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課題

いかなる種類の塗布液塗布厚さに対しても、予備塗布を行わず基板全面にわたって高品位、並びに膜厚均一の塗布を容易に実現できる塗布手段を提供し、タクトタイム短縮、塗布液無効使用量の削減による低コスト化を実現する。

解決手段

一方向に延びる吐出口を有する塗布器被塗布部材近接させ、塗布液供給手段から塗布液を塗布器に供給して塗布器の吐出口から塗布液を吐出し、かつ塗布器と被塗布部材のいずれかを水平方向に相対的に移動させて、被塗布部材に塗膜を形成する塗布方法において、塗布器の吐出口から一定体積Qの塗布液を吐出し一定時間待機した後、塗布器をクリアランスSを設けるように被塗布部材に近接させて塗布液を塗布器より吐出するとともに、被塗布部材を塗布器に対して相対的に移動させて、被塗布部材に塗膜を形成することを特長とする塗布方法。

概要

背景

カラー液晶ディスプレイアレイ基板カラーフィルタ等より構成されているが、アレイ基板、カラーフィルターとも、低粘度の液状材料を塗布して乾燥させ、塗膜を形成する製造工程多く含んでいる。たとえば、ガラス基板上に3原色の細かな格子模様を有しているカラーフィルタでは、ガラス基板上に黒、赤、青、緑の塗布液を順次塗布して、その塗膜を形成していく。またその他フォトレジスト材を塗布して塗膜を形成後、フォトリソ加工によりパターン加工を行って、カラーフィルターとアレイ基板との間に注入される液晶スペースを形成する柱にしたり、表面の凹凸微小とするためのオーバーコート塗膜を形成する等もある。この種の塗膜形成工程には、使用される塗布液の粘度が数10mPaS以下で、容易に均一な塗膜を形成できるということもあって、スピナーが多く使用されてきたが、最近にいたって、高価な塗布液の消費を削減することと、塗布される基板大板化に伴う装置の大型化が困難であることがあいまって、ダイコータが多く導入されるようになってきている。

概要

いかなる種類の塗布液、塗布厚さに対しても、予備塗布を行わず基板全面にわたって高品位、並びに膜厚均一の塗布を容易に実現できる塗布手段を提供し、タクトタイム短縮、塗布液無効使用量の削減による低コスト化を実現する。一方向に延びる吐出口を有する塗布器被塗布部材近接させ、塗布液供給手段から塗布液を塗布器に供給して塗布器の吐出口から塗布液を吐出し、かつ塗布器と被塗布部材のいずれかを水平方向に相対的に移動させて、被塗布部材に塗膜を形成する塗布方法において、塗布器の吐出口から一定体積Qの塗布液を吐出し一定時間待機した後、塗布器をクリアランスSを設けるように被塗布部材に近接させて塗布液を塗布器より吐出するとともに、被塗布部材を塗布器に対して相対的に移動させて、被塗布部材に塗膜を形成することを特長とする塗布方法。

目的

本発明は、上述の事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、いかなる種類の塗布液、塗布厚さに対しても、予備塗布を行わず基板全面にわたって高品位、並びに膜厚均一の塗布を容易に実現できる塗布手段を実現し、タクトタイム短縮、塗布液無効使用量の削減による低コスト化に寄与する塗布装置及び方法ならびにこれら装置及び方法を使用したディスプレイ用部材の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
3件

この技術が所属する分野

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請求項1

一方向に延びる吐出口を有する塗布器被塗布部材近接させ、塗布液供給手段から塗布液を塗布器に供給して塗布器の吐出口から塗布液を吐出し、かつ塗布器と被塗布部材のいずれかを水平方向に相対的に移動させて、被塗布部材に塗膜を形成する塗布方法において、塗布器の吐出口から一定体積Qの塗布液を吐出し一定時間待機した後、塗布器をクリアランスSを設けるように被塗布部材に近接させて塗布液を塗布器より吐出するとともに、被塗布部材を塗布器に対して相対的に移動させて、被塗布部材に塗膜を形成することを特徴とする塗布方法。

請求項2

前記塗布器の吐出口より吐出する塗布液の一定体積Qは、前記塗布器の吐出口を含む面の塗布方向長さをL、吐出口の塗布器長手方向長さをWとすると、Q=α1×S×L×W、0.05≦α1≦1.0、であることを特徴とする請求項1に記載の塗布方法。

請求項3

一方向に延びる吐出口を有する塗布器を被塗布部材に近接させ、塗布液供給手段から塗布液を塗布器に供給して塗布器の吐出口から塗布液を吐出し、かつ塗布器と被塗布部材のいずれかを水平方向に相対的に移動させて、被塗布部材に塗膜を形成する塗布方法において、所定のクリアランスにて塗布器を静止している被塗布部材に近接させてから、塗布器から一定体積Qの塗布液を吐出し、一定時間待機後、被塗布部材に塗布器から塗布液を吐出するとともに、被塗布部材の塗布器に対する相対移動を開始して、被塗布部材に塗膜を形成することを特徴とする塗布方法。

請求項4

前記クリアランスには第1のクリアランスと第2のクリアランスがあり、第1のクリアランスにて塗布器を静止している被塗布部材に近接させてから塗布器から一定体積Qの塗布液を吐出し、一定時間待機後第2のクリアランスとなるよう塗布器を移動後、被塗布部材に塗布器から塗布液を吐出するとともに、被塗布部材の塗布器に対する相対移動を開始して、被塗布部材に塗膜を形成することを特徴とする請求項3に記載の塗布方法。

請求項5

前記第1のクリアランスを第2のクリアランスよりも小さくすることを特徴とする請求項4に記載の塗布方法。

請求項6

前記塗布器の吐出口より吐出する塗布液の一定体積Qは、前記塗布器の吐出口を含む面の塗布方向長さをL、吐出口の塗布器長手方向長さをW、一定体積Qを吐出するときの塗布器と被塗布部材との間のクリアランスをSとすると、Q=α2×S×L×W、0.05≦α2≦1.0、であることを特徴とする請求項3〜5に記載の塗布方法。

請求項7

塗布液を吐出するために一方向に延びる吐出口を有する塗布器と、塗布器に塗布液を供給する塗布液供給手段と、被塗布部材を保持する載置台と、前記塗布器および載置台のうちの少なくとも一方を相対的に移動させる移動手段と、塗布器を被塗布部材に近接させる昇降手段とを備えた塗布装置であって、さらに塗布器の吐出口から一定量塗布液を吐出し、一定時間待機してから、塗布液を塗布器より吐出するとともに、被塗布部材の塗布器に対する相対移動を開始して、被塗布部材への塗布を開始させる制御装置を有することを特徴とする塗布装置。

請求項8

請求項1〜6に記載のいずれかの塗布方法を用いてディスプレイ用部材を製造することを特徴とするディスプレイ用部材の製造方法。

技術分野

0001

この発明は、例えばカラー液晶ディスプレイカラーフィルタ並びにアレイ基板光学フィルタプリント基板集積回路半導体等の製造分野に使用されるものであり、詳しくはガラス基板などの被塗布部材表面に塗布液吐出しながら塗膜を形成する塗布方法および塗布装置、並びにこれらの塗布方法を使用したディスプレイ用部材の製造方法の改良に関する。

0002

カラー液晶ディスプレイはアレイ基板、カラーフィルタ等より構成されているが、アレイ基板、カラーフィルターとも、低粘度の液状材料を塗布して乾燥させ、塗膜を形成する製造工程多く含んでいる。たとえば、ガラス基板上に3原色の細かな格子模様を有しているカラーフィルタでは、ガラス基板上に黒、赤、青、緑の塗布液を順次塗布して、その塗膜を形成していく。またその他フォトレジスト材を塗布して塗膜を形成後、フォトリソ加工によりパターン加工を行って、カラーフィルターとアレイ基板との間に注入される液晶スペースを形成する柱にしたり、表面の凹凸微小とするためのオーバーコート塗膜を形成する等もある。この種の塗膜形成工程には、使用される塗布液の粘度が数10mPaS以下で、容易に均一な塗膜を形成できるということもあって、スピナーが多く使用されてきたが、最近にいたって、高価な塗布液の消費を削減することと、塗布される基板大板化に伴う装置の大型化が困難であることがあいまって、ダイコータが多く導入されるようになってきている。

0003

この種のダイコータの一例としては、往復動可能なテーブルと、下向きの吐出口を有した塗布ヘッドとを1台備え、テーブル上にガラス基板が吸着保持された後、テーブルとともにガラス基板が塗布ヘッドの直下を移動する際に、塗布ヘッドの吐出口から塗布液を吐出させ、ガラス基板上に塗膜を連続して形成するものがある(例えば特許文献1)。

0004

また基板一枚一枚に塗布を行うので、塗布開始、終了部の塗布方法が、基板全体膜厚精度をよくするために重要となるが、塗布開始についてみれば、ポンプと基板動作の制御で対応するもの(例えば特許文献2)、あらかじめダイからロール予備塗布を行うことでダイとロールとの間にビードを形成してから、ダイをビードとともに基板の方へ移動させて、基板への本塗布を開始するもの(例えば特許文献3)等がある。さらに、塗布開始部の厚膜化を防止するために、基板とダイとの間のすきまであるクリアランスを、塗布液の吐出ならびに基板に対するダイの水平移動連動させて制御するものもある(例えば特許文献4)。

0005

【特許文献1】
特開平6−339656号公報(第5欄18行目〜第7欄25行目、第10欄9行目〜43行目、図1

0006

【特許文献2】
特開平8−229482号公報(第13欄46行目〜第15欄48行目、図3

0007

【特許文献3】
特開2001−310147号公報(第1欄5行目〜50行目、第2欄43行目〜50行目、第4欄9行目〜第5欄37行目、図1図3図4

背景技術

0008

【特許文献4】
特開2002−113411号公報(請求項5、第4欄48行目〜第5欄24行目、第9欄3行目〜31行目、図1、図5)

発明が解決しようとする課題

0009

上記の塗布開始手段のうち、あらかじめダイからロールに予備塗布をしてから、基板への本塗布を開始するものは、1)余分な設備が必要でコスト高となる、2)余分な動作をするためにタクトが長くなり、生産性向上を阻害する、3)ロールに予備塗布してからダイ吐出口先端に塗布液が微少量残存するが、この残存量が一定でなく、塗布開始部の膜厚が変動して安定しない、4)予備塗布によって、本来の塗布に必要でない無効塗布液量が多くなるので、コスト高となる、等の不具合がある。

0010

一方、予備塗布をしない塗布方法を用いて、揮発性の高い溶剤を使用した塗布液をウェット厚20μm以下で塗布すると、図3に示すように、先頭部分に塗布されない膜切れ部分が、基板幅方向にわたって何カ所にも発生することがある。これは、1)塗布開始部の状態を常に同じとするために塗布前にダイの吐出口周辺清掃するが、このときに吐出口付近ダイ内部の塗布液が持ちさられ、空隙が生じた、2)ダイの吐出口周辺清掃後、塗布に至る短い時間の間で、吐出口周辺の塗布液の溶剤が蒸発し、蒸発量に応じて吐出口近くのダイ内部に空隙が生じた、ためにダイ内部に塗布液が満たされていない空隙があり、それがそのまま基板の塗布開始部に転写されて、塗布されない部分が生じるものと推測される。この現象ウェット塗布厚さが20μmを越えると非常におこりにくくなるが、それは、塗布液の吐出量に対しての空隙量の占める割合が小さくなるので、影響を与えないものと考えられる。それに対して予備塗布を行うと、それによって吐出口付近の空隙を押し出してしまうから、ダイ内部で必ず空隙のない状態で塗布を行えるので、塗布開始部分に塗布されない部分が生じるという不具合は起こらない。

0011

本発明は、上述の事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、いかなる種類の塗布液、塗布厚さに対しても、予備塗布を行わず基板全面にわたって高品位、並びに膜厚均一の塗布を容易に実現できる塗布手段を実現し、タクトタイム短縮、塗布液無効使用量の削減による低コスト化に寄与する塗布装置及び方法ならびにこれら装置及び方法を使用したディスプレイ用部材の製造方法を提供することにある。

0012

上記目的は、以下に述べる手段によって達成される。

0013

本発明の塗布方法は、一方向に延びる吐出口を有する塗布器を被塗布部材に近接させ、塗布液供給手段から塗布液を塗布器に供給して塗布器の吐出口から塗布液を吐出し、かつ塗布器と被塗布部材のいずれかを水平方向に相対的に移動させて、被塗布部材に塗膜を形成する塗布方法において、塗布器の吐出口から一定体積Qの塗布液を吐出し一定時間待機した後、塗布器をクリアランスSを設けるように被塗布部材に近接させて塗布液を塗布器より吐出するとともに、被塗布部材を塗布器に対して相対的に移動させて、被塗布部材に塗膜を形成することを特長とする。ここで、前記塗布器の吐出口より吐出する塗布液の一定体積Qは、前記塗布器の吐出口を含む面の塗布方向長さをL、吐出口の塗布器長手方向長さをWとすると、Q=α1×S×L×W、0.05≦α1≦1.0、であることが好ましい。

0014

本発明の別の塗布方法は、一方向に延びる吐出口を有する塗布器を被塗布部材に近接させ、塗布液供給手段から塗布液を塗布器に供給して塗布器の吐出口から塗布液を吐出し、かつ塗布器と被塗布部材のいずれかを水平方向に相対的に移動させて、被塗布部材に塗膜を形成する塗布方法において、所定のクリアランスにて塗布器を静止している被塗布部材に近接させてから、塗布器から一定体積Qの塗布液を吐出し、一定時間待機後、被塗布部材に塗布器から塗布液を吐出するとともに、被塗布部材の塗布器に対する相対移動を開始して、被塗布部材に塗膜を形成することをを特長とする。ここで、前記クリアランスには第1のクリアランスと第2のクリアランスがあり、第1のクリアランスにて塗布器を静止している被塗布部材に近接させてから塗布器から一定体積Qの塗布液を吐出し、一定時間待機後第2のクリアランスとなるよう塗布器を移動後、被塗布部材に塗布器から塗布液を吐出するとともに、被塗布部材の塗布器に対する相対移動を開始して、被塗布部材に塗膜を形成することが好ましい。また、前記第1のクリアランスを第2のクリアランスよりも小さくすること、さらに前記塗布器の吐出口より吐出する塗布液の一定体積Qは、前記塗布器の吐出口を含む面の塗布方向長さをL、吐出口の塗布器長手方向長さをW、一定体積Qを吐出するときの塗布器と被塗布部材との間のクリアランスをSとすると、Q=α2×S×L×W、0.05≦α2≦1.0、であることも好ましい。

0015

本発明の塗布装置は、塗布液を吐出するために一方向に延びる吐出口を有する塗布器と、塗布器に塗布液を供給する塗布液供給手段と、被塗布部材を保持する載置台と、前記塗布器および載置台のうちの少なくとも一方を相対的に移動させる移動手段と、塗布器を被塗布部材に近接させる昇降手段とを備えた塗布装置であって、さらに塗布器の吐出口から一定量塗布液を吐出し、一定時間待機してから、塗布液を塗布器より吐出するとともに、被塗布部材の塗布器に対する相対移動を開始して、被塗布部材への塗布を開始させる制御装置を有することを特徴とする。

0016

本発明のディスプレイ用部材の製造方法は、上記のいずれかの塗布方法を使用してディスプレイ用部材を製造する。

0017

本発明になる塗布方法および塗布装置を用いれば、塗布器から微小量塗布液を吐出して一定時間待機してから被塗布部材への塗膜の形成を開始するのであるから、吐出口付近の塗布器内部に空隙が生じていても、空隙部が塗布器外部に排出されるとともに、吐出口外部にある塗布液によって空隙が解消されるために、予備吐出を行わずとも、塗布開始部から高品位ならびに膜厚均一の塗布が行える。この塗布方法はいかなる種類の塗布液、塗布条件に対しても適用できる。

課題を解決するための手段

0018

本発明になるディスプレイ用部材の製造方法によれば、上記の優れた塗布方法を用いてディスプレイ用部材を製造するのであるから、高い品質のディスプレイ用部材を低コストで製造することが可能となる。

0019

以下、この発明の好ましい一実施形態を図面に基づいて説明する。

0020

図1は、この発明に係る塗布装置であるダイコータ1の概略正面断面図図2はダイコータ1を使用して塗布する時の、各動作部動作状況を示す時間線図図3は基板での塗布状況を示す平面図、図4はダイ20と基板Aとのビード形成状況を示す概略斜視図である。

0021

図1を参照すると、本発明のダイコータ1が示されている。このダイコータ1は基台2を備えており、基台2上には、一対のガイドレール4が設けられている。このガイドレール4上にはステージ6が配置されており、ステージ6は図示しないリニアモータで駆動されて図1に示すX方向に自在に往復動する。またステージ6の上面は吸着孔からなる真空吸着面となっており、被塗布部材である基板Aを吸着保持することができる。

0022

基台2の中央を見ると、門型支柱10がある。支柱10の両側に、上下昇降ユニット70が備えられており、この上下昇降装置ユニット70に塗布を行うダイ20が取り付けられている。

0023

ダイ20は矢印で示すX方向に垂直な方向、すなわち紙面に垂直な方向にのびているフロントリップ22、及びリアリップ24を、シム32を介してX方向に重ね合わせ、図示しない複数の連結ボルトにより一体的に結合することで構成されている。ダイ20内の中央部にはマニホールド26が形成されており、このマニホールド26もダイ20の長手方向(X方向に直交する方向)にのびている。マニホールド26の下方には、スリット28が連通して形成されている。このスリット28もダイ20の長手方向にのびており、その下端がダイ20の最下端面である吐出口面36で開口となって、吐出口34を形成する。なおスリット28はシム32によって形成されるので、スリットの間隙(X方向に測定)は、シム32の厚さと等しくなる。

0024

このダイ20を昇降させる上下昇降装置ユニット70は、ダイ20を吊り下げる形で保持する吊り下げ保持台80、吊り下げ保持台80を昇降させる左右一対昇降台78、昇降台78を上下方向に案内するガイド74、モータ72の回転運動を昇降台78の直線運動に変換するボールねじ76より構成されている。上下昇降ユニット70はダイ20の長手方向の両端部を支持するよう左右1対あって、各々が独立に昇降できるので、ダイ20長手方向の水平に対する傾き角度を任意に設定することができる。これによってダイ20の吐出口面36と基板Aを、ダイ20の長手方向にわたって略並行にすることができる。さらに、この上下昇降ユニット70によって、ステージ6上の基板Aとダイ20の吐出口面36の間にすきま、すわなち、クリアランスを、任意の大きさに設けることができる。

0025

さらに図1で基台2の右側端部を見ると、拭き取りユニット90がガイドレール4上にX方向に移動自在に取付られている。拭き取りユニット90には、ダイ20の吐出口34周辺係合する形状を有する拭き取りヘッド92が、ブラケット94を介してスライダー96に取り付けられている。スライダー96は駆動ユニット98により、ダイ20の長手方向、すなわちX方向に直行する方向に自在に移動する。駆動ユニット98とトレイ100は台車102上に固定されている。台車102はガイドレール4上にあり、ガイドレール4に案内されて、図示しないリニアモータによりX方向に自在に往復動できるので、拭き取りユニット90全体がX方向に往復動できる。また拭き取りを行う時は、拭き取りヘッド92がダイ20に係合する位置まで拭き取りユニット90全体をX方向に移動させ、ダイ20を下降して拭き取りヘッド92に係合させる。そして、駆動ユニット98を駆動して拭き取りヘッド92をダイ20の長手方向に摺動させると、ダイ20の吐出口付近に残存している塗布液その他の汚染物を除去、清掃することができる。除去した塗布液その他はトレイ100で回収される。トレイ100は図示しない排出ラインに接続されており、内部にたまった塗布液等の液体を外部に排出、回収することができる。またトレイ100は、ダイ20からエアー抜き等で吐出される塗布液を回収するために使用することもできる。なお拭き取りヘッド92はダイ20に均等に係合できるようゴム等の弾性体合成樹脂が好ましい。

0026

さらにまた基台2の左側を見ると、基板Aの厚さを測定する厚さセンサー120が支持台122に取り付けられている。厚さセンサー120はレーザを使用したものであることが好ましい。厚さセンサー120により基板Aの厚さを測定することで、どのような厚さの基板Aに対しても、ダイ20の吐出口面36と基板Aの隙間であるクリアランスを、常に一定にすることができる。

0027

再びダイ20を見ると、ダイ20のマニホールド26の上流側は、塗布液供給装置40に連なる供給ホース60に、内部通路(図示しない)を介して常時接続されており、これにより、マニホールド26へは塗布液供給装置40から塗布液を供給することができる。マニホールド26に入った塗布液はダイ20の長手方向に均等に拡幅されて、スリット28を経て、吐出口34から吐出される。

0028

なお、塗布液供給装置40は、供給ホース60の上流側に、供給バルブ42、シリンジポンプ50、吸引バルブ44、吸引ホース62、タンク64を備えている。タンク64には塗布液66が蓄えられており、圧空源68に連結されて任意の大きさの背圧を塗布液66に付加することができる。タンク64内の塗布液66は、吸引ホース62を通じてシリンジポンプ50に供給される。シリンジポンプ50では、シリンジ52、ピストン54がポンプ本体56に取り付けられている。ここでピストン54は図示しない駆動源によって上下方向に自在に往復動できる。シリンジポンプ50は、一定の内径を有するシリンジ52内に塗布液を充填し、それをピストン54により押し出して、ダイ20に基板A一枚塗布分だけ供給する定容量型のポンプである。シリンジ52内に塗布液66を充填するときは、吸引バルブ44を開、供給バルブ42を閉として、ピストン54を下方に移動させる。またシリンジ52内に充填された塗布液をダイ20に向かって供給するときは、吸引バルブ44を閉、供給バルブ42を開とし、ピストン54を上方に移動させることで、ピストン54でシリンジ52内部の塗布液を押し上げて排出する。オス側のピストン54とメス側のシリンジ52との間に気密性を持たせるために図示しないOリングを両者間のシール材として、ピストン54に取り付けるのが好ましい。

0029

なお制御信号にて動作するリニアモータ、モータ72、塗布液供給装置40等はすべて制御装置200に電気的に接続されている。そして、制御装置に組み込まれた自動運転プログラムにしたがって制御指令信号が各機器に送信されて、あらかじめ定められた動作を行う。なお条件変更時は操作盤202に適宜変更パラメータを入力すれば、それが制御装置200に伝達されて、運転動作の変更が実現できる。

0030

次に本発明の塗布装置を使った第1の塗布方法について詳述する。

0031

まずダイコータ1の各動作部の原点復帰が行われると、各移動部はスタンバイ位置に移動する。すなわち、ステージ6は図1の左端部(破線で示す位置)、ダイ20は最上部に移動するとともに、拭き取りユニット90はトレイ100がダイ20の下部位置にくるよう移動する。ここで、タンク64〜ダイ20まで塗布液66はすでに充満されており、ダイ20内部の残留エアーを排出する作業も既に終了している。この時の塗布液供給装置40の状態は、シリンジ52に塗布液66が充填、吸引バルブ44は閉、供給バルブ42は開、そしてピストン54は最下端の位置にあり、いつでも塗布液66をダイ20に供給できるようになっている。

0032

最初に、ステージ6の表面に図示しないリフトピンを上昇させ、図示しないローダから基板Aがリフトピン上部に載置される。次にリフトピンを下降させて基板Aをテーブル6上面に載置し、同時に吸着保持する。これと並行して塗布液供給装置40を稼働させて少量の塗布液66をトレイ100に向かって吐出後、拭き取りヘッド92をダイ20の吐出口34の真下の位置にくるよう拭き取りユニット90を移動させる。そして、ダイ20を下降させてダイ20の吐出口面36を拭き取りヘッド92に係合後、拭き取りヘッドをダイ20長手方向に摺動させて、ダイ20の吐出口34付近をダイ長手方向にわたって、清掃する。清掃完了後、拭き取りユニット90はもとの場所(図1の右端)に復帰する。

0033

それから、再び塗布液供給装置40を稼働させて、一定量の塗布液をダイ20の吐出口34から吐出する。ここで吐出される塗布液は微小量であるので下方には落下せず、吐出口34およびその周囲の吐出口面36にぶら下がる形で残留する。このときスリット28の吐出口34付近に微少な空隙があると、吐出口34の外部に押し出される。吐出口34から吐出された塗布液は吐出口34の長手方向をつたわって流れる性質があるので、スリット28に空隙があって塗布液がおしだされてこない部分があっても、この長手方向に伝わる塗布液によって空隙部分が排除され、吐出口34下部は長手方向に連結した塗布液で満たされる。そしてこの吐出口34下部で連結する塗布液の吐出口34からの垂れ下がり量は、表面張力の作用でダイ20長手方向にわたって均一化される。なおここでの吐出口34からの吐出量は、図4を参照して、ダイの吐出口34を含む面、すなわち吐出口面36の塗布方向長さをL、吐出口34のダイ20長手方向長さをW、後述する吐出口面36と基板Aとの塗布するときのすきま量であるクリアランスをSとすると、S×L×Wで表される容積の好ましくは5〜100%、より好ましくは10〜50%である。この範囲より少ないと、吐出口34から吐出後長手方向に移動する量が少なく、移動速度も低いため、他の部分で形成される空隙を解消することが実質的にできない。上記範囲より吐出量が多いと、吐出口面36と基板Aとの間で形成されるすきま部から塗布液があふれ出すために、塗布開始時の膜厚が許容値以上に厚くなってしまう。さらにまた上記の吐出量を吐出口34から吐出した後に、一定時間待機させる必要がある。この時間は、吐出された塗布液が吐出口34から垂れ下がり、表面張力の作用でダイ20長手方向にわたって均一化されるために要するものであり、好ましくは0.1〜10秒、より好ましくは0.3〜3秒である。これより短いと均一化されず、これより長いとタクトタイムを大幅に長くするので好ましくない。

0034

さて、以上の動作と並行してステージ6を移動開始し、基板Aが厚さセンサー120下を通過する基板Aの厚さを測定する。そして基板Aの塗布開始部がダイ20の吐出口34Aの真下に達したら、ステージ6を停止させる。この時に、測定した基板Aの厚さデータを用い、上下昇降ユニット70を駆動して、ダイ20の吐出口面36を基板Aからあらかじめ与えたクリアランス分離れた位置まで近接させる。そしてシリンジポンプ50のピストン54を所定速度で上昇させ、ダイ20から塗布液66を吐出した一定時間後に、テーブル6を所定速度で移動開始し、塗布液66の基板Aへの塗布を始めて、塗布膜Cを形成する。基板Aの塗布終了部がダイ20の吐出口34の位置にきたらピストン54を停止させて塗布液66の供給を停止し、つづいて上下昇降ユニット70を駆動して、ダイ20を上昇させる。これによって基板Aとダイ20Aの間に形成されたビードが断ち切られ、塗布が終了する。

0035

これらの動作中テーブル6は動きつづけ、終点位置にきたら停止し、基板Aの吸着解除してリフトピンを上昇させて基板Aを持ち上げる。この時図示されないアンローダによって基板Aの下面が保持され、次の工程に基板Aを搬送する。基板Aをアンローダに受け渡したら、テーブル6はリフトピンを下降させ原点位置に復帰する。テーブル6の原点位置復帰後、拭き取りユニット90を、トレイ100がダイ20の吐出口34の下部に配置するよう移動させる。

0036

その後シリンジポンプ50Aを作動させて、10〜500μLの少量の塗布液をダイ20に送り込み、ダイ20内部に残存する空隙部を塗布液で満たす。

0037

完了後シリンジポンプ50は、吸引バルブ44を開、供給バルブ42を閉として、ピストン54を一定速度で下降させ、タンク64の塗布液66をシリンジ52に充填する。充填完了後、ピストン54を停止させ、吸引バルブ44を閉、供給バルブ42を開として、次の基板Aが来るのを待ち、同じ動作をくりかえす。

0038

以上の塗布方法では、塗布開始前にダイ20の吐出口34より微小一定量の塗布液を吐出し、スリット28内および吐出口34付近に空隙がない状態で必ず塗布を行うようにしたので、塗布開始部が図3(b)のようになり、(a)に示すような塗布開始部の塗布されない部分である膜切れや、膜切れを起点とするすじ欠点の発生を完全に防止することができる。

0039

なお、上記の実施態様の説明では、弾性体の拭き取りヘッド92をダイの吐出口付近に係合させて摺動させることで、ダイの吐出口付近の清掃をする手段を示したが、布材あるいは溶剤を湿潤させた布材でダイの吐出口付近を拭き取る手段を用いてもよい。

0040

次に本発明の第2の塗布方法について説明する。

0041

まず塗布液をタンク64〜ダイ20まで充填し、ステージ6、ダイ20、拭き取りユニット90をスタンバイの位置まで配置させるまでは、上記の第1の塗布方法と全く同じである。

0042

まず、図示しないローダから基板Aがリフトピンを介在して、テーブル6上面に載置、吸着保持される。そして塗布液供給装置40を稼働させて少量の塗布液66をトレイ100に向かって吐出後、ダイ20を下降させてダイ20の吐出口面36を拭き取りヘッド92に係合後、拭き取りヘッド92をダイ20長手方向に摺動させて、ダイ20の吐出口34付近をダイ長手方向にわたって、清掃する。清掃完了後、拭き取りユニット90はもとの場所(図1の右端)に復帰する。

0043

これ以降のステージ6、ダイ20、シリンジポンプ50の動作については、図2タイムチャート参照しながら説明する。拭き取りユニット90が基台2の右端部に移動したのを確認して、基板Aを載置したステージ6を移動開始する。この時ダイ20は、塗布が行われる位置よりもはるか上方にある拭き取り位置にあり、一方シリンジポンプ50は、待機してまだ停止している。そして基板Aが厚さセンサー120下を通過する時に基板厚さを測定し、基板Aの塗布開始部がダイ20の吐出口34Aの真下に達したら、ステージ6を停止させる。この時、測定した基板Aの厚さデータを用い、上下昇降ユニット70を駆動して、ダイ20の吐出口面36と基板A間のすきまが、あらかじめ定めた第1のクリアランスになるようダイ20を第1の下降位置まで下降させる。そしてシリンジポンプ50を駆動して、一定量の塗布液をダイ20の吐出口34から吐出して、ビードを形成する。一定時間後にダイ20の吐出口面と基板A間のすきまを第2のクリアランスになるように、ダイ20を上下方向に第2の下降位置まで移動させる。第2のクリアランスは、一度形成したビードを維持するよう設定することが好ましい。そして、この状態でシリンジポンプ50のピストン54を所定速度で上昇させ、ダイ20から塗布液66を吐出し一定時間後にビードが所定の大きさに成長してから、テーブル6を所定速度で移動開始し、塗布液66の基板Aへの塗布を始めて、塗布膜Cを形成する。なおこの時、ダイ20からの塗布液の吐出とテーブル6のダイ20との相対移動開始が同時でもよいし、テーブル6のダイ20との相対移動の方を早くしてもよい。また、シリンジポンプ50のピストン54が所定速度に達するのと、テーブル6が所定速度に達するタイミングはいかなるものであってもよいが、同時か、テーブル6が所定速度に達するのが遅い方が好ましい。

0044

そして、基板Aの塗布終了部がダイ20の吐出口34の位置にきたらピストン54を停止させて塗布液66の供給を停止し、その後ダイ20の吐出口面と基板Aとの間に残存している塗布液の一部が基板Aの移動に伴い基板Aに転写されるいわゆるスキージ塗布をしてから、上下昇降ユニット70を駆動して、ダイ20を上昇させる。これによって基板Aとダイ20Aの間に形成されたビードが断ち切られ、塗布が終了する。

0045

そのあいだもテーブル6は動作を継続し、終点位置にきたら停止し、基板Aの吸着を解除してリフトピンを上昇させて基板Aを持ち上げる。この時図示されないアンローダによって基板Aの下面が保持され、次の工程に基板Aを搬送する。基板Aをアンローダに受け渡したら、テーブル6はリフトピンを下降させ原点位置に復帰する。テーブル6の原点位置復帰後、拭き取りユニット90を、トレイ100がダイ20の吐出口34の下部に配置するよう移動させる。

0046

その後シリンジポンプ50Aを作動させて、10〜500μLの少量の塗布液をダイ20に送り込み、ダイ20内部に残存する空隙部を塗布液で満たす。

0047

完了後シリンジポンプ50を作動させて、第1の塗布と同様にして塗布液66をシリンジ52に充填する。充填完了後、ピストン54を停止させ、吸引バルブ44を閉、供給バルブ42を開として、次の基板Aが来るのを待ち、同じ動作をくりかえす。

0048

上記の塗布方法で、第1のクリアランスは20〜200μm、第2のクリアランスは40〜300μmにするのが好ましい。第1のクリアランスを設定してから、ダイ20の吐出口34より一定量塗布液を吐出するが、これによって、スリット28の吐出口34付近に微少な空隙があっても、1)吐出口34の外部に押し出される、2)吐出口34から吐出された塗布液は、吐出口面36と基板Aの間に形成されたすきまを、一種毛細管現象によって、ダイ20の長手方向につたわって流れるので、スリット28の空隙が塗布液によっておしだされて吐出口34付近の吐出口面36と基板Aとの間のすきま部に残留していても、毛細管により伝わってくる塗布液によって、すきま部から排出される、ので、吐出口面36と基板A間で塗布液が長手方向に連結してビードを形成するため、空隙はその後の塗布に影響を与えることはない。この時の吐出口34からの塗布液の吐出量は、図4に示すダイ20の吐出口面36の塗布方向(矢印の方向)長さL、吐出口面36と基板Aとの間のすきま量である第1のクリアランスS、吐出口34の長手方向長さW、によって形成される容積V=L×S×Wの好ましくは5〜100%、より好ましくは、10〜50%である。これによって規定される塗布液吐出量により、吐出口面36と基板A間に塗布液が連結したビード130が形成されるが、この範囲よりも塗布液吐出量が小さいと、毛細管により塗布液がダイ長手方向に流れる速度が非常に遅くなって塗布のタクトタイムも遅くなり、一方上記の範囲よりも大きくなると、塗布液がダイ20長手方向に早く流れて空隙を排出する時間が大幅に減じられるが、吐出口面36と基板Aで形成されるすきま部より塗布液がはみ出して、以降の塗布を正常に行えなくなる。

0049

また第1のクリアランスが上記の範囲より小さいと、基板の厚さむらにより、基板Aと吐出口面が衝突することがあり、上記範囲よりも大きいと、基板Aと吐出口面36間に形成されるすきま部を毛細管により塗布液がつたわっていく速度が極端に小さくなり、短時間の内に塗布液により空隙を解消して塗布液を連結させてビードを形成することができなくなる。さらに第2のクリアランスが上記範囲よりも小さいと、塗布時に塗布液に作用するせん断力が大きくなり、塗布時に膜切れ等の欠点が発生し、上記範囲よりも大きいと、第1のクリアランスにて形成されたビードが切断され、塗布開始部に塗布されない膜切れ部分が発生してしまう。

0050

なお第1のクリアランスは第2のクリアランスと同じにしてもよいが、第2のクリアランスよりも小さくすることがより好ましい。これは第1のクリアランスが小さい方が、吐出口34より吐出された塗布液の毛細管効果によるダイ長手方向の流れ速度が早くなることの他、第2のクリアランスが大きくなることで、吐出口面36と基板Aとの間に形成されるすきま部に許容される上限塗布液吐出量が大きくなるので、塗布開始部の膜厚を制御する操作マージンが大きくなり、塗布開始部の膜厚制御がより容易となるためである。逆に第2のクリアランスを小さくすると、クリアランスを小さくすることで吐出口面36と基板A間のすきま部で形成される許容容積が小さくなるために、余剰の塗布液がはみでてきて基板Aの塗布されない部分を汚す等の不都合を発生させる。

0051

さらにまた第1のクリアランスを設定して、一定量の塗布液を吐出口34から吐出し、一定時間待機後に第2のクリアランスに設定できるようにしているが、この待機時間は好ましくは0.1〜10秒、より好ましくは0.3〜3秒である。これより短いと、基板Aと吐出口面36間に形成されるすきま部を毛細管により塗布液がつたわって、空隙を解消して塗布液を連結させてビードを形成する時間に足らず、これより長いと、タクトタイムが大幅に長くなって、生産性向上の障害要因となってしまう。

0052

以上のように第1のクリアランスを設定して一定量の塗布液を吐出することにより、スリット28内の空隙を吐出口34外に排除するとともに、吐出口34付近でダイ20外に残存している空隙が、毛細管効果によりダイ長手方向に移動する塗布液でさらに排除されるようになるので、塗布液が吐出口面36と基板A間のすきま部に満たされ長手方向に連結するビードを形成する。このビードを維持できる第2のクリアランスにて引き続いて塗布開始すると、塗布開始部に図3(a)のように塗布されない部分が発生することはなく、図3(b)のように塗布開始部から塗布欠点なく塗布することができる。塗布されない部分を解消することによって、塗布されない部分を起点として発生するすじ欠点、さらには塗布されないことにより生じる膜厚不均一の非製品部分領域を小さくすることができる。また上記塗布方法は、塗布液の種類や塗布量に関係なく適用できるので、塗布開始部の塗布されない部分を解消するために、塗布液の組成固形分濃度を変えたり、塗布量を大きくする必要がない。特に塗布量を大きくすることで、塗布後の乾燥までの区間での基板傾きにより塗布液が流動して、膜厚均一性が阻害されるという不都合を一切解消することができる。また、塗布開始部の塗布されない部分を解消するためにロールへの予備塗布を使用しているコータにも本塗布方法は適用でき、それによってロールへの予備塗布を一切なくすことができるので、予備塗布に伴う無効な塗布液の消費をなくすことができるとともに、予備塗布を行わない分だけタクトタイムの短縮化を図ることが可能となる。

0053

なお本発明が適用できる塗布液としては粘度が1〜1000mPaS、より望ましくは1〜50mPaSであり、ニュートニアンであることが塗布性から好ましいが、チキソ性を有する塗液にも適用できる。とりわけ溶剤に揮発性の高いもの、たとえばPGMEA酢酸ブチル乳酸エチル等を使用している塗布液を塗布するときに有効である。具体的に適用できる塗布液の例としては、上記にあげたカラーフィルター用ブラックマトリックス色画素形成用塗布液の他、レジスト液オーバーコート材等がある。基板である被塗布部材としてはガラスの他にアルミ等の金属板セラミック板シリコンウェハー等を用いてもよい。さらに使用する塗布状態と塗布速度が0.1m/分〜10m/分、より好ましくは0.5m/分〜6m/分、ダイのリップ間隙は50〜1000μm、より好ましくは80〜200μm、塗布厚さがウェット状態で1〜50μm、より好ましくは2〜20μmである。

0054

【実施例】
ダイコータ1を用いてカラーフィルターを製造した。
ダイは、吐出口の長手方向長さが360mm、吐出口面の塗布方向長さが0.5mm、スリットの間隙が100μmで、基板に360mm幅の塗布膜が形成できるものであった。

0055

まず、360×465mmで厚さ0.7mmの無アルカリガラス基板洗浄後に、ブラックマトリックス塗布液を厚さ10μm、ダイと基板との間のクリアランス100μmで3m/分にて塗布した。塗布はダイの吐出口付近を吐出口形状と同じ形状のシリコンゴムで拭き取ってから、ダイを停止している基板の塗布開始部に100μmのクリアランスで近接させ、ウェット厚さ10μmに相当する塗布液をシリンジポンプから送液し、ポンプ送液開始後0.5秒後に基板Aの移動を開始することで行った。なおこの時塗布したブラックマトリックス塗布液には、チタン酸窒化物遮光材アクリル樹脂バインダー、PGMEAを溶剤にそれぞれ用い、固形分濃度を10%、粘度を10mPaSに調整した感光性のものを用いた。また、塗布厚さが小さいため、塗布開始部に塗布されない箇所が基板幅方向に5ヶ所生じたので、ダイの吐出口付近を吐出口形状と同じ形状のシリコンゴムで拭き取ってから、ダイを停止している基板の塗布開始部に100μmのクリアランスで近接させ、ブラックマトリックス用塗布液を5μL吐出し、0.1秒待機の後、ウェット厚さ10μmに相当する塗布液をシリンジポンプから送液し、ポンプ送液開始後0.2秒後に基板Aの移動を開始するようにした。これによって塗布開始部に塗布されない箇所はすべて解消された。なお塗布のタクトタイムは30秒であった。さて、塗布した基板は100℃のホットプレートで10分乾燥後、露光現像剥離を行った後、260度のホットプレートで30分加熱して、キュアを行い、基板の幅方向ピッチが254μm、基板の長手方向にピッチが85μm、線幅が20μm、RGB画素数が4800(基板長手方向)×1200(基板幅方向)、対角の長さが20インチ(基板幅方向に305mm、基板長手方向に406mm)となる格子形状で、厚さが1μmとなるブラックマトリックス膜を作成した。なお、乾燥後の格子模様形成前の状態で塗布厚さを測定したところ、端部の10mmを除いて、基板走行方向、幅方向とも±3%以下のむらであった。

0056

ウェット洗浄後、R色用塗布液を厚さ20μm、ダイと基板との間のクリアランス100μmで3m/分にて塗布した。R色用塗布液はアクリル樹脂をバインダー、PGMEAを溶媒ピグメントレッド177を顔料にして固形分濃度10%で混合し、さらに粘度を5mPaSに調整した感光性のものであった。塗布した基板は、90℃のホットプレートで10分乾燥後、露光・現像・剥離を行って、R画素部にのみ厚さ2μmのR色塗膜を残し、260度のホットプレートで30分加熱して、キュアを行なった。つづいてブラックマトリックス、R色の塗膜を形成した基板に、G色用塗布液を厚さ20μm、ダイと基板との間のクリアランス100μmで3m/分にて塗布後、100℃のホットプレートで10分乾燥後、露光・現像・剥離を行って、G色画素部にのみ厚さ2μmのG色塗膜を残し、260度のホットプレートで30分加熱して、キュアを行なった。さらにブラックマトリックス、R色、G色の塗膜を形成した基板に、B色用塗布液を厚さ20μm、ダイと基板との間のクリアランス100μmで3m/分にて塗布後、100℃のホットプレートで10分乾燥後、露光・現像・剥離を行って、B色画素部にのみ厚さ2μmのB色塗膜を残し、260度のホットプレートで30分加熱して、キュアを行なった。なお、G色用塗布液はR色用塗布液で顔料をピグメントグリーン36にして固形分濃度10%で粘度を10mPaSに調整したもの、B色用塗布液にはR色用塗布液で顔料をピグメントブルー15にして固形分濃度10%で粘度を10mPaSに調整したものであった。R、G、B色塗布液の塗布はいずれも、ダイの吐出口付近をシリコンゴムで拭き取ってから、ダイを停止している基板の塗布開始部に100μmのクリアランスで近接させ、ウェット厚さ20μmに相当する塗布液をシリンジポンプから送液し、ポンプ送液開始後0.3秒後に基板Aの移動を開始することで行った。塗布のタクトタイムは30秒であった。なお、塗布品位は申し分のないものであった。膜厚分布についても乾燥後、各色とも測定したところ、端部10mmを除外して基板走行方向、幅方向とも±3%以下の変動しかなく、良好であった。

発明を実施するための最良の形態

0057

そして最後にITOをスパッタリングで付着させた。この製造方法にて、1000枚のカラーフィルターを作成した。得られたカラーフィルターは、塗布むらがなく、色度も基板全面にわたって均一で、品質的に申し分ないものであった。

発明の効果

0058

本発明になる塗布方法および塗布装置を用いれば、塗布器から一定量塗布液を吐出して一定時間待機してから被塗布部材への塗膜の形成を開始するのであるから、吐出口付近の塗布器内部に空隙が生じていても、空隙部が塗布器外部に排出されるとともに、吐出口外部で長手方向に流動する塗布液によって空隙が完全に解消されるために、予備塗布を行わずとも、塗布開始部から高品位ならびに膜厚均一の塗布が行える。さらにいかなる種類の塗布液、塗布条件に対しても、予備塗布を行わずに基板全面にわたって高品位、並びに膜厚均一の塗布を容易に実現できるので、タクトタイム短縮、並びに塗布液無効使用量の削減による低コスト化を実現することができる。

図面の簡単な説明

0059

本発明になるディスプレイ用部材の製造方法によれば、上記の優れた塗布方法を用いてディスプレイ用部材を製造するのであるから、高い品質のディスプレイ用部材を低コストで製造することが可能となる。

図1
本発明の一実施例のダイコータ1の概略正面断面図である。
図2
ダイコータ1を使用して塗布する時の、各動作部の動作状況を示す時間線図である。
図3
基板での塗布状況を示す平面図である。
図4
ダイ20と基板Aとのビード形成状況を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1 ダイコータ
2基台
4ガイドレール
6ステージ
10支柱
20 ダイ(塗布器)
22フロントリップ
24リアリップ
26マニホールド
28スリット
32シム
34吐出口
36吐出口面
40塗布液供給装置
42供給バルブ
44吸引バルブ
50シリンジポンプ
52シリンジ
54ピストン
56 本体
60供給ホース
62吸引ホース
64タンク
66塗布液
68圧空源
70上下昇降ユニットB
72モータ
74ガイド
78昇降台
80吊り下げ保持台
90 拭き取りユニット
92 拭き取りヘッド
94ブラケット
96スライダー
98駆動ユニット
100トレイ
102台車
120 厚さセンサー
122支持台
130ビード
200制御装置
202操作盤
A 基板(被塗布部材)
C 塗布膜

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