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技術 防爆構造を備えた電池ケース

出願人 大日本印刷株式会社
発明者 吉中努吉川正浩清水孝二
出願日 1998年7月16日 (20年4ヶ月経過) 出願番号 1998-202374
公開日 2004年11月18日 (14年0ヶ月経過) 公開番号 2004-327046
状態 特許登録済
技術分野 電池の電槽・外装及び封口 電池のガス排気装置
主要キーワード ガス抜きバルブ 爆発防止 熱接着性樹脂フィルム 炭酸ガスレーザー光 防爆性 圧力開放弁 防爆構造 レベルアップ
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この項目の情報は公開日時点(2004年11月18日)のものです。
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図面 (6)

課題

ポリマー電池等のシート状電池に用いる電池ケースであって、薄くて軽く、各種の強度、耐性のほか、水蒸気その他のガスバリヤー性熱封緘性などに優れると共に、内圧上昇時の防爆性も備えた電池ケースを提供する。

解決手段

電池ケースの少なくとも一部に、アルミニウム箔層1を中間層としてその両面に、外側の合成樹脂層2、内側の合成樹脂層3を積層した積層フィルム100 を用いると共に、該積層フィルム100 の少なくとも一方の面にレーザー光照射によりパターン状にハーフカット部を設けて電池ケースを構成する。前記外側の合成樹脂層2には、PETフィルム、ONフィルム、OPP フィルムなど4aを用い、内側の合成樹脂層3は、PET フィルム、ONフィルム、OPP フィルムなど4bと熱接着性樹脂層5との少なくとも2層で構成することが好ましい。

概要

背景

従来、電池構成材料収納する電池ケースには、大抵の場合、金属製のケースが用いられていた。しかし、ノート型パソコン携帯電話など各種の電子機器発達、普及に伴い、その軽量化、薄型化が進められると共に、これらに使用される電池についても、その重量をできるだけ軽くし、また、使用機器における電池用スペースを少なくできるよう軽量化、薄型化が求められている。

概要

ポリマー電池等のシート状電池に用いる電池ケースであって、薄くて軽く、各種の強度、耐性のほか、水蒸気その他のガスバリヤー性熱封緘性などに優れると共に、内圧上昇時の防爆性も備えた電池ケースを提供する。電池ケースの少なくとも一部に、アルミニウム箔層1を中間層としてその両面に、外側の合成樹脂層2、内側の合成樹脂層3を積層した積層フィルム100 を用いると共に、該積層フィルム100 の少なくとも一方の面にレーザー光照射によりパターン状にハーフカット部を設けて電池ケースを構成する。前記外側の合成樹脂層2には、PETフィルム、ONフィルム、OPP フィルムなど4aを用い、内側の合成樹脂層3は、PET フィルム、ONフィルム、OPP フィルムなど4bと熱接着性樹脂層5との少なくとも2層で構成することが好ましい。

目的

本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、ポリマー電池などの薄型で軽量の電池のケースに用いられる積層フィルムを、各種の強度、耐性のほか、水蒸気その他のガスバリヤー性、熱封緘性を有する構成で形成すると共に、この積層フィルムの一部に、その水蒸気その他のガスバリヤー性を損なうことなく、一定の圧力により破断されて内圧開放できる開放弁を設けることにより、薄くて軽く、各種の強度、耐性のほか、水蒸気その他のガスバリヤー性、熱封緘性などに優れると共に、防爆性も備えて安全性にも優れるという総合的に優れた性能の電池ケースを提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
4件

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請求項1

内部に電池構成材料収納し、電池を形成するために用いられる電池ケースであって、該ケースの少なくとも一部に、アルミニウム箔層を中間層として両面に合成樹脂層が積層された積層フィルムが用いられ、且つ、該積層フィルムの少なくとも一方の面に、レーザー光照射によるハーフカット部が設けられてなる防爆構造を備えた電池ケース。

請求項2

前記ハーフカット部による防爆構造の破裂強度が、5〜10kg/cm2であることを特徴とする請求項1記載の防爆構造を備えた電池ケース。

請求項3

前記ハーフカット部が、互いに交差、または交わる線の組み合わせで形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の防爆構造を備えた電池ケース。

請求項4

前記ハーフカット部が、前記積層フィルムの両面に、同位置に重なるように設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の防爆構造を備えた電池ケース。

請求項5

前記電池ケースが、前記積層フィルムを袋状に熱接着してなる袋体からなり、且つ、前記ハーフカット部が、該袋体の周縁部近傍に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の防爆構造を備えた電池ケース。

技術分野

0001

本発明は、電池構成材料収納して電池を形成する電池ケース係り、特にシート状電池などのケースに好適に用いられ、且つ、防爆構造を備え、安全性にも優れた電池ケースに関する。

0002

従来、電池の構成材料を収納する電池ケースには、大抵の場合、金属製のケースが用いられていた。しかし、ノート型パソコン携帯電話など各種の電子機器発達、普及に伴い、その軽量化、薄型化が進められると共に、これらに使用される電池についても、その重量をできるだけ軽くし、また、使用機器における電池用スペースを少なくできるよう軽量化、薄型化が求められている。

0003

このような要望応えるために、例えば、電池の電極電解質などに、高分子材料を導入し、シート状などに軽量、薄型化した種々のシート状電池が研究開発されている。
そして、このようなシート状電池では、その外壁材となる電池ケースも、同様に薄くて軽いフィルム状であることが好ましく、例えば、プラスチックなどの基材フィルム層バリヤー層熱接着性樹脂層シーラント層)などを積層した積層フィルムを用いて、一端が開口する袋状の電池ケースを作製し、内部に電池の構成材料を収納すると共に、電極端子を内部から開口部を通して外側に延長し、その開口部を熱接着により封止してシート状電池を作製することが行われている。

0004

このような電池ケースに用いる積層フィルムには、その軽さおよび薄さと共に、各種の強度や耐性水蒸気その他のガスバリヤー性熱封緘性、更に電極端子との熱接着性など様々な性能が必要となる。
このためには、例えば、中間層に水蒸気その他のガスバリヤー性に優れたアルミニウム箔などの金属箔を用い、その両側に、各種の強度、耐性を付与すると共に、金属箔を保護するために基材フィルムとして2軸延伸プラスチックフィルムを積層し、更に、最内層に熱接着性樹脂層(シーラント層)として、ポリエチレン、その他のポリオレフィン系樹脂を積層して積層フィルムを形成する方法が採られている。

0005

ポリマー電池などシート状電池のケースにこのような積層フィルムを用いることにより、各種の強度や耐性、そして、水蒸気その他のガスバリヤー性などの性能面では、略満足できるシート状電池を作製することができる。

0006

一方、電池ケースに金属の深絞り容器を用いたリチウムイオン電池などでは、電池内部の温度の異常上昇による内圧の上昇から爆発の恐れがあるため、爆発防止用に圧力開放弁を必ず備えている。
この点、電池ケースに積層フィルムが用いられるポリマー電池では、一般に、圧力開放弁は不要とされてきた。
しかし、ポリマー電池でも、安全性を一層高めるためには、圧力開放弁を備えていることが好ましく、何らかの安全弁を設けることが要望されるようになった。

背景技術

0007

このような背景から、積層フィルム製の電池ケースに圧力開放弁として、焙煎コーヒー包装袋用に開発されたガス抜きバルブ商品アロマフィンバルブBOSCH社製)を取り付けたポリマー電池があった。
しかしながら、このようなガス抜きバルブは、袋内で発生したガスにより、内圧が一定のレベルに達した時、過剰のガスを放出して内圧を一定の範囲に保つように構成されており、内圧が一定の値以上に上昇するのを防止する効果はあるが、バルブ自体にそれほどガスバリヤー性がなく、ポリマー電池に用いた場合、水蒸気その他のガスバリヤー性が低下し、電池の性能を低下させる問題があった。

発明が解決しようとする課題

0008

本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、ポリマー電池などの薄型で軽量の電池のケースに用いられる積層フィルムを、各種の強度、耐性のほか、水蒸気その他のガスバリヤー性、熱封緘性を有する構成で形成すると共に、この積層フィルムの一部に、その水蒸気その他のガスバリヤー性を損なうことなく、一定の圧力により破断されて内圧を開放できる開放弁を設けることにより、薄くて軽く、各種の強度、耐性のほか、水蒸気その他のガスバリヤー性、熱封緘性などに優れると共に、防爆性も備えて安全性にも優れるという総合的に優れた性能の電池ケースを提供することにある。

0009

上記の課題は、以下の本発明により解決することができる。
即ち、請求項1に記載した発明は、内部に電池の構成材料を収納し、電池を形成するために用いられる電池ケースであって、該ケースの少なくとも一部に、アルミニウム箔層を中間層として両面に合成樹脂層が積層された積層フィルムが用いられ、且つ、該積層フィルムの少なくとも一方の面に、レーザー光照射によるハーフカット部が設けられてなる防爆構造を備えた電池ケースからなる。

0010

尚、本発明において、ハーフカット部は、積層フィルムの厚さ方向の全層のうち、中間層のアルミニウム箔層を境にして、レーザー光照射により、その照射側の合成樹脂層の全層または一部の層が線状に溶融ミスト化されて除去された部分を指すものである。
また、防爆構造は、積層フィルムに前記ハーフカット部を所定の形状で設けることにより、その部分の破裂強度を弱くし、一定の範囲の圧力で積層フィルムが破断されるようにした部分を指すものである。

0011

このような構成を採ることにより、電池ケースに用いる積層フィルムは、中間層にアルミニウム箔層を有し、水蒸気その他のガスバリヤー性に優れると共に、その少なくとも一方の面に、レーザー光照射によるハーフカット部を設けて破裂強度を低く調節した防爆構造を備えているので、アルミニウム箔層がその加工時に傷つけられることもなく、優れたバリヤー性が維持され、且つ、異常時に電池の内圧が上昇しても、一定の内圧で防爆構造が破断して内圧が開放されるため、爆発するようなことがなく、安全性にも優れた電池ケースを提供することができる。

0012

請求項2に記載した発明は、前記ハーフカット部による防爆構造の破裂強度が、5〜10kg/cm2 であることを特徴とする請求項1記載の防爆構造を備えた電池ケースからなる。

0013

このような構成を採ることにより、電池ケースの破裂強度が適度に調節されているので、異常時に電池の内圧が上昇しても防爆構造が機能して爆発するようなことがなく、一層確実な安全性が得られる。
前記破裂強度が、5kg/cm2 未満の場合は、積層フィルムの破断強度なども低下するため、電池の取り扱い中などに積層フィルムが損傷される恐れがあり好ましくない。また、破裂強度が、10kg/cm2 を超える場合は、破裂時の危険性が増し、防爆構造としての効果が低くなるためこのましくない。

0014

請求項3に記載した発明は、前記ハーフカット部が、互いに交差、または交わる線の組み合わせで形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の防爆構造を備えた電池ケースである。

0015

このような構成を採ることにより、ハーフカット部による防爆構造の破裂強度の調節の際、低圧側での調節が容易になり、そのバラツキも小さくでき、安定した防爆構造を形成することができる。

0016

また、請求項4に記載した発明は、前記ハーフカット部が、前記積層フィルムの両面に、同位置に重なるように設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の防爆構造を備えた電池ケースである。

0017

このような構成を採ることにより、ハーフカット部による防爆構造の破裂強度を、更に低い値で、且つ、そのバラツキを小さくできるので、一層安全な防爆構造を確実に形成することができる。

0018

そして、請求項5に記載した発明は、前記電池ケースが、前記積層フィルムを袋状に熱接着してなる袋体からなり、且つ、前記ハーフカット部が、該袋体の周縁部近傍に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の防爆構造を備えた電池ケースである。

課題を解決するための手段

0019

このような構成を採ることにより、電池ケースを積層フィルムのみで形成できるので、一層薄く、軽量にできると同時に、価格も安価にでき、且つ、ハーフカット部を袋体の周縁部近傍に設けることにより、内圧が生じた際、その応力が掛かりやすく、防爆構造の機能を一層確実に得ることができる。

0020

以下に、本発明の防爆構造を備えた電池ケースの材料、加工方法など、その実施の形態について説明する。
本発明の防爆構造を備えた電池ケースは、前述したように、内部に電池の構成材料を収納し、電池を形成するために用いられる電池ケースであって、該ケースの少なくとも一部に、アルミニウム箔層を中間層として両面に合成樹脂層が積層された積層フィルムが用いられ、且つ、該積層フィルムの少なくとも一方の面に、レーザー光照射によるハーフカット部が設けられてなる防爆構造を備えたことを特徴とするものである。

0021

このような電池ケースは、上記防爆構造を設けた積層フィルムを袋状に製袋して、積層フィルムのみで形成することが好ましいが、例えば、プラスチック成形体などによる枠体に、壁面材などの形で前記防爆構造を設けた積層フィルムを一部に用いて電池ケースとすることもできる。

0022

上記積層フィルムは、バリヤー層、レーザー光遮断層としてのアルミニウム箔層を中間層として、その両面、即ち、電池ケースの外側になる面と、内側になる面に合成樹脂層を積層して構成する。
そして、外側の合成樹脂層は、各種の強度と耐性を有すると共に、レーザー光照射によりハーフカット部を設けるため、レーザー光を吸収して発熱し、溶融、ミスト化できることが必要であり、また、印刷ラミネートなどの加工適性を有することが好ましく、例えば、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、2軸延伸ナイロンフィルムのほか、2軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム、2軸延伸ポリプロピレンフィルムなどを使用することができる。
これらは単独のフィルムを用いてもよく、他のフィルムと積層した積層フィルムを用いてもよい。
以下、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムはPETフィルム、2軸延伸ナイロンフィルムはONフィルム、2軸延伸ポリプロピレンフィルムはOPPフィルム略記する。

0023

上記プラスチックフィルムのうち、特にPETフィルムは、吸湿性が低く、剛性引張り強度、折り曲げ強度衝撃強度耐擦傷性耐熱性耐水性などに優れ、総合的にバランスの採れた性能を有し、且つ、価格も比較的安価で経済性にも優れていることから好適に使用することができる。
ONフィルムは、吸湿性はPETフィルムよりやや高いが、柔軟性に富み、突き刺し強度、衝撃強度、折り曲げ強度、耐寒性などに優れており、このような性能が重視される場合には、好適に使用することができる。
OPPフィルムは、防湿性、耐水性、耐薬品性のほか、引張り強度、折り曲げ強度などに優れ、また、特に安価であることも大きな利点である。
このようなプラスチックフィルムを公知のドライラミネーション法などで中間層のアルミニウム箔に積層することにより、前記外側の合成樹脂層を積層することができる。
このようなプラスチックフィルム、即ち、外側の合成樹脂層の厚さは8〜80μmが好ましく、12〜30μmが更に好ましい。

0024

次に、積層フィルムの内側の合成樹脂層は、積層フィルムの強度を補強し、また、中間層のアルミニウム箔層を保護すると同時に、レーザー光照射によりハーフカット部が設けられるため、その加工適性を有し、更に、袋状に製袋し、且つ電極端子が介在する開口端縁部も良好に熱封緘するためには、自己同士の熱接着性と共に、電極端子の表面に対する熱接着性も有することが必要である。
只、このような性能を単独の樹脂層(フィルムなど)で兼ね備えることは難しいため、少なくとも2層で構成することが好ましい。
例えば、前記外側の合成樹脂層に用いたものと同様なプラスチックフィルム層と、熱接着性樹脂層(シーラント層)との2層で構成し、プラスチックフィルム層を中間層のアルミニウム箔層側に積層し、熱接着性樹脂層が最内層となるように積層して構成することができる。

0025

そして、熱接着性樹脂層には、ポリエチレンのほか、その共重合体であるエチレン−α・オレフィン共重合体系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂、エチレン−アクリル酸エステル共重合体系樹脂、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体系樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体系樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体系樹脂、その他、酸変性ポリオレフィン系樹脂アイオノマーなどを使用することができる。これらは単独で用いてもよく、二種以上をブレンドして用いてもよい。
これらの中から、電極端子の表面の材質表面被覆の有無)を考慮して、適するものを適宜選択して使用することができる。

0026

前記内側の合成樹脂層に用いるプラスチックフィルム層の厚さは、それほど厚くする必要はなく、8〜30μm程度が適当である。
そして、最内層の熱接着性樹脂層の厚さは15〜100μmが好ましく、30〜80μmが更に好ましい。

0027

また、中間層のアルミニウム箔層の厚さは、5〜25μmが好ましく、7〜15μmが更に好ましい。
アルミニウム箔層の厚さが、5μm未満の場合は、ピンホールが多くなり、水蒸気その他のガスバリヤー性が低下するため好ましくなく、また、25μmを超える厚さは、既に充分なガスバリヤー性があり、その必要性がなく、むしろハーフカット部の破裂強度が大きくなるため好ましくない。

0028

尚、中間層に、例えば、厚さ9μmのアルミニウム箔を用いた場合、その水蒸気透過度として、0.01g/(m2 ・24hrs)、(40℃、90%RH)以下の性能が容易に得られ、これを更にレベルアップすることも容易である。

0029

本発明では、以上のような材料で構成される積層フィルムの一部に、レーザー光を照射して、アルミニウム箔層の両面に積層された合成樹脂層の全部または一部を、所定の線状のパターンに溶融、ミスト化させて取り除き、ハーフカット部を形成することにより、この部分の破裂強度を5〜10kg/cm2 迄低下させて防爆構造とする。

0030

このようなハーフカット部を設けるためには、公知のレーザー光照射手段を用いることができ、特に炭酸ガスレーザーが適している。
炭酸ガスレーザー光波長は10.6μmであり、前記積層フィルムの合成樹脂層に挙げたPETフィルム、ONフィルム、OPPフィルムなどは、これを吸収し、発熱するため、ハーフカット部を容易に形成することができる。
只、熱接着性樹脂として汎用される低密度ポリエチレンは、この波長のレーザー光を殆ど吸収せず透過してしまうため、発熱することがなくレーザー光による加工適性がない。しかし、前記PETフィルムや、ONフィルム、OPPフィルムなどと積層して用いた場合は、これらが発熱するため、その熱により溶融し、同様にハーフカット部を形成することができる。

0031

従って、本発明における積層フィルムの内面側の合成樹脂層のように、PETフィルムや、ONフィルム、OPPフィルムなどと熱接着性樹脂層との2層構成で、熱接着性樹脂層に仮に低密度ポリエチレンを用いたような場合、両者の相対的な厚さ構成と、レーザー光の照射条件の調整により、例えば、内面側の合成樹脂層の全層を線状のパターンで除去したハーフカット部を形成することもでき、また、レーザー光を吸収するPETフィルム、ONフィルム、OPPフィルムなどの層のみが線状のパターンで除去され、低密度ポリエチレン層は、一旦溶融して線状のパターンで開裂した後、再融着してつながり、線状のパターンで空洞状となったハーフカット部を形成することもできる。

0032

【実施例】
以下、図面を参照して本発明を更に具体的に説明する。但し、本発明はこれらの図面に限定されるものではない。

0033

図1は、本発明の防爆構造を備えた電池ケースに用いる積層フィルムの構成を説明する模式断面図である。
図2は、本発明において、積層フィルムにレーザー光照射により設けるハーフカット部のパターンの代表的な例を示す図であり、その(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)は、それぞれ一例を示す図である。
図3の(イ)、(ロ)は、それぞれ積層フィルムに設けられた一実施例のハーフカット部の断面形状を示す模式図である。
図4は、本発明の防爆構造を備えた電池ケースを三方シール形式の袋状に作製する際の電池ケースの展開図である。
図5は、図4の展開図に示した電池ケースを用いて作製した電池の構成を示す正面図である。

0034

図1に示した積層フィルム100は、中間層にアルミニウム箔層1を用い、その外側の面(図において上側の面)に外側の合成樹脂層2を積層し、内側の面(図において下側の面)に内側の合成樹脂層3を積層した構成である。
そして、外側の合成樹脂層2は、具体的にはPETフィルム、ONフィルム、OPPフィルムなど4a で構成され、また、内側の合成樹脂層3は、中間層のアルミニウム箔層1面に積層されるPETフィルム、ONフィルム、OPPフィルムなど4b の層と、その上に積層される最内層の熱接着性樹脂層5の少なくとも2層で構成される。

0035

上記積層フィルムの構成において、外側の合成樹脂層2のPETフィルム、ONフィルム、OPPフィルムなど4a 、および内側の合成樹脂層3のPETフィルム、ONフィルム、OPPフィルムなど4b は、これらの単独のフィルムを用いてもよく、これらのフィルムに他のフィルムを積層した積層フィルムを用いてもよい。
また、内側の合成樹脂層3の熱接着性樹脂層5についても、単独の熱接着性樹脂層で形成してもよいが、複数の熱接着性樹脂層で形成することもできる。

0036

尚、中間層のアルミニウム箔層1にPETフィルム、ONフィルム、OPPフィルムなど4a 、4b を積層する方法は、接着剤を使用する公知のドライラミネーション法を用いることが好ましいが、熱接着性樹脂を介在させる押し出しラミネーション法を用いることもできる。
更に、最内層の熱接着性樹脂層5を積層する方法についても、押し出しコート法を採ることが簡便であるが、予めフィルム状に製膜した熱接着性樹脂フィルムを前記ドライラミネーション法、または押し出しラミネーション法で積層することもできる。

0037

上記積層フィルムの構成の代表的な具体例として、下記のような構成が挙げられる。尚、積層に使用する前処理や接着層などは省略して記載した。
(1)PETフィルム(厚さ16μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/PETフィルム(厚さ12μm)/熱接着性樹脂層(厚さ40μm)〔シーラント層〕
(2)ONフィルム(厚さ15μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/PETフィルム(厚さ12μm)/熱接着性樹脂層(厚さ40μm)〔シーラント層〕
(3)OPPフィルム(厚さ20μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/PETフィルム(厚さ12μm)/熱接着性樹脂層(厚さ40μm)〔シーラント層〕
(4)PETフィルム(厚さ16μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/OPPフィルム(厚さ20μm)/熱接着性樹脂層(厚さ40μm)〔シーラント層〕
(5)PETフィルム(厚さ16μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/ONフィルム(厚さ15μm)/熱接着性樹脂層(厚さ40μm)〔シーラント層〕

0038

(6)ONフィルム(厚さ15μm)/PETフィルム(厚さ12μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/PETフィルム(厚さ12μm)/熱接着性樹脂層(厚さ40μm)〔シーラント層〕
(7)PETフィルム(厚さ12μm)/ONフィルム(厚さ15μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/PETフィルム(厚さ12μm)/熱接着性樹脂層(厚さ40μm)〔シーラント層〕
(8)PETフィルム(厚さ12μm)/OPPフィルム(厚さ20μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/PETフィルム(厚さ12μm)/熱接着性樹脂層(厚さ40μm)〔シーラント層〕

0039

本発明では、以上のような積層フィルムにレーザー光を照射してパターン状のハーフカット部を設け、その破裂強度を5〜10kg/cm2 に調整することにより、これを防爆構造とするものである。
このような目的で形成されるハーフカット部のパターンは、特に限定されるものではなく、積層フィルムの合成樹脂層の材質、厚さにより、任意のパターンで形成することができる。
このようなハーフカット部に効果的に使用できるパターンとして、例えば、図2に示したようなパターンが挙げられる。

0040

即ち、図2の(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)に示したハーフカット部のパターンは、いずれも中心点から外側に向かって放射状に伸びる直線で形成されたものであり、(イ)は中心点から3本の直線が、その中心角が120°をなすように放射状に形成されたパターンで、(ロ)は中心点から4本の直線が、その中心角が90°をなすように放射状に形成されたパターン、また、(ハ)は中心点から6本の直線が、その中心角が60°をなすように放射状に形成されたパターン、そして、(ニ)は中心点から8本の直線が、その中心角が45°をなすように放射状に形成されたパターンである。

0041

上記のパターンでは、その直線の数の増加に伴って、その破裂強度の低減効果が大きくなるので、これらの中から積層フィルムの構成により、適宜選択して使用することができる。また、これらのパターンの大きさは、特に限定はされないが、直線の長さが10〜15mm程度、即ち、パターンの差し渡し長さが20〜30mm程度が適当である。
このようなパターン状のハーフカット部は、積層フィルムの片側、例えば、外側の合成樹脂層のみに設けてもよいが、両側の合成樹脂層に、同位置に重なるように設けることにより、一層その破裂強度の低減効果を大きくすることができる。

0042

図3は、積層フィルムとして、外側から順にPETフィルム層/アルミニウム箔層/PETフィルム層/ポリオレフィン系樹脂層(シーラント層)が積層された積層フィルムを用い、これにレーザー光を前記のようなパターン状に、両側の合成樹脂層の同位置に重なるように照射してハーフカット部を設けた場合の、その直線部分の断面形状を示す模式図である。
そして、特に内側の合成樹脂層では、最内層のポリオレフィン系樹脂層が低密度ポリエチレンのようにレーザー光を吸収しない樹脂層の場合、その厚さと、レーザー光の照射条件の調節により、図3の(イ)、(ロ)に示すように二通りの形状に設けることができる。

0043

即ち、通常は(イ)に示すように、中間層のアルミニウム箔層を残し、両側の合成樹脂層が線状に取り除かれた形状のハーフカット部が形成されるが、ポリオレフィン系樹脂層の厚さを、例えば40μm以上のように厚くし、且つ、レーザー光の照射エネルギーを一定の条件に調節することにより、(ロ)に示すように、内側の合成樹脂層では、PETフィルム層が発熱し、全体が線状に溶融、ミスト化して開裂した後、ポリオレフィン系樹脂層が再溶着し、結果として、(ロ)に示すように内側の合成樹脂層のうち、PETフィルム層がトンネル状に取り除かれた形状のハーフカット部を設けることができる。

0044

図4は、本発明の防爆構造を備えた電池ケースを三方シール形式の袋状に作製する際の電池ケースの展開図である。
この展開図に示した電池ケースは、前記図1に示した積層構成の積層フィルム100で形成され、図に示すように長方形に所定の寸法でカットされると共に、その長辺方向の中央部の折り畳み線6の近傍に、中心点から外側に向かって4本の直線が、その中心角が90°をなすように放射状に形成されたパターンのハーフカット部10が積層フィルムの両面に同位置に重なるように設けられ、また、上記長方形の積層フィルム100の周囲の端縁部には、袋状にヒートシールする際のヒートシールスペースとして、左右両側に胴部ヒートシール部7a 、7b 、7c 、7d が設けられ、上下両側に開口部ヒートシール部8a 、8b が設けられた構成である。

0045

従って、このような積層フィルム100を、その折り畳み線6で、その熱接着性樹脂層同士が対向するように半折し、左右両側の端縁部を胴部ヒートシール部(7a,7b )、(7c,7d )でヒートシールすることにより、折り畳み線6部を底部とし、その近傍にハーフカット部10を備え、両側部が胴部ヒートシール部(7a,7b )、(7c,7d )で封止され、上部、即ち、開口部ヒートシール部8a 、8b が未シールで開口する長方形の袋状の電池ケースを作製することができる。

0046

このような袋状の電池ケースに、上部の開口部から電池の構成材料を充填し、また、内部から電極端子を開口部を通して外側に延長し、開口部を電池ケースの熱接着性樹脂層同士および熱接着性樹脂層と電極端子との間でヒートシールして封止することにより、図5に示すようなハーフカット部による防爆構造を備えた電池を作製することができる。

発明を実施するための最良の形態

0047

即ち、図5は、前記図4の展開図に示した電池ケースを用いて作製した電池の構成を示す正面図であり、電池200は、その表面の電池ケースが前記図4に示した電池ケース用積層フィルム100を前述したように半折し、両側部を胴部ヒートシール部(7a,7b )、(7c,7d )で封止して形成され、更に、その内部に上部の開口部から電池の構成材料を充填すると共に、電極端子9a 、9b を内部から開口部を通して外側に延長し、開口部ヒートシール部8a 、8b を前述したようにヒートシールにより密封して形成され、その底部の近傍にハーフカット部10による防爆構造を備えた構成である。

図面の簡単な説明

0048

以上詳しく説明したように、本発明によれば、中間層にアルミニウム箔層を有し、その両側に合成樹脂層が積層された積層フィルムで形成され、薄くて軽く、柔軟性があり、且つ、各種の強度や耐性のほか、水蒸気その他のガスバリヤー性、熱封緘性などの性能に優れると共に、誤使用などで内部が発熱し内圧が上昇した場合でも、所定の圧力で内圧を開放できる防爆構造を備え、安全性にも優れた電池ケースを生産性よく提供できる効果を奏する。

図1
本発明の防爆構造を備えた電池ケースに用いる積層フィルムの構成を説明する模式断面図である。
図2
本発明において、積層フィルムにレーザー光照射により設けるハーフカット部のパターンの代表的な例を示す図であり、その(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)は、それぞれ一例を示す図である。
図3
図3の(イ)、(ロ)は、それぞれ積層フィルムに設けられた一実施例のハーフカット部の断面形状を示す模式図である。
図4
本発明の防爆構造を備えた電池ケースを三方シール形式の袋状に作製する際の電池ケースの展開図である。
図5
図4の展開図に示した電池ケースを用いて作製した電池の構成を示す正面図である。
【符号の説明】
1 アルミニウム箔層
2 外側の合成樹脂層
3 内側の合成樹脂層
4a 、4bPETフィルム、ONフィルム、OPPフィルムなど
5熱接着性樹脂層
6 折り畳み線
7a 、7b 、7c 、7d胴部ヒートシール部
8a 、8b 開口部ヒートシール部
9a 、9b電極端子
10 ハーフカット部
100 積層フィルム
200 電池

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