の中には、3次元データとして、構造物の位置に加えて高さや形状の情報を保持したものがあるが、構造物のどの位置で電波を反射するかといった情報は無い。ここでは、地図情報手段7に、地図情報として構造物の位置に加えて、高さや形状の情報を保持しておき、この情報を参照して、表示手段9と入力手段10で指定したのと同様の情報を取り出して利用することで、上記と同様な効果を奏することができる。

0068

実施の形態11.
図27はこの発明の実施の形態11によるグランドトゥルース支援装置の構成を示すブロック図で、図において、図1と同一または相当する部分には同一符号を付し、原則としてその説明は省略する。実施の形態1と異なる構成は、電波画像指定フォーショートニング補正手段2に代えて、反射位置高度推定手段19を備えた点である。反射位置高度推定手段19は、ある対象地点に対する地図上と電波画像上の位置が指定されることにより、対象地点の高さを算出する手段である。

0069

図28はこの実施の形態11に係る装置の動作手順を示すフローチャート、図31はこの実施の形態11に係る高さ求める手順の概要を示す説明図である。
装置の動作は、ステップST8の初期化作業までは、実施の形態1や実施の形態2などと同じである。次に、この実施の形態11では、装置の使用者が、図31(b)に示すように、表示手段9で表示された地図上の1点(×印)と図31(a)に示すように電波画像上の1点(星印)を指定し、その地点に対する高さを求めるように指示する(ステップST59)。入力手段10は、入力された地図上の位置(以下、「地図座標」とする。)と電波画像上の位置(以下、「反射ポイント」とする。)を、端末制御手段5を介して反射位置高度推定手段19へ伝達する(ステップST60)。反射位置高度推定手段19は、受け取った地図座標と反射ポイントを基に対象地点での高さ(以下、「反射高度」とする。)を算出する(ステップST61)。

0070

反射位置高度推定手段19は算出した反射高度を、表示させるため端末制御手段5を介して表示手段9に送り(ステップST62)、表示手段9は受け取った反射高度を表示する(ステップST64)。この場合の表示は、画面上に「反射高度○○m」のような形式で行われるようにし、地図、電波画像のいずれでも表示可能にしてもよい。また、同時に、算出された反射高度を地図座標および反射ポイントと共にグランドトゥルース調査データ記録手段3へ伝え(ステップST63)、グランドトゥルース調査データ記録手段3では、受け取った反射高度、地図座標および反射ポイントを一組のデータとして蓄える。

0071

反射位置高度推定手段19は、ステップST61で述べたように、ある地点に対する地図上と電波画像上の位置が指定されることにより、その地点の高さを算出するが、その詳細な動作は図29のフローチャートに示される。
地図座標と反射ポイントが入力されると(ステップST160)、地図座標を基に電波・地図位置換算手段4を用いて、地図座標で高さ0の位置(以下、「高度0ポイント」とする。)を算出させる(ステップST161)。次に、この高度0ポイントと反射ポイントから、対象地点の高さ(対象の構造物で電波を反射している位置の高さ。以下、「反射高度」とする)を算出する(ステップST162)。最後に、算出した反射高度を、端末制御手段5へ出力する(ステップST163)。

0072

図30はこの実施の形態11に係る高さを求める方法の例を示す説明図である。この例では、地図座標(SARと地図上の位置との距離)を基に、高度0ポイントを求める。次に、反射ポイントを基に、観測時のSARの位置(高さを含む)と対象の地点の距離レンジA0を求める。その後、高度0ポイントで地面に垂直な線分と、SARを中心に半径が距離レンジA0となる円の交点を求める。この交点が電波を反射している点のため、交点と高度0ポイントとの距離Hを反射高度として算出する。
ここでは、SARを中心に半径が距離レンジA0 となる円と、地表との交点は、反射ポイントに対して高度の補正を行わない地図上の位置になる。説明の便宜上、この交点をKとする。また、SARから地表、すなわち高度0の水平面へ鉛直に降ろした直線の交点をLとする。SARとKとLを結んだ直角三角形において、KとLの間の距離はSARとLとの地図上での距離であり、SARとKの距離はA0 で既知のため、ここからSARとLの距離pを算出できる。また、SARとLを結んだ直線と、この直線へ降ろした反射ポイントからの垂線との交点をMとする。ここで、SARと反射ポイントとMを結んだ直角三角形において、SARと反射ポイントの間の距離はA0 、反射ポイントとMの間の距離はSARと高度0ポイントとの地図上での距離で既知である。ここから、SARとMの距離qを算出できる。H=p−qであるから、pとqから反射高度Hは算出できる。

0073

以上のように、この実施の形態11によれば、表示された地図上と電波画像上で、電波を反射している地点が指定された場合、電波を反射している地点の地図上で高度0のポイントを求め、観測時のSAR(高さと位置座標)と電波を反射している地点の距離レンジを求め、上記高度0のポイントと距離レンジを基に電波を反射している地点の高さを算出して表示するようにしたので、鉄塔等の反射対象の構造物は明確だが、その構造物のどの高さで電波を反射しているのかが不明な場合に適用して、対象の構造物の電波を反射する位置を容易に認識できるようになり、グランドトゥルースによる現地調査をより効率良く行える効果が得られる。また、算出された前記対象地点の高さ、前記指定された地図上の位置座標および前記指定された電波画像上の位置を保存するようにしたので、これにより、後日利用できるように自動収集できる効果が得られる。
なお、反射位置高度推定手段19は、実施の形態1〜実施の形態10の構成に追加して適用してもよく、上記と同様な効果を奏することができる。

0074

実施の形態12.
図32はこの発明の実施の形態12によるグランドトゥルース支援装置の構成を示すブロック図で、図において、図1と同一または相当する部分には同一符号を付し、原則としてその説明は省略する。この実施の形態12の装置は、実施の形態1に地図影域算出手段(影域算出手段)20を加えた構成を有する。地図影域算出手段20は、指定された位置と高さ情報から、地図上でのSARからの電波の影となる(SARから見えない)領域およびその高さを算出する手段である。

0075

まず、装置の使用者が、表示手段9と入力手段10を使って、表示された地図上または電波画像上で、電波の影を計測する基準となる地点の位置(以下、「影基準位置」とする。)とその高さ(以下、「影基準高度」とする。)を指定する。なお、説明のため、地図上での影基準位置を地図影基準位置、電波画像上での影基準位置を電波影基準位置とする。地図影域算出手段20は、端末制御手段5経由で、影基準位置とその影基準高度の情報を受け取る。地図影域算出手段20は、影基準位置が電波画像上で指定された場合(すなわち電波影基準位置である場合)には、電波・地図位置換算手段4で算出した地図影基準位置を得る。一方、影基準位置が地図上で指定された場合には、同じように電波・地図位置換算手段4により電波影基準位置を得る。

0076

地図影域算出手段20において次の処理がなされる。端末制御手段5経由で、電波画像情報管理手段8の撮像・再生情報から、電波影基準位置に基づいて、その影基準位置を撮影した時のSARの位置と高度を入手する。入手したSARの位置と高度、および地図影基準位置と影基準高度から、地図上でSARからの電波の影となる領域およびその高さを算出する。ここでは、電波が直進するものとして、影となる領域およびその高さを算出する。最後に、算出した電波の影となる領域およびその高さを画面の地図上に表示させるため、端末制御手段5経由で表示手段9に送る。

0077

図33はこの実施の形態12に係る動作の概要を説明する図である。図33(c)のように影となる範囲が発生した状況において、図33(a)のように、地図影基準位置(反射位置)と影基準高度を指定される。処理の結果として、図33(a)の地図影基準位置に対応する図33(b)の地図へ影となる範囲高度(m)以下を表示する。グレードバーは、地図上で影に入る位置と高度を示している。ここでは、対象の位置で、物体の高さが表示以下になると電波の影に入ることを意味している。例えば、グレードバーの左端(一番色の濃い部分)の位置では、高さ50m以下の物体は影に入る。また、グレードバーの中央の位置では高さ25m以下の物体が影に入ることを意味している。
なお、上述の説明では、電波が直進するものとして、影となる領域およびその高さを算出する例を示したが、代わりに、電波の回折などを考慮して、影となる領域およびその高さを算出してもよく、その場合、より正確に影となる領域およびその高さを算出できる。

0078

以上のように、実施の形態12によれば、表示された地図上または電波画像上で位置と高さが指定された場合、電波画像上の位置に基づいて撮像・再生情報から指定された位置を撮影した時のSARの位置と高度を入手し、入手したSARの位置と高度および指定された地図上の位置と高さに基づいてSARからの電波の影となる地図上での領域およびその高さを算出し表示するようにしたので、調査活動中に、周囲の建造物等により、電波の影となって電波画像に写っていない部分があっても、その部分について容易に認識することが可能となり、現地での調査作業を効率良くする効果が得られる。
なお、この実施の形態12では、実施の形態1に対する例で説明したが、地図影領域算出手段20を、実施の形態2〜実施の形態11に適用してもよく、上記と同様な効果を奏することができる。

0079

実施の形態13.
図35は、ある高さの物体を衛星などから観測した時の状況を示す図で、これにより可視光や赤外線を利用したカメラ等の光学センサと電波センサ(ここでは、SAR)による画像の違いを説明する。図35(a)は側面から見た状況、図35(b)は正面から見た状況である。図35(a)、(b)において、(1)は対象の物体が地面と接する地点、(2)は対象の物体の最上点、(3)は地上でセンサから見えない影となる範囲の対象物体から最も遠い地点、(4)は、地上で影から出た地点である。この状況において光学センサで撮影した場合、各点はセンサから観測される角度方向の順に画像に現れる。つまり、(1)から(2)、(2)から(4)の順で画像に現れる。また、センサから一直線の方向にある(2)と(3)は重なって見える。一方、電波センサで撮影した場合、各点はセンサからの距離の順に画像に現れる。つまり、(2)から(1)、(1)から(3)、(3)から(4)の順で画像に現れる。図35(c)はこのときの光学画像として写る部分を、図35(d)は電波画像として写る部分をそれぞれ上記符号と矢印(矢印の方向で写る)で表わしている。また、図35(e)はその光学画像を表し、図35(f)は電波画像を表わすが、いずれもセンサは画像の手前から撮影している。

0080

ここで電波画像に着目してみると、図35(d)、(f)において、(2)から(1)の部分は、電波画像上に表示されると光学画像に対して上下反転して見える領域(以下、この領域を「上下反転域」とする。)を形成する。また、(1)から(3)の部分は、電波画像上でセンサから見えない影となる場所に対応した領域(以下、この領域を「電波影域」とする。)を形成する。
このように、電波画像では、物体の高さの影響により、その物体が画像に現れる順序が光学画像と異なる「上下反転域」が発生するケースがある。人間の目も一種の光学センサであるため、光学画像と電波画像での見え方が違った場合、画像の理解を困難にする。この実施の形態13は、このような問題を解決する手段を提供する。

0081

図34はこの発明の実施の形態13によるグランドトゥルース支援装置の構成を示すブロック図で、図において、図11と同一または相当する部分には同一符号を付し、原則としてその説明は省略する。この実施の形態13の装置は、実施の形態2に上下反転域算出手段21を加えた構成を有する。上下反転域算出手段21は、指定された位置と高さ情報から、電波画像上で、画像が光学画像と比べたとき上下反転して見える領域を算出する手段である。

0082

装置の使用者が、表示手段9と入力手段10を使って、基準となる地点の位置と高さを地図上または電波画像上で指定する。説明を簡略化するため、地図上で指定した場合は「地図指定位置」とし、電波画像上で指定した場合は「電波指定位置」とし、また、高さを「指定高度」とする。
上下反転域算出手段21は、端末制御手段5経由で、この基準となる地点の位置と高さの情報を受け取ると、地図指定位置が指定された場合には、まず、端末制御手段5経由で電波・地図位置換算手段4により、指定された位置で高さ0の電波画像上での位置(以下、「電波0地点」とする。)を得る。この電波0地点は、図35の(1)に相当する位置となる。次に、上下反転域算出手段21は、端末制御手段5経由で、地図指定フォーショートニング補正手段11により、地図指定位置と指定高度に基づいて、指定高度に対応する電波画像上での位置を得る。この指定高度での電波画像上での位置を、説明上「電波最近地点」とする。この電波最近地点は、図35の(2)に相当する位置となる。

0083

一方、電波指定位置が指定された場合には、上下反転域算出手段21は、まず、その電波指定位置を「電波最近地点」とする。次に、上下反転域算出手段21は、端末制御手段5経由で電波画像情報管理手段8が保持する撮像・再生情報を参照して、「電波最近地点」に対応したSARの位置の情報を得る。また、電波画像上の位置(SARとの距離で決まるレンジ方向の位置)から、「電波最近地点」とSAR間の距離を得る。上下反転域算出手段21では、このSARの位置(高度)、「電波最近地点」とSAR間の距離、および指定高度に基づいて、「電波0地点」とSAR間の距離を算出する。この計算方法について図36で説明する。「電波0地点」とSAR間の距離は、SARの高度、「電波最近地点」とSAR間の距離、および指定高度が分れば、三平方定理を利用して算出できる。次に、「電波0地点」とSAR間の距離、「電波最近地点」の位置情報から、「電波0地点」を算出する(電波最近地点から、レンジ方向の位置をSARとの距離の差だけ移動すればよい。)。

0084

「電波最近地点」と「電波0地点」を算出した後の動作は、「地図指定位置」と「電波指定位置」のいずれのケースにおいても同じである。すなわち、上下反転域算出手段21は、算出した値から「電波最近地点」と「電波0地点」の間を上下反転域として定義し、端末制御手段5経由で表示手段9に対し、電波画像上に算出した上下反転域を表示するように指示する。上下反転域は、例えば、色の付いた線や点滅する線で囲まれた領域として電波画像上に表示される。また、領域に斜線を加えるなどしてもよい。

0085

以上のように、実施の形態13によれば、表示された地図上または電波画像上で位置と高さが指定された場合、指定された高さに対応する電波画像上の位置と指定された位置で高さ0の電波画像上の位置を算出し、これら算出された電波画像上の両位置間を、光学画像と比べて上下反転して見える領域として算出し表示するようにしたので、調査活動中に、電波画像上で、画像が光学画像と比べて上下反転して見える領域を容易に判別可能になり、現地での調査作業を効率良く、かつ、正確に行える効果が得られる。
この実施の形態13では、実施の形態2に対する例で説明したが、上下反転域算出手段21を、実施の形態3〜実施の形態12に加えて適用してもよく、上記と同様な効果を奏することができる。

0086

実施の形態14.
電波画像では、SARからの電波の影となる場所では、SARへ後方散乱される電波がなく、その対象となる領域は何も無い場所と同じような画像、一般には暗い画像が現れる。これは、太陽等の強い光源などの影響で現れる光学センサの画像上の影と性質の異なるものである。したがって、電波画像では、光学画像のように見た目で影を判断することは難しい。このような理由により、電波画像の調査では、SARからの電波の影となった部分と、対象の領域で何もない場所とを区別するための情報が必要になる。また、電波の後方散乱が小さい物体の場合、直接その物体による反射波は電波画像上に現れなくても、その物体が作る電波の影領域により、地表等の周囲とは後方散乱の大きさが変わり、物体の存在を識別できることがある。この場合の影領域は、単純に物体から電波が後方散乱された場合とは、物体が現れる電波画像上の位置が異なる。このため、後方散乱を前提とした電波画像と地図位置の変換方法では、正確な対応関係を得られないという問題がある。この実施の形態14はこの問題を解決する手段を提供する。

0087

図37はこの発明の実施の形態14によるグランドトゥルース支援装置の構成を示すブロック図で、図において、図1と同一または相当する部分には同一符号を付し、原則としてその説明は省略する。この実施の形態14の装置は、実施の形態1に電波影域算出手段(影域算出手段)22を加えた構成を有する。電波影域算出手段22は、地図上または電波画像上で指定された位置と高さ情報から、SARからの電波の影となる場所が電波画像上で現れる領域を算出する手段である。
なお、このSARからの電波の影となる場所が電波画像上で現れる領域は、実施の形態13の図35で説明した「電波影域」に相当する。

0088

装置の使用者が、表示手段9と入力手段10を使って、地図上または電波画像上で基準となる地点(対象物)の位置と高さを指定する。電波影域算出手段22は、端末制御手段5経由で、この指定された位置と高さの情報を受け取ると、まず、電波影域算出手段22では、指定された位置で電波画像上の高さ0の地点である「電波0地点」を求める。この算出方法は、実施の形態13の上下反転域算出手段21が「電波0地点」を求めた手順と同じである。次に、電波影域算出手段22は、電波の影の終了点、電波画像上で図35の(3)に相当する地点(以下、「影終了地点」とする。)を、以下のようにして求める。

0089

ここで、電波指定位置の場合、電波影域算出手段22は、電波画像指定フォーショートニング補正手段2により、電波指定位置と高さ情報から、対応する地図上での位置(補正後位置座標)を算出させる。次に、電波影域算出手段22は、電波画像情報管理手段8の電波画像の撮像・再生情報から電波指定位置の電波画像の撮像時におけるSARの位置を得る。
一方、地図指定位置の場合、電波影域算出手段22は、地図上の位置情報のみから、端末制御手段5経由で電波・地図位置換算手段4により、対応する電波画像上の位置を算出させる(この後行うSARの位置特定では、地図からの高さ補正を行わなくても結果が同じであるので、高さ補正のない変換機能を利用する)。次に、電波影域算出手段22は、算出された電波画像上の位置に基づいて、撮像・再生情報から、その位置の電波画像の撮像時におけるSARの位置を得る。

0090

上記のように、地図指定位置および電波指定位置のいずれの場合においても、SARの位置が得られると、次に、電波影域算出手段22は、SARの位置、対象物の地図上の位置と高さの情報から、地図上で影終了地点に対応する地点、すなわちSARと対象物の頂上を結んだ直線の延長が地面と交わる点を求める。この後、電波影域算出手段22は、端末制御手段5経由で電波画像指定フォーショートニング補正手段2により、対応する電波画像上での位置である「影終了地点」を算出する(ここでは、高さ0のため、高さ補正をしない変換機能を利用する)。電波影域算出手段22は、算出した値から、「電波0地点」と「影終了地点」の間を「電波影域」として定義し、表示手段9に対して、算出した「電波影域」を電波画像上に他と識別して表示するように指示する。「電波影域」の表示は、実施の形態13の「上下反転域」と同様な方法でもよいが、色を変えたり、強調表示の方法を変えたりして、区別できるようにしておく。

0091

以上のように、この実施の形態14によれば、表示された地図上または電波画像上で位置と高さが指定された場合、指定された位置で高さ0の電波画像上の位置とSARからの電波の影の終了位置を算出し、算出された電波画像上の両位置間を、SARからの電波の影となる場所が電波画像上で現れる領域として算出するようにしたので、調査活動中に、SARからの電波の影となった部分と対象の領域の何もない場所とを容易に識別することが可能となり、現地での調査作業を効率良く、かつ、正確に行える効果が得られる。
なお、この実施の形態14では、実施の形態1に対する例で説明したが、電波影域算出手段22を、実施の形態2〜実施の形態12に加えて適用してもよく、上記と同様な効果を奏することができる。

0092

実施の形態15.
図35で説明したように、電波画像上での画像が光学画像と比べて上下反転して見える「上下反転域」と、SARからの電波の影となる場所が電波画像上で現れる「電波影域」ある。これらは、高さを持つ構造物に対して、図35(f)に示すように電波画像上では1組の画像領域として現れるが、電波画像上では、この両者は判別しにくい場合がある。この実施の形態15は、この問題を解決す手段を提供する。

0093

図38はこの発明の実施の形態15によるグランドトゥルース支援装置の構成を示すブロック図で、図において、図11と同一または相当する部分には同一符号を付し、原則としてその説明は省略する。この実施の形態15の装置は、実施の形態2に、実施の形態13の上下反転域算出手段21、実施の形態14の電波影域算出手段22、新たに上下反転電波影域合成手段23を加えた構成を有する。上下反転電波影域合成手段23は、指定された位置と高さ情報を基に、上下反転域算出手段21で算出させた上下反転域と電波影域算出手段22で算出させた電波影域とを合成し表示させる手段である。

0094

装置の使用者が、表示手段9と入力手段10を使って、地図上または電波画像上で基準となる地点の位置と高さ指定する。上下反転電波影域合成手段23は、まず、端末制御手段5経由で、基準となる地点の位置と高さの情報を受け取る。上下反転電波影域合成手段23は、基準となる地点の位置と高さの情報を、端末制御手段5経由で、上下反転域算出手段21へ送り、上下反転域を算出させる。ここで、上下反転域算出手段21による上下反転域の算出手順は、実施の形態13と同様であるが、ここでは算出結果が一旦上下反転電波影域合成手段23へ戻される。

0095

次に、上下反転電波影域合成手段23は、基準となる地点の位置と高さの情報を、端末制御手段5経由で、電波影域算出手段22へ送り、電波影域を算出させる。ここで、電波影域算出手段22による電波影域の算出手順は、実施の形態13と同様であるが、ここでは算出結果が一旦上下反転電波影域合成手段23へ戻される。最後に、上下反転電波影域合成手段23は、算出された上下反転域と電波影域を1組に合成し、端末制御手段5経由で、表示手段9に送り、電波画像上に上下反転域と電波影域のペアとして表示するように指示する。
なお、上下反転域と電波影域を算出する順序は逆でもよく、結果として上下反転電波影域合成手段23で合成できるものであればよい。また、上下反転域算出手段21と電波影域算出手段22において算出の、指定された高さに対応する電波画像上の位置で高さ0の位置は、両手段で行わず、いずれか一方で算出した値を他方で使用するようにしてもよい。

0096

以上のように、実施の形態15によれば、表示された地図上または電波画像上で指定された位置と高さから、指定された高さに対応する電波画像上の位置で高さ0の電波画像上の位置を算出し、算出された電波画像上の両位置の間を、画像が光学画像と比べて上下反転して見える領域として算出し、また電波の影の終了位置を算出し、高さ0の電波画像上の位置と電波の影の終了位置の間を、SARからの電波の影となる場所が電波画像上で現れる領域として算出し、算出された両領域の情報を合成し表示するようにしたので、1つの構造物に対する電波画像上の2つの領域を容易に認識できるようになり、現地での調査作業を効率良く、かつ、正確に行える効果がある。
なお、この実施の形態15では、実施の形態2に対する例で説明したが、上下反転域算出手段21、電波影域算出手段22および上下反転電波影域合成手段23を実施の形態3〜実施の形態12に適用してもよく、上記と同様な効果を奏することができる。

0097

実施の形態16.
図39はこの発明の実施の形態16によるグランドトゥルース支援装置の構成を示すブロック図で、図において、図1と同一または相当する部分には同一符号を付し、原則としてその説明は省略する。この実施の形態16の装置は、実施の形態1に上下反転斜度算出手段24を加えた構成を有する。上下反転斜度算出手段24は、指定された位置と高さ情報から、電波画像上で、画像が光学画像と比べて上下反転して見える斜面の角度を算出する手段である。

0098

装置の使用者が、表示手段9と入力手段10を使って、地図上または電波画像上で、基準となる地点(対象物)の位置と高さ指定する。上下反転斜度算出手段24は、端末制御手段5経由で、基準となる地点の位置と高さの情報を受け取ると、地図上の位置と高さを求める。
入力が地図上で指定された位置と高さの場合、入力値をそのまま利用する。一方、電波画像上で指定された位置と高さの場合、端末制御手段5経由で、電波画像指定フォーショートニング補正手段2により、地図上の位置と高さへ変換する。いずれの場合にも、求められた地図上の位置と高さで決定される地点を、「反転斜面基準点」とする。

0099

上下反転斜度算出手段24は、反転斜面基準点を得ると、対象地点の撮像時のSARの位置を求める。対象地点撮像時のSARの位置は、電波画像上の位置が分れば、電波画像情報管理手段8が保持する撮像・再生情報から求めることが出できる。電波画像上で指定された位置の場合には、入力値をそのまま利用して、SARの位置を求める。一方、地図指定位置の場合には、端末制御手段5経由で、電波・地図位置換算手段4により電波画像上の位置を算出させ、SARの位置を求める。なお、SARの位置を求める時には、高さ補正が不要なため、電波・地図位置換算手段4を利用する。

0100

図40は上下反転斜度算出手段24による角度の算出方法を示す説明を図である。上下反転斜度算出手段24は、SARの位置を中心とし、SARの位置から反転斜面基準点までの距離rを半径とする円の反転斜面基準点を通る接線を求め、この接線が水平面となす角度θを「画像が光学画像と比べて上下反転して見える斜面の角度(以下、境界角度とする。)」として算出する。この境界角度θよりも、斜面の角度が大きくなると、画像が光学画像と比べて上下反転して見える。逆に、境界角度よりも斜面の角度が小さい場合には、上下反転は起こらない。
次に、上下反転斜度算出手段24は、算出した境界角度θを端末制御手段5経由で、表示手段9に送り、画面上に表示するよう指示する。境界角度θは、地図と電波画像のいずれか一方または両方に、例えば「境界角度θ度」のように表示される。

0101

以上のように、実施の形態16によれば、地図上または電波画像上で指定された位置と高さ情報から、地図上の位置と高さで決定される地点を求め、またその地点の撮像時のSARの位置を求め、上記地点とSARの位置に基づいて、電波画像上で、画像が光学画像と比べて上下反転して見える斜面の角度を算出し表示するようにしたので、現地での調査作業中に、対象の地域が電波画像上で上下反転している状態を容易に判定できるようになり、調査作業を効率良く、かつ、正確に行える効果が得られる。
なお、この実施の形態16では、実施の形態1に対する例で説明したが、上下反転斜度算出手段24を、実施の形態2〜実施の形態15に適用してもよく、上記と同様な効果を奏することができる。

0102

実施の形態17.
電波の後方散乱が小さい物体の場合、直接その物体による反射波は電波画像上に現れなくても、その物体が作る電波の影領域により、地表等の周囲とは後方散乱の大きさが変わり、物体の存在を識別できることがある。この影領域は、単純に物体から電波が後方散乱された場合とは、物体が現れる電波画像上の位置が異なる。このため、後方散乱を前提とした電波画像と地図位置の変換方法では、正確な対応関係を得られないという問題がある。この実施の形態17は、この問題を解決する手段を提供する。

0103

図41はこの発明の実施の形態17によるグランドトゥルース支援装置の構成を示すブロック図で、図において、図1と同一または相当する部分には同一符号を付し、原則としてその説明は省略する。この実施の形態17の装置は、実施の形態1に電波影域地図位置算出手段25を加えた構成を有する。電波影域地図位置算出手段25は、電波画像上でSARからの電波の影となる電波影域を指定した時に、その電波影域に対応した場所が地図上に現れる位置とその高度を算出する手段である。
電波影域は、図35(f)の電波画像において、(1)から(3)に相当する領域である。ここでは、説明上、(1)を電波影域開始点、(3)を電波影域終了点とする。

0104

装置の使用者が、表示手段9と入力手段10を使って、電波画像上で電波影域を指定する。電波影域地図位置算出手段25は、端末制御手段5経由で、指定された電波影域の指定情報を受け取ると、電波影域開始点に対する地図上の位置を求める。ここでは、電波影域開始点(1)は、高さ「0」と仮定できるため、電波影域地図位置算出手段25は、端末制御手段5経由で、電波・地図位置換算手段4を使い、高さ補正無しで地図上の位置を求める。説明上、この地図上の位置を「地図開始位置」とする。電波影域地図位置算出手段25は、地図開始位置を算出後、電波影域終了点(3)に対する地図上の位置を求める。ここでも、電波影域終了点(3)は、高さ「0」と仮定できるため、電波影域地図位置算出手段25は、地図開始位置と同様の手順で、電波・地図位置換算手段4を使い、電波影域終了点に対する地図上の位置を求める。この地図上の位置を「地図終了位置」とする。

0105

次に地図開始位置(電波影域に対応した場所)の高さを算出するが、その算出方法を図42に示す。電波影域地図位置算出手段25は、電波影域開始点(1)の情報から、端末制御手段5経由で、電波画像情報管理手段8の撮像・再生情報から、対象地点の撮像時のSARの位置を求める。次に、電波影域地図位置算出手段25は、求めたSARの位置と地図終了位置を結ぶ直線と、地図開始位置から水平面(地表)に対して鉛直方向に伸びる直線の交点を求め、この交点を影基準点とする。この地図開始位置と影基準点の距離が算出目的の高度となる。
電波影域地図位置算出手段25は、最後に、算出した地図開始位置と高度を、電波影域に対応した場所が地図上に現れる位置とその高度として表示させるように、端末制御手段5経由で、表示手段9に指示する。この場合の表示は、例えば、影の形状に対応した多角形を地図上に作成し、その内部を前述したグレードバーと同じ要領で、高さ別に濃淡を付けて塗りつぶすことで行うようにする。

0106

以上のように、この実施の形態17によれば、電波画像上で、SARからの電波の影となる領域が指定された場合に、その領域の開始点と終了点に対する地図上の位置をそれぞれ算出し、次に撮像・再生情報から上記開始点の撮像時におけるSARの位置を求め、このSARの位置および開始点と終了点に対応する地図上の位置に基づいて開始点の地図上の位置の高度を算出し、開始点の地図上の位置と算出された高度を、上記領域が地図上に現れる位置とその高度として表示するようにしたので、調査活動中に、電波画像上と地図上の対応関係を容易に識別できるようになり、現地での調査作業を効率良く、かつ、正確に行える効果がある。
なお、この実施の形態17では、実施の形態1に対する例で説明したが、電波影域地図位置算出手段25を、実施の形態2〜実施の形態16に適用してもよく、上記と同様な効果を奏することができる。

0107

実施の形態18.
図43はこの発明の実施の形態18によるグランドトゥルース支援装置の構成を示すブロック図で、図において、図37と同一または相当する部分には同一符号を付し、原則としてその説明は省略する。この実施の形態18の装置は、実施の形態14に物体形状設定手段26と電波影域制御手段27とを加えた構成を有する。物体形状設定手段26は、物体の形状を定義する手段である。電波影域制御手段27は、物体形状設定手段26で定義した物体を置く位置を地図上で指定し、この物体が電波を後方散乱しないと仮定し、この物体による電波の影が電波画像上に現れる影領域を算出する手段である。

0108

ここでは、ある多面体ポリゴン)を定義し、この多面体に対する電波の影が電波画像上に現れる影領域を算出する例で説明する。物体形状設定手段26としては、物体の形状を定義できるものであればよく、任意の実現方法を選択して適用すればよい。例えば、装置の使用者が、表示手段9と入力手段10を使って、頂点や辺の座標や長さ等を入力することで、多面体を定義し実現することが考えられる。また、いくつかの多面体データを記憶しておいて、その中から、装置の使用者が、表示手段9と入力手段10を使って選択するようにしてもよい。

0109

まず、装置の使用者が表示手段9と入力手段10を使って入力することにより、物体形状設定手段26で目的とする形状の物体を定義し、また地図上の位置を指定する。電波影域制御手段27は、端末制御手段5経由で、定義された物体の情報と指定された地図上の位置を受け取る。次に、電波影域制御手段27は、多面体(物体)の各頂点を選択し、端末制御手段5経由で、電波影域算出手段22により、各頂点に対する影領域を算出させる。ここで、電波影域算出手段22が、各頂点で影領域を算出する手続きは、実施の形態14でのべたのと同じである。電波影域制御手段27は、各頂点での影領域算出が終了した後、算出された各影領域を合成して多面体に対する影領域とする。最後に、電波影域制御手段27は、算出した多面体に対する影領域を表示するように、端末制御手段5経由で、表示手段9に指示する。この場合の表示は、例えば、色の付いた線や点滅する線で囲まれた影の形状に対応した多角形の領域を地図上に形成することで行うようにする。

0110

なお、以上の説明では、多面体に対する例について説明したが、球体など、多面体以外でも、任意の物体の形状を物体形状設定手段26で定義し、その定義された物体について、電波影域制御手段27により、電波の影となる領域の算出を行うようにしてもよい。
また、各頂点を使って多面体の影を求める例について説明したが、頂点以外で外周の複数の点を利用して多面体の影領域を求める様にしてもよい。その場合、影領域を、より詳細に求められる。また、対象の物体とSARの位置から、SARからの電波が当らない部分などを、影領域を求める時に不要となる部分として特定し、その部分を省いて多面体の影領域を求めるように処理するようにしてもよい。

0111

以上のように、この実施の形態18によれば、物体の形状を定義し、定義された形状の物体を置く位置が地図上で指定されると、この物体が電波を後方散乱しないと仮定して、定義された形状の物体の外周の複数の点を選択し、選択された複数の点の情報と指定された地図上の位置に基づいて、各選択された複数の点に対する影領域をそれぞれ算出し、算出された各影領域を合成して当該物体による電波の影が電波画像上に現れる領域として算出するようにしたので、複雑な形状の物体に対しても、電波の影が電波画像上に現れる領域を容易に認識できるようになり、現地での調査作業を効率良く、かつ、正確に行える効果がある。
なお、この実施の形態18では、実施の形態14に対する例で説明したが、物体形状設定手段26と電波影域制御手段27とを、実施の形態15に適用してもよく、上記と同様な効果を奏することができる。

0112

実施の形態19.
図45はこの発明の実施の形態19が対象とする多重反射について示す説明図である。電波をよく反射する地面や水面等が近くにある場合に、ある地点からの散乱波が複数のパスでSARに戻ってくることがある。図45の例では、ある地点(以下、「散乱基準点」とする。)から後方散乱でSARに直接戻ってくるパスP1と、散乱基準点から反射面を経由してSARに戻ってくるパスP2がある。パスP1とパスP2では、電波がSARへ戻ってくる距離が違うため、電波画像上では、2つの別の散乱点として現れる。すなわち、1つの反射基準点に対して、電波画像上では複数の散乱点が現れるという現象が発生する。以後このような現象を「多重散乱」とし、この現象で電波画像上に現れる散乱点を「多重散乱点」とする。また、多重散乱点の原因となる場所を「反射面」とし、多重散乱点の元になった地図上の地点を「散乱基準点」とする。地図上で指定された位置について、このように多重散乱の現象があると、電波画像上の多重散乱点なのか、それとも地図上にある複数の異なった散乱基準点なのかの判別が困難になるという問題がある。この実施の形態19では、この問題を解決するための手段を提供する。

0113

図44はこの発明の実施の形態19によるグランドトゥルース支援装置の構成を示すブロック図で、図において、図11と同一または相当する部分には同一符号を付し、原則としてその説明は省略する。この実施の形態19の装置は、実施の形態2に反射面指定手段28と多重散乱点算出手段29とを加えた構成を有する。反射面指定手段28は、地図上で多重散乱を起こす原因となる反射面の位置とその範囲を指定する手段である。多重散乱点算出手段29は、反射面指定手段28で指定された反射面を考慮して、地図上で指定された散乱基準点に基づいて、電波画像上に現れる多重散乱点(後述の標準散乱点と反射散乱点)を算出する手段である。

0114

図46はこの実施の形態19に係る動作の概要を示す説明図である。
まず、装置の使用者が、表示手段9と入力手段10を使って、地図上で反射面の位置と範囲を入力すると、端末制御手段5経由で、反射面指定手段28はその反射面の情報を受け取り指定して保持する。反射面の指定後、装置の使用者は、表示手段9と入力手段10を使って、地図上で散乱基準点(位置)と高さを指定する。多重散乱点算出手段29は、この散乱基準点の情報を受け取ると、端末制御手段5経由で、地図指定フォーショートニング補正手段11により、散乱基準点の位置と高さの情報から、散乱基準点から後方散乱でSARに直接戻ってくる電波のパス(図45のパスP1)から得られる電波画像上の位置を「標準散乱点」(実施の形態2の電波画像補正後位置に相当する。)として算出させる。

0115

次に、多重散乱点算出手段29は、以下の手順で、散乱基準点から反射面を経由してSARに戻ってくる電波のパス(図45のパスP2)から得られる電波画像上の位置を「反射散乱点」として算出する。
最初に、標準散乱点に基づいて、電波画像情報管理手段8の撮像・再生情報から散乱基準点撮像時のSARの位置を得る。次に、多重散乱点算出手段29は、散乱基準点、SARの位置および反射面指定手段28で保持している指定の反射面の位置と範囲に基づいて、散乱基準点から反射面を経由してSARに戻ってくる経路を算出する。

0116

ここでは、反射面での入射角反射角図45参照)が等しく、反射面は地平に対して水平な面であり、高さが「0」で一定と仮定する。この入射角と反射角が、この経路で反射面上の地点(以下、この地点を「反射点」とする。)を決める。この仮定のもとでは、散乱基準点と反射点と散乱基準点で高さ「0」の地点とが作る三角形と、SARの位置と反射点とSARの位置で高さ「0」の地点が作る三角形は相似となる。この関係を用いて、散乱基準点の位置(地図上の座標と高さ)、SARの位置(地図上の座標と高さ)とから、反射点(地図上の座標)を算出する。地図上の反射点が算出されたならば、SARから散乱基準点までの距離と、散乱基準点から反射点までの距離と、反射点からSARまでの距離の総和を求め、これを「算出目的のパスでのSARまでの距離」とする。

0117

この後、この算出目的のパスでのSARまでの距離(パスP経由:SAR−散乱基準点−反射点−SAR)と、SARから散乱基準点までの往復距離(パスP1経由:SAR−散乱基準点−SAR)の差(この差を、「反射移動距離」とする。)を求める。反射移動距離を算出後、地図上で、SARと散乱基準点を結ぶ直線の延長上で、散乱基準点から反射移動距離だけ進んだ位置を、仮想散乱地点(位置座標と高さ)として算出する。この仮想散乱地点の地図上の位置座標と高さに基づいて、端末制御手段5経由で、地図指定フォーショートニング補正手段11により、仮想散乱地点に対応する電波画像上の位置、すなわち反射散乱点を算出させる。反射散乱点を求めると、最後に、多重散乱点算出手段29は、算出した標準散乱点と反射散乱点を電波画像上に表示するように、端末制御手段5経由で、表示手段9に指示する。この場合の表示としては、標準散乱点は従来の地図上の位置に対応した散乱点の位置として表示し、一方、反射散乱点は、標準散乱点と違うことが分るように、例えば星印の色を変えるなどしたアイコンで電波画像上に表示するようにする。
なお、以上の説明では、先に反射面を定義してから、散乱基準点の情報を入力する例について示したが、先に散乱基準点の情報を入力し、後から反射面を定義してもよい。

0118

以上のように、この実施の形態19によれば、地図上で多重散乱を起こす原因となる反射面の範囲を指定し、地図上で指定された散乱基準点の位置と高さに基づいて、後方散乱で散乱基準点からSARに直接戻る電波のパスから得られる電波画像上の位置を標準散乱点として算出し、撮像・再生情報から得られる散乱基準点の撮像時のSARの位置と高さ、散乱基準点の位置と高さおよび指定された反射面の位置と範囲に基づいて、散乱基準点から反射面を経由してSARに戻ってくる電波のパスから得られる電波画像上の位置を反射散乱点として算出し、算出した標準散乱点と反射散乱点を電波画像上に表示するようにしたので、現地調査中に、多重散乱点か、複数の異なった散乱基準点かの判別が容易になり、現地での調査作業を効率良く、かつ、正確に行える効果が得られる。
なお、この実施の形態19では、実施の形態2に対する例で説明したが、反射面指定手段28と多重散乱点算出手段29とを、実施の形態3〜実施の形態18に適用してもよく、上記と同様な効果を奏することができる。

0119

実施の形態20.
図47はこの発明の実施の形態20によるグランドトゥルース支援装置の構成を示すブロック図で、図において、図44と同一または相当する部分には同一符号を付し、原則としてその説明は省略する。この実施の形態20の装置は、実施の形態19に反射面高度設定手段(反射面管理手段)30を加えた構成を有する。反射面高度設定手段30は、反射面の高さを設定し保持管理する手段である。

0120

ここでは、装置の使用者は、表示手段9と入力手段10を使って、反射面の高さを指定すると、反射面高度設定手段30は、端末制御手段5経由で、指定された反射面の高さ情報を受け取り、これを設定保持する。ここで、反射面高度設定手段30は、例えば反射面が海面等の場合には、電波画像情報管理手段8で保存する撮像・再生情報である電波画像の撮像日時の情報等から、の満ち引きを考慮して自動的に高さを設定する。
次に、多重散乱点算出手段29は、散乱基準点の位置(地図上の座標と高さ)、SARの位置(地図上の座標と高さ)とから、反射点(地図上の座標)を算出する時に、反射面高度設定手段30から反射面の高さの情報を受け取り反射点に加味し、その後の反射散乱点の算出において、この高さ情報を反映させる。

0121

以上のように、この実施の形態20によれば、多重散乱を起こす領域に対して、地図上で反射面の位置と範囲を設定した時に、その反射面に対し高さを設定し、設定された反射面の高さの情報を加えて電波画像に現れる反射散乱点を算出し表示するようにしたので、降雨等により高さの変わる川の水位や、潮の満ち引きなどによる海面の水位等、反射面の高度が時間により変化するようなケースでも、多重散乱が発生する場所を正しく表示し識別できるため、グランドトゥルースを効率良く行える効果が得られる。

0122

実施の形態21.
前述した実施の形態19では、多重散乱を起こす原因となる反射面が水平面の場合に、電波画像上に現れる多重散乱点を算出して表示できるようにすることについて述べた。しかし、実際には、多重散乱を起こす原因となる反射面としては、水平面以外にも存在するわけで、例えば、ビル等の人工構造物の壁面などが考えられる。この実施の形態21では、このような水平面以外の反射面も考慮して多重散乱点を算出し表示する手段について述べる。

0123

図48はこの発明の実施の形態21によるグランドトゥルース支援装置の構成を示すブロック図で、図において、図44と同一または相当する部分には同一符号を付し、原則としてその説明は省略する。この実施の形態21は、実施の形態19の構成に、反射角度設定手段(反射面管理手段)31を加えた構成を有する。反射角度設定手段31は、反射面指定手段28で指定された反射面が水平面となす角度および反射角の大きさを設定し保持管理する手段である。

0124

ここでは、対象とする反射面が水平でない場合、装置の使用者は、その反射面が水平面となす角度および入射角に対する反射角の大きさ(図45参照)を設定することができる。これら角度の入力は、地図上で反射面の位置と範囲を設定した時に、表示手段9と入力手段10を使って行われる。反射角度設定手段31は、その入力結果を端末制御手段5経由で受け取り、反射面が水平面となす角度を設定し、反射面への角度に関する情報として設定し保持管理する。多重散乱点算出手段29は、反射角度設定手段31から反射面への角度に関する情報を受け取り、反射面が水平面となす角度および入射角を用いて反射点を算出し、その結果を用いて反射散乱点を算出する。多重散乱点算出手段29で算出された反射散乱点は表示手段6で表示される。反射散乱点の表示例は、実施の形態19と同じようにすればよい。

0125

以上のように、実施の形態21によれば、多重散乱を起こす領域に対して、地図上で反射面の位置と範囲を指定した時に、指定された反射面が水平面となす角度および反射角の大きさを設定し、設定された水平面となす角度および入射角を加えて反射散乱点を算出し表示するようにしたので、多重散乱の影響を正確に評価できるようになり、グランドトゥルースを効率良く行える効果が得られる。
なお、この実施の形態21では、実施の形態19に対する例で説明したが、反射角度設定手段31を実施の形態20に適用してもよく、上記と同様な効果を奏することができる。

0126

実施の形態22.
図49はこの発明の実施の形態22によるグランドトゥルース支援装置の構成を示すブロック図で、図において、図44と同一または相当する部分には同一符号を付し、原則としてその説明は省略する。この実施の形態22は、実施の形態19に複数反射面管理手段32を加えた構成を有する。複数反射面管理手段(反射面管理手段)32は、地図上で多重散乱を起こす複数の反射面の範囲を指定し保持管理する手段である。

0127

この実施の形態22では、装置の使用者は、複数の反射面の範囲を設定する。ここで、複数の反射面は、表示手段9と入力手段10を使って装置の使用者により入力される。複数反射面管理手段32が、端末制御手段5経由でその入力結果を受け取り、複数の反射面の情報として設定し保持管理する。多重散乱点算出手段29は、複数反射面管理手段32から1個ずつ反射面の範囲を取り出して反射点をそれぞれ算出し、算出された各反射点を順次用いて各反射面での反射散乱点を算出し、その結果を合成して表示させる。

0128

以上のように、この実施の形態22によれば、多重散乱を起こす領域を複数ある場合、地図上で多重散乱を起こす複数の反射面の範囲を指定して保持し、保持された複数の反射面から1個ずつ反射面を取り出して順次各反射面での反射散乱点を算出し、算出された各反射散乱点を合成して表示するようにしたので、現地調査中に、複数の反射散乱点の判別を容易に行えるようになり、現地での調査作業を効率良く、かつ、正確に行える効果が得られる。
なお、この実施の形態22では、実施の形態19に対する例で説明したが、反射角度設定手段31を、実施の形態20または実施の形態21に適用してもよく、上記と同様の効果を奏することができる。

0129

実施の形態23.
図50はこの発明の実施の形態23によるグランドトゥルース支援装置の構成を示すブロック図で、図において、図49と同一または相当する部分には同一符号を付し、原則としてその説明は省略する。この実施の形態23の装置は、実施の形態22に反射回数設定手段(反射面管理手段)33を加えた構成を有する。反射回数設定手段33は、SARから出て複数の反射面を介して戻る電波のパスにより電波画像上に多重散乱点として現れる反射面での通算の反射回数について上限値を設定し保持管理する手段である。

0130

装置の使用者は、表示手段9と入力手段10を使って、反射面に対して最大反射回数を指定して入力する。反射回数設定手段33は、端末制御手段5経由でその入力結果を受け取り、反射面での通算の反射回数の上限値を設定し保持管理する手段である。
多重散乱点算出手段29は、実施の形態22と同様に、複数反射面管理手段32で保持された複数の反射面から1個ずつ反射面を取り出して順次各反射面での反射散乱点を算出し、算出された各反射散乱点を合成して表示させる。ただし、各反射面での反射散乱点を算出する時に、複数の反射面での多重反射したケースについても、反射散乱点を算出する。ここでは、反射回数設定手段33で設定された上限値を確認し、電波のパスでの通算の反射回数が、設定された最大反射回数を超えるまで、多重反射の影響を考慮して、各反射面での反射散乱点を算出し表示させる。

0131

図51は複数反射面での多重反射に対する多重散乱点算出手段29の動作例を示す説明図である。図において、複数反射面管理手段32で反射面1と反射面2の2つが反射面として指定され、反射回数設定手段33で最大反射回数が3と設定されたものとする。
この時、散乱基準点から直接SARへ戻るパスPAに対する散乱点を電波画像上の位置DAとして表示する。SARから反射面2(散乱基準点)で反射した後、反射面1(反射点1)で反射してSARへ戻るパスPB1と、SARから反射面1(反射点1)で反射した後、反射面2(散乱基準点)で反射してSARへ戻るパスPB2は、同じ距離になる。このため、パスPB1とパスPB2に対する散乱点は、電波画像の同じ位置に多重散乱点として現れることになる(両者を合成したものになる)。パスPB1とパスPB2では、反射面1と反射面2で1回ずつ反射するため、各パスでの反射回数は2となる。多重散乱点算出手段29は、それぞれの電波のパスでの反射回数を計数すると、その値が反射回数設定手段33に設定された上限値3を超えないことを確認し、パスPB1とパスPB2に対する反射散乱点を算出して電波画像上のDBの位置に表示させる。

0132

また、SARから反射面2(散乱基準点)で反射した後、反射面1(反射点1)で反射し、さらに反射面2(散乱基準点)で反射してセンサへ戻るパスPC1と、SARから反射面1(反射点1)で反射した後、反射面2(散乱基準点)で反射し、さらに反射面1(反射点1)で反射してSARへ戻るパスPC2は同じ距離になる。このため、パスPC1とパスPC2に対する散乱点は、電波画像の同じ位置に多重散乱点として現れることになる。パスPC1の反射回数は反射面1で2回と反射面2で1回の合計3回、パスPC2の反射回数は反射面1で1回と反射面2で2回の合計3回となる。多重散乱点算出手段29は、それぞれのパスでの反射回数を計数すると、その値が反射回数設定手段33に設定された上限値3を超えないことを確認し、パスPC1とパスPC2に対する反射散乱点を算出して電波画像上のDCの位置に表示させる。

0133

さらに、SARから反射面2(散乱基準点)で反射した後、反射面1(反射点1)で反射し、さらに反射面2(散乱基準点)で反射し、再び反射面1(反射点1)で反射してからSARへ戻るパスPD1と、SARから反射面1(反射点1)で反射した後、反射面2(散乱基準点)で反射し、さらに反射面1(反射点1)で反射し、再び反射面2(散乱基準点)で反射してからSARへ戻るパスPD2は、同じ距離になる。このため、パスPD1とパスPD2に対する散乱点は、電波画像の同じ位置に多重散乱点として現れることになる。これらパスPD1とパスPD2の反射回数は、反射面1で2回と反射面2で2回の合計4回となる。多重散乱点算出手段29は、それぞれの電波のパスでの反射回数を計数すると、その値が反射回数設定手段33に設定された上限値3を超えたことを確認し、電波画像上にはパスPD1とパスPD2に対する反射散乱点は表示させない。また、これよりも反射回数が多いパスについても、同様に反射散乱点を表示しない。

0134

以上のように、この実施の形態23によれば、SARから出て反射して戻る電波のパスにより電波画像上に多重散乱点として現れる反射面における通算の反射回数に対して上限値を設定し、設定された複数の反射面の範囲から反射点を順次算出する際に、算出に用いる各電波のパス上での反射回数をそれぞれ計数し、その計数値が設定された上限値を超えなかった反射点だけを表示するようにしたので、複数の反射面で多重に反射したケースでも、多重散乱点を容易に表示できるようになり、現地での調査作業を効率良く行える効果が得られる。

0135

実施の形態24.
図52はこの発明の実施の形態24によるグランドトゥルース支援装置の構成を示すブロック図で、図において、図1と同一または相当する部分には同一符号を付し、原則としてその説明は省略する。この実施の形態24の装置は、実施の形態1に多重反射面位置高度推定手段34を加えた構成を有する多重反射面位置高度推定手段34は、電波画像上で指定された多重散乱点および地図上で指定された電波を反射する基準点(以下、散乱基準点)の位置と高さから、多重散乱を起こす反射点の位置と高度を算出する手段である。

0136

ここでは、装置の使用者は、表示手段9と入力手段10を使って、地図上で電波を反射する散乱基準点の位置(座標)と高さを指定し、また電波画像上で複数の多重散乱点を指定する。なお、ここで指定する多重散乱点は、散乱基準点の位置に対応する散乱点(標準散乱点)と、すぐ隣に現れる多重散乱点とする。多重反射面位置高度推定手段34は、これら指定結果を端末制御手段5経由で受け取ると、多重散乱を起こす反射点の位置と高度を算出する。その算出方法について図53により説明する。
多重反射面位置高度推定手段34は、まず、電波画像上で入力された多重散乱点に基づいて、端末制御手段5経由で、電波画像情報管理手段8の撮像・再生情報から散乱点の計測時におけるSARの位置情報を得る。また、撮像・再生情報から標準散乱点とすぐ隣に現れる多重散乱点の距離(この距離を、反射移動距離Tとする。)を得る。2点の多重散乱点は、電波の照射方向が同じであるから、電波の通った経路の距離差として電波画像上に現れる。そのため、電波画像上で両者の位置を指定すれば、その間の距離、すなわち反射移動距離Tを算出できる。SARの位置情報からはSARの高度h1を得る。また、地図上で入力された散乱基準点の位置(座標)と高さから、散乱基準点の高度h2、SARと散乱基準点間の直線距離r1、および両者の地図上の距離(SARと散乱基準点の高度0の位置の間の距離)d0を得る。

0137

次に、多重反射面位置高度推定手段34は、SARと反射点の地図上の距離d1、散乱基準点と反射点の地図上の距離d2と、反射点の高度Hを次の3式から算出する。

ここで、式(1)は、反射点での入射角と反射角が同じと仮定して、2つの相似関係にある三角形から定義している。式(2)は、反射移動距離Tが、2つの多重散乱点間の電波の通った経路の距離差であることから定義している。また、式(3)は、反射点がSARと散乱基準点の直線上にあると仮定して定義している。
多重反射面位置高度推定手段34は、算出したd1、d2、Hの値から、地図上で入力された散乱基準点の位置(座標)等を参照して、反射点の位置(座標)と高度を得る。最後に多重反射面位置高度推定手段34は、算出した反射点の位置(座標)と高度を地図上に表示するように、端末制御手段5経由で、表示手段9に指示する。この場合の表示では、反射点の位置(座標)は散乱点と異なる形状のアイコン(散乱点が星印とすれば、丸印等)で表示し、また高度はアイコンの直ぐ脇に数値で表示する。

0138

以上のように、この実施の形態24によれば、電波画像上で指定された隣接する2点の多重散乱点に基づいて撮像・再生情報からの散乱点計測時におけるSARの位置情報と電波の照射方向を入手し、入手した位置情報からSARの高度h1を得ると共に、電波の照射方向の電波が通った経路の距離差を多重散乱点の2点間の距離Tとして算出し、地図上で指定された散乱基準点の位置と高さから、当該散乱基準点の高度h2、SARと散乱基準点間の直線距離r1、およびSARと散乱基準点間の地図上での距離d0を算出し、得られたSARの高度h1、多重散乱点の2点間の距離T、当該散乱基準点の高度h2、SARと散乱基準点間の直線距離r1およびSARと散乱基準点間の地図上での距離d0を用いてSARと多重散乱を起こす反射点との地図上での距離d1、散乱基準点と当該反射点間の地図上での距離d2および当該反射点の高度Hを算出し、これら算出した各距離d1,d2と高度Hの値から、地図上で指定された散乱基準点の位置を参照して当該反射点の位置と高度を得て地図上に表示させるよう構成したものである。したがって、多重散乱を起こす原因となっている場所を容易に推定でき、グランドトゥルースを効率良く行える効果が得られる。また、多重散乱を起こす反射点の撮像時の高度を知ることができ、反射点が高さの変わる水面等である場合に、撮像時の高さを推定できる効果が得られる。
なお、この実施の形態24では、実施の形態1に対する例で説明したが、多重反射面位置高度推定手段34を、実施の形態2〜実施の形態23に適用してもよく、上記と同様な効果を奏することができる。

0139

実施の形態25.
図54はこの発明の実施の形態25によるグランドトゥルース支援装置の構成を示すブロック図で、図において、図1と同一または相当する部分には同一符号を付し、原則としてその説明は省略する。この実施の形態25の装置は、実施の形態1に、参考画像呼び出し手段35を加えた構成を有する。参考画像呼び出し手段35は、調査対象の電波画像と比較するための参考となる電波画像を生成するか、またはデータベースを参照することにより参考となる電波画像を選択して表示手段9上に表示する手段である。

0140

参考画像呼び出し手段35としては、調査対象に関する条件、例えば構造物の構造と電波の照射方法が入力された場合、シミュレーションを実施して、参考となる電波画像を生成し表示させることが考えられる。また、他の方法として、いくつかの電波画像をデータベースとして、予め保持しておいて、そこから参考となる画像を選択して表示手段9の画面に表示するようにしてもよい。この他、草地などの背景となるデータを構造物と組み合わせて表示できるような機能を備えてもよい。さらに、参考となる電波画像を表示する際に、実際の電波画像上の調査対象と対比させて表示するようにしてもよい。

0141

参考画像呼び出し手段35では、シミュレーションやデータベースなど、計算負荷の大きい処理や、データを大量に蓄積することが求められるケースがある。グランドトゥルース支援装置1が携帯型の端末の場合、計算能力やデータの記憶容量には限界がある。そこで、図55に示すように、参考画像呼び出し手段35をグランドトゥルース支援装置1とグランドトゥルース支援センタ36に分けて実装するようにしてもよい。この場合、計算負荷の大きい処理のための計算設備やマスタデータベースをグランドトゥルース支援センタ36側に用意し、グランドトゥルース支援装置1からは、必要な時に呼び出して利用するようにする。グランドトゥルース支援装置1とグランドトゥルース支援センタ36の間の通信は、必要な時にデータの交換が行える適当な通信手段を用いれば実現できる。例えば、携帯電話等の電波を用いた無線による通信、また公衆電話などを介して有線による通信を利用することが考えられる。
なお、地図情報手段7や電波画像情報管理手段8等も大きなデータを保持する可能性があり、これらについても参考画像呼び出し手段35と同様にグランドトゥルース支援センタ36に実装して通信手段を用いてデータ交換するようにしてもよい。このことは、各実施の形態においても適用できることである。

0142

以上のように、この実施の形態25によれば、調査対象に関する条件が入力された場合、参考となる電波画像をシミュレーションにより生成するか、またはデータベースを参照することにより参考となる電波画像を選択し表示させるようにしたので、調査対象の実際の電波画像を参考となる電波画像と比較しながら、現地での調査が行うことができるため、グランドトゥルースを効率良く行える効果が得られる。
なお、この実施の形態25では、実施の形態1に対する例で説明したが、参考画像呼び出し手段35を、実施の形態2〜実施の形態24に適用してもよく、上記と同様な効果を奏することができる。例えば、実施の形態18の物体形状設定手段26では、特定の形状の入力として、参考となる電波画像を利用できる。

0143

実施の形態26.
電波画像では、撮像時の気象条件などにより、撮影される画像が大きく変化することがある。例えば、水面では、風の強さにより表面の波に変化が起き、電波の後方散乱の大きさが変わる。強風の時には画像上に波がくきりと映るが、無風の時は電波が進行方向に反射されて後方散乱が小さく鏡のように平らな面として映ったりする。また、水面が凍結しているか否かで電波の反射の大きさが変わる。また、人工の構造物でも、建設中や解体中のものは、完成済みの構造物とは、電波の反射の大きさが変わる。したがって、上記実施の形態25で述べた参考画像呼び出し手段35により生成または選択した電波画像は、利用する上で必ずしも適切でない場合がある。この実施の形態26では、このような問題に対応する手段を提供する。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ