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技術 配管制振装置および配管装置

出願人 株式会社東芝
発明者 藤本滋丹羽博志米田哲也奥田幸彦松村誠
出願日 2003年2月19日 (17年10ヶ月経過) 出願番号 2003-041572
公開日 2004年9月9日 (16年3ヶ月経過) 公開番号 2004-251350
状態 未査定
技術分野 管の付属装置
主要キーワード 圧力上昇効果 狭隘部内 流体抵抗力 変位吸収機構 外周面積 配管制 円筒リング 円筒内径
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課題

二重配管内側配管外側配管とが熱膨張差振動により発生する相対変位の影響を緩和し、二重配管の内側配管への最適な制振を行うことができる配管制振装置および配管装置を得ることである。

解決手段

大口径の外側配管の内部に小口径の内側配管を設置した二重配管内に、流体による制振作用を生じさせるための円筒を設け、その円筒は複数個固定部材で外側配管または内側配管に固定したものである。これにより、外側配管と内側配管との狭くした隙間内の流体により制振作用を生じさせる。

概要

背景

概要

二重配管内側配管外側配管とが熱膨張差振動により発生する相対変位の影響を緩和し、二重配管の内側配管への最適な制振を行うことができる配管制振装置および配管装置を得ることである。大口径の外側配管の内部に小口径の内側配管を設置した二重配管内に、流体による制振作用を生じさせるための円筒を設け、その円筒は複数個固定部材で外側配管または内側配管に固定したものである。これにより、外側配管と内側配管との狭くした隙間内の流体により制振作用を生じさせる。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

流体を流す配管で大口径の外側配管の内部に小口径の内側配管を設置した二重配管配管制振装置において、前記内側配管の外径より内径が大きく前記外側配管の内径より外径が小さく前記外側配管内にて前記内側配管を貫通して取り囲み、それぞれの配管に接せず前記内側配管との隙間が均一に狭くなるように配置され、その長さが前記外側配管および前記内側配管より短い円筒と、この円筒の外周部と前記外側配管の内周部とを連結し前記円筒を前記外側配管に固定する複数個固定部材とを具備したことを特徴とする配管制振装置。

請求項2

前記円筒は、前記円筒の両端部に前記外側配管側に向けて勾配をつけた広口部を有したことを特徴とする請求項1記載の配管制振装置。

請求項3

前記円筒は、前記円筒の中央部より流体を取り込む側の、前記円筒の端部に向けて一部領域を外側配管側に勾配をつけた広口部を有したことを特徴とする請求項1記載の配管制振装置。

請求項4

前記円筒の設置時の水平方中心軸を前記内側配管の水平方向中心軸より平行に鉛直下方向に下げ円筒内径と内側配管外径との間の隙間を上方向側で小さく下方向側で大きくし、各配管の設置後の流体流通時における重力による内側配管の外側配管との相対的な鉛直下方向への沈み込み変形による最終的な円筒内径と内側配管外径との周方向隙間が均一となるように前記円筒を配置したことを特徴とする請求項1記載の配管制振装置。

請求項5

前記円筒は、前記円筒の両端部に前記内側配管側に向けて勾配をつけた狭口部を有したことを特徴とする請求項1記載の配管制振装置。

請求項6

前記円筒の両端部の内側に流体の出入り口の隙間を狭くための円筒リングをそれぞれ設けたことを特徴とする請求項1記載の配管制振装置。

請求項7

前記円筒は、前記円筒の中央部より、流体を取り込む側の前記円筒の端部に向けて外側配管側に勾配をつけた広口部を有し、前記広口部の円錐部分の内側に前記内側配管と前記円筒との隙間内に流れる流体に対し旋回流を発生させる複数個のフィンを設けたことを特徴とする請求項1記載の配管制振装置。

請求項8

前記固定部材の外側配管内を流れる流体の流れ方向の断面形状を流線形としたことを特徴とする請求項1記載の配管制振装置。

請求項9

前記固定部材の前記外側配管半径方向の断面形状を、前記外側配管側で太く前記円筒側で細くしたことを特徴とする請求項1記載の配管制振装置。

請求項10

前記円筒および前記固定部材に代えて、前記外側配管の内周部に直接的に固定され前記内側配管の外径より内径が大きく前記外側配管内にて前記内側配管を貫通して取り囲み前記内側配管との隙間が均一に狭くなるように配置されその長さが前記外側配管および前記内側配管より短い隙間形成スペーサと、前記隙間形成スペーサの前記配管軸方向に形成され前記外側配管を流れる外側配管内流体の流通を確保する複数個の流通孔とを具備したことを特徴とする請求項1記載の配管制振装置。

請求項11

前記円筒は、前記円筒の両端部の外周部に前記内側配管側に勾配を持ち前記内側配管に接しないように複数個の板ばねを設けたことを特徴とする請求項1記載の配管制振装置。

請求項12

前記固定部材は、前記固定部材に作用する配管半径方向の力に対して弾塑性変形を生じる屈曲部を有したことを特徴とする請求項1記載の配管制振装置。

請求項13

流体を流す配管で大口径の外側配管の内部に小口径の内側配管を設置した二重配管の配管制振装置において、前記内側配管の外径より内径が大きく前記外側配管の内径より外径が小さく前記外側配管内にて前記内側配管を貫通して取り囲み、それぞれの配管に接せず前記内側配管との隙間が均一に狭くなるように配置され、その長さが前記外側配管および前記内側配管より短い円筒と、この円筒の内周部と前記内側配管の外周部とを連結し前記円筒を前記内側配管に固定する複数個の固定部材とを具備したことを特徴とする配管制振装置。

請求項14

前記円筒は、前記円筒の両端部に前記外側配管側に向けて勾配をつけた狭口部を有したことを特徴とする請求項13記載の配管制振装置。

請求項15

前記円筒の両端部の外側に流体の出入り口の隙間を狭くための円筒リングをそれぞれ設けたことを特徴とする請求項13記載の配管制振装置。

請求項16

前記円筒の設置時の水平方向中心軸を前記内側配管の水平方向中心軸より平行に鉛直上方向に上げ、円筒外径と外側配管内径との間の隙間を上方向側で小さく下方向側で大きくし、各配管設置後の流体流通時における重力による内側配管の外側配管との相対的な鉛直下方向への沈み込み変形による最終的な円筒外径と外側配管外径との隙間が均一となるように前記円筒を配置したことを特徴とする請求項13記載の配管制振装置。

請求項17

流体を流す配管で大口径の外側配管の内部に小口径の内側配管を設置した二重配管の配管制振装置において、前記外側配管の一部長さ領域の配管口径を小さくして前記外側配管に小口径部を形成し、前記小口径部の部分で前記外側配管と前記内側配管との隙間を狭めたことを特徴とする配管制振装置。

請求項18

流体を流す配管で大口径の外側配管の内部に小口径の内側配管を設置した二重配管の配管制振装置において、前記内側配管の一部長さ領域の配管口径を大きくして内側配管に大口径部を形成し、前記大口径部の部分で前記外側配管と前記内側配管との隙間を狭めたことを特徴とする配管制振装置。

請求項19

流体を流す配管で大口径の外側配管の内部に小口径の内側配管を設置した二重配管の配管制振装置において、前記外側配管の一部長さ領域の配管口径を大きくして外側配管に大口径部を形成し、前記内側配管の一部長さ領域の配管口径を大きくして内側配管に大口径部を形成し、前記外側配管の大口径部および前記内側配管の大口径部の部分で前記外側配管と前記内側配管との隙間を狭めたことを特徴とする配管制振装置。

請求項20

流体を流す配管で大口径の外側配管の内部に小口径の内側配管を有した二重配管の前記内側配管の一部に設置された蛇腹形状フレキシブル配管と、前記外側配管と前記内側配管との間に設けられた請求項1ないし請求項19のいずれか一の配管制振装置とを備えたことを特徴とする配管装置

【発明の属する技術分野】
本発明は、原子力発電所火力発電所などの高温高圧熱流体を流す高温配管低温流体を流す低温配管とを一体化した二重配管振動を抑制する配管制振装置および配管装置に関する。
【従来の技術】
原子力発電所や火力発電所では、原子炉ボイラーで発生した蒸気は、主蒸気配管を通じてタービンに導かれ、タービンで仕事を終えた蒸気は復水器凝縮されて冷却された流体となり、復水ポンプ加熱器を介して給水配管を通って原子炉に戻される。蒸気や流体が通るこれらのそれぞれの配管は、自重流体流動による流体励振力地震時の地震力などにより、たわみ変形したり大きく振動するので、振動が発生した場合であっても破損しないように、周囲の建物壁架台構造物から支持装置を設けて固定されている。
一方、大幅な高効率が期待される新型原子炉としての超臨界圧水冷却炉では、高温・高圧熱流体を流す高温配管と低温の流体を流す低温配管とを一体化した二重配管の採用が考えられている。この配管では、超臨界圧水冷却炉から高温高圧の流体が二重管の高温配管を通り、タービンで仕事を終え、高温熱流体の熱が取り出され冷却された低温の流体が二重管の低温配管に導かれ、原子炉へ戻されるようになっている。二重管を採用するのは、高温配管の熱応力緩和するためである。
図23は、原子炉として超臨界圧水冷却炉を採用し配管の一部に二重管を採用した原子力発電所の構成図である。原子炉(超臨界圧水冷却炉)11からは高温高圧の蒸気が発生する。約550℃、約25MPa(約250気圧)程度の熱せられた蒸気が発生し、その高温高圧の蒸気は二重配管12の内側配管13を通りタービン14に導かれる。タービン14は高温高圧の蒸気により回転し発電機15を駆動する。タービン14で仕事を終えた蒸気は復水器16で低温の水に戻され給水ポンプ17により給水配管18を通り、二重管12の外側配管19を通って原子炉11に戻される。給水配管18や外側配管19には、約300℃前後、約250気圧程度の低温流体が流れることになる。
ここで、内側配管13を流れる流体(蒸気)は高温高圧であるため、本来、配管の肉厚を厚くして圧力に耐える構造でなければならない。この場合、高温流体が流れるため配管外側の温度が常温程度に低い場合は、厚肉配管では外側熱応力と内側熱応力との差が大きくなり、発生応力材料強度上、材料強度許容値を超え破損する可能性が高いので、内側配管13の周囲に外側配管19を設け、給水配管18からの常温よりは十分温度の高い流体を外側配管19に流して内側配管に生ずる熱応力低減を図ることができる。
すなわち、図23に示すように、内側配管13の周囲を取り囲むように外側配管19を設置する二重配管12の構造として、この外側配管19に内に300℃前後の給水を流し、内側配管13の内壁外壁の温度差を小さくし熱応力の緩和を図るとともに、還流する給水の圧力を内側配管13内の圧力と同程度にすることにより、内側配管13を耐圧構造としなくとも済むようにしている。これにより、内側配管13の肉厚を薄くすることができ、内側配管13に発生する熱応力を大幅に緩和することが可能となる。
このような構成の二重配管12では、流体の流動による流体励振力や地震時の地震力などにより、大きく振動し破損することを防止するため、一般的には外側配管19を周囲の建物壁や架台構造物から支持装置を設けて固定することが考えられている。
【発明が解決しようとする課題】
ところが、原子炉として上述の超臨界圧水冷却炉を採用し二重配管を採用した原子力発電所では、一般の原子力発電所の配管構造と異なり、以下のような課題がある。一つめは、二重配管構造において、高温流体が流れる内側配管13の温度は約550℃前後であり、外側配管19内の内側配管13の外周囲を流れる給水流体の温度は約220〜300℃程度であるため、これら配管の温度差により配管同士の熱膨張伸びの差は非常に大きいことである。たとえば、ステンレス製の配管では、二重配管の直進部の長さが10〜20m程度の場合、内側配管13は外側配管19に対して、常温で設置した時に比べ、約5cm〜10cm程度長くなる。
図24は、内側配管13と外側配管19との温度差による内側配管13の熱変形の説明図である。外側配管19は建物建屋の壁や架台構造物)20に支持装置21で固定されており、内側配管13は外側配管19内に収納されている。内側配管13と外側配管19との温度差が大きくなると、図24点線で示すように、内側配管13は、大きく変形する。すなわち、内側配管13がより大きな熱膨張により伸び、大きい複雑な変形をしたり、内側配管13が外側配管19に強く接触したり、内側配管13に高い圧縮応力曲げ応力が発生する可能性がある。また、外側配管19内を流れる環流する流体の流れが変化し、内側配管13の外壁の温度分布が変化すると、高い熱応力が発生し力学的変形や熱変形による応力が重ね合わさり、内側配管13が破損する恐れがある。
さらに、大地震時には、剛性の低い内側配管13が大きく揺れ、内側配管13と外側配管19とが互いに接触あるいは衝突したり、衝撃でそれぞれの配管が損傷する恐れがある。図25は大地震時に内側配管13が振動した場合の内側配管13の振動変形の説明図である。内側配管13が振動変形している様子を点線で示している。
このように、二重配管12の内側配管13および外側配管19の温度差が大きい場合には、熱膨張差による配管どうし相対変位が大きく発生し、大地震のような大きな振動が発生した場合には、薄肉の内側配管13がより大きな振動をする。このことが二重配管12の構造健全性に悪影響を及ぼすことになる。
熱膨張差による対策として、図26に示すように、より大きく熱膨張する内側配管13の一部あるいは全部に熱膨張による変形(伸び)を吸収するベローズ配管などのフレキシブル配管22を設置する対策案が考えられている。しかしながら、この対策であると内側配管13の全体剛性がさらに低下するので、二重配管12の内部を流れる流体の流体力により振動が大きく励起されたり、中小地震などでも大きく振動したりするなど、通常運転においても振動による変形や応力発生にて材料疲労現象で配管が破損する恐れがある。
二つめは、二重配管12の支持は、外側配管19だけが支持装置21で建物の壁や架台構造物20に支持され、外側配管19内に収められている内側配管13は支持されない状態で設置せざるを得ないことの問題がある。これは、従来より、常温の大気圧中で使用されているメカニカルスナッバーやオイルダンパーなどの支持装置は、外側配管19と内側配管13との間のスペースが狭いこと、流体の流れを阻害する恐れがあること、流体温度が高いことなどから、内側配管13に対しては適用困難であるからである。
また、もう一つの理由は、取り付けが可能である簡素な構造の固定棒のようなハンガー類は内側配管13と外側配管19との熱膨張差が大いため、その相対変位吸収を行うことが困難なため、適用困難と考えられることである。このように、取り付けスペース、環境、大きな熱膨張差などの問題から内側配管13に外側配管19から支持装置21を取り付けることは難しい。
このような場合、大地震が発生すると、すでに図25に示したように支持されていない内側配管13は、水平方向や上下方向に大きく揺れ、大きな曲げ変形が発生し、また、外側配管19と激しく衝突し、それぞれの配管が大きく損傷したり破壊したりする恐れがある。また、一つめの課題である熱膨張変形を解決する変位吸収機構であるフレキシブル配管22は、柔らかくなるため内側配管13全体の剛性が下がり、地震時の揺れはさらに増加するという課題がある。特に、大型原子炉発電所では主配管系の二重配管12は大型化するので、地震時の外側配管19と内側配管13との衝突による配管同士の破損は避けなければならない。
以上のように、超臨界圧水冷却炉システムに欠かせない主配管系を二重配管12とするためには、配管の熱膨張による配管同士の相対的な変形の影響低減(相対変位対策)や、二重配管12の内部を流れる流体による内側配管13の振動防止や地震の大振幅による配管同士の衝突を防止することが必要不可欠である。
本発明の目的は、二重配管の内側配管と外側配管とが熱膨張差や振動により発生する相対変位の影響を緩和し、二重配管の内側配管への最適な制振を行うことができる配管制振装置および配管装置を得ることである。
【課題を解決するための手段】
本発明に係る配管制振装置は、大口径の外側配管の内部に小口径の内側配管を設置した二重配管内に内部を流れる流体による制振作用を生じさせるための円筒を設け、その円筒は複数個固定部材で外側配管または内側配管に固定したものである。円筒は、内側配管の外径より内径が大きく外側配管の内径より外径が小さく、また、その長さが外側配管および内側配管より短く形成される。そして、外側配管内にて内側配管を貫通して取り囲み、外側配管および内側配管に接せず、内側配管との隙間が均一に狭くなるように配置される。円筒の外周部は複数個の固定部材により外側配管の内周部に連結され外側配管に固定される。または、円筒の内周部は複数個の固定部材により内側配管の外周部に連結され外側配管に固定される。
また、外側配管には、外側配管の一部長さ領域の配管口径を小さくした小口径部を形成し、その小口径部の部分で外側配管と内側配管との隙間を狭くし制振作用を生じさせたり、内側配管の一部長さ領域の配管口径を大きくして内側配管に大口径部を形成し、大口径部の部分で外側配管と内側配管との隙間を狭くし、流体による制振作用を生じさせる。また、外側配管の一部長さ領域の配管口径を大きくして外側配管に大口径部を形成し、内側配管の一部長さ領域の配管口径を大きくして内側配管に大口径部を形成し、外側配管の大口径部および前記内側配管の大口径部の部分で外側配管と内側配管との隙間を狭くし、流体による制振作用を生じさせる。
本発明に係る配管装置は、流体を流す配管で大口径の外側配管の内部に小口径の内側配管を有した二重配管の内側配管の一部に設置された蛇腹形状のフレキシブル配管と、外側配管と内側配管との間に設けられた制振作用を生じる配管制振装置とを備えている。
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る配管制振装置の説明図であり、図1(a)は配管の軸方向の一部切欠断面図、図1(b)は図1(a)のA−A’線での断面図である。二重配管12は、外側配管19の内部に内側配管13がほぼ同一中心軸を持つように配置され、また、外側配管19は支持装置21を介して建物20に固定されている。さらに、内側配管13を取り巻くように中心軸が内側配管13とほぼ同一になるように円筒23が設置され、この円筒23は固定部材24を介して外側配管19に固定されている。すなわち、円筒23は外側配管19および内側配管13に直接的に接触することなく、内側配管13を貫通して設けられ、円筒23の外周部は固定部材24を介して外側配管19の外周部に連結され固定されている。固定部材24は棒状あるいは板状の部材で構成される。
円筒23と内側配管13との隙間δは、円筒23の内径をd2、内側配管13の外径をd1とすると、δ=(d2−d1)/2となる。この隙間δは、円筒23と外側配管19との隙間より十分小さくなるように設置される。また、この隙間δは、設計で予想される地震力と内側配管13の振動振幅から、所定の流体制振作用が発生するように設定される。たとえば、大きな振動力が予想される場合は、隙間δを標準より小さくし、比較的小さな振動力が予想される場合は、その反対に隙間δを標準より大きくする。
内側配管13には高温・高圧の内側配管内流体25が矢印方向に流れ、外側配管19には内側配管内流体25に比較して低温の外側配管内流体26が矢印方向に流れる。また、円筒23と内側配管13との隙間δには狭隘部内流体27が流れる。外側配管内流体26と狭隘部内流体27との流れる方向は同じであり、内側配管内流体25と外部配管流体26(狭隘部内流体27)とはそれぞれ反対方向に流れるようになっている。
このような構成であると、地震や内側配管13内外を流れる流体により、内側配管13が大きく振動する場合、内側配管13と円筒23との間の隙間δにある流体の圧力が大きくなり、内側配管13全体には振動の方向(加速度方向)と逆方向の大きな力として作用するような流体制振力が得られる。このため、内側配管13は振動方向に対して動きが抑制され、配管自体の振動振幅が小さくなる。
以下、この流体制振力について説明する。図2は二重配管12の内側配管13の周囲に円筒23がない場合の制振力の説明図であり、図2(a)は配管の軸方向の一部切欠断面図、図2(b)は図2(a)のA−A’線での断面図である。図2に示すように内側配管13の周囲に円筒23がない場合では、地震や内側配管13内外を流れる流体により、内側配管13が大きく振動すると、外側配管19と内側配管13との間の狭隘部内流体27を介して、振動に連動してそれぞれの配管の流体面に圧力のやりとりが生じる。
内側配管13が上向き振動方向28に振動する場合には、内側配管13の周りに発生する流体の圧力分布は、内側配管13の断面方向周囲では、上部面では頂部を最大とし、頂部と底部の中間部で0となる下向きの正圧力分布29が発生する。また。下部面では底部を最大とし、頂部と底部の中間部で0となる下向きの負圧力分布30が発生する。図2(a)では、その時の頂部と下部の圧力分布を示している。
このため、内側配管13の外周方向の圧力分布を全周で積分(総合)すると、最終的に、内側配管13に対して下向きの作用力31として働く。この作用力31は、外側配管19と内側配管13との隙間δが大きい場合は非常に小さくなるため、内側配管13の振動を抑制する力とはならない。
次に、図3は二重配管12の内側配管13の周囲に円筒23を設けた場合の制振力の説明図であり、図3(a)は配管の軸方向の一部切欠断面図、図3(b)は図3(a)のA−A’線での断面図である。図3に示すように内側配管13の周りに円筒23を設けた場合では、地震や内側配管13内外を流れる流体により、内側配管13が大きく振動すると、図2の場合と同様に、円筒23と内側配管13との間の狭い隙間δ内の狭隘部内流体27を介して、振動に連動してそれぞれの流体面に圧力のやりとりが生じる。
内側配管13が上向き振動方向28に振動する場合には、内側配管13の周りに発生する流体の圧力分布は、内側配管13の断面方向周囲では、上部面では頂部を最大とし、頂部と底部の中間部で0となる下向きの正圧力分布32が発生する。また。下部面では底部を最大とし、頂部と底部の中間部で0となる下向きの負圧力分布33が発生する。円筒23がない場合に比較し、この圧力は非常に大きなものとなる。図3(a)では、その時の頂部と下部の圧力分布を示している。
この場合、円筒23の中央付近の圧力が最大で、円筒23の両開口端部で円筒23がない場合の圧力に近くなるような正弦状の圧力分布となる。このため、内側配管13の外周方向の圧力分布を全周で積分(総合)すると、最終的に、内側配管13に対して下向きの作用力34として働く。この場合、この作用力34は、外側配管19と内側配管13との隙間δが小さいため、非常に大きな流体制振力となるため、内側配管13の振動を大きく抑制することができる。
ここで、円筒23は内側配管13を拘束していないので、高温の流体が流れる内側配管13の熱膨張による半径方向の変形(膨らみ)や大きな軸方向変形を拘束しないので、薄肉の内側配管13を変形させたり、損傷させることがない。また、外側配管19と内側配管13との間には、円筒23と固定部材24だけが設置されているだけなので、外側配管19内を流れる外側配管内流体26の流れを阻害しない。
第1の実施の形態によれば、外側配管19内を流れる外側配管内流体26の流れを阻害せず、外側配管19と内側配管13との熱膨張差による相対的で静的な変形移動に対してはフリーで影響を受けない。配管の振動のような配管軸直行方向(半径方向)の動的な大きな変形が発生する場合には、狭い隙間に発生する流体制振効果を利用して、振動変形を抑制することができる。このような簡単な構造で、取り付け困難な場所に取り付け可能で、かつ、原子力発電所や火力発電所で従来から用いられている配管の支持装置であるメカニカルスナッバーなどと同様の効果を期待することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。図4は本発明の第2の実施の形態に係る配管制振装置の説明図であり、図4(a)は配管の軸方向の一部切欠断面図、図4(b)は図4(a)のA−A’線での断面図である。この第2の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、円筒23の両端部に外側配管19側に向けて勾配をつけた広口部35を設け、内側配管13と円筒23との隙間に、より多くの流体を流すようにしたものである。図1同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
図4に示すように、円筒23の外側配管内流体26の流入側には、広口部35Aが外側配管19側に向けて勾配をつけて設けられ、狭隘部内流体27を多く取り込めるようにしている。また、円筒23の外側配管内流体26の流出側にも、同様に、広口部35Bが外側配管19側に向けて勾配をつけて設けられ、狭隘部内流体27を多く排出できるようにしている。すなわち、円筒23の両端部において、円筒23の一部長さ領域の内径を外側配管側に向けて勾配をつけて広げている。
このように、円筒23の両端に両方向に広がるように広口部35を設けているので、流入側が広くなり円筒23と内側配管13との間の隙間δの狭隘部内流体27をより多く流すことができるようになる。
第1の実施の形態では、円筒23と内側配管13との間の隙間δが狭いため、流動抵抗が若干大きくなり、狭隘部内流体27の流れが円筒23がない部分の外側配管内流体26の流れに比べ、若干遅くなる傾向がある。従って、内側配管13の表面の冷却効果が円筒23がない部分では異なるため、内側配管13の円筒23ある領域とない領域との境界で温度差が発生する可能性がある。
これに対し、第2の実施の形態では、円筒23と内部配管13との間の隙間δの狭隘部内流体27をより多く流し流速を早くすることができるので、冷却効果が増し内側配管13の円筒23ある領域とない領域との境界で発生する温度差をさらに小さくすることができると共に、第1の実施の形態と同様な流体制振効果が得られる。
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。図5は本発明の第3の実施の形態に係る配管制振装置の説明図であり、図5(a)は配管の軸方向の一部切欠断面図、図5(b)は図5(a)のA−A’線での断面図である。この第3の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、円筒23の中央部より、流体を取り込む側の円筒23の端部に向けて外側配管19側に勾配をつけた広口部36を設け、内側配管13と円筒23との隙間に、より多くの流体を流すようにしたものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
図5に示すように、円筒23の中央から、流体を取り込む側の円筒23の端部に向けて外側配管19側に勾配をつけた広口部36を形成している。すなわち、円筒23の中央部から、外側配管19内を流れる流体の流れ込む側のみの円筒23の端部に向けて、その長さ領域の内径を外側配管19側に向けて勾配をつけて広げ、広口部36を形成している。これにより、内側配管13と円筒23との隙間内に狭隘部内流体27をより多く流すことができるようにしている。
広口部36が形成されていない部分では、円筒23と内側配管13との隙間δbは、円筒23の内径をd2、内側配管13の外径をd1とすると、δb=(d2−d1)/2となる。一方、広口部36の端部の内径d3とすると、広口部36の端部と内側配管13との隙間δaは、δa=(d3−d1)/2となる。
このように、狭隘部内流体27の流入側が広くなるので、円筒23と内部配管13との間の隙間の狭隘部内流体27をより多く流すことができるようになる。従って、図4に示した第2の実施の形態と同様に、円筒23と内部配管13との間の隙間の狭隘部内流体27をより多く流し流速を早くすることができ、さらに、第2の実施の形態よりも、円筒23と内側配管13との間の隙間の狭隘部内流体27の流れはよりスムーズになる。このため、内側配管13の表面の冷却効果がさらに増し、内側配管13の円筒23ある領域とない領域との境界で発生する温度差をさらに小さくする改善効果が期待できるとともに、第1の実施の形態と同様の流体制振効果が得られる。
次に、本発明の第4の実施の形態を説明する。図6は本発明の第4の実施の形態に係る配管制振装置の説明図であり、図6(a)は配管の軸方向の一部切欠断面図、図6(b)は図6(a)のA−A’線での断面図である。この第4の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、円筒23の設置時の水平方向中心軸を内側配管13の水平方向中心軸より平行に鉛直下方向に下げ円筒内径と内側配管外径との間の隙間を上方向側で小さくし、下方向側で大きくしたものである。これにより、流体流通時における重力による内側配管13の外側配管19との相対的な鉛直下方向への沈み込み変形による最終的な円筒内径と内側配管外径との隙間が均一となるようにする。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
図6において、二重配管12の建設時には、円筒23の軸方向の中心軸を内側配管13の中心軸より重力方向側に下げて配置される。すなわち、円筒23と内側配管13との上方向側の隙間δaが円筒23と内側配管13との下方向側の隙間δbより小さくなるように配置され、その差Δδ(Δδ=δb−δa)は、流体流通時における重力による内側配管13の外側配管19との相対的な鉛直下方向への沈み込み変形量と一致するよう決められる。
すなわち、二重配管12の建設時には、円筒23の軸方向の中心軸は内側配管13の中心軸の位置に対してずらして外側配管19に固定され、内側配管13が実際に稼動した状態において、外側配管19と内側配管13とに流体が流された時の配管温度重力作用で決まる内側配管13の中心軸位置と一致するように設置される。
第4の実施の形態によれば、プラント実稼動時には、円筒23の軸方向の中心軸と内側配管13の中心軸とはほぼ一致するので、円筒23と内側配管13との間の軸方向および円周方向の隙間は同一となる。従って、内側配管13が中心軸直行方向のどの方向に振動しても同じ流体制振効果が得られる。
次に、本発明の第5の実施の形態を説明する。図7は本発明の第5の実施の形態に係る配管制振装置の説明図であり、図7(a)は配管の軸方向の一部切欠断面図、図7(b)は図7(a)のA−A’線での断面図である。この第5の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、円筒23の両端部に内側配管13側に向けて勾配をつけた狭口部37を設け、流体の出入り口の隙間δGを狭くし流体制振力効果をより高めるようにしたものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
図7に示すように、円筒23の外側配管内流体26の流入側には、狭口部37Aが内側配管13側に向けて勾配をつけて設けられ、また、円筒23の外側配管内流体26の流出側にも、同様に、狭口部37Bが内側配管13側に向けて勾配をつけて設けられている。すなわち、円筒23の両端部において、円筒23の一部長さ領域の内径を内側配管13側に向けて勾配をつけて狭くしている。円筒23内への外側配管内流体26の流出入隙間δGが狭くなるので、円筒23の内部流体である狭隘内流体27の円筒23の両端部からの圧力の逃げを小さくでき、流体制振力効果をより高めることができる。
このように、円筒23内の流出入の隙間δGが狭くなるので、内部流体の円筒23の両端部からの圧力の逃げを小さくすることができ、内部配管13が振動した場合の円筒23と内部配管13との隙間の中の狭隘部内流体27に発生する圧力上昇効果が第1の実施の形態の場合よりも大きくなる。
円筒23内部の圧力分布は、第1の実施の形態の場合と同様に、円筒23の中央付近の圧力が最大で、円筒23の両開口端部で円筒23がない場合の圧力に近くなるような正弦状の圧力分布となるが、第5の実施の形態の場合には、圧力最大値はより大きくなり、また、円筒23の両開口端部付近での圧力低減はより小さくなるので、最終的には、内側配管13の外周方向の圧力分布を周方向に積分(総合)すると、第1の実施の形態の場合に比べ、内側配管13に対して下向きの作用力34はさらに増加する。このようにして、より大きな流体制振力を発生させることができるので、内部配管13の振動をさらに抑制することができる。
次に、本発明の第6の実施の形態を説明する。図8は本発明の第6の実施の形態に係る配管制振装置の説明図であり、図8(a)は配管の軸方向の一部切欠断面図、図8(b)は図8(a)のA−A’線での断面図である。この第6の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、円筒23の両端部の内側に流体の出入り口の隙間を狭くための円筒リング38をそれぞれ設け、流体制振力効果をより高めるようにしたものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
図8に示すように、円筒23の外側配管内流体26の流入内側には、円筒リング38Aが設けられ、また、円筒23の外側配管内流体26の流出内側にも、同様に、円筒リング38Bが設けられている。すなわち、円筒23の両端部において、円筒リング38A、38Bが設けられているので、円筒23内側への流体の出入り口の隙間が狭くなる。従って、円筒23の内部流体である狭隘内流体27の円筒23の両端部からの圧力の逃げを小さくでき、流体制振力効果をより高めることができる。
このように、円筒23内の流出入の隙間が狭くなるので、内部流体の円筒23の両端部への圧力の逃げを小さくすることができ、内部配管13が振動した場合の円筒23と内部配管13との隙間の中の狭隘部内流体27に発生する圧力上昇効果が第1の実施の形態の場合よりも大きくなる。円筒23の内部の圧力分布は、第1の実施の形態の場合と同様に、円筒23の中央付近の圧力が最大で、円筒23の両開口端部で円筒がない場合の圧力に近くなるような正弦状の圧力分布となるが、第6の実施の形態の場合には、圧力最大値はより大きくなり、また、円筒23の両開口端部付近での圧力低減はより小さくなるので、最終的には、内側配管13の外周方向の圧力分布を周方向に積分(総合)すると、第1の実施の形態の場合に比べ、内側配管13に対して下向きの作用力34はさらに増加する。このようにして、より大きな流体制振力を発生させることができるので、内部配管13の振動をさらに抑制することができる。
次に、本発明の第7の実施の形態を説明する。図9は本発明の第7の実施の形態に係る配管制振装置の説明図であり、図9(a)は配管の軸方向の一部切欠断面図、図9(b)は図9(a)のA−A’線での断面図である。この第7の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、流体を取り込む側の円筒23の端部に外側配管19側に勾配をつけた広口部39を設け、また、広口部39の円錐部分の内側に内側配管13と円筒23との隙間内に流れる流体に対し旋回流を発生させる複数個のフィン40を設け、内側配管13と円筒23との隙間により多くの流体を流すようにすると共に、その流れを旋回流とさせるようにしたものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
図9に示すように、流体を取り込む側の円筒23の端部に外側配管19側に勾配をつけた広口部39を形成し、その広口部39の円錐部分内側に流れ方向に斜めに三角形状の複数個のフィン40を設置している。これにより、内側配管13と円筒23との隙間内に流れる流体をより多く流すと共にその流れを旋回流とさせる。
このように、円筒23と内部配管13との間の隙間の流体8をより多く流すことができるようになり、さらに、広口部39の内面に流体の流れ方向に斜めにフィン40を取り付けるので、円筒23と内部配管13との隙間に流れ込む狭隘部内流体27は旋回流となる。これにより、隙間内の狭隘部内流体27はかき混ぜられるので、第2の実施の形態または第3の実施の形態に比べ、内側配管13の表面の冷却効果がより大きくなる。
第7の実施の形態によれば、円筒23と内部配管13との隙間の狭隘部内流体27がより多く流れ、旋回流も発生するので、冷却効果がさらに増し内側配管13の円筒23がある領域とない領域との境界で発生する温度差をさらに小さくする改善効果が期待できるとともに、第1の実施の形態と同様の流体制振効果も得られる。
次に、本発明の第8の実施の形態を説明する。図10は本発明の第8の実施の形態に係る配管制振装置の説明図であり、図10(a)は配管の軸方向の一部切欠断面図、図10(b)は図10(a)のA−A’線での断面図、図10(c)は図10(b)のB−B’線での断面図である。この第8の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、固定部材24の断面形状を外側配管19内を流れる流体の流れ方向の流線形とし、外側配管19内を流れる外側配管内流体26から受ける流体抵抗力を小さくし、かつ流体の圧損を低減させ流れやすくさせたものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
図10(c)に示すように、円筒23を外側配管19に固定する固定部材24として、その流れ方向の断面形状が流線形となるように形成する。これにより、円筒23と外側配管19との間の外側配管内流体26の流れを阻害することがなくなり、外側配管19内の流動圧損が少なくなる。従って、この外側配管内流体26を流す給水ポンプ17の負荷をその分小さくでき、プラントの運転がより容易になる。
また、固定部材24の流体抵抗が小さくなり、流体の乱れによる固定部材24の振動が小さくなる。従って、固定部材24の振動力による材料の疲労亀裂疲労損傷、さらには破損の恐れがなくなる。ひいては、連結されている円筒23の振動も小さくなる。さらに、円筒23と外側配管19との間の流体流れが乱され難くなるので、流固定部材24の後流の乱れが小さくなり、円筒23や外側配管19や内側配管13を振動させ難くする。このようにして、円筒23を安定させ、内部配管13に対する流体制振効果を安定的に作用させることができるようになる。
次に、本発明の第9の実施の形態を説明する。図11は本発明の第9の実施の形態に係る配管制振装置の説明図であり、図11(a)は配管の軸方向の一部切欠断面図、図11(b)は図11(a)のA−A’線での断面図、図11(c)は図11(b)のB−B’線での断面図である。この第9の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、固定部材24の外側配管半径方向の断面形状を外側配管19側で太く、円筒23側で細くし、外側配管19内を流れる外側配管内流体26の流速の速い内側方向の流れの流体抵抗力を小さくし、かつ外側配管内流体26の圧損を低減させ、円筒23側の流れを流れ易くさせたものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
図11(c)に示すように、円筒23を外側配管19に固定する固定部材24として、その断面形状が外側配管19側で太く、円筒23側で徐々に細くなるように台形断面に形成する。これより、一般的に流れの速い外側配管19の内側領域の流れを阻害し難くすることができる。すなわち、実質的に多くの外側配管内流体26が流れる外側配管の内側領域の流体流れを阻害せず、外側配管19内の流動圧損が少なくなるので、この外側配管内流体26を流す給水ポンプ17の負荷をその分小さくでき、プラントの運転がより容易になる。
また、固定部材24は台形状の断面であるので流体抵抗が小さくなり、流体の乱れによる台形断面固定部材18の振動が小さくなり、固定部材24の振動による材料の疲労亀裂や疲労損傷、破損の恐れがなくなる。ひいては、連結されている円筒23の振動も小さくなる。さらに、円筒23と外側配管19との間の流体流れが乱され難くなるので、固定部材24の後流の乱れが小さくなり、円筒23や外側配管19や内側配管13を振動させ難くする。このようにして、円筒23を安定させ、内部配管13に対する流体制振効果を安定的に作用させることができるようになる。
次に、本発明の第10の実施の形態を説明する。図12は本発明の第10の実施の形態に係る配管制振装置の説明図であり、図12(a)は配管の軸方向の一部切欠断面図、図12(b)は図12(a)のA−A’線での断面図である。この第10の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、円筒23および固定部材24に代えて、外側配管19の内周部に直接的に固定された隙間形成スペーサ41と、この隙間形成スペーサ41の配管軸方向に形成された複数個の流通孔42とを設けたものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
図12に示すように、隙間形成スペーサ41は外側配管19の内周部に直接的に固定され、内側配管13の外径より内径が大きく形成される。そして、外側配管19内にてその隙間形成スペーサ41の内径内に側配管13を貫通して取り囲み、内側配管13との隙間が均一に狭くなるように配置される。また、隙間形成スペーサ41の長さは外側配管19および内側配管13より短く形成される。また、隙間形成スペーサ41は外側配管内流体26の流れを阻害しないように流れに沿ってテーパ部を有している。さらに、隙間形成スペーサ41には配管軸方向に複数個の流通孔42が形成され、外側配管19を流れる外側配管内流体26の流通を確保するようにしている。
すなわち、円筒23と固定部材24との代わりに、流体の流れ方向に複数個の流通孔42を持つ厚肉の太い隙間形成スペーサ41を外側配管19に設置したものである。隙間形成スペーサ41の外周部は外側配管19の内周部に固定され、隙間形成スペーサ41の内周部の内径と内部配管13の外径とから決まる隙間が第1の実施の形態における円筒23と内側配管13との間の隙間と相当することになる。隙間形成スペーサ41の外周部と内周部との間には、流体の流れ方向に多数の流通孔42が設けられ流体の流通を確保できるようにしている。
このように、第10の実施の形態では、外側配管19の内面に隙間形成スペーサ41が内側配管13とほぼ同一中心軸を持つような二重配管として配置されており、隙間形成スペーサ41と内側配管13との隙間δは、隙間形成スペーサ41の内径をd2、内側配管13の外径をd1とすると、δ=(d2−d1)/2となる。この隙間δは、第1の実施の形態に示す円筒23と内側配管13との隙間と同じ十分小さな隙間をもつように設置される。また、隙間形成スペーサ41は外側配管19内を流れる流動をできるだけ阻害しないように、その厚肉部には多数の流通孔42が設けられて流体の流通が確保されている。
第10の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、隙間形成スペーサ41と内側配管13とで形成された隙間内の流体により、流体制振効果が期待できる。さらに、流体制振効果を得るために設置した隙間形成スペーサ41は第1の実施の形態の円筒23と固定部材24と置き換えられるので、部品数が少なくなり、その設置時やメンテナンス時の取り扱いが非常に容易になる。
次に、本発明の第11の実施の形態を説明する。図13は本発明の第11の実施の形態に係る配管制振装置の説明図であり、図13(a)は配管の軸方向の一部切欠断面図、図13(b)は図13(a)のA−A’線での断面図である。この第11の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、円筒23の両端部の外周部に内側配管13側に勾配を持ち内側配管13に接しないように複数個の板ばね43を設け、巨大地震時などに発生する可能性のある内側配管13と外側配管19の大きな相対変位による内側配管13と円筒23との衝突を防ぐようにしたものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
図13に示すように、円筒23の両端に円筒23の外面円周上に複数個の板ばね43を固定し、その板ばね43の先端方向は内側配管13方向に向けるように設置され、その先端と内側配管13の表面とは一定の隙間δsを設けて形成されている。
このように構成された二重配管12が設置された地点で大地震が発生したとすると、内側配管13が大きく振動する。この場合、円筒23を設けたことにより流体制振力が発生し、内側配管13の振動変位は抑制される。さらに、設計地震を超える大きな地震力が作用した場合には、内側配管13の振動変位がさらに増大し、内側配管13が円筒23に衝突する場合が予想されるが、第11の実施の形態では、円筒23の両端に内側配管13の半径方向の振動変位に対して作用するようにした複数個の板ばね43を設置しているので、内側配管13が円筒23に衝突する前に、この板ばね43に接触し、板ばね43が変形してばね反力を生じ、内側配管13を振動方向に対して押し戻すように作用する。
このため、内側配管13は円筒23に衝突することを避けることができる。また、内側配管13の振動変位がさらに大きい場合、板ばね43は、そのばね反力により、内側配管13が円筒23に衝突する速度を抑制することができる。この場合、板ばね43は、円筒23と内側配管13との衝撃を和らげ、円筒23や内側配管13、ひいては、外側配管19の決定的な損傷やダメージを避けることができる。このように、第11の実施の形態の板ばね43は、大地震や大きな振動時の緩衝装置として作用し、二重配管12の大きなダメージを防ぐ安全装置としての役割を果たすことができる。
次に、本発明の第12の実施の形態を説明する。図14は本発明の第12の実施の形態に係る配管制振装置の説明図であり、図14(a)は配管の軸方向の一部切欠断面図、図14(b)は図14(a)のA−A’線での断面図である。この第12の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、固定部材24は、それに作用する配管半径方向の力に対して弾塑性変形を生じる屈曲部44を有し、巨大地震時などにより発生する可能性のある内側配管13と外側配管14の大きな相対変位による内側配管13と円筒23との衝突があってもその衝撃を和らげるようにしたものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
図14に示すように、円筒23を外側配管19に固定する固定部材24に弾塑性を有する屈曲部44を形成している。すなわち、円筒23と外側配管19とを連結する固定部材24は、固定部材24の途中をU字状に変形させて屈曲部44を形成し、配管軸半径方向の変形に対してばね特性塑性特性を有するようにしている。円筒23と外側配管19とを連結する固定部材24に弾塑性を有する屈曲部44を形成しているので、配管軸半径方向の比較的小さな変形に対しては、弾性すなわち変形してももとに戻るばね特性を有するばね支持装置として作用し、比較的大きな変形に対しては、塑性変形させて減衰装置として作用する。
いま、二重配管12を設置した地点で大地震が発生して、この二重配管12が大きく地震力を受けた場合には内側配管13が大きく振動することになる。この場合、円筒23により流体制振力が発生し、内側配管13の振動変位は抑制されるが、さらに、設計地震を超える大きな地震力が作用した場合には、内側配管13の振動変位がさらに増大し、内側配管13が円筒23に衝突する場合が予想される。
このような場合、第12の実施の形態では、円筒23の支持部材として弾塑性を有した屈曲部44を備えた固定部材24を用いるので、配管軸半径方向の振動変位に対してばね装置と減衰装置として作用する。従って、内側配管13が円筒23に衝突しても、弾塑性部固定材21のばね作用で、互いの衝撃力を弱めることができ、内側配管13が円筒23の破損を防ぐことができる。さらに、地震力がより大きくなり、内側配管13の振動変位がさらに大きくなる場合、内側配管13は円筒23に激しくぶつかるようになるが、衝突の初期段階では弾塑性の固定部材24のばね作用により衝突力が弱められ、さらに、弾塑性の固定部材24の塑性変形による減衰作用により衝突エネルギーが吸収される。
第12の実施の形態によれば、弾塑性の固定部材24を用いたので、地震による振動が発生した場合であっても、円筒23と内側配管13との衝撃を和らげ、振動や衝撃エネルギーを吸収し、円筒23や内側配管13、ひいては、外側配管19の決定的な損傷やダメージを避けることができる。このように、弾塑性の固定部材24は、大地震や大きな振動時の緩衝装置として作用し、二重配管12の大きなダメージを防ぐ安全装置としての役割を果たすことができる。
次に、本発明の第13の実施の形態を説明する。図15は本発明の第13の実施の形態に係る配管制振装置の説明図であり、図15(a)は配管の軸方向の一部切欠断面図、図15(b)は図15(a)のA−A’線での断面図である。この第13の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、円筒23の外周部と外側配管19の内周部とを連結する固定部材24に代えて、円筒23の内周部と内側配管13の外周部とを連結する固定部材45を設けたものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
図15において、二重配管12は、外側配管19の内部に内側配管13がほぼ同一中心軸を持つように配置され、また、外側配管19は支持装置21を介して建物20に固定されている。さらに、内側配管13を取り巻くように中心軸が内側配管13とほぼ同一になるように円筒23が設置され、この円筒23は固定部材45を介して内側配管13に固定されている。すなわち、円筒23は外側配管19および内側配管13に直接的に接触することなく、内側配管13を貫通して設けられ、円筒23の内周部は固定部材45を介して内側配管13の外周部に連結され固定されている。固定部材45は棒状あるいは板状の部材で構成される。流体制振を発生させる部分は、第1の実施の形態の場合と反対側の円筒23と外側配管19との間の隙間δであり、その隙間δが形成されるように円筒23を設置している。
この場合、円筒23と外側配管19との隙間δは、円筒23の外径をd3、外側配管19の内径をd4とすると、δ=(d4−d3)/2となる。この隙間δは、円筒23と内側配管13との隙間より小さくなるように設置される。また、この隙間δは、設計で予想される地震力と内側配管13の振動振幅から、所定の制振作用が発生するように設定される。たとえば、大きな振動力が予想される場合は、隙間δを標準より小さくし、比較的小さな振動力が予想される場合は、その反対に隙間δを標準より大きくする。
内側配管13には高温・高圧の内側配管内流体25が、外側配管19には内側配管内流体25に比較して低温の外側配管内流体26が、それぞれ反対方向に流れるようになっている。また、円筒23と外側配管19との隙間δには狭隘部内流体27が流れる。
このような構成であると、地震や内側配管13内外を流れる流体により、内側配管13が大きく振動する場合、外側配管19と円筒23との間の隙間δにある流体の圧力が大きくなり、円筒23全体には振動の方向(加速度方向)と逆方向の大きな力として作用するような流体制振力が得られる。このため、その力が固定部材45により伝達され、内側配管13は振動方向に対して動きが抑制され、配管自体の振動変形が小さくなる。この場合の流体制振効果は第1の実施の形態の場合と同様の原理によるものである。
さらに、第13の実施の形態の場合は、流体制振を発生させる円筒23は外側配管19の内径に近い外径を持つため、その円筒23の外周面積は、第1の実施の形態の円筒23のそれに比べて大きくなる。内部配管13が振動した場合、第1の実施の形態の場合で説明したものと同じ流体圧力分布が生じる。この場合、その円筒23の外周面積が第1の実施の形態の円筒23のそれに比べて大きいため、圧力分布と外周の面積を乗じて得られる流体制振力もより大きくなる。このため、流体制振力効果は、第1の実施の形態の場合よりも効率のよいものとなる。
第13の実施の形態によれば、外側配管19内を流れる外側配管内流体26の流れを阻害せず、外側配管19と内側配管13との相対的で静的な変形移動に対してはフリーで、配管の振動のような配管軸直行方向の動的な大きな変形が発生する場合には、狭い隙間δに発生する流体制振効果を利用して、振動変形を抑制することができる。このような簡単な構造で、取り付け困難な場所に取り付け可能で、かつ、従来の原子力発電所や火力発電所で用いられている配管の支持装置であるメカニカルスナッバーなどと同様の効果を期待することができる。
次に、本発明の第14の実施の形態を説明する。図16は本発明の第14の実施の形態に係る配管制振装置の説明図であり、図16(a)は配管の軸方向の一部切欠断面図、図16(b)は図16(a)のA−A’線での断面図である。この第14の実施の形態は、図15に示した第13の実施の形態に対し、円筒23の両端部に外側配管19側に向けて勾配をつけた狭口部46を設け、流体の出入り口の隙間δを狭くし流体制振力効果をより高めるようにしたものである。図15と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
図16に示すように、円筒23の両端において外側配管19側に狭まるような流入側に狭口部46A、流出側にも狭口部材46Bを追加して設置している。つまり、内側配管13と円筒23との間に外側配管内流体26を多く流し、円筒23と外側配管19との隙間に流れる外側配管内流体26を少なくする。これにより、内側配管13表面の温度勾配の変化を少なくすることができるとともに外側配管19と円筒23との間の流出入隙間が狭くなるので、外側配管内流体26の円筒23の両端部からの圧力の逃げを小さくすることができる。
すなわち、内部配管13が振動した場合の円筒23と外側配管19との隙間内の流体に発生する圧力上昇効果が、第13の実施の形態の場合よりも大きくなる。円筒23内部の圧力分布は、第1の実施の形態の場合と同様に、円筒23の中央付近の圧力が最大で、円筒23の両開口端部で円筒23がない場合の圧力に近くなるような正弦状の圧力分布となる。
第14の実施の形態では、発する流体の圧力最大値はさらに大きくなり、また、円筒23の両開口端部付近での圧力低減はより小さくなるので、最終的には、内側配管13の外周方向の圧力分布を周方向に積分(総合)すると、第13の実施の形態の場合に比べ、内側配管13に対して下向きの作用力はさらに増加する。このようにして、より大きな流体制振力を発生させることができるので、内部配管13の振動をさらに抑制することができる。
次に、本発明の第15の実施の形態を説明する。図17は本発明の第15の実施の形態に係る配管制振装置の説明図であり、図17(a)は配管の軸方向の一部切欠断面図、図17(b)は図17(a)のA−A’線での断面図である。この第15の実施の形態は、図15に示した第13の実施の形態に対し、円筒23の両端部の外側に流体の出入り口の隙間を狭くするための円筒リング47をそれぞれ設け、流体制振力効果をより高めるようにしたものである。図15と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
図17に示すように、円筒23の外側配管内流体26の流入内側には、円筒リング47Aが設けられ、また、円筒23の外側配管内流体26の流出側の内側にも、同様に、円筒リング47Bが設けられている。すなわち、円筒23の両端部において、円筒リング47A、47Bが設けられているので、円筒23内側への流体の出入り口の隙間が狭くなる。従って、円筒23の内部流体である狭隘内流体27の円筒23の両端部からの圧力の逃げを小さくでき、流体制振力効果をより高めることができる。
これにより、第14の実施の形態の場合と同様に、円筒23と外側配管との間の流出入隙間が狭くなるので、狭隘部内流体27の円筒23の両端部からの圧力の逃げを小さくすることができる。すなわち、内部配管13が振動した場合、円筒23と外側配管19との隙間内の流体に発生する圧力上昇効果が、第13の実施の形態の場合よりも大きくなる。円筒23と外側配管19との間の流体の圧力分布は、第1の実施の形態の場合と同様に、円筒23の中央付近の圧力が最大で、円筒23の両開口端部で円筒23がない場合の圧力に近くなるような正弦状の圧力分布となるが、第15の実施の形態では、圧力最大値はより大きくなり、また、円筒の両開口端部付近での圧力低減はより小さくなるので、最終的には、内側配管13の外周方向の圧力分布を周方向に積分(総合)すると、第13の実施の形態の場合に比べ、内側配管13に対して振動を抑制する方向の作用力はさらに増加する。
このようにして、より大きな流体制振力を発生させることができるので、内部配管13の振動をさらに抑制することができる。さらにこのような円筒リング47はスペーサリングで形成されるので加工や取り付けが容易である。
次に、本発明の第16の実施の形態を説明する。図18は本発明の第16の実施の形態に係る配管制振装置の説明図であり、図18(a)は配管の軸方向の一部切欠断面図、図18(b)は図18(a)のA−A’線での断面図である。この第16の実施の形態は、図15に示した第13の実施の形態に対し、円筒23の設置時の水平方向中心軸を内側配管13の水平方向中心軸より平行に鉛直上方向に上げ、円筒外径と外側配管内径との間の隙間を上方向側で小さく下方向側で大きくしたものである。これにより、流体流通時における重力による内側配管13の外側配管19との相対的な鉛直下方向への沈み込み変形による最終的な円筒外径と外側配管内径との隙間が均一となるようにする。図13と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
図18において、円筒23の軸方向の中心軸は、二重配管12の建設時において、内側配管13が実際に稼動状態において、外側配管19と内側配管13とに流体が流された時の配管温度と重力作用で決まる外側配管19の中心軸位置と一致するように設置される。従って、二重配管12の設置時には、円筒23は、円筒23の軸方向の中心軸と外側配管19の中心軸の位置に対してずらして内側配管13に固定される。
第16の実施の形態によれば、プラントの実稼動時には、円筒23の軸方向の中心軸と外側配管19の中心軸とはほぼ一致する。従って、円筒23と外側配管19との間の軸方向および円周方向の隙間は同一となるので、内側配管13が中心軸直行方向のどの方向に振動しても同じ流体制振効果が得られる。
次に、本発明の第17の実施の形態を説明する。図19は本発明の第17の実施の形態に係る配管制振装置の説明図であり、図19(a)は配管の軸方向の一部切欠断面図、図19(b)は図19(a)のA−A’線での断面図である。この第17の実施の形態は、外側配管19の一部長さ領域の配管口径を小さくして外側配管19に小口径部48を形成し、小口径部48の部分で外側配管19と内側配管13との隙間を狭めるようにしたものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
図19に示すように、外側配管19に流体制振を行う部分において細くした小口径部48を設置し、小口径部48の内径と内側配管13の外径との間の隙間が図1に示されるような円筒23と内側配管13との間の隙間に等しくなるように構成されている。この場合、小口径部48と内側配管13との隙間δは、小口径部48の内径をd4、内側配管13の外径をd1とすると、δ=(d4−d1)/2となる。
このような構成であると、地震や内側配管13内外を流れる流体により内側配管13が大きく振動する場合、図1に示した第1の実施の形態と同様に、外側配管19の小口径部48と内側配管13との間の隙間δにある狭隘部内流体27の圧力が大きくなり、内側配管13全体には振動の方向(加速度方向)と逆方向の大きな力として作用するような流体制振力が得られる。このため、内側配管13は振動方向に対して動きが抑制され、配管自体の変形が小さくなる。この場合の流体制振効果は第1の実施の形態の場合と同様の原理によるものである。
第17の実施の形態の場合は、二重配管12内に特別な流体制振用の部材を一切設置しないので、製作コストや設置コストの低減が図れメンテナンス上の簡素化が期待できる。
次に、本発明の第18の実施の形態を説明する。図20は本発明の第18の実施の形態に係る配管制振装置の説明図であり、図20(a)は配管の軸方向の一部切欠断面図、図20(b)は図20(a)のA−A’線での断面図である。この第18の実施の形態は、内側配管13の一部長さ領域の配管口径を大きくして内側配管13に大口径部49を形成し、大口径部49の部分で外側配管19と内側配管13との隙間を狭めるようにしたものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
図20に示すように、内側配管13の流体制振を行う部分において太くし、内側配管13に大口径部49を設置し、大口径部49の外径と外側配管19の内径との間の隙間が図1に示されるような円筒23と内側配管13との間の隙間に等しくなるように構成されている。この場合、内側配管13の大口径部49と外側配管19との隙間δは、内側配管13の大口径部49の外径をd1、外側配管19の内径をd4とすると、δ=(d4−d1)/2となる。
このような構成であると、地震や内側配管13内外を流れる流体により内側配管13が大きく振動する場合、第1の実施の形態と同様に、内側配管13の大口径部49と内側配管13との間の隙間δにある狭隘部内流体27の圧力が大きくなり、内側配管13全体には振動の方向(加速度方向)と逆方向の大きな力として作用するような流体制振力が得られる。このため、内側配管13は振動方向に対して動きが抑制され、配管自体の振動変形が小さくなる。この場合の流体制振効果は第1の実施の形態の場合と同様の原理によるものである。
第18の実施の形態によれば、二重配管12内に特別な流体制振用の部材を一切設置しないので、製作コストや設置コストの低減が図れ、メンテナンス上の簡素化が期待できる。さらに、外側配管19内を流れる流路断面積が大きくなるので、外側配管を流れる流体が流れ易くなり流動圧損の低減が期待できる。
次に、本発明の第19の実施の形態を説明する。図21は本発明の第19の実施の形態に係る配管制振装置の説明図であり、図21(a)は配管の軸方向の一部切欠断面図、図21(b)は図21(a)のA−A’線での断面図である。この第19の実施の形態は、外側配管19の一部長さ領域の配管口径を大きくして外側配管19に大口径部50を形成し、内側配管13の一部長さ領域の配管口径を大きくして内側配管13に大口径部49を形成し、外側配管19の大口径部50および内側配管13の大口径部49の部分で外側配管19と内側配管13との隙間を狭めるようにしたものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
図21において、流体制振を行う部分において、内側配管13に口径を大きくした大口径部49を設けると共に、外側配管19にも同じく口径を大きくした大口径部50を設ける。内側配管13の大口径部49の外径と外側配管19の大口径部50の内径との間の隙間δが第1の実施の形態に示されるような円筒23と内側配管13との間の隙間δに等しくなるように構成されている。この場合、内側配管13の大口径部49と外側配管19の大口径部50との隙間δは、内側配管13の大口径部49の外径をd1、外側配管19の大口径部50の内径をd4とすると、δ=(d4−d1)/2となる。
このような構成であると、地震や内側配管13内外を流れる流体により内側配管13が大きく振動する場合、第1の実施の形態と同様に、外側配管19の大口径部50と内側配管13の大口径部49との間の隙間δにある狭隘部内流体27の圧力が大きくなり、内側配管13全体には振動の方向(加速度方向)と逆方向の大きな力として作用するような流体制振力が得られる。このため、内側配管13は振動方向に対して動きが抑制され、配管自体の変形が小さくなる。この場合の流体制振効果は第1の実施の形態の場合と同様の原理によるものである。
第19の実施の形態によれば、二重配管12内に特別な流体制振用の部材を一切設置しないので、製作コストや設置コストの低減が図れ、メンテナンス上の簡素化が期待できる。また、外側配管19の大口径部50内を流れる流路断面積が第18の実施の形態の場合よりもさらに大きくなるので、外側配管19を流れる流体がさらに流れ易くなり配管本来の流動圧損の低減が期待できる。
次に、本発明の第20の実施の形態を説明する。図22は本発明の第20の実施の形態に係る配管装置の系統図である。この第20の実施の形態は、流体を流す配管で大口径の外側配管19の内部に小口径の内側配管13を有した二重配管12の内側配管13の一部に設置された蛇腹形状のフレキシブル配管22と、外側配管19と内側配管13との間に設けられた第1の実施の形態ないし第19の実施の形態のいずれか一の配管制振装置とを備えた配管装置である。
図22において、原子炉11からの蒸気は内側配管流体25として二重配管12の内側配管13に供給され、タービン14で仕事を終え復水器で復水された流体は、給水配管18を通って二重配管12の外側配管19に外側配管内流体26として供給され、最終的に原子炉に戻される。
二重配管12の内側配管13には、熱膨張差による外側配管19との大きな相対的な熱膨張変形を吸収するために、部分的にフレキシブル配管22が設置されている。また、内側配管13の振動時の大きな揺れを抑えるために、内側配管13に周囲に流体制振力を発生させる円筒23を外側配管19と内側配管13との間に設置している。円筒23は固定部材24で外側配管19に固定されている。さらに、外側配管19は地震や流動による流力振動を抑え、自重を支えるため建物20に支持装置21により支持されている。
このような構成であると、まず、通常の運転時には、部分的に設置されたフレキシブル配管22により熱膨張変形を吸収する。すなわち、内側配管13が熱膨張差にて外側配管19とより大きな相対的な熱膨張変形を生じても、フレキシブル配管22により吸収することができる。また、流体制振部である円筒23は内側配管13に対しては隙間を有しているので、内側配管13を拘束することはない。さらに、大きな地震や内側配管13の内外を流れる流体により内側配管13や外側配管19が大きな振動力を受けた場合、内側配管13は、流体制振部である円筒23により振動が抑制され、外側配管19は支持装置21により振動が抑制される。
第20の実施の形態によれば、高温・高圧の二重配管12では設計が困難であった、通常の運転時に発生する配管同士の熱膨張差の吸収から地震や流動による配管の大きな振動の制振までの両方を行うことが可能となる。従って、高い制振性能だけでなく、極めて冗長性の高い柔軟性に富んだ配管装置を提供できる。
【発明の効果】
以上説明したように、発明によれば、高温・高圧の二重配管の外側配管と内側配管との間に、狭い流体隙間を形成する円筒を設置するので、地震時や各配管を流れる流体から受ける流体力により、内側配管が振動力を受けても、狭い流体隙間内に発生する高い流体圧力効果を利用して、内側配管の振動を制振することができる。また、円筒は内側配管に対しては隙間を持っているので、内側配管と外側配管との間の熱膨張変形を阻害したり、配管を損傷させたりすることはない。
また、高温・高圧の二重配管の外側配管と内側配管の一部に、流体制振を行う領域にそれぞれと口径の異なる小口径部や大口径部を設け、これらの配管同士の間の隙間を、狭い流体隙間とするように設置するので、地震時や各配管を流れる流体から受ける流体力により、内側配管が振動力を受けても、狭い流体隙間内に発生する高い流体圧力効果を利用して、内側配管の振動を制振することができる。さらに、円筒は内側配管に対しては隙間を持っているので、内側配管と外側配管間の熱膨張変形を阻害したり、配管を損傷させたりすることはない。
また、高温・高圧の二重配管の外側配管を建物に支持し、内側配管には流体制振を利用した配管制振装置を設置し、内側配管の一部にフレキシブル配管を設置するので、通常の運転時に発生する配管同士の熱膨張差の吸収から地震や流動による配管の大きな振動の制振までの両方を行うことが可能となる、従って、高い制振性能だけでなく、極めて冗長性の高い柔軟性に富んだ配管の制振を提供できる。
【図面の簡単な説明】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る配管制振装置の説明図。
図2】二重配管の内側配管の周囲に円筒がない場合の制振力の説明図。
図3】二重配管の内側配管の周囲に円筒がある場合の制振力の説明図。
図4】本発明の第2の実施の形態に係る配管制振装置の説明図。
図5】本発明の第3の実施の形態に係る配管制振装置の説明図。
図6】本発明の第4の実施の形態に係る配管制振装置の説明図。
図7】本発明の第5の実施の形態に係る配管制振装置の説明図。
図8】本発明の第6の実施の形態に係る配管制振装置の説明図。
図9】本発明の第7の実施の形態に係る配管制振装置の説明図。
図10】本発明の第8の実施の形態に係る配管制振装置の説明図。
図11】本発明の第9の実施の形態に係る配管制振装置の説明図。
図12】本発明の第10の実施の形態に係る配管制振装置の説明図。
図13】本発明の第11の実施の形態に係る配管制振装置の説明図。
図14】本発明の第12の実施の形態に係る配管制振装置の説明図。
図15】本発明の第13の実施の形態に係る配管制振装置の説明図。
図16】本発明の第14の実施の形態に係る配管制振装置の説明図。
図17】本発明の第15の実施の形態に係る配管制振装置の説明図。
図18】本発明の第16の実施の形態に係る配管制振装置の説明図。
図19】本発明の第17の実施の形態に係る配管制振装置の説明図。
図20】本発明の第18の実施の形態に係る配管制振装置の説明図
図21】本発明の第19の実施の形態に係る配管制振装置の説明図。
図22】本発明の第20の実施の形態に係る配管装置の系統図。
図23】原子炉として超臨界圧水冷却炉を採用し配管の一部に二重管を採用した原子力発電所の構成図。
図24】二重配管の内側配管と外側配管との温度差による内側配管の熱変形の説明図。
図25】二重配管の大地震時に内側配管が振動した場合の内側配管の振動変形の説明図。
図26】従来の配管装置の系統図。
【符号の説明】
11…原子炉、12…二重配管、13…内側配管、14…タービン、15…発電機、16…復水器、17…給水ポンプ、18…給水配管、19…外側配管、20…建家、21…支持装置、22…フレキシブル配管、23…円筒、24…固定部材、25…内側配管内流体、26…外側配管内流体、27…狭隘部内流体、28…上向き振動方向、29…下向きの正圧力分布、30…下向きの負圧力分布、31…下向きの作用力、32…下向きの正圧力分布、33…下向きの負圧力分布、34…下向きの作用力、35…広口部、36…広口部、37…狭口部、38…円筒リング、39…広口部、40…フィン、41…隙間形成スペーサ、42…流通孔、43…板ばね、44…屈曲部、45…固定部材、46…狭口部、47…円筒リング、48…小口径部、49…大口径部、50…大口径部。

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