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技術 串刺食品の保温器

出願人 九州電力株式会社
発明者 今泉幸男桜田敏生
出願日 2003年3月28日 (17年8ヶ月経過) 出願番号 2003-089769
公開日 2004年10月21日 (16年2ヶ月経過) 公開番号 2004-290551
状態 特許登録済
技術分野 ベイキング、グリル、ロースティング 食品、食器の加温、保温装置;台所用容器・台
主要キーワード 中程部分 保温室内 セラミックパネル 複数列複数段 PCTヒータ 定温発熱体 パック食品 保温室
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2004年10月21日)のものです。
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図面 (7)

課題

本発明は、串刺食品視覚嗅覚訴えながら美味しさを保って保温でき、出し入れが容易で、コンパクトで、清掃が容易な串刺食品の保温器を提供することを目的とする。

解決手段

本発明は、調理した串刺食品2を収容し、周囲に複数の開口3bが形成され底部には液成分を溜める受皿4が設けられた籠型収納体3と、籠型収納体3を収容し、籠型収納体3の周囲から串刺食品2に遠赤外線放射する遠赤外線放射体13と、遠赤外線放射体13から遠赤外線を照射させるためのシーズヒータ14を備えた串刺食品2の保温器であって、串刺食品2が籠型収納体内3に立て掛けた状態または立てた状態で収容される構成としている。

概要

背景

従来、レトルトパウチ食品等を保温し、随時取り出すことができる自動販売機等の食品温蔵庫が提案されている(特許文献1参照)。これは保温室周壁内面に面上の遠赤外線放射体を配設し、これによって保温室の加熱効率を向上させ、食品を収める食品収容容積率を高めたものである。これ以前の方式は内部のどこかで加熱した暖気還流させるものが多かったが、これらの方式より加熱効率が向上し、保温室内を無駄なく利用できるようになるというものである。

概要

本発明は、串刺食品視覚嗅覚訴えながら美味しさを保って保温でき、出し入れが容易で、コンパクトで、清掃が容易な串刺食品の保温器を提供することを目的とする。本発明は、調理した串刺食品2を収容し、周囲に複数の開口3bが形成され底部には液成分を溜める受皿4が設けられた籠型収納体3と、籠型収納体3を収容し、籠型収納体3の周囲から串刺食品2に遠赤外線を放射する遠赤外線放射体13と、遠赤外線放射体13から遠赤外線を照射させるためのシーズヒータ14を備えた串刺食品2の保温器であって、串刺食品2が籠型収納体内3に立て掛けた状態または立てた状態で収容される構成としている。

目的

本発明は、串刺食品を視覚と嗅覚に訴えながら美味しさ保って保温でき、出し入れが容易で、コンパクトで、清掃が容易な串刺食品の保温器を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

調理した串刺食品を収容し、周囲に複数の開口が形成され底部には液成分を溜める受皿が設けられた籠型収納体と、前記籠型収納体を収容し、該籠型収納体の周囲から前記串刺食品に遠赤外線放射する遠赤外線放射体と、前記遠赤外線放射体から遠赤外線を照射させるためのシーズヒータを備えた串刺食品の保温器であって、前記串刺食品が前記籠型収納体内に立て掛けた状態または立てた状態で収容されることを特徴とする串刺食品の保温器。

請求項2

前記受皿の内面反射部が設けられたことを特徴とする請求項1記載の串刺食品の保温器。

請求項3

前記開口の開口率が90%以上100%未満であることを特徴とする請求項1または2記載の串刺食品の保温器。

請求項4

前記串刺食品が串刺の焼き鳥であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の串刺食品の保温器。

請求項5

前記串刺食品が、前記遠赤外線放射体から放射される遠赤外線によって50℃〜65℃で保温されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の串刺食品の保温器。

請求項6

前記串刺食品の食材が、前記籠型収納体の上端から20mmの位置から下端の受皿までの間に配置されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の串刺食品の保温器。

請求項7

前記シーズヒータがPTCヒータであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の串刺食品の保温器。

技術分野

0001

本発明は、焼き鳥等の串刺食品を焼き上げたあとに保温する保温器に関する。

0002

従来、レトルトパウチ食品等を保温し、随時取り出すことができる自動販売機等の食品温蔵庫が提案されている(特許文献1参照)。これは保温室周壁内面に面上の遠赤外線放射体を配設し、これによって保温室の加熱効率を向上させ、食品を収める食品収容容積率を高めたものである。これ以前の方式は内部のどこかで加熱した暖気還流させるものが多かったが、これらの方式より加熱効率が向上し、保温室内を無駄なく利用できるようになるというものである。

0003

しかし、この(特許文献1)の食品温蔵庫は、包装したパック複数列複数段収納して保温し食品収納効率は高まるが、パック食品以外の食品、例えば弁当惣菜等のような調理食品を保温するのにはまったく不向きである。パック食品等は時間の経過とともに品質劣化することが少なく、単純に保温すればよいが、調理食品の場合、時間の経過とともに風味や品質が劣化してしまう。すなわち、調理後に保温を続けると、食品中の水分が抜け、風味がなくなり、最後には変質してしまうものである。また、自動販売機であるから、調理を見せて視覚嗅覚から食欲をそそるといった機能ももたないものである。

0004

また、遠赤外線を利用するものではないが、調理食品を長時間変質することなく所定温度に保持する温蔵庫が提案されている(特許文献2参照)。この温蔵庫は、断熱材からなるキャビン側壁の内側に遮蔽用パネルを取り付け、その周囲に溝形ヒータガード枠を形成し、その内部にセラミックパネルヒータを取り付けるもので、遮蔽用パネルとセラミックパネルヒータとの間に空隙が形成されるため、セラミックパネルヒータから発生する熱が、この空隙、遮蔽用パネル、側壁に伝達され、庫内の上下方向の温度差をなくすことができるものである。ただ、内部に収納した調理食品の並び具合によって、調理食品自体の温度むらが発生してしまう。

0005

以上説明した温蔵庫のほかにも、遠赤外線を放射するセラミックヒータ密閉容器の頂部に設け、この密閉容器の下方位置に皿等を置いて調理食品を保温する保温器も提案されている。しかし、密閉した容器のため、視覚や嗅覚、とくに嗅覚から食欲をそそるといった機能はなく、また頻繁に食品等を出し入れするのは煩わしく、頂部からの遠赤外線の陰となるように置かれた食品は温度がかなり低くなり、そのまま食べたのでは上に置いた料理と下に置いた料理で味に差が出てしまうものであった。

背景技術

0006

【特許文献1】
特開平8−87668号公報
【特許文献2】
特開平7−231855号公報

0007

以上説明した(特許文献2)のような温蔵庫では、仮に遠赤外線をセラミックパネルヒータから放射させたとしても、弁当や惣菜等の調理食品を収容したとき、食品の並び具合によって遠赤外線を遮ることが起こり、陰になった部分では冷たく温度むらが生じるものである。味にも影響が出る。このため、密閉した庫内を長時間にわたって所定温度に保つ必要があり、頻繁に加工食品を出し入れするのは不適当な保温器である。当然、視覚や嗅覚から食欲をそそるといったものではない。

0008

これに対し、例えば、焼き鳥のような串焼物、あるいは串カツのような揚物の串刺食品は、十数センチ〜二十センチ長尺形状で、肉や野菜等の食材が串の長手方向に並び、タレや脂、油が流れ落ち、焼いたり揚げたりして保温し、視覚や嗅覚で食欲をそそられて、食べるため比較的短時間で取り出すという特徴がある。しかし、(特許文献2)、また(特許文献1)ような温蔵庫、さらに上述の従来の保温器ではこのような串刺食品の保温には適しておらず、調理食品の特徴を活かした保温はできないし、温度むらが食品の味の差に直結するため味にバラツキが生じ、タレ等の汚れの処理にも不向きであった。

0009

さらに、串刺食品は、業務で使用する場合等は店先やカウンターで視覚と嗅覚に訴えて、楽しんで味わってもらうものでなければならず、また、タレ等が流れ汚れ易い性質上、衛生面でも、印象の点でも清掃が容易でなければならない。そしてこのとき何よりも、串刺食品は美味しさを保って最適状態で保温されていなければならない。これらはいわば対峙する内容を含み、ある意味で串刺食品の保温器の実現は矛盾を孕んだものである。

発明が解決しようとする課題

0010

そこで以上説明した課題を解決するために本発明は、串刺食品を視覚と嗅覚に訴えながら美味しさ保って保温でき、出し入れが容易で、コンパクトで、清掃が容易な串刺食品の保温器を提供することを目的とする。

0011

以上説明した課題を解決するために本発明は、調理した串刺食品を収容し、周囲に複数の開口が形成され底部には液成分を溜める受皿が設けられた籠型収納体と、籠型収納体を収容し、該籠型収納体の周囲から串刺食品に遠赤外線を放射する遠赤外線放射体と、遠赤外線放射体から遠赤外線を照射させるためのシーズヒータを備えた串刺食品の保温器であって、串刺食品が籠型収納体内に立て掛けた状態または立てた状態で収容される構成としている。

課題を解決するための手段

0012

これにより、串刺食品を視覚と嗅覚に訴えながら美味しさを保って保温でき、出し入れが容易で、コンパクトで、清掃が容易な串刺食品の保温器にすることができる。

0013

本発明の第1の発明は、調理した串刺食品を収容し、周囲に複数の開口が形成され底部には液成分を溜める受皿が設けられた籠型収納体と、籠型収納体を収容し、該籠型収納体の周囲から串刺食品に遠赤外線を放射する遠赤外線放射体と、遠赤外線放射体から遠赤外線を照射させるためのシーズヒータを備えた串刺食品の保温器であって、串刺食品が籠型収納体内に立て掛けた状態または立てた状態で収容されることを特徴とする串刺食品の保温器であり、籠型収納体に串刺食品を収容できるため外部から見え、臭いも広がり、出し入れが容易で、串刺食品を立て掛けた状態または立てた状態で収容するから液成分を受皿に溜めることができて清掃が容易であるとともに、側面から遠赤外線で保温するから美味しさを保って保温でき、コンパクトな保温器となる。

0014

本発明の第2の発明は、第1の発明において、受皿の内面反射部が設けられたことを特徴とする串刺食品の保温器であり、籠型収納体の底部の受皿付近には温度低下が生じるが、反射部によって温度低下を防ぐことができる。

0015

本発明の第3の発明は、第1または2の発明において、開口の開口率が90%以上100%未満であることを特徴とする串刺食品の保温器であり、開口率が90%以上100%未満の籠型収納体は、メッシュ等の影響を受けず100%の開口率と同等の加熱が可能になる。

0016

本発明の第4の発明は、第1〜3のいずれかの発明において、串刺食品が串刺の焼き鳥であることを特徴とする串刺食品の保温器であり、焼き鳥の保温器として店先やカウンターで利用できる。

0017

本発明の第5の発明は、第1〜4のいずれかの発明において、串刺食品が、遠赤外線放射体から放射される遠赤外線によって50℃〜65℃で保温されることを特徴とする串刺食品の保温器であり、側面からの遠赤外線で50℃〜65℃で保温するから最も美味しく保温できる。

0018

本発明の第6の発明は、第1〜5のいずれかの発明において、串刺食品の食材が、籠型収納体の上端から20mmの位置から下端の受皿までの間に配置されることを特徴とする串刺食品の保温器であり、籠型収納体の上端の20mmを使用しないから、内部のものより温度が低い食材をつくらなくてもすむ。

0019

本発明の第7の発明は、第1〜6のいずれかの発明において、シーズヒータがPTCヒータであることを特徴とする串刺食品の保温器であり、PTCヒータであるため、温度センサによって制御しなくても遠赤外線放射体から遠赤外線を放射させることができる。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における串刺食品の保温器について説明する。図1(a)は本発明の実施の形態1における串刺食品の保温器の外観斜視図、図1(b)は(a)の串刺食品の保温器に収納する籠型収納体の外観斜視図、図2は本発明の実施の形態1における串刺食品の保温器本体の分解斜視図、図3は本発明の実施の形態1における串刺食品の保温器の断面図である。図3図2のA—Aの位置の断面図である。

0020

図1(a)(b)において、1は串刺食品の保温器本体、2は焼き鳥のような串焼物や串カツのような揚物の串刺食品、3は串刺食品2を収納する金網などで形成された籠型収納体、3aは籠型収納体3をもつための取っ手、3bは籠型収納体3の金網などのメッシュで形成される複数の開口、4は串刺食品2の先端が載置されるとともに串刺食品2から垂れるタレや脂,油等の液を溜めることができる受皿である。4aは受皿4の内表面に設けられた反射面(本発明の実施の形態1における反射部)である。なお、これに関しては後述するが、受皿4付近では若干の温度低下が起こるため、反射面4aは遠赤外線を反射させるとともに伝熱で受皿4付近の食材を暖め、温度低下を抑えるものである。受皿4には液が垂れるので錆等が生じないようにするため、反射面4aは反射率ではやや低いがSUSで構成するのがよい。

0021

籠型収納体3は籠状であるため、串刺食品の一端を受皿4に置いて、他端側を籠型収納体3に立て掛けた状態にする。受皿4に支持具等で支持できるように構成することにより、立てた状態で収容するのでもよい。また、籠状であるため、遠赤外線が保温器本体1から籠型収納体3内側に放射されたとき、遠赤外線を内部へ透過し、串刺食品を加熱し、保温することが可能になる。

0022

図2図3において、11は保温器本体1の箱型外ケース、12は外ケース11の内部を覆う上ケース、12aは上ケース12に設けられた出し入れ口である。また、13は2つ割り波長3μm〜25μmの遠赤外線を発生するセラミックが表面に溶射された遠赤外線放射体、13aは2つ割りの遠赤外線放射体13をネジ締結して籠型収納体3を収容する空間を内部に形成するためのフランジ、13bは遠赤外線放射体13の底面に設けられた底板、14は遠赤外線放射体13に取り付けられるニクロム線等の発熱体からなるシーズヒータ、15は遠赤外線を発生するセラミック溶射皮膜である。セラミック溶射皮膜15で溶射するセラミックはジルコンムライトコージェライト等の遠赤外線を発生する材料である。ただ、石炭灰を溶射することもできる。なお、溶射を行う遠赤外線放射体13の基材材質高熱伝導の金属等がよく、また、実施の形態1の場合には、セラミック溶射皮膜15、底板13bには汚れや液、洗浄液が付着してもよいように表面に防水処理が施されている。また底板13bには反射面4aと同様に遠赤外線を反射可能な構成にしておくのがよい。

0023

ところで、図2に示すように、実施の形態1の遠赤外線放射体13は2つ割りであるが、これは、プラズマ溶射機は大きさが大きく、溶射を行うときにこれを行い易くするための構成である。なお、遠赤外線放射体13の形状が六角柱であるのは、必ずしも六角柱に限られない。例えば図1(a)(b)に示すように籠型収納体3が丸い形状であるから、半円柱の組み合わせとするのも好ましい。遠赤外線放射体13は360°にわたる全周から内部空間に遠赤外線を放射し、籠型収納体3を均一に保温するものである。

0024

16はシーズヒータ14に通電して遠赤外線を放射させるための制御を行う制御部、17はサーミスタ等の温度センサである。温度センサ17は遠赤外線放射体13の基材の表面温度計測し、制御部16によって遠赤外線を放射可能な温度を保つため通電量コントロールされる。なお、シーズヒータ14をPCTヒータ(Positive Temperature Coefficient Thermistorヒータ)にすれば、シーズヒータ14は定温発熱体となるから、この場合温度センサ17は不用で、制御部16は温度センサ17を使った温度制御をしなくても遠赤外線を放射でき、安価な保温器を提供できる。

0025

18は保温器本体1の箱型の外ケース11と籠型収納体3との間の空間を埋める断熱材である。断熱材18はコルク断熱性発泡材料チップで構成し、外ケース11と籠型収納体3との間の空間に充填する。外ケース11に対する籠型収納体3の位置決めできるように、まず、断熱材18を外ケース11の底面に所定厚さに充填し、次いで外ケース11と籠型収納体3との間の空間形状を有するガイド部材(図示しない)を外ケース11内に挿入して籠型収納体3を配設し、このガイド部材を取り出して、再度断熱材18を充填するのがよい。

0026

以上説明した本実施の形態1の串刺食品の保温器として、一例として焼き鳥を保温する保温器について詳細に説明する。この焼き鳥の保温器は、従来の温蔵庫と異なって焼き鳥の出し入れ口12aが常時開口しており、中の焼き鳥の状態を外から見ることができ、視覚に訴え、嗅覚に訴えて食欲をそそることができる保温器となる。

0027

まず焼き鳥を保温する場合、何℃で保温すれば取り出したとき美味しいのか、その条件について説明する。これを検討するためガスオーブンを使って実験を行った。雰囲気温度21℃、湿度70%である。

0028

これによると、焼き上がり後、3分〜6分自然放置したときの肉の温度45℃〜75℃が美味しいと感じる温度であった。45℃より低くなると温度も味も物足らなさを感じさせ、75℃を越えると熱さで味を味わう余裕がなくなる。できれば50℃〜65℃の範囲が納得できる温度であった。従って、焼き鳥の保温器においては、焼き鳥の肉の温度が温度45℃〜75℃、中でも50℃〜65℃となるようにシーズヒータ14を制御すればよいことになる。

0029

次いで、遠赤外線が放射されたとき、どのような条件のときに望ましい保温状態を実現できるのか、どのように焼き鳥を配置するのが最適なのかについて説明する。このとき基本になるのは、遠赤外線の直射を受けた箇所は温度が上がるが、遠赤外線が遮断されたところは温度が上がらないということである。すなわち(1)焼き鳥が遠赤外線の放射方向に重なって2つ置かれたときは、背後に置かれた焼き鳥の温度は低くなる。また、(2)籠型収納体3は籠状であり、メッシュ構造となって焼き鳥を保持しているが、メッシュの背後の肉の温度は上がらない。そして、(3)保温器の上端と下端は外気の温度が低く、ここでは遠赤外線の放射もなくなるため温度低下する。

0030

そこで、まず(1)場合についてどの程度の温度低下が発生するのか、実験を行った。この結果について説明する。図4は遠赤外線の中に焼き上がりの焼き鳥が重なって置かれたときの温度変化を示す図である。このときの遠赤外線放射体13の温度は100℃前後、雰囲気温度21℃、湿度70%である。図4に示すように、焼き上がりで90℃の2つの焼き鳥を、籠型収納体3の中で放射方向に重なるように置いたとき、遠赤外線が放射され新たな熱が加わるため自然冷却より冷却速度は遅くなるが、時間経過とともにゆっくりと温度低下し、30分程度でほぼ一定温度に落ち着く。このとき、遠赤外線放射体13に近い外側の焼き鳥の肉は49℃であり、この肉の背後の焼き鳥は44℃であることが分かる。このことから、遠赤外線上で重なって置かれた焼き鳥の肉には前後で5℃の温度差が生じることが分かる。

0031

次に(2)の場合の検討を行った。実験は籠型収納体3のメッシュを変化させ、籠型収納体3の開口率0%、開口率65%、開口率80%、開口率90%、開口率100%の5種類のメッシュで内部に置かれた焼き鳥の肉の温度を測定した。同時に遠赤外線を放射する遠赤外線放射体13の温度も測定した。雰囲気温度21℃、湿度70%である。図5は異なったメッシュの籠型収納体内に置かれた焼き上がりの焼き鳥の温度変化を示す図である。図5によれば、遠赤外線放射体13の温度は100℃前後で変動するがほぼ一定を保っている。

0032

開口率0%の籠型収納体3は周囲が完全に覆われ、遠赤外線が籠型収納体3内部の焼き鳥に伝わらないため35分程度で35℃程度に温度低下する。これに対して開口率65%のメッシュは35分程度で55℃程度に温度低下し、開口率80%は35分程度で59℃になる。また、開口率90%の籠型収納体3の場合には35分程度で63℃となり、同様に開口率100%(メッシュがない)の場合、開口率90%の籠型収納体3とほとんど同一の温度低下を示し、35分程度で63%に低下している。この結果からすると、開口率90%〜100%であれば、籠型収納体3に開口を設けてメッシュ構造としても、遠赤外線を遮る部分の影響がなく、遠赤外線をほぼ100%透過の籠型収納体3にすることができる。

0033

続いて、(3)籠型収納体3の上下方向の温度分布について説明する。実験を雰囲気温度21℃、湿度70%で測定を行った。図6は遠赤外線を籠型収納体の上下方向の温度分布を示す図である。メッシュは開口率80%で実験し、図6では底面が上で、上面が下に上下逆に表示されている。上下方向の位置を示す単位はmmである。−10mm〜−30mmは籠型収納体3の外部に当る。0mmの位置は籠型収納体3の上面位置を示し、底板13bの位置が受皿4の底面で145mmの位置となる。図6によると外気に触れたところで温度は50℃、籠型収納体3の外気に近い10mmでは肉の温度は53℃で低く、20mm〜110mmで肉の温度は62℃〜64℃で安定した温度に保温している。しかし、120mm〜145mmの間は肉の温度は53℃〜57℃で、極小値53℃を有している。145mmの1つ上に示した測定温度は受皿4の温度であり、62℃と高い値を示している。

0034

この120mm〜145mmの間で温度が低い理由は、受皿4がタレや液体を溜めるために5mmの高さの皿縁が遠赤外線を遮るためと考えられる。しかし、145mm近傍(反射面4a付近)で再び温度上昇しているのは受皿4からの伝熱と反射があるからと考えられる。すなわち、皿縁が存在するため遠赤外線が遮られ、本来上端の20mmから0mmにかけての温度低下と同様に10℃程度の温度低下が生じるはずであるが、実施の形態1の受皿4はSUSの反射電熱面4aが形成されており、直接の伝熱とともに遠赤外線の反射があり、5℃程度上昇してこれによって55℃程度になっているものと考えられる。

0035

以上説明したことから本実施の形態1の焼き鳥の保温器においては、焼き鳥の保温する温度を50℃〜65℃の範囲になるように設定している。また、遠赤外線に対して焼き鳥を重なって置くと、背後に置かれた焼き鳥は5℃温度が下がるため、焼き鳥を保温するための配置は、放射方向にみて完全に重ならないように周方向ピッチを大きくし、籠型収納体3の上端に焼き鳥を立て掛け、下端を受皿4に載置するような構成にしている。仮に、他の串の背後に置かざるをえない場合には、一部重なる程度に留め、90°ずれた方向からの遠赤外線で十分加熱されるような間隔(半径方向)をとる必要がある。各焼き鳥の串を籠型収納体3に立て掛けることにより、360°の全方向の遠赤外線放射体13から熱を受けるとともに、上下方向の1個1個の刺された肉が側方から等しく熱を受け取ることができるし、重力の作用でタレや脂が流れ落ち、これをすべて受皿4で溜めることができる。

0036

また、籠型収納体3の開口率を90%〜100%にすれば、籠型収納体3のメッシュに存在による温度低下を無視することができ、開口率100%(あるいは籠型収納体3そのものがない)と同等の保温状態にすることができる。放射した熱量を保温のために効率よく利用することができる。実施の形態1においては、電力の有効利用を図るためと、籠型収納体3の強度、耐久性等を考慮して、開口率80%〜95%程度を採用している。

0037

ところで、籠型収納体3の上下端から20mmの範囲は外気の影響で温度低下するから、この位置は避けて焼き鳥の肉を配置するのが望ましい。但し、反射作用が大きい反射面4aを受皿4に形成すれば、籠型収納体3の下端から20mmの温度を改善して中程部分と同様に使うことができる。そこで、実施の形態1においては、串の長さが150mm程度、一方端から100mmの範囲に焼き鳥の肉が刺されているのが一般的である点に鑑み、籠型収納体3の大きさを100mm+20mmとし、120mmの高さに設定している。また肉の大きさを考え、10本重ならないように配置する籠型収納体3の直径は170φ程度であり、8本が重ならない場合の直径は150φ、5本の場合は120φとするのがよい。

0038

120mmの高さの籠型収納体3を収容する保温器本体1の全体の高さは、断熱材18の厚さがそれぞれ10mm程度必要であるから、150mmの設定にしている。そして、直径150φの籠型収納体3を収容する場合、保温器本体1の大きさは240mm×240mm(縦×横)程度とするのがよく、直径150φの籠型収納体3を収容する場合、これを220mm×220mm、直径120φの籠型収納体3を収容する場合190mm×190mmとするのがよい。実施の形態1の保温器はきわめてコンパクトに構成することができる。業務用などの場合は、籠型収納体3の内部の焼き鳥の配置を同心上に並べるなどすることにより、コンパクトな保温器とすることができる。

0039

本実施の形態1の保温器においては、串の先端の30mm程度が保温器本体1の出し入れ口12aから突出することになり、全体で50mmの長さの把持部となるから、適度な長さで串を掴み易く、その温度も把持部では40℃程度で安心して握って取り出すことができる。また、直径170φ程度の出し入れ口12aを通して10本以下の焼き鳥が見え、内部は上下方向にほぼ一定した温度(50℃〜65℃)で安定して保温されており、ここから発生する臭いは出し入れ口12aから周囲に広がる。このため、実施の形態1の保温器を店先やカウンターに置いたときは、視覚と嗅覚で食欲をそそり、焼き鳥を楽しむことができる。

0040

ところで、実施の形態1の保温器を使用すると、受皿4内にタレや脂が溜まる。この場合、籠型収納体3の取っ手3aを持って保温器の外部に取り出し、洗浄することができる。また、受皿4からこぼれたタレや脂は、遠赤外線放射体13の内側と底板13b上に付着したりしているが、実施の形態1の保温器は、セラミック溶射皮膜15、底板13bには汚れや液、洗浄液が付着してもよいように表面に防水処理が施されており、籠型収納体3が取り外させているから簡単にふき取り洗浄することができる。

発明を実施するための最良の形態

0041

このように本実施の形態1の焼き鳥の保温器は、焼き鳥を視覚と嗅覚に訴えながら美味しさを保って保温でき、出し入れが容易で、コンパクトで、清掃が容易な保温器となる。串カツ等の揚物の保温器であっても、まったく同様である。

図面の簡単な説明

0042

本発明の串刺食品の保温器によれば、串刺食品を視覚と嗅覚に訴えながら美味しさを保って保温でき、出し入れが容易で、コンパクトで、清掃が容易になる。

図1
(a)本発明の実施の形態1における串刺食品の保温器の外観斜視図
(b)(a)の串刺食品の保温器に収納する籠型収納体の外観斜視図
図2
本発明の実施の形態1における串刺食品の保温器本体の分解斜視図
図3
本発明の実施の形態1における串刺食品の保温器の断面図
図4
遠赤外線の中に焼き上がりの焼き鳥が重なって置かれたときの温度変化を示す図
図5
異なったメッシュの籠型収納体内に置かれた焼き上がりの焼き鳥の温度変化を示す図
図6
遠赤外線を籠型収納体の上下方向の温度分布を示す図
【符号の説明】
1 保温器本体
2 串刺食品
3 籠型収納体
3a取っ手
3b 開口
4受皿
4a反射面
11外ケース
12 上ケース
12a出し入れ口
13 遠赤外線放射体
13aフランジ
13b底板
14シーズヒータ
15セラミック溶射皮膜
16 制御部
17温度センサ
18断熱材

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    【課題】ランチプレート用の組み立て式携帯食器を提供する。【解決手段】組み立て式携帯食器は、支え台901を含み、保温ランチプレートを取り付ける時は、連結板を上に引き、前後両側の挿しロッドを上に移動連動さ... 詳細

  • 杭州云淡包装有限公司の「 食品パッケージ」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】本発明は食品パッケージを開示した。【解決手段】パッケージと前記パッケージの下側に設けられたL型板とを含み、前記パッケージの中には上方に開口した食品入れチャンバが設けられ、前記食品入れチャンバの... 詳細

  • 株式会社ハーマンの「 グリル」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】複数の調理メニューから所望の調理メニューを選択する際の操作の手間をより確実に省けるようにする。【解決手段】調理メニューを選択する際に、調理容器の温度が所定温度以上であるとき、あるいは、前回の調... 詳細

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