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技術 プロパン−1,2,3−トリオール誘導体、その製造方法およびそれを含むα−グルコシダーゼ阻害剤

出願人 メビオーラスタイル株式会社
発明者 宮崎浩之石原智明松浦英幸柳谷智香子天野みどり水谷純也
出願日 2003年2月27日 (16年7ヶ月経過) 出願番号 2003-050400
公開日 2004年9月16日 (15年1ヶ月経過) 公開番号 2004-256467
状態 特許登録済
技術分野 食品の着色及び栄養改善 酵素・酵素の調製 糖類化合物 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 植物物質含有医薬 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード 吸収エネルギー量 血糖測定システム トライツ靭帯 溶出区 含水有機溶剤 常用成分 高圧液体 グルコシターゼ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2004年9月16日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (4)

課題

取り扱いが平易で、しかも安全性の面で心配がないα−グルコシダーゼ阻害作用を有する物質を開発し、糖尿病の予防や肥満の予防と解消を図るために供すること。

解決手段

下記化学式(1)または(2)で表されるプロパン−1,2,3−トリオール誘導体(1)(2S,3S)1−O−β−D−6’−O−cinnamoylglucopyranosyl−3−(3’’,5’’−dimethoxy−4’’−hydroxyphenyl)propane−1,2,3−triol(2S,3S)1−O−β−D−glucopyranosyl−3−(3’’,5’’−dimethoxy−4’’−hydroxyphenyl)propane−1,2,3−triol (2)を提供すると共に、シソ科植物ヒソップ(Hyssopus officinalis)の地上部から含水有機溶媒で抽出することを特徴とする当該プロパン−1,2,3−トリオール誘導体の製造方法及び当該化合物を含有することを特徴とするα−グルコシダーゼ阻害剤並びに当該α−グルコシダーゼ阻害剤を添加したことを特徴とする食品もしくは飲料を提供する。

概要

背景

糖尿病発症生活習慣と密接に関係しており、その原因のひとつに、肥満過食による高血糖等が挙げられている。また、肥満は糖尿病以外にも虚血性心疾患高血圧高脂血症等多くの疾患の原因と推定されている。糖尿病の予防や肥満の予防および解消法の一つとして、消化酵素であるα−グルコシダーゼ活性阻害する物質を摂取することによる、血糖値の急激な上昇抑制および吸収エネルギー量の抑制がある。
代表的なα−グルコシダーゼ阻害活性剤としては、ノジリマイシンアカルボースボグリボースが知られている。しかし、これらは微量で高い阻害活性をもつため、その投与量には厳密性が要求され、医師観察下で使用されることが望ましい。また、腹部膨満放屁の増加,軟便下痢などの副作用を引き起こすことが多く、安全性に問題がある。

概要

取り扱いが平易で、しかも安全性の面で心配がないα−グルコシダーゼ阻害作用を有する物質を開発し、糖尿病の予防や肥満の予防と解消をるために供すること。下記化学式(1)または(2)で表されるプロパン−1,2,3−トリオール誘導体(1)(2S,3S)1−O−β−D−6’−O−cinnamoylglucopyranosyl−3−(3’’,5’’−dimethoxy−4’’−hydroxyphenyl)propane−1,2,3−triol(2S,3S)1−O−β−D−glucopyranosyl−3−(3’’,5’’−dimethoxy−4’’−hydroxyphenyl)propane−1,2,3−triol (2)を提供すると共に、シソ科植物ヒソップ(Hyssopus officinalis)の地上部から含水有機溶媒で抽出することを特徴とする当該プロパン−1,2,3−トリオール誘導体の製造方法及び当該化合物を含有することを特徴とするα−グルコシダーゼ阻害剤並びに当該α−グルコシダーゼ阻害剤を添加したことを特徴とする食品もしくは飲料を提供する。 なし

目的

本発明の目的は、取り扱いが平易で、安全性の面で心配がない、α−グルコシダーゼ阻害作用を有する物質を提供し、上記の疾病の予防と解消に資することである。そこで、本発明者らは、天然物由来のα−グルコシダーゼ阻害活性物質を検索すべく、鋭意研究をすすめたところ、特定の植物中の成分が有用であることを見出した。すなわち、シソ科に属する植物で、香辛料などとして用いられているヒソップ(Hyssopus officinalis)の地上部から抽出した成分がα−グルコシダーゼ阻害作用を有していることを究明するとともに、当該有効成分を分離することに成功した。また、この物質を含有する食品や飲料などを摂取すると、血糖値の上昇が緩慢となることや、吸収エネルギー量を減少させて肥満を改善し、糖尿病を予防する作用を有することを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成されたものである。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

下記化学式(1)または(2)で表されるプロパン−1,2,3−トリオール誘導体

請求項2

シソ科植物ヒソップ(Hyssopusofficinalis)の地上部から含水有機溶媒で抽出することを特徴とする請求項1に記載のプロパン−1,2,3−トリオール誘導体の製造方法。

請求項3

請求項1記載のプロパン−1,2,3−トリオール誘導体の一方もしくは両方、または当該化合物を含むシソ科植物ヒソップの抽出物を含有することを特徴とするα−グルコシダーゼ阻害剤

請求項4

請求項3記載のα−グルコシダーゼ阻害剤を添加したことを特徴とする食品もしくは飲料。

技術分野

0001

本発明は、プロパン−1,2,3−トリオール誘導体、その製造方法およびそれを含むα−グルコシダーゼ阻害剤に関する。

背景技術

0002

糖尿病発症生活習慣と密接に関係しており、その原因のひとつに、肥満過食による高血糖等が挙げられている。また、肥満は糖尿病以外にも虚血性心疾患高血圧高脂血症等多くの疾患の原因と推定されている。糖尿病の予防や肥満の予防および解消法の一つとして、消化酵素であるα−グルコシダーゼの活性阻害する物質を摂取することによる、血糖値の急激な上昇抑制および吸収エネルギー量の抑制がある。
代表的なα−グルコシダーゼ阻害活性剤としては、ノジリマイシンアカルボースボグリボースが知られている。しかし、これらは微量で高い阻害活性をもつため、その投与量には厳密性が要求され、医師観察下で使用されることが望ましい。また、腹部膨満放屁の増加,軟便下痢などの副作用を引き起こすことが多く、安全性に問題がある。

発明が解決しようとする課題

0003

本発明の目的は、取り扱いが平易で、安全性の面で心配がない、α−グルコシダーゼ阻害作用を有する物質を提供し、上記の疾病の予防と解消に資することである。そこで、本発明者らは、天然物由来のα−グルコシダーゼ阻害活性物質を検索すべく、鋭意研究をすすめたところ、特定の植物中の成分が有用であることを見出した。すなわち、シソ科に属する植物で、香辛料などとして用いられているヒソップ(Hyssopus officinalis)の地上部から抽出した成分がα−グルコシダーゼ阻害作用を有していることを究明するとともに、当該有効成分を分離することに成功した。また、この物質を含有する食品や飲料などを摂取すると、血糖値の上昇が緩慢となることや、吸収エネルギー量を減少させて肥満を改善し、糖尿病を予防する作用を有することを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成されたものである。

0004

請求項1記載の本発明は、下記化学式(1)または(2)で表されるプロパン−1,2,3−トリオール誘導体である。

0005

【化3】
(2S,3S)1−O−β−D−6’−O−cinnamoylglucopyranosyl−3−(3’’,5’’−dimethoxy−4’’−hydroxyphenyl)propane−1,2,3−triol (1)

0006

【化4】
(2S,3S)1−O−β−D−glucopyranosyl−3−(3’’,5’’−dimethoxy−4’’−hydroxyphenyl)propane−1,2,3−triol (2)

課題を解決するための手段

0007

請求項2記載の本発明は、シソ科植物ヒソップ(Hyssopus officinalis)の地上部から含水有機溶媒で抽出することを特徴とする請求項1に記載のプロパン−1,2,3−トリオール誘導体の製造方法である。
請求項3記載の本発明は、請求項1記載のプロパン−1,2,3−トリオール誘導体の一方もしくは両方、または当該化合物を含むシソ科植物ヒソップの抽出物を含有することを特徴とするα−グルコシダーゼ阻害剤である。
請求項4記載の本発明は、請求項3記載のα−グルコシダーゼ阻害剤を添加したことを特徴とする食品もしくは飲料である。

0008

本発明に係る新規化合物のプロパン−1,2,3−トリオール誘導体は、上記の化学式(1)および(2)で表される。以下において、前者を化合物(A)、後者を化合物(B)と称する。

0009

本発明に係る化合物(A)および化合物(B)は、ヒソップ地上部から得ることができる。本発明に使用することができるヒソップ(和名:ヤナギハッカ)の品種としては、ヒソップ,ホワイト・ヒソップ,ピンク・ヒソップなどを例示することができるが,これらの品種に限定されるものではない。また、地上部としては、葉,等を例示できるが、有効成分について粉末化などの加工を施すには、葉部の使用が適している。

0010

上記の植物から目的とする物質を抽出する方法としては、例えば以下に例示する方法が可能であるが、これに限定されるものではない。また、使用目的や使用濃度に応じて、各分画段階における粗抽出画分利用可能である。

0011

抽出工程として、ヒソップ乾燥葉などの原料を、アセトンエタノールブタノールアセトニトリルテトラヒドロフランなどの有機溶媒含水物を用いて抽出する。抽出する際の温度は常温でよく、抽出時間についてはヒソップ乾燥葉の場合、1週間乃至10日ほどである。

0012

抽出操作の終了後、濾紙ガラスフィルター等を用いる固−液分離手段で抽出物を濾液と残渣に分離する。次いで、濾液を減圧濃縮する。得られた濃縮液を有機溶媒可溶部と水可溶部に分配する。すなわち、酢酸エチルなどの有機溶媒と水を用いて有機溶媒可溶部と水可溶部に分配する。α−グルコシダーゼ阻害活性は両可溶部に観察され、有機溶媒可溶部から前記化合物(A)が、水可溶部から化合物(B)が得られる。なお、この有機溶媒可溶部と水可溶部に分配する工程は、省略することができ、両化合物を含む混合物の形態で本発明に用いることができる。

0013

上記化合物(A)を分離する方法について説明すると、抽出第一段階として、有機溶媒可溶部を濃縮し、これを活性炭あるいはダイヤイオンHP−20(三菱化学(株)製)を担体に用いた吸着カラムクロマトグラフィーに供する。次いで、水,含水メタノール溶液メタノールを用いて溶出し、阻害活性を有する含水メタノール溶液溶出区を濃縮する。
次に、これをシリカゲル(wakogelc−200、和光純薬製)担体カラムクロマトグラフィーに供して有機溶媒混合液、例えばCHCl3並びにMeOH:CHCl3の混合液を用いて溶出する。目的とする阻害活性の確認された溶出区を減圧し、濃縮する。

0014

上記化合物(A)の抽出第二段階として、この分画をゲル濾過クロマトグラフィー、例えばセファデックスLH−20 (Amersham Pharmacia Biotech社製)に供し、有機溶媒を用いて溶出し、阻害活性の高い溶出区を濃縮する。
次いで、化合物(A)の抽出第三段階として、この分画を逆相中圧液体カラムクロマトグラフィーに供する。カラムとしては、例えば Lpbar LiChroprep RP−18 (Merck社製)等を使用することができる。移動層として含水有機溶媒、例えばメタノール:水:酢酸混液を用いて溶出し、阻害活性の高い溶出区を濃縮する。
さらに、化合物(A)の抽出第四段階として、この分画を逆相高圧液体カラムクロマトグラフィーに供する。カラムとしては、例えば YMC−PackODS−AMカラム (YMC社製)等を使用することができる。移動層としては、含水有機溶媒、例えばメタノール:水:酢酸混液を用い、阻害活性の高い溶出区を得る。これを濃縮して上記化合物(A)をシラップ状にて得る。

0015

次に、前記化合物(B)を分離する方法について説明する。化合物(B)の抽出第一段階として、水可溶部を濃縮した後、エタノール等の有機溶媒を用いて適当な有機溶媒濃度になるように調製する。
得られた濃縮液を、低温、好ましくは−25℃程度で1〜4日間、好ましくは2日間静置する。沈殿が生じた場合は、濾紙やガラスフィルター等を用いる固−液分離手段により当該沈殿を除去する。

0016

上記化合物(B)の抽出第二段階として、濃縮液を活性炭あるいはダイヤイオンHP−20(三菱化学(株)製)を担体に用いた吸着カラムクロマトグラフィーに供する。吸着物質含水有機溶剤、例えば含水メタノール溶液を用いて溶出し、目的とする阻害活性を有する溶出区を濃縮する。
次に、化合物(B)の抽出第三段階として、この分画をゲル濾過クロマトグラフィー、例えばセファデックスLH−20 (Amersham Pharmacia Biotech社製)に供して、酢酸エチル等の含水有機溶媒を用いて溶出し、阻害活性の高い分画を得る。

0017

また、化合物(B)の抽出第四段階として、この分画を逆相系中圧液体カラムクロマトグラフィーに供する。カラムとしては、例えば Lpbar LiChroprep RP−18 (Merck社製)等を使用することができる。含水有機溶媒、例えばメタノール:水:酢酸混液等を用いて溶出して、抗酸化活性の高い分画を得る。
さらに、化合物(B)の抽出第五段階として、この分画を濃縮し、逆相高圧液体カラムクロマトグラフィーに供する。このとき用いるカラムとしては、例えばInertsilODS カラム(GL Science社製)等を使用することができる。移動層として、含水有機溶媒、例えばメタノール:水:酢酸混液を用いて阻害活性の高い溶出区を得る。これを濃縮し前記化合物(B)をシラップ状にて得る。

0018

請求項3記載の本発明に係るα−グルコシダーゼ阻害剤は、プロパン−1,2,3−トリオール誘導体である化合物(A)および/または化合物(B)、もしくはこれらの化合物を混合物として含むシソ科植物ヒソップの抽出物を含有することを特徴とする。
α−グルコシダーゼ阻害剤において、有効成分である上記化合物もしくは抽出物の含有量は、使用目的などにより異なるが、天然物由来する成分であるため、副作用の心配がなく、厳しく定める必要はない。
α−グルコシダーゼ阻害剤は、経口的に投与されるが、所望により医薬用担体とともに製剤化し、液剤錠剤カプセル剤顆粒剤散剤などの形態で用いることができる。その場合、賦形剤滑沢剤結合剤崩壊剤溶剤懸濁化剤安定化剤着色料甘味剤等の常用成分を適宜添加することができる。

0019

その他、上記化合物もしくは抽出物の適量を食品や飲料に添加して用いることもできる。食品としては、例えばパン類麺類菓子スナック類乳製品などがあり、飲料としては、炭酸飲料果実飲料乳酸菌飲料などがある。

0020

【実施例】
以下に実施例を示し,本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。

0021

実施例1ヒソップ葉部からの化合物(A)の抽出、分離
ヒソップ乾燥葉(100g)を含水メタノール溶液(メタノール:水=7:3)を用いて抽出した。抽出液を濾紙を用い濾過して得た濾液を減圧下、約1.5リットルになるまで濃縮した。得られた濃緑色シラップを有機溶媒(酢酸エチル)可溶部と水可溶部に分配した。α−グルコシダーゼ阻害活性は両可溶部に観察された。

0022

得られた有機溶媒(酢酸エチル)可溶部を濃縮し、濃黒色シラップを得た。次いで、このシラップをダイヤイオンHP−20(三菱化学(株)製)を担体に用いたカラムクロマトグラフィーに供し、水,含水メタノール溶液(メタノール:水=1:1および=7:3)およびメタノールを用いて溶出した。阻害活性の確認された含水メタノール溶液(メタノール:水=1:1)溶出区を濃縮してシラップを得た。阻害活性の確認は、下記の文献記載の方法により実施した。すなわち、市販のラット腸アセトンパウダーよりα−グルコシダーゼ活性を有する粗酵素溶液を作り、これに基質としてシュクロースを加え、被検試料反応溶液に加えて反応させ、反応後の反応溶液中のグルコース量を測定することにより行った。

0023

Nishioka, T.;Kawabata, J.;Aoyama,Y. Baicalein, an β−glucosidase inhibitor from Scutellaria baicalensis. J. Nat. Prod.,(1989),61, p.1413−1415 Toda, M., Kawabata, J., and Kasai, T., Inhibitory effects of ellagi− and gallotannins on rat intestinalα−glucosidase complexes .Biosci.. Biotechnol. Biochem., 65, 542−547 (2001)

0024

得られたシラップをシリカゲル(Wakogel C−200,和光純薬製)を担体に用いたカラムクロマトグラフィーに供した。カラムはCHCl3 並びにMeOH:CHCl3=5:95, MeOH:CHCl3=5:95,MeOH:CHCl3=10:90,MeOH:CHCl3=30:70,MeOH:CHCl3=40:60の5種類の溶媒で順次溶出した。阻害活性の確認されたMeOH: CHCl3=1:9, 3:7溶出区を減圧濃縮しシラップを得た。
得られたシラップをセファデッスクLH−20 (Amersham Pharmacia Biotech製)を用いたカラムクロマトグラフィーに供した。有機溶媒混液(MeOH:CHCl3=7:3)を用いて溶出し、活性の確認された溶出区を濃縮し、シラップを得た。

0025

得られたシラップをLpbar LiChroprep RP−18 (Merk社製)カラムを用いた中圧液体カラムクロマトグラフィーに供した。メタノール:水:酢酸=50:50:0.1の溶液を用いてカラムを溶出し、活性の確認された溶出区を濃縮してシラップを得た。
次に、得られたシラップを高圧液体カラムクロマトグラフィー(HPLC)に供した。使用したカラムはYMC−PackODS−AMカラム(YMC)、UV吸収(210nm)、移動層にメタノール:水:酢酸=80:20:0.1溶液を用いた。阻害活性の確認された溶出区を濃縮したところ、化合物(A)がシラップ状で90mg得られた。

0026

以下に、得られた化合物(A)の化学的性質を記載した。
化合物(A):(1−O−β−D−6’−O−cinnamoylglucopyranosyl−3−(3”,5”−dimethoxy−4”−hydroxyphenyl)propane−1, 2, 3−triol,90mg):
[α]D25 31.5 o (c= 1.0, MeOH);
FDMS m/z (rel. int.): 536 [M]+ (100);
1H−NMR(270MHz, CD3OD):δ 7.58 (1H, d, J= 16.1 Hz), 7.49 (2H, m), 7.33 (3H, complex), 6.62 (2H, s), 6.43 (1H, d, J= 16.1 Hz), 4.59 (1H, d, J= 6.5 Hz), 4.46 (1H, dd, J= 13.0, 2.1 Hz), 4.22 (2H, complex), 3.73 (6H, s), 3.73−3.59 (3H, complex), 3.56−3.24 (4H, complex);
13C−NMR (67.5 MHz, CD3OD):δ 168.2, 148.8, 146.4, 135.7, 135.5, 133.5, 131.4, 129.9, 129.2, 118.4, 105.1, 104.9, 77.7, 75.9, 75.3, 75.2, 75.1, 72.0, 71.8, 64.9, 56.7.

0027

実施例2ヒソップ葉部からの化合物(A)の抽出、分離
実施例1で得られた粗抽出液の水可溶部についてさらに精製を進めた。
得られた水可溶部を約500mlまで濃縮し、この溶液に4倍量のエタノールを加え、80%エタノール溶液になるように調製した。
得られた溶液を−25℃の条件で2日間静置した。この工程により沈殿が生じたので、濾紙を用いて該沈殿を除去して濾液を得、これを濃縮した。
濃縮後、得られたシラップをダイヤイオンHP−20(三菱化学(株)製)を担体に用いたカラムクロマトグラフィーに供した。水,含水メタノール溶液(メタノール:水=7:3)を用いて溶出した。活性の確認された含水メタノール溶液(メタノール:水=7:3)溶出区を濃縮し、シラップを得た。

0028

次いで、得られたシラップをセファデッスクLH−20 (Amersham Pharmacia Biotech製)を用いたカラムクロマトグラフィーに供した。含水メタノール溶液(メタノール:水=7:3)を用いて溶出し、阻害活性の確認された溶出区を濃縮してシラップを得た。
得られたシラップをLpbar LiChroprep RP−18 (Merk社製)を用いた中圧液体カラムクロマトグラフィーに供した。メタノール:水:酢酸=50:50:0.1の溶液を用いカラムを溶出した。活性の確認された溶出区を濃縮しシラップを得た。
得られたシラップを高圧液体カラムクロマトグラフィー(HPLC)に供した。使用したカラムはInertsilODS カラム(GL Science社製)、UV吸収(210nm)、移動層にメタノール:水:酢酸=80:20:0.1溶液を用いた。活性の確認された溶出区を濃縮したところ、化合物(B)がシラップ状で565mg得られた。

0029

以下に、得られた化合物(B)の化学的諸性質を記載した。
化合物(B):[α]D25 17.7 o (c= 0.5, MeOH);
FABMS (positive, matrix: glycerol) m/z (rel. int.): 429 [M+Na]+ (100);
FABMS (negative, matrix: TEA) m/z (rel. int.): 405 [M−H]− (10.8);
1H−NMR(270MHz, CD3OD):δ 6.62 (2H, s), 4.54 (1H, d, J= 6.2 Hz), 4.15 (1H, d, J= 7.6 Hz), 3.77 (6H, s), 3.73 (2H, m), 3.63 (1H, m), 3.55 (1H, dd, J= 11.6, 5.4 Hz), 3.47 (1H, dd, J= 10.0, 3.5 Hz), 3.3−3.1 (4H, complex);
13C−NMR (67.5 MHz, CD3OD):δ 148.9, 135.9, 133.6, 105.3, 104.6, 78.0, 77.9, 76.0, 75.5, 75.2, 72.0, 71.7, 62.8, 56.9.

0030

実施例3化合物(A)および化合物(B)のα−グルコシダーゼ阻害活性の測定
ラット腸アセトンパウダー(Sigma Aldrich Japan 社製)を用いて阻害活性試験に必要な粗酵素溶液を調製した。α−グルコシダーゼ阻害活性の測定方法は、西岡らの文献(Nishioka, T.; Kawabata, J.; Aoyama, Y, Baicalein, an β−glucosidase inhibitor from Scutellaria baicalensis. J. Nat. Prod.,(1998), 61,p.1413−1415)に準じて実施した。すなわち、化合物(A)および化合物(B)のそれぞれを3×10−3 M、1×10−3 Mおよび3×10−4Mの濃度に調整し、Positive controlとして1−deoxynojirimycin(和光純薬製)を用い、各化合物の阻害活性を評価した。その結果を図1に示した。なお、1−deoxynojirimycinの1×10−8 Mおよび3×10−7 Mでの阻害活性は、それぞれ21%と58%である。
したがって、化合物(A)および化合物(B)は、3×10−3 Mの濃度でコントロールの3×10−7 Mと同等な活性を有することが分かる。

0031

実施例4ヒソップ葉部抽出画分におけるグルコース吸収抑制作用
本発明に係るヒソップ葉部抽出画分のグルコース吸収に対する作用を反転腸管法を用いて試験した。
動物はWistar/ST系雄性ラットSPF,約300g)を使用した。エーテル麻酔下において小腸摘出し、冷却したKRB(Krebs−ringer bicarbonate solusion)中にて反転腸管を作製した。すなわち、トライツ靭帯から下部の小腸約25cmをKRB中にて約2cm断片とし、一方の断端縫合糸結紮した後、腸管を反転(粘膜側と奨膜側を反転)し、腸管内に10mMグルコースを含むKRBを満たして袋状の反転腸管を作製した。

0032

次に、ヒソップ葉部抽出画分(終濃度1.0,0.5および0.1mg/ml)を含むKRB液中に浸漬し、37℃で10分間の前処置の後、最終濃度5mMマルトースあるいは10mMグルコースとなるように添加し、37℃で1時間の反応を行った。
反応終了後、反転腸管外液(粘膜側)および反転腸管内液(奨膜側)のグルコース濃度を測定(グルコースB−testワコー,和光製)した。なお、実験中は混合ガス(95%酸素および5%二酸化炭素含有)を通気しながら行った。

0033

結果を図2および3に示した。腸管外液にマルトース(5mM)を添加し、1時間の反応を行うと、対照において腸管内グルコース濃度は約250mg/dlを示し、有意なグルコース濃度の上昇が認められた。これに対し、ヒソップ葉部抽出画分は0.5および1mg/mlの濃度で腸管内グルコース濃度の上昇を完全に抑制した(図2)。
一方、腸管外液にグルコース(10mM)を添加した場合、グルコース濃度上昇に対する抑制効果は認められなかった(図3)。
すなわち、化合物(A)および(B)を含むヒソップ葉部抽出画分は、マルトースから単糖であるグルコースへの分解を抑制(グルコシダーゼ阻害作用)し、グルコース濃度の上昇を抑制することが明らかとなった。

0034

実施例5 糖負荷マウスにおけるヒソップ葉部抽出画分の血糖値上昇抑制作用
本発明に係るヒソップ抽出画分の食後血糖値上昇抑制効果ショ糖負荷試験により検討を行った。
動物はICR系雄性マウス(SPF,5週齢)を使用し、24時間の絶食後、尾静脈採血による空腹時血糖値を測定した。その後、ヒソップ葉部抽出画分(100mg/kgまたは300mg/kg)を強制経口投与し、20分後にショ糖(1g/kg)を同様に経口投与した。

発明を実施するための最良の形態

0035

以下、投与30,60,90および120分後に尾静脈採血を行って血糖値を測定した。なお、血糖値はメディセーフ血糖測定システムテルモ)を用いて測定した。
図4にショ糖負荷マウスの血糖値上昇経時的変化を示した。対照において、ショ糖負荷30分後に血糖値は約210mg/dlを示し、その後血糖値は徐々に減少して2時間後には空腹時血糖値とほぼ同じ値に回復した。これに対し、ヒソップ抽出画分の投与群は、30分後の値を有意に抑制した。
すなわち、化合物(A)および(B)を含むヒソップ葉部抽出画分は、ショ糖負荷による血糖値の上昇を抑制し、糖尿病や食後血糖値の上昇が気になるヒトにとって有用であることが示唆される。なお、図中の*はP<0.05を、**はP<0.01を表している。

図面の簡単な説明

0036

本発明により、プロパン−1,2,3−トリオール誘導体、化合物AおよびBが提供される。
この化合物は、シソ科植物であるヒソップから抽出することによって得ることができる。当該プロパン−1,2,3−トリオール誘導体は、α−グルコシターゼ阻害活性効果を有しており、食品や飲料などに配合することにより、肥満を抑制したり、糖尿病、虚血性心疾患、高血圧症、高脂血症等の疾患の予防を図ることが期待される。しかも、この化合物は天然物由来であるので、副作用の心配がなく、安全性に優れている。

図1
本発明に係る化合物AおよびBのα−グルコシターゼ阻害活性の測定結果を示す図である。
図2
腸管内におけるヒソップ抽出画分のマルトースに対するα−グルコシターゼ阻害作用を示す図である。
図3
腸管内におけるヒソップ抽出画分のグルコースに対するα−グルコシターゼ阻害作用を示す図である。
図4
ショ糖負荷マウスにおけるヒソップ抽出画分の血糖値上昇抑制効果を示す図である。

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