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技術 タイヤ空気圧低下検出方法および装置、ならびにタイヤ減圧判定のプログラム

出願人 住友ゴム工業株式会社
発明者 松浦真一
出願日 2002年12月17日 (18年2ヶ月経過) 出願番号 2002-365498
公開日 2004年7月15日 (16年7ヶ月経過) 公開番号 2004-196072
状態 特許登録済
技術分野 流体圧力測定 タイヤの膨張・タイヤ交換・タイヤチェーン
主要キーワード 基準判断 BSセンサー 初期補正係数 ころがり半径 車輪タイヤ 制御動作プログラム 判別条件 右タイヤ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2004年7月15日)のものです。
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図面 (5)

課題

イヤ交換しても走行中のタイヤの空気圧低下を正確に判定し、誤報を防止することができるタイヤ空気圧低下検出方法を提供する。

解決手段

輪タイヤ車輪速度を検出する工程と、該4輪タイヤの車輪速度を記憶する工程と、車両の車両速度を求める工程と、該車両が高速走行しているか否かを判断する工程と、該車両が低速走行しているか否かを判断する工程と、減圧判定値が所定の値以上であるか否かを判断する工程と、該判定値が所定の値以上である場合、低速走行時の各タイヤの車輪速度と車両速度とを比較する工程と、該低速走行時の4輪タイヤのうち、1つの車輪タイヤの車輪速度が所定の基準判断に基づいて該低速走行時の車両速度より遅いか否かを判定する工程と、該1つの車輪タイヤの車輪速度が遅い場合、再び初期化を開始する工程と、当該再初期化により、タイヤの空気圧低下を判定する工程を含んでいる。

概要

背景

従来より、車両に装着された4輪タイヤの回転(車輪速)情報からタイヤ減圧を検出するタイヤ空気圧低下検出装置DWS)がある。この装置は、タイヤが減圧すると正常空気圧のタイヤより外径(タイヤの動荷重半径)が減少するため、他の正常なタイヤに比べると回転角速度が増加するという原理を用いている。たとえばタイヤの回転角速度の相対的な差から空気圧低下を検出する方法では、判定値DELとして、
DEL={(F1+F4)/2−(F2+F3)/2}/{(F1+F2+F3+F4)/4}×100(%)
を用いている(特許文献1参照)。ここで、F1〜F4は、それぞれ前左タイヤ、前右タイヤ、後左タイヤおよび後右タイヤの回転角速度である。

概要

タイヤを交換しても走行中のタイヤの空気圧低下を正確に判定し、誤報を防止することができるタイヤ空気圧低下検出方法を提供する。4輪タイヤの車輪速度を検出する工程と、該4輪タイヤの車輪速度を記憶する工程と、車両の車両速度を求める工程と、該車両が高速走行しているか否かを判断する工程と、該車両が低速走行しているか否かを判断する工程と、減圧の判定値が所定の値以上であるか否かを判断する工程と、該判定値が所定の値以上である場合、低速走行時の各タイヤの車輪速度と車両速度とを比較する工程と、該低速走行時の4輪タイヤのうち、1つの車輪タイヤの車輪速度が所定の基準判断に基づいて該低速走行時の車両速度より遅いか否かを判定する工程と、該1つの車輪タイヤの車輪速度が遅い場合、再び初期化を開始する工程と、当該再初期化により、タイヤの空気圧低下を判定する工程を含んでいる。 なし

目的

本発明は、叙上の事情に鑑み、タイヤを交換しても走行中のタイヤの空気圧低下を正確に判定し、誤報を防止することができるタイヤ空気圧低下検出方法および装置、ならびにタイヤ減圧判定プログラムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

車両に装着したタイヤから得られる車輪速度に基づいてタイヤの空気圧低下を検出するタイヤ空気圧低下検出方法であって、4輪タイヤの車輪速度を検出する工程と、該4輪タイヤの車輪速度を記憶する工程と、前記車両の車両速度を求める工程と、該車両が第1の所定の車両速度以上で高速走行しているか否かを判断する工程と、該車両が第1の所定の車両速度以上で走行したと判断されたのち、車両が該第1の所定の車両速度より低い第2の所定の車両速度以下で低速走行しているか否かを判断する工程と、減圧判定値が所定の値以上であるか否かを判断する工程と、該判定値が所定の値以上である場合、低速走行時の各タイヤの車輪速度と車両速度とを比較する工程と、該低速走行時の4輪タイヤのうち、1つの車輪タイヤの車輪速度が所定の基準判断に基づいて該低速走行時の車両速度より遅いか否かを判定する工程と、該1つの車輪タイヤの車輪速度が遅い場合、再び初期化を開始する工程と、当該再初期化により、タイヤの空気圧低下を判定する工程を含むタイヤ空気圧低下検出方法。

請求項2

前記第1の所定の車両速度が180〜260km/hの範囲内の値であり、前記第2の所定の車両速度が10〜80km/hの範囲内の値であるとともに、前記判定値が、対角線上にある一対の車輪からの信号の合計から対角線上にある他の一対の車輪からの車輪速度の車輪速度を引算し、その結果と2つの合計の平均値との比率である場合、前記所定の値が0.15であり、かつ前記所定の基準判断が低速走行時の車両速度より、速度差で0.15%以上小さいか否かの判断である請求項1記載のタイヤ空気圧低下検出方法。

請求項3

車両に装着したタイヤから得られる車輪速度に基づいてタイヤの空気圧低下を検出するタイヤ空気圧低下検出装置であって、4輪タイヤの車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、該4輪タイヤの車輪速度を記憶する記憶手段と、前記車両の車両速度を求める車両速度演算手段と、該車両が第1の所定の車両速度以上で高速走行しているか否かを判断する高速走行判断手段と、該車両が第1の所定の車両速度以上で走行したと判断されたのち、車両が該第1の所定の車両速度より低い第2の所定の車両速度以下で低速走行しているか否かを判断する低速走行判断手段と、該低速走行時の4輪タイヤのうち、1つの車輪タイヤの車輪速度が所定の基準判断に基づいて該低速走行時の車両速度より遅いか否かを判定する速度判定手段と、該1つの車輪タイヤの車輪速度が遅い場合、再び初期化を開始する再初期化開始手段と、当該再初期化により、タイヤの空気圧低下を判定する減圧判定手段とを備えてなるタイヤ空気圧低下検出装置。

請求項4

前記速度判定手段が、減圧の判定値が所定の値以上であるか否かを判断したのち、該判定値が所定の値以上である場合、低速走行時の各タイヤの車輪速度と車両速度とを比較する比較手段を備える請求項3記載のタイヤ空気圧低下検出装置。

請求項5

前記第1の所定の車両速度が180〜260km/hの範囲内の値であり、前記第2の所定の車両速度が10〜80km/hの範囲内の値であるとともに、前記判定値が、対角線上にある一対の車輪からの車輪速度の合計から対角線上にある他の一対の車輪からの車輪速度の合計を引算し、その結果と2つの合計の平均値との比率である場合、前記所定の値が0.15%であり、かつ前記所定の基準判断が低速走行時の車両速度より、速度差で0.15%以上小さいか否かの判断である請求項3または4記載のタイヤ空気圧低下検出装置。

請求項6

タイヤの空気圧低下を判定するためにコンピュータを、4輪タイヤの車輪速度を記憶する記憶手段、該4輪タイヤの車輪速度から前記車両の車両速度を演算する車両速度演算手段、該車両が第1の所定の車両速度以上で高速走行しているか否かを判断する高速走行判断手段、該車両が第1の所定の車両速度以上で走行したと判断されたのち、車両が該第1の所定の車両速度より低い第2の所定の車両速度以下で低速走行しているか否かを判断する低速走行判断手段、該低速走行時の4輪タイヤのうち、1つの車輪タイヤの車輪速度が所定の基準判断に基づいて該低速走行時の車両速度より遅いか否かを判定する速度判定手段、該1つの車輪タイヤの車輪速度が遅い場合、再び初期化を開始する再初期化開始手段、当該再初期化により、タイヤの空気圧低下を判定する減圧判定手段として機能させるためのタイヤ減圧判定プログラム

請求項7

減圧の判定値が所定の値以上であるか否かを判断したのち、該判定値が所定の値以上である場合、各タイヤの車輪速度と車両速度とを比較する比較手段として機能させる請求項6記載のタイヤ減圧判定のプログラム。

技術分野

0001

本発明はタイヤ空気圧低下検出方法および装置、ならびにタイヤ減圧判定プログラムに関する。さらに詳しくは、タイヤ交換しても走行中のタイヤの空気圧低下を正確に判定し、誤報を防止することができるタイヤ空気圧低下検出方法および装置、ならびにタイヤ減圧判定のプログラムに関する。

0002

従来より、車両に装着された4輪タイヤの回転(車輪速)情報からタイヤの減圧を検出するタイヤ空気圧低下検出装置DWS)がある。この装置は、タイヤが減圧すると正常空気圧のタイヤより外径(タイヤの動荷重半径)が減少するため、他の正常なタイヤに比べると回転角速度が増加するという原理を用いている。たとえばタイヤの回転角速度の相対的な差から空気圧低下を検出する方法では、判定値DELとして、
DEL={(F1+F4)/2−(F2+F3)/2}/{(F1+F2+F3+F4)/4}×100(%)
を用いている(特許文献1参照)。ここで、F1〜F4は、それぞれ前左タイヤ、前右タイヤ、後左タイヤおよび後右タイヤの回転角速度である。

0003

また、各タイヤは、規格内でのばらつき(初期差異)が含まれて製造されるため、各タイヤの有効転がり半径は、すべてのタイヤがたとえ正常内圧であっても、同一とは限らない。そのため、各タイヤの回転角速度はばらつくことになる。そこで、従来より、回転角速度に及ぼす有効転がり半径の差を排除するための初期補正係数K1〜K3を求めたのち(この初期補正係数K1〜K3を求める処理をSTD処理という)、かかる初期補正係数K1〜K3を用いて各タイヤの車輪速度を補正して(初期化して)、前記判定値DELによりタイヤの空気圧低下の判定を行なうようにしている(特許文献2、特許文献3など参照)。なお、前記K1は前輪左右タイヤ間の初期差異による有効ころがり半径の差を補正するための補正係数、K2は後輪左右タイヤ間の初期差異による有効ころがり半径の差を補正するための補正係数およびK3は前輪タイヤと後輪左右タイヤとのあいだの初期差異による有効ころがり半径の差を補正するための補正係数に相当する。

背景技術

0004

【特許文献1】
特開昭63−305011号公報
【特許文献2】
特開平9−249010号公報
【特許文献3】
特開平10−206460号公報

0005

従来の初期化を行なうタイヤ減圧の判定法では、4輪タイヤを同時に同一タイヤに交換する場合、走行中のタイヤの寸法変化(タイヤ外径寸法成長)は4輪タイヤともほぼ均一となるため、タイヤ減圧を誤って判定することはほとんどないと考えられる。

0006

しかしながら、たとえば4輪タイヤのうち、1輪タイヤだけ新品タイヤに交換し、従来の初期化を行ない、その後、走行中に交換したタイヤだけが寸法成長を起すと、そのタイヤのみ動荷重半径が大きくなり、交換したタイヤの車輪速度が遅くなる。このため、このタイヤは減圧していないにもかかわらず、減圧と判定して、誤報を発するおそれがある。

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、叙上の事情に鑑み、タイヤを交換しても走行中のタイヤの空気圧低下を正確に判定し、誤報を防止することができるタイヤ空気圧低下検出方法および装置、ならびにタイヤ減圧判定のプログラムを提供することを目的とする。

0008

本発明のタイヤ空気圧低下検出方法は、車両に装着したタイヤから得られる車輪速度に基づいてタイヤの空気圧低下を検出するタイヤ空気圧低下検出方法であって、4輪タイヤの車輪速度を検出する工程と、該4輪タイヤの車輪速度を記憶する工程と、前記車両の車両速度を求める工程と、該車両が第1の所定の車両速度以上で高速走行しているか否かを判断する工程と、該車両が第1の所定の車両速度以上で走行したと判断されたのち、車両が該第1の所定の車両速度より低い第2の所定の車両速度以下で低速走行しているか否かを判断する工程と、減圧の判定値が所定の値以上であるか否かを判断する工程と、該判定値が所定の値以上である場合、低速走行時の各タイヤの車輪速度と車両速度とを比較する工程と、該低速走行時の4輪タイヤのうち、1つの車輪タイヤの車輪速度が所定の基準判断に基づいて該低速走行時の車両速度より遅いか否かを判定する工程と、該1つの車輪タイヤの車輪速度が遅い場合、再び初期化を開始する工程と、当該再初期化により、タイヤの空気圧低下を判定する工程を含むことを特徴とする。

0009

本発明のタイヤ空気圧低下検出装置は、車両に装着したタイヤから得られる車輪速度に基づいてタイヤの空気圧低下を検出するタイヤ空気圧低下検出装置であって、4輪タイヤの車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、該4輪タイヤの車輪速度を記憶する記憶手段と、前記車両の車両速度を求める車両速度演算手段と、該車両が第1の所定の車両速度以上で高速走行しているか否かを判断する高速走行判断手段と、該車両が第1の所定の車両速度以上で走行したと判断されたのち、車両が該第1の所定の車両速度より低い第2の所定の車両速度以下で低速走行しているか否かを判断する低速走行判断手段と、該低速走行時の4輪タイヤのうち、1つの車輪タイヤの車輪速度が所定の基準判断に基づいて該低速走行時の車両速度より遅いか否かを判定する速度判定手段と、該1つの車輪タイヤの車輪速度が遅い場合、再び初期化を開始する再初期化開始手段と、当該再初期化により、タイヤの空気圧低下を判定する減圧判定手段とを備えてなることを特徴とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明のタイヤ減圧判定のプログラムは、タイヤの空気圧低下を判定するためにコンピュータを、4輪タイヤの車輪速度を記憶する記憶手段、該4輪タイヤの車輪速度から前記車両の車両速度を演算する車両速度演算手段、該車両が第1の所定の車両速度以上で高速走行しているか否かを判断する高速走行判断手段、該車両が第1の所定の車両速度以上で走行したと判断されたのち、車両が該第1の所定の車両速度より低い第2の所定の車両速度以下で低速走行しているか否かを判断する低速走行判断手段、該低速走行時の4輪タイヤのうち、1つの車輪タイヤの車輪速度が所定の基準判断に基づいて該低速走行時の車両速度より遅いか否かを判定する速度判定手段、該1つの車輪タイヤの車輪速度が遅い場合、再び初期化を開始する再初期化開始手段、当該再初期化により、タイヤの空気圧低下を判定する減圧判定手段として機能させることを特徴とする。

0011

以下、添付図面に基づいて、本発明のタイヤ空気圧低下検出方法および装置、ならびにタイヤ減圧判定のプログラムを説明する。

0012

図1に示されるように、本発明の一実施の形態にかかわるタイヤ空気圧低下検出装置は、4輪車両に備えられた4つのタイヤFL、FR、RLおよびRRの空気圧が低下しているか否かを検出するもので、タイヤにそれぞれ関連して設けられた通常の車輪速度検出手段1を備えている。

0013

前記車輪速度検出手段1としては、電磁ピックアップなどを用いて回転パルスを発生させてパルスの数から車輪速度(回転速度)を測定する車輪速センサまたはダイナモのように回転を利用して発電を行ない、この電圧から車輪速度を測定するものを含む角速度センサなどを用いることができる。前記車輪速度検出手段1の出力はABSなどのコンピュータである制御ユニット2に与えられる。制御ユニット2には、空気圧が低下したタイヤを知らせるための液晶表示素子プラズマ表示素子またはCRTなどで構成された表示器3、およびドライバーによって操作することができる初期化スイッチ4が接続されている。この初期化スイッチ4は、各タイヤの初期差異の影響を排除するための初期補正係数(K1、K2、K3)を算出する際にユーザが操作するためのものである。

0014

制御ユニット2は、図2に示されるように、外部装置との信号の受け渡しに必要なI/Oインターフェイス2aと、演算処理中枢として機能するCPU2bと、該CPU2bの制御動作プログラムが格納されたROM2cと、前記CPU2bが制御動作を行なう際にデータなどが一時的に書き込まれたり、その書き込まれたデータなどが読み出されるRAM2dと、タイヤが正常な空気圧であるときに最初に学習した初期値(初期補正係数)および再び学習した初期値が書き込まれるEEPROM2eとから構成されている。

0015

前記車輪速度検出手段1では、タイヤの回転数に対応したパルス信号(以下、車輪速パルスという)が出力される。またCPU2bでは、車輪速度検出手段1から出力された車輪速パルスに基づき、所定のサンプリング周期ΔT(sec)、たとえばΔT=1秒ごとに各タイヤの回転角速度Fiが算出される。

0016

前記車両の車両速度V、各タイヤの前後方向加速度Aおよびフットブレーキセンサの出力に基づいて、今回のサンプリング周期で算出された回転角速度Fiをリジェクトするか否かを判別するのが好ましい。具体的には、つぎに示す▲1▼〜▲3▼の3つの条件のうち、いずれか1つでも満たされた場合には、回転角速度Fiをリジェクトする。
▲1▼V<VTH(たとえばVTH=10(km/h))
▲2▼MAX{|A|}>ATH(たとえばATH=0.1G)
▲3▼フットブレーキが踏まれている。

0017

ここで、タイヤは、規格内でのばらつき(初期差異)が含まれて製造されるため、各タイヤの有効転がり半径(一回転により進んだ距離を2πで割った値)rは、すべてのタイヤがたとえ正常内圧であっても、同一とは限らない。そのため、各タイヤの回転角速度Fiはばらつくことになる。そこで、初期差異によるばらつきを打ち消すために補正した回転角速度F1iを算出したのち、各タイヤの車輪速度Vi(=r×Fi)を補正し、新たな車輪速度V1i(i=1〜4、1:前左タイヤ、2:前右タイヤ、3:後左タイヤ、4:後右タイヤ)を取得する。
V11=V1
V12=K1×V2
V13=K3×V3
V14=K2×K3×V4

0018

ここに、K1、K2、K3は、正常内圧時に予め求められた補正係数であって、K1は前輪左右タイヤFL、FR間の初期差異による有効ころがり半径の差を補正するための補正係数、K2は後輪左右タイヤRL、RR間の初期差異による有効ころがり半径の差を補正するための補正係数およびK3は前左タイヤFLと後輪左右タイヤRL、RRとのあいだの初期差異による有効ころがり半径の差を補正するための補正係数に相当する。この補正係数K1、K2、K3は、正常内圧時の走行試験により求められ、RAM2dに格納される。なお、たとえば正常内圧時に求められた補正係数がそれぞれK1=2、K2=2、K3=1.5であり、車両が前左タイヤの車輪速度V1が6、前右タイヤの車輪速度V2が3、後左タイヤの車輪速度V3が4、後右タイヤの車輪速度V4が2で走行している場合、補正後のタイヤの車輪速度V1i(i=1〜4)は6となり、すべてのタイヤの車輪速度はV1と等しくなる。すなわち補正後のタイヤの車輪速度は前左タイヤFLの車輪速度と等しくなるように4輪タイヤの車輪速度が補正される。

0019

本実施の形態では、まず正常空気圧(2.2×105Pa)の新品タイヤ(低偏平タイヤ)(タイヤサイズは205/40R17である)が装着された車を用意し、車両速度とタイヤ半径との関係を調べた。手順は図3に示されるように、80km/hを10分走行したのち、停止してタイヤ半径を測定(▲1▼、▲2▼、▲3▼)する手順を3回繰り返した(ステップT1〜T2、T3〜T4、T5〜T6)。ついで200km/hを10分走行したのち、停止してタイヤ半径を測定(▲4▼)する手順(ステップT7〜T8)を行なったのち、再度80km/hを10分走行したのち、停止してタイヤ半径を測定(▲5▼)する手順(ステップT9〜T10)を行なった。そして、たとえば1日以上のあいだ、車両を放置して、タイヤを冷却した(ステップT11)。ついで前記ステップT1〜T11の手順を2回目および3回目と繰り返した。かかる3日間にわたるタイヤ半径の変化率を表1に示す。

0020

【表1】

0021

表1の1回目の順番▲1▼〜▲3▼により、80km/h程度の速度であれば、タイヤの寸法変化は小さく収束してゆき問題ないレベルである。これに対し、1回目の順番▲4▼により、200km/hの速度で10分間走行すると、無視できないほどの寸法成長を示すことがわかった。また、200km/hの走行後、再度80km/hを10分走行したときの変化率は、前記測定(▲1▼、▲2▼、▲3▼)より小さくなっていることがわかる。

0022

このことは、4輪タイヤのうち、1本だけ交換して低速(80km/h)で最初の初期化が済んだあとで高速走行する場合、通常の減圧判定がタイヤ径の変化率として0.2%をこえるか否かにより行なわれているため、正常な空気圧であるにもかかわらず誤報の原因になることを示している。

0023

しかし、表1から200km/h走行の寸法成長は、1回目より2回目、2回目より3回目と小さくなっている。この予備試験から、一度高速走行を経験したタイヤは、2度目からの寸法変化は小さくなることがわかる。

0024

したがって、タイヤの寸法成長がみられる、200km/hの高速走行をしたあと、80km/hの低速走行に戻ったときにタイヤの寸法成長は小さくなるので、誤報を防ぐために、再初期化を行なう再初期化開始手段を検知装置に組み込むことが好ましいことがわかる。

0025

なお、前記タイヤの寸法成長がみられる高速走行の車両速度は、タイヤの種類により多少異なると考えられることから、200km/hに限定されるものではなく、試験により適宜選定することができるが、概ね180〜260km/hの範囲内の値(第1の所定の車両速度)であればよい。また、低速走行の車両速度についても、適宜選定することができるが、一般道を考慮して80km/h以下であればよい。ただし、前記回転角速度Fiのリジェクト判別条件から、10km/h以上である。すなわち、10〜80km/hの範囲内の値(第2の所定の車両速度)であればよい。

0026

そこで、本実施の形態にかかわるタイヤ空気圧低下検出装置は、車輪速度検出手段1と、4輪タイヤの車輪速度を記憶する記憶手段と、前記車両の車両速度を求める車両速度演算手段と、該車両が第1の所定の車両速度以上で高速走行しているか否かを判断する高速走行判断手段と、該車両が第1の所定の車両速度以上で走行したと判断されたのち、車両が該第1の所定の車両速度より低い第2の所定の車両速度以下で低速走行しているか否かを判断する低速走行判断手段と、該低速走行時の4輪タイヤのうち、1つの車輪タイヤの車輪速度が所定の基準判断に基づいて該低速走行時の車両速度より遅いか否かを判定する速度判定手段と、該1つの車輪タイヤの車輪速度が遅い場合、再び初期化を開始する再初期化開始手段と、当該再初期化により、タイヤの空気圧低下を判定する減圧判定手段とから構成されている。

0027

前記速度判定手段において、1つの車輪タイヤの車輪速度が所定の基準判断に基づいて低速走行時の車両速度より遅いか否かを判定する方法は種々あるが、たとえば減圧の判定値を用いることができる。すなわち対角線上にある一対の車輪からの車輪速度の合計から対角線上にある他の一対の車輪からの車輪速度の合計を引算し、その結果と2つの合計の平均値との比率として求められるつぎの式(1)の判定値を用いることができる。
DEL={(V11+V14)/2−(V12+V13)/2}/{(V11+V12+V13+V14)/4}×100(%) ・・・(1)

0028

ここで、通常の減圧判定は、タイヤ径の変化率として0.2%をこえるか否かにより行なわれているが、この0.2%は、空気圧が25%減少した場合の判定値0.15%に相当する。そこで、判定値を0.15%に設定した車両を180km/h以上の速度で高速走行させたのち、車両速度が80km/hである低速走行をさせたとき、前記4輪タイヤのうち、たとえば前左タイヤFL、前右タイヤFRおよび後右タイヤRLの車輪速度が80km/hである場合、前記式(1)から、後左タイヤの車輪速度は79.88km/hとなる。この後左タイヤの車輪速度79.88km/hは、車両速度80km/hより0.15%遅くなっている。したがって、この0.15%の速度差を基準として、再初期化を行なうか否かの判断をして、誤報をなくすようにすることができるが、好ましくは確実に誤報を排除するために、所定の基準判断として、0.15%以上の速度差、すなわち低速走行時の車両速度より、速度差で0.15%以上小さい車輪速度である場合を基準とする。なお、本発明における車両速度は、本実施の形態のように速度が遅い後左タイヤの車輪速度の影響を含まないように、4輪タイヤの車輪速度の平均車輪速度ではなく、車両の加速度センサの値から求めることができる。しかし、このセンサは価格が高いので、ABSセンサーのデータをフィルタリングする(たとえば、4つのデータからハズレ値を除くようなフィルタリング)ことにより、車輪の回転情報である車輪速度から求めるのが好ましい。

0029

したがって、本実施の形態における速度判定手段は、この減圧の判定値が所定の値である0.15%以上であるか否かを判断したのち、該判定値が0.15%以上である場合、低速走行時の各タイヤの車輪速度と車両速度とを比較する比較手段を備えている。なお、タイヤの寸法成長の変化は、4輪タイヤのうち1輪タイヤだけを新品タイヤに交換した場合以外に4輪タイヤのうち3輪タイヤを新品タイヤに交換した場合やすべてを新品タイヤに交換した場合でも、1輪タイヤに極端な寸法成長の変化を示すことがあるので、本発明をこれらの場合にも適用することができる。また、4輪タイヤのうち2輪タイヤだけを新品タイヤに交換した場合、1輪タイヤが寸法成長の変化を示すときは、本発明を適用することができる。ただし、交換した2輪タイヤの寸法成長の変化が共に大きい場合については、前記式(1)の判定値は、タイヤの車輪速度の相対的な差から計算するため、2輪タイヤの寸法成長の変化率は相殺し合うことになる。このため、本発明においては、1つの車輪タイヤの車輪速度が遅い場合、再び初期化を開始することにしている。

0030

つぎに図4に基づいて、本実施の形態にかかわるタイヤ空気圧低下検出装置の動作を説明する。

0031

まずステップS1の初期化は従来行なわれている初期化を用いることができる。たとえば各タイヤの規格内でのばらつき(初期差異)により、各タイヤの回転角速度に及ぼす有効転がり半径の差を排除するための初期補正係数K1〜K3を求めたのち、かかる初期補正係数K1〜K3を用いて各タイヤの車輪速度を補正する。

発明を実施するための最良の形態

0032

ついで車両が180km/h以上の車両速度で高速走行していると判断されたのち、80km/h以下の低速走行していると判断される場合、1輪タイヤの車輪速度が遅いか否かが判断される(ステップS2〜4)。この1輪タイヤの車輪速度が遅いか否かの判断は、図5に示されるように、判定値(DEL値)のしきい値xが−0.15%以下または0.15%以上(|x|≧0.15%)であるか否かで行なわれる(ステップSS1)。ついで各タイヤの車輪速度V1iと車両速度Vとを比較し(ステップSS2)、1つの車輪タイヤの車輪速度が前記80km/h以下の車両速度Vより、速度差で0.15%以上小さい(ステップSS3)と判断されると、図4に示されるようにステップ5により再初期化をスタートさせる(ステップS5)。

図面の簡単な説明

0033

以上説明したとおり、本発明によれば、交換されたタイヤを高速走行させたのち、再初期化を行なうため、タイヤを交換しても走行中のタイヤの空気圧低下を正確に判定し、誤報を防止することができる。

図1
本発明のタイヤ空気圧低下検出装置の一実施の形態を示すブロック図である。
図2
図1のタイヤ空気圧低下検出装置の電気的構成を示すブロック図である。
図3
本実施の形態のフローチャートの一例である。
図4
本実施の形態の動作を説明するフローチャートである。
図5
図4のステップ4の手順を示す図である。
【符号の説明】
1車輪速度検出手段
2制御ユニット
3表示器
4 初期化スイッチ

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