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技術 熱可塑性樹脂組成物

出願人 帝人化成株式会社
発明者 光永正樹弘中克彦飯室靖之
出願日 2002年12月24日 (17年10ヶ月経過) 出願番号 2002-371660
公開日 2004年7月22日 (16年4ヶ月経過) 公開番号 2004-203928
状態 特許登録済
技術分野 高分子物質の処理方法 高分子組成物
主要キーワード 切削品 耐熱性保 較正直線 スチレン含有重合体 測定基準面 最終割合 棒状試験片 パーオキサイド結合
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2004年7月22日)のものです。
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課題

層状珪酸塩を微分散させた熱可塑性樹脂組成物であって、良好な剛性を有し、良好な耐加水分解性を有し、更に良好な熱安定性を有する熱可塑性樹脂組成物、殊に芳香族ポリカーボネート樹脂からなる熱可塑性樹脂組成物に有用な熱可塑性樹脂組成物を提供する。

解決手段

(A)非晶性熱可塑性樹脂(A成分)100重量部あたり、(B)50〜200ミリ当量/100gの陽イオン交換容量を有する層状珪酸塩(B成分)0.1〜50重量部からなる熱可塑性樹脂組成物であって、B成分は樹脂組成物中において、X線回折より求められるシリケート層平均積層数が5〜40であり、かつ底面間隔が、1.3〜2.3nmの範囲内である熱可塑性樹脂組成物。

概要

背景

近年、無機充填剤として粘土鉱物、特に層状珪酸塩を用い、その層間イオンを各種の有機オニウムイオンイオン交換させ樹脂中への分散を容易にすることにより、成形品表面外観比重を良好に保ったまま、機械特性を改良する試みが、特にポリアミド系樹脂ポリオレフィン系樹脂において多くなされており、それらにおいては実用例も見ることができる。

概要

層状珪酸塩を微分散させた熱可塑性樹脂組成物であって、良好な剛性を有し、良好な耐加水分解性を有し、更に良好な熱安定性を有する熱可塑性樹脂組成物、殊に芳香族ポリカーボネート樹脂からなる熱可塑性樹脂組成物に有用な熱可塑性樹脂組成物を提供する。(A)非晶性熱可塑性樹脂(A成分)100重量部あたり、(B)50〜200ミリ当量/100gの陽イオン交換容量を有する層状珪酸塩(B成分)0.1〜50重量部からなる熱可塑性樹脂組成物であって、B成分は樹脂組成物中において、X線回折より求められるシリケート層平均積層数が5〜40であり、かつ底面間隔が、1.3〜2.3nmの範囲内である熱可塑性樹脂組成物。 なし

目的

本発明の目的は、上記問題点を鑑みた上で、層状珪酸塩を従来にない微分散状態を達成した熱可塑性樹脂組成物であって、良好な剛性を有し、良好な耐加水分解性を有し、更に分子量低下が少なく、良好な熱安定性を有する熱可塑性樹脂組成物、殊に芳香族ポリカーボネート樹脂からなる熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

(A)非晶性熱可塑性樹脂(A成分)100重量部あたり、(B)50〜200ミリ当量/100gの陽イオン交換容量を有する層状珪酸塩(B成分)0.1〜50重量部からなる熱可塑性樹脂組成物であって、B成分は樹脂組成物中において、X線回折より求められるシリケート層平均積層数が5〜40であり、かつ底面間隔が、1.3〜2.3nmの範囲内である熱可塑性樹脂組成物。

請求項2

上記B成分が、層状珪酸塩の陽イオン交換容量の40%以上の割合で有機オニウムイオンが層間にイオン交換されてなる有機化層状珪酸塩である請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。

請求項3

上記熱可塑性樹脂組成物は、更にA成分100重量部あたり、(C)A成分の非晶性熱可塑性樹脂との親和性を有しかつ親水性成分を有する化合物(C成分)0.1〜50重量部を含んでなる請求項1〜2のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。

請求項4

上記A成分は少なくとも50重量%が芳香族ポリカーボネート樹脂である請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。

請求項5

上記C成分は、カルボキシル基及び/又はその誘導体からなる官能基を有するスチレン含有重合体である請求項3または4のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。

請求項6

上記B成分とC成分とを予め溶融混練した後に、該溶融混練物とA成分とを多軸押出機を用いて溶融混練してなる請求項3〜5のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。

技術分野

0001

本発明は、非晶性熱可塑性樹脂および層状珪酸塩、殊に有機化層状珪酸塩からなり、かつ該層状珪酸塩が特定の分散構造を有する熱可塑性樹脂組成物に関する。殊に本発明は、層状珪酸塩を微分散させてなる高い剛性を持つ熱可塑性樹脂組成物であって、分子量低下が少なく、熱安定性に優れ、また高温高湿下での環境安定性すなわち耐加水分解性を大幅に改善した新規な熱可塑性樹脂組成物に関する。

0002

近年、無機充填剤として粘土鉱物、特に層状珪酸塩を用い、その層間イオンを各種の有機オニウムイオンイオン交換させ樹脂中への分散を容易にすることにより、成形品表面外観比重を良好に保ったまま、機械特性を改良する試みが、特にポリアミド系樹脂ポリオレフィン系樹脂において多くなされており、それらにおいては実用例も見ることができる。

0003

しかしながら、これら層状珪酸塩などを微分散させた芳香族ポリカーボネート樹脂樹脂組成物は、いずれも十分な熱安定性を有するものではなく実用性に乏しいのが現状であった。すなわち、無機充填材などを含まない樹脂単体と同等の良好な表面外観を有し、強化充填材強化した樹脂と同等の剛性を有し、かつ実用上十分な熱安定性を示す非晶性熱可塑性樹脂からなる熱可塑性樹脂組成物は得られていないのが現状であった。

0004

一般に、熱可塑性樹脂の剛性(曲げ弾性率)を改良する手段として、ガラス繊維等の繊維状補強材や無機充填剤を混合することが行われてきたが、かかる従来法によるものは、製品の比重が大きくなったり、製品の表面外観が損なわれるという欠点がある。

0005

一方で、比較的少量の充填剤で高い曲げ弾性率を達成する技術の1つとして、無機充填剤として層状珪酸塩、より好ましくはかかる層状珪酸塩の層間イオンを各種の有機オニウムイオンでイオン交換してなる層状珪酸塩、を熱可塑性樹脂中へ微分散させた樹脂組成物が提案されており、芳香族ポリカーボネート樹脂と層状珪酸塩の層間イオンを各種の有機オニウムイオンでイオン交換した層状珪酸塩とを組み合わせた樹脂組成物も知られている(特許文献1〜特許文献6参照)。

0006

そして、このような層状珪酸塩の層間イオンをイオン交換するための有機オニウムイオンとしては、ジメチルジオタデシルアンモニウムイオンで代表される炭素原子数12以上のアルキル基を有する有機オニウムイオンやポリエチレングリコール鎖を有するアンモニウムイオン等が提案されている(特許文献2および特許文献3参照)。さらに、熱可塑性樹脂全般に対しては、有機オニウムイオンとして炭素原子数15〜30の第4級アンモニウムイオンが好ましいとする提案や(特許文献7参照)、第4級アンモニウムイオン(またはホスホニウムイオン)であってその有機基の1つは炭素原子数8以上であり、他の3つの有機基は炭素原子数1〜4である有機オニウムイオンが好ましいとの提案もなされている(特許文献8参照)。

0007

これらのいずれの提案においても、熱可塑性樹脂組成物における耐加水分解性に関しては何ら示唆するところがなく、また現実に、かかる有機オニウムイオンでイオン交換された層状珪酸塩を含む熱可塑性樹脂組成物では耐加水分解性に問題があることから、かかる層状珪酸塩を含む芳香族ポリカーボネート樹脂等の非晶性熱可塑性樹脂組成物における耐加水分解性の向上は、その実用性をさらに増大させる上で重要な技術的課題となっている。

0008

ところで非特許文献1〜3には、溶融混練によりポリカーボネート樹脂相溶化剤有機フルオロマイカ系の樹脂組成物が検討されており、該組成物は比較的分子量の低下や耐熱性の低下が少なく、曲げ弾性率に優れていることを開示している。更に非特許文献2、3にはフルオロマイカが3〜4層に分散していることも開示されている。しかし、かかる非特許文献には底面間隔は記載されておらず、更に本発明の適度な分散状態やその効果の1つである成形品の良好な高温高湿下での耐加水分解性(以下、単に耐加水分解性と称することがある。)については何ら示唆するところがない。また該組成物は、分子量低下の抑制が完全ではなく、高温高湿下での耐加水分解性にも劣る面があり、ペレット化時の溶融温度を低くしたり、成形品の保管条件高温多湿にならない様注意が必要であった。

背景技術

0009

【特許文献1】
特開平3−215558号公報
【特許文献2】
特開平7−207134号公報
【特許文献3】
特開平7−228762号公報
【特許文献4】
特開平7−331092号公報
【特許文献5】
特開平9−143359号公報
【特許文献6】
特開平10−60160号公報
【特許文献7】
特開2002−88255号公報
【特許文献8】
WO99/32403(特表2001−526313号公報)
【非特許文献1】
第51回高分子学会年次大会,第51巻(No.3),669頁,2002年
【非特許文献2】
成型加工’02,15頁,2002年
【非特許文献3】
第51回高分子学会討論会,第51巻(No.11),2645頁,2002年

0010

本発明の目的は、上記問題点を鑑みた上で、層状珪酸塩を従来にない微分散状態を達成した熱可塑性樹脂組成物であって、良好な剛性を有し、良好な耐加水分解性を有し、更に分子量低下が少なく、良好な熱安定性を有する熱可塑性樹脂組成物、殊に芳香族ポリカーボネート樹脂からなる熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。

発明が解決しようとする課題

0011

本発明者らは、かかる目的を達成すべく鋭意検討した結果、熱可塑性樹脂に層状珪酸塩を分散させたものであって、その層状珪酸塩のシリケート層平均積層数及び底面間隔が特定の範囲にあること、即ち従来の層状珪酸塩を配合した樹脂組成物では達成できない分散状態を創出することにより、上記課題を解決し得ることを見出した。本発明者らはかかる発見より更に鋭意検討を行い、本発明を完成するに至った。即ち、本発明の熱可塑性樹脂組成物の特性は、特定の原料を使用する手段、高純度な原料を用いる手段、熱可塑性樹脂組成物の組成割合特定範囲とする手段、予めマスターバッチを作成する手段、溶融混練時剪断力を与える手段等を単独で用いても達成できない。これら種々な手段を複数用いて本発明の分散状態を得ることで始めて達成できたものである。

0012

本発明は、(1)(A)非晶性熱可塑性樹脂(A成分)100重量部あたり、(B)50〜200ミリ当量/100gの陽イオン交換容量を有する層状珪酸塩(B成分)0.1〜50重量部からなる熱可塑性樹脂組成物であって、B成分は樹脂組成物中において、X線回折より求められるシリケート層の平均積層数が5〜40であり、かつ底面間隔が、1.3〜2.3nmの範囲内であるる熱可塑性樹脂組成物にかかるものである。

0013

本発明の好適な態様の1つは、(2)上記B成分が、層状珪酸塩の陽イオン交換容量の40%以上の割合で有機オニウムイオンが層間にイオン交換されてなる有機化層状珪酸塩である上記(1)の熱可塑性樹脂組成物である。

0014

本発明の好適な態様の1つは、(3)上記熱可塑性樹脂組成物は、更にA成分100重量部あたり、(C)A成分の非晶性熱可塑性樹脂との親和性を有しかつ親水性成分を有する化合物(C成分)0.1〜50重量部を含んでなる上記(1)または(2)のいずれかの熱可塑性樹脂組成物である。

0015

本発明の好適な態様の1つは、(4)上記A成分は少なくとも50重量%が芳香族ポリカーボネート樹脂である上記(1)〜(3)のいずれかの熱可塑性樹脂組成物である。

0016

本発明の好適な態様の1つは、(5)上記C成分は、カルボキシル基及び/又はその誘導体からなる官能基を有するスチレン含有重合体である上記(3)または(4)のいずれかの熱可塑性樹脂組成物である。

0017

本発明の好適な態様の1つは、(6)上記B成分とC成分とを予め溶融混練した後に、該溶融混練物とA成分とを多軸押出機を用いて溶融混練してなる上記(3)〜(5)のいずれかの熱可塑性樹脂組成物である。

0018

以下本発明の詳細を説明する。
<A成分について>
本発明において非晶性熱可塑性樹脂(A成分)としては、例えばポリスチレンアクリル樹脂、AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体から主としてなる樹脂)、SMA樹脂スチレン無水マレイン酸共重合体から主としてなる樹脂)、MS樹脂メチルメタクリレートスチレン共重合体から主としてなる樹脂)およびABS樹脂(アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体から主としてなる樹脂)、および芳香族ポリカーボネート樹脂などの非晶性エンジニアリングプラスチックなどが例示される。

0019

更に本発明において好ましい非晶性熱可塑性樹脂は、そのガラス転移温度(Tg)が120℃以上の非晶性熱可塑性樹脂である。かかるTgはより好ましくは130℃以上、更に好ましくは140℃以上である。一方かかるTgは280℃以下が適切であり、250℃以下が好ましい。かかる高いTgの非晶性熱可塑性樹脂は高温成形加工温度を必要とし、その熱安定性の改良はより求められるところである。尚、本発明におけるガラス転移温度はJIS K7121に規定される方法にて測定されたものである。

0020

上記の非晶性熱可塑性樹脂の好ましい態様としては、例えば芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリサルホン樹脂ポリエーテルサルホン樹脂ポリアリレート樹脂環状ポリオレフィン樹脂ポリエーテルイミド樹脂ポリアミドイミド樹脂ポリイミド樹脂、およびポリアミノビスマレイミド樹脂、などが例示される。更に好ましくは、これらの中でも成形加工性に優れ、より広範な分野に適用が可能な芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、および環状ポリオレフィン樹脂が例示される。本発明の非晶性熱可塑性樹脂としては、上記の中でも機械的強度に特に優れる芳香族ポリカーボネート樹脂が好ましく、したがって上記A成分は少なくとも50重量%が芳香族ポリカーボネート樹脂であることが好ましい。また、芳香族ポリカーボネート樹脂に、ABS樹脂、芳香族ポリエステル樹脂などの他の熱可塑性樹脂を1種以上組み合わせても用いることができる。

0021

本発明のA成分の非晶性熱可塑性樹脂として特に好適な芳香族ポリカーボネート樹脂について説明する。

0022

本発明の代表的な芳香族ポリカーボネート樹脂は、2価フェノールカーボネート前駆体とを反応させて得られるものであり、反応の方法としては界面重縮合法、溶融エステル交換法カーボネートプレポリマー固相エステル交換法および環状カーボネート化合物開環重合法等を挙げることができる。

0023

前記2価フェノールの具体例としては、ハイドロキノンレゾルシノール、4,4’−ビフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン通称ビスフェノールA”)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデンジフェノール、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エステル、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等が挙げられる。これらのなかでも、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン、特にビスフェノールA(以下“BPA”と略称することがある)が汎用されている。

0024

本発明では、汎用の芳香族ポリカーボネート樹脂であるビスフェノールA系のポリカーボネート樹脂以外にも、さらに良好な耐加水分解性を得る目的で、他の2価フェノール類を使用した特殊な芳香族ポリカーボネート樹脂をA成分として使用することが可能である。

0025

例えば、2価フェノール成分の一部または全部として、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール(以下“BPM”と略称することがある)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(以下“Bis−TMC”と略称することがある)、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンおよび9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(以下“BCF”と略称することがある)を用いた芳香族ポリカーボネート樹脂(単独重合体または共重合体)は、ポリマー自体が良好な耐加水分解性を有するので、吸水による寸法変化や形態安定性の要求が特に厳しい用途に適当である。これらのBPA以外の2価フェノールは芳香族ポリカーボネート樹脂を構成する2価フェノール成分全体の5モル%以上、特に10モル%以上、使用するのが好ましい。

0026

殊に、高剛性かつより良好な耐加水分解性が要求される場合には、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を構成するA成分が次の(1)〜(3)の共重合ポリカーボネート樹脂であるのが特に好適である。
(1)該芳香族ポリカーボネート樹脂を構成する2価フェノール成分100モル%中、BPMが20〜80モル%(より好適には40〜75モル%、さらに好適には45〜65モル%)であり、かつBCFが20〜80モル%(より好適には25〜60モル%、さらに好適には35〜55モル%)である共重合ポリカーボネート樹脂。
(2)該芳香族ポリカーボネート樹脂を構成する2価フェノール成分100モル%中、BPAが10〜95モル%(より好適には50〜90モル%、さらに好適には60〜85モル%)であり、かつBCFが5〜90モル%(より好適には10〜50モル%、さらに好適には15〜40モル%)である共重合ポリカーボネート樹脂。
(3)該芳香族ポリカーボネート樹脂を構成する2価フェノール成分100モル%中、BPMが20〜80モル%(より好適には40〜75モル%、さらに好適には45〜65モル%)であり、かつBis−TMCが20〜80モル%(より好適には25〜60モル%、さらに好適には35〜55モル%)である共重合ポリカーボネート樹脂。

0027

これらの特殊な芳香族ポリカーボネート樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を適宜混合して使用してもよい。また、これらを汎用されているビスフェノールA型の芳香族ポリカーボネート樹脂と混合して使用することもできる。

0028

これらの特殊な芳香族ポリカーボネート樹脂の製法および特性については、例えば、特開平6−172508号公報、特開平8−27370号公報、特開2001−55435号公報および特開2002−117580号公報等に詳しく記載されている。

0029

なお、上述した各種の芳香族ポリカーボネート樹脂のなかでも、共重合組成等を調整して、吸水率およびTg(ガラス転移温度)を下記の範囲内にしたものは、ポリマー自体の耐加水分解性が良好で、かつ成形後の低反り性においても格段に優れているため、形態安定性が要求される、例えばミラー等の分野では特に好適である。
(i)吸水率が0.05〜0.15%、好ましくは0.06〜0.13%であり、かつTgが120〜180℃である芳香族ポリカーボネート樹脂、あるいは
(ii)Tgが160〜250℃、好ましくは170〜230℃であり、かつ吸水率が0.10〜0.30%、好ましくは0.13〜0.30%、より好ましくは0.14〜0.27%である芳香族ポリカーボネート樹脂。

0030

ここで、芳香族ポリカーボネート樹脂の吸水率は、直径45mm、厚み3.0mmの円板試験片を用い、ISO62−1980に準拠して23℃の水中に24時間浸漬した後の水分率を測定した値である。また、Tg(ガラス転移温度)は、JIS K7121に準拠した示差走査熱量計DSC)測定により求められる値である。

0031

一方、カーボネート前駆体としては、カルボニルハライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等が使用され、具体的にはホスゲンジフェニルカーボネートまたは2価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。

0032

このような2価フェノールとカーボネート前駆体とから界面重合法によってポリカーボネート樹脂を製造するに当っては、必要に応じて触媒末端停止剤、2価フェノールが酸化するのを防止するための酸化防止剤等を使用してもよい。また、芳香族ポリカーボネート樹脂は3官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹脂であってもよい。ここで使用される3官能以上の多官能性芳香族化合物としては、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン等が挙げられる。

0033

分岐ポリカーボネート樹脂を生ずる多官能性化合物を含む場合、その割合は、芳香族ポリカーボネート樹脂全量中、0.001〜1モル%、好ましくは0.005〜0.9モル%、特に好ましくは0.01〜0.8モル%である。また、特に溶融エステル交換法の場合、副反応として分岐構造が生ずる場合があるが、かかる分岐構造量についても、芳香族ポリカーボネート樹脂全量中、0.001〜1モル%、好ましくは0.005〜0.9モル%、特に好ましくは0.01〜0.8モル%であるものが好ましい。なお、かかる分岐構造の割合については1H−NMR測定により算出することが可能である。

0034

また、A成分となる芳香族ポリカーボネート樹脂は、芳香族もしくは脂肪族(脂環族を含む)の2官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネート、2官能性アルコール(脂環族を含む)を共重合した共重合ポリカーボネート樹脂並びにかかる2官能性カルボン酸および2官能性アルコールを共に共重合したポリエステルカーボネートであってもよい。また、得られた芳香族ポリカーボネート樹脂の2種以上をブレンドした混合物でも差し支えない。

0035

ここで用いる脂肪族の2官能性のカルボン酸は、α,ω−ジカルボン酸が好ましい。脂肪族の2官能性のカルボン酸としては、例えば、セバシン酸デカン二酸)、ドデカン二酸テトラデカン二酸オクタデカン二酸、イコサン二酸等の直鎖飽和脂肪族ジカルボン酸およびシクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸が好ましく挙げられる。2官能性アルコールとしては、脂環族ジオールがより好適であり、例えばシクロヘキサンジメタノールシクロヘキサンジオールトリシクロデカンジメタノール等が例示される。

0036

さらに、本発明では、ポリオルガノシロキサン単位を共重合した、ポリカーボネートポリオルガノシロキサン共重合体の使用も可能である。

0037

本発明の樹脂組成物においてA成分となる芳香族ポリカーボネート樹脂は、上述した2価フェノールの異なるポリカーボネート樹脂、分岐成分を含有するポリカーボネート樹脂、ポリエステルカーボネート、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体等の各種芳香族ポリカーボネート樹脂の2種以上を混合したものであってもよい。さらに、製造法の異なるポリカーボネート樹脂、末端停止剤の異なるポリカーボネート樹脂等を2種以上混合したものも使用することもできる。

0038

芳香族ポリカーボネート樹脂の重合反応において、界面重縮合法による反応は、通常、2価フェノールとホスゲンとの反応であり、酸結合剤および有機溶媒の存在下に反応させる。酸結合剤としては、例えば水酸化ナトリウム水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物またはピリジン等のアミン化合物が用いられる。有機溶媒としては、例えば塩化メチレンクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。また、反応促進のために、例えばトリエチルアミンテトラn−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド等の第3級アミン、第4級アンモニウム化合物、第4級ホスホニウム化合物等の触媒を用いることもできる。その際、反応温度は通常0〜40℃、反応時間は10分〜5時間程度、反応中のpHは9以上に保つのが好ましい。

0039

また、かかる重合反応においては、通常、末端停止剤が使用される。かかる末端停止剤として単官能フェノール類を使用することができる。単官能フェノール類のとしては、例えばフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミルフェノール等の単官能フェノール類を用いるのが好ましい。さらに、単官能フェノール類としては、デシルフェノール、ドデシルフェノールテトラデシルフェノール、ヘキサデシルフェノール、オクタデシルフェノールエイコシルフェノール、ドコシルフェノールおよびトリアコンチルフェノール等を挙げることができる。かかる末端停止剤は単独で使用しても、2種以上混合して使用してもよい。

0040

溶融エステル交換法による反応は、通常、2価フェノールとカーボネートエステルとのエステル交換反応であり、不活性ガスの存在下に2価フェノールとカーボネートエステルとを加熱しながら混合して、生成するアルコールまたはフェノールを留出させる方法により行われる。反応温度は生成するアルコールまたはフェノールの沸点等により異なるが、殆どの場合120〜350℃の範囲である。反応後期には反応系を1.33×103〜13.3Pa程度に減圧して生成するアルコールまたはフェノールの留出を容易にさせる。反応時間は1〜4時間程度である。

0041

前記カーボネートエステルとしては、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜10のアリール基アラルキル基あるいは炭素原子数1〜4のアルキル基等のエステルが挙げられ、なかでもジフェニルカーボネートが好ましい。

0042

また、重合速度を速めるために重合触媒を用いることができる。かかる重合触媒としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、2価フェノールのナトリウム塩カリウム塩等のアルカリ金属化合物水酸化カルシウム水酸化バリウム水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属化合物テトラメチルアンモニウムヒドロキシドテトラエチルアンモニウムヒドロキシドトリメチルアミン、トリエチルアミン等の含窒素塩基性化合物等の触媒を用いることができる。さらに、アルカリ土類)金属のアルコキシド類、アルカリ(土類)金属の有機酸塩類ホウ素化合物類、ゲルマニウム化合物類、アンチモン化合物類、チタン化合物類、ジルコニウム化合物類等のエステル化反応、エステル交換反応に使用される触媒を用いることができる。触媒は単独で使用してもよく2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの重合触媒の使用量は、原料の2価フェノール1モルに対し、好ましくは1×10-8〜1×10-3当量、より好ましくは1×10-7〜5×10-4当量の範囲で選ばれる。

0043

溶融エステル交換法による反応では、生成ポリカーボネート樹脂のフェノール性末端基を減少する目的で、重縮反応の後期あるいは終了後に、例えば2−クロロフェニルフェニルカーボネート、2−メトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネート、2−エトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネート等の化合物を加えることができる。

0044

さらに溶融エステル交換法では触媒の活性中和する失活剤を用いることが好ましい。かかる失活剤の量としては、残存する触媒1モルに対して0.5〜50モルの割合で用いるのが好ましい。また、重合後のポリカーボネート樹脂に対し、0.01〜500ppmの割合、より好ましくは0.01〜300ppm、特に好ましくは0.01〜100ppmの割合で使用するのが適当である。好ましい失活剤の例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩等のホスホニウム塩、テトラエチルアンモニウムドデシルベンジルサルフェート等のアンモニウム塩が挙げられる。

0045

A成分となる芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は限定されない。しかしながら、粘度平均分子量は、10,000未満であると強度等が低下し、50,000を超えると成形加工特性が低下するようになるので、10,000〜50,000の範囲が好ましく、12,000〜30,000の範囲がより好ましく、14,000〜28,000の範囲がさらに好ましい。この場合、成形性等が維持される範囲内で、粘度平均分子量が前記範囲外であるポリカーボネート樹脂を混合することも可能である。例えば、粘度平均分子量が50,000を超える高分子量芳香族ポリカーボネート樹脂成分を配合することも可能である。

0046

本発明でいう粘度平均分子量は、まず、次式にて算出される比粘度(ηSP)を20℃で塩化メチレン100mlに芳香族ポリカーボネート樹脂0.7gを溶解した溶液からオストワルド粘度計を用いて求め、
比粘度(ηSP)=(t−t0)/t0
[t0は塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
求められた比粘度(ηSP)から次の数式により粘度平均分子量Mを算出する。
ηSP/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]は極限粘度
[η]=1.23×10-4M0.83
c=0.7

0047

尚、本発明の熱可塑性樹脂組成物における粘度平均分子量を測定する場合は次の要領で行う。すなわち、該組成物を、その20〜30倍重量の塩化メチレンに溶解し、かかる可溶分をセライト濾過により採取した後、溶液を除去して十分に乾燥し、塩化メチレン可溶分の固体を得る。かかる固体0.7gを塩化メチレン100mlに溶解した溶液から、上式により算出される20℃における比粘度を、オストワルド粘度計を用いて求めることにより測定する。

0048

<B成分について>
本発明のB成分は50〜200ミリ当量/100gの陽イオン交換容量を有しする層状珪酸塩である。更に本発明において好適には、本発明のB成分は50〜200ミリ当量/100gの陽イオン交換容量を有し、かつ該陽イオン交換容量の40%以上の割合で有機オニウムイオンが層間にイオン交換されてなる層状珪酸塩である。尚、ここで40%の割合とは、例えば層状珪酸塩の陽イオン交換容量が110ミリ当量/100gの場合には、その40%となる44ミリ当量/100g分が有機オニウムイオンでイオン交換されていることを指す。また、以下“陽イオン交換容量を有し、かつ有機オニウムイオンが層間にイオン交換されてなる層状珪酸塩”を、単に“有機化層状珪酸塩”と称する場合がある。

0049

本発明の有機化層状珪酸塩における有機オニウムイオン化合物は、通常、ハロゲンイオンヒドロキシドイオンおよびアセテートイオン等のアニオン類との塩として取り扱われる。かかる有機オニウムイオンの塩化合物を層状珪酸塩に反応させることによって得られる。ここで有機オニウムイオンとしては、例えばアンモニウムイオン、ホスホニウムイオン、スルホニウムイオン複素芳香環由来オニウムイオン等が挙げられ、オニウムイオンとしては1級、2級、3級、4級のいずれも使用できるが、4級オニウムイオンが好ましい。

0050

該オニウムイオン化合物には各種の有機基が結合したものが使用できる。有機基としてはアルキル基が代表的であるが、芳香族基をもったものでもよく、またエーテル基エステル基二重結合部分、三重結合部分、グリシジル基カルボン酸基酸無水物基水酸基アミノ基、アミド基オキサゾリン環など各種官能基を含有したものでもよい。

0051

有機オニウムイオンの具体例としては、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等の同一のアルキル基を有する4級アンモニウムトリメチルオクチルアンモニウム、トリメチルデシルアンモニウム、トリメチルドデシルアンモニウム、トリメチルテトラデシルアンモニウム、トリメチルヘキサデシルアンモニウム、トリメチルオクタデシルアンモニウム、およびトリメチルイコサニルアンモニウム等のトリメチルアルキルアンモニウム、トリメチルオクタデセニルアンモニウム等のトリメチルアルケニルアンモニウム、トリメチルオクタデカジエニルアンモニウム等のトリメチルアルカジエニルアンモニウム、トリエチルドデシルアンモニウム、トリエチルテトラデシルアンモニウム、トリエチルヘキサデシルアンモニウム、およびトリエチルオクタデシルアンモニウム等のトリエチルアルキルアンモニウム、トリブチルドデシルアンモニウム、トリブチルテトラデシルアンモニウム、トリブチルヘキサデシルアンモニウム、およびトリブチルオクタデシルアンモニウム等のトリブチルアルキルアンモニウム、ジメチルジオクチルアンモニウム、ジメチルジデシルアンモニウム、ジメチルジテトラデシルアンモニウム、ジメチルジヘキサデシルアンモニウム、およびジメチルジオクタデシルアンモニウム、ジメチルジドデシルアンモニウム等のジメチルジアルキルアンモニウム、ジメチルジオクタデセニルアンモニウム等のジメチルジアルケニルアンモニウム、ジメチルジオクタデカジエニルアンモニウム等のジメチルジアルカジエニルアンモニウム、ジエチルジドデシルアンモニウム、ジエチルジテトラデシルアンモニウム、ジエチルジヘキサデシルアンモニウム、およびジエチルジオクタデシルアンモニウム等のジエチルジアルキルアンモニウム、ジブチルジオクチルアンモニウム、ジブチルジデシルアンモニウム、ジブチルジドデシルアンモニウム、ジブチルジテトラデシルアンモニウム、ジブチルジヘキサデシルアンモニウム、およびジブチルジオクタデシルアンモニウム等のジブチルジアルキルアンモニウム、メチルベンジルジヘキサデシルアンモニウム等のメチルベンジルジアルキルアンモニウム、ジベンジルジヘキサデシルアンモニウム等のジベンジルジアルキルアンモニウム、トリオクチルメチルアンモニウム、トリドデシルメチルアンモニウム、およびトリテトラデシルメチルアンモニウム等のトリアルキルメチルアンモニウム、トリオクチルエチルアンモニウム、およびトリドデシルエチルアンモニウム等のトリアルキルエチルアンモニウム、トリオクチルブチルアンモニウム、およびトリデシルブチルアンモニウム等のトリアルキルブチルアンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム等の芳香環を有する4級アンモニウム、トリメチルフェニルアンモニウム等の芳香族アミン由来の4級アンモニウム、メチルジエチル[PEG]アンモニウム、およびメチルジエチル[PPG]等のトリアルキル[PAG]アンモニウム、メチルジメチルビス[PEG]アンモニウム等のジアルキルビス[PAG]アンモニウム、エチルトリス[PEG]アンモニウム等のアルキルトリス[PAG]アンモニウム、並びに上記アンモニウムイオンの窒素原子リン原子に置き換わったホスホニウムイオンが挙げられる。なお、これらの有機オニウムイオンは、単独の使用および2種以上の組合せの使用のいずれも選択できる。尚、上記“PEG”の表記ポリエチレングリコールを、“PPG”の表記はポリプロピレングリコールを“PAG”の表記はポリアルキレングリコールを示す。ポリアルキレングリコールの分子量としては100〜1,500のものが使用できる。

0052

これら有機オニウムイオン化合物の分子量は、100〜600であることがより好ましい。より好ましくは150〜500である。分子量が600より多いときには、場合により芳香族ポリカーボネート樹脂など非晶性熱可塑性樹脂の熱劣化を促進したり、熱可塑性樹脂組成物の耐熱性を損なってしまう傾向が現れる。尚、かかる有機オニウムイオンの分子量は、ハロゲンイオン等のカウンターイオン分を含まない有機オニウムイオン単体の分子量を指す。

0053

有機オニウムイオンの好ましい態様としては、トリメチルオクチルアンモニウム、トリメチルデシルアンモニウム、トリメチルドデシルアンモニウム、トリメチルヘキサデシルアンモニウム、トリメチルオクタデシルアンモニウム、メチルトリオクチルアンモニウム、エチルトリオクチルアンモニウム、ブチルトリオクチルアンモニウム、トリフェニルメチルアンモニウム、トリメチルオクチルホスホニウム、トリメチルデシルホスホニウム、トリメチルドデシルホスホニウム、トリメチルヘキサデシルホスホニウム、トリメチルオクタデシルホスホニウム、メチルトリオクチルホスホニウム、エチルトリオクチルホスホニウム、ブチルトリオクチルホスホニウム、トリフェニルメチルホスホニウム等の有機オニウムイオン及び1分子中に炭素原子数6〜16のアルキル基(好ましくは炭素原子数7〜14であり、より好ましくは炭素原子数7〜11)と炭素原子数1〜4のアルキル基(好ましくは炭素原子数1〜3であり、より好ましくはメチル基またはエチル基であり、さらに好ましくはメチル基)を有する有機オニウムイオンが好ましい。

0054

本発明において、B成分の更に好適な態様は、下記一般式(I)で示される有機オニウムイオンでイオン交換された層状珪酸塩である。

0055

【化1】

0056

上記一般式(I)は次の条件を満足する。すなわち、Mは窒素原子またはリン原子であり、R1およびR2はそれぞれ炭素原子数6〜16のアルキル基である。R3は炭素原子数1〜16のアルキル基であり、かつR4は炭素原子数1〜4のアルキル基である。なお、R1とR2とは互いに同一の基であっても相異なる基であってもよく、また、R3とR4とは互いに同一の基であっても相異なる基であってもよい。

0057

上記一般式(I)で示される有機オニウムイオンのより好適な態様は、(i)前記R3が炭素原子数1〜4のアルキル基の場合である。より好しくは(ii)R3およびR4がそれぞれ炭素原子数1〜4のアルキル基であって、かつR1およびR2がそれぞれ炭素原子数7〜14のアルキル基の場合である。さらに好ましくは、(iii)R3およびR4がそれぞれ炭素原子数1〜4のアルキル基で、かつR1およびR2は炭素原子数7〜11のアルキル基の場合である。なお、これらのうちでも、R3およびR4が炭素原子数1〜3のアルキル基、より好ましくはメチル基またはエチル基、さらに好ましくはメチル基の4級アンモニウムイオンが特に好適である。

0058

これら(i)〜(iii)のより好適な態様(さらに好ましい態様を含む)によれば、樹脂組成物の耐加水分解性が特に優れたものとなり、本発明の熱可塑性樹脂組成物に良好な長期実用特性を与える。

0059

なお、上記式(I)においてR1〜R4はいずれも直鎖状および分岐状のいずれも選択できる。

0060

かかる好適な4級アンモニウムイオンの例としては、ジメチルジオクチルアンモニウム、ジメチルジデシルアンモニウム、ジメチルジドデシルアンモニウム、ジメチルジテトラデシルアンモニウム、ジメチルジヘキサデシルアンモニウム、ジエチルジドデシルアンモニウム、ジエチルジテトラデシルアンモニウム、ジエチルジヘキサデシルアンモニウム、ジブチルジオクチルアンモニウム、ジブチルジデシルアンモニウム、ジブチルジドデシルアンモニウム等が例示される。

0061

B成分の層状珪酸塩は、SiO2連鎖からなるSiO4四面体シート構造とAl、Mg、Li等を含む八面体シート構造との組み合わせからなる層からなり、その層間に交換性陽イオン配位した珪酸塩シリケート)または粘土鉱物(クレー)である。これらの珪酸塩(シリケート)または粘土鉱物(クレー)は、スメクタイト系鉱物バーミキュライトハロイサイトおよび膨潤性雲母等に代表される。具体的には、スメクタイト系鉱物としては、モンモリロナイトヘクトライトフッ素ヘクトライト、サポナイトバイデライトスチブンサイト等が挙げられ、膨潤性雲母としては、Li型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲母、Li型四珪素フッ素雲母等の膨潤性合成雲母等が挙げられる。これら層状珪酸塩は天然品および合成品のいずれも使用可能である。合成品は、例えば、水熱合成溶融合成、固体反応によって製造される。

0062

層状珪酸塩のなかでも、陽イオン交換容量等の点から、モンモリロナイト、ヘクトライト等のスメクタイト系粘土鉱物、Li型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲母等の膨潤性を持ったフッ素雲母が好適に用いられ、ベントナイトを精製して得られるモンモリロナイトや合成フッ素雲母が、純度等の点からより好適である。なかでも、良好な機械特性が得られる合成フッ素雲母が特に好ましい。

0063

前記B成分である層状珪酸塩の陽イオン交換容量(陽イオン交換能ともいう)は、50〜200ミリ当量/100gであることが必要とされ、好ましくは80〜150ミリ当量/100g、さらに好ましくは100〜150ミリ当量/100gである。陽イオン交換容量は、土壌標準分析法として国内の公定法となっているショーレンベルガー改良法によってCEC値として測定される。すなわち、層状珪酸塩の陽イオン交換容量は、A成分である非晶性熱可塑性樹脂への良好な分散性を得るために、50ミリ当量/100g以上必要であるが、200ミリ当量/100gより大きくなると熱可塑性樹脂組成物(特に芳香族ポリカーボネート樹脂組成物)の熱劣化が大きくなり、それに伴って本発明の非晶性熱可塑性樹脂組成物の熱劣化への影響が大きくなってくる。この層状珪酸塩は、そのpHの値が9〜10.5であることが好ましい。pHの値が10.5より大きくなると、本発明の熱可塑性樹脂組成物の熱安定性が低下する傾向が現れてくる。

0064

層状珪酸塩への有機オニウムイオンのイオン交換は、極性溶媒中に分散させた層状珪酸塩に、有機オニウムイオン化合物(有機オニウムイオンの塩化合物)を添加し、析出してくるイオン交換化合物を収集することによって作成することができる。通常、このイオン交換反応は、有機オニウムイオン化合物を、層状珪酸塩のイオン交換容量の1当量に対し1.0〜1.5当量の割合で加えて、ほぼ全量の層間の金属イオンを有機オニウムイオンで交換させるのが一般的である。しかし、このイオン交換容量に対する交換割合を一定の範囲に制御することも、芳香族ポリカーボネート樹脂の熱劣化を抑制する上で有効である。ここで有機オニウムイオンでイオン交換される割合は、層状珪酸塩のイオン交換容量に対して40%以上であることが好ましい。かかるイオン交換容量の割合は好ましくは40〜95%であり、特に好ましくは40〜80%である。ここで、有機オニウムイオンの交換割合は、交換後の化合物について、熱重量測定装置等を用いて、有機オニウムイオンの熱分解による重量減少を求めることにより算出することができる。

0065

本発明の層状珪酸塩(B成分)のX線回折より求められるシリケート層の平均積層数は5〜40(特徴A)であり、好ましくは5〜30、より好ましくは5〜20、最も好ましくは5〜15である。平均積層数が5未満であると熱可塑性樹脂組成物の熱安定性が低下する場合があり、40を超えると剛性向上効果が低減する。

0066

芳香族ポリカーボネート樹脂などの非晶性熱可塑性樹脂に層状珪酸塩を微分散させた熱可塑性樹脂組成物は、従来単に有機化層状珪酸塩などを層間部分で剥離させ、基体樹脂中において出来る限り微分散させることを課題としていた。しかし、分散が進みすぎると返って剛性向上効果が減少し、また熱安定性等が悪化する。そこで剛性向上や熱安定性の保持のために、本発明の適度な分散状態を必要とした。

0067

本発明の層状珪酸塩(B成分)の熱可塑性樹脂組成物中の層状珪酸塩の底面間隔は、1.3〜2.3nm(特徴B)であり、より好ましくは1.5〜2.3nm、最も好ましくは1.8〜2.3nmである。この底面間隔を得るためには、有機化層状珪酸塩を用いることが好ましい。底面間隔が、1.3nm未満であると剛性向上効果が不十分になることがあり、2.3nmを超えると熱可塑性樹脂組成物の熱安定性が低下する場合がある。

0068

上記の特徴Bは、X線回折測定における回折線回折角度からBraggの条件により求められる。層状珪酸塩の底面間隔およびX線回折測定については、たとえば「粘土ハンドブック」(日本粘土学会編:技報堂出版)などに記載されている。有機化層状珪酸塩のX線回折測定を行うには、粉末状の試料試料台充填して測定することができ、また組成物中の層状珪酸塩のX線回折測定を行うには、組成物を例えば射出成形押出成形などで平板に成形した後、平面部分を試料台開口部に、測定基準面と同一になるよう試料を設置し測定することができる。

0069

本発明の熱可塑性樹脂組成物は、層状珪酸塩を微分散させる、すなわち上記特徴A、更に特徴Bを兼ね備えることにより、良好な剛性を有し、良好な耐加水分解性を有し、更に良好な熱安定性を有する熱可塑性樹脂組成物を得るに至ったものである。

0070

本発明における上記特徴Aまたは特徴Bを達成する方法としては例えば次の方法が例示される。▲1▼特定範囲の陽イオン交換容量を有する層状珪酸塩を用いる、▲2▼多軸押出機を用いて拡散効率の高い溶融混練を行う、▲3▼特定の有機化層状珪酸塩を用いる、▲4▼非晶性樹脂と層状珪酸塩との相溶化剤(C成分等の第3成分)を配合する、▲5▼層状珪酸塩のマスターバッチを用いる等の方法があげられ、これらを組合せて用いることができ、殊に▲1▼〜▲4▼を組み合わせること、殊に好適には▲1▼〜▲5▼を組み合わせることが好ましい。

0071

上記▲4▼の方法における第3成分としては、A成分の非晶性熱可塑性樹脂と親和性を有し、かつ親水性成分を有する化合物が好適である。したがって本発明はより好適には、更にA成分100重量部あたり、(C)A成分の非晶性熱可塑性樹脂との親和性を有しかつ親水性成分を有する化合物(C成分)0.1〜50重量部を含んでなる熱可塑性樹脂組成物を挙げることができる。

0072

本発明で用いられるB成分の層状珪酸塩の、A成分との組成割合は、A成分100重量部あたり0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜20重量部、更に好ましくは0.5〜10重量部である。この組成割合が0.1重量部より小さいときには芳香族ポリカーボネート樹脂など非晶性熱可塑性樹脂の機械特性の改良効果が見られず、また50重量部より大きくなると、組成物の熱安定性が低下し実用的な熱可塑性樹脂組成物は得られにくい。

0073

<C成分について>
本発明のC成分は、非晶性熱可塑性樹脂(A成分)との親和性を有し、かつ親水性成分を有する化合物である。C成分のかかる構成は、非晶性熱可塑性樹脂および層状珪酸塩、殊に有機化層状珪酸塩の双方に対する良好な親和性を生み出す。非晶性熱可塑性樹脂および層状珪酸塩、殊に有機化層状珪酸塩双方に対する親和性は2種の成分の相溶性を向上させ、層状珪酸塩は非晶性熱可塑性樹脂中での微細かつ安定して分散するようになる。

0074

有機化層状珪酸塩の分散に関するかかるC成分の働きは、異種ポリマー同士を相溶化させるために使用されるポリマーアロイ用相溶化剤コンパティビライザー)と同様である。したがってC成分は低分子化合物よりも単量体が重合してなる重合体であることが好ましい。また重合体は混練加工時の熱安定性にも優れる。重合体の平均繰り返し単位数は2以上であることが必要であり、5以上が好ましく、10以上がより好ましい。一方、重合体の平均分子量の上限においては数平均分子量で2,000,000以下であることが好ましい。かかる上限を超えない場合には良好な成形加工性が得られる。

0075

本発明のC成分の基本的構造としては、例えば次の構造(i)および(ii)を挙げることができる。

0076

構造(i):非晶性熱可塑性樹脂に親和性を有する成分をα、親水性成分をβとするとき、αとβとからなるグラフト共重合体(主鎖:α、グラフト鎖:β、並びに主鎖:β、グラフト鎖:αのいずれも選択できる。)、αとβとからなるブロック共重合体(ジ−、トリ−、などブロックセグメント数は2以上を選択でき、ラジアルブロックタイプなどを含む。)、並びにαとβとからなるランダム共重合体。α、βはそれぞれ単一の重合体だけでなく共重合体であってもよい。

0077

ここでαおよびβは重合体セグメント単位、および単量体単位のいずれも示す。α成分は非晶性熱可塑性樹脂との親和性の観点から重合体セグメント単位であることが好ましい。

0078

構造(ii):非晶性熱可塑性樹脂に親和性を有する成分をα、親水性成分をβとするとき、αの機能は重合体全体によって発現され、βは該α内に含まれる構造を有する重合体。

0079

すなわちα単独では非晶性熱可塑性樹脂との親和性が十分ではないものの、αとβが組み合わされ一体化されることにより、非晶性熱可塑性樹脂との良好な親和性が発現する場合である。α単独の場合にも非晶性熱可塑性樹脂との親和性が良好であって、βとの組合せによって更に親和性が向上する場合もある。かかる態様は上記構造(i)に含まれる。したがって構造(i)および(ii)はその一部を重複する。一方、構造(i)はα単独では非晶性熱可塑性樹脂との親和性が十分ではあるが、αとβが組み合わされ一体化されることにより、非晶性熱可塑性樹脂との良好な親和性が逆に低下する態様もあり得る。当然のことながらかかる態様はC成分に含まれる。

0080

上記構造(i)および(ii)は本発明においていずれも選択できる。殊に構造(i)の条件および構造(ii)の条件を共に満足する態様、すなわちαのみでも非晶性熱可塑性樹脂に対する親和性が高く、βが付加したC成分全体において更にその親和性が高くなる態様が好適である。

0081

本発明における非晶性熱可塑性樹脂に親和性を有する成分(以下、上記に従いαと称する場合がある)について説明する。上記の如くC成分は、ポリマーアロイにおける相溶化剤との同様の働きをすることから、αには相溶化剤と同様の重合体に対する親和性が求められる。したがってαは大きく非反応型と反応型とに分類できる。

0082

非反応型では、以下の要因を有する場合に親和性が良好となる。即ち、非晶性熱可塑性樹脂とαとの間に、▲1▼化学構造類似性、▲2▼溶解度パラメータ近似性(溶解度パラメータの差が1(cal/cm3)1/2以内、即ち約2.05(MPa)1/2以内が目安とされる)、▲3▼分子間相互作用水素結合イオン相互作用など)、およびランダム重合体特有の擬引力的相互作用などの要因を有することが必要である。これらの要因は相溶化剤とポリマーアロイのベースになる重合体との親和性を判断する指標として知られている。

0083

また反応型では、相溶化剤において非晶性熱可塑性樹脂と反応性を有する官能基として知られた各種を挙げることができる。例えば非晶性熱可塑性樹脂として好適な芳香族ポリカーボネート樹脂に対しては、カルボキシル基、カルボン酸無水物基エポキシ基オキサゾリン基、エステル基、エステル結合カーボネート基、およびカーボネート結合などを例示することができる。

0084

一方で、非晶性熱可塑性樹脂とαが良好な親和性を得た場合、その結果として非晶性熱可塑性樹脂とαとの混合物において単一のガラス転移温度(Tg)を示すか、または非晶性熱可塑性樹脂のTgがαのTgの側に移動する挙動が認められることも広く知られるところである。本発明において親和性を有する成分(α)として、かかる挙動を有する成分をその態様の1つとして挙げることができる。

0085

上記の如く、本発明のC成分における非晶性熱可塑性樹脂と親和性を有する成分(α)は、各種の要因によりその親和性を発揮することが可能である。中でもαは非反応型であることが好ましく、殊に溶解度パラメータが近似することは、良好な親和性を発揮するので好ましい。これは反応型に比較して非晶性熱可塑性樹脂との親和性により優れるためである。また反応型は過度に反応性を高めた場合、副反応によって重合体の熱劣化が促進される欠点がある。

0086

非晶性熱可塑性樹脂およびαの溶解度パラメータは次の関係を有することが好ましい。即ち、非晶性熱可塑性樹脂(A成分)の溶解度パラメータをδA((MPa)1/2)、およびC成分におけるαの溶解度パラメータまたはC成分全体の溶解度パラメータをδα((MPa)1/2)としたとき、
δα=δA±2 ((MPa)1/2)
であることが好ましい。

0087

例えば、A成分として好適な芳香族ポリカーボネート樹脂の溶解度パラメータは通常約10(cal/cm3)1/2(即ち約20.5((MPa)1/2))とされていることから、かかるA成分におけるδαは18.5〜22.5((MPa)1/2)の範囲が好ましく、19〜22((MPa)1/2)の範囲がより好ましい。

0088

例えばA成分として好適な芳香族ポリカーボネート樹脂におけるかかる溶解度パラメータδαを満足する重合体成分の具体例は、芳香族ポリエステルポリエチレンテレフタレートポリブチレンテレフタレート、およびシクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレートなどに代表される)、および脂肪族ポリエステルポリカプロラクトンに代表される)などのポリエステル系重合体が挙げられる。またかかる具体例としては、スチレンポリマーアルキルメタアクリレートポリマー、およびアクリロニトリルポリマー(ポリスチレン、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリメチルメタクリレート、スチレン−メチルメタクリレート共重合体、およびスチレン−アクリロニトリル共重合体などに代表される)などのビニル系重合体を挙げることができる。本発明の組成物の耐熱性の保持のためには、Tgの高い重合体成分を用いることが好ましい。

0089

ここで溶解度パラメータは、「ポリマーハンドブック第4版」(A WILEY−INTERSCIENCE PUBLICATION,1999年)中に記載されたSmallの値を用いた置換基寄与法(Group contribution methods)による理論的推算方法が利用できる。また非晶性熱可塑性樹脂のTgはJIS K7121に準拠した示差走査熱量計(DSC)測定により求めることが可能である。

0090

上記のA成分の非晶性熱可塑性樹脂に親和性を有する成分αは、C成分中5重量%以上であることが好ましく、10重量%以上がより好ましく、30重量%以上が更に好ましく、50重量%以上が特に好ましい。C成分全体をαとする態様も可能であることから上限は100重量%であってよい。

0091

一方、C成分における親水性成分(以下、βと称する場合がある)は、親水基(水との相互作用の強い有機性原子団)を有する単量体及び親水性重合体成分(重合体セグメント)より選択される。親水基はそれ自体広く知られ、下記の基が例示される。
1)強親水性の基:−SO3H、−SO3M、−OSO3H、−OSO3H、−COOM、−NR3X(R:アルキル基、X:ハロゲン原子、M:アルカリ金属、−NH4) 等、
2)やや小さい親水性を有する基:−COOH、−NH2、−CN、−OH、−NHCONH2 等、
3)親水性が無いか又は小さい基:−CH2OCH3、−OCH3、−COOCH3、−CS 等
上記1)〜3)の群の中で本発明における親水基は1)および2)に分類されるものが使用される。上記の例示以外にも、1)強親水性の基としてはスルフィン基などが例示され、2)あまり親水性の強くない基としては、カルボン酸無水物基、オキサゾリン基、ホルミル基およびピロリドン基などが例示される。

0092

上記2)の親水基は非晶性熱可塑性樹脂、殊に本発明において好適な芳香族ポリカーボネート樹脂の溶融加工時の熱安定性により優れるため好ましい。親水性が高すぎる場合には芳香族ポリカーボネート樹脂などの熱劣化が生じやすくなる。これはかかる親水基が直接カーボネート結合と反応し、熱分解反応を生じるためである。

0093

尚、本発明の親水基は1価および2価以上のいずれも含む。C成分が重合体の場合、2価以上の官能基とは該基が主鎖を構成しないものをを指し、主鎖を構成するものは結合として官能基とは区別する。具体的には、主鎖を構成する炭素などの原子に付加した基、側鎖の基、および分子鎖末端の基は、2価以上であっても官能基である。

0094

親水基のより具体的な指標は、溶解度パラメータである。溶解度パラメータの値が大きいほど親水性が高くなることは広く知られている。基ごとの溶解度パラメータは、Fedorsによる基ごとの凝集エネルギー(Ecoh)および基ごとのモル体積(V)より算出することができる(「ポリマー・ハンドブック第4版」(A WILEY−INTERSCIENCE PUBLICATION),VII/685頁、1999年、またはPolym.Eng.Sci.,第14巻,147および472頁,1974年等参照)。かかる算出方法は簡便であり広く知られる。更に親水性の大小関係のみを比較する観点からは、凝集エネルギー(Ecoh)をモル体積(V)で除した数値(Ecoh/V;以下単位は“J/cm3”とする)を親水性の指標として使用できる。

0095

本発明のC成分におけるβに含まれる親水基は、Ecoh/Vが600以上であることが必要である。好ましくはEcoh/Vは800以上であり、800以上の場合には本発明のA成分として好適な芳香族ポリカーボネート樹脂におけるカーボネート結合のEcoh/Vを超え、カーボネート結合よりも高い親水性を有する。更にEcoh/Vは900以上がより好ましく、950以上が更に好ましい。一方、親水性が高すぎる場合には、既に述べたように芳香族ポリカーボネート樹脂の熱劣化が生じ易くなる。このため、Ecoh/Vは2,500以下が好ましく、2,000以下がより好ましく、1,500以下がさらに好ましい。

0096

C成分の親水性成分(β)として、親水性重合体成分(重合体セグメント)も選択される。したがってC成分の重合体中に含まれる親水性重合体のセグメントはβとなる、親水性重合体としては、例えばポリアルキレンオキシドポリビニルアルコールポリアクリル酸ポリアクリル酸金属塩キレート型を含む)、ポリビニルピロリドンポリアクリルアミド、およびポリヒドロキシエチルメタクリレートなどが例示される。これらの中でもポリアルキレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、およびポリヒドロキシエチルメタクリレートが好ましく例示される。これらは良好な親水性と本発明において好適な芳香族ポリカーボネート樹脂に対する熱安定性(溶融加工時の芳香族ポリカーボネート樹脂の分解の抑制)とを両立できるためである。尚、ポリアルキレンオキシドとしては、ポリエチレンオキシドおよびポリプロピレンオキシドが好ましい。

0097

親水基を有する単量体および親水性重合体成分のいずれにおいても、βは酸性の官能基(以下単に“酸性基”と称する場合がある)を有することが好ましい。酸性基は本発明において好適な芳香族ポリカーボネート樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂組成物の溶融加工時の熱劣化を抑制する。とりわけ、窒素原子を含まない酸性基がより好適である。好適な酸性基としては、カルボキシル基、カルボン酸無水物基、スルホン酸基スルフィン酸基ホスホン酸基及びホスフィン酸基等が例示される。

0098

これに比して、アミド基やイミド基等の窒素原子を含む官能基は溶融加工時の芳香族ポリカーボネート樹脂の熱劣化を十分には抑制しない場合がある。これは窒素原子が局所的に塩基性を有しカーボネート結合の熱分解を生じさせるためと考えられる。

0099

C成分におけるβの割合は、βが親水基を有する単量体の場合、官能基1つ当たりの分子量である官能基当量として60〜10,000であり、70〜8,000が好ましく、80〜6,000がより好ましく、100〜3,000が更に好ましい。またβが親水性重合体セグメントの場合、C成分100重量%中βが5〜95重量%の範囲にあることが適当であり、10〜90重量%が好ましい。とりわけ、30〜70重量%がより好ましく、30〜50重量%が更に好ましい。

0100

非晶性熱可塑性樹脂に親和性を有する成分(α)と親水性成分(β)とを有する化合物の製造方法としては、βの単量体とαを構成する単量体とを共重合する方法、βの重合体成分をαとブロックまたはグラフト共重合する方法、およびβをαに直接反応させて付加する方法などが例示される。

0101

本発明のC成分の好ましい態様として、“A成分の樹脂との親和性を有しかつ酸性の官能基を有する重合体”、“A成分の樹脂との親和性を有しかつポリアルキレンオキシドセグメントを有する重合体”、“A成分の樹脂との親和性を有しかつオキサゾリン基を有する重合体”、または“A成分の樹脂との親和性を有しかつ水酸基を有する重合体”が例示される。これらのC成分として好ましい態様の重合体においては、その分子量は重量平均分子量において1万〜100万の範囲が好ましく、5万〜50万の範囲がより好ましい。かかる重量平均分子量は標準ポリスチレン樹脂による較正直線を使用したGPC測定によりポリスチレン換算の値として算出されるものである。

0102

上記の中でもA成分の樹脂との(より好適には芳香族ポリカーボネート樹脂との)親和性を有しかつ酸性の官能基を有する重合体が好ましく、更に好ましくは芳香族ポリカーボネート樹脂との親和性を有しかつカルボキシル基及び/又はその誘導体からなる官能基とを有する重合体である。また、芳香族ポリカーボネート樹脂の耐熱性保持効果の観点から、重合体は芳香環成分を主鎖に有するもの、およびスチレン成分を主鎖に有するものが好ましい。上記の点からカルボキシル基及び/又はその誘導体からなる官能基を有するスチレン含有重合体(C1成分)が本発明のC成分として特に好適である。ここでスチレン含有重合体とはスチレン等の芳香族ビニル化合物を重合した繰返し単位を重合体成分として含有する重合体を指す。

0103

本発明のC成分として特に好適なカルボキシル基及び/又はその誘導体からなる官能基を有するスチレン含有重合体(C1成分)について詳述する。かかるカルボキシル基及び/又はその誘導体からなる官能基の割合としては、0.1〜12ミリ当量/gが好ましく、0.5〜5ミリ当量/gがより好ましい。ここでC1成分における1当量とは、カルボキシル基が1モル存在することをいい、かかる値は水酸化カリウムなどの逆滴定により算出することが可能である。

0104

カルボキシル基の誘導体からなる官能基としては、カルボキシル基の水酸基を(i)金属イオンで置換した金属塩キレート塩を含む)、(ii)塩素原子で置換した酸塩化物、(iii)−ORで置換したエステル(Rは一価炭化水素基)、(iv)−O(CO)Rで置換した酸無水物(Rは一価の炭化水素基)、(v)−NR2で置換したアミド(Rは水素又は一価の炭化水素基)、並びに(vi)2つのカルボキシル基の水酸基を=NRで置換したイミド(Rは水素又は一価の炭化水素基)などを挙げることができる。

0105

カルボキシル基及び/又はその誘導体からなる官能基(以下、単に“カルボキシル基類”と称する)を有するスチレン含有重合体の製造方法としては、従来公知の各種の方法を取ることができる。例えば、▲1▼カルボキシル基類を有する単量体とスチレン系単量体とを共重合する方法、及び▲2▼スチレン含有重合体に対してカルボキシル基類を有する化合物又は単量体を結合または共重合する方法などを挙げることができる。

0106

上記▲1▼の共重合においては、ランダム共重合体の他に交互共重合体、ブロック共重合体、テーパード共重合体などの各種形態の共重合体が使用できる。また共重合の方法においても溶液重合懸濁重合塊状重合などのラジカル重合法の他、アニオンリビング重合法やグループトランスファー重合法などの各種重合方法を取ることができる。更に一旦マクロモノマーを形成した後重合する方法も可能である。

0107

上記▲2▼の方法は、一般的にはスチレン含有重合体又は共重合体に必要に応じて、パーオキサイドや2,3−ジメチル−2,3ジフェニルブタンジクミル)などのラジカル発生剤を加えて、高温化で反応又は共重合する方法を挙げることができる。かかる方法はスチレン含有重合体または共重合体に熱的に反応活性点を生成し、かかる活性点に反応する化合物または単量体を反応させるものである。反応に要する活性点を生成するその他の方法として、放射線電子線の照射メカノケミカル手法による外力の付与などの方法も挙げられる。更にスチレン系共重合体中に予め反応に要する活性点を生成する単量体を共重合しておく方法も挙げられる。反応のための活性点としては不飽和結合パーオキサイド結合、および立体障害が高く熱的に安定なニトロオキシドラジカルなどを挙げることができる。

0108

上記カルボキシル基類を有する化合物又は単量体としては、例えば、アクリル酸メタクリル酸アクリルアミドメタクリルアミド等の不飽和モノカルボン酸及びその誘導体、無水マレイン酸無水シトラコン酸、N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミド等の無水マレイン酸の誘導体、並びにグルタルイミド構造やアクリル酸と多価の金属イオンで形成されたキレート構造等が挙げられる。これらの中でも金属イオンや窒素原子を含まない官能基を有する単量体が好適であり、カルボキシル基およびカルボン酸無水物基を有する単量体がより好適である。これらの中でも特に好ましくは無水マレイン酸である。

0109

また、スチレン系単量体化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、tert−ブチルスチレン、α−メチルビニルトルエン、ジメチルスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ジブロムスチレン、ビニルナフタレン等を用いることができるが、特にスチレンが好ましい。

0110

さらに、これらの化合物と共重合可能な他の化合物、例えばアクリロニトリルメタクリロニトリル等を共重合成分として使用しても差し支えない。

0111

本発明におけるC成分として好ましいものは、カルボキシル基類を有する単量体を共重合してなるスチレン含有共重合体である。かかる共重合体においては比較的多くのカルボキシル基類を安定してスチレン含有重合体中に含むことが可能となるためである。より好適な態様としてカルボキシル基類を有する単量体とスチレン系単量体とを共重合してなるスチレン含有共重合体を挙げることができる。そして殊に好適な態様はスチレン−無水マレイン酸共重合体である。スチレン−無水マレイン酸共重合体は、層状珪酸塩中のイオン成分及び芳香族ポリカーボネート樹脂のいずれに対しても高い相溶性を有することから、層状珪酸塩(B成分)を良好に微分散させる。さらに、カルボン酸無水物基の作用により層状珪酸塩、殊に有機化層状珪酸塩を含有する樹脂組成物において良好な熱安定性が得られる。またかかる共重合体それ自体の熱安定性が良好であるため、芳香族ポリカーボネート樹脂の溶融加工に必要な高温条件に対しても高い安定性を有する。

0112

上記カルボキシル基類を有する単量体を共重合してなるスチレン含有共重合体の組成については上述のβの割合における条件を満足する限り制限されないが、カルボキシル基類を有する単量体からの成分を1〜30重量%(特に5〜25重量%)、スチレン系単量体化合物成分99〜70重量%(特に95〜75重量%)を含み、共重合可能な他の化合物成分を0〜29重量%を含むものを用いるのが好ましく、カルボキシル基類を有する単量体を1〜30重量%(特に5〜25重量%)、スチレン系単量体化合物99〜70重量%(特に95〜75重量%)含む共重合体が特に好ましい。

0113

また、本発明のC成分の好ましい態様であるC1成分の分子量は特に制限されない。C1成分の重量平均分子量は1万〜100万の範囲にあることが好ましく、5万〜50万の範囲がより好ましい。尚、ここで示す重量平均分子量は、標準ポリスチレン樹脂による較正直線を使用したGPC測定によりポリスチレン換算の値として算出されたものである。

0114

本発明のC成分として好適なポリアルキレンオキシドセグメントを有する重合体、殊に好ましいポリエーテルエステル共重合体(C2成分)について説明する。

0115

ポリエーテルエステル共重合体は、ジカルボン酸、アルキレングリコール、およびポリアルキレンオキシドグリコール、並びにこれらの誘導体から重縮合を行うことで製造される重合体である。殊に好適な例としては、下記式(II)で示されるポリアルキレンオキシド単位を有するポリ(アルキレンオキシド)グリコールあるいはその誘導体(C2▲1▼成分)、テトラメチレングリコールを65モル%以上含有するアルキレングリコールあるいはその誘導体(C2▲2▼成分)、およびテレフタル酸を60モル%以上含有するジカルボン酸あるいはその誘導体(C2▲3▼成分)から製造される共重合体である。

0116

【化2】

0117

(ここで、Xは一価の有機基を表し、nおよびmはいずれも0を含む整数であり、かつ10≦(n+m)≦120である。mが2以上の場合Xは互いに同一および異なる態様のいずれも選択できる。)
上記式(II)においてXは−CH3、−CH2Cl、−CH2Br、−CH2I、および−CH2OCH3から選択される少なくとも1種の置換基が好ましい。Xがこれら以外の場合には置換基による立体障害が大きくなり共重合体の重合度を上げることが困難となる。またn+mが10未満の場合には層状珪酸塩が十分に分散しない場合があり、n+mが120を超える場合には、重合度の高いポリエーテルエステル共重合体が得られ難くなり、C2成分の相溶化機能が低下する場合がある。

0118

上記式(II)におけるポリアルキレンオキシド成分は、ポリエチレンオキシド成分と置換基Xを有する成分とのランダム共重合体、テーパード共重合体およびブロック共重合体のいずれも選択できる。上記式(II)におけるポリアルキレンオキシドは、特にm=0、すなわちポリエチレンオキシド成分のみからなる重合体成分が好ましい。

0119

C2▲1▼成分の共重合割合は、全グリコール成分の30〜80重量%であり、より好適には40〜70重量%である。C2▲1▼成分が30重量%より少ない場合には層状珪酸塩は十分に分散されず、機械特性の低下や外観の悪化を生ずる場合がある。C2▲1▼成分が80重量%より多い場合にも層状珪酸塩は十分に分散されず、またポリエーテルエステル共重合体自身の強度低下も加わることで、機械特性の低下や外観の悪化を生ずる場合がある。

0120

C2成分のポリエーテルエステル共重合体のC2▲2▼成分においては、テトラメチレングリコール以外のジオールを共重合することができる。かかるジオールとしては、エチレングリコールトリメチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールが例示される。C2▲2▼成分中テトラメチレングリコールは65モル%以上であり、75モル%以上が好ましく、85モル%以上がより好ましい。テトラメチレングリコールが65モル%未満のポリエーテルエステル共重合体は、熱可塑性樹脂組成物の成形性の低下を招く。

0121

ポリエーテルエステル共重合体のジカルボン酸あるいはその誘導体(C2▲3▼成分においては、テレフタル酸以外のジカルボン酸(カルボキシル基が2を超えるものを含む)を共重合することができる。かかるジカルボン酸としては、イソフタル酸フタル酸アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、トリメリット酸ピロメリット酸ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸が例示される。イソフタル酸を共重合したポリエーテルエステル共重合体はC成分として特に好適である。C2▲3▼成分中テレフタル酸は60モル%以上であり、70モル%以上が好ましく、75〜95モル%がより好ましい。テレフタル酸が60モル%未満のポリエーテルエステル共重合体は、共重合体の重合度が低下しやすく、十分な重合度のポリエーテルエステル共重合体の製造が困難となるため好ましくない。

0122

他の好適なC成分としては、親水基としてオキサゾリン基を含有するスチレン含有共重合体が挙げられる。かかる共重合体を形成するスチレン系単量体化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、tert−ブチルスチレン、α−メチルビニルトルエン、ジメチルスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ジブロムスチレン、ビニルナフタレン等を用いることができる。さらに、これらの化合物と共重合可能な他の化合物、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等、を共重合成分として使用しても差し支えない。中でも、特に好適なものとして、スチレン(2−イソプロペニル−2−オキサゾリン)−スチレン−アクリロニトリル共重合体が例示される。

0123

本発明のC成分の組成割合は、A成分100重量部あたり0.5〜50重量部が好ましく、0.5〜20重量部がより好ましい。0.5重量部より少ない場合には層状珪酸塩の分散効果が十分でなく、また芳香族ポリカーボネート樹脂の熱劣化を抑制する効果も不十分となる場合がある。また50重量部を超えると耐衝撃性および耐熱性などが低下する場合がある。

0124

本発明の熱可塑性樹脂組成物には、本発明の効果を発揮する範囲で、B成分以外の強化充填材を更に配合することができる。強化充填材としては、ガラス繊維、炭素繊維ガラスフレークワラストナイトカオリンクレー、マイカ、タルクおよび各種ウイスカー類(チタン酸カリウムウイスカーホウ酸アルミニウムウイスカーなど)といった一般に知られている各種フィラーを併用することができる。形状は繊維状、フレーク状、球状、中空状を自由に選択できる。ガラス繊維、炭素繊維およびガラスフレークなどは熱可塑性樹脂組成物の強度や耐衝撃性の向上のためには好適である。一方本発明の樹脂組成物が有する極めて良好な表面外観(表面平滑性)をより有効に活用する場合には、強化充填材の大きさは微小であることが好ましい。具体的には繊維状充填材の場合にはその繊維径が、また板状充填材粒状充填材の場合にはその大きさが、5μm以下が好ましく、4μm以下がより好ましく、3μm以下が更に好ましい。下限は0.05μm程度が適切である。かかる微小な強化充填材としてはタルク、ワラストナイト、カオリンクレー、および各種ウイスカー類が例示される。強化充填材の配合量は、全熱可塑性樹脂組成物100重量%あたり50重量%以下が適切であり、0.5〜50重量%の範囲が好ましく、1〜35重量%の範囲がより好ましい。かかる配合量が50重量%を超えると、成形加工性が悪化し、本発明の効果が得られないため好ましくない。

0125

さらに本発明の目的を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂(例えば、ポリアミド樹脂ポリアセタール樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、液晶ポリエステル樹脂ポリオレフィン樹脂シンジオタクチックポリスチレン樹脂およびポリフェニレンサルファイド樹脂等の結晶性熱可塑性樹脂)、難燃剤(例えば、臭素化エポキシ樹脂臭素化ポリスチレン臭素化ポリカーボネート臭素化ポリアクリレートモノホスフェート化合物ホスフェートオリゴマー化合物ホスホネートオリゴマー化合物、ホスホニトリルオリゴマー化合物、ホスホン酸アミド化合物有機スルホン酸アルカリ(土類)金属塩、シリコーン系難燃剤等)、難燃助剤(例えば、アンチモン酸ナトリウム三酸化アンチモン等)、滴下防止剤フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレン等)、核剤(例えば、ステアリン酸ナトリウムエチレンアクリル酸ナトリウム等)、酸化防止剤(例えば、ヒンダ−ドフェノ−ル系化合物、イオウ系酸化防止剤等)、衝撃改良剤紫外線吸収剤光安定剤離型剤滑剤着色剤染料無機顔料等)、および蛍光増白剤等を配合してもよい。これら各種の添加剤は、芳香族ポリカーボネート樹脂に配合する際の周知の配合量で利用することができる。

0126

本発明の熱可塑性樹脂組成物は、リン熱安定剤を含むことが好ましい。かかるリン系熱安定剤としてはトリメチルホスフェート等のリン酸エステルトリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリト−ルジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリト−ルジホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、およびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等の亜リン酸エステル、並びにテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト等の亜ホスホン酸エステルなど、芳香族ポリカーボネート樹脂のリン系熱安定剤として広く知られた化合物が好適に例示される。かかるリン系熱安定剤は全組成物100重量%中0.001〜1重量%を含むことが好ましく、0.01〜0.5重量%を含むことがより好ましく、0.01〜0.2重量%を含むことが更に好ましい。かかるリン系熱安定剤の配合によりさらに熱安定性が向上し良好な成形加工特性を得ることができる。

0127

本発明の熱可塑性樹脂組成物を製造するには、任意の方法が採用される。例えば各成分、並びに任意に他の成分を予備混合し、その後溶融混練し、ペレット化する方法を挙げることができる。予備混合の手段としては、ナウターミキサーV型ブレンダーヘンシェルミキサーメカノケミカル装置押出混合機などを挙げることができる。予備混合においては場合により押出造粒器やブリケッティングマシーンなどにより造粒を行うこともできる。予備混合後、ベント式二軸押出機に代表される溶融混練機で溶融混練、およびペレタイザー等の機器によりペレット化する。溶融混練機としては他にバンバリーミキサー混練ロール、恒熱撹拌容器などを挙げることができるが、ベント式二軸押出機に代表される多軸押出機が好ましい。かかる多軸押出機を用いることにより強力なせん断力で有機化層状珪酸塩は基体樹脂中に微分散させられる。一方その分散は層間を縮小させる作用が存在する下で行われることにより、層間のイオンの外部への露出は抑制される。結果して良好な分散と熱安定性とのより高度な両立が達成される。

0128

更に、本発明の熱可塑性樹脂組成物の溶融混練機による溶融混練において次の態様がより好適である。すなわち、50〜200ミリ当量/100gの陽イオン交換能を有する層状珪酸塩(B成分)と、A成分の非晶性熱可塑性樹脂との親和性を有しかつ親水性成分を有する化合物(C成分)、殊に好適にはカルボキシル基及び/又はその誘導体からなる官能基を有するスチレン含有重合体(C1成分)とを予め溶融混練しておく。その後該溶融混練物とA成分の非晶性熱可塑性樹脂、殊に好適には芳香族ポリカーボネート樹脂とを多軸押出機により溶融混練する。かかる溶融混練方法は非晶性熱可塑性樹脂の熱安定性を向上させるため好ましい。芳香族ポリカーボネート樹脂においてはその分子量低下が特に抑制されるため好ましい溶融混練方法である。これはB成分とC成分とが予め溶融混練されることによりB成分に対してC成分が十分に相互作用し、所定の効果が効率的に得られているためと考えられる。したがって本発明によれば上記B成分とC成分とを予め溶融混練した後に、該溶融混練物とA成分とを多軸押出機を用いて溶融混練してなる、本発明の樹脂組成物および該樹脂組成物の製造方法が提供される。

0129

より具体的には、例えば、(i)B成分とC成分をベント式二軸押出機にて溶融混練しペレット化したものを、再度A成分と溶融混練する方法や、(ii)B成分とC成分をベント式二軸押出機の主供給口より投入し、A成分の一部または全部を二軸押出機途中段階に設けられた供給口から、B成分とC成分が既に溶融混練された状態の中へ投入する方法などが挙げられる。これらB成分とC成分を予め溶融混練する方法においては、その溶融混練時に、A成分の一部を含んでいても構わない。

0130

本発明の熱可塑性樹脂組成物は通常上記の如く製造されたペレットを射出成形して各種製品を製造することができる。かかる射出成形においては、通常の成形方法だけでなく、適宜目的に応じて、射出圧縮成形射出プレス成形ガスアシスト射出成形発泡成形超臨界流体注入によるものを含む)、インサート成形インモールドコーティング成形、断熱金型成形、急速加熱冷却金型成形二色成形サンドイッチ成形、および超高速射出成形などの射出成形法を用いて成形品を得ることができる。これら各種成形法の利点は既に広く知られるところである。また成形はコールドランナー方式およびホットランナー方式のいずれも選択することができる。

0131

また本発明の熱可塑性樹脂組成物は、押出成形により各種異形押出成形品シートフィルムなどの形で使用することもできる。またシート、フィルムの成形にはインフレーション法や、カレンダー法キャスティング法なども使用可能である。更に特定の延伸操作をかけることにより熱収縮チューブとして成形することも可能である。また本発明の熱可塑性樹脂組成物を回転成形ブロー成形などにより中空成形品とすることも可能である。

0132

本発明の熱可塑性樹脂組成物は、良好な剛性を有し、良好な耐加水分解性を有し、更に良好な熱安定性を有する。したがって上記の如く得られた樹脂成形品は、実用上問題のない幅広成形加工条件の下で製造され、かつ良好な剛性および良好な表面外観を有する。より具体的には本発明によれば、本発明の熱可塑性樹脂組成物より形成された樹脂成形品であって、その表面のJIS B0601に準拠して測定された算術平均粗さRaの値が、0.1μm以下、かつASTMD790に準拠して測定された曲げ弾性率の値が、2,500MPa以上であることを特徴とする樹脂成形品が提供され、かかる樹脂成形品はその工業的価値が更に高い。従来、樹脂成形品の曲げ弾性率を向上させるためには、繊維上強化材や無機充填材を配合するのが一般的であったが、その場合にはその表面粗さは顕著に低下し、上記のバランスをとることができるものが得られていなかったためである。

0133

樹脂成形品の算術表面粗さRaの値は、より好ましくは0.08μm以下であり、更に好ましくは0.05μm以下である。かかる下限は成形を行う金型によるところが大きいが約0.001μm程度が適切である。また、曲げ弾性率の値は、より好ましくは2,800MPa以上であり、更に好ましくは3,000MPa以上である。一方、その上限は8,000MPaが適切であり、7,000MPaが好ましく、6,000MPaがより好ましい。

0134

本発明の樹脂成形品には、表面改質を施すことにより、平滑性に優れた表面改質成形品を得ることができる。ここでいう表面改質とは、蒸着物理蒸着化学蒸着など)、メッキ電気メッキ無電解メッキ溶融メッキなど)、塗装コーティング印刷などの樹脂成形品の表層上に新たな層を形成させるものであり、通常の芳香族ポリカーボネート樹脂に用いられる方法が適用できる。これら表面改質では、改質される樹脂成形品の表面平滑性が、改質後表面性に大きな影響を与えるが、本発明の樹脂成形品を使用すると、表面平滑性に優れた成形品を得ることができる。一般にこれらの表面改質は、表面修飾機能付与だけでなく、樹脂成形品の表面平滑性を高める目的で施されることもあり、表面平滑性が悪いと改質の厚さを大きくとる必要があるが、本発明の樹脂成形品では、薄い厚みにて効率よく改質することができる。すなわち、50μm以下であることが本発明の効果が発揮され好ましい。更にかかる厚みは20μm以下がより好ましく、5μm以下が更に好ましく、2μm以下が更に好ましい。下限値としては0.001μm以上が適切である。更に、金属層または金属酸化物層を有しない樹脂成形品単体におけるJIS B0601に準拠して測定される算術平均粗さRaの値に対して、かかるRaの500倍以内の厚みで表面改質を行うと、本発明の樹脂成形品の特長が生かされ、かかるRaの200倍以内の値の厚みであればより好ましく、100倍以内は更に好ましく、50倍以内は特に好ましい。本発明において好ましい表面改質方法は、蒸着、メッキなどの改質厚みの小さい手法である。

0135

本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記の特性を生かし樹脂材料として従来使用できなかった部品に用途展開が可能である。殊に従来ガラス成形品または金属の精密切削品でなければ達成できなかった極めて高い耐加水分解性と剛性が要求される用途に使用可能である。かかる用途としては例えば光学精密機器内に配されたミラー、レーザー複写印刷装置などに配されたポリゴンミラー、およびハードディスクなどが例示される。

0136

更に本発明の熱可塑性樹脂組成物は、各種電子電気機器OA機器車両部品機械部品、その他農業資材、漁業資材搬送容器包装容器、および雑貨などの各種用途にも有用である。本発明の熱可塑性樹脂組成物は成形加工性にも優れていることから、各種薄肉成形品にも好適であり、薄肉射出成形品の具体例としては、電池ハウジングなどの各種ハウジング成形品鏡筒メモリーカードスピーカーコーンディスクカートリッジ面発光体マイクロマシン機構部品銘板パソコンハウジング、CDやDVDドライブトレーシャシー複写機のトレーやシャシー、液晶装置直下型バックライト用光拡散板(特に大型液晶表示装置(15インチ以上の大型液晶テレビ)用直下型バックライト用光拡散板)およびICカードなどが例示される。

0137

【実施例】
以下、実施例により本発明を詳述する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の各種特性の測定は、以下の方法によった。原料は以下の原料を用いた。
(1)熱可塑樹脂組成物中の層状珪酸塩(無機分)の含有量
試験片を射出成形機(東機械(株)製:IS−150EN)によりシリンダー温度260℃、金型温度80℃、成形サイクル40秒で成形し、成形した試験片を切削してるつぼに入れて量し、600℃まで昇温し、そのまま6時間保持した後で放冷し、るつぼに残った灰化残渣を秤量することで層状珪酸塩(無機分)の量を測定した。すなわち、樹脂組成物の曲げ弾性率(剛性)等の特性は無機分の割合によって影響されるため、各実施例および比較例2、3では、試験片中の無機分の割合を測定し、表1にB成分の無機分の割合(重量%)として表示した。
(2)熱可塑樹脂組成物中の層状珪酸塩のシリケート層の底面間隔および平均積層数
粉末X銭回折装置RIGAKU ROTAFLEX RU300:(株)リガク製)を用いて測定を行った。厚み6.4mmの棒状試験片を(1)と同条件にて成形し、長さ20mmに切断した測定成形品を、試料台の開口部に測定基準面と同一面になるように固定して測定に供した。測定によって得られた回折ピークは層状珪酸塩の底面ピークであるが、そのうち、最も小角側の回折ピークが(001)面の底面間隔に対応するピークであるとして、下記Braggの式により底面間隔を算出した。
d=λ/(2sinθ)
(但し、式中 d:底面間隔(層間距離)(nm)、2θ:回折ピークの回折角度(°)、λ:X線測定波長(nm))
更に、下記式から平均積層数(N)を求めた。
N=(D/d)+1
(但し、式中 N:積層数(枚)、D:積層厚み(nm)、d:底面間隔(nm))
D=0.9*λ/(βcosΘ)
(但し、式中 D:積層厚み(nm)、λ:X線測定波長(nm)、β:半値幅(rad)、2Θ:回折ピークの回折角度(rad)、ここで半値幅は回折ピークの最大値I0の1/2の高さにおける2Θ(rad)の幅であり、回折ピークの回折角度とはピークの最大値I0部分での2Θの値を指す)
尚、測定の条件については以下に示す。
X−ray source:Cu−Kα(X線測定波長1.5418×10-10m)、50kV−200mA
Slit:DS/SS1/2°
Rs 0.15mm−graphite monochrometer−0.45mm
Method:2θ−θ
Scan:0.05step/1〜4sec
Scan範囲:1〜20°

0138

(3)熱可塑性樹脂組成物における粘度平均分子量
試験片を上記(1)と同条件で成形し、試験片の粘度平均分子量を本文中記載の方法にて測定した。
(4)曲げ弾性率
前記(1)と同条件で成形した同形状の試験片(寸法:長さ127mm×幅12.7mm×厚み6.4mm)を、温度23℃および相対湿度50%RHの雰囲気下においてASTM−D790に準拠の方法により曲げ弾性率(MPa)を測定した。この数値が大きいほど成形した樹脂組成物の剛性が優れていることを意味する。
(5)高温高湿試験後の粘度平均分子量の低下率(ΔMratio)
前記(1)と同条件で成形した同形状の試験片(寸法:長さ127mm×幅12.7mm×厚み6.4mm)を温度105℃、相対湿度100%のプレッシャークッカーに10時間放置して処理した後、温度23℃、相対湿度50%の環境下で24時間放置した試験片(処理後の試験片)を用いて測定した粘度平均分子量と、温度23℃、相対湿度50%の環境下で74時間放置した試験片(処理前の試験片)を用いて測定した粘度平均分子量を、下記数式にしたがって計算し、恒温恒湿試験後の粘度平均分子量の低下率(ΔMratio)を算出した。
ΔMratio=100×[(処理前の試験片の粘度平均分子量)−(処理後の試験片の粘度平均分子量)]/(処理前の試験片の粘度平均分子量)
この数値が小さいほど成形した樹脂組成物の耐加水分解性が良好であることを示す。

0139

[原料]
原料としては、以下のものを用いた。
(A成分:ポリカーボネート樹脂)
粘度平均分子量23,800のビスフェノールA型芳香族ポリカボネト樹脂パウダー[帝人化成(株)製「パンライトL−1250WP」]

0140

(B成分およびB成分以外)
B−1:合成雲母(ソマシフ ME−100:コープケミカル(株)製、陽イオン交換容量:110ミリ当量/100g)
B−2:合成雲母(ソマシフ ME−100:コープケミカル(株)製)にトリオクチルメチルアンモニウムクロライドをほぼ完全にイオン交換したもの
B−3:合成雲母(ソマシフ ME−100:コープケミカル(株)製)にジデシルジメチルアンモニウムクロライドをほぼ完全にイオン交換したもの
B−4:合成雲母(ソマシフ ME−100:コープケミカル(株)製)にトリフェニルメチルアンモニウムクロライドをほぼ完全にイオン交換したもの
B−5:合成雲母(ソマシフ ME−100:コープケミカル(株)製)にジオクタデシルジメチルアンモニウムクロライドをほぼ完全にイオン交換したもの

0141

(C成分)
C−1:スチレン−無水マレイン酸共重合体(ノヴァケミカルジャパン(株)製:「DYLARK 332−80」、無水マレイン酸量約15重量%)
(その他の成分)
TMP:トリメチルホスフェート(大八化学工業(株)製:TMP)、添加量は全ての組成物でA成分100重量部当り0.1重量部。

0142

[実施例1、2、比較例1〜3]
B成分とC成分を、表1の量割合にて、径30mmφ、L/D=33.2、混練ゾーン2箇所のスクリュー装備したベント付き二軸押出機((株)神戸製鋼所製:KTX30)を用い、シリンダー温度200℃にて溶融混練し、押出し、ストランドカットしてペレットを得た。得られたペレットを用い、最終割合が表3に示す割合になるよう、上記B成分とC成分の混合物と、A成分などをドライブレンドした後、径30mmφ、L/D=33.2、混練ゾーン2箇所のスクリューを装備したベント付き二軸押出機((株)神戸製鋼所製:KTX30)を用い、シリンダー温度280℃にて溶融混練し、押出し、ストランドカットしてペレットを得た。

0143

得られたペレットを100℃で5時間熱風循環式乾燥機により乾燥した。乾燥後、試験片を射出成形機(東芝機械(株)製:IS−150EN)によりシリンダー温度260℃、金型温度80℃、成形サイクル40秒で成形した。これらについての測定結果を表1に示す。

0144

【表1】

課題を解決するための手段

0145

上記表から明らかなように、本発明の熱可塑性樹脂組成物は特定の分散形態を満足することにより、良好な剛性および極めて良好な耐加水分解性を有し、更に良好な熱安定性を有する熱可塑性樹脂組成物を提供することがわかる。殊に熱安定性はB成分の層状珪酸塩とC成分とを予め混練した場合において特に良好である。これにより実用的であり幅広い分野において適用可能な層状珪酸塩を含んでなる熱可塑性樹脂組成物、殊に芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が提供される。上記の特有の効果は具体的には本発明の特異な分散状態で得られていることが判る。この分散状態によって、剛性、耐加水分解性の向上が顕著になる。

発明の効果

0146

本発明の熱可塑性樹脂組成物は、良好な剛性を有し、良好な耐加水分解性を有し、更に良好な熱安定性を有する熱可塑性樹脂組成物、殊に芳香族ポリカーボネート樹脂からなる熱可塑性樹脂組成物である。更に本発明の熱可塑性樹脂組成物は射出成形および押出成形の双方に適した溶融粘度特性を有しており成形加工性に優れる。したがって本発明の熱可塑性樹脂組成物、電気電子部品分野、OA機器部品分野、自動車部品分野、農業資材分野、漁業資材分野、搬送容器分野、包装容器分野、および雑貨分野等の幅広い分野において有用であり、特に電気電子部品分野、のOA機器部品分野、自動車部品分野に有用であり、その奏する工業的効果は格別である。

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