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技術 光学系の設計方法

出願人 オリンパス株式会社
発明者 早川和仁本橋勝実加藤茂
出願日 2003年4月25日 (16年10ヶ月経過) 出願番号 2003-121817
公開日 2004年11月18日 (15年4ヶ月経過) 公開番号 2004-325880
状態 拒絶査定
技術分野 レンズ系 CAD
主要キーワード 各光学パラメータ 品質工学 設計状態 誤差数 数値区間 設計処理装置 誤差テーブル 設計性能
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (5)

課題

製造誤差による性能の劣化が生じにくい光学系の設計を、効率よく行うことが可能な光学系の設計方法を提供する。

解決手段

評価関数を用いる光学系の設計方法において、製造誤差を考慮しない設計状態での光学パラメータを設定する初期値設定テップ(ステップS1)と、設計状態での光学パラメータに製造誤差を加えたものを製造状態での光学パラメータとして作成し、あるいは、既存の製造状態での光学パラメータの製造誤差を更新する製造状態作成・更新ステップ(ステップS2)と、評価関数を作成する前記評価関数作成ステップ(ステップS3)と、評価関数を最適化して最適な光学パラメータを求める最適化実行ステップ(ステップS4)を有する。

概要

背景

従来、光学系の設計方法においては、最急降下法共役勾配法最小二乗法などが利用されている。
これらの方法は、いずれも最適化手法と呼ばれるもので、複数の変数を有する評価関数が用いられる。
これらの最適化手法を光学系の設計に用いた場合、評価関数の変数に相当するのが,例えば、収差等の評価パラメータ(あるいは評価項目)である。
この評価パラメータは、光学作用面曲率半径面間隔、及び、屈折率等といった光学系の光学パラメータ(あるいは構成要素)の値に基づいて算出される。よって、光学系の光学パラメータの値を変化させると評価パラメータの値が変化し、評価パラメータの値が変化すると評価関数の値が変化する。
そこで、光学系の光学パラメータの値を徐々に変化させて、評価関数の最適値(例えば、最小値極小値)を求める処理を行う。
このようにして、評価関数の最適値が得られると、そのときにおける光学系の各光学パラメータの値の組み合わせが最適な光学系を表すことになる。この結果、設計者の意図に最も近い光学系の光学パラメータの値が得られる。
なお、評価関数の最適値を求める際には、同時に評価パラメータも所望の目標値へと近づける処理を行う。
このように、光学系の設計では、評価関数が最適値となり、かつ、評価パラメータが目標の許容範囲内に到達するような、光学系の光学パラメータを求める。

概要

製造誤差による性能の劣化が生じにくい光学系の設計を、効率よく行うことが可能な光学系の設計方法を提供する。評価関数を用いる光学系の設計方法において、製造誤差を考慮しない設計状態での光学パラメータを設定する初期値設定テップ(ステップS1)と、設計状態での光学パラメータに製造誤差を加えたものを製造状態での光学パラメータとして作成し、あるいは、既存の製造状態での光学パラメータの製造誤差を更新する製造状態作成・更新ステップ(ステップS2)と、評価関数を作成する前記評価関数作成ステップ(ステップS3)と、評価関数を最適化して最適な光学パラメータを求める最適化実行ステップ(ステップS4)を有する。

目的

本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、製造誤差による性能の劣化が生じにくい光学系の設計を、効率よく行うことが可能な光学系の設計方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

評価関数を用いる光学系の設計方法において、製造誤差を考慮しない設計状態での光学パラメータを設定する初期値設定テップと、設計状態での光学パラメータに製造誤差を加えたものを製造状態での光学パラメータとして作成し、あるいは、既存の製造状態での光学パラメータの製造誤差を更新する製造状態作成・更新ステップと、評価関数を作成する前記評価関数作成ステップと、評価関数を最適化して最適な光学パラメータを求める最適化実行ステップを有することを特徴とする光学系の設計方法。

請求項2

前記製造状態作成・更新ステップにおいて、製造誤差量取得要件に応じ、あらかじめ設けておいた誤差量テーブルの値に基づいて、付与すべき製造誤差の量を取得し、この誤差量を設計状態での光学パラメータに付与し、新たに製造状態での光学パラメータを作成する、あるいは、設計状態での光学パラメータの変化に伴い、既存の製造状態での光学パラメータに付与済みの誤差量の値を更新することを特徴とする請求項1に記載の光学系の設計方法。

請求項3

前記評価関数作成ステップにおいて、前記評価関数の評価パラメータに加えて、前記設計状態と製造状態の光学性能に基づいて求められる製造誤差感度パラメータを評価パラメータとして少なくとも1つ含めることを特徴とする請求項1に記載の光学系の設計方法。

技術分野

0001

本発明は、光学系の設計方法に関し、特に、コンピュータなどの設計処理装置での実行に好適な光学系の設計方法に関する。また、光学系の設計プログラムを記録した記録媒体、及び、光学系の設計方法ないし光学系の設計プログラムを用いて設計した光学系及び光学装置に関するものである。

0002

従来、光学系の設計方法においては、最急降下法共役勾配法最小二乗法などが利用されている。
これらの方法は、いずれも最適化手法と呼ばれるもので、複数の変数を有する評価関数が用いられる。
これらの最適化手法を光学系の設計に用いた場合、評価関数の変数に相当するのが,例えば、収差等の評価パラメータ(あるいは評価項目)である。
この評価パラメータは、光学作用面曲率半径面間隔、及び、屈折率等といった光学系の光学パラメータ(あるいは構成要素)の値に基づいて算出される。よって、光学系の光学パラメータの値を変化させると評価パラメータの値が変化し、評価パラメータの値が変化すると評価関数の値が変化する。
そこで、光学系の光学パラメータの値を徐々に変化させて、評価関数の最適値(例えば、最小値極小値)を求める処理を行う。
このようにして、評価関数の最適値が得られると、そのときにおける光学系の各光学パラメータの値の組み合わせが最適な光学系を表すことになる。この結果、設計者の意図に最も近い光学系の光学パラメータの値が得られる。
なお、評価関数の最適値を求める際には、同時に評価パラメータも所望の目標値へと近づける処理を行う。
このように、光学系の設計では、評価関数が最適値となり、かつ、評価パラメータが目標の許容範囲内に到達するような、光学系の光学パラメータを求める。

0003

上述のように、従来、評価関数を用いた光学系の設計に際しては、基本的な変数として、光学作用面の曲率半径、面間隔、及び、屈折率等の光学パラメータを用いるのが一般的である。
しかしながら、従来の光学系の設計では、これらの光学パラメータに製造誤差の影響などを加味していなかった。
このため、得られた光学系の光学パラメータの値は、必ずしも光学系の製造が容易な値になるとは限らなかった。このように、従来では製造が容易となる光学系の光学パラメータの値の組み合わせを簡単に得ることは難しかった。

0004

例えば、製造誤差による光学系の性能の変化が少なくなるようにするために設計値に若干の修正を加えたり、最適化の変数の数に制限をかけるなどしていた。この修正や制限は、設計者自身の手作業によって行なわれている。この手作業は、コンピュータで得た設計値や、設計者の経験や知識といったノウハウなどに基づいて行なわれる。
このため、従来の光学系の設計方法では、コンピュータの計算速度の向上にもかかわらず、多くの人手と時間を必要とし、効率的な光学系の設計を行うことができなかった。
また、製造誤差による性能の変化を小さく抑え、かつ、設計性能が所望の値となるような最適な光学系の設計値を得ることは難しかった。

0005

しかるに近年、上記の問題点を鑑みて、光学系の新たな設計方法が、例えば、次の特許文献1〜5等に提案されている。

0006

【特許文献1】
特開平11−30746号公報
【特許文献2】
特開平11−223764号公報
【特許文献3】
特開平11−223769号公報
【特許文献4】
特許第3006611号公報
【特許文献5】
特開2002−267926号公報

0007

【発明が解決しょうとする課題】
特許文献1、特許文献5に開示されている方法では、光学群偏心という製造誤差に注目している。しかしながら、これらの方法では、偏心以外の製造誤差が大きく影響するような光学系に適用するには問題がある。

0008

また、特許文献2、特許文献3で開示されている方法では、誤差のない状態での性能指標に注目している。そして、この誤差のない状態での性能指標を製造誤差の影響を計る尺度としている。そのため、注目している性能指標と製造誤差による性能の変化との因果関係直感的には把握しにくい。これは、設計の効率化という観点で問題がある。

0009

また、特許文献4で開示されている方法では、製造誤差による性能の変化を知るために、設計状態から意図的に製造誤差を付与した製造状態を作って光学性能を求めている。そして、最適化に用いる設計方法の評価パラメータとして、設計状態での光学性能に加えて、製造状態での光学性能を付与している。しかし、この方法では、設計状態から意図的に製造誤差を付与するにあたって、光学系を構成する数多くの光学パラメータ(光学作用面の曲率半径、レンズ肉厚空気間隔、屈折率等)の夫々に対して、設計者が製造誤差を付与していくことになる。そのため、大変な手間がかかる上、入力の間違いなどを招きやすいという問題がある。
また、設計者が自由に製造誤差を与えていくため、設計者個々の能力(ノウハウ)に左右されることになる。

背景技術

0010

本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、製造誤差による性能の劣化が生じにくい光学系の設計を、効率よく行うことが可能な光学系の設計方法を提供することである。

0011

上記目的を達成するため、本発明による光学系の設計方法は、評価関数を用いる光学系の設計方法において、製造誤差を考慮しない設計状態での光学パラメータを設定する初期値設定テップと、設計状態での光学パラメータに製造誤差を加えたものを製造状態での光学パラメータとして作成し、あるいは、既存の製造状態での光学パラメータの製造誤差を更新する製造状態作成・更新ステップと、評価関数を作成する前記評価関数作成ステップと、評価関数を最適化して最適な光学パラメータを求める最適化実行ステップを有することを特徴としている。

0012

また、本発明による光学系の設計方法は、前記製造状態作成・更新ステップにおいて、製造誤差量取得要件に応じ、あらかじめ設けておいた誤差量テーブルの値に基づいて、付与すべき製造誤差の量を取得し、この誤差量を設計状態での光学パラメータに付与し、新たに製造状態での光学パラメータを作成する、あるいは、設計状態での光学パラメータの変化に伴い、既存の製造状態での光学パラメータに付与済みの誤差量の値を更新することを特徴としている。

0013

また、本発明による光学系の設計方法は、前記評価関数作成ステップにおいて、前記評価関数の評価パラメータに加えて、前記設計状態と製造状態の光学性能に基づいて求められる製造誤差感度パラメータを評価パラメータとして少なくとも1つ含めることを特徴としている。

0014

【発明の実施形態】
本発明の実施形態の説明に先立ち、本発明の光学設計で用いる2つの異なる状態について説明する。
光学系の初期設計の段階においては、光学系を構成する光学作用面の曲率半径、レンズ肉厚、空気間隔等の光学パラメータは、一般に、現実の光学系が全く誤差なく製造できた場合のみを想定している。本発明では、誤差のない理想的な光学系の状態を設計状態と呼ぶ。この設計状態は、所定の光学パラメータで構成されている光学系の状態である。そして、この所定の光学パラメータとは、製造誤差が生じないという前提で得られた光学パラメータである。

0015

一方、現実の光学系では、製造誤差によって、光学系を構成する光学パラメータの値は設計状態とは異なる値となる。そのため、光学系の性能が設計状態での性能と異なることがある。よって、設計状態での性能と異なる性能を、設計段階において考慮する必要がある。そのために、設計状態での光学パラメータのうち、少なくとも1つの光学パラメータに、製造誤差を付与する。このようにして、設計状態から僅かに光学系の構成を変更した状態を設定する。本発明では、この状態を製造状態と呼ぶ。

0016

製造状態では、現実の製造誤差が全て再現できるようにするのが望ましい。すなわち、設計状態での光学パラメータに、全ての誤差を付与することが理想的である。しかしながら、分布を持つ誤差全てを網羅的に付与(再現)することは非現実的である。
そこで、光学パラメータに付与する誤差量δとして、現実の製造能力に即した代表値を用いる。付与する誤差は、特定の光学パラメータAに対して、A+δとA−δの2通りが考えられる。

0017

誤差量δが微小である場合、誤差による性能の変動はほぼ線形性を保つと考えられる。よって、付与する誤差量はA+δ、あるいは、A−δのいずれか一方でよい。
もちろん、A+δとA−δの両方を付与すれば、より正確な誤差の影響を考慮できるようになることは言うまでもない。

0018

また、製造状態の作成には、以下の2つが考えられる。1つは、1つの光学パラメータに1種類の製造誤差を付与して、1つの製造状態を作成する場合である。その例を以下に示す。ここで、a,b,c,dは、それぞれ種類が異なる製造誤差である。
製造状態A=設計状態における光学パラメータA+製造誤差a
製造状態B=設計状態における光学パラメータB+製造誤差b
製造状態C=設計状態における光学パラメータC+製造誤差c
製造状態D=設計状態における光学パラメータD+製造誤差d
例えば、光学パラメータAが曲率半径の場合、製造誤差aはニュートン本数である。また、光学パラメータBがレンズの厚みの場合、製造誤差bは厚み誤差である。
この場合、評価関数Fは、
評価関数F(製造状態A,製造状態B,製造状態C,製造状態D)
となる。この場合は、個々の誤差による光学性能の変化を把握できるので、事象解明に適している。

0019

もう1つは、1つの光学パラメータに複数の種類の製造誤差を付与して、1つの製造状態を作成する場合である。その例を以下に示す。ここで、a,a’,b,c,dは、それぞれ種類が異なる製造誤差である。
製造状態X=設計状態における光学パラメータA+製造誤差a+製造誤差a’+設計状態における光学パラメータB+製造誤差b
製造状態Y=設計状態における光学パラメータC+製造誤差c+設計状態における光学パラメータD+製造誤差d
例えば、光学パラメータAが曲率半径の場合、製造誤差aはニュートン本数で、製造誤差a’はアスである。また、光学パラメータBがレンズの厚みの場合、製造誤差bは厚み誤差である。
この場合、評価関数Fは、
評価関数F(製造状態X,製造状態Y)
となる。
この場合は、複数の光学パラメータに誤差が重なって生じる光学性能の変化を把握することができる。また、上述のように、個々の製造誤差の種類ごとに製造状態を作成する場合に比べて、製造状態の総数を少なく抑えることができる。
なお、いずれの方法を用いて製造状態を作成するかは、設計する光学系の仕様や誤差による影響の程度などで決まる。すなわち、設計者が自身の判断により、いずれかの方法を選択すれば良い。あるいは、両者の製造状態を作成し、それらを組み合わせた評価関数、例えば、評価関数F(製造状態A,製造状態X)などとして光学設計を行うこともできる。

0020

次に、本発明の実施形態について、各ステップごとに説明する。
図1は、光学系の設計方法の一実施形態であって、設計方法のフローチャートである。
本実施形態の光学系の設計方法は、初期値設定ステップ(ステップS1)と、製造状態作成・更新ステップ(ステップS2)と、評価関数作成ステップ(ステップS3)と、最適化実施ステップ(ステップS4)と、結果判定ステップ(ステップS5)を有している。

0021

まず、初期値設定ステップ(ステップS1)について説明する。
初期値設定ステップでは、設計者が設計状態での光学パラメータの値を設定する。この光学パラメータの値は、過去に設計された光学系の光学パラメータの値を用いることができる。もしくは、光学設計を行なって新たな光学系を得て、その新たな光学系のデータに基づいて光学パラメータの値を設定してもよい。

0022

次に、製造状態作成・更新ステップ(ステップS2)について説明する。
このステップでは、設計状態での光学パラメータの値に対して、付与する誤差量を決定する。ここで、特徴となるのは、この誤差量が設計者が任意に決定できる性質の値ではなく、光学系の製造能力に基づいて決定された値になっている点である。
本実施形態では、この付与する誤差量を得るために、誤差量テーブルをあらかじめ準備しておく。この誤差量テーブルは、製造誤差取得要件に基づいて作成されている。また、この誤差量テーブルのデータの値は、製造能力などが加味されて決定されている。

0023

なお本発明では、製造誤差取得要件とは、以下の3つを指す。
(1)付与すべき製造誤差の種類
例えば、ニュートン誤差(ニュートン本数)、アス、肉厚誤差、レンズ間隔誤差シフト偏心ティルト偏心等。
(2)設計状態における光学パラメータの種類
例えば、光学作用面あるいはレンズ面の曲率半径、レンズ肉厚、レンズ間隔外径等。
(3)光学パラメータの値による条件
例えば、付与する誤差量が同一値となりうる光学パラメータの値の範囲を条件分けしたものである。ただし、(1)、(2)の条件だけで一意に誤差量が決まるといった、光学パラメータの数値条件を持たない場合もありうる。
例として、曲率半径の誤差量テーブルを表1に示す。ここでは、製造誤差の種類はニュートン誤差、アスである。また、光学パラメータは曲率半径である。また、光学パラメータ数値条件は5つに条件分けされており、各条件となる光学パラメータの値の範囲は次の表1のようになっている。

0024

表1

表1では、設計状態の曲率半径は、5つの数値区間で分けられている。そして、この数値区間の各々について、ニュートンの本数やアスの本数が設定されている。

0025

本発明の光学系の設計方法では、この誤差量テーブルを参照して設計を行なう。すなわち、設計状態の光学パラメータの値に付与する誤差量を、この誤差量テーブルから取得する。続いて、取得した誤差量を設計状態の光学パラメータの値に付与して、新たに製造状態での光学パラメータの値を作成する。この場合、製造状態作成・更新ステップは、製造状態を作成するステップとなる。
もしくは、光学系の設計を進める途中で、新たな誤差量に変更することもできる。最初の製造状態で更に光学系の設計を行なうと、光学パラメータの値が変化する。例えば、曲率半径(光学パラメータ)の値が、最初の製造状態で90であったものが、120に変化したとする。この場合は、表1の誤差テーブルに基づいて、ニュートン本数(製造誤差)の誤差量を7本から10本に更新する。

0026

このように、誤差量テーブルに基づいて、既存の製造状態での光学パラメータの値に付与されている誤差量を、更新または変更するのである。この場合、製造状態作成・更新ステップは、製造状態を更新するステップとなる。
なお、誤差量テーブルの値は、現実の製造能力に基づいて決められている。よって、このような誤差量テーブルを用いて設計を行なえば、現実の製造能力に対応した光学系を得ることが容易になる。また、誤差量テーブルに基づいて誤差量が自動的に決まるので、効率よく設計できるので好ましい。

0027

なお、誤差量テーブルの種類は、1種類でなくても良い。たくさんの種類の誤差量テーブルを作成し、一覧表にしておけばよい。このようにしておけば、設計者がその一覧表を参照しながら、誤差量を付与することができる。また、コンピュータ上に記録し、誤差データベース(以下、誤差DBと略記)として構成しても良い。
このようにすれば、設計者が毎回、適切な誤差量を考える必要がなくなる。よって、光学系の設計を効率化できる。

0028

さらに、本実施形態の製造状態作成・更新ステップは、プログラム化するのが好ましい。このようにすれば、光学設計ソフトウェア(以下、光学CADと略記)で利用可能なステップとなる。光学CADは、コンピュータ上で利用可能な設計ツールである。よって、上記ステップを、光学CADに組み入れることができる。このようにすれば、誤差DBより誤差量を取得し、この誤差量を用いて光学設計ツール上に、製造状態を新規に作成することができる。あるいは、既存の製造状態を、更新することができる。その結果、誤差の取得から製造状態の作成・更新までを、自動的にできるようになる。よって、光学系の設計を一層効率化できる。

0029

なお、製造状態の作成方法としては、複数の光学パラメータに製造誤差を与えて1つの製造状態を作成する方法がある。この場合、本実施形態の製造状態作成・更新ステップは、次のようにすることが望ましい。
まず、設計者は、自身が注目する評価パラメータの種類を少なくとも1つ選択する。そして、光学パラメータに付与する製造誤差の種類を選択する。続いて、誤差量テーブルに基づいて、設計状態の光学パラメータの値に誤差量を付与する。
その際、この選択した評価パラメータの値が最悪となるように、誤差量を誤差量テーブルから選択する。なぜなら、付与する誤差量としては、プラスの値とマイナスの値が選択できる(+δ、−δ)。そのため、その組み合わせよっては、全体として製造誤差の影響を打ち消してしまう可能性がある。すなわち、誤差量を付与したにもかかわらず、製造誤差の影響がないという製造状態になる。そこで、評価パラメータの値が最悪となるようにする。このようにすると、付与する誤差量の組み合わせによって製造誤差による影響が打ち消されて製造誤差の影響を見落としてしまう、というような事態を排除することができる。

0030

さらに好ましくは、本実施形態の製造状態作成・更新ステップは、光学パラメータの値に付与する誤差量を、自動的に設定するように構成するのが好ましい。この場合、光学CADと誤差DBとを組み合わせるとよい。
光学CADによる基本設計が終了すると、設計状態が得られる。この時点で、設計状態の光学パラメータの値は、コンピュータのメモリに保存されている。よって、そのメモリの値を参照すれば、誤差DBから誤差量を取得することができる。このようにすると、光学パラメータの値に付与する誤差量を、自動的に誤差量テーブルから選択することができる。このように、誤差の取得から製造状態の作成・更新まで自動的にできるようになるので、光学系の設計をより一層効率化できる。
なお、誤差量テーブルに基づいて誤差量を付与する際は、所望の評価パラメータの値が最悪となるようにチェックする処理を、合わせて行なうようにしておく。

0031

次に、評価関数作成ステップ(ステップS3)と最適化実施ステップ(ステップS4)について併せて説明する。
まず、評価関数について説明する。一般に、評価関数を用いる光学系の設計方法では、評価関数は少なくとも1つの評価パラメータからなっている。また、各評価パラメータは、光学性能などの評価量ウェイトなどからなっている。光学性能の評価量としては、光学パラメータによって決定される収差といったものがある。また、ウェイトは、評価関数全体の中で評価量の重みを設計者が決定するものである。
例えば、評価関数をF、評価パラメータをPi、評価パラメータの目標値をQi、評価パラメータの重み付けウェイトをWiとすると、評価関数Fは、
F=ΣWi(Pi−Qi)2
と表わすことができる。
なお、ここでの評価パラメータには、光学性能を表す諸収差や光学系の焦点距離など、光学系の仕様や性能などを用いることができる。

0032

光学設計では、このような評価関数が作成される。そして、この評価関数に対して最適化が行なわれる。この最適化により、最適な光学パラメータの組み合わせが求まる。このような処理を行なうことで、光学系の設計が実施される。
ここで、最適化の目的は、与えられた評価関数を使って、目標とする性能、仕様により近い光学パラメータの値を獲得することである。最適化の方法には、上述のように最小二乗法など各種の方法が知られている。ただし、本発明の光学系の設計方法で用いる最適化の方法は、既知のいずれの方法を用いてもよい。なお、最適化の方法の具体的な内容の説明は、本発明と直接関係ないので省略する。

0033

本実施形態の光学系の設計方法では、従来からの設計状態における光学性能などの評価パラメータに加えて、新たな評価パラメータを導入している。この新たな評価パラメータが、製造誤差感度パラメータである。この製造誤差感度パラメータは、製造状態の光学性能などからなる。本実施形態では、この製造誤差感度パラメータを導入して、最適化を実施するようにしている。

0034

本実施形態の製造誤差感度パラメータXは、設計状態の光学性能y0と製造状態の光学性能yiよりなる評価パラメータである。これは、一般に、任意の関数Fを使って、
X=F(y0,yi)
で表される量である。

0035

一例として、設計状態N0と製造状態Nl、N2の状態から、製造誤差感度パラメータを求める方法を説明する。ここでは、品質工学に基いて求める方法を説明する。
設計状態N0に対して、1,2,…,kの条件における光学性能y01,y02,…,y0kを求める。次に、製造状態N1、N2に対しても、同様に光学性能y11,y12,…,y1k,y21,y22,…,y2kを求める。これを一覧にすると次の表2に示すようなテーブルとなる。

0036

表2

なお、ここでの光学性能としては、収差、スポットRMS、MTF、光強度等がある。また、条件には、FNO、NA、物体距離像高等が挙げられる。

0037

さて、このようなデータテーブルを作成した上で、次の諸パラメータを計算する。諸パラメータの意味については、一般の品質工学の文献に詳述されているので、ここでの説明は省略する。
L1=Σy0jy1j=y01y11+y02y12+…+y0ky1k
L2=Σy0jy2j=y01y21+y02y22+…+y0ky2k
r=Σy0j2=y012+y022+…+y0k2
ST=ΣΣyij2=y112+y122+…+y1k2+y212+y222+…+y2k2
Sβ=(L1+L2)2/2r
SN×β=(L12+L22)/r−Sβ
Se=ST−Sβ−SN×β
fe=2k−2
fN=2k−1
Ve=Se/fe
VN=(SN×β+Se)/fN

0038

上記の諸パラメータから、製造誤差感度パラメータXを次のようにして求めることができる。
X=10log{(Sβ−Ve)/VN}
この製造誤差感度パラメータは、製造誤差の安定性を表し、製造の影響を受け難くなるほど値が大きくなる性質を持っている。
このように、製造誤差感度パラメータを用いると、製造誤差の影響の程度を簡単に把握することができるようになり、設計を効率的に行うことができるようになる。ここで、製造誤差感度パラメータは、設計状態と製造状態とから、製造誤差の影響の程度を表している

0039

さて、製造誤差感度パラメータを組み込んだ評価関数を、F’とする。そして、先に説明した評価関数Fとあわせて、新たに評価関数F’を
F’=F+Σwj(Xj−Yj)
として作成する。
但し、Xjは製造誤差感度パラメータ、Yjは製造誤差感度パラメータの目標値、wjは製造誤差感度パラメータの重み付けウェイトである。
このような評価関数F’を作成すると、製造誤差の影響を含んだ状態で、光学系の最適化が実施可能となる。その結果、製造誤差の影響を受け難い光学パラメータを、効率よく得ることができる。
また、コンピュータ上で処理できるように、評価関数をプログラムに組み込む。そして更に、最適化をコンピュータで実行するように各ステップを構成する。このようにすると、より効率的に光学系の設計を行うことができる。

0040

最後に、結果判定ステップ(ステップS5)において、最適化によって得た光学系が所望の仕様や性能などを満たしているかどうか判断する。ここで、光学系が所望の仕様や性能となっていれば設計を終了する。一方、そうでない場合は、製造状態作成・更新ステップ、あるいは、初期値設定ステップに戻る。そして、光学系の設計処理を繰り返す。

0041

【実施例】
次に、本発明の実施例を、図面を用いて説明する。
第1実施例
図1は、光学系の設計方法の第1実施例を示している。ここでは、設計手順の全体を示すフローチャートを示している。
本実施例の光学系の設計方法では、まず、初期値設定ステップにおいて、設計状態での光学パラメータの値を設定する(ステップS1)。この設計状態では、製造誤差は考慮されていない。
次に、製造状態作成・更新ステップにおいて、設計状態の光学パラメータの値に、製造誤差の誤差量を付与する。あるいは、製造状態における光学パラメータの値を付与された誤差量に代えて、あらたな誤差量を付与する。この場合は、誤差量の更新になる。これにより、製造状態での光学パラメータの値が設定される(ステップS2)。この誤差量は、誤差量DBを参照することで、自動的に決定される。
次に、評価関数作成ステップにおいて、所望の仕様や性能要求を満たすように、評価関数の評価パラメータの種類を決定する。その際、その目標値と重み付けウェイトを付与する。このようにして、評価関数を決定する(ステップS3)。

0042

次に、最適化実施ステップにおいて、所定の評価関数に基いて最適化を実施する。そして、評価関数に最適な光学パラメータを求める(ステップS4)。なお、評価関数は、不図示の評価関数作成ステップで作成される。
次に、結果判定ステップにおいて、最適化実施ステップで得た光学パラメータから、光学系の仕様や性能が所望の仕様・性能となっているか否かを判定する(ステップS5)。
結果判定ステップにおいて、所望の仕様・性能となっている光学パラメータが得られた場合には、光学系の設計を終了する。一方、所望の仕様・性能となっていない場合は、現在の光学パラメータのまま製造状態作成・更新ステップへと戻る。製造状態作成・更新ステップへ戻ると、製造状態での光学パラメータの誤差量が更新される。そして更新された誤差量で、設計処理が継続する。なお、設計状態の光学パラメータの値に何らかの変更を施す必要がある場合には、初期値設定ステップへと戻る。
第1実施例の光学系の設計処理手順によれば、製造誤差を考慮に入れながら、光学設計を効率よく行うことができるようになる。その結果、製造誤差の影響が少ない光学系が、容易に得られるようになる。また、歩留まりが向上し、製造コストを抑えることができる。

0043

第2実施例
図2は、光学系の設計方法の第2実施例を示している。ここでは、最適化実施ステップの具体的な処理手順を、フローチャートで示している。
本実施例の最適化実施ステップでは、まず、設定されている光学パラメータの値に基いて、評価関数の値E0を計算し記憶する(ステップS11)。
次に、評価関数に基き最適化を実行し、光学パラメータの値を変更して設定する(ステップS12)。
次に、変更後の光学パラメータの値に基いて、評価関数の値E1を計算し記憶する(ステップS13)。
次に、記憶された評価関数の値E0、E1から、評価関数の改善度△E=−E1−E01を計算する(ステップS14)。ここで、△Eは、最適化実施前からどの程度改善されているかを判断するための指標である。この指標△Eは、評価関数に最適な光学系に近づくいているか否かを示している。また、ステップS14では、あらかじめ設けた判断基準値Ecよりも改善度が大きいか否かを判断する。

0044

指標△Eが、あらかじめ設けた判断基準値Ecよりも改善度が小さい、即ち、△E<Ecとなっているとする。この場合には、これ以上、最適化を実行しても評価関数の著しい改善につながらないと判断し、最適化を終了する。
一方、指標△Eが、あらかじめ設けた判断基準値Ecよりも改善度が小さくない、即ち、△E≧Ecとなっているとする。この場合には、製造状態の更新(ステップS15)を行なう。そして、ステップS11へと戻り、以後同様の処理を繰り返す。なお、以後のステップS14では、製造状態の更新部分のみを使用する。
第2実施例の最適化実施処理手順によれば、最適化を行う段階で変化していく光学パラメータに適した誤差量を与えていくことができる。

0045

第3実施例
図3は、光学系の設計方法の第3実施例を示している。ここでは、製造状態作成・更新ステップの具体的な処理手順を、フローチャートに示している。
本実施例の製造状態作成・更新ステップでは、まず、製造状態の有無を判断する(ステップS21)。製造状態が作成されていない場合は、後述するステップS28以降の処理を行う。
一方、既に製造状態が作成されている場合は、製造状態の更新を行なう。そこで、製造状態の数だけ、ステップS22〜ステップS27の処理を繰り返す。また、1つの製造状態に付与されている製造誤差の数だけ、ステップS23〜ステップS26の処理を繰り返す。

0046

即ち、ステップS22では、製造状態の最大数パラメータImaxに格納する。そして、更新の対象になっている製造状態を特定する。製造状態番号iは、Imax個ある製造状態のうち、更新の対象になっている製造状態を示す。

0047

ステップS23では、製造誤差の最大数をパラメータJmaxに格納する。このときの製造誤差は、更新の対象になっている製造状態に、付与されている製造誤差である。そして、更新の対象になっている製造誤差を特定する。製造誤差番号jは、Jmax個ある製造誤差のうち、更新の対象になっている製造誤差を示す。

0048

この製造誤差番号jは、以下の情報を有する。それは、製造誤差の種類、その製造誤差が付与されている光学パラメータの種類、及びその光学パラメータにおいて製造誤差が付与されている個所を示している。例えば下表3では、製造誤差番号1は、製造誤差がニュートン誤差で、ニュートン誤差が付与されているのは曲率半径で、ニュートン誤差は光学系の第1面に付与されていることを示している。
表3

0049

ステップ24では、製造誤差取得要件を取得し、保存する。この点について説明する。上述のように、製造誤差番号jは、製造誤差の種類、光学パラメータの種類、及び付与個所に関する情報を有している。よって、付与個所の情報から、その付与個所における光学パラメータの値(例えば、第1面の曲率半径rの値)を知ることができる。すなわち、製造誤差番号jの情報から、誤差テーブルを構成する製造誤差取得要件を取得することができる。

0050

ステップS25では、ステップ24で取得した製造誤差取得要件に基づいて、誤差量テーブルを参照する。参照により得られた誤差量を、新たな誤差量として付与する。すなわち、誤差量の更新を行なう。
ステップS26では、現在の誤差番号jに1を加算したものを、新たな誤差番号とする。そして、新たな誤差番号jが、誤差数Jmaxを上回るか否かを判断する。新たな誤差数jが誤差数Jmaxを上回ったときには、ステップS27の処理を行う。一方、上回らないときには、ステップS23からの処理を繰り返す。
ステップS27では、現在の製造状態番号iに1を加算したものを、新たな製造状態番号とする。そして、新たな製造状態番号iが、製造状態数Imaxを上回るか否かを判断する。新たな製造状態番号iが製造状態数Imaxを上回ったときには、ステップS28の処理を行う。一方、上回らないときには、ステップS22からの処理を繰り返す。

0051

次に、ステップS28において、新たに製造状態を作成するか否かを判断する。
製造状態を作成しない場合には、製造状態作成・更新処理を終了する。一方、製造状態を作成する場合には、ステップS29からの処理を行う。
ステップS29では、製造状態の雛型を作成する。ここで、製造状態の雛型とは、設計状態のコピーである。すなわち、製造状態の雛型における光学パラメータの値は、設計状態の光学パラメータの値と同一である。製造状態は、設計状態に製造誤差が加わったものである。そのため、設計状態が1つだと、製造誤差を加えることにより、設計状態がなくなってしまう。そこで、設計状態と同一の状態のもの、すなわち雛型を多数作成しておく。このようにしておけば、設計状態は必ず1つ残すことができる。

0052

次に、追加する誤差の種類と場所を設定し、製造誤差取得要件を取得、保存する(ステップS30)追加する誤差の種類と場所の設定には、上記表3を用いる。
次に、取得した製造誤差取得要件から誤差量テーブルを参照して誤差量を取得する。そして、誤差を製造状態の雛型における光学パラメータに付与し、これを現在の製造状態とする(ステップS31)。

0053

次に、現在の製造状態での光学パラメータにおいて、他の誤差を新たに追加するか否かを判断する(ステップS32)。
他の誤差を追加しない場合には、次のステップS33からの処理を行う。一方、他の誤差を追加する場合には、ステップS30に戻り、それ以降の処理を再度行う。
ステップS33では、更に新たな製造状態を作成する、すなわち別の製造状態を追加するか否かを判断する。
新たな製造状態を作成しない場合には、製造状態作成・更新処理を終了する。一方、新たな製造状態を作成する場合には、ステップS29に戻り、それ以降の処理を再度行う。
第3実施例の製造状態作成・更新処理手順によれば、既存の製造状態の更新と同時に、新たに製造状態を付与することを、効率的に行うことができ、設計の効率化を図ることができる。

0054

第4実施例
図4は、光学系の設計方法の第4実施例を示している。ここでは、製造誤差作成・更新ステップの具体的な処理手順を、フローチャートに示している。
本実施例の製造誤差作成・更新ステップでは、第3実施例とほぼ同様な処理手順となっている。ただ、第3実施例のステップS25に代えて、誤差量テーブルを記録した誤差DBを利用するステップ(ステップS25’)を用いている。
ステップS25’では、付与されている誤差の種類と箇所から、設計状態の製造誤差取得要件をデータベースに入力する。このようにすることで、付与すべき誤差量をデータベースより取得し、現在の誤差の値を更新する。
第4実施例の製造誤差作成・更新処理手順によれば、誤差量テーブルの参照を、コンピュータを利用して効率的に行うことができる。そのため、既存の製造状態の更新と同時に新たに製造状態を付与することが、より一層効率的に行うことができる。よって、光学系の設計の効率化を、より一層図ることができる。

0055

第5実施例
光学系の設計方法の第5実施例を示す。ここでは、製造誤差感度パラメータを求める場合の例を示している。本実施例では、設計状態N0と製造状態N1、N2がある場合に、製造誤差感度パラメータを求める例である。
まず、設計状態N0に対して、1,2,…,kの条件における光学性能y01,y02,…,y0kを求める。次に、製造状態N1、N2に対しても、設計状態N0と同様に、光学性能y11,y12,…,y1k,y21,y22,…,y2kを求める。これを一覧にすると、下表4のようなテーブルとなる。

0056

表4

なお、ここでの光学性能には、収差、スポットRMS、MTF、光強度などがある。また、条件付けには、FNO、NA、物体距離、像高などの条件がある。

0057

さて、このようなデータテーブルが作成された上で、次の諸パラメータを計算する。
L1=Σy0jy1j=y01y11+y02y12+…+y0ky1k
L2=Σy0jy2j=y01y21+y02y22+…+y0ky2k
r=Σy0j2=y012+y022+…+y0k2
ST=ΣΣyij2=y112+y122+…+y1k2+y212+y222+…+y2k2
Sβ=(L1+L2)2/2r
SN×β=(L12+L22)/r−Sβ
Se=ST−Sβ−SN×β
fe=2k−2
fN=2k−1
Ve=Se/fe
VN=(SN×β+Se)/fN
上記の諸パラメータから、製造誤差感度パラメータXを次のようにして求める。
X=10log{(Sβ−Ve)/VN}

0058

第6実施例
光学系の設計方法の第6実施例を示す。ここでも、製造誤差感度パラメータを求める場合の別の例を示している。
本実施例では、設計状態N0と製造状態N1、N2の状態がある。更に、製造状態N1、N2に付与されている誤差は、N1にはA+δ、N2にはA−δとなっている。このような場合に、製造誤差感度パラメータを求める例である。
まず、設計状態N0に対して、1,2,…,kの条件における光学性能y01,y02,…,y0kを求める。次に製造状態N1、N2に対しても、設計状態N0と同様に光学性能y’11,y’12,…,y’1k,y’21,y’22,…,y’2kを求める。これを一覧にすると、次の表5のようなテーブルとなる。

0059

表5

なお、ここでの光学性能には、収差、スポットRMS、MTF、光強度などがあり、条件付けには、FNO、NA、物体距離、像高などの条件がある。

0060

さて、このようなデータテーブルが作成された上で、次の諸パラメータを計算する。
L1=Σy0jy’1j=y01y’11+y02y’12+…+y0ky’1k
L2=Σy0jy’2j=y01y’21+y02y’22+…+y0ky’2k
r=Σy0j2=y012+y022+…+y0k2
ST=ΣΣy’ij2=y’112+y’122+…+y’1k2+y’212+y’222+…+y’2k2
Sβ=(L1+L2)2/2r
SN×β=(L12+L22)/r−Sβ
Se=ST−Sβ−SN×β
fe=2k−2
fN=2k−1
Ve=Se/fe
VN=(SN×β+Se)/fN
上記の諸パラメータから、製造誤差感度パラメータXを次のようにして求める。
X=10log{(Sβ−Ve)/VN}

0061

第7実施例
光学系の設計方法の第7実施例を示す。ここでも、製造誤差感度パラメータを求める場合の別の例を示している。
本実施例では、設計状態N0と製造状態N1がある場合に、製造誤差感度パラメータを求める例である。
まず、設計状態N0に対して、1,2,…,kの条件における光学性能y01,y02,…,y0kを求める。次に、製造状態N1に対しても、設計状態N0と同様に、光学性能y’11,y’12,…,y’1kを求める。製造状態N1では、A+δの誤差が付与されている。ここで、誤差量は微小なので、A−δの誤差を付与した場合の製造状態N2の性能を推定できる。よって、製造状態N2に対して、光学性能y”21,y”22,…,y”2kは、y”2j=2y02−y’1jとして求めることができる。これを一覧にすると、次の表6のようなテーブルとなる。

0062

表6

なお、ここでの光学性能には、収差、スポットRMS、MTF、光強度などがあり、条件付けには、FNO、NA、物体距離、像高などの条件がある。

0063

さて、このようなデータテーブルが作成された上で、次の諸パラメータを計算する。
L1=Σy0jy’1j=y01y’11+y02y’12+…+y0ky’1k
L2=Σy0jy”2j=y01y”21+y02y”22+…+y0ky”2k
r=Σy0j2=y012+y022+…+y0k2
ST=ΣΣyij2=y’112+y’122+…+y’1k2+y”212+y”222+…+y”2k2
Sβ=(L1+L2)2/2r
SN×β=(L12+L22)/r−Sβ
Se=ST−Sβ−SN×β
fe=2k−2
fN=2k−1
Ve=Se/fe
VN=(SN×β+Se)/fN
上記の諸パラメータから、製造誤差感度パラメータXを次のようにする。
X=10log{(Sβ−Ve)/VN}

課題を解決するための手段

0064

なお、本発明には以下の発明が含まれる。
(1)光学パラメータの値として、設計状態における値を設定する初期値設定ステップと、光学パラメータの値として、製造状態における値を設定する製造状態作成ステップと、製造状態を変数とする評価関数を作成する評価関数作成ステップと、評価関数を最適化しする最適化実行ステップとを備え、製造状態における値は、設計状態における値に、所定の誤差量を加えることにより設定されることを特徴とする光学系の設計方法。
(2)誤差量は、誤差量テーブルの値に基づいて決まることを特徴とする上記(1)に記載の光学系の設計方法。
(3)誤差量テーブルの値は、現実の製造能力に基づいて設定されていることを特徴とする上記(2)に記載の光学系の設計方法。
(4)誤差量テーブルは、製造誤差の種類と光学パラメータの種類の組み合わせで構成されていることを特徴とする上記(2)に記載の光学系の設計方法。
(5)製造誤差の種類は、ニュートン誤差、アス、肉厚誤差、ティルト偏心、シフト偏心のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする上記(2)に記載の光学系の設計方法。
(6)光学パラメータの種類は、曲率半径、レンズ厚、レンズ間隔のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする上記(2)に記載の光学系の設計方法。
(7)前記誤差テーブルにおいて、光学パラメータの取り得る範囲は、複数の数値区間に分かれていることを特徴とする上記(2)に記載の光学系の設計方法。
(8)複数の数値区間の各々に対して、誤差量が設定されていることを特徴とする上記(7)に記載の光学系の設計方法。
(9)製造状態更新ステップを更に備え、製造状態更新ステップは、設計状態における光学パラメータの値の変化に伴い、誤差量テーブルに基づいて新たな製造誤差に更新されることを特徴とする上記(1)に記載の光学系の設計方法。
(10)請求項1記載の光学系の設計方法を実行する演算部と、該演算に必要な情報を入力する入力部と、演算結果を出力する出力部と、演算結果を記憶する記憶部を備えることを特徴とする処理装置

図面の簡単な説明

0065

本発明の光学系の設計方法によれば、コンピュータで実行するのに好適で、諸収差などが補正され、製造誤差による光学系の性能の変化が発生しにくくなるようにして光学系の設計を効率よく行うことができる。

図1
本発明の光学系の設計方法の一実施形態及び本発明の光学系の設計方法の第1
実施例にかかる設計手順の全体を示すフローチャートである。
図2
本発明の光学系の設計方法の第2実施例にかかる最適化実施ステップの具体的
な処理手順を示すフローチャートである。
図3
本発明の光学系の設計方法の第3実施例にかかる製造状態作成・更新ステップ
の具体的な処理手順を示すフローチャートである。
図4
本発明の光学系の設計方法の第4実施例にかかる製造誤差作成・更新ステップの具体的な処理手順を示すフローチャートである。

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