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技術 免震支承体及び該免震支承体の製造方法

出願人 バンドー化学株式会社
発明者 古田智基
出願日 2003年1月20日 (17年5ヶ月経過) 出願番号 2003-010741
公開日 2004年8月12日 (15年10ヶ月経過) 公開番号 2004-225722
状態 未査定
技術分野 異常な外部の影響に耐えるための建築物 防振装置 ばね
主要キーワード 微少振動 柱状形状 シリコン系ゴム 曲面加工 空気抜き孔 弾性領域 振動吸収 減衰性能
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

減衰効果に優れ、しかも鉛を使用することのない免震支承体及びその製造方法を提供する。

解決手段

円柱状のゴムからなる支承材20の上方及び下方に、上側ベース15及び上側フランジ11、並びに下側ベース16及び下側フランジ12を配する。上側フランジ11の中心部下面には、上側嵌挿鋼材24を固定して支承材20内に下方に向けて嵌挿する。下側フランジ12の中心部上面には、下側嵌挿鋼材25を固定して支承材20内に上方に向けて嵌挿する。上側嵌挿鋼材24の先端部24a及び下側嵌挿鋼材25の先端部25aは、それぞれ球面形状とする。上側嵌挿鋼材24の上側フランジ11への固定部分近傍及び下側嵌挿鋼材25の下側フランジ12への固定部分近傍に於ける支承材20に、それぞれ上側空隙26及び下側空隙27を設ける。これにより、上側嵌挿鋼材24及び下側嵌挿鋼材25の曲げ降伏による履歴減衰と、支承材20と上側嵌挿鋼材24及び下側嵌挿鋼材25との摩擦による減衰とにより振動緩和する。

概要

背景

従来より、免震支承体として、ゴムと金属との積層体の中央部分に鉛プラグを設けたものが知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。図7は従来の免震支承体の一部破断斜視図である。同図の免震支承体13は、円板状のゴム及び金属を積層した積層体10と、この積層体10の上方及び下方に配された上側フランジ11及び下側フランジ12とを備えている。支承体13の中央部には、塑性変形により履歴減衰作用を発揮する鉛プラグ14が設けられている。
この免震支承体では、積層体10は地震により発生するエネルギー上部構造体に出る限り伝えないように作用し、鉛プラグ14は地震により発生する大きな振動による剪断力を吸収するように作用するので、優れた減衰性能が発揮され得る。

概要

減衰効果に優れ、しかも鉛を使用することのない免震支承体及びその製造方法を提供する。円柱状のゴムからなる支承材20の上方及び下方に、上側ベース15及び上側フランジ11、並びに下側ベース16及び下側フランジ12を配する。上側フランジ11の中心部下面には、上側嵌挿鋼材24を固定して支承材20内に下方に向けて嵌挿する。下側フランジ12の中心部上面には、下側嵌挿鋼材25を固定して支承材20内に上方に向けて嵌挿する。上側嵌挿鋼材24の先端部24a及び下側嵌挿鋼材25の先端部25aは、それぞれ球面形状とする。上側嵌挿鋼材24の上側フランジ11への固定部分近傍及び下側嵌挿鋼材25の下側フランジ12への固定部分近傍に於ける支承材20に、それぞれ上側空隙26及び下側空隙27を設ける。これにより、上側嵌挿鋼材24及び下側嵌挿鋼材25の曲げ降伏による履歴減衰と、支承材20と上側嵌挿鋼材24及び下側嵌挿鋼材25との摩擦による減衰とにより振動を緩和する。

目的

本発明の目的は、減衰効果に優れ、しかも鉛を使用することのない免震支承体及びその製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

支承材を有する支承部と該支承部を挟持する上側フランジ及び下側フランジとを有する支承体と、前記上側フランジに固定され前記上側フランジから前記支承材内下方に向けて延設された一又は複数の上側嵌挿鋼材と、前記下側フランジに固定され前記下側フランジから前記支承材内上方に向けて延設された一又は複数の下側嵌挿鋼材とを備えた免震支承体。

請求項2

前記上側フランジの中央部に設けられた一の前記上側嵌挿鋼材と、前記下側フランジの中央部に設けられた一の前記下側嵌挿鋼材とを備え、前記上側嵌挿鋼材の先端部と前記下側嵌挿鋼材とが、前記支承材に於ける前記上側嵌挿鋼材及び前記下側嵌挿鋼材の延設方向中央部で対峙していることを特徴とする請求項1記載の免震支承体。

請求項3

前記支承材がゴムからなり、前記支承材に於ける前記上側嵌挿鋼材及び前記下側嵌挿鋼材の前記延設方向中央部のゴム硬度が、前記近傍以外の部分に於ける前記支承材のゴム硬度より大きいことを特徴とする請求項2記載の免震支承体。

請求項4

前記上側フランジに設けられた複数の前記上側嵌挿鋼材と、前記下側フランジに設けられた複数の前記下側嵌挿鋼材とを備え、前記複数の上側嵌挿鋼材は前記支承材に於ける前記下側フランジ側まで延設され、前記複数の下側嵌挿鋼材は前記支承材に於ける前記上側フランジ側まで延設されていることを特徴とする請求項1記載の免震支承体。

請求項5

前記上側嵌挿鋼材及び前記下側嵌挿鋼材の先端部には、それぞれ曲面加工が施されている請求項1乃至4の何れかに記載の免震支承体。

請求項6

前記上側嵌挿鋼材の前記上側フランジへの固定部分近傍に於ける前記支承部に上側空隙が設けられている請求項1乃至5の何れかに記載の免震支承体。

請求項7

前記下側嵌挿鋼材の前記下側フランジへの固定部分近傍に於ける前記支承部に下側空隙が設けられている請求項1乃至6の何れかに記載の免震支承体。

請求項8

前記支承材がゴムの積層体を有していることを特徴とする請求項1、2、4乃至7の何れかに記載の免震支承体。

請求項9

前記上側嵌挿鋼材と前記支承部との間に、減衰材層を更に設けたことを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の免震支承体。

請求項10

前記下側嵌挿鋼材と前記支承部との間に、減衰材層を更に設けたことを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の免震支承体。

請求項11

前記減衰材層は、アクリル系ゴムジエン系ゴムシリコン系ゴム及びウレタン系ゴムからなる群から選択されるものであることを特徴とする請求項9又は10の何れかに記載の免震支承体。

請求項12

請求項1乃至8の何れかに記載の免震支承体の製造方法であって、前記上側嵌挿鋼材の長手方向に垂直な断面積より小さい断面積を有する上側嵌挿穴を前記支承材に設けて前記上側嵌挿穴に前記上側嵌挿鋼材を嵌挿するとともに、前記下側嵌挿鋼材の長手方向に垂直な断面積より小さい断面積を有する下側嵌挿穴を前記支承材に設けて前記下側嵌挿穴に前記下側嵌挿鋼材を嵌挿する免震支承体の製造方法。

技術分野

0001

この発明は、免震支承体及び該免震支承体の製造方法に関し、更に詳しくは、鉛などの有害な金属を使用する必要のない免震支承体及び該免震支承体の製造方法に関するものである。

0002

従来より、免震支承体として、ゴムと金属との積層体の中央部分に鉛プラグを設けたものが知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。図7は従来の免震支承体の一部破断斜視図である。同図の免震支承体13は、円板状のゴム及び金属を積層した積層体10と、この積層体10の上方及び下方に配された上側フランジ11及び下側フランジ12とを備えている。支承体13の中央部には、塑性変形により履歴減衰作用を発揮する鉛プラグ14が設けられている。
この免震支承体では、積層体10は地震により発生するエネルギー上部構造体に出る限り伝えないように作用し、鉛プラグ14は地震により発生する大きな振動による剪断力を吸収するように作用するので、優れた減衰性能が発揮され得る。

背景技術

0003

【特許文献1】
特公平6−45974号公報(請求項1、第1図、第3図)
【特許文献2】
特開平8−326812号公報(段落番号〔0011〕、図3

0004

しかしながら、上述の鉛プラグ14は減衰効果に優れてはいるものの、環境問題の観点からすれば、その毒性が問題となる。そのため、代替材料の検討が行われてはいるが、減衰効果の面からすれば、鉛にそのまま代替し得る性能を発揮し得る代替材料は未だに見いだされてはいない。

発明が解決しようとする課題

0005

そこで、本発明の目的は、減衰効果に優れ、しかも鉛を使用することのない免震支承体及びその製造方法を提供することである。

0006

本発明の免震支承体は、支承材を有する支承部と該支承部を挟持する上側フランジ及び下側フランジとを有する支承体と、前記上側フランジに固定され前記上側フランジから前記支承材内下方に向けて延設された一又は複数の上側嵌挿鋼材と、前記下側フランジに固定され前記下側フランジから前記支承材内上方に向けて延設された一又は複数の下側嵌挿鋼材とを備えたことを特徴とする。

0007

支承材内の下方及び上方に向けてそれぞれ嵌挿された上側嵌挿鋼材及び下側嵌挿鋼材を設けたことにより、支承材による振動吸収と、上側嵌挿鋼材及び下側嵌挿鋼材の曲げ降伏による履歴減衰と、支承材と上側嵌挿鋼材及び下側嵌挿鋼材との摩擦による減衰とにより振動が緩和されるので、高い減衰効果が得られる。しかも鉛を使用していないので、環境問題も生じない。

0008

上記に於いては、前記上側フランジの中央部に設けられた一の前記上側嵌挿鋼材と、前記下側フランジの中央部に設けられた一の前記下側嵌挿鋼材とを備え、前記上側嵌挿鋼材の先端部と前記下側嵌挿鋼材とが、前記支承材に於ける前記上側嵌挿鋼材及び前記下側嵌挿鋼材の延設方向中央部で対峙している構成とすることが好ましい。この構成により、簡単な構造であるにも拘わらず高い減衰効果が得られる。

0009

また、上記において、前記支承材がゴムからなり、前記支承材に於ける前記上側嵌挿鋼材及び前記下側嵌挿鋼材の前記延設方向中央部のゴム硬度が、前記近傍以外の部分に於ける前記支承材のゴム硬度より大きいことが好ましい。この構成により、免震支承体が変形して支承材と上側嵌挿鋼材又は下側嵌挿鋼材との間に間隙が生ずるのを防止することができる。

0010

更に、前記上側フランジに設けられた複数の前記上側嵌挿鋼材と、前記下側フランジに設けられた複数の前記下側嵌挿鋼材とを備え、前記複数の上側嵌挿鋼材は前記支承材に於ける前記下側フランジ側まで延設され、前記複数の下側嵌挿鋼材は前記支承材に於ける前記上側フランジ側まで延設されている構成を採用することができる。

0011

このように複数の上側嵌挿鋼材と複数の下側嵌挿鋼材とを設けて、それぞれ支承材をほぼ貫通して下側フランジ近傍及び上側フランジ近傍まで延設することにより、1箇所に応力が集中することを防止することができ、高い減衰効果が得られる。

0012

また、前記上側嵌挿鋼材及び前記下側嵌挿鋼材の先端部には、それぞれ曲面加工が施されている構成を採用することができる。上側嵌挿鋼材及び下側嵌挿鋼材は、後述するように、支承材に設けられた支承材の断面積より小さい断面積を有する嵌挿穴に嵌挿されて製造することができるが、上述のような曲面加工により、上側嵌挿鋼材及び下側嵌挿鋼材の嵌挿が容易となる。

0013

また、上記構成に於いては、前記上側嵌挿鋼材の前記上側フランジへの固定部分近傍に於ける前記支承部に上側空隙が設けられている構成を採用することができる。同様に、前記下側嵌挿鋼材の前記下側フランジへの固定部分近傍に於ける前記支承部に下側空隙が設けられている構成を採用することができる。上述のように、上側嵌挿鋼材及び下側嵌挿鋼材は支承材に設けられた支承材の断面積より小さい断面積を有する嵌挿穴に嵌挿されるが、このような上側嵌挿鋼材及び下側嵌挿鋼材の嵌挿により、支承材を構成するゴム等の材料が盛り上がってしまう場合がある。上記の上側間隙及び下側空隙は、このような支承材の盛り上がりを防止するために設けられている。また、これらの空隙の存在により、上側嵌挿鋼材及び下側嵌挿鋼材の曲げ降伏が円滑に行われ、高い減衰効果が発揮される。

0014

前述の支承材は、ゴムの積層体を有していることが好ましい。また、上側嵌挿鋼材と支承部との間及び/又は下側嵌挿鋼材と支承部との間に、減衰材層を更に設ける構成とすることが好ましい。この減衰材層には、アクリル系ゴムジエン系ゴムシリコン系ゴムウレタン系ゴム等を使用することができる。

0015

前述のように、本発明の免震支承体は、前記上側嵌挿鋼材の長手方向に垂直な断面積より小さい断面積を有する上側嵌挿穴を前記支承材に設けて前記上側嵌挿穴に前記上側嵌挿鋼材を嵌挿するとともに、前記下側嵌挿鋼材の長手方向に垂直な断面積より小さい断面積を有する下側嵌挿穴を前記支承材に設けて前記下側嵌挿穴に前記下側嵌挿鋼材を嵌挿することにより製造され得る。

課題を解決するための手段

0016

このように、上側嵌挿穴及び下側嵌挿穴の直径を上側嵌挿鋼材及び下側嵌挿鋼材の直径より小さくすることにより、支承材と上側嵌挿鋼材及び下側嵌挿鋼材との摩擦が大きくなり、優れた減衰効果が発揮される。また、上側嵌挿鋼材の上側フランジの固定部分近傍に於ける支承材に上側空隙が設けられるとともに、下側嵌挿鋼材の下側フランジへの固定部分近傍に於ける支承材に下側空隙が設けられているので、上側嵌挿鋼材及び下側嵌挿鋼材の上側嵌挿穴及び下側嵌挿穴への嵌挿が容易となる。また、上側空隙及び下側空隙を設けたことにより、上側嵌挿鋼材及び下側嵌挿鋼材の嵌挿によって、支承材を構成するゴム等の材料が盛り上がり、支承材と上側フランジ又は下側フランジとが剥がれてしまうことを防止することが可能となる。加えて、上側嵌挿鋼材の先端部及び下側嵌挿鋼材の先端部にはそれぞれ曲面加工が施されているので、このことによっても上側嵌挿鋼材及び下側嵌挿鋼材の上側嵌挿穴及び下側嵌挿穴への嵌挿が容易となる。

0017

以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。図1に本発明の一実施形態に係る免震支承体の断面構成を示す。本実施形態の免震支承体は、円板状のゴムを積層した積層体からなる支承材20と、支承材20の上方及び下方に配された上側ベース15及び下側ベース16とを有している。本実施形態では、支承材20と上側ベース15と下側ベース16とによって支承部21が構成されている。この支承部21の上部には上側フランジ11がボルト11aによって固定され、支承部21の下部には下側フランジ12がボルト12aによって固定されている。本実施形態では、支承部21と、上側フランジ11と、下側フランジ12とによって支承体が構成されている。

0018

本実施形態では、上側フランジ11の中心部下面に円柱形状の上側嵌挿鋼材24が固定され、この上側嵌挿鋼材24は支承材20内に下方に向けて嵌挿されている。同様に、下側フランジ12の中心部上面には円柱形状の下側嵌挿鋼材25が固定され、この下側嵌挿鋼材25は支承材20内に上方に向けて嵌挿されている。上側嵌挿鋼材24の先端部24a及び下側嵌挿鋼材25の先端部25aは、それぞれ球面形状を成している。そして、本実施形態では、上側嵌挿鋼材24の上側フランジ11への固定部分近傍に於ける上側ベース15に上側空隙26が設けられ、同様に、下側嵌挿鋼材25の下側フランジ12への固定部分近傍に於ける下側ベース16に下側空隙27が設けられている。上側空隙26及び下側空隙27は、図1に示すように、断面が矩形の円柱形状を成している。

0019

このような構成を有する本実施形態の免震支承体は、支承材20内の下方及び上方に向けてそれぞれ嵌挿された上側嵌挿鋼材24及び下側嵌挿鋼材25を設けたことにより、支承材20による振動吸収と、上側嵌挿鋼材24及び下側嵌挿鋼材25の曲げ降伏による履歴減衰と、支承材20と上側嵌挿鋼材24及び下側嵌挿鋼材25との摩擦による減衰とにより振動が緩和されるので、高い減衰効果が得られる。しかも鉛を使用していないので、環境問題も生じない。

0020

以上の構成を有する本実施形態の免震支承体は、以下のようにして製造される。まず、円柱状の支承材20に後に上側嵌挿鋼材24を嵌挿するための上側嵌挿穴が設けられ、同様に支承材20に後に下側嵌挿鋼材25を嵌挿するための下側嵌挿穴が設けられる。上側嵌挿穴及び下側嵌挿穴の断面積は、円柱形状の上側嵌挿鋼材24及び下側嵌挿鋼材25の長手方向に垂直な断面積より小さくなるように設定されている。次に、上側嵌挿穴及び下側嵌挿穴を設けた支承材20の上下に上側ベース15及び下側ベース16が取り付けられる。その際、上側嵌挿穴と上側空隙26とが一致し、下側嵌挿穴と下側空隙27とが一致するように上側ベース15及び下側ベース16が配置される。

0021

次に、上側フランジ11に固定された上側嵌挿鋼材24の先端部24aが、支承材20に設けた上側嵌挿穴に挿入される。その際、上側嵌挿穴の直径は上側嵌挿鋼材24の直径より小さいので、上側嵌挿鋼材24は支承材20によって緊密に保持されることとなる。同様に、下側フランジ12に固定された下側嵌挿鋼材25の先端部25aが、支承材20に設けた下側嵌挿穴に挿入される。その際、下側嵌挿穴の直径も下側嵌挿鋼材25の直径より小さいので、下側嵌挿鋼材25は支承材20によって緊密に保持されることとなる。

0022

以上の免震支承体の製造方法によれば、支承材20に設けた上側嵌挿穴及び下側嵌挿穴の直径を上側嵌挿鋼材24及び下側嵌挿鋼材25の直径より小さくすることにより、支承材20と上側嵌挿鋼材24及び下側嵌挿鋼材25との摩擦が大きくなり、優れた減衰効果が発揮されることとなる。また、上側空隙26及び下側空隙27を設けたことにより、上側嵌挿鋼材24及び下側嵌挿鋼材25の嵌挿により支承材20を構成するゴム等の材料が盛り上がり、支承材20と上側ベース15又は下側ベース16とが剥がれてしまうことを防止することが可能となる。加えて、上側嵌挿鋼材24の先端部24a及び下側嵌挿鋼材25の先端部25aにはそれぞれ曲面加工が施されているので、上側嵌挿鋼材24及び下側嵌挿鋼材25の上側嵌挿穴及び下側嵌挿穴への嵌挿が容易となる。

0023

図8は本発明の他の実施形態に係る免震支承体の断面構成を示している。本発明の免震支承体は、前述の図1の実施形態に於いて上側ベース15及び下側ベース16を省略するとともに、上側空隙26及び下側空隙27をそれぞれ支承材20の上面及び下面に設けたものであり、図1に対応する構成要素には同じ符号が付されている。

0024

図8の構成を有する本実施形態の免震支承体は、以下のようにして製造される。まず、円柱状の支承材20の上側空隙26内に、後に上側嵌挿鋼材24が嵌挿される上側嵌挿穴が設けられ、同様に支承材20の下側空隙27内に、後に下側嵌挿鋼材25が嵌挿される下側嵌挿穴が設けられる。上側嵌挿穴及び下側嵌挿穴の直径は、円柱形状の上側嵌挿鋼材24及び下側嵌挿鋼材25の直径より小さく設定されている。次に、上側フランジ11に固定された上側嵌挿鋼材24の先端部24aが、支承材20の上側空隙26内に設けた上側嵌挿穴に挿入される。その際、上側嵌挿穴の直径は上側嵌挿鋼材24の直径より小さいので、上側嵌挿鋼材24は支承材20によって緊密に保持されることとなる。同様に、下側フランジ12に固定された下側嵌挿鋼材25の先端部25aが、支承材20の下側空隙27内に設けた下側嵌挿穴に挿入される。その際、下側嵌挿穴の直径も下側嵌挿鋼材25の直径より小さいので、下側嵌挿鋼材25は支承材20によって緊密に保持されることとなる。

0025

以上の免震支承体の製造方法によれば、上側空隙26内の上側嵌挿穴及び下側空隙27内の下側嵌挿穴の直径は上側嵌挿鋼材24及び下側嵌挿鋼材25の直径より小さいので、支承材20と上側嵌挿鋼材24及び下側嵌挿鋼材25との摩擦が大きくなり、優れた減衰効果が発揮されることとなる。また、上側嵌挿鋼材24の上側フランジ11への固定部分近傍に於ける支承材20に上側空隙26が設けられるとともに、下側嵌挿鋼材25の下側フランジ12への固定部分近傍に於ける支承材20に下側空隙27が設けられているので、上側嵌挿鋼材24及び下側嵌挿鋼材25の上側嵌挿穴及び下側嵌挿穴への嵌挿が容易となる。また、上側空隙26及び下側空隙27を設けたことにより、上側嵌挿鋼材24及び下側嵌挿鋼材25の嵌挿により支承材20を構成するゴム等の材料が盛り上がり、支承材20と上側フランジ11又は下側フランジ12とが剥がれてしまうことを防止することが可能となる。加えて、上側嵌挿鋼材24の先端部24a及び下側嵌挿鋼材25の先端部25aにはそれぞれ曲面加工が施されているので、このことによっても上側嵌挿鋼材24及び下側嵌挿鋼材25の上側嵌挿穴及び下側嵌挿穴への嵌挿が容易となる。

0026

図2は本発明の他の実施形態に係る免震支承体の断面構成を示している。本実施形態の免震支承体は、前述の図1の実施形態に於いて、上側嵌挿鋼材24及び下側嵌挿鋼材25の延設方向中央部28の支承材20のゴム硬度を、その中央部28以外の部分に於ける支承材20のゴム硬度より大きくなるように設定されている。このようなゴム高度の設定により、支承材20が変形した場合にこれを構成するゴムと上側嵌挿鋼材24及び下側嵌挿鋼材25との間に空隙が生じ、その空隙部分の変形が更に進行するのを防止することができる。このような支承材20のゴム硬度を部分的に高めた構成は、前述の図8の上側ベース15及び下側ベース16を設けない構成に於いても採用することができる。

0027

図3は本発明の更に他の実施形態に係る免震支承体の断面構成を示している。
本実施形態の免震支承体は、前述の図1の免震支承体に於いて、支承材20と上側嵌挿鋼材24及び下側嵌挿鋼材25との間、並びに上側空隙26及び下側空隙27の部分にポリウレタンからなる減衰材層29を備えた構成を有している。地震による振動が小さい場合、上側嵌挿鋼材24及び下側嵌挿鋼材25の変形は弾性領域のみにあるため、微少建物揺れを防止することができない。減衰材層29はこのような場合に、微少振動を防止する効果を発揮する。

0028

このような減衰材層29を有する免震支承体は、以下のようにして製造することができる。まず、上側嵌挿鋼材24及び下側嵌挿鋼材25がそれぞれ嵌入される上側嵌挿穴及び下側嵌挿穴の直径を上側嵌挿鋼材24及び下側嵌挿鋼材25の直径より大きして設け、次に、上側フランジ11に固定された上側嵌挿鋼材24及び下側フランジ12に固定された下側嵌挿鋼材25をそれぞれ上側嵌挿穴及び下側嵌挿穴に挿入して固定する。更に、図3に示すように、上側フランジ11に設けた注入口11cから硬化前のポリウレタンを注入するとともに空気抜き孔11dから空気を抜く。ポリウレタンが硬化することにより減衰材層29が形成される。また、図3の減衰材層29を有する免震支承体は、上側嵌挿鋼材24及び下側嵌挿鋼材25の直径より大きい直径の上側嵌挿穴及び下側嵌挿穴を設けた後、下側フランジ12に固定された下側嵌挿鋼材25のみを下側嵌挿穴に挿入して固定し、硬化前のポリウレタンを上側嵌挿穴から注ぎ込み、更に上側フランジ11に固定された上側嵌挿鋼材24を上側嵌挿穴に挿入して固定することによっても製造することができる。この場合には、注入口11c及び空気抜き孔11dは不要である。

0029

なお、減衰材層29を設けた免震支承体の構成は、前述の図8の上側ベース15及び下側ベース16を設けない免震支承体に於いても採用することができる。

0030

図4は本発明の更なる実施形態に係る免震支承体の平面構成を示し、図5図4に於けるP−P線矢視断面図である。本実施形態の免震支承体は、図4に示すように、支承材20の全体に亘って配置された3つの上側嵌挿鋼材24と3つの下側嵌挿鋼材25とを有し、図5に示すように、上側嵌挿鋼材24と下側嵌挿鋼材25とは相互に対峙していない点で、図1の実施形態とは異なっている。また、各上側嵌挿鋼材24は、支承材20に於ける下側フランジ12側まで延設され、同様に、各下側嵌挿鋼材25は支承材20に於ける上側フランジ側11まで延設されている。そして、各上側嵌挿鋼材24の付け根の近傍に於ける下側ベース16には、上側空隙26がそれぞれ形成されている。同様に、各下側嵌挿鋼材25の付け根の近傍に於ける上側ベース15には、下側空隙27がそれぞれ形成されている。なお、図4及び図5では、簡単のためにボルト11a及びボルト12aは省略してある。

0031

本実施形態では、複数の上側嵌挿鋼材24及び下側嵌挿鋼材25が支承材20の全体に亘って配置され、しかもこれらの上側嵌挿鋼材24及び下側嵌挿鋼材25は支承材20の厚さ方向の全体に亘って延設されているので、支承材20の全体で免震効果を発揮することができる。

0032

前述の図8の上側ベース15及び下側ベース16を設けない構成は、上述の複数の上側嵌挿鋼材24と複数の下側嵌挿鋼材25とを設けた構成に於いても採用することができる。

0033

図6は本発明の更に他の実施形態に係る免震支承体の断面構成を示している。本実施形態の免震支承体は、図4及び図5の実施形態の免震支承体に於ける支承材20と各上側嵌挿鋼材24及び各下側嵌挿鋼材25との間、並びに上側空隙26及び下側空隙27の部分にポリウレタンからなる減衰材層29が設けられている。減衰材層29は、地震による振動が小さいために上側嵌挿鋼材24及び下側嵌挿鋼材25の変形が弾性領域のみに生じる場合に、微少な建物の揺れを防止する効果を発揮する。

0034

なお、前述の図8の上側ベース15及び下側ベース16を設けない構成は、上述の複数の上側嵌挿鋼材24及び複数の下側嵌挿鋼材25並びに減衰材層29を設けた構成に於いても採用することができる。

0035

なお、上記何れの実施形態に於いても上側嵌挿鋼材24及び下側嵌挿鋼材25を円柱形状としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば四角柱三角柱等の多角柱等、任意の柱状形状とすることができる。その場合には、上側嵌挿穴及び下側嵌挿穴は上側嵌挿鋼材及び下側嵌挿鋼材の断面形状の相似形とし、上側嵌挿鋼材及び下側嵌挿鋼の長手方向に垂直な断面積より小さい断面積を有していることが好ましい。

発明を実施するための最良の形態

0036

また、本実施形態では上側空隙26及び下側空隙27の形状は、上側嵌挿鋼材24及び下側嵌挿鋼材25の長手方向の断面が矩形となる円柱としたが、例えば断面が三角形円錐状とすることもできる。その場合には、上側嵌挿鋼材24及び下側嵌挿鋼材25の上側嵌挿穴及び下側嵌挿穴への嵌挿が更に容易となる。

発明の効果

0037

本発明の免震支承体は、支承材内の下方及び上方に向けてそれぞれ嵌挿された上側嵌挿鋼材及び下側嵌挿鋼材を設けたことにより、支承材による振動吸収と、上側嵌挿鋼材及び下側嵌挿鋼材の曲げ降伏による履歴減衰と、支承材と上側嵌挿鋼材及び下側嵌挿鋼材との摩擦による減衰とにより振動が緩和されるので、高い減衰効果が得られる。しかも鉛を使用していないので、環境問題も生じない。

図面の簡単な説明

0038

また、本発明の免震支承体の製造方法によれば、上側嵌挿鋼材及び下側嵌挿鋼材を、それらの長手方向に垂直な断面積より小さい断面積を有する上側嵌挿穴及び下側嵌挿穴に嵌挿することにより、上側嵌挿鋼材及び下側嵌挿鋼材が支承材によって緊密に保持されることとなり、優れた減衰効果が発揮される。更に、支承材に上側空隙及び/又は下側空隙を設けることにより、上側嵌挿鋼材及び下側嵌挿鋼材の上側嵌挿穴及び下側嵌挿穴への嵌挿が容易となる。加えて、上側嵌挿鋼材及び下側嵌挿鋼材のそれぞれの先端部には曲面加工が施されているので、上側嵌挿鋼材及び下側嵌挿鋼材の上側嵌挿穴及び下側嵌挿穴への嵌挿が容易となる。

図1
本発明の一実施形態に係る免震支承体の断面構成を示す図である。
図2
支承材の中央部分のゴム硬度を高めた本発明の他の実施形態に係る免震支承体の断面構成を示す図である。
図3
減衰材層を設けた本発明の更に他の実施形態に係る免震支承体の断面構成を示す図である。
図4
複数の上側嵌挿鋼材及び複数の下側嵌挿鋼材を設けた本発明の更なる実施形態に係る免震支承体の平面構成を示す図である。
図5
図4に於けるP−P線矢視断面図である。
図6
複数の上側嵌挿鋼材及び複数の下側嵌挿鋼材並びに減衰材層を設けた本発明の更に他の実施形態に係る免震支承体の断面構成を示す図である。
図7
従来の免震支承体の一部破断斜視図である。
図8
上側ベース及び下側ベースを設けない構成に係る本発明の更に他の実施形態に係る免震支承体の断面構成を示す図である。
【符号の説明】
11 上側フランジ
11aボルト
12 下側フランジ
12a ボルト
15 上側ベース
16 下側ベース
20 支承材
21 支承部
24 上側嵌挿鋼材
24a 先端部
25 下側嵌挿鋼材
25a 先端部
26 上側空隙
27 下側空隙
28 延設方向中央部
29 減衰材層

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