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技術 スラグの粉化抑制方法

出願人 新日鐵住金株式会社
発明者 平井直樹湯木敏隆
出願日 2003年4月23日 (17年0ヶ月経過) 出願番号 2003-118805
公開日 2004年11月18日 (15年5ヶ月経過) 公開番号 2004-323281
状態 特許登録済
技術分野 セメント、コンクリート、人造石、その養正 セメント、コンクリート、人造石、その養生 金属の製造または精製
主要キーワード 各含有比率 酸化ケイ素含有量 酸化アルミニウム含有量 酸化ケイ素含有 粉化防止 粉化抑制 MgO含有物質 膨張崩壊
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2004年11月18日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (2)

課題

本発明は、スラグ粉化を抑制することを課題とし、スラグの有効利用を目的とする。

解決手段

酸化ケイ素酸化アルミニウム、および、酸化カルシウムを主成分とするスラグが、酸化ケイ素含有比率x(%)、酸化アルミニウム含有比率y(%)、酸化カルシウム含有比率z(%)の間に、式(1)の関係が成り立つスラグであって、該スラグを溶融状態から凝固させるに際し、該スラグの冷却速度V(℃/min)が、前記各成分の含有比率と式(2)の関係を満足する条件で冷却することを特徴とするスラグの粉化抑制方法である。z≧50、y>x、かつ、x+y+z=100 式(1)logV≧(10x−45)/(100−0.6x−y) 式(2)

概要

背景

酸化カルシウムおよび酸化ケイ素を主成分として含有するスラグでは、スラグ中酸化ケイ素含有量に対する酸化カルシウム含有量の比が大きくなると、スラグが粉化する場合がある。これは2CaO・SiO2(以下C2Sと略記する)が結晶転移により膨張崩壊することに起因するものと考えられている(例えば、非特許文献1参照。)。粉化したスラグは利用価値が低いため、粉化防止対策が課題となっている。

概要

本発明は、スラグの粉化を抑制することを課題とし、スラグの有効利用を目的とする。酸化ケイ素、酸化アルミニウム、および、酸化カルシウムを主成分とするスラグが、酸化ケイ素含有比率x(%)、酸化アルミニウム含有比率y(%)、酸化カルシウム含有比率z(%)の間に、式(1)の関係が成り立つスラグであって、該スラグを溶融状態から凝固させるに際し、該スラグの冷却速度V(℃/min)が、前記各成分の含有比率と式(2)の関係を満足する条件で冷却することを特徴とするスラグの粉化抑制方法である。z≧50、y>x、かつ、x+y+z=100 式(1)logV≧(10x−45)/(100−0.6x−y) 式(2)

目的

本発明は、上記課題を解決するスラグの粉化抑制方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

酸化ケイ素酸化アルミニウム、および、酸化カルシウムを主成分とするスラグが、酸化ケイ素含有比率x(%)、酸化アルミニウム含有比率y(%)、酸化カルシウム含有比率z(%)の間に、式(1)の関係が成り立つスラグであって、該スラグを溶融状態から凝固させるに際し、該スラグの冷却速度V(℃/min)が、前記各成分の含有比率と式(2)の関係を満足する条件で冷却することを特徴とするスラグの粉化抑制方法。z≧50、y>x、かつ、x+y+z=100式(1)logV≧(10x−45)/(100−0.6x−y)式(2)

技術分野

0001

本発明は、スラグ粉化を抑制する技術に関し、さらには、スラグの資源化利用技術に関する。

0002

酸化カルシウムおよび酸化ケイ素を主成分として含有するスラグでは、スラグ中酸化ケイ素含有量に対する酸化カルシウム含有量の比が大きくなると、スラグが粉化する場合がある。これは2CaO・SiO2(以下C2Sと略記する)が結晶転移により膨張崩壊することに起因するものと考えられている(例えば、非特許文献1参照。)。粉化したスラグは利用価値が低いため、粉化防止対策が課題となっている。

0003

これに対して、従来から、C2Sに適当な物質固溶体等の形態で取り込むと、結晶転移が抑制され粉化が起こらないことが知られており、従来のスラグの粉化抑制方法としては、溶融スラグへ各種物質を添加混合する方法が一般的であった。

0004

例えば、硼素含有物を添加する方法が知られている(例えば、特許文献1〜3参照。)。また、燐酸塩含有物質を添加する方法が知られている(例えば、特許文献4参照。)。さらに、アルカリ金属化合物を添加する方法(例えば、特許文献5参照。)、MgO含有物質を添加する方法が知られている(例えば、特許文献6参照。)。

0005

また、スラグ中の酸化ケイ素含有量に対する酸化カルシウム含有量の比を下げて、C2Sの生成を抑制する方法も提案されている。例えば、SiO2を含有する砂を(例えば、特許文献7参照。)、長石粒子などを(例えば、特許文献8参照。)、それぞれスラグ中に添加することによりC2Sの生成を抑制する方法が開示されている。

0006

しかしながら、凝固し易い溶融スラグに添加物を均一に混合することは困難であり、上記従来法によるスラグの粉化抑制の歩留まりはあまり高くない。また、精錬する金属の品質への影響を避けるために、精錬炉からスラグを排出して混合しようとすると、スラグの温度が低下して更に混合が困難となって、効率的な粉化抑制ができないという問題があった。また、急冷による粉化抑制効果は、従来から知られていたが、スラグによって異なる結果が得られることに対する定量的な知見がなく、実用に供されていなかった。

背景技術

0007

【非特許文献1】
荒井康夫著;セメントの材料化学
【特許文献1】
特開平01−37444号公報
【特許文献2】
特開平01−259114号公報
【特許文献3】
特公平07−14828号公報
【特許文献4】
特開昭59−13651号公報
【特許文献5】
特開平05−139794号公報
【特許文献6】
特開2001−164313号公報
【特許文献7】
特開昭60−235750号公報
【特許文献8】
特開平04−292444号公報

発明が解決しようとする課題

0008

本発明は、上記課題を解決するスラグの粉化抑制方法を提供することを目的とする。

0009

本発明者らは、特願2002−144462号において、スラグの粉化抑制方法を提案した。該抑制方法は、スラグ構成物質のうちの、酸化カルシウム含有量((%CaO)と記す)、酸化ケイ素含有量((%SiO2)と記す)、および、鉄化合物として存在する鉄の含有量((%Fe)と記す)と、溶融スラグの冷却速度V(℃/秒)との間に、下記の関係式(3)が成り立つ場合に、スラグの粉化が抑制できるという知見に基づき、溶融スラグの冷却凝固速度を制御する方法である。

0010

logV≧2.5×[(%CaO)−(%Fe)]/(%SiO2)−2.8 式(3)
該発明は、粉化に影響する化学成分として、酸化カルシウム、酸化ケイ素、および酸化鉄の3成分のみを対象にし、好ましくは該3成分の合計が70質量%以上のスラグに対して効果的に適用できる方法である。

0011

しかし、本発明者らが、さらに検討を行ったところ、鉄分が少なく、かつ、前記3成分の合計が70質量%未満であり、鉄分に代わって酸化アルミニウムと酸化カルシウム、酸化ケイ素が主成分であるスラグでは、前記式(3)よりも緩慢な冷却速度で粉化抑制が可能な場合があることを見出した。

0012

そこで、本発明者らは、特に、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、および酸化カルシウムを主成分として含有するスラグに対する、スラグの粉化抑制方法について検討を行った。その結果、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、および酸化カルシウムを主成分として含有するスラグにおいては、スラグの粉化原因となるC2Sと酸化アルミニウムの化合がC2Sの安定性に影響を与えることを見出した。

0013

そして、本発明者らは、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、および酸化カルシウムを主成分として含有するスラグにおいて、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化カルシウムの各々の含有量(質量%)の総和を100とし、さらに、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化カルシウムの各々の含有比率(%)をx、y、zとした場合に下式(1)の関係が成り立つスラグにおいて、前記各成分の含有比率、溶融スラグの冷却速度V(℃/min)、およびスラグの粉化性との間には関連があることを見出し、下記の関係式(2)が成り立つ場合に、スラグの粉化が抑制できることを明らかにした。

0014

z≧50、y>x、かつ、x+y+z=100 式(1)
logV≧(10x−45)/(100−0.6x−y) 式(2)
図1には、式(2)の左辺縦軸に、右辺横軸にとり、両者の関係をプロットした図を示す。図中の直線は、式(2)において(左辺)=(右辺)となる境界線を示す。図中の〇は固化、●は粉化したことを示す。図からわかるように、境界線以上の冷却速度ではスラグは固化するが、境界線未満の冷却速度ではスラグは粉化する。

0015

本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、その要旨は、以下のとおりである。

0016

(1)酸化ケイ素、酸化アルミニウム、および、酸化カルシウムを主成分とするスラグが、酸化ケイ素含有比率x(%)、酸化アルミニウム含有比率y(%)、酸化カルシウム含有比率z(%)の間に、式(1)の関係が成り立つスラグであって、該スラグを溶融状態から凝固させるに際し、該スラグの冷却速度V(℃/min)が、前記各成分の含有比率と式(2)の関係を満足する条件で冷却することを特徴とするスラグの粉化抑制方法である。

課題を解決するための手段

0017

z≧50、y>x、かつ、x+y+z=100 式(1)
logV≧(10x−45)/(100−0.6x−y) 式(2)

0018

本発明を詳細に説明する。

0019

本発明法が対象とするスラグは、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、および酸化カルシウムを主成分として含有するスラグであり、これら3成分の含有量の総和は85%以上である。またさらに、スラグ中の酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化カルシウムの各々の含有量(質量%)の総和を100とし、さらに、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化カルシウムの各々の含有比率(%)をx、y、zとした場合に、上式(1)の関係が成り立つスラグである。

0020

本発明法は、上述のように、上記関係式(2)を満たす冷却速度で溶融スラグを冷却することにより、スラグの粉化を防止する方法である。上限値は、特に限定はないが、好ましくは1200℃/minである。1200℃/minで冷却できれば、式(1)の範囲にある全てのスラグの粉化を防止できる。

0021

ところで、急冷による粉化抑制効果は、従来から知られてはいるものの、より緩慢な冷却速度で粉化抑制できれば、設備的にも操業的にも好ましい。対する本発明は、スラグの粉化原因はC2Sにあることから、本発明者らが、改めてスラグの化学成分の観点から粉化性について調査した結果、酸化ケイ素が少ない組成のスラグでは除冷しても粉化せず、一方、酸化ケイ素が多くなると粉化するという知見を得た。さらに、酸化ケイ素含有量が同程度のスラグを比較した場合、酸化アルミニウム含有量が多いほど粉化し難い傾向があるという知見を得た。

0022

すなわち、本発明者らは、上式(1)の関係が成り立つスラグにおいては、除冷しても粉化しないという知見を得たのであり、これらの本発明者らが得た知見は、酸化ケイ素含有量を増加させることによりスラグの粉化を抑制するという、従来技術の考え方とは異なるものである。さらに、上式(1)の関係が成り立つスラグについて、酸化ケイ素の減少と酸化アルミニウムの増加の粉化性への寄与を考慮して、粉化抑制可能な冷却速度の下限を鋭意調査した結果、式(2)を導出するに至った。

0023

なお、溶融スラグの冷却において、溶融スラグの一部が凝固し始めている状態では冷却速度を均一にすることが困難になるため、本発明法では、スラグをできる限り十分に溶融した状態から行うことが好ましい。より好ましくは、酸化アルミニウムがC2Sと化合しない1550℃以上である。

0024

本発明に係る冷却方法は、従来のいかなる方法でも利用可能であり、上述の本発明法において必要とする冷却速度が得られる方法であれば特に限定はない。

0025

冷却速度が約5℃/min程度までならば、にそのまま放流したり、鉄板上に溶融スラグを薄く放流して散水したりする方法を用いることができる。その際に、スラグの放流塊の大きさ、厚み、散水量、および鉄板を水冷するなどの条件を調整することで、上記関係式(2)を満たす冷却速度に制御する。

0026

冷却速度を約5℃/min程度より速くする場合には、回転ドラムに溶融スラグを流下してはじき飛ばして微粒化する方法、または、風砕方法や水砕方法を用いることができる。前者の方法では、回転ドラムの回転数や溶融スラグの流下速度飛散スラグへの散水量などを制御することで、上記関係式(2)を満たす冷却速度に制御する。後者の方法では、風量または水量や風速または水流速度、水温などを制御することで、上記関係式(2)を満たす冷却条件に制御する。

0027

【実施例】
以下に本発明の実施例を示すが、本発明は実施例に限定されるものではない。

0028

表1に示すような、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、および酸化カルシウムを主成分として含有し、鉄化合物を微量含有するスラグ1〜12を用いた。鉄化合物含有量は、全鉄(t−Fe)含有量として示している。鉄分は、ほぼ酸化鉄であるが含有量は相対的に少ない。

0029

スラグ1〜12について、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、および酸化カルシウムの各含有量(質量%)の総和を100とし、さらに、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、および酸化カルシウムの各含有比率(%)をx、y、zとした場合の、これらの値を算出し、これらの値に基づいて上記関係式(2)を満たす冷却速度の範囲を求め、後述の方法により、前記冷却速度範囲において冷却を行ったスラグを実施例1〜12とし、前記冷却速度範囲外で冷却を行ったスラグを比較例1〜8とした。

0030

スラグは、冷却開始前に約1550℃で十分溶融した。この溶融状態から、冷却速度として約3、10、30、60、100、300℃/minで冷却処理を行った。冷却制御は、冷却処理の下限温度を500℃目安として、冷却開始時のスラグ温度から約500℃までの平均冷却速度で制御した。即ち、約500℃になるまでの時間を制御した。

0031

具体的な処理は、冷却速度が約3℃/minの場合には、鉄板上に薄く放流して散水しながら調整した。冷却速度が約10、30、60、100、300℃/minの場合には、回転ドラムでスラグを微粒化しながら散水量を調整して冷却速度を制御した。

0032

表2に結果を示す。実施例1〜12においてスラグは固化したが、比較例1〜8ではスラグは粉化した。

0033

【表1】

発明を実施するための最良の形態

0034

【表2】

図面の簡単な説明

0035

本発明により、スラグの粉化抑制が可能であり、さらに、従来、粉化のために用途のなかったスラグも、固化されたことで路盤材等に有効活用できるようになった。

図1
スラグ成分と冷却速度による固化/粉化特性の関係を示す図である。

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