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技術 超硬合金製回転工具

出願人 京セラ株式会社
発明者 松下滋吉田暢生
出願日 2003年2月25日 (17年4ヶ月経過) 出願番号 2003-048340
公開日 2004年9月16日 (15年9ヶ月経過) 公開番号 2004-255509
状態 特許登録済
技術分野 フライス加工 穴あけ工具 ダイヤモンド又は金属化合物を含有する合金
主要キーワード 先端刃先 加工くず 穴あけ数 カットタイプ 丸棒形状 最高保持温度 プリント基板加工用 金属加工用
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この項目の情報は公開日時点(2004年9月16日)のものです。
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課題

ドリル小径化や高速切削化においても耐摩耗性に優れ、長寿命切削が可能な超硬合金回転工具を提供する。

解決手段

シャンク部2、フルート部3および切刃部4を備えたドリル1等の超硬合金製回転工具において、前記超硬合金が平均粒径0.5μm以下のWC粒子間を5〜15質量%のコバルト主体とする結合相にて結合した組織からなるとともに、前記回転工具を大気中、室温から昇温速度10℃/分で700℃まで昇温して1時間保持した時の酸化増量を0.2mg/mm2以下とする。

概要

背景

従来より、金属の切削加工に広く用いられている超硬合金は、WC粒子主体とする硬質相と、Co等の鉄族金属結合相からなるWC−Co系合金、もしくは上記WC−Co系に周期律表第4a、5a、6a族金属炭化物、窒化物炭窒化物等の固溶体相を分散せしめた系が知られている。

概要

ドリル小径化や高速切削化においても耐摩耗性に優れ、長寿命切削が可能な超硬合金製回転工具を提供する。シャンク部2、フルート部3および切刃部4を備えたドリル1等の超硬合金製回転工具において、前記超硬合金が平均粒径0.5μm以下のWC粒子間を5〜15質量%のコバルトを主体とする結合相にて結合した組織からなるとともに、前記回転工具を大気中、室温から昇温速度10℃/分で700℃まで昇温して1時間保持した時の酸化増量を0.2mg/mm2以下とする。

目的

本発明の目的は、ドリルの小径化や高速切削化においても耐摩耗性に優れ、長寿命の切削が可能な超硬合金製回転工具を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

シャンク部、フルート部および切刃部を備えた超硬合金回転工具であって、前記超硬合金が平均粒径0.5μm以下のWC粒子間を5〜15質量%のコバルト主体とする結合相にて結合した組織からなるとともに、前記回転工具を大気中、室温から昇温速度10℃/分で700℃まで昇温して1時間保持した時の酸化増量が0.2mg/mm2以下であることを特徴とする超硬合金製回転工具。

請求項2

前記超硬合金の表面における酸素含有量が前記超硬合金の内部における酸素含有量に比べて多いことを特徴とする請求項1記載の超硬合金製回転工具。

請求項3

前記超硬合金の表面における硬度が前記超硬合金の内部における硬度に比べて高いことを特徴とする請求項1または2記載の超硬合金製回転工具。

請求項4

前記超硬合金中に、V、Cr、TaおよびNbの群から選ばれる少なくとも1種を炭化物換算による総量で0.2〜3質量%の割合で含有せしめることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の超硬合金製回転工具。

技術分野

0001

本発明は超硬合金回転工具に関するものである。

0002

従来より、金属の切削加工に広く用いられている超硬合金は、WC粒子主体とする硬質相と、Co等の鉄族金属結合相からなるWC−Co系合金、もしくは上記WC−Co系に周期律表第4a、5a、6a族金属炭化物、窒化物炭窒化物等の固溶体相を分散せしめた系が知られている。

0003

一方、プリント基板加工用素材としては、Cr(クロム)やV(バナジウム)等の粒成長抑制剤を添加したWC粒子の粒径が1μmより小さい、いわゆる超微粒超硬合金が主として用いられ、高硬度、高強度であることを活かして、耐欠損性および耐摩耗性に優れ、かつ穴位置精度の高いドリル公用されている(例えば特許文献1参照)。

0004

かかるプリント基板加工用のドリルについては、最近、プリント基板高密度化に伴って加工される穴径微細化する傾向にあり、ドリル径小径化すること、および穴開け加工効率を高めるために、ドリルの回転速度を100,000rpm以上に高めた高速切削化が要求されている(例えば特許文献2参照)。また、エンドミル加工等の他の回転工具においても同様な傾向にあり、高速切削化による加工効率の向上が求められている。

背景技術

0005

〔特許文献1〕
特開昭61−12847号公報
〔特許文献2〕
特開2001−239411号公報

0006

しかしながら、最近のドリル径の小径化および高速切削化の要求に対して、上記従来の超微粒超硬合金では、ドリル先端切削によって高温となり、そのためにドリル先端がプリント基板中の銅配線溶着しやすくなったり、加工くずの排出性が悪くなる影響で先端刃先がさらに摩耗しやすくなってしまい、刃先の摩耗に伴って切削抵抗が高くなり工具寿命が短くなる傾向にあるという問題があった。

発明が解決しようとする課題

0007

したがって、本発明の目的は、ドリルの小径化や高速切削化においても耐摩耗性に優れ、長寿命の切削が可能な超硬合金製回転工具を提供することにある。

0008

本発明者は、上記課題に対して検討した結果、工具原料粉末性状および焼成条件を制御するとともにドリル形状等の工具形状に加工した後にこの工具の表面を所定条件酸化処理または酸素イオン注入処理などの方法にて酸素濃度の高い状態とすることによって、平均粒径0.5μm以下のWC粒子とコバルトからなるとともに高温における酸化増量が少ない超硬合金にて工具を作製できる結果、コーティングを施すことなく工具表面耐熱性耐酸化性を高めることができ、かつ、耐摩耗性に優れた超硬合金製回転工具となることを知見した。

0009

すなわち、本発明の超硬合金製回転工具は、シャンク部、フルート部および切刃部を備えた超硬合金製回転工具であって、前記超硬合金が平均粒径0.5μm以下のWC粒子間を5〜15質量%のコバルトを主体とする結合相にて結合した組織からなるとともに、前記回転工具を大気中、室温から昇温速度10℃/分で700℃まで昇温して1時間保持した時の酸化増量が0.2mg/mm2以下であることを特徴とするものである。

0010

ここで、前記超硬合金の表面における酸素含有量が前記超硬合金内部における酸素含有量に比べて多いこと、前記超硬合金の表面における硬度が前記超硬合金内部における硬度に比べて高いことによって、高温における耐酸化性、耐溶着性および耐摩耗性をより高めることができる。

課題を解決するための手段

0011

また、前記超硬合金中に、バナジウム、クロム、タンタルおよびニオブを炭化物換算による総量で0.2〜3質量%の割合で含有せしめることにより、酸化増量を上記所定量以下にせしめることができるとともに、合金中炭化タングステン粒子の粒径を微細化して合金抗折強度を高めることができる。

0012

本発明の超硬合金製回転工具について、その一例であるドリルの概略側面図である図1を基に説明する。

0013

図1のドリル1は、シャンク部2、フルート部3および切刃部4を備えた超硬合金からなり、本発明によれば、この超硬合金が平均粒径0.5μm以下のWC粒子間を3〜13質量%のコバルトを主体とする結合相にて結合した組織からなるものである。

0014

本発明によれば、ドリル1を大気中、室温から昇温速度10℃/分で700℃まで昇温して1時間保持した時の酸化増量が0.2mg/mm2以下、特に0.15mg/mm2以下、0.12mg/mm2以下であることが大きな特徴であり、これによって、ドリル1の先端が高温となった場合でもドリルの先端がプリント基板中の銅配線と溶着しやすくなったり、加工くずの影響によって摩耗しやすくなることなく、耐摩耗性に優れ、微細で高精度な穴開け加工が行えるドリルとなる。

0015

すなわち、従来の超微粒超硬合金からなるドリルのように、酸化増量が0.2mg/mm2を超えると、ドリルが高温となったときの耐溶着性および耐摩耗性が低下する恐れがある。

0016

なお、上記のように、高温における酸化増量を低減する好適な方法としては、ドリル1の形状に加工した後、後述する所定の条件で酸化処理または酸素イオン注入処理を施す方法が挙げられる。

0017

ここで、本発明によれば、WC粒子の平均粒径は0.5μm以下、特に0.1〜0.4μm、さらに0.2〜0.3μmとすることが重要であり、これにより超硬合金の硬度および抗折強度を向上させることができ、耐摩耗性および耐折損性の高いドリルとなる。

0018

また、本発明によれば、上記超硬合金においては、結合相をなすコバルトの含有量は5〜15質量%であることがドリルとして必要な硬度および強度を満足するために必要であるが、小径化、穴位置精度の向上のためにドリルの変形を起こさない点では、結合相をなすコバルトの含有量は特に6〜10質量%、さらには6〜8質量%であることが望ましい。

0019

また、本発明によれば、上記表面処理によってドリル1の表面における酸素含有量がドリル1の内部における酸素含有量に比べて多くなるように制御することが望ましく、これによって、従来公知のコーティングのような高コスト化を招く手法を用いることなく、上述した高温における耐酸化性、耐溶着性および耐摩耗性の高いドリルとなる。

0020

さらに、本発明によれば、上記表面処理によって、ドリル1の表面における硬度がドリル1の内部における硬度に比べて高くなることが望ましく、これによってドリル1の耐摩耗性をさらに高めることができる。

0021

また、本発明によれば、超硬合金中にV、Cr、TaおよびNbの群から選ばれる少なくとも1種の高融点金属を炭化物換算による総量で0.2〜3質量%、特に0.2〜2質量%の割合で含有せしめることが望ましく、これによって、上記条件での酸化増量をより低減することができるとともに、WC粒子を微粒化して合金の硬度、抗折強度を高め、かつ耐衝撃性を向上する効果がある。

0022

さらに、本発明によれば、前記超硬合金の高温における酸化増量を低減するために、合金組織中、WC粒子の平均粒径に対して1/5以下の粒径である微粒WC粒子の数をWC粒子全体の数に対して10%以下、かつWC粒子の平均粒径に対して3倍以上の粒径を有する粗粒の数がWC粒子全体の数に対して10%以下であることが望ましい。

0023

(製造方法)
また、上述した超硬合金を製造するには、まず、例えば平均粒径0.05〜0.5μmのWC粉末を80〜90質量%、平均粒径0.2〜0.8μmの金属Co粉末を3〜15質量%に加えて、平均粒径0.3〜1.0μmのVC粉末、平均粒径0.8〜2.0μmのCr3C2粉末、平均粒径1.0〜2.5μmのTaC粉末、および平均粒径0.8〜2.0μmのNbC粉末を炭化物換算による総量で0.5〜3.0質量%、さらには所望により、金属タングステン(W)粉末、あるいはカーボンブラック(C)を混合する。

0024

本発明によれば、上記混合に際して、メタノール等の有機溶媒を加え、粉砕メディアとしてWC平均粒径が0.2〜0.5μmの超硬合金からなる粉砕ボール(φ3mm〜φ6mm)を用いて、50〜80時間振動ミル粉砕するか、あるいは40〜60時間アトライタ粉砕することが合金中のWC粒子の粒径を制御する点で望ましい。

0025

次に、上記混合粉末を用いて、プレス成形鋳込成形押出成形冷間静水圧プレス成形等の公知の成形方法によって所定形状に成形した後、1320〜1380℃で0.5〜1時間真空焼成し、該焼成温度よりも5〜50℃低い温度で0.5〜1時間熱間静水圧プレス焼成(SinterHIP)をして3〜6℃/分にて冷却する。

0026

ここで、上記工程のうち、焼成温度が1320℃より低いと超硬合金の焼結性が低下してしまい、逆に焼成温度が1380℃より高いと炭化タングステン粒子が粒成長してしまい強度が低下するとともに、酸化増量が規定値を超えてしまい、工具が高温になった場合の耐酸化性、耐溶着性および耐摩耗性が低下する。また、熱間静水圧プレス焼成温度が最高保持温度より5℃以上低くないと、焼結が進行しすぎて合金の酸化増量が規定値を超えてしまい、逆に熱間静水圧プレス焼成温度が最高保持温度と比較して50℃より低い場合、酸化増量が増して焼結性が低下してドリル寿命が低下する。

0027

そして、本発明によれば、上記超硬合金をドリル等所定の工具形状に加工した後、200℃〜400℃で、大気中1時間保持の条件で酸化処理をするか、もしくは、エネルギー100〜200KeV、注入量1×1015ion/cm2〜1×1017ion/cm2の条件で酸素イオン注入処理などを施すことにより、上述した超硬合金製回転工具を得ることができる。

0028

また、上述した本発明の超硬合金製回転工具は、高硬度、高強度に優れるとともに、優れた耐摩耗性を有することから、特にプリント基板加工用ドリルとして好適に使用可能であるが、金属加工用のドリルやエンドミル等としても好適である。

0029

【実施例】
(実施例)
表1に示す平均粒径の炭化タングステン(WC)粉末、平均粒径0.6μmの金属コバルト(Co)粉末および平均粒径0.7μmのVC粉末、平均粒径1.5μmのCr3C2粉末、平均粒径2.0μmのTaC粉末、平均粒径2.0μmのNbC粉末を表1に示す比率で添加し、溶媒としてメタノールを、粉砕メディアとして、平均粒径0.3μmのWC粒子を主体とする超微粒子超硬合金からなる直径5mmのボールを加えて振動ミル混合し、乾燥した後、プレス成形により丸棒形状に成形し、焼成温度より500℃以上低い温度から10℃/分の速度で昇温して、表1に示す条件で焼成して超硬合金を作製した。

0030

得られた超硬合金を2枚刃形状のドリル形状に加工し、一部の試料については、
大気雰囲気中、300℃で1時間の酸化処理(昇降温速度10℃/分)、またはエネルギー150KeV、注入量1×1017ion/cm2の条件で酸素イオン注入を施した(試料No.1〜4、7)。

0031

得られたドリルに対して、大気中、昇温速度10℃/分で700℃まで昇温して1時間保持する熱処理を施し、処理前後での重量差から酸化増量を算出した。なお、酸化増量の算出に当たりドリルの比表面積は図面形状から算出して求めた。また、上記ドリルのシャンク部の表面およびシャンク部を2分割した内部におけるビッカース硬度を測定した。さらに、オージェ分析によってドリルの表面から内部に向かって酸素濃度の変化を測定した。結果は表1に示した。

0032

また、前記超硬合金製ドリル形状にて、下記条件によってプリント基板の孔あけ加工テストを行い、テスト後、SEM観察によって摩耗量を測定した。

0033

<条件>
被削材:FR4・6層板、1.6mm厚、3枚重ね
ドリル形状:φ0.15mmアンダーカットタイプ
回転数:120kr.p.m.
送り速度:2.4m/分
穴あけ数:3,000hits
【表1】

0034

表1の結果より、表面処理を施さなかった試料No.5、6では酸化増量が0.2mg/m2より多く、耐摩耗性が低下した。また、焼成条件が所定の条件から外れる試料No.7においても酸化増量が0.2mg/m2より多く、耐摩耗性が低下した。

発明を実施するための最良の形態

0035

これに対して、本発明に従い、所定の原料を用い所定の条件にて焼成して表面処理を施すことによって、大気中、室温から昇温速度10℃/分で700℃まで昇温して1時間保持した時の酸化増量が0.2mg/mm2以下である試料No.1〜4では、摩耗量50μm以下の優れた耐摩耗性を示すものであった。

図面の簡単な説明

0036

以上詳述したとおり、本発明の超硬合金製回転工具によれば、工具の原料粉末の性状および焼成条件を制御するとともにドリル形状等の工具形状に加工した後にこの工具の表面を所定条件で酸化処理または酸素イオン注入処理などの方法にて酸素濃度の高い状態とする方法等によって、平均粒径0.5μm以下のWC粒子とコバルトからなり、大気中、室温から昇温速度10℃/分で700℃まで昇温して1時間保持した時の酸化増量が0.2mg/mm2以下に制御した本発明の超硬合金製回転工具は、コーティングを施すことなく工具表面の耐熱性、耐酸化性を高めることができ、かつ、耐摩耗性に優れた性能を発揮する超硬合金製回転工具である。

図1
本発明の超硬合金製回転工具の一例であるドリルの概略側面図である。
【符号の説明】
1 ドリル
2シャンク部
3フルート部
4切刃部

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