図面 (/)

技術 ウレタンエラストマーおよびその製造方法

出願人 ゲイツ・ユニッタ・アジア株式会社
発明者 中根聡司廣中章浩村高洋
出願日 2003年1月21日 (17年3ヶ月経過) 出願番号 2003-011807
公開日 2004年8月12日 (15年8ヶ月経過) 公開番号 2004-224848
状態 特許登録済
技術分野 車両の乗手推進、伝動装置 ベルト・チェーン ポリウレタン,ポリ尿素
主要キーワード ウレタンエラストマーシート 釣鐘状 ウレタンベルト ベルト強度 駆動用ベルト 予成形 小プーリ 低速高トルク
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2004年8月12日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (5)

課題

屈曲に対する耐久性を高めベルト寿命を長くすることを目的とする。

解決手段

歯ゴム層12と背ゴム層22をウレタンエラストマーから形成する。ウレタンエラストマーは第1および第2のウレタンプレポリマーの混合物である混合ウレタンプレポリマー硬化剤を配合して得られた混合ウレタン注入液硬化することにより生成する。第1のウレタンプレポリマーは第1のポリオールジイソシアネートによって合成する。第2のウレタンプレポリマーは第2のポリオールとジイソシアネートによって合成する。第1のウレタンプレポリマーと第2のウレタンプレポリマーとのイソシアネート含有量は異なる。

概要

背景

従来、低速高トルクが要求される駆動用ベルトの材料としては、クロロプレンゴムウレタンゴムが使用される。ここで、ウレタンゴムはその剛性が高く耐摩耗性が良いので、その強度はクロロプレンゴムより高く、歯欠け耐久性にも優れている。しかし、ウレタンゴムを例えば自転車ベルトとして使用する場合、小径プーリに駆け回されるので、ベルトは大きく屈曲されて使用される。このような場合ウレタンゴム製のベルトはその剛性の高さから、ベルト背面クラックが発生しやすく耐久性には問題がある。

概要

屈曲に対する耐久性を高めベルト寿命を長くすることを目的とする。歯ゴム層12と背ゴム層22をウレタンエラストマーから形成する。ウレタンエラストマーは第1および第2のウレタンプレポリマーの混合物である混合ウレタンプレポリマー硬化剤を配合して得られた混合ウレタン注入液硬化することにより生成する。第1のウレタンプレポリマーは第1のポリオールジイソシアネートによって合成する。第2のウレタンプレポリマーは第2のポリオールとジイソシアネートによって合成する。第1のウレタンプレポリマーと第2のウレタンプレポリマーとのイソシアネート含有量は異なる。

目的

本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、高い強度を有しかつ屈曲に対する高い耐久性を有するウレタンエラストマーを得ることを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

第1のポリオールジイソシアネートによって合成された第1のウレタンプレポリマーと、第2のポリオールとジイソシアネートによって合成された第2のウレタンプレポリマーとを混合することにより得られた混合ウレタンプレポリマー硬化剤を配合した混合液硬化させることにより生成され、前記第1のウレタンプレポリマーと前記第2のウレタンプレポリマーとのイソシアネート含有量が異なることを特徴とするウレタンエラストマー

請求項2

デュロメータ硬さが93°〜96°であることを特徴とする請求項1に記載するウレタンエラストマー。

請求項3

前記ジイソシアネートがトルエンジイソシアネートであることを特徴とする請求項1に記載のウレタンエラストマー。

請求項4

前記ポリオールがポリカプロラクトンジオールポリカーボネートジオールまたはこれらの混合物のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のウレタンエラストマー。

請求項5

前記請求項1〜4に記載するウレタンエラストマーから形成されることを特徴とするウレタンベルト

請求項6

第1のポリオールとジイソシアネートによって合成された第1のウレタンプレポリマーと、第2のポリオールとジイソシアネートによって合成された第2のウレタンプレポリマーとを混合することにより混合ウレタンプレポリマーを得る混合工程と、前記混合ウレタンプレポリマーに硬化剤を配合した混合液を硬化させることによりウレタンエラストマーを得る硬化工程とを備え、前記第1のウレタンプレポリマーと前記第2のウレタンプレポリマーとのイソシアネート含有量の異なることを特徴とするウレタンエラストマーの製造方法。

請求項7

第1のポリオールとジイソシアネートによって合成された第1のウレタンプレポリマーと、第2のポリオールとジイソシアネートによって合成された第2のウレタンプレポリマーとを混合することにより混合ウレタンプレポリマーを得る混合工程と、前記混合ウレタンプレポリマーに硬化剤を配合した混合液を硬化させることにより得られるウレタンエラストマーから形成されるウレタンベルトを得るベルト成型工程を備え、前記第1のウレタンプレポリマーと前記第2のウレタンプレポリマーとのイソシアネート含有量が異なることを特徴とするウレタンベルトの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、例えば自転車に使用される伝動ベルト原料エラストマーに関する。

0002

従来、低速高トルクが要求される駆動用ベルトの材料としては、クロロプレンゴムウレタンゴムが使用される。ここで、ウレタンゴムはその剛性が高く耐摩耗性が良いので、その強度はクロロプレンゴムより高く、歯欠け耐久性にも優れている。しかし、ウレタンゴムを例えば自転車ベルトとして使用する場合、小径プーリに駆け回されるので、ベルトは大きく屈曲されて使用される。このような場合ウレタンゴム製のベルトはその剛性の高さから、ベルト背面クラックが発生しやすく耐久性には問題がある。

0003

ここで、屈曲に対する耐久性を向上させようと、その剛性を低下させるため例えば可塑剤を添加することが考えられるが、ウレタンゴムに可塑剤を添加した場合、その強度が低下してしまう。また、可塑剤は使用とともにブリーディングするので、ベルトの使用とともに剛性が上昇するという問題点がある。

0004

また、従来、強度や硬さを低下させずに高い摩擦係数を有するウレタンエラストマーを得るために、ポリテトラエチレンエーテルグリコールの平均分子量の異なる2成分からなるウレタンプレポリマーを使用することが知られている(例えば特許文献1または2)。

0005

しかし、この方法では、分子量分布の大きく異なる2成分のポリオールを混合した後、ジイソシアネートを付加しているため、ポリオール同士の重合やポリオール分子鎖絡み合いによる立体障害などにより、ジイソシアネートがポリオール末端の全てのOH基に均一に重付加することは難しい。

背景技術

0006

【特許文献1】
特公平4−33288号公報
【特許文献2】
特許第2530776号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、高い強度を有しかつ屈曲に対する高い耐久性を有するウレタンエラストマーを得ることを目的とする。

0008

本発明に係るウレタンエラストマーは、第1のポリオールとジイソシアネートによって合成された第1のウレタンプレポリマーと、第2のポリオールとジイソシアネートによって合成された第2のウレタンプレポリマーとを混合することにより得られた混合ウレタンプレポリマー硬化剤を配合した混合液硬化させることにより生成され、第1のウレタンプレポリマーと第2のウレタンプレポリマーとのイソシアネート含有量が異なることを特徴とする。これにより、得られるウレタンエラストマーは、耐久性が高くなる。

0009

デュロメータ硬さは、93°〜96°であることが好ましい。これにより、屈曲に対する耐久性の高い駆動用ベルトの原料として好適であるエラストマーを得ることができる。

0010

ジイソシアネートは例えばトルエンジイソシアネートである。また、例えば、ポリオールはポリカプロラクトンジオールポリカーボネートジオールまたはこれらの混合物のいずれかである。
本発明に係るウレタンベルトは、上記に記載したウレタンエラストマーから形成される。

0011

本発明に係るウレタンエラストマーの製造方法は、第1のポリオールとジイソシアネートによって合成された第1のウレタンプレポリマーと、第2のポリオールとジイソシアネートによって合成された第2のウレタンプレポリマーとを混合することにより混合ウレタンプレポリマーを得る混合工程と、混合ウレタンプレポリマーに硬化剤を配合した混合液を硬化させることによりウレタンエラストマーを得る硬化工程とを備え、第1のウレタンプレポリマーと第2のウレタンプレポリマーとのイソシアネート含有量の異なることを特徴とする。

課題を解決するための手段

0012

本発明に係るウレタンベルトの製造方法は、第1のポリオールとジイソシアネートによって合成された第1のウレタンプレポリマーと、第2のポリオールとジイソシアネートによって合成された第2のウレタンプレポリマーとを混合することにより混合ウレタンプレポリマーを得る混合工程と、混合ウレタンプレポリマーに硬化剤を配合した混合液を硬化させることにより得られるウレタンエラストマーから形成されるウレタンベルトを得るベルト成型工程を備え、第1のウレタンプレポリマーと第2のウレタンプレポリマーとのイソシアネート含有量が異なることを特徴とする。

0013

以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の実施形態である歯付ベルト10の一部を破断した斜視図を示す。本実施形態の歯付ベルト10は例えば、低速高トルク駆動用ベルトであり自転車の後輪駆動ベルトに使用される。自転車の後輪駆動ベルトに使用される場合、小プーリ掛け回されるため、屈曲に対する高い耐久性が要求される。したがって、ベルト本体を形成するウレタンエラストマーのデュロメータ硬さは93°〜96°であることが好ましい。

0014

図1において、歯付ベルト10の上面側には、歯部が形成された歯ゴム層12が設けられ、背面側には背ゴム層22が設けられる。歯ゴム層12と背ゴム層22はウレタンエラストマーから形成されるベルト本体である。歯ゴム層12と背ゴム層22の間には心線14が埋設されている。歯ゴム層12の表面には、帆布18が被覆され、帆布18の表面にはさらに樹脂フィルム20が被覆されている。

0015

以下、歯付ベルト10の製造方法について説明する。図2に歯付ベルト10の製造過程を示したもので、それぞれ対応する部分には同符号が記されている。

0016

樹脂フィルム20が被覆された帆布18は、歯形予成形された後所定のベルト歯数に裁断されて、その端部がつなぎ合わされ、円筒状(図示せず)に形成される。円筒状に形成された帆布18は、円筒状(図示せず)の歯付ドラム35に被せられ歯付ドラム35の外周面35’に面するように取り付けられる。外周面35’はベルトの外周面の形状と同一であり、歯型状に形成されている。歯付ドラム35に装着された帆布18は、さらにその上に心線14が巻きつけられる。

0017

次にドラム35は、外型36に同心状に挿入され上蓋が取り付けられることにより、混合ウレタン注型液が注入されるための金型40が組み立てられる。金型40は歯付ベルト10を成型するためのものであり、歯付ドラム35と外型36の間隔は、歯付ベルト10の高さに対応する。金型40が組み立てられると、その金型40に所定温度T1(例えば90〜100℃)で予熱が加えられる。

0018

予熱が加えられた後、図2に示すように金型40内には後述する混合ウレタン注型液Xが帆布18の内表面側から注入される。混合ウレタン注型液Xが注入されると、硬化後に歯ゴム層12と背ゴム層22(図1参照)となる部分に混合ウレタン注型液Xが充填され、次に、加圧され混合ウレタン注型液Xは帆布18に浸透して、帆布18に被覆された樹脂フィルム20に接するようになる。ここで、樹脂フィルム20は、混合ウレタン注型液Xを浸透させないので、混合ウレタン注型液Xが帆布18の外表面に浸み出さない。したがって、混合ウレタン注型液Xが充填されることにより樹脂フィルム20は外周面35’に押し付けられ接するようになり、混合ウレタン注型液Xの注入が完了したときには、樹脂フィルム20の外表面は外周面35’に密接している。

0019

混合ウレタン注型液Xの注入が終了すると、その金型を所定温度T2(例えば95℃)で一定時間加熱される。これにより、注入された混合ウレタン注型液Xは、硬化しウレタンエラストマーとなり、金型内には本体がウレタンエラストマーから形成されるベルトスラブができる。このベルトスラブは金型から取り出された後、2次硬化され、所定の幅に裁断されることにより、歯付ベルト10が得られる(図1参照)。

0020

混合ウレタン注型液Xの作成方法について説明する。混合ウレタン注型液Xは硬化することによりウレタンエラストマーを得ることができる混合液である。まず、第1のウレタンプレポリマーおよび第2のウレタンプレポリマーを溶融するために予め加熱し、硬化剤についても加熱して溶融させる。溶融された第1および第2のウレタンプレポリマーは、所定量計り取られて混合され混合ウレタンプレポリマーが得られる。混合ウレタンプレポリマーは、さらに黒顔料が配合され一定時間攪拌した後に真空脱泡される。黒顔料が配合され脱泡された混合ウレタンプレポリマーは、さらに加熱溶融されていた硬化剤が配合され、混合攪拌することにより混合ウレタン注型液Xが得られる。

0021

前述のように混合ウレタンプレポリマーは、第1のウレタンプレポリマーおよび第2のウレタンプレポリマーを混合することによって得られるものである。第2のウレタンプレポリマーは第1のウレタンプレポリマーとイソシアネート含有量(以下NCO%という。)が異なる。第1のウレタンプレポリマーは第1のポリオールとジイソシアネートによって合成されたものである一方、第2のウレタンプレポリマーは、第2のポリオールとジイソシアネートによって合成されたものである。第1および第2のポリオールはそれぞれ一定の分子量分布をもったポリオールである。なお、第1および第2のウレタンプレポリマーは、混合前に、それぞれのポリオールとジイソシアネートが合成されて生成されたものである。ここで、それぞれのポリオールの末端OH基はジイソシアネートがほとんど付加している。なお、NCO%の測定方法は、JIS K7301に準拠する。

0022

第1および第2のウレタンプレポリマーは、トルエンジイソシアネート(以下TDIという。)とポリオールを反応させて得られたものであることが好ましい。ポリオールとしては、例えば、ポリカプロラクトンジオール(以下PCLという。)、ポリカーボネートジオールまたはこれらの混合物のいずれが使用される。第1および第2のウレタンプレポリマーとして、PCLとTDIを反応させて得られたものを使用する場合、NCO%はそれぞれ、5.8〜6.0%、4.2〜4.4%であることが好ましい。すなわち、第1および第2のウレタンプレポリマーのNCO%は少なくとも、1.4%以上異なることが望ましい。そして、第1のウレタンプレポリマーと第2のウレタンプレポリマーの配合重量比は25:75〜75:25であることが好ましい。また、この場合の硬化剤には、例えばMOCA(3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン)が使用される。

0023

下図3の分布図を用いて、第1および第2のウレタンプレポリマーが配合されることによる挙動を説明する。ここでは、第1および第2のウレタンプレポリマーのNCO%はそれぞれ、5.8〜6.0%、4.2〜4.4%である。また、第1および第2のウレタンプレポリマーはそれぞれ、TDIとPCLが反応して作られたものであり、第1および第2のウレタンプレポリマーの重量混合比が50:50のものである場合について説明する。

0024

第1のウレタンプレポリマーはNCO%が5.8〜6.0%であり、PCLの両末端のOH基にそれぞれTDIが完全に付加していると考えると、第1のウレタンプレポリマーの平均分子量は1400〜1450程度となる。したがって、第1のウレタンプレポリマーの分子量分布は1400〜1450程度を頂点とする釣鐘状の分布図Xとなる。

0025

第2のウレタンプレポリマーはNCO%が4.2〜4.4%であり、PCLの両末端のOH基にそれぞれTDIが完全に付加していると考えると、第2のウレタンプレポリマーの平均分子量は1900〜2000程度となる。したがって、第1のウレタンプレポリマーの分子量分布は1900〜2000程度を頂点とする釣鐘状の分布図Yとなる。

0026

したがって、この第1および第2のウレタンプレポリマーが、混合することにより得られる混合ウレタンプレポリマーは、分子量1400〜2000の含有量が多い分子量分布Zとなる。すなわち、この混合ウレタンプレポリマーが硬化されることによって得られるウレタンエラストマーは、PCLの分子量分布が非常に広範囲である。したがって、第1または第2のウレタンプレポリマーのみから得られるウレタンエラストマーとその物性が大きく異なる。

0027

【実施例】
以下実施例を詳細に説明する。表1の実施例A〜Cは、混合ウレタンエラストマー(注型液)の配合成分を示す。なお、混合ウレタンエラストマー(注型液)には、表中に記載されていないが、それぞれ黒顔料2部等も配合されている。

0028

【表1】

0029

ここで、NCO%は第1および第2のウレタンプレポリマーのイソシアネート含有量を示す。また、第1および第2のウレタンプレポリマーは、TDIとPCLを反応させて得られたものであり、それぞれPLACCEL EP1595およびPLACCEL EP1500(商品名、ダイセル化学工業株式会社製)を使用した。硬化剤にはMOCAを使用した。

0030

実施例A〜Cは第1および第2のウレタンプレポリマーの配合量が異なり、実施例Aは第1のウレタンプレポリマーの配合量が75重量部であるのに対して、第2のウレタンプレポリマーの配合量が25重量部である。実施例Bは第1のウレタンプレポリマーの配合量が50重量部であるのに対して、第2のウレタンプレポリマーの配合量が50重量部である。実施例Cは第1のウレタンプレポリマーの配合量が25重量部であるのに対して、第2のウレタンプレポリマーの配合量が75重量部である。比較例1および3〜6の歯付ベルトはその本体部材のエラストマーは第1のウレタンプレポリマーのみから生成されており、比較例2では第2のウレタンプレポリマーのみから生成されている。そして、比較例3〜6では、それぞれ第1のウレタンプレポリマー100重量部に対して可塑剤であるDOP(フタル酸ジ−2−エチルヘキシルエステル)が10,20,30,40重量部配合され生成されている。

0031

[ウレタンエラストマーおよび歯付ベルトの評価]
本実施例における混合ウレタンプレポリマーから生成されたウレタンエラストマーシートおよび比較例エラストマーシート試験片を使っての評価結果を表2に示す。ここでは、硬度モジュラス試験引張強度伸びおよび引裂強度について行った。ここで、表中に示す硬さはデュロメータ硬さであり、M100%〜M300%はモジュラス試験の結果であり、それぞれ100、200、300%の伸びを与えたときの応力を示す。なお、すべての試験はJIS K6250に準拠して行った。

0032

【表2】

0033

本実施例、比較例から形成される歯付ベルトの屈曲試験の結果を表3,4に、また走行試験の結果を図4に示す。表3はP20−P20の条件で、表4はP20−P69の条件における屈曲試験の結果を示す。ここで、例えばP20−P20とは、歯付ベルトが、歯数が20と20の2つのプーリに掛け回されていることを示す。屈曲試験は、歯付ベルトを2つのプーリ間を3.4×106回往復させることにより行った。走行試験は、14インチの自転車の前後輪において、歯数が20および69の2つのプーリに歯付ベルトを掛け回して行った。

0034

【表3】

0035

【表4】

0036

[ウレタンエラストマーおよび歯付ベルトの評価結果]
比較例1の歯付ベルトは、表3,4に示すように、屈曲試験において全て背面にクラックが発生し、強度の残存率についても例えばP20−P69の場合、69%程度のものしか得られなかった。これは、表2に示すように比較例1の歯付ベルトの本体部材のエラストマーの硬さが97°と高いためと考えられる。

0037

比較例2の歯付ベルトは、表3,4に示すように、屈曲試験においてベルト背面にクラックは発生せず、強度の残存率についても例えばP20−P69の場合、88%と良好の結果が得られた。しかし、図4に示すように、走行試験においては、踏力75kgf程度のときに走行距離2000kmにも達せずに歯欠等のベルト異常が発生した。すなわち、比較例2の歯付ベルトは屈曲に対する耐久性は良好であるが、ベルト自身の強度、例えば歯欠け耐久性には問題がある。

0038

実施例A〜Cの歯付ベルトは、表3,4に示すように屈曲試験において、例えば実施例A、Bは、ベルト背面にクラックは発生せず、強度の残存率についても例えばP20−P69の場合、それぞれ89、87%と良好な結果が得られた。また、図4に示すように走行試験においては、実施例Bについて踏力75kgf程度のときに3000kmまでベルト異常が発生しなかった。これは、実施例A〜Cの歯付ベルトが、そのエラストマーの硬さが表2に示すように、93〜96°であり、屈曲の大きい状態で掛け回されてもその屈曲に耐え得るだけの柔軟性を有すると考えられるからである。また、走行試験において比較例2に比べて走行距離が延びたのは、モジュラス試験における応力、引張強度、引裂強度が比較例2に比べて強化されているからである。

0039

比較例3〜6は、比較例1の歯付ベルトの本体部材のエラストマーより硬さを低下させ、屈曲に対する耐久性を高めることを目的とし、それぞれ可塑剤を添加したものである。

0040

実施例Aと比較例3とを比較すると、この2つのエラストマーは硬さが同等であるにもかかわらず、実施例Aはモジュラス試験における応力、引張強度および引裂強度について比較例3に比べ高い。すなわち実施例Aは、比較例に比べエラストマーの強度が高いと言える。また、実施例Bと比較例4を比べた場合も同様のことが言える。実施例Cについても硬さが同等である実施例5、6と比べて、例えば引張強度が高い。

0041

以上のように、ベルト本体部材に第1および第2のポリオールにジイソシアネートを重付加したものの混合物に硬化剤を配合して混合攪拌して硬化させたウレタンエラストマーを用いることにより、ベルト強度が高く、屈曲に対して耐久性のある歯付ベルトを得ることができた。

0042

ここで、屈曲に対して耐久性のあるベルトを得ることができたのは、第1および第2のウレタンプレポリマーを混合することにより、硬さが調整できたためである。そして、この硬さの調整は、第1および第2のウレタンプレポリマーの混合比率を変えることにより、任意に変更することが可能である。

0043

また、ベルト強度が高いウレタンプレポリマーを得ることができたのは、図3に示すように第1および第2のウレタンプレポリマーを混合することにより、広い分子量分布を示すプレポリマー(分布図Z)を作成したことによる効果と考えられる。これは、例えば、実施例において第1および第2のウレタンプレポリマー単独から形成されたエラストマーの引張強度が45.9、57.3MPaであったのに対して、第1および第2のウレタンプレポリマーの混合ウレタンプレポリマーから形成されたエラストマーの引張強度が61.3〜69.1MPaであったことから明らかである。

発明を実施するための最良の形態

0044

さらに、本実施形態においては、ポリオールにジイソシアネートを重付加したプレポリマーを混合しているため、ポリオールのOH基に確実にジイソシアネートを重付加することが可能である。

図面の簡単な説明

0045

以上のように本発明においては、強度が強く、さらに屈曲に対する耐久性の強いウレタンエラストマーおよびウレタンベルトを容易に得ることができる。

図1
実施形態における歯付ベルトの斜視図を示す。
図2
歯付ベルトの製造方法を示す。
図3
第1および第2のウレタンプレポリマーが配合されることによる挙動を表わしたグラフを示す。
図4
走行試験の結果を表したグラフを示す。
【符号の説明】
10 歯付ベルト
X 混合ウレタン注型液

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 株式会社椿本チエインの「 噛合チェーン及び可動体移動装置」が 公開されました。( 2020/02/13)

    【課題】チェーン部材同士が噛み合って一体化された状態での座屈荷重を向上することができる噛合チェーン及び可動体移動装置を提供する。【解決手段】噛合チェーンは、一対のチェーン部材を有し、チェーン部材同士が... 詳細

  • 株式会社椿本チエインの「 噛合チェーン及び可動体移動装置」が 公開されました。( 2020/02/13)

    【課題】チェーン部材同士が噛み合って一体化された状態での座屈荷重を向上することができる噛合チェーン及び可動体移動装置を提供する。【解決手段】噛合チェーンは、チェーン部材同士が進行方向Z1に移動すること... 詳細

  • スズキ株式会社の「 自動二輪車」が 公開されました。( 2020/02/13)

    【課題】車両を大型化させることなく、ダウンフレームへの熱害を抑制する。【解決手段】自動二輪車は、車体フレーム2と、車体フレーム2に支持されるエンジン9と、エンジン9の排気口60から排出される排気ガスが... 詳細

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ