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技術 発酵調味料

出願人 株式会社MizkanJplusHoldings株式会社ミツカンナカノス
発明者 水野克彦
出願日 2003年4月4日 (16年10ヶ月経過) 出願番号 2003-101272
公開日 2004年11月4日 (15年3ヶ月経過) 公開番号 2004-305063
状態 特許登録済
技術分野 酒類 調味料
主要キーワード 分解溶出 水溶成分 呈味効果 精白歩合 遊離アミノ酸濃度 クエン酸含量 クエン酸濃度 出来高
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2004年11月4日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

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課題

りん発酵調味料を煮きった状態のようにアルコールが低い状態でありながら、矯臭効果に優れ、後味のすっきりした香味を有すると共に、時間経過による褐変を著しく抑制した発酵調味料を提供することを目的とする。

解決手段

みりんと梅果実水溶性成分と水とを主成分とする発酵調味料であって、みりんとして遊離アミノ酸含量が20〜150mg%のものを用い、梅果実水溶性成分としてクエン酸含量が3質量/容量%以上のものを用い、かつ、発酵調味料中のクエン酸含量が0.115〜0.161質量/容量%であり、発酵調味料中のアルコール濃度が2.5〜6.0容量/容量%である発酵調味料を提供する。

概要

背景

従来から、みりん発酵調味料は、甘味コクやてり・つやを付与する調味料として料理に使われている。これらの調味料は調味目的に加え、肉やの生臭み調理加熱時にアルコールと共に飛ばす効果が期待され使用される。アルコールとしては、他に清酒ワインなども同様に肉や魚の生臭みの除去のために用いられている。
しかしながら、アルコール自体は調味には必ずしも必要ではなく、残留した場合はアルコールの苦味があり、おいしく食すことができない。そのため一般家庭飲食店ではアルコールの残留をさけるため、予め余分なアルコールを煮きって使用される場合があるが、この場合マスキング効果は低下する。煮詰めてアルコールを飛ばしたみりん・発酵調味料は、アルコール分が低いため、矯臭効果後味のすっきりさに乏しいものであった。
従って、予め低アルコールとしたみりんが提案されてはいるものの、このようにマスキング効果が必ずしも充分ではないことから、その改善が求められていた。

概要

みりん・発酵調味料を煮きった状態のようにアルコールが低い状態でありながら、矯臭効果に優れ、後味のすっきりした香味を有すると共に、時間経過による褐変を著しく抑制した発酵調味料を提供することを目的とする。みりんと梅果実水溶性成分と水とを主成分とする発酵調味料であって、みりんとして遊離アミノ酸含量が20〜150mg%のものを用い、梅果実水溶性成分としてクエン酸含量が3質量/容量%以上のものを用い、かつ、発酵調味料中のクエン酸含量が0.115〜0.161質量/容量%であり、発酵調味料中のアルコール濃度が2.5〜6.0容量/容量%である発酵調味料を提供する。 なし

目的

本発明は、このような従来技術の欠点を解消し、みりん・発酵調味料を煮きった状態のようにアルコールが低い状態でありながら、矯臭効果に優れ、後味のすっきりした香味を有すると共に、時間経過による褐変を著しく抑制した発酵調味料を提供することを目的とするものである。
即ち、本発明は、魚類肉類などの加工食品、例えば煮魚などの加工食品の調味用として用いられ、不快な臭いを消す作用をし、全体に深みのある酸味塩味旨みを付与することのできる発酵調味料を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、梅果実水溶性成分を含有しているにもかかわらず、時間経過による褐変の進行が抑制された発酵調味料を提供することを目的とするものである。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

りん梅果実水溶性成分と水とを主成分とする発酵調味料であって、みりんとして遊離アミノ酸含量が20〜150mg%のものを用い、梅果実水溶性成分としてクエン酸含量が3質量/容量%以上のものを用い、かつ、発酵調味料中のクエン酸含量が0.115〜0.161質量/容量%であり、発酵調味料中のアルコール濃度が2.5〜6.0容量/容量%である発酵調味料。

請求項2

梅果実水溶性成分が、梅果実塩漬け浸透圧により溶出させた液、或いは、梅果実を搾した液である請求項1記載の発酵調味料。

技術分野

0001

本発明は、みりん梅果実水溶性成分と水とを主成分とする発酵調味料に関するものである。

0002

従来から、みりん・発酵調味料は、甘味コクやてり・つやを付与する調味料として料理に使われている。これらの調味料は調味目的に加え、肉やの生臭み調理加熱時にアルコールと共に飛ばす効果が期待され使用される。アルコールとしては、他に清酒ワインなども同様に肉や魚の生臭みの除去のために用いられている。
しかしながら、アルコール自体は調味には必ずしも必要ではなく、残留した場合はアルコールの苦味があり、おいしく食すことができない。そのため一般家庭飲食店ではアルコールの残留をさけるため、予め余分なアルコールを煮きって使用される場合があるが、この場合マスキング効果は低下する。煮詰めてアルコールを飛ばしたみりん・発酵調味料は、アルコール分が低いため、矯臭効果後味のすっきりさに乏しいものであった。
従って、予め低アルコールとしたみりんが提案されてはいるものの、このようにマスキング効果が必ずしも充分ではないことから、その改善が求められていた。

0003

一方、肉や魚に梅肉梅酢まぶして料理すると、臭みも取れて風味よく仕上がることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
そこで、梅干しや梅肉をみりんや発酵調味料に配合することが考えられる。
しかしながら、梅干しや梅肉をみりんや発酵調味料に配合することは液体固形物ペーストを混合するため均一化が難しい。
また、梅の主成分である食品添加物クエン酸を使用することは、昨今の添加物削減ニーズ合致しておらず、しかも通常の方法で製造されたみりんに対してクエン酸を添加する方法は、醸造製品性格上、好ましい方法ではない。
さらに、液体である梅酢を使用する場合も、梅酢のばらつきなどを考慮し使用する必要があり、使用は難しかった。

0004

そこで、みりん・発酵調味料と液体である梅酢とを配合することが考えられるが、みりん・発酵調味料に梅酢を混合しておくと、時間経過と共に著しく褐変してしまうという問題点があった。
即ち、梅酢を配合したみりん・発酵調味料は褐変の進行が速く、発酵調味料商品として価値がなかった。

背景技術

0005

【非特許文献1】
「梅干し健康料理」第2頁、平成8年11月25日、株式会社グラフ発行マイライフシリーズNo.390)

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、このような従来技術の欠点を解消し、みりん・発酵調味料を煮きった状態のようにアルコールが低い状態でありながら、矯臭効果に優れ、後味のすっきりした香味を有すると共に、時間経過による褐変を著しく抑制した発酵調味料を提供することを目的とするものである。
即ち、本発明は、魚類肉類などの加工食品、例えば煮魚などの加工食品の調味用として用いられ、不快な臭いを消す作用をし、全体に深みのある酸味塩味旨みを付与することのできる発酵調味料を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、梅果実水溶性成分を含有しているにもかかわらず、時間経過による褐変の進行が抑制された発酵調味料を提供することを目的とするものである。

0007

本発明者は、上記課題を解決するため検討を重ねた結果、白梅酢に代表される梅果実水溶性成分を、低アルコール、かつ、低遊離アミノ酸含量みりんに、適切な割合で配合することにより、矯臭効果に優れ、後味のすっきりした香味を持つと共に、褐変を著しく抑制した発酵調味料が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに到った。

課題を解決するための手段

0008

即ち、請求項1に係る本発明は、みりんと梅果実水溶性成分と水とを主成分とする発酵調味料であって、みりんとして遊離アミノ酸含量が20〜150mg%のものを用い、梅果実水溶性成分としてクエン酸含量が3質量/容量%以上のものを用い、かつ、発酵調味料中のクエン酸含量が0.115〜0.161質量/容量%であり、発酵調味料中のアルコール濃度が2.5〜6.0容量/容量%である発酵調味料を提供するものである。
また、請求項2に係る本発明は、梅果実水溶性成分が、梅果実塩漬け浸透圧により溶出させた液、或いは、梅果実を搾した液である請求項1記載の発酵調味料。

0009

以下、本発明について詳細に説明する。
請求項1に係る本発明の発酵調味料は、みりんと梅果実水溶性成分と水とを主成分とするものである。この他、発酵調味料ということから食塩が含まれており、さらには糖類などが添加されている。
請求項1に係る本発明においては、みりんとして遊離アミノ酸含量が20〜150mg%のもの、つまり低遊離アミノ酸含量のみりんが用いられる。
ここでみりんの遊離アミノ酸含量が20mg%未満であると、みりんのうまみが著しく欠落したものとなる。
一方、みりんの遊離アミノ酸含量が150mg%を超えたものであると、褐変を抑制することができない。

0010

みりんの製造方法としては、蒸煮した粳米原料米)と、黄麹菌アスペルギルスオリゼ(Aspergillus oryzae)を用いて調製した米麹に、焼酎又はアルコールを加えた仕込醪を発酵熟成させて、原料米中の成分を分解溶出させたみりん醪を圧搾して得られた圧搾液を、火入れ滓下げ処理を施して製品とする方法が基本的なものである。
この場合の米麹の使用量(麹歩合)は、粳米の6〜15質量/質量%程度が普通であり、これ以上に多量の米麹を使用すると、みりんを加熱した際に生じる煮切り滓が発生するなどの弊害がでることが知られている。
一方、上記のみりん醪に、水飴澱粉加水分解物)などの糖液を加えて3倍量までの範囲で増量した後、圧搾して得られた圧搾液を、火入れ、滓下げ処理を施して製品とする増醸みりんも知られている。
みりんの成分は、エキス分が40質量/容量%以上であり、アルコール濃度は15容量/容量%前後で、全遊離アミノ酸濃度は450〜720mg質量/容量%であるのが一般的であるが、増醸みりんにおいては、エキス分とアルコール濃度は増醸しないみりんとほぼ同様であるが、遊離アミノ酸などの他の成分は、増量倍率に応じて低下しているのが普通である。
つまり、増醸みりんにおける遊離アミノ酸濃度は、150〜240mg質量/容量%であるのが一般的である。みりん中の遊離アミノ酸は旨味付与や呈味効果発現するのに関与しており、従来のみりんに対して、遊離アミノ酸の濃度を高める研究はされているが、遊離アミノ酸を低下させる新規みりんの検討はされていない。
みりんの遊離アミノ酸は、原料米に含まれるたんぱく質が米麹中のプロテアーゼやペプチターゼの酵素反応により分解することや、米麹自身の自己消化によって生成される。
従って、この遊離アミノ酸含量は、原料米や糖化熟成条件の影響を受ける。本発明における低アミノ酸含量みりんは、特に糖化・熟成期間が重要であり、糖化・熟成期間を25〜30℃、30日にて製造し、アミノ酸含量が20〜150mg質量/容量%とした。
アミノ酸含量が20〜150mg質量/容量%であればよく、糖化・熟成温度、期間を限定するものではない。
なお、一般的なみりんの糖化・熟成期間は20〜30℃にて40〜60日間であり、本発明では糖化・熟成期間を1/2程度にすることでアミノ酸生成を抑制し、梅果実水溶性成分(梅酢)と混合したときの褐変を著しく抑制することができた。
本発明においては、このような低アミノ酸含量をそのまま用いることもできるが、通常は、このような低アミノ酸含量のみりんに酒法上の不可飲措置に合致した白塩を規定量添加して得られる低アミノ酸含量塩みりんを用いる。なお、このような低アミノ酸含量塩みりんを用いない場合には、その製造工程中において白塩を規定量添加し酒税法上の不可飲措置に合致させておくことにより、発酵調味料とする。

0011

次に、請求項1に係る本発明においては、梅果実水溶性成分としてクエン酸含量が3質量/容量%以上のものが用いられる。
ここで梅果実水溶性成分とは、請求項2に記載したように、梅果実を塩漬けし浸透圧により溶出させた液、或いは、梅果実を搾汁した液を指す。

0012

前者の梅果実を塩漬けし浸透圧により溶出させた液とは、例えば青梅:食塩を5:1〜3.5:1の割合で5日以上塩漬けし、浸透圧により水溶性成分を出させたものである。梅成分の溶出速度は、梅の熟し度合い・仕込み重量気温など様々な条件で影響を受ける。使用する梅は、真っ青の若いものは不適切で少し黄ばんだ熟れたものが適切である。溶出期間は5日〜1ヶ月の多岐にわたる。溶出した水溶性成分の主成分はクエン酸であり、梅から抽出された成分の指標クエン酸濃度を指標とし、後述するように、クエン酸濃度が3質量/容量%以上になった時点が溶出完了の指標とされる。
このときの食塩濃度は16〜21%が一般的であるが、菌汚染を受けないように工夫して製造された食塩濃度16%未満の低塩梅酢でも差し支えない。この溶出した液(梅酢)は混濁しているので、ケイソウ土ろ過により清澄にしたもの(白梅酢)を用いることが好ましい。

0013

後者の梅果実を搾汁した液とは、通常は熟した梅果実を搾汁した液である。梅から搾汁された成分の指標はクエン酸濃度を指標とし、後述するように、クエン酸濃度が3質量/容量%以上になった時点が溶出完了の指標とされる。

0014

このような梅果実水溶性成分のクエン酸含量が3質量/容量%未満であると、肉や魚の生臭み等を充分に抑制することができない。
しかしながら、請求項1に係る本発明においては、梅果実水溶性成分としてクエン酸含量が3質量/容量%以上のものを用いただけでは足りず、さらに発酵調味料中のクエン酸含量が0.115〜0.161質量/容量%であることが必要である。ここで発酵調味料中のクエン酸含量が0.115質量/容量%未満であると、肉や魚の生臭み等を充分に抑制することができない。一方、発酵調味料中のクエン酸含量が0.161質量/容量%を超えると、酸味が残留し、食味の点から好ましくない。

0015

なお、梅果実水溶性成分の代わりにレモン汁液を用いた場合には、たとえレモン搾汁液のクエン酸含量が3質量/容量%以上であり、かつ、発酵調味料中のクエン酸含量が0.115〜0.161質量/容量%の範囲であったとしても、肉や魚の生臭み等を充分に抑制することができなかったり、或いは酸味が残留したりして食味上不適切であったりして、いずれも本発明の目的を達成することはできない。

0016

さらに、請求項1に係る本発明においては、発酵調味料中のアルコール濃度が2.5〜6.0容量/容量%であることが必要である。
ここで発酵調味料中のアルコール濃度が2.5容量/容量%未満であると、アルコール濃度が低過ぎ、アルコールと共に肉や魚の生臭み等を飛ばすことができない。
一方、発酵調味料中のアルコール濃度が6.0容量/容量%を超えると、アルコールの苦味が残留し、食味の点から好ましくない。

0017

請求項1に係る本発明の発酵調味料は、上記した如きものである。
このような請求項1に係る本発明の発酵調味料は、例えばみりんに梅果実水溶性成分と、さらに必要に応じて水、糖類、食塩を加えることにより製造することができるが、みりんの製造工程中において、梅果実水溶性成分を加えることによって製造することもできる。

0018

【実施例】
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

0019

製造例1(低遊離アミノ酸含量塩みりんの製造)
精白歩合80%の粳米1Kgを、常法により洗米、浸漬、水切りした後、常圧で20分間蒸煮し、次いで放冷し、さらにこの蒸米に対して黄麹菌(Aspergillus oryzae)を0.1重量/重量%の割合で接種し、30℃で43時間培養して黄麹1.15Kgを得た。
一方、精白歩合85%の糯米2Kgを常法により洗浄した後、30℃の水に15時間浸漬し、水切りした。その後蒸煮して得た蒸煮糯米に、上記黄麹300g及び37.8容量/容量%濃度でアルコールを含有する水1500mlを加えて調製した仕込醪を、25〜30℃で30日間分解・熟成し、みりん醪を得た。得られたみりん醪に水あめ6kgを加えた増醸みりんを、白塩により不可飲処置し圧搾、滓引きして、塩みりんを調製した。
なお、遊離アミノ酸含量は、分解・熟成温度をふって複数試作し、できてきたみりん醪のアミノ酸含量を測定し調整した。

0020

このようにして製造した低遊離アミノ酸含量塩みりんの成分組成は、アルコール:15.0容量/容量%、全糖:44.4質量/容量%、直糖:35.7質量/容量%、遊離アミノ酸含量:100質量/容量mg%、pH:5.7、エキス:48.5質量/容量%であった。

0021

製造例2〔梅果実水溶性成分(白梅酢)の製造〕
833gの青梅を167gの食塩に1ヶ月塩漬けし、浸透圧により水溶成分を溶出させた。梅果実水溶性成分の主成分はクエン酸であるので、クエン酸濃度を梅果実水溶性成分の溶出指標とし、クエン酸3.0質量/容量%を上回っていることを確認し使用した。この溶出した液は混濁しているので、ケイソウ土ろ過により清澄にしたものを白梅酢とし試験に用いた。
このようにして製造した梅果実水溶性成分(白梅酢)の成分組成は、食塩:16.1質量/容量%、クエン酸:4.6質量/容量%、Brix:25.0、遊離アミノ酸含量:45質量/容量mg%であった。

0022

試験例1(試験1〜8)
製造例1で得られた低遊離アミノ酸含量塩みりんと、製造例2で得られた梅果実水溶性成分とを、第1表のように種々配合し、出来高を水で100Lとし発酵調味料を得た。製品(発酵調味料)中のアルコール濃度、クエン酸含量は第1表に示すとおりであった。
次に、得られた製品(発酵調味料)を用いて煮物調味液を作成し、煮魚を調理し、調理前のトリメチルアミン含量を100%とし、調理後に何%のトリメチルアミン(TMA)が残留しているかを分析することにより、矯臭効果を評価した。煮魚の調理を行った際のトリメチルアミン残存率が30%程度以下であれば、臭み消し効果は充分であり、それよりトリメチルアミン残存率が高いと、臭みが感じられる。
結果を第1表に示す。
なお、煮物調味液の配合比は、醤油:30%、砂糖:10%、水:35%、発酵調味料:25%であった。また、煮魚の調理方法は、上記煮物調味液を煮立たせ、煮物調味液と同質量のさばを入れ、全体質量の7割まで煮込んで、調理終了とした。

0023

【表1】
第1表

0024

〔第1表の脚注
*1:酸味が残留しており、食味上不適切。
*2:アルコールの苦味が残留しており、食味上不適切。

0025

第1表によれば、試験1(対照区)のように製品(発酵調味料)中のアルコール濃度が2.0容量/容量%と低過ぎる場合、アルコールと共に魚の生臭みを飛ばすことができず、トリメチルアミン残存率が高かった。
試験2(対照区)のように、製品(発酵調味料)中のアルコール濃度は2.5容量/容量%であるものの、製品(発酵調味料)中のクエン酸含量が0.092質量/容量%と低過ぎる場合、魚の生臭みをマスクすることができず、トリメチルアミン残存率が高かった。
これに対して、試験3〜6(本発明区)のように、製品(発酵調味料)中のアルコール濃度が2.5容量/容量%〜6.0容量/容量%であり、かつ、製品(発酵調味料)中のクエン酸含量が0.115〜0.161質量/容量%である場合には、トリメチルアミン残存率が低く、煮魚の調味料として用いた場合、その矯臭効果で不快な臭いが消され、全体に深みのある味が煮魚に付与されたものであった。
一方、試験7(対照区)のように、製品(発酵調味料)中のクエン酸含量が0.184質量/容量%と高過ぎる場合、酸味が強く感じられ、食味上不適切なものであった。
また、試験8(対照区)のように、製品(発酵調味料)中のアルコール濃度が6.5容量/容量%と高過ぎる場合、アルコールの苦味が残留しており、食味上不適切なものであった。
なお、試験3〜6の製品(発酵調味料)は、梅酢の酸味、塩味成分と、みりんの糖化成分の深みのある味に加味する、酸味、塩味とを持ち、後味のすっきりしたものであった。

0026

従って、製品(発酵調味料)中のアルコール濃度が2.5容量/容量%〜6.0容量/容量%であり、かつ、製品(発酵調味料)中のクエン酸含量が0.115〜0.161質量/容量%であることが必要であることが分かった。

0027

試験例2(遊離アミノ酸含量が褐変に及ぼす影響)
(1)発酵調味料の製造
製造例1と同様にして、各種遊離アミノ酸含量の塩みりん醪を調製し、この塩みりん醪20Lに、製造例2で得られた梅果実水溶性成分(白梅酢)を所定量配合し、出来高を水で100Lとし、アルコール濃度が3.0容量/容量%の発酵調味料を得た。
なお、塩みりん醪由来の遊離アミノ酸含量は、20mg%、150mg%、200mg%の3濃度域とした。遊離アミノ酸含量の調整は、分解・熟成温度をふって複数試作し、できてきた塩みりん醪のアミノ酸含量を測定し調整した。

0028

(2)褐変度合いの測定と評価
得られた発酵調味料を30℃で3ヶ月間保存し、褐変度合いの測定と評価を行った。褐変度合いの測定と評価は、420nmにおける吸光度を経時的に測定し、次の判定基準で評価することにより行った。

0029

・褐変度合いの判定基準:30℃で3ヶ月保存時までの間において、420nmにおける吸光度が0.30を超えるものは商品として不適切である。

0030

【表2】
第2表

0031

第2表に示すように、塩みりん醪由来の遊離アミノ酸含量が150mg%を超えたものでは、30℃で3ヶ月保存時において、420nmにおける吸光度が0.321と0.30を超えており、商品の褐変が著しく商品価値のない品質のものであった。
この場合、梅果実水溶性成分(白梅酢)の配合量を減らすことは、必ずしも褐変抑制に効果的ではなかった。

0032

製造例3(レモン搾汁液の製造)
108gのレモンを6等分のくし切りにし、手で汁が出なくなるまで絞った。タネは取り除き、33gのレモン搾汁液を得た。このレモン搾汁液のクエン酸濃度は9.2質量/容量%であった。

0033

試験例3(試験9〜11)
試験例1において、製造例2で得られた梅果実水溶性成分の代わりに、製造例3で得られたレモン搾汁液を第3表に示す量用いたこと以外は、試験例1と同様にして行い、発酵調味料を得た。製品(発酵調味料)中のアルコール濃度、クエン酸含量は第3表に示すとおりであった。
得られた製品(発酵調味料)のトリメチルアミン残存率を第3表に示す。

0034

【表3】
第3表

0035

〔第3表の脚注〕
*1:酸味が残留しており、食味上不適切。

発明を実施するための最良の形態

0036

第3表によれば、試験9(対照区)のように、製造例2で得られた梅果実水溶性成分の代わりに、製造例3で得られたレモン搾汁液を用いた場合、クエン酸含量が0.115質量/容量%において、マスキングはできるものの、味覚的に酸味が残留しており、食味上不適切であった。
そこで、試験10(対照区)のように、酸味を感じないようにレモン搾汁液の使用量を減らし、クエン酸含量を0.092質量/容量%とすると、マスキング効果を発揮することができなかった。
さらに、試験11(対照区)のように、レモン搾汁液由来のクエン酸含量を酸味を感じない0.092質量/容量%に減らし、アルコール濃度を6.0容量/容量%に増加しても、マスキング効果に変化はなく、マスキング効果を発揮することができなかった。

発明の効果

0037

本発明によれば、みりん・発酵調味料を煮きった状態のようにアルコールが低い状態でありながら、矯臭効果に優れ、後味のすっきりした香味を有すると共に、時間経過による褐変を著しく抑制した発酵調味料が提供される。
即ち、本発明の発酵調味料は、魚類や肉類などの加工食品、例えば煮魚などの加工食品の調味用として用いられ、不快な臭いを消す作用をし、全体に深みのある酸味・塩味・旨みを付与することができ、味覚的にも付加価値ある商品となっている。
また、本発明の発酵調味料は、梅果実水溶性成分を含有しているにもかかわらず、時間経過による褐変の進行が抑制されたものである。
さらに、本発明の発酵調味料は、梅果実水溶性成分を含有しているため、矯臭効果に優れ、後味のすっきりした香味を有するばかりか、油のしつこさを抑えたり、煮物では柔らかくふっくらと仕上げる効果等も具有している。

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