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技術 接円ネットワークモデルによる平面領域の形態的特性評価システムおよびプログラム

出願人 大成建設株式会社
発明者 青井俊洋
出願日 2003年4月24日 (17年0ヶ月経過) 出願番号 2003-119425
公開日 2004年11月18日 (15年5ヶ月経過) 公開番号 2004-326393
状態 特許登録済
技術分野 教示用装置 CAD
主要キーワード 各平面領域 境界モデル 分岐状態 境界要素 接触対象 半径比 独立点 数理的
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2004年11月18日)のものです。
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図面 (10)

課題

境界線が完全なループを構成していない場合をも含めて、各平面領域の室的な広がりや各々を隔てる分節性、或いはそれら相互を繋ぐ連絡性等の把握を可能にし、経路的な平面領域が存在する場合には、その経路的な特性の強さと分岐状態の把握を可能にする、接円ネットワークモデルによる平面領域の形態的特性評価システムおよびプログラムを提供する。

解決手段

境界要素仕切られた平面領域の形態的特性を評価するシステム10である。2以上の境界要素に接し且つ内部に境界要素を含まない円を接円として、それら接円のいくつかを境界要素との関係に基づいて配列することにより接円ネットワークモデルを作成する接円ネットワークモデル作成手段と、上記接円ネットワークモデルにおいて隣接関係にある接円間の幾何学的情報および接円の各々が有する幾何学的情報に基づいて、境界要素に仕切られた各平面領域の形態的特性を評価する評価手段とを備える。

概要

背景

従来より、物体輪郭線または境界線をなす閉曲線線画データから抽出して、この閉曲線に囲まれた領域の面積周長等を求める手法が一般に知られている(例えば、特許文献1参照)。

概要

境界線が完全なループを構成していない場合をも含めて、各平面領域の室的な広がりや各々を隔てる分節性、或いはそれら相互を繋ぐ連絡性等の把握を可能にし、経路的な平面領域が存在する場合には、その経路的な特性の強さと分岐状態の把握を可能にする、接円ネットワークモデルによる平面領域の形態的特性評価システムおよびプログラムを提供する。境界要素仕切られた平面領域の形態的特性を評価するシステム10である。2以上の境界要素に接し且つ内部に境界要素を含まない円を接円として、それら接円のいくつかを境界要素との関係に基づいて配列することにより接円ネットワークモデルを作成する接円ネットワークモデル作成手段と、上記接円ネットワークモデルにおいて隣接関係にある接円間の幾何学的情報および接円の各々が有する幾何学的情報に基づいて、境界要素に仕切られた各平面領域の形態的特性を評価する評価手段とを備える。

目的

本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、境界線が完全なループを構成していない場合をも含めて、各平面領域の室的な広がりや各々を隔てる分節性、或いはそれら相互を繋ぐ連絡性等の把握を可能にし、経路的な平面領域が存在する場合には、その経路的な特性の強さと分岐状態の把握を可能にする、接円ネットワークモデルによる平面領域の形態的特性評価システムおよびプログラムを提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

境界要素仕切られた平面領域の形態的特性を評価するシステムであって、2以上の境界要素に接し且つ内部に境界要素を含まない円を接円として、それら接円のいくつかを境界要素との関係に基づいて配列することにより接円ネットワークモデルを作成する接円ネットワークモデル作成手段と、上記接円ネットワークモデルにおいて隣接関係にある接円間の幾何学的情報および接円の各々が有する幾何学的情報に基づいて、境界要素に仕切られた各平面領域の形態的特性を評価する評価手段とを備えることを特徴とする接円ネットワークモデルによる平面領域の形態的特性評価システム。

請求項2

上記接円ネットワークモデルを構成する接円の集合には、境界要素の1辺またはその端点を1接触対象として、3以上の接触対象に接する接円が少なくとも含まれ、これら接円によって上記接円ネットワークモデルの節点が構成されていることを特徴とする請求項1に記載の接円ネットワークモデルによる平面領域の形態的特性評価システム。

請求項3

上記接円ネットワークモデルを構成する接円の中で、接触対象が2つ共通する接円のペアを抽出し、当該接円のペアの間に、上記接触対象の双方に接しつつ他の境界要素に接触せずに移動する円の連続した軌跡が存在する場合に、当該接円のペアを隣接関係にある接円として配列するようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の接円ネットワークモデルによる平面領域の形態的特性評価システム。

請求項4

上記評価手段は、上記接円ネットワークモデルにおいて隣接関係にある接円の何れよりも径の大きい接円を選択して、当該接円と隣接関係にある接円との間に存在し得る接円の中で径が最大となる接円を極大円として抽出し、この極大円の径に基づいて、当該極大円に対応する平面領域の室的な広がりを評価するようになっていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の接円ネットワークモデルによる平面領域の形態的特性評価システム。

請求項5

上記評価手段は、上記接円ネットワークモデルにおいて2つの上記極大円の間に存在し且つ径が最小となる接円を極小円として、この極小円の径に基づいて、上記極大円に対応する各平面領域を隔てる分節性の強さを評価するようになっていることを特徴とする請求項4に記載の接円ネットワークモデルによる平面領域の形態的特性評価システム。

請求項6

上記評価手段は、上記接円ネットワークモデルから接円の順列を抽出し、この接円順列の中で隣接関係にある接円どうしの中心間の距離と径の変化に基づいて、当該接円順列に対応する平面領域の経路的な形態的特性の強さを評価するようになっていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の接円ネットワークモデルによる平面領域の形態的特性評価システム。

請求項7

特定の接円またはその近傍の接円が3以上の上記接円順列に隣接し、それら接円順列に対応する平面領域の各々が経路的な形態的特性の強い平面領域である場合に、上記評価手段は、上記特定の接円に対応する位置を、経路的な平面領域の途中に存在する分岐点として評価するようになっていることを特徴とする請求項6に記載の接円ネットワークモデルによる平面領域の形態的特性評価システム。

請求項8

上記境界要素は、地図上に描かれた境界要素であることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の接円ネットワークモデルによる平面領域の形態的特性評価システム。

請求項9

上記境界要素は、設計図面上に描かれた境界要素であることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の接円ネットワークモデルによる平面領域の形態的特性評価システム。

請求項10

平面上に描画された線画データから、当該線画データに対応する実体識別あるいは特定に利用可能な接円ネットワークモデルを作成する際に、コンピュータに実行させるプログラムであって、上記線画データから境界要素を抽出するステップと、2以上の境界要素に接し且つ内部に境界要素を含まない円を接円として、それら接円のいくつかを境界要素との関係に基づいて配列することにより、上記接円ネットワークモデルを作成するステップとをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

請求項11

平面上に描かれた複数の境界要素の中で2以上の境界要素に接し且つ内部に境界要素を含まない円を接円として、それら接円のいくつかを境界要素との関係に基づいて配列することにより接円ネットワークモデルを作成する接円ネットワークモデル作成ステップと、上記接円ネットワークモデルにおいて隣接関係にある接円間の幾何学的情報および接円の各々が有する幾何学的情報に基づいて、境界要素に仕切られた各平面領域の形態的特性を評価する形態的特性評価ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

技術分野

0001

本発明は、例えば、設計図面や地図上の境界要素仕切られた平面領域の形態的特性を、接円ネットワークモデルを用いて数理的に評価する形態的特性評価システムおよびプログラムに関するものである。

0002

従来より、物体輪郭線または境界線をなす閉曲線線画データから抽出して、この閉曲線に囲まれた領域の面積周長等を求める手法が一般に知られている(例えば、特許文献1参照)。

0003

しかしながら、それら手法においては、閉曲線に囲まれた領域そのものではなく閉曲線の形状にのみ着眼するものであったために、閉曲線に囲まれた領域内に偏在する室的な広がりやそれら相互を隔てる分節性、或いはそれら相互をつなぐ連絡性等を把握することができなかった。

0004

すなわち、上記手法においては、例えば、図8に示すような境界線が描かれた線画データから、境界線に囲まれた領域の中にA、B、C、Dの4つの室的な広がりが存在すること、また室AとDを結ぶ経路の途中に室Bが介在するというような情報を得ることができなかった。また、室A、Bは急激な空間のくびれによって隔てられているのに対し、室BとDの間には、経路的な領域が存在すること、その経路の途中にCへの経路が分岐していることなども把握できなかった。

0005

さらに、上記手法においては、境界線が完全なループを構成していない場合に、境界線によって仕切られた各領域に関する有効な情報を取り出せなかった。例えば、図9の場合には、境界線が閉じていないため、R1、R2の領域が、半ば囲われて外部から区別されるような室的な空間であるということを認識できなかった。

背景技術

0006

【特許文献1】
特開平7−121598号公報(第2頁)

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、境界線が完全なループを構成していない場合をも含めて、各平面領域の室的な広がりや各々を隔てる分節性、或いはそれら相互を繋ぐ連絡性等の把握を可能にし、経路的な平面領域が存在する場合には、その経路的な特性の強さと分岐状態の把握を可能にする、接円ネットワークモデルによる平面領域の形態的特性評価システムおよびプログラムを提供することを目的とする。

0008

請求項1に記載の発明は、境界要素に仕切られた平面領域の形態的特性を評価するシステムであって、2以上の境界要素に接し且つ内部に境界要素を含まない円を接円として、それら接円のいくつかを境界要素との関係に基づいて配列することにより接円ネットワークモデルを作成する接円ネットワークモデル作成手段と、上記接円ネットワークモデルにおいて隣接関係にある接円間の幾何学的情報および接円の各々が有する幾何学的情報に基づいて、境界要素に仕切られた各平面領域の形態的特性を評価する評価手段とを備えることを特徴とするものである。

0009

ここで、境界要素とは、境界線や輪郭線の一辺に相当する各線分円弧等の曲線も含む。)や、それら線分から離れた位置に存在する点(例えば、複数の点の組合せにより全体として境界が構成されるような場合の各点や、柱等のように点在する構成要素に対応する点など)、あるいは画像データにおける黒画素白画素の境界がなす線のことを示している。例えば、点A、B、C、Dを頂点とする矩形状の境界線の場合には、線分AB、BC、CD、DAがそれぞれ境界要素となる。この境界要素に仕切られた平面領域には、境界要素に完全に囲まれて閉じた状態の平面領域(閉領域)だけでなく、一部が開放された平面領域や境界要素すべてを取り囲む外部領域も含まれる。

0010

請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の接円ネットワークモデルによる平面領域の形態的特性評価システムにおいて、上記接円ネットワークモデルを構成する接円の集合には、境界要素の1辺またはその端点を1接触対象として、3以上の接触対象に接する接円が少なくとも含まれ、これら接円によって上記接円ネットワークモデルの節点が構成されていることを特徴とするものである。

0011

請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の接円ネットワークモデルによる平面領域の形態的特性評価システムにおいて、上記接円ネットワークモデルを構成する接円の中で、接触対象が2つ共通する接円のペアを抽出し、当該接円のペアの間に、上記接触対象の双方に接しつつ他の境界要素に接触せずに移動する円の連続した軌跡が存在する場合に、当該接円のペアを隣接関係にある接円として配列するようにしたことを特徴とするものである。

0012

ここで、接触対象には、すべての境界要素が含まれる他、線分の境界要素の端点も含まれる。すなわち、「接触対象が2つ共通する接円のペア」には、共通する2つの接触対象の一方または両方が「線分の境界要素の端点」となる接円のペアも含まれる。

0013

請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の接円ネットワークモデルによる平面領域の形態的特性評価システムにおいて、上記評価手段は、上記接円ネットワークモデルにおいて隣接関係にある接円の何れよりも径の大きい接円を選択して、当該接円と隣接関係にある接円との間に存在し得る接円の中で径が最大となる接円を極大円として抽出し、この極大円の径に基づいて、当該極大円に対応する平面領域の室的な広がりを評価するようになっていることを特徴とするものである。
ここで、極大円に対応する平面領域とは、極大円が接する境界要素によって囲まれた平面領域を示している。

0014

請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の接円ネットワークモデルによる平面領域の形態的特性評価システムにおいて、上記評価手段は、上記接円ネットワークモデルにおいて2つの上記極大円の間に存在し且つ径が最小となる接円を極小円として、この極小円の径に基づいて、上記極大円に対応する各平面領域を隔てる分節性の強さを評価するようになっていることを特徴とするものである。

0015

請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れかに記載の接円ネットワークモデルによる平面領域の形態的特性評価システムにおいて、上記評価手段は、上記接円ネットワークモデルから接円の順列を抽出し、この接円順列の中で隣接関係にある接円どうしの中心間の距離と径の変化に基づいて、当該接円順列に対応する平面領域の経路的な形態的特性の強さを評価するようになっていることを特徴とするものである。ここで、接円順列に対応する平面領域とは、接円順列を構成する各接円が接する境界要素によって囲まれた平面領域を示している。

0016

請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の接円ネットワークモデルによる平面領域の形態的特性評価システムにおいて、特定の接円またはその近傍の接円が3以上の上記接円順列に隣接し、それら接円順列に対応する平面領域の各々が経路的な形態的特性の強い平面領域である場合に、上記評価手段は、上記特定の接円に対応する位置を、経路的な平面領域の途中に存在する分岐点として評価するようになっていることを特徴とするものである。

0017

請求項8に記載の発明は、請求項1〜7の何れかに記載の接円ネットワークモデルによる平面領域の形態的特性評価システムにおいて、上記境界要素は、地図上に描かれた境界要素であることを特徴とするものである。

0018

請求項9に記載の発明は、請求項1〜7の何れかに記載の接円ネットワークモデルによる平面領域の形態的特性評価システムにおいて、上記境界要素は、設計図面上に描かれた境界要素であることを特徴とするものである。

0019

請求項10に記載の本発明に係るプログラムは、平面上に描画された線画データから、当該線画データに対応する実体識別あるいは特定に利用可能な接円ネットワークモデルを作成する際に、コンピュータに実行させるプログラムであって、上記線画データから境界要素を抽出するステップと、2以上の境界要素に接し且つ内部に境界要素を含まない円を接円として、それら接円のいくつかを境界要素との関係に基づいて配列することにより、上記接円ネットワークモデルを作成するステップとをコンピュータに実行させることを特徴とするものである。

課題を解決するための手段

0020

請求項11に記載の本発明に係るプログラムは、平面上に描かれた複数の境界要素の中で2以上の境界要素に接し且つ内部に境界要素を含まない円を接円として、それら接円のいくつかを境界要素との関係に基づいて配列することにより接円ネットワークモデルを作成する接円ネットワークモデル作成ステップと、上記接円ネットワークモデルにおいて隣接関係にある接円間の幾何学的情報および接円の各々が有する幾何学的情報に基づいて、境界要素に仕切られた各平面領域の形態的特性を評価する形態的特性評価ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とするものである。

0021

図1は、本発明に係る接円ネットワークモデルによる平面領域の形態的特性評価システムの一実施形態を示す概略構成図である。
この平面領域の形態的特性評価システム10は、図1に示すように、CPU11、RAM12、表示装置13、入力装置14、記憶装置15等により構成され、各部はバス16により接続されている。

0022

CPU(Central Processing Unit )11は、記憶装置15の記憶領域に格納されている各種処理プログラム、入力装置14から入力される各種指示、あるいは指示に対応する各種データ等をRAM12に格納し、それら入力指示および各種データに応じてRAM12に格納した各種処理プログラムに従って各種処理を実行し、その処理結果をRAM12に一時的に記憶するとともに、表示装置13等に出力する。

0023

そして、上記CPU11は、本発明に係る接円ネットワークモデル作成手段を構成しており、入力装置14からの指示入力等に基づいて、記憶装置15等の記憶領域に格納されている線画データ(例えば、地図の線画データ、設計図面の線画データなど)を読み込み、この線画データから境界要素を抽出して当該境界要素の組合せから接円を生成し、それら接円のいくつかを境界要素との関係に基づいて配列することにより、接円ネットワークモデルを作成する処理を実行する。

0024

ここで、接円とは、平面上に描かれた複数の境界要素の中で2以上の境界要素に接し且つ内部に境界要素を含まない円のことを云い、この接円の集合には、境界要素の1辺またはその端点を1接触対象として、3以上の接触対象に接する接円が少なくとも含まれる。なお、この中には境界要素の辺とそれ自身の端点を接触対象とするものも含まれる。CPU11は、接円ネットワークモデルの作成にあたって、上記接円の集合の中で、接触対象が2つ共通する接円のペアを抽出し、当該接円のペアの間に、上記接触対象の双方に接しつつ他の境界要素に接触せずに移動する円の連続した軌跡が存在する場合に、当該接円のペアを隣接関係にある接円として配列する。

0025

さらに、CPU11は、本発明に係る評価手段を構成しており、上記接円ネットワークモデルにおいて隣接関係にある接円間の幾何学的情報(例えば、中心間の距離など)および接円の各々が有する幾何学的情報(例えば、径の大きさや中心位置など)に基づいて、境界要素に仕切られた各平面領域の形態的特性を評価する処理を実行する。

0026

具体的には、接円ネットワークモデルにおいて隣接関係にある接円の何れよりも径の大きい接円を選択して、当該接円と隣接関係にある接円との間に存在し得る接円の中で径が最大となる接円を極大円として抽出し、この極大円の径に基づいて、当該極大円に対応する平面領域の室的な広がりを評価する一方で、2つの上記極大円の間に存在し且つ径が最小となる接円を極小円として、この極小円の径に基づいて、上記極大円に対応する各平面領域を隔てる分節性の強さを評価する。また、上記接円ネットワークモデルにおいて、隣接関係にある接円を3つもつ接円(分岐円)を介さずにつながる一列の接円の順列を抽出し、この接円順列の中で隣接関係にある接円どうしの中心間の距離と径の変化に基づいて、当該接円順列に対応する平面領域の経路的な形態的特性の強さを評価する。

0027

RAM(Random Access Memory)12は、CPU11により実行される各種処理プログラムや、その処理に係るデータを一時的に記憶する記憶領域などを備えている。
表示装置13は、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、CPU11から入力される表示データに基づいて各種画面を表示する。入力装置14は、キーボードポインティングデバイス等により構成され、入力指示信号をCPU11に対して出力する。

0028

記憶装置15は、プログラムやデータ等が記憶される記憶媒体15aを有し、この記憶媒体15aは磁気的、光学的記録媒体、若しくは半導体メモリで構成されている。この記憶媒体15aは記憶装置15に固定的に設けたもの、若しくは着脱自在に装着するものであり、CPU11により実行される各種処理プログラム(後述の平面領域の形態的特性評価処理を実行するためのプログラムを含む。)や制御データ等を記憶する記憶領域、その処理に係るデータ(線画データ、境界要素に関するデータ、接円やその配列に関するデータ、形態的特性の評価に用いる各種判定値などを含む。)を記憶する記憶領域などを備えている。なお、この記憶媒体15aに格納されたプログラムやデータなどは、その一部若しくは全部を他のコンピュータ等からネットワーク等を介して受信して記憶する構成とすることも可能である。

0029

次に、上記構成からなる平面領域の形態的特性評価システムによって実行される平面領域の形態的特性評価処理について説明する。
この処理は、接円ネットワークモデル作成ステップと形態的特性評価ステップとからなり、これら処理ステップは、記憶装置15の記憶媒体15aに格納されたプログラムに従って順次行われるようになっている。

0030

1.接円ネットワークモデル作成ステップ
この接円ネットワークモデル作成ステップでは、境界要素を含む線画データから所定条件を満たす接円を生成し、それら接円の集合を境界要素との関係に基づいて配列することにより、接円ネットワークモデルを作成する処理が行われる。

0031

この接円ネットワークモデル作成ステップでは、先ず、入力装置14からの指示入力に基づいて、記憶装置15等の記憶領域に格納されている線画データを読み込み、この線画データから境界要素(境界線の一辺に相当する線分等)を抽出して、それら境界要素の各々を特定するためのデータ(関数式とその定義域、或いは端点の座標など)をRAM12等の記憶領域に格納する。次いで、すべての境界要素における辺と節点(独立点、線分境界要素の端点あるいは接続点)を集めた集合の中から何れか3つを選ぶ全ての組合せについて、選んだ3要素(辺−辺−辺、辺−辺−節点、辺−節点−節点、節点−節点−節点:なお、この中には辺と節点の組合せに対して境界要素の辺とそれ自身の端点を割り当てたものも含む。)のすべてに接する円を演算により求める。該当する円が存在する場合には、その円の内部に境界要素が入り込んでいないか確認し、境界要素を内側に全く含まなければ、その円を求める接円の一つとして記憶装置15の記憶領域に記憶する。こうして得られた接円の集合Sには、境界要素の1辺またはその端点を1接触対象として、3以上の接触対象に接する接円が少なくとも含まれ、これら接円によって接円ネットワークモデルの節点が構成されることとなる。

0032

例えば、図2の場合には、境界要素として、線分AB、BC、DE、EF、FG、GHが存在し、これら線分の端点として、点A、B、C、D、E、F、G、Hが存在する。この場合、上述した手順で全ての接円を求めると、接円の集合S={C1、C2、C3、…、C22}が得られる。例えば、接円C2は辺ABに節点Aにおいて接し且つ辺GHに接する接円、接円C5は辺AB、BC、FGの各々に接する接円となっている。

0033

次いで、上記のようにして求めた接円の集合Sを境界要素との関係に基づいて配列する。
具体的には、先ず、上記接円の集合Sの中から、3つの接触対象(辺、節点)のうち2つが共通している2円の組み合わせを選び、その一方から他方へ、共通の2つの接触対象への接触を保ちながら連続して動くときに円が覆う閉領域を求める。この閉領域の内部に境界要素が全く存在しなければ、これら2円は隣接関係にあると判断することができる。こうして、2つの接触対象が共通する全ての組合せについて上記隣接関係の判定を行うことにより、各接円どうしの隣接関係を求めることができ、それら隣接関係に基づいてすべての接円を配列することができる。

0034

例えば、図2において、接円C1とC2は、節点A(線分ABの端点)と辺HGに接するという事で共通している。そして、接円C1とC2の間には、節点A、辺HGの双方に接し、境界要素の他の部分に接触せずに移動する円の連続した軌跡が存在する。したがって、接円C1とC2は「隣接関係にある」と判断することができる。同様に、接円C2とC3は、辺BA、HGに接するという事で共通しており、その間には、辺BA、HGに接する円の連続した軌跡が存在するので、接円C2とC3も隣接関係にあるといえる。このようにして、各接円どうしの隣接関係を求め、それら隣接関係に基づいて接円を配列すれば、接円C1−C2−C3−C4−C5−C6−C7−C8−C9−C10−C11−C12という連続した経路を有する接円ネットワークモデルが得られる。

0035

2.形態的特性評価ステップ
この形態的特性評価ステップでは、上記接円ネットワークモデル作成ステップで作成した接円ネットワークモデルにおいて隣接関係にある接円間の幾何学的情報および接円の各々が有する幾何学的情報に基づいて、境界要素に仕切られた各平面領域の形態的特性を評価する処理が行われる。平面領域の形態的特性の評価には、各平面領域の室的な広がりや各々を隔てる分節性に関する評価、各平面領域の経路的な特性の強さに関する評価などが含まれる。

0036

[室的な広がりと分節性に関する評価]
この室的な広がりと分節性に関する評価処理では、接円ネットワークモデルにおいて隣接関係にある接円の何れよりも径の大きい接円を選択して、当該接円と隣接関係にある接円との間に存在する接円の中で径が最大となる接円を極大円として抽出し、この極大円の径に基づいて、当該極大円に対応する平面領域の室的な広がりを評価する一方、2つの上記極大円の間に存在し且つ径が最小となる接円を極小円として、この極小円の径に基づいて、上記極大円に対応する各平面領域を隔てる分節性の強さを評価する。この分節性の強さは、極小円の径の絶対値や、隣接関係にある極大円との半径比等によって数量的に表すことができる。また、それら数値と予め設定された判定値との比較により分節性の強さを段階評価することもできる。

0037

例えば、図2において、接円C5は、接円C4、C6より大きく、上記接円の集合Sの中で他に隣接する接円は無い。そして、接円C5から接円C4あるいは接円C6に至る経路の途中に接円の径がC5の位置より大きくなる位置はない。つまり、接円C5の位置で接円の径が極大値をとっている。このような極大円は、室的な広がりを意味するものとして評価できる。

0038

なお、図3に示すように、境界要素が円弧をなすような場合には、上記接円の集合Sの中で隣接関係にある接円の間に極大円が存在することもあり、このような場合には、上記極大円を接円ネットワークモデルの中に挿入することができる。また、図2において、接円C12は接円C11と隣接しているが、その逆方向に接円の軌跡をたどれば、節点B、Dに接する無限大の円へと繋がっていると考えることができる。このような無限大円は、外部空間を意味するものとして評価できる。

0039

また、図2の例では、接円C5とC8(2つの極大円)を隣接関係で繋ぐ経路の過程において、接円の径が極小値となる接円、すなわち節点Fから辺CBに下ろした垂線を直径とする極小円Cmが存在する。このような極小円Cmも容易に導き出すことができ、上記接円の集合Sの中で隣接関係にある接円の間に割り込む接円として、接円ネットワークモデルの中に挿入することができる。この極小円Cmは、接円C5、C8に表象される室的な広がりを隔てる空間の「くびれ」を表象するものとして評価できる。この極小円Cmが、接円C5、C8に比べてどの程度小さいかによって、2つの室がどの程度強く分かれているかを評価することができる。なお、「くびれ」の強さは、目的に応じて極小円の径の絶対値で評価することもできるし、室的空間を表象する極大円の径との相対的な比によって評価することもできる。

0040

次に、上記極大円と極小円を用いた、室的な広がりと分節性に関する評価方法を、図4に基づいて具体的に説明する。図4に示す閉領域内には、C1、C2、C3、C4、C5の5つの極大円と、Ca、Cb、Cc、Cdの4つの極小円が存在する。そして、それら接円は、次のような隣接関係で繋がっている。

0041

【数1】

0042

先ず、C1からCaを経てC2に至る接円の径の推移をみると、極大円C1から極小円Caへの変化はごく僅かな減少である。また、極小円Caから極大円C2への変化はごく僅かな増加である。したがって、極大円C1、C2はそれぞれが室的な広がりを意味してはいるものの、その二つを隔てるくびれの強度は非常に小さい。この数量的な分析から、極大円C1とC2は、ほぼまとまった一つの室における僅かな膨らみを意味するものと判断できる。

0043

それに比べて、C2からCbを経てC3に至る推移におけ接円の径の変化をみると、極小円Cbはそれを挟む2円より極端に小さい。このことから、極大円C2とC3の間には明確な室の分節があると判断できる。

0044

次に、C3からCcを経てC4に至る接円の径の推移をみると、極大円C3から極小円Ccへの変化はごく僅かな減少であり、極小円Ccから極大円C4への変化は、やや大きな、しかし極小円Cbから極大円C3への変化に比べるとはるかに小さな増加となっている。
同様に、C3からCdを経てC5に至る接円の径の推移をみると、僅かに減少してからやや大きく増加している。C3は極大円であることにおいて室的な広がりの中心を意味するものの、僅かなくびれを介して極大円C4やC5に繋がっていることから、C4、C5との分節性は弱いと判断できる。

0045

むしろ、極大円C4からC5への推移を見たときに、2つの極小円CcとCdの間にはごく僅かな膨らみしかないため、Cc−C3−Cdの部分は全体として一つのくびれを形成していると判断することができ、そうすれば、C4とC5は、やや大きなくびれによって区切られていると見ることができる。

0046

以上のように接円ネットワークモデルにおける接円の接続関係に沿って接円の径の変化を求めることで、図4に示す閉領域は、極小円Cb位置の強いくびれによって大きく2つの室に分かれており、さらに、右側の室は、極小円Cb位置のくびれより弱いCc−C3−Cdの部分のくびれによって2つの室に分かれていることがわかる。また、どの程度の半径比を室の分節と見なすかは、その判定値の設定如何によって任意に調整することが可能であり、その設定次第で、この閉領域は、2室に分かれていると見なすこともできるし、3室に分かれていると見なすこともできる。これは、大雑把に見れば2つの室であるが、もう少し細かくみれば、その一方がさらに2つの室に分かれているという人間の目による直感的な認識と符合する。

0047

[経路的な形態的特性に関する評価]
この経路的な形態的特性に関する評価処理では、接円ネットワークモデルから接円の順列を抽出し、この接円順列の中で隣接関係にある接円どうしの中心間の距離と径の変化に基づいて、当該接円順列に対応する平面領域の経路的な形態的特性の強さを評価する。また、特定の接円またはその近傍の接円が3以上の上記接円順列に隣接し、それら接円順列に対応する平面領域の各々が経路的な形態的特性の強い平面領域である場合に、上記特定の接円に対応する位置を、経路的な平面領域の途中に存在する分岐点として評価する。

0048

例えば、図5の境界要素は、人間の目で直感的にT字交差点をもつ経路的な空間を仕切るものとして把握できるが、このことを接円ネットワークモデルの数理的な分析によって把握することができる。
すなわち、図中のC1〜C16の接円は、この境界モデルに対する接円ネットワークモデルの一部であり、C1−C2−C3−…−C14は、接円の隣接関係によって繋がっており、C6−C15−C16も同様であるが、これら接円の繋がりの中で互いに隣接する2円の中心間の距離およびその間の径の変化は、経路的な特性の強さを数量的に表すものとして評価することができる。

0049

例えば、接円C4〜C14の繋がりの中で、接円C4からC5に向けて接円の径の変化は少なく、それに対して接円がたどる距離は接円の径に比して非常に長い。このことから、接円C4からC5に至る平面領域が経路的であることを把握できる。同様に、接円C15からC16に至る平面領域も経路的であることを把握できる。
また、接円C7〜C13の繋がりの中で、接円の径は、ある程度変化するが、全体としては、接円C7〜C13の各中心を辿る経路の長さと比較して小さく保たれている。したがって、これは、途中で弱い室的広がりを持ちながらも、全体としては強い経路性をもつと判断できる。

0050

また、接円C6は3つの接円に隣接しており、その何れもが経路的空間を意味する接円順列に繋がっている。したがって、この接円C6(特定の接円)のところが3経路が分岐する分岐点の意味をもつと判断できる。
接円C1〜C4の繋がりは、接円相互の距離に比して接円の径変化が非常に大きく、経路的性格は前述の部分より極めて希薄であり、むしろ外部空間に向かった広がりの中に位置付けられると判断できる。

0051

他方、図6(a)に示す境界モデルの場合には、前述の手法によって4本の明確な経路的空間A、B、C、Dを把握することができる。ここで、接円C1は、図6(b)に示すように、経路A、Bを構成する接円順列に接続されており、また接円C2と隣接している。一方、接円C2は経路C、Dを構成する接円順列に接続されており、また接円C1と隣接している。

0052

接円C1とC2は、互いに近接しており、2円の半径に比してその距離は非常に小さい。したがって、この間には明確な経路性はないと判断できる。また、接円C1とC2の間には1つの極小円が存在するが、そのくびれは僅かであることから、接円C1とC2を隔てる空間の分節は、極めて弱い。接円C1とC2をまとめればいくらか室的な広がりが認められるがそれも、明確に室として把握するほど大きくないと判断できる。

0053

このようなことから、接円C1、C2をまとめた弱い室的広がりは、全体として一つの分岐点として捉えることができる。つまり、接円C1の位置が1つの三叉交差点、接円C2の位置がこれとは別の三叉交差点と見るよりも、これらをまとめて経路A、B、C、Dの4経路が重なる一つの交差点と見なしたほうが妥当であると判断できる。この判断は、接円C1−C2間の経路性の強さの判定によるが、目的に応じて設定された数値的な判断基準によって明確に行うことができる。
例えば、図7に示すような境界モデルの場合には、上記判断基準を構成する各判定値の設定如何によって、一つの4叉路とも二つの近接した3叉路とも判定可能である。

発明を実施するための最良の形態

0054

以上のように、本実施形態によれば、接円の集合Sを境界要素との関係に基づいて配列することにより接円ネットワークモデルを作成し、この接円ネットワークモデルにおいて隣接関係にある接円間の幾何学的情報および接円の各々が有する幾何学的情報に基づいて、境界要素に仕切られた各平面領域の形態的特性を数理的に評価するようにしたので、この評価に基づいて、上記平面領域の組合せに対応する実体の識別或いは特定を自動的に行うことができるとともに、上記実体に関する定量的な分析や、上記実体に付随する各種数量算出等を容易に行うことができる。

図面の簡単な説明

0055

以上説明したように、本発明によれば、境界線が完全なループを構成していない場合をも含めて、各平面領域の室的な広がりや各々を隔てる分節性、或いはそれら相互を繋ぐ連絡性等を把握することができ、経路的な平面領域が存在する場合には、その経路的な特性の強さと分岐状態を容易に把握することができる。

図1
本発明に係る接円ネットワークモデルによる平面領域の形態的特性評価システムの一実施形態を示す概略構成図である。
図2
接円ネットワークモデルの作成方法を説明するための図である。
図3
境界要素の一部が円弧となる境界モデルの一例を示す図である。
図4
平面領域の室的な広がりと各平面領域を隔てる分節性に関する評価方法を説明するための図である。
図5
平面領域の経路的な形態的特性に関する評価方法を説明するための図である。
図6
経路的な領域の分岐点に関する評価方法を説明するための図である。
図7
経路的な領域の分岐点に関する評価方法を説明するための図である。
図8
境界線が閉曲線となる境界モデルの一例を示す図である。
図9
境界線が閉曲線とならない境界モデルの一例を示す図である。
【符号の説明】
10 平面領域の形態的特性評価システム
11 CPU(接円ネットワークモデル作成手段、評価手段)

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