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技術 ササの増殖方法

出願人 北海道
発明者 錦織正智山田健四清水一棚橋生子
出願日 2003年3月26日 (17年9ヶ月経過) 出願番号 2003-084912
公開日 2004年10月21日 (16年2ヶ月経過) 公開番号 2004-290042
状態 特許登録済
技術分野 植物の育種及び培養による繁殖
主要キーワード 部分名称 タケ類 光量子束 クマイザサ 連続照明 無菌発芽 栽培用土 ビニールポット
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2004年10月21日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (4)

課題

本発明は、ササを効率的に増殖する方法を開発することを課題とする。

解決手段

シュート誘導までは暗黒下で培養を行い、節の増殖は暗黒下で行い、節から株の形成は連続照明で行うことにより解決できる。

概要

背景

従来、タケ類を材料とした組織培養による植物体の大量増殖方法は、植物組織から誘導した不定胚を介して植物体を増殖する方法と、シュートの増殖を介して増殖させる方法とがあった。しかし、これらの方法はいずれも外植体の培養から植物体の再生に至るまで一連過程は、培養体分化成育の段階に応じて組成の異なる培地へ連続的に移し変えることが必要であったため、非常に煩雑で生産効率の上がらない方法であった。

概要

本発明は、ササを効率的に増殖する方法を開発することを課題とする。シュートの誘導までは暗黒下で培養を行い、節の増殖は暗黒下で行い、節から株の形成は連続照明で行うことにより解決できる。 なし

目的

本発明は、ササを効率的に増殖する方法を開発することを課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

シュート誘導暗黒下で行うことを特徴とする組織培養によるササ増殖方法

請求項2

節の増殖は暗黒下で行い、節から株の形成は連続照明で行うことを特徴とする組織培養によるササの増殖方法。

請求項3

培地オーキシンを含む寒天培地であることを特徴とする請求項1または2記載のササの増殖方法。

請求項4

オーキシンがナフタレン酢酸であることを特徴とする請求項3記載のササの増殖方法。

技術分野

0001

本発明は、ササを効率的に増殖する方法に関する。

0002

従来、タケ類を材料とした組織培養による植物体の大量増殖方法は、植物組織から誘導した不定胚を介して植物体を増殖する方法と、シュートの増殖を介して増殖させる方法とがあった。しかし、これらの方法はいずれも外植体の培養から植物体の再生に至るまで一連過程は、培養体分化成育の段階に応じて組成の異なる培地へ連続的に移し変えることが必要であったため、非常に煩雑で生産効率の上がらない方法であった。

0003

また、従来のタケ類を材料とした組織培養においては、慣行により光環境明期が16時間で暗期が8時間が多用されていたが、光の明暗周期についての認識がなされないまま培養を行っていた。

0004

ササの培養方法としては、特開2001−45897号公報(特許文献1)にササの成長期に糖無添加の培地を用い、成長期及び順化期に特定の二酸化炭素濃度と特定の光合成有効光量子束の環境下で培養を行うことが記載されているが、これも二酸化炭素と光とが必要であるとの観点でなされたものである。

背景技術

0005

【特許文献1】
特開2001−45897号公報

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、ササを効率的に増殖する方法を開発することを課題とする。

0007

本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意努力した結果、シュートの誘導までは暗黒条件下で培養を行う等が有効であることを見出した。

0008

すなわち、本発明は
(1)シュートの誘導を暗黒下で行うことを特徴とする組織培養によるササの増殖方法、
(2)節の増殖は暗黒下で行い、節から株の形成は連続照明で行うことを特徴とする組織培養によるササの増殖方法、
(3)培地がオーキシンを含む寒天培地であることを特徴とする(1)または(2)記載のササの増殖方法、
(4)オーキシンがナフタレン酢酸であることを特徴とする(3)記載のササの増殖方法
である。

0009

本発明は、光の明暗周期に植物が反応することを積極的に利用して、シュート誘導〜節増殖〜株までの分化を制御し、そのことによって培養体の分化と成育の段階に応じて組成の異なる培地への移し変えをする必要がなくなることを特徴とするものである。

0010

本発明において、ササとはを被う皮が腐るまで脱落しないものを言い、タケと区別している。ササにはクマザサ属シノ属、メダケ属、カンチク属、ヤダケ属等があるが、本発明はいずれのササにも有効である。

0011

また、図1から分るように茎とそれについている葉を一括して「シュート」と称し、シュートは葉がついているところの「節」と、節と節の間である「節間」からなる。「節」には「腋芽」と呼ばれる付属している。本発明は、この節が腋芽を持つことに着目し、節の増殖をササの増殖に利用したものである。

0012

オーキシンは、植物の茎の先端で生産され、植物の成長を促進・調節する植物ホルモンであり、インドール−3−酢酸、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸やナフタレン酢酸等があり、本発明ではいずれも使用可能であるが中でもナフタレン酢酸が特に有効である。

課題を解決するための手段

0013

ササの用途としては種々あるが、本発明では特に芝生に代えて緑化を行う際の材料として用いられ、また法面の造成にも有効である。
以下に実施例を示し本発明をより具体的に説明する。

0014

【実施例】
無菌発芽
材料には、クマイザサ(Sasa senanensis(Franch.et Savat.)Rehd.)を用いた。7月中旬にかけて完熟した種子を採取し、これらを100%エタノールに浸漬することで比重選抜を行い、エタノール中に沈んだものだけを試験に供した。

0015

種子は外頴と内頴を取り除いた後、流水水洗を行った。次に、この種子を70%エタノールで30秒間、その後、有効塩素濃度1%の次亜塩素酸ナトリウムで10分間殺菌処理した後に滅菌水で3回洗浄した。殺菌した種子はクリーンベンチ内において、メスを用いて種子から切り取り、この胚を外植片として培養に供した。

0016

培地は、Woody Plant(WP)無機塩に20g/lsucroseと7.25mg/l寒天を加え、これに植物成長調節物質0〜4.0mg/16−benzylaminopurine(BAP)と、0と0.6mg/lnaphthalene acetic acid(NAA)を10種類の濃度に組み合わせたものを用いた。培地の酸度はpH0.57〜0.58に調整した。培地の容器は、ガラス培養ビン(62.5×62.5×110mm)を使用した。これに培地を30ml分注して、オートクレーブで殺菌した。
殺菌した種子より摘出したササ外植片(胚)を各培地あたり2個ずつ置床し、25℃の暗黒下で培養した。外植片の置床後、30日目の発芽数を表1に示した。

0017

【表1】

0018

表1から、NAA濃度が0.6mg/lでBAP濃度が0〜0.6mg/lの処理区発芽率が高いことがわかる。
発芽したものはシュートの伸長を呈し、発芽しなかったものは、枯死またはカルスに至った。伸長したシュートは、30日置きに同組成の新たな培地に植え継ぎ、同条件下で培養を継続した。培養開始から2ヶ月目以降には、シュートは2節以上含む状態に成長した。この暗黒環境下で形成したシュートは白色を呈していた。

0019

なお、ササ外植片を上記と同様の処理を行い、25℃の連続照明下で培養した場合は、発芽するものはなかった(20外植片中0外植片)。
これらのことから、クマイザサ種子からのシュートの誘導には培地にNAAの添加が有効であり、光は阻害的な要因であることがわかった。

0020

(シュートの伸長による節の増殖)
暗黒下で胚から誘導したシュートを2つの節を1単位とするシュート細片切り離し、WP無機塩に20g/lsucroseと7.25mg/l寒天を加え、植物成長調節物質0〜4.0mg/1BAPと、0〜0.75mg/lNAAを11種類の濃度に組み合わせた培地に植え付けた。この際シュート細片の植え付けは、下部の節が寒天培地中に埋まるように行った。培養環境は25℃の暗黒下とした。また継代培養の間隔は約30日として、継代培養毎に伸長したシュートを2つの節を1単位とするシュート細片にして同組成の新たな培地に植え付けた。シュート細片から生じた新たな節の数を表2に示す。

0021

【表2】

0022

表2から、NAAが0.75mg/lの時、節の増殖率が最も高く、増殖率は平均5.3節/2節/30日であった。すなわち、この処理区が節の増殖に適していることがわかった。

0023

上記の培養条件下において、2節を1単位として培地に植え付けたシュート細片の成長様式は、何れの処理区においても上部の節からは新たなシュートが伸長し、下部の節からは発根した。しかし、基部からの新たなシュートの分化(分げつ)はなく、成長は単なる上部節でのシュートと下部節からの根が、それぞれ上下方向に伸長するのみであった。また、この暗黒環境下での培養体は、白色を呈していた(図2)。

0024

(増殖したシュートから株の形成)
暗黒下で誘導して、増殖させたシュート2節を1単位としたシュート細片に切りわけて、これをWP無機塩に20g/lsucroseと7.25mg/l寒天を加え、植物成長調節物質0.75mg/1NAAを含む培地に植え付けて、25℃連続照明の環境下で培養を行った。この際シュート細片の植え付けは、下部の節が寒天培地中に埋まるように行った。

0025

処理の開始から約1週間程度で、白色のシュートは緑色に変化した。その後、30日以内に上部の節からは新たなシュートの伸長が始まり、これに伴い新たに形成した節からは葉が展開した。また、シュート細片の下部の節からは発根して植物体に再生した。30日置きに同組成の新たな培地に移植して、同条件下で培養を継続すると、再生した植物体の基部に新たなシュートの分化(分げつ)が始まり、このシュートの伸長に伴い再生植物体叢状化が進み株の形態を呈する再生植物体となった(図3)。この時点での長は約10cm程度であった。

0026

(再生植物体の順化と圃場での成長)
再生した植物体を培養ビンから取り出し、根に付着した寒天を水洗により取り除いた後、栽培用土バーミキュライトピートモス体積1:1の割合)を充填した黒色ビニールポット(直径9cm)に植え付けて(図4)、温室において自然光下で順化を行った。順化は、ポットに移植したササ苗の上に直接、寒冷紗掛けることで葉からの蒸散を抑制する手法で行った。潅水土壌表面に乾燥を観察した場合に適宜行った。寒冷紗を使用した順化処理は1週間行い、その後寒冷紗の覆いを取り除いて、3週間同条件下で養成した後、再生植物体を圃場へ移植した。再生植物体の順化と圃場への移植は、5月から9月の間に4回に分けて行い、それぞれ15〜20個体を供試した。順化過程から圃場への移植後における各過程での再生植物体の生存率を表3に示す。

0027

【表3】

発明を実施するための最良の形態

0028

表3から、再生植物体の順化過程における生存率は、85〜100%の範囲であり、圃場への移植後の生存率は71〜100%であることがわかる。圃場で生存した再生植物体の成長は良好であり、再生植物体の屋外においても十分に生存が可能であることが明らかになった。

図面の簡単な説明

0029

本発明により、ササの苗を生産する工程が単純化され、効率的にかつ大量にササを増殖させることが可能となった。

図1
ササの部分名称を示す図。
図2
ササの培養体の写真を示す図。
図3
ササの再生植物体の写真を示す図。
図4
ササの再生植物体をポットに植え付けた写真を示す図。

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