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技術 感熱式ヘッド及び周囲温度を考慮したモデル化の方法

出願人 アグフア-ゲヴエルト,ナームローゼ・フエンノートシヤツプ
発明者 デイルク・バーダイク
出願日 2003年12月17日 (16年11ヶ月経過) 出願番号 2003-419728
公開日 2004年7月15日 (16年4ヶ月経過) 公開番号 2004-195983
状態 未査定
技術分野 サーマルプリンタ(構造)
主要キーワード 熱的構造 決定用パラメータ 活性パルス 熱的モデル ヒートシンク領域 デジタル論理素子 電気的駆動回路 基準図
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

解決手段

校正印刷出力に対する制約が、印刷されているパターン及び印刷過程中に使用されるラインタイム指令翻訳される。追加のパラメーターを加えることが必要であるならば、校正印刷出力のグラフィック出力を、ヒーター素子に使用される励起及びヒートシンク温度関係付けることができる。曲線適合技法を用いて、校正印刷物を印刷することにより得られたデータの組を通して解析表現適合される。この解析的な関係が知られると、所与の要求されたグラフィック出力について、励起時間を解くことができる。

概要

背景

感熱印刷における画像形成過程の説明及び関連する諸問題
感熱印刷及び感熱輻射は、画像状に変調された熱エネルギーの使用により画像が作られる記録方法である。感熱輻射は、感光性ではなくて熱に対して敏感な又は感熱性の材料に関係し、これにおいては、画像状に加えられる熱は、光学的濃度を変化させる化学的又は物理的な処理により、感熱的に画像化する材料において可視的な変化をもたらすに十分である。

ダイレクト感熱複写記録用の材料の大部分は化学的な形式のものである。或る変換温度に加熱すると不可逆的な化学反応が起こり、色つきの画像が作られる。

ダイレクト感熱印刷においては、感熱複写記録用材料の加熱は画像信号から開始することができる。この信号は電気パルスに変換され、次いで励起回路を経て選択的に感熱印刷ヘッドに送られる。感熱印刷ヘッドは、電気エネルギージュール効果により熱に変換する微視的な熱抵抗素子から構成される。こうして熱的な信号に変換された電気パルスは、感熱複写材料、例えば紙の表面に伝えられ、ここでカラー現像を生ずる化学変化の生じる熱としてそれ自体が顕在化する。この原理非特許文献1に説明される。

特に興味のあるダイレクト感熱型画像化要素は、有機銀塩減力剤と組み合わせて使用する。熱の影響下で銀塩金属銀現像されるため、かかる金属により画像を得ることができる。

熱衝撃プリンターは、或る画像形成材料の或る点を局所的に温度上昇させるために、抵抗素子において作られた熱を使用する。この画像形成材料は、閾温度より十分に高い温度に駆動されかつこの閾温度以上で或る時間保持されたとき、可視画素を与える。実際上、多くの画素が同じ線上で平行に形成され、これが、小さい場所を越えて感熱複写媒体を動かして線から線に繰り返される。

加熱素子は、極めて短時間中、熱パルスを作り、これが感熱複写属性を有する乳剤層に伝えられる。感熱複写反応は、一定の閾温度Tthreshold以上で生ずるであろう。この値は、周囲温度とは無関係な材料の定数である。全印刷工程は、事実上、前方向送りシステムである。感熱複写材料における正確な温度管理が要求されるが、ニブにおける励起オンラインで管理するためにニブ表面の温度を監視する閉ループシステムを作ることはできない。描写外見は1個の画素だけで決められるのではなく、全部の画素が一緒可視光スペクトルにおける或るフィルターを作るため、事実上、現在では、問題はわずかに緩和されただけである。すべての画素が互いに同じような挙動をするときは、可視の外見は或る濃度変化を持つことができるが、その他については、画像の認知は人の目には同じに留まるであろう。画素のグループが画素の他のグループに関してその属性を変えたときは、人の目に対しては、必ず描画全体の劣化が認められるであろう。従って、ニブ領域の熱的状態に重要な全てのパラメーター査定することが重要である。

制御アルゴリズムは、各ニブについて、抵抗素子において放散すべきエネルギー量を決定しなけらばならない。感熱式ヘッド熱的構造に応じて、これを極めて単純な制御器とすることができる。例えば全てのニブを互いに孤立させて、複数の画素間における印刷媒体の可視的な相互作用を与えない。しかし、実際は、制御アルゴリズムは次の種々の現実の問題を論じなければならない。即ち
→同じニブエネルギーについて異なる画素寸法又は濃度を与えつつ変化するフィルム媒体の特性、例を挙げれば
−乳剤層の異なった物理的厚さ
画像形成用要素の異なる化学的組成
→温度及び湿度のような変化する環境特性、即ち
画像形成温度は乳剤層の化学的組成により決定されたようには上昇しないであろうため、環境温度の上昇を考慮しなければならい。
−湿度は乳剤の熱容量を変え、同じエネルギー量を適用したときに異なる温度上昇をもたらす。
熱的処理自体が、画像形成媒体により吸収できない余分な熱を発生する。この余分な熱はヒートシンクにより吸収されるが、それでもヘッド内部の温度勾配を大きくし、ニブ内及び複数のニブ間の温度オフセットを与える。例えば、画像形成過程が画像形成媒体において1℃の精度を持たねばならない場合は、発熱素子に適用すべき動力を計算する際にこれら素子における5℃の大きな温度オフセットを考慮しなければならない。
理想的な場合は、発熱素子は互いに完全に断熱される。実際は、これはあり得ない事例であり、複数のニブ間で相互の熱の授受がある。この授受は数個のレベルに分けることができる。即ち、
−感熱式ヘッドの構造自体における数個のニブ間の熱移動
−乳剤とフィルム層自体との間の熱移動。
−画素は、他の画素から離れて印刷されず印刷媒体上で部分的に重なり、或る画素が他の画素と機械的に混合し熱する。
→ニブの電気的励起絶縁された基台においては殆どない。このことは、各リブはそれ自体の電圧供給を受け、そして他の全てのリブとは無関係に励起し得ることを意味する。一般に、ニブを励起するための励起信号は、配線及び励起信号を減らす目的で互いに共通である。一般に、全てのリブを同じタイムフレームオンオフすることしかできない。重みの異なる励起の作成は、例えば、特許文献2において説明されたように、各励起インターバルに対して個々のリブをオン・オフすべきか否かを決定することができる場合に、数個のより短いインターバルの励起インターバルで励起することによってのみ達成できる。この「スライシング」の過程は、感熱画像形成過程に影響を与える。例えば、重み(128,0,0,0,0,0,0,0)及び(0,64,32,16,8,4,2,1)を有するパターン励起を与えることは、数学的にはわずか1ポイントの差であるが、特許文献3及び特許文献4に説明されたように、「0」即ち励起期間なしが、ニブにおいて熱を作るため、画素寸法は厚膜感熱式ヘッドの場合の丁度1ポイントより大きく変化するであろう。制御器はこの効果を考慮しなければならない。

感熱印刷ヘッド励起の幾つかの態様が特許文献11から知られる。

印刷ヘッドにおける熱的ハウスキーピング
感熱印刷ヘッド2の図解例が図1に与えられる。感熱印刷ヘッド2は、種々の構造を持つことができるが、原理に最も忠実なものは、断熱支持部6に取り付けられ、保護層8で覆われた電気的なリブ又はヒーター素子4を有するものである。感熱材料又は感熱複写材料10が、ローラーシステム12を使用してヒーター素子4の領域に押し付けられる。ヒーター素子4それ自体は支持層6上に取り付けられる。この支持層は数個の機能を持つ。即ち、
−ヒーター素子4の物理的支持(機械的な目的)
−ヒーター素子4を感熱式ヘッドのその他の部分から部分的に断熱する
−ヒーター素子4を新しい画素印刷出力の作成に必要な低温に冷却するために十分な熱伝達を持つこと。

サーマルヒーター素子4の支持層6の寸法を決めることは困難な仕事である。まず、感熱複写材料10を熱的に励起するに十分に高いヒーター素子4の温度を達成するために、感熱式ヘッド2のその他の部分に十分な熱絶縁を与えねばならない。一方では、画素が印刷され、新しい感熱複写材料10がニブラインに関して位置決めされるとき、低温リブ4から再出発できるようにヒーター素子4から十分な熱を取り除かねばならない。ヒーター素子4の温度がまだ高すぎる場合及びグラフィック出力が望まれない場合は、近隣で印刷している他のリブの寄生熱が、その場所における(かぶりとして知られる)小さなグラフィック出力を作る可能性がある。ヒーター素子内の寄生熱の感熱複写材料10自体を通る排除は、感熱複写材料10自体及びニブラインに対して材料10を押している支持ローラー12の小さい熱伝導率のため、殆ど不可能である。この支持ローラーは、その大部分が極めて限られた熱伝導率しか持たないゴムで覆われている。このため、ヒーター素子4の支持層6は、許容し得る或る程度のレベルにこれを冷却できなければならない。

感熱式ヘッド2に加えられるエネルギーの流れを示すサンキー線図を作ることができる(図2参照)。ヒーター素子のエネルギーの最大部分は、ヒートシンクを有する感熱式ヘッド支持部6に行く。エネルギーの一部は感熱複写材料10に行き、そして他の部分は感熱複写材料10の運動及び案内用の支持部12に行く。熱フラックス数値は、感熱式ヘッド2の構造に非常に強く依存する。事実上、ヒートシンクへの熱の大きい流量を有する感熱式ヘッド2は、ヒートシンクへの限定された漏洩しか持たないヘッド2よりも速やかに印刷可能となる。ヒートシンクへの良好な熱の流路がヒーター素子4をより速やかに冷却し、新しいラインの印刷開始までの回復時間を短縮させることは明らかである。

ヒートシンク温度に関してニブ温度を管理する態様
グラフィック出力の正確な管理のために、画素印刷時に感熱複写材料10の達する温度を管理しなければならない。このため、ヒーター素子4において放散されるエネルギーの量は、ヒーター素子4の初期熱状態に応じて変えることができる。ヒーター素子4の温度の測定は不可能であるため、前方向送り管理方法が、最も経験的に使用される制御アルゴリズムに基づいて使用されるであろう。ヒーター素子4の出発温度が常に一定である場合は、素子4において放散されるエネルギーの量の管理は困難ではない。しかし、実際は、数個の要因がヒーター素子4の初期温度を異なるものとさせる。
ラインタイム、即ち1ラインの印刷に使用される時間が通常は短く維持され、これがヒーター素子4を冷却するに十分な時間を与えないため、画素の印刷より前からヒーター素子4内に潜在する熱があるであろう。
−ヒートシンクの温度は一定ではなく、その限られた熱容量及び周囲への熱輸送の限られた可能性のため上昇するであろう。ヒートシンクにおけるこの温度オフセットが、ヒーター素子における同じ温度オフセットを与えるであろう。
−ニブ間の熱の相互授受が、画素印刷時におけるヒーター素子4の出発温度にオフセットを作るであろう。通常、これは1ラインを数個の下位ラインで印刷するときに重要である。

特許文献5は、上昇したヒートシンク温度をモデル化する方法及び補償係数の手段によりこの上昇したヒートシンク温度を補償する手段を説明する。電気的ドメインにおけるRC回路網に基づいて集中定数モデルが作成された。ヒートシンク温度を知るために、解析計算を使用して、感熱式ヘッドの平均励起履歴に基づいて基板温度が計算される。

まず、一定のデューティサイクルでヒーター素子を励起することにより印刷ヘッドが定常状態領域にあるようにする。この状況において、プリンターの熱的モデルに基づいて基板温度TSが計算される。次いで、1個の印刷ラインにおいて、ヒーター素子に対する種々の励起エネルギーで或るパターンが印刷される。与えられたTS及び測定されたグラフィック出力Dについて、或る関数f()を見いだすことができる。感熱複写印刷材料に送られる等しいエネルギーに基づいて補償係数が算出される。

以上の文書は、事実上、熱履歴とヒートシンク温度とを組み入れた感熱式ヘッドの数学的モデルを説明する。しかし、感熱複写材料に流れるエネルギーに基づいて補償係数が計算できるという仮説は、本発明の主題である研究においては経験されない。

特許文献5の方法は、集中定数モデルに基づく。これは、実際の熱拡散方程式近似でしかない。フィルム材料内の温度は指数関数的に変化することが考えられる。事実、温度はerf(x)関数として変化し、これは小さいタイムスケールにおける指数関数より速く、かつ大きいタイムスケールにおける指数関数よりは遅く変化する。

特許文献6は、グラフィック媒体を支持しているドラム測定値に基づいた熱的モデルの特別な補償を説明する。この場合、ニブ励起tにおける単純な線形補償が行われる。実験は、かかる線形補償は、グラフィック形成過程非線形過程であるときは、局所的な画素ベースでの極めて短時間に直接送られることとは異なり、グラフィック画像形成用媒体に既にある長期の熱に異なった作用をするため、全く正しくないことを示す。

これまで以下の関連文書が知られている。
特許文献1:感熱インキジェットプリンター校正システム
特許文献2:電圧低下補償を有する感熱印刷の方法及び装置
特許文献3:最少数スイッチングダイオードを有する感熱記録用ヘッド
特許文献4:感熱式ヘッド及びそのヘッド励起回路
特許文献5:熱予測及び温度検出手段を利用した色調プリンター
特許文献6:実時間温度評価を備える感熱式プリンター
特許文献7:階調プリンター
特許文献8:色調プリンター
特許文献9:感熱プリンター温度制御の方法及び装置
特許文献10:感熱プリンターの校正方法
特許文献11:感熱印刷方法
特許文献12:カラー画像モアレ無し多レベルハーフトーン化
非特許文献:−画像化材料ハンドブック
米国特許第5 519 419号 明細書
米国特許第5 786 837号 明細書
米国特許第4 360 818号 明細書
米国特許第5 702 188号 明細書
米国特許第5 066 961号 明細書
米国特許第5 664 893号 明細書
欧州特許第465 714号 明細書
欧州特許第383 583号 明細書
欧州特許第243 046号 明細書
欧州特許第1 247 654号 明細書
欧州特許第1 234 677号 明細書
欧州特許出願公開第741 486号 明細書
欧州特許第0 724 964号 明細書
アーサー・エスダイヤモンド(Arthur S.Diamond)著、「画像化材料ハンドブック」、(Handbook of Imaging Material)(米国)、ダイヤモンド・リサーチコーポレーション(Diamond Research Corporation)、カルフォニアベンチュラ(Ventura,California)、マーセルデッカー社(Marcel Dekker,Inc.)、出版ニューヨーク、マディソンアベニュー270(270 Madison Avenue NewYork)、1991,p.498-499.
”in die Lehre von der Waermeuebertrangung”1977,pp.Ed3.
”und andere Anwendungsgebiete der hoeheren Analysis fuer Physiker,Mathematiker und Ingenieure”Verlagsgesellschaft Leipzig,1951,pp.192

概要

感熱式ヘッド及び周囲温度を考慮した数学的モデルを確立する。校正印刷出力に対する制約が、印刷されているパターン及び印刷過程中に使用されるラインタイムの指令翻訳される。追加のパラメーターを加えることが必要であるならば、校正印刷出力のグラフィック出力を、ヒーター素子に使用される励起及びヒートシンク温度と関係付けることができる。曲線適合技法を用いて、校正印刷物を印刷することにより得られたデータの組を通して解析表現適合される。この解析的な関係が知られると、所与の要求されたグラフィック出力について、励起時間を解くことができる。

目的

感熱複写ヘッドにおけるヒートシンクの温度補償アルゴリズムを提供することが本発明の目的である。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

計算装置を使用して感熱印刷ステムの熱的定常状態印刷特性数学的モデルを作る方法であって、この感熱印刷システムは、複数のエネルギーを出し得るヒーター素子(4)とヒートシンク(24)とを組み込んだ感熱式ヘッド(2)を有する感熱式プリンター、及び感熱複写材料(10)を備え、−各がヒーター素子(4)に給送された異なる定常状態の熱エネルギー量(En)で印刷された数個の印刷領域からなる基準印刷出力を感熱複写材料(10)上に作り、−グラフィク出力(dn)が熱的定常状態で印刷された各領域のゾーンにおいて測定された数個の印刷領域の各について、ヒートシンク温度に関する少なくも或る一つのパラメーター関数におけるグラッフィク出力(dn)の尺度を決定し、−ヒートシンク温度に関する少なくもそのパラメーターの関数におけるグラッフィク出力(dn)の尺度と、定常状態の熱エネルギーの量(En)との間の最良適合関係を決定することにより数学的モデル確立することを含む方法。

請求項2

複数のエネルギーを出し得るヒーター素子(4)とヒートシンク(24)とを組み込んだ感熱印刷ヘッド(2)を有する感熱式プリンター、及び感熱複写材料(10)を備えた感熱印刷システムの感熱印刷ヘッドを駆動する方法であって、数学的モデルを確立するための第1のモードにおいて、−各がヒーター素子(4)に給送された異なる一定の熱エネルギー量(En)で印刷された数個の印刷領域からなる基準印刷出力を感熱複写材料(10)上に作り、−グラッフィク出力(dn)が熱的定常状態で印刷された各領域のゾーンにおいて測定された数個の印刷領域の各について、ヒートシンク温度に関する少なくも或る一つのパラメーターの関数におけるグラッフィク出力(dn)の尺度を決定し、−グラッフィク出力(dn)の尺度と一定の熱エネルギーの量との間の最良の適合関係を決定することにより数学的モデルを確立し、更に第2のモードにおいて、−複数のエネルギーを出し得るヒーター素子(4)とヒートシンク(24)とを組み込んだ感熱印刷ヘッド(2)を有する感熱式プリンターを備えた感熱印刷システム、及びヒートシンク温度に関するパラメーターの現用値を使用して感熱複写材料(10)上に画像を印刷するために、数学的モデルに従って少なくも1個のエネルギーを出し得るヒーター素子(4)に供給すべき熱エネルギーを決定することを含む方法。

請求項3

texcがヒーター素子の励起時間であるとき、最良の適合関係がdi=f(texc)により与えられ、そして式を満たす値として見いだされたオフセットΔtexcをtexcに加えることにより、異なるラインタイムで印刷システムを使用しているときのこの関係が補正される先行請求項のいずれかによる方法。

技術分野

0001

本発明は、感熱印刷又は感熱複写に関し、特に感熱印刷システムの熱的定常状態印刷特性数学的モデルの作成、及び感熱印刷ヘッドの駆動のためのかかるモデルの使用に関する。

背景技術

0002

感熱印刷における画像形成過程の説明及び関連する諸問題
感熱印刷及び感熱輻射は、画像状に変調された熱エネルギーの使用により画像が作られる記録方法である。感熱輻射は、感光性ではなくて熱に対して敏感な又は感熱性の材料に関係し、これにおいては、画像状に加えられる熱は、光学的濃度を変化させる化学的又は物理的な処理により、感熱的に画像化する材料において可視的な変化をもたらすに十分である。

0003

ダイレクト感熱複写記録用の材料の大部分は化学的な形式のものである。或る変換温度に加熱すると不可逆的な化学反応が起こり、色つきの画像が作られる。

0004

ダイレクト感熱印刷においては、感熱複写記録用材料の加熱は画像信号から開始することができる。この信号は電気パルスに変換され、次いで励起回路を経て選択的に感熱印刷ヘッドに送られる。感熱印刷ヘッドは、電気エネルギージュール効果により熱に変換する微視的な熱抵抗素子から構成される。こうして熱的な信号に変換された電気パルスは、感熱複写材料、例えば紙の表面に伝えられ、ここでカラー現像を生ずる化学変化の生じる熱としてそれ自体が顕在化する。この原理非特許文献1に説明される。

0005

特に興味のあるダイレクト感熱型画像化要素は、有機銀塩減力剤と組み合わせて使用する。熱の影響下で銀塩金属銀現像されるため、かかる金属により画像を得ることができる。

0006

熱衝撃プリンターは、或る画像形成材料の或る点を局所的に温度上昇させるために、抵抗素子において作られた熱を使用する。この画像形成材料は、閾温度より十分に高い温度に駆動されかつこの閾温度以上で或る時間保持されたとき、可視画素を与える。実際上、多くの画素が同じ線上で平行に形成され、これが、小さい場所を越えて感熱複写媒体を動かして線から線に繰り返される。

0007

加熱素子は、極めて短時間中、熱パルスを作り、これが感熱複写属性を有する乳剤層に伝えられる。感熱複写反応は、一定の閾温度Tthreshold以上で生ずるであろう。この値は、周囲温度とは無関係な材料の定数である。全印刷工程は、事実上、前方向送りシステムである。感熱複写材料における正確な温度管理が要求されるが、ニブにおける励起オンラインで管理するためにニブ表面の温度を監視する閉ループシステムを作ることはできない。描写外見は1個の画素だけで決められるのではなく、全部の画素が一緒可視光スペクトルにおける或るフィルターを作るため、事実上、現在では、問題はわずかに緩和されただけである。すべての画素が互いに同じような挙動をするときは、可視の外見は或る濃度変化を持つことができるが、その他については、画像の認知は人の目には同じに留まるであろう。画素のグループが画素の他のグループに関してその属性を変えたときは、人の目に対しては、必ず描画全体の劣化が認められるであろう。従って、ニブ領域の熱的状態に重要な全てのパラメーター査定することが重要である。

0008

制御アルゴリズムは、各ニブについて、抵抗素子において放散すべきエネルギー量を決定しなけらばならない。感熱式ヘッド熱的構造に応じて、これを極めて単純な制御器とすることができる。例えば全てのニブを互いに孤立させて、複数の画素間における印刷媒体の可視的な相互作用を与えない。しかし、実際は、制御アルゴリズムは次の種々の現実の問題を論じなければならない。即ち
→同じニブエネルギーについて異なる画素寸法又は濃度を与えつつ変化するフィルム媒体の特性、例を挙げれば
−乳剤層の異なった物理的厚さ
画像形成用要素の異なる化学的組成
→温度及び湿度のような変化する環境特性、即ち
画像形成温度は乳剤層の化学的組成により決定されたようには上昇しないであろうため、環境温度の上昇を考慮しなければならい。
−湿度は乳剤の熱容量を変え、同じエネルギー量を適用したときに異なる温度上昇をもたらす。
熱的処理自体が、画像形成媒体により吸収できない余分な熱を発生する。この余分な熱はヒートシンクにより吸収されるが、それでもヘッド内部の温度勾配を大きくし、ニブ内及び複数のニブ間の温度オフセットを与える。例えば、画像形成過程が画像形成媒体において1℃の精度を持たねばならない場合は、発熱素子に適用すべき動力を計算する際にこれら素子における5℃の大きな温度オフセットを考慮しなければならない。
理想的な場合は、発熱素子は互いに完全に断熱される。実際は、これはあり得ない事例であり、複数のニブ間で相互の熱の授受がある。この授受は数個のレベルに分けることができる。即ち、
−感熱式ヘッドの構造自体における数個のニブ間の熱移動
−乳剤とフィルム層自体との間の熱移動。
−画素は、他の画素から離れて印刷されず印刷媒体上で部分的に重なり、或る画素が他の画素と機械的に混合し熱する。
→ニブの電気的励起絶縁された基台においては殆どない。このことは、各リブはそれ自体の電圧供給を受け、そして他の全てのリブとは無関係に励起し得ることを意味する。一般に、ニブを励起するための励起信号は、配線及び励起信号を減らす目的で互いに共通である。一般に、全てのリブを同じタイムフレームオンオフすることしかできない。重みの異なる励起の作成は、例えば、特許文献2において説明されたように、各励起インターバルに対して個々のリブをオン・オフすべきか否かを決定することができる場合に、数個のより短いインターバルの励起インターバルで励起することによってのみ達成できる。この「スライシング」の過程は、感熱画像形成過程に影響を与える。例えば、重み(128,0,0,0,0,0,0,0)及び(0,64,32,16,8,4,2,1)を有するパターン励起を与えることは、数学的にはわずか1ポイントの差であるが、特許文献3及び特許文献4に説明されたように、「0」即ち励起期間なしが、ニブにおいて熱を作るため、画素寸法は厚膜感熱式ヘッドの場合の丁度1ポイントより大きく変化するであろう。制御器はこの効果を考慮しなければならない。

0009

感熱印刷ヘッド励起の幾つかの態様が特許文献11から知られる。

印刷ヘッドにおける熱的ハウスキーピング
感熱印刷ヘッド2の図解例が図1に与えられる。感熱印刷ヘッド2は、種々の構造を持つことができるが、原理に最も忠実なものは、断熱支持部6に取り付けられ、保護層8で覆われた電気的なリブ又はヒーター素子4を有するものである。感熱材料又は感熱複写材料10が、ローラーシステム12を使用してヒーター素子4の領域に押し付けられる。ヒーター素子4それ自体は支持層6上に取り付けられる。この支持層は数個の機能を持つ。即ち、
−ヒーター素子4の物理的支持(機械的な目的)
−ヒーター素子4を感熱式ヘッドのその他の部分から部分的に断熱する
−ヒーター素子4を新しい画素印刷出力の作成に必要な低温に冷却するために十分な熱伝達を持つこと。

0010

サーマルヒーター素子4の支持層6の寸法を決めることは困難な仕事である。まず、感熱複写材料10を熱的に励起するに十分に高いヒーター素子4の温度を達成するために、感熱式ヘッド2のその他の部分に十分な熱絶縁を与えねばならない。一方では、画素が印刷され、新しい感熱複写材料10がニブラインに関して位置決めされるとき、低温リブ4から再出発できるようにヒーター素子4から十分な熱を取り除かねばならない。ヒーター素子4の温度がまだ高すぎる場合及びグラフィック出力が望まれない場合は、近隣で印刷している他のリブの寄生熱が、その場所における(かぶりとして知られる)小さなグラフィック出力を作る可能性がある。ヒーター素子内の寄生熱の感熱複写材料10自体を通る排除は、感熱複写材料10自体及びニブラインに対して材料10を押している支持ローラー12の小さい熱伝導率のため、殆ど不可能である。この支持ローラーは、その大部分が極めて限られた熱伝導率しか持たないゴムで覆われている。このため、ヒーター素子4の支持層6は、許容し得る或る程度のレベルにこれを冷却できなければならない。

0011

感熱式ヘッド2に加えられるエネルギーの流れを示すサンキー線図を作ることができる(図2参照)。ヒーター素子のエネルギーの最大部分は、ヒートシンクを有する感熱式ヘッド支持部6に行く。エネルギーの一部は感熱複写材料10に行き、そして他の部分は感熱複写材料10の運動及び案内用の支持部12に行く。熱フラックス数値は、感熱式ヘッド2の構造に非常に強く依存する。事実上、ヒートシンクへの熱の大きい流量を有する感熱式ヘッド2は、ヒートシンクへの限定された漏洩しか持たないヘッド2よりも速やかに印刷可能となる。ヒートシンクへの良好な熱の流路がヒーター素子4をより速やかに冷却し、新しいラインの印刷開始までの回復時間を短縮させることは明らかである。

ヒートシンク温度に関してニブ温度を管理する態様
グラフィック出力の正確な管理のために、画素印刷時に感熱複写材料10の達する温度を管理しなければならない。このため、ヒーター素子4において放散されるエネルギーの量は、ヒーター素子4の初期熱状態に応じて変えることができる。ヒーター素子4の温度の測定は不可能であるため、前方向送り管理方法が、最も経験的に使用される制御アルゴリズムに基づいて使用されるであろう。ヒーター素子4の出発温度が常に一定である場合は、素子4において放散されるエネルギーの量の管理は困難ではない。しかし、実際は、数個の要因がヒーター素子4の初期温度を異なるものとさせる。
ラインタイム、即ち1ラインの印刷に使用される時間が通常は短く維持され、これがヒーター素子4を冷却するに十分な時間を与えないため、画素の印刷より前からヒーター素子4内に潜在する熱があるであろう。
−ヒートシンクの温度は一定ではなく、その限られた熱容量及び周囲への熱輸送の限られた可能性のため上昇するであろう。ヒートシンクにおけるこの温度オフセットが、ヒーター素子における同じ温度オフセットを与えるであろう。
−ニブ間の熱の相互授受が、画素印刷時におけるヒーター素子4の出発温度にオフセットを作るであろう。通常、これは1ラインを数個の下位ラインで印刷するときに重要である。

0012

特許文献5は、上昇したヒートシンク温度をモデル化する方法及び補償係数の手段によりこの上昇したヒートシンク温度を補償する手段を説明する。電気的ドメインにおけるRC回路網に基づいて集中定数モデルが作成された。ヒートシンク温度を知るために、解析計算を使用して、感熱式ヘッドの平均励起履歴に基づいて基板温度が計算される。

0013

まず、一定のデューティサイクルでヒーター素子を励起することにより印刷ヘッドが定常状態領域にあるようにする。この状況において、プリンターの熱的モデルに基づいて基板温度TSが計算される。次いで、1個の印刷ラインにおいて、ヒーター素子に対する種々の励起エネルギーで或るパターンが印刷される。与えられたTS及び測定されたグラフィック出力Dについて、或る関数f()を見いだすことができる。感熱複写印刷材料に送られる等しいエネルギーに基づいて補償係数が算出される。

0014

以上の文書は、事実上、熱履歴とヒートシンク温度とを組み入れた感熱式ヘッドの数学的モデルを説明する。しかし、感熱複写材料に流れるエネルギーに基づいて補償係数が計算できるという仮説は、本発明の主題である研究においては経験されない。

0015

特許文献5の方法は、集中定数モデルに基づく。これは、実際の熱拡散方程式近似でしかない。フィルム材料内の温度は指数関数的に変化することが考えられる。事実、温度はerf(x)関数として変化し、これは小さいタイムスケールにおける指数関数より速く、かつ大きいタイムスケールにおける指数関数よりは遅く変化する。

0016

特許文献6は、グラフィック媒体を支持しているドラム測定値に基づいた熱的モデルの特別な補償を説明する。この場合、ニブ励起tにおける単純な線形補償が行われる。実験は、かかる線形補償は、グラフィック形成過程非線形過程であるときは、局所的な画素ベースでの極めて短時間に直接送られることとは異なり、グラフィック画像形成用媒体に既にある長期の熱に異なった作用をするため、全く正しくないことを示す。

0017

これまで以下の関連文書が知られている。
特許文献1:感熱インキジェットプリンター校正システム
特許文献2:電圧低下補償を有する感熱印刷の方法及び装置
特許文献3:最少数スイッチングダイオードを有する感熱記録用ヘッド
特許文献4:感熱式ヘッド及びそのヘッド励起回路
特許文献5:熱予測及び温度検出手段を利用した色調プリンター
特許文献6:実時間温度評価を備える感熱式プリンター
特許文献7:階調プリンター
特許文献8:色調プリンター
特許文献9:感熱プリンター温度制御の方法及び装置
特許文献10:感熱プリンターの校正方法
特許文献11:感熱印刷方法
特許文献12:カラー画像モアレ無し多レベルハーフトーン化
非特許文献:−画像化材料ハンドブック
米国特許第5 519 419号 明細書
米国特許第5 786 837号 明細書
米国特許第4 360 818号 明細書
米国特許第5 702 188号 明細書
米国特許第5 066 961号 明細書
米国特許第5 664 893号 明細書
欧州特許第465 714号 明細書
欧州特許第383 583号 明細書
欧州特許第243 046号 明細書
欧州特許第1 247 654号 明細書
欧州特許第1 234 677号 明細書
欧州特許出願公開第741 486号 明細書
欧州特許第0 724 964号 明細書
アーサー・エスダイヤモンド(Arthur S.Diamond)著、「画像化材料ハンドブック」、(Handbook of Imaging Material)(米国)、ダイヤモンド・リサーチコーポレーション(Diamond Research Corporation)、カルフォニアベンチュラ(Ventura,California)、マーセルデッカー社(Marcel Dekker,Inc.)、出版ニューヨーク、マディソンアベニュー270(270 Madison Avenue NewYork)、1991,p.498-499.
”in die Lehre von der Waermeuebertrangung”1977,pp.Ed3.
”und andere Anwendungsgebiete der hoeheren Analysis fuer Physiker,Mathematiker und Ingenieure”Verlagsgesellschaft Leipzig,1951,pp.192

発明が解決しようとする課題

0018

感熱複写ヘッドにおけるヒートシンクの温度補償アルゴリズムを提供することが本発明の目的である。

0019

従来技術の補償アルゴリズムよりも仮定を少なくするが、画像形成材料及び印刷ヘッドの実特性により正確に基づいた過程をモデル化しようとすることがこの発明の目的である。

課題を解決するための手段

0020

これは、本発明の方法及び装置により得られる。

0021

グラフィック媒体上に画像を印刷しているとき、感熱印刷ヘッドのための定常状態の熱的モデルを建設する方法が説明される。この校正印刷出力に対する制約が、印刷されているパターン及び印刷過程において使用されるラインタイムの指令翻訳される。追加のパラメーター(例えば、熱媒体の湿度)を加えることが必要であるならば、校正印刷出力のグラフィック出力を、ヒーター素子に使用される励起及びヒートシンク温度と関係付けることができる。限定するわけではないが、例えば多項式又はスプライン関数、或いは神経回路のような曲線適合技法を用いて、校正印刷出力を印刷することにより得られたデータの組を通して解析表現適合される。この解析関数の形式は、データに関連して選択しなければならないが、多くの場合、2次多項式が正確な結果を与えるであろう。この解析的な関係が知られたならば、所与の要求されたグラフィック出力について、励起時間を解くことができる。

0022

感熱式ヘッドは、基本的に冷却板に取り付けられた構造である。冷却板の目的は、ニブにおいて発生した熱を取り去ることである。画像形成過程用としては、ニブにおいて発生した熱のごく僅かの部分しか使用されない。その他の全てはヒートシンクにより取り去られる。新しい画素が印刷されるより前に、ニブを低い初期出発温度にさせることが好ましい。ニブが高温のままに留まると、ニブに電気的励起を与えなくとも、近隣リブとの熱の授受が感熱材料におけるグラフィック出力を与えることがある。

0023

一般に、画像形成材料とニブ構造に対して画像形成材料を押し付けるための手段とを備えた全感熱式ヘッドシステムは、非常に複雑な3次元熱システムを構成する。このシステムにおいては、定数は感熱材料の画像形成パラメーターだけである。画像形成材料の熱特性は一定でありかつ感熱式ヘッドの有する熱的状態とは無関係であり、画像形成材料の達する最終温度は同じであるに違いない。実際の許容差は僅か数℃である。

0024

一般に、制御器は、感熱式ヘッドの入った真の熱的状態を処理しなければならない。これを達成するために、事実上、感熱式ヘッド内の数箇所に熱センサーが取り付けられる。これら熱センサーの出力から、ヘッドのリブごとに基準温度を計算することができる。この基準温度は、対象リブに近いヒートシンクの温度であることが多い。本発明では、与えれたセンサー値の組についてこれが知られると仮定する(例えば、線形内挿又は数学的観察器)。

0025

本発明は、各ヒーター素子にヒートシンク温度

0026

0027

、及びヒーター素子nに加えられている熱エネルギーの使用された定常状態の量Enの関数において、ヒーター素子nのグラフィック出力dn、例えば画素寸法又は画素濃度であるグラフィック出力に関する数学的モデルを確立する方法に関する。指数nは、感熱印刷ヘッドにおけるニブの番号n=0、…、Nnibs−1、Nnibsを示す。この関数は、

0028

0029

と書くことができ、そしてヒートシンク基準温度

0030

0031

、ニブに加えられるエネルギーEn及びニブにおいて得られたグラフィック出力dnの間の関係を与える。必要な場合は、この関数の変数リストに他のパラメーター、例えば、限定するものではないが、感熱性の画像形成材料の湿度を加えることができる。

0032

fnの性質は原理的に知られ、大部分の場合、画像形成過程自体が

0033

0034

とEnの値、及び感熱式ヘッドの構成の非線形に強く従うため非線形関数であり、リブごとに異なるfnを作る。一様な構造の感熱式ヘッドがある場合は、fnは全てにリブについて同じであり、単純な関数fが得られる。fnはニブnごとに異なるとすることができるが、実際は、fnとfn+1とは大きくは変わらない。これは、両者が、印刷ヘッドの長さに沿って非常にゆっくりとしか変化しない共通の熱的構造を共有するためである。

0035

本発明の方法は、対象の熱画像形成材料上に基準印刷出力(校正印刷出力)を作ることを含む。印刷されたパターンは注意深く選ばれることが好ましい。
−印刷された画素に熱の授受が影響を与えないことが好ましく、さもなければこの関数を見いだす過程における数個のパラメーターの混合が得られ、これは非常に複雑化しかつ誤り勝ちにする。fnを見いだす過程中に、独立変数及びfnの出力のみが変化し、かつその他のパラメーターは含まないことが好ましい。
−基準印刷出力は、例えば水平方向で、感熱印刷ヘッド(又は感熱媒体の運動方向)の走査方向に沿ったゾーンに分割される。各ゾーンは、複数の印刷された画素ラインを含み、ラインの数は微小濃度測定がかかるゾーンにおいて可能であるように十分に大きい。基準温度

0036

0037

が変化しないであろう良好な近似を作ることができるように、ライン数は多すぎないことが好ましい。実時間において、このゾーンを印刷するとき、センサー出力を記録し、ラインについて基準温度

0038

0039

事前計算許すことが好ましい。基準印刷出力が作られた後、各ゾーンについて、基準温度

0040

0041

が知られる。
−各ゾーンに対して、一定又は定常状態の量の熱エネルギーEn又は一定の励起時間tnが使用される。
−過程内に別のパラメーターが含まれる場合は、これらはゾーン毎に記録されることが好ましい。
−基準印刷出力は、種々の値のEn又はtnを含みかつ必要なら多数回繰り返される数個のゾーンよりなり、このため、或る範囲のEn又はtnの種々の値及び

0042

0043

の種々の値が得られるであろう。事実、種々の値にヒートシンク温度

0044

0045

使用可能な作動境界まで)を持つために、基準印刷出力を非常に長くすることができる。
−各ゾーンのパターンは、グラフィック評価関数dnの容易な抽出が簡単かつ確実な種類のものであることが好ましい。
−印刷過程は、励起重みを連続的に変えたときグラフィック出力に不連続な飛躍を与えないモノトーンスライサーで行われることが好ましい(モノトーンスライサーの構築については特許文献11を参照)。

0046

基準印刷出力の実験又は印刷が完了すると、関数fnを記述している大量のデータ対が得られる。ゾーン番号をx軸に、グラフィック評価パラメーターdnをy軸にしたグラフを作ることができる。ゾーン番号の連続関数であるようにEn又はtnが選ばれたとき、dnの連続曲線が見いだされるであろう。多くの場合、これはどちらかと言えば直線的な曲線である(特に線形スライサーアルゴリズムが使われたとき)。次いで、幾つかの未知定数を含むがfn関数の正確な近似を与える見込みのある多項式関数を選ぶことができるであろう。例示関数は次の通りである。

0047

0048

定数は未知であるが、例えば先の過程から得られたデータについての多パラメーター適合方法を用いて容易に抽出することができる。

0049

結果は、例えば、適合された曲線と測定データとの比較により図解的に検査することができる。適合が達成されない場合は、T又はEの追加値を追加しなければならない。しかし、熱システムの性質は、多くの場合、モデルと測定テータとの間の非常に良好な適合が見られるようなものである。関数f又はfnが知られると、ラインにおいて印刷するときの温度補償を作るために、数学的モデルを容易に利用することができる。或る特定時における各ニブについてのTrefが知られる。上の式を使用しかつ要求された画素寸法dを与えると、簡単な根発見方法によりE又はtを計算することができる。この方法で、本発明は、正確なヒートシンク補償アルゴリズムを開発する方法を与える。要すれば、画像形成に影響する他の従属パラメーターをこの方法に加えることができる。

0050

本発明は、計算装置を使用する感熱印刷システムの熱的安定状態の印刷特性の数学的モデルを作る方法を提供する。この感熱印刷システムは、複数のエネルギーを出し得るヒーター素子とヒートシンクとを組み込んだ感熱式ヘッドを有する感熱式プリンター、及び感熱複写材料を備える。この方法は以下を含む。
−各がヒーター素子に加えられた異なる安定状態の熱エネルギー量(En)で印刷される数個の印刷領域からなる基準印刷出力を感熱複写材料上に作り、
−グラフィック出力(dn)が熱的定常状態で印刷される各領域のゾーンにおいて測定される数個の印刷領域の各について、ヒートシンクに関する少なくも或る一つのパラメーターの関数のグラフィック出力(dn)の尺度を決定し、
−ヒートシンク温度に関する少なくもパラメーターの関数のグラフィック出力(dn)の尺度と、定常状態の熱エネルギーの量(En)との間の最良適合関係を決定することにより数学的モデルを確立する。

0051

本発明は、複数のエネルギーを出し得るヒーター素子とヒートシンクとを組み込んだ感熱式ヘッドを有する感熱式プリンター、及び感熱複写材料を備えた感熱印刷システムの感熱印刷ヘッドを駆動する方法を提供する。この方法は、
数学的モデルを確立する第1のモードにおいては、
−各がヒーター素子に給送された異なる一定の熱エネルギー量(En)で印刷される数個の印刷領域からなる基準印刷出力を感熱複写材料上に作り、
−グラフィック出力(dn)が熱的定常状態で印刷された各領域のゾーンにおいて測定される数個の印刷領域の各について、ヒートシンク温度に関する少なくも或る一つのパラメーターの関数におけるグラフィック出力(dn)の尺度を決定し、
−グラフィック出力(dn)の尺度と一定の熱エネルギーの量との間の最良の適合関係を決定することにより数学的モデルを確立し、更に
第2のモードにおいて
−複数のエネルギーを出し得るヒーター素子とヒートシンクとを組み込んだ感熱印刷ヘッドを有する感熱式プリンターを備えた感熱印刷システムにより感熱複写材料上に画像を印刷するために、数学的モデルに従って少なくも1個のエネルギーを出し得るヒーター素子に供給すべき熱エネルギー、及びヒートシンク温度に関するパラメーターの現用値を決定する
ことを含む。

0052

本発明による方法においては、感熱式ヘッドは、ライン型感熱式ヘッドとすることができる。

0053

本発明による方法においては、感熱複写材料は、支持及び感熱層を備えることができる。

0054

エネルギーを与えるヒーター素子は数個の層についての既知の熱特性(ki、ci、ρi)を有する多層支持構造上に取り付けることができる。

0055

熱エネルギーは、同等の一定動力(PO)でヒーター素子を励起するために使用される与えられた同等時間(texc)により示すことができる。En=texc*Po
本発明による方法は、基準印刷出力を作る間に、グラフィック出力(dn)を決定するパラメーター(Pi)のロギングを更に含むことができる。パラメーター(Pi)は、感熱式ヘッドによる作られたグラフィック出力(dn)に直接作用する測定可能かつ識別可能なパラメーターとすることができる。パラメーターは、考えられるヒーター素子の位置と結合させることができ、かつ感熱式ヘッドの異なる位置のヒーター素子とは異なるものとすることができる。

0056

本発明による方法は、安定状態のグラフィック出力関数(dn)及び使用されるエネルギー(En又はtexc)を含むデータ表であって、グラフィック出力関数(dn)とその管理していてるパラメーター(En又はtexc)との間の内在している関係を与えるデータ表の確立を含む。表(T)は、グラフィック出力(dn)を決定するパラメーター(Pn)を更に備えることができる。最良の適合関係は、表(T)の曲線適合過程を用いて見いだされる未知係数(a、b、c、d、…)の組により定義されたパラメーターを付け得る関数(f())とすることができる。エネルギーを出し得るヒーター素子は、活性パルスにより明らかに励起されていないときもなお幾らかの熱を作る可能性があり、更に相当時間(texc)は、これが画像形成材料上の同等のグラフィック出力を与えるように修正することができる。

0057

前記基準印刷出力のグラフィック出力(dn)を印刷するための使用されるラインタイム(tline)は、エネルギーレベルが一つの領域から他の領域に変わるとき、グラフィック出力(dn)における小さい過渡相を有するように選ぶことができる。ラインタイム(tline)は、限界ラインタイム

0058

0059

より大きい基準ラインタイム

0060

0061

を持つことができる。

0062

前記基準印刷出力の印刷パターンは、印刷される画素が互いに相互作用しないようにこれを選ぶことができる。

0063

一定量のヒーターエネルギー(En)を有する領域の印刷が数回繰り返される。

0064

印刷領域のライン数は、過渡的なグラフィック出力を示している第1のラインを跨ぐに十分に大きいが、グラフィック出力をパラメーター(Pi)のよく決められた値に割り当て得るには十分に小さいように取ることができる。

0065

限界ラインタイム

0066

0067

は、ヒーター素子の第1の支持層の熱特性に基づいて評価される。ヒーター素子の第1の支持層は、通常のラインタイムと同じオーダーの大きさの拡散時間定数(td)を持つことができる。ヒーター素子の第1の支持層の拡散時間定数(td)は、

0068

0069

として定義され、ここに、aは材料の熱拡散定数、a=ki/ρiciである。

0070

第1の支持層の熱の蓄積の結果としての各ラインの始点における一連オフセット温度の過渡的挙動は、理論的な連鎖により、次の通りモデル化することができる。

0071

0072

ここに、τexc及びτlineは支持層に関する無次元パラメーター、

0073

0074

であり、diは支持層の厚さ、タイムtexcは同等励起時間である。ラインタイム

0075

0076

の適切な選択は、印刷領域を十分に小さく保ちかつその領域に対する安定状態のグラフィック出力の正確な測定を有するために許容し得る許された誤差で、前記連鎖が適切なライン数の中で収束するように取ることができる。

0077

或る領域から他の領域に乗り移ったときのヒーター素子エネルギーの変化(ΔEi)のためのグラフィック出力(dn)の過渡的な挙動が測定され、更に、過渡的な挙動が過渡的な領域のグラフィック特性干渉しないように、小さいライン数に限定されたこの領域を保つために適切な値のラインタイム

0078

0079

を選ぶことができる。

0080

最良の適合関係は、ヒーター素子の励起時間をtexcとしたとき、di=f(texc)により与えられ、この関係は、異なるラインタイムに印刷システムを使用ときは、texcにオフセットΔtexcを加えることにより修正される。Δtexcは、次式を満たす値として見いだされている。

0081

0082

オフセットΔtexcは、実験手段により、グラフィック出力がラインタイム

0083

0084

における印刷出力と同等であるまでΔtの量により励起タイムを変えることにより決定することができる。

0085

グラフィック出力(dn)は、前記感熱複写材料上に再現された画素の、画素中心の或るカラースペクトル濃度を有する画素及び/又は与えられたカラースペクトル濃度を有する周囲により定められた或る寸法を有する画素とすることができる。

0086

本発明による方法において、エネルギー発生ヒーター素子は次のいずれかとすることができる。即ち、
電源から直接的(伝導)又は間接的(容量、誘導高周波)に給電され、ジュール高価による電気的に励起されるヒーター素子
−光又はIRの熱変換過程に基づくヒーター素子
発熱反応薬品生物的又は火薬技術的に制御し得る反応に基づくヒーター素子。

0087

エネルギー発生ヒーター素子は、1個のラインタイム中に多数のエネルギーパルスNにより励起可能である、Nは1に等しいか又は1より大きい。この多数のパルスは、単一のエネルギーパルスとして与えられる相当励起タイムtexcに転換され、感熱複写材料に同等のグラフィック出力(dn)を与える。

0088

本発明は、感熱複写材料上に画像を印刷する感熱式プリンターとともに使用する制御ユニットも提供し、この感熱式プリンターは複数のエネルギー放出可能なヒーター素子を組み込んだ感熱式ヘッドを持っている。制御ユニットは、感熱複写材料上に基準印刷出力を作るために感熱式プリンターの励起を制御するようにされ、前記基準印刷出力は数個の印刷された領域から構成され、感熱式プリンターの励起は、数個の印刷領域の各が、ヒーター素子に供給された異なった一定量の熱エネルギーで印刷されるような励起である。更に、制御ユニットは、グラフィック出力が或る熱状態で印刷される各領域の或るゾーン内で測定された数個の印刷領域の各について、グラフィック出力の測定値を決定するようにされる。そして、更に、制御ユニットは、グラフィック出力の測定値と一定量の熱エネルギーとの間の最も適合した関係を決めることにより、熱的定常状態における印刷特性の数学的的モデルを確立するようにされる。制御ユニットは、更に、この数学的モデルにより、少なくも1個のエネルギー放出可能なヒーター素子に供給すべき熱エネルギーを決めるようにされる。

0089

本発明は、本発明による制御ユニットの設けられた感熱印刷ヘッドも提供する。

0090

本発明は、更に、感熱印刷ヘッドと組み合わせられた計算装置において実行されたとき、本発明の方法のいずれも実行するためのコンピュータープログラム製品を提供する。

0091

本発明は、本発明のコンピュータープログラム製品を記憶する機械読取り可能データ記憶装置も提供する。

0092

本発明のこれら及びその他の特徴、特色及び長所は、例示のために本発明の原理を示す同封図面を参照した以下の詳細な説明より明らかとなるであろう。この説明は例示のためのみに与えられ、本発明の範囲を限定するものではない。引用される図面は、以下、付属図面と呼ぶ。

発明を実施するための最良の形態

0093

本発明は、特定の実施例に関しかつ図面を参照して説明されるであろうが、本発明はこれによっては限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。説明される図面は図式的なものに過ぎずかつこれに限定するものではない。図面において、明瞭にするために幾つかの構成要素の寸法が誇張され縮尺で描かれていない。

0094

用語の説明
明らかにするために、明細書及び特許請求の範囲において利用されている幾つかの特別な用語の意味が使用前に説明される。

0095

オリジナル」は、光学的な濃度、透明、半透明の変化する形式の画像としての情報を含んでいるハードコピー又はソフトコピーである。各オリジナルは、多数の絵の要素、いわゆる画素から構成される。更に、本明細書においては、用語「画素」及び「画素区域」は同等とみなす

0096

更に、本発明により、用語画素は(オリジナルとして知られる)入力画像並びに(例えば印刷出力として、ソフトコピー又はハードコピーにおける)出力画像に関連することができる。

0097

(感熱複写記録材料であり、以後記号mで示される)用語「感熱複写材料」は、感熱性画像化材料及び(感光性で熱的に現像可能な写真材料である)ホトサーモグラフィック(photothermographic)画像化材料の両者を含む。

0098

本明細書の目的のためには、「感熱複写画像化要素」leは、感熱複写材料mの一部分である。

0099

類推して、感熱複写画像化要素leは、(ダイレクト又は間接式)感熱印刷要素とホトサーモグラフィック画像化要素との両者を含む。本明細書においては、用語感熱複写画像化要素leは、殆どの場合、用語画像化要素に短縮されるであろう。

0100

用語「ヒーター素子」(以下記号hmで示される)は、電力供給により活性化されたとき熱を発生するような導電性金属層を意味する。

0101

本明細書においては、ヒーター素子Hnはヒーター材料hmの一部分である。

0102

ヒーター材料の一部分である「ヒーター素子Hn」(ときには「ニブ」として示される)は、通常は、適切な電極の形状により定められる長方形又は正方形の部分である。
プラテン」は、感熱複写材料をヒーター材料に対してしっかりと押し付けるための手段、例えばドラム又はローラーである。

0103

本明細書によれば、ヒーター要素は「感熱印刷システム」の一部分でもあり、このシステムは、更に、電力供給部、データ獲得ユニットプロセッサースイッチングマトリックス、配線などを備える。

0104

「熱拡散過程」は、固体材料における熱エネルギーの(拡散による)移動の過程である。

0105

「熱拡散偏微分方程式PDE」は、固体材料における熱拡散過程を記述する偏微分方程式である。

0106

比熱生産(specific heat production)qn」は、限定された体積の感熱複写材料における比体積発熱量(volumetric specific thermal power generation)[W/m3]である。

0107

「比質量ρ」は、材料の物理的性質であり、単位体積当たりの質量[kg/m3]を意味する.
比熱cは、単位質量当たりかつ温度Tにおける固体材料における単位温度当たりの熱エネルギーを記述している係数cを意味する。[J/kg・K]
「熱伝導率k」は、フーリエの法則q=−k・dT/dxにより定義された固体材料の熱を伝える能力を記述する係数である。kは、例えば[W/((m・k)]で表される。kから異方性材料への拡張は、kをテンソル

0108

0109

に置き換えることにより可能である。この場合は

0110

0111

が保持される。

0112

本明細書においては、「画素出力d」又は「グラフィック出力d」又は短縮して「出力d」は、記録材料上に印刷された画素の数量化であり、この数量化は、濃度、寸法などのような特徴に関して可能である。ニブnの画素出力はdnと示される。

0113

感熱印刷システムの用語「制御可能性」は、画素の位置、近隣画素の存在、環境条件及び印刷過程の過去の熱履歴とは無関係に、画素の出力を物理的に制御する能力を示す。

0114

用語「補償」は、管理されたグラフィック出力を達成するためにヒーター素子に供給すべき熱エネルギーの正確な量を決定する処理を示す。

0115

感熱印刷ヘッド、(いわゆるワンシート感熱印刷の場合の)感熱材料、又は感熱ドナー材料と(いわゆるツーシート感熱印刷の場合の)受入れ材料(又はアクセプター)との組合せ、及び受入れ材料又はドナーアクセプター組合せを感熱印刷ヘッドに関して動かす輸送装置の使用により、モノクロ及びカラーハーフトーンの両者を調製することが知られ、かつ集中的な商業的使用に投じられる(例えば、アグファ・ゲバルトのドライスター(DrystarTM)。以下、本発明による作業方法が完全に明らかにされるであろう。

0116

詳細な説明
本発明は、感熱複写印刷ヘッドにおける高くされたヒートシンク温度の影響だけに集中する。事実、印刷過程は、ヒートシンク内の基準温度Trefに基づいて管理されるであろう。この基準温度Trefに関するヒートシンク温度の偏差は、ヒートシンク内に温度センサーを設置することにより容易に測定できる。xがヒートシンクの長軸に沿って走る座標を表すとすれば、T(x)は、基準温度Trefに関する局所的ヒートシンク温度の偏差を表す。即ち

0117

0118

Tmeasured(x)は、印刷ヘッドのヒートシンクに沿った数個の温度センサーにおいてオンライン記録された温度である。

0119

THSが既知であるときは、位置xにおいてヒーター素子において見いだし得るこの上昇した基準温度を補償するために種々の制御戦略が使用されている。

0120

基板温度は計算手段により見いだすことができ、そして次式に基づいてグラフィック出力との結合がなされる。

0121

0122

ここに、
dグラフィック出力を記述するパラメーター、
THSヒートシンク温度、
texcヒーター素子の励起レベルを表すパラメーター、例えば励起時間。

0123

試験印刷出力を作ることにより関数d=f(THS,texc)が決定される。まず、一定デューティーサイクルでヒーター素子を励起するこよにより印刷ヘッドを定常状態とする。この状況について、ヒートシンク温度THSがプリンターの熱的モデルに基づいて計算される。次いで、1個のプリンターラインにおいて、ヒーター素子に対する種々の励起エネルギーで或るパターンが印刷される。与えられたTHS及び測定されたグラフィック出力d、関数f()を見いだすことができる。

0124

実験により、ヒートシンクからくる潜在熱は、ヒートシンクにおいて作られた熱のように常に同じ固有の発生グラフィック出力を持つことはない。事実、熱は感熱印刷ヘッドに既に存在し、従って感熱複写乳剤にも存在し、グラフィック形成処理非線形的に増加させる傾向がある。

印刷ヘッドのための熱的モデル
印刷ヘッド用の大部分の熱的モデルは、集中定数方法に基づいている。これらモデルは、基調とする微分方程式が異なるので近似でしかない。集中定数モデルにおける抵抗器は感熱印刷ヘッド(TPH)の構造材料片の定常状態の熱抵抗を表す。容量は、構造材料の熱容量を表す。

0125

モーメントについては拡散方程式が使用され、従って集中定数モーメントは使用できない。

0126

本発明の目標は、THPについての「全数学的モデル」を作ることではない。実際の構造により多く依存し、従って、従来のモデル化は不可能である。しかし、考え方は、或る特定の感熱複写材料について有効でかつ不規則なヒートシンク温度を補正するであろうような、校正中に使用される基本的な枠組を与えることである。このモデルに基づいて、或るラインから他のラインへの熱の授受及び潜在熱に対する修正を行うことができる。

制御戦略
図3に示された概略図に基づいてTPHの熱的モデルが作られた。これの理念は、グラフィック出力に向かって特徴付けられた感熱プリンターのための基準印刷状態を定めることである。(例えば濃度情報又は画素寸法とすることができる)グラフィック出力d及びヒートシンク温度THSとニブ励起時間texcとある基本的印刷パラメーターの間の明らかな関係が定められるであろう。この関係を知ることができれば、与えられたTHSの値(センサーを用い測定される)について、基準印刷モードで印刷したとき、前述のグラフィック出力dを与えるように励起時間texcを計算することができる。

0127

基準印刷状態の考えは、多くの制約を含むので極めて重要であり、グラフィック出力におけると同様にプリンターの熱的状態において、両者とも、これが作ることができる。詳細な説明が後で与えられるであろう。事実、基準印刷状態において定めらるとき、幾つかの制約を犯すであろうため、この基準印刷状態で不規則に絵を印刷することは不可能である。通常、基準印刷状態からの偏差は関係d=f(THS,texc)を乱すであろう。このため、基準印刷状態からの偏差ごとに補償を行わねばならない。本発明の目標は、定められた基準印刷計画からの有り得る偏差ごとに各補償計画を定めることではない。このことは、これが感熱印刷ヘッド構造の正確な配置を必要とし、かつ多くの別の特許明細書にも説明されているためである。

基準印刷状態の詳細な説明
基準印刷状態の基本原理
基本的概念は、グラフィック画像形成過程の正確な評価を許しつつ印刷状態を定めることである。

0128

式3: d=f(THS,texc,<その他のパラメーター>)
画像形成過程を特徴付けるためには、印刷装置自体から影響又は撹乱の効果を排除することが好ましい。即ち、
−前の画素印刷によるニブ内の潜在熱の蓄積がニブ温度を上昇させ、従ってTHSに未知の大きさの影響を与える。
−ニブ間に熱の授受があるとき、この授受に敏感な印刷パターンの使用は、この場合も、 ニブ励起時間を未知の大きさで変化させるであろう。

0129

このため、基準印刷状態の理論的定義は次のようにすることができる。
−ニブ温度を基準ヒートシンク温度THSまで再び冷やし得るように画素印刷過程間で無 限時間待つ。
−印刷された画素は、熱の授受効果が全くないように、互いに無限距離にある。
−全ヒートシンクが一様な温度を有することが好ましい。これは、ヒートシンクの良好な対称的加熱を与えつつ、感熱ヘッドのすべてにわたってヒーター素子を励起すべきであ ることを意味する。THSの定義は、感熱ヘッドの全体に沿って取り得るヒートシンク
温度の平均値としてより明らかである。

0130

これらの制約は、THS及びtexcの値の正確な知識を強要するであろう。作られたグラフィック出力について、印刷された画素ごとに、THS及びtexcの対応している値、及び要すればその他の決定用パラメーター(例えば、画像形成層の温度、画像形成層の湿度)を表にまとめることができる。

0131

基準印刷状態の上の定義は、グラフィック出力の作成に非常に長時間を要するため、極めて非実用的である。従って、この定義は、基準印刷状態のより実用的な公式に緩和しなければならない。これは、グラフィックの特徴付けのために使用される方法に基づいて行われる。基本的考えは、グラフィック出力と印刷パラメーターとの間の明確に知られた関係を確立し得ることである(式3)。パラメーターtexcとTHSとは、容認し得る精度で知らねばならない。事実上、或る一つのニブにおける画素の印刷間において無限の時間待つ必要はない。熱は、適切な時間内で感熱ヘッド内で急速に拡散し、ニブ内の潜在熱は、次のラインの印刷時に使用されるTHSに容認し得る誤差を与えつつヘッドの他の部分に広がるであろう。この場合、画素は、グラフィック形成過程に対して無視できる誤差で、数個のセンサーにより測定されたときのTHSで印刷されると仮定することができる。画素の印刷間で待たねばならない時間tlineは、次節において定められる。

0132

画素が互いに無限に離れされた上に定められた基準印刷状態からの陳述は、事実上、大いに緩和することができる。普通は、隣り合っているニブが、texc値の僅かな上昇を導びくことにより、互いに影響するだけであろう。実際的な値は、感熱ヘッドの構造及びヒーター素子の励起方法に強く依存するが、熱の授受がないであろう印刷パターンを決めることは常に可能である。実用的な例は、1個のラインを、又は隣のラインと一緒にラインを印刷するように、互いに十分な間隔を空けられたラインを有するラインパターンであり、これはラインの濃度又は太さへの効果は持たない。この場合、パターンの印刷に使用されかつ対応したグラフィック出力のためのであることが明らかな実際のニブ間の熱の授受はなく、使用されるtexcの値は正確に知られる。

0133

基準印刷状態の実際的な定義を与えるより前に、感熱ヘッドの実際の構造に基づいたラインタイムtlineについての容認し得る値が推定される。

管理された誤差をニブ自体のTHA値に与えるラインタイムtlineの査定
感熱ヘッドの構造は、大部分が材料の異なった層を構成しているシステムに基づく。本解析においては、ヘッド2の熱的構造は1次元構造として考えられる。図4参照。図4に示されるように、感熱ヘッドの層は、例えばガラス層のような支持層20、例えばセラミック層のような支持構造22、及びヒートシンク構造24を備える。

0134

感熱材料10の熱伝導性は、多くの用途において非常に低い。このため、感熱材料10に流入する熱は無視され、すべての熱がヒートシンク24に輸送されるに違いないと仮定する。このとき、この解析は、ニブ領域内に維持された潜在熱についての上方境界を与えるであろう。また、感熱ヘッド2の3次元特性も、その他の空間方向における熱の損失があるであろうときのニブ温度の下方値を与えるであろう。

0135

数層の材料があるときは、常に熱の流れに対して最大の熱抵抗を示す一つの層があるであろう。これは、その拡散時間がその他の構造に関してかなり大きいであろうことを意味する。次節において、拡散の深さdd及び拡散時間tdについてのより多くの背景情報が与えられる。

0136

ゼロに等しい一様な初期温度を有し熱特性ρ、k,cを有する材料を考える。材料の境界はx=0にあり、そしてx方向で正の方向に無限に伸びる。図19参照。時刻t=0において材料の左側の境界(x=0)に温度オフセットT0が加えられる。熱は、緩やかに材料内に侵入し、そしてt=∞において温度はT0に等しい一様な温度となるであろう。

0137

境界値問題が次の1次元熱拡散方程式により説明される。

0138

0139

この特別な事例においては、非特許文献2から知られるように単純な解析的な解が存在する。

0140

0141

x=0において材料に流入する熱フラックスは式6により与えられる。

0142

0143

時刻tの或る瞬間について、同じ材料であるが定常状態量の熱が材料に流入することを考えてx=0において同じ熱フラックスを与える限定された厚さddを有する材料により半空間置換することができる。これは、x=0においてT0から0に行く材料の線形温度プロフィルに相当する。この想像した状況については、熱フラックスは式7に等しいであろう。

0144

0145

式6を式7と等しいと置くと、材料内への熱の侵入深さを表している拡散深さddの式を与える。即ち、

0146

0147

或いは、時間の表示を誘導することができる。即ち

0148

0149

は、この深さに熱が侵入するに要する時間である。

0150

xが侵入深さddに等しいとき、その点における実際の温度は次式で与えられる。

0151

0152

これは仮想例で示されるであろう。アルミニウムヒートシンク24上にある1mmセラミック層22を有する厚膜ヘッド2が考えられる。セラミック層22の上に50μガラスの層20が堆積され、これが発熱材料4のためのキャリヤーである。セラミック22、ガラスキャリヤー20、及びヒートシンク24について拡散時間が計算される(式9:表1)。ヒートシンクについては、ニブラインから温度センサーまでの距離が採用される。

0153

0154

この印刷ヘッドについて使用されたラインタイムは15msより大きかった。これは、考えている時間フレームがガラス層20の拡散時間の数倍であるため、ヒーター素子4を支持しているガラス層20における温度の挙動が重要でないことを意味する。逆に、セラミック層22はどちらかと言えば大きい拡散時間(42.2ms)を有し、通常に作動しているラインタイムと同じオーダーの大きさである。このことは、次のラインにおける新たな画素の印刷の出発時に、セラミック層22における限定された熱伝導のためニブ4内にかなりの潜在熱があるであろうことを意味する。これは、ラインタイムtlineの終わりにニブ4になお存在する温度についての表現を持とうとするこの検討においては非常に不利である。

一定ヒーター素子励起における温度分布についての一般方程式の検討
ヒーター素子において作られる熱は感熱複写材料への極めて限られた損失しかないと仮定する。これは真実ではなく、見いだされる数学的結果は、常に最悪事例の状況を与えるであろう。また、ヒーター素子自体の周囲の材料は、限られた熱容量、及びヒーター素子自体の励起時間と比較して小さい熱拡散時間を有すると仮定する。この場合、図5のモデルは、ヒーター素子の領域が出力Q(t)=Q0[J/s]を有する熱発生器によりモデル化される場合に使用することができる。材料特性ρ、k及びcを有しx=0からx=1にわたっている材料の層についての過渡的な温度分布の表現を見いだすことが試みられる。上に与えられた例においては、これはセラミック層22である。x=1において、温度は計算においてゼロに等しいとする(ヒートシンク領域)。多くの場合、ヒートシンクもまた小さい拡散時間を示し、又は温度センサーの手段により、センサーの表面近くで温度を測定することができる。

0155

この境界値問題は、次の熱拡散方程式により管理される。

0156

0157

例えば非特許文献3のような多くの教科書において説明されるように、変数分離法を使用している解法が見られる。第1段階において、Q(t)は一定関数であってQ0に等しいと仮定する。後で、Q(t)は長さtQの時間限定励起パルスを得るであろう。

0158

この問題の境界条件は次のように公式化することができる。

0159

0160

無限にまでいくtに関する限り、定常状態の解が得られ、関数f(x,t)は、定常状態の解と過渡的な解の和として書かるに相違ない。定常状態の解については、材料を通しての温度分布は、熱フラックスQを与える傾斜を有する直線状である。即ち

0161

0162

この式は式11の解であり、式12の境界条件を満たすことは、容易に証明することができる。

0163

変数分離法により、次の形式の解を探すことができる。

0164

0165

式11に代入し、項を置き換えると次式が得られる。

0166

0167

ここに、mは未知の定数又は定数の組である。

0168

後の式から時間部分を容易に解くことができる。即ち

0169

0170

式15のx部分も容易に解くことができる。即ち

0171

0172

事実上、許されるmの値は数個あるであろう。このため、T(x,t)の一般解は未知の係数の組{Ai,Bi,mi}に基づいて書くことができる。即ち、

0173

0174

未知係数{Ai,Bi,mi},i=1…∞ は境界条件、式12を用いて決定しなければならい。

0175

x=1,T=0における条件を取ると、

0176

0177

tの不規則値に対しては、これは、指数関数の各係数をゼロに取ることによりのみ達成できる。即ち、

0178

0179

これがAiとBiとの間の関係を与える。

0180

0181

これを使用して式18からBiを消去することができる。

0182

0183

さて、式12の第1の境界条件を満たすことが試みられる。

0184

0185

これが次式を与える。

0186

0187

この場合も、tの不規則値については、これはゼロに等しい指数の係数を有することによってのみ達成されるだけである。1個の解はAi=0であるが、これは定常状態の解を与える端部にあり実は探している解ではない。Ai≠0についての解は次の場合にのみ可能である。即ち

0188

0189

これが、未知の定数miに対する境界条件を決める。上の式に対しては解が無限数にある。可能な解は次式のみであろう。

0190

0191

この境界条件により式22を次のように書くことができる。

0192

0193

最後の段階において、式12の最後の境界条件を満たすために係数Aiを探さねばならない。即ち、

0194

0195

関数cos(mix),i=0…∞が、区間[0,1]にわたる直交した関数の組を形成することが確かめられる。次いで、係数Aiを容易に見いだすことができる。

0196

0197

これから、一定の熱フラックスQ0により励起された層の温度のための最終表現が導かれる。

0198

0199

ここに、miは式26で与えられる。

0200

0201

ヒーター素子における温度の表現
値Q0で時間texcの間、励起されたヒーター素子を考えることとする。この時間の後、次のラインタイムt=tlineまで電力が与えられない。熱はすべてがヒートシンクに流れるとすると、ヒーター素子内の温度についての上方境界値が得られる。t=tlineにおいて熱のわずかな部分がまだあることを知ることに関心がある。(潜在熱)。

0202

ヒーター素子の励起は、2個の一定の励起の重なりと見ることができる。図6参照。両方の場合とも、無限の励起があり、従って式30を2回適用することができる。

0203

材料の考えられた層における温度分布は、分離励起による温度分布の和である。これは線形システムであるため、重ね合わせの原理を適用できる。このとき、温度分布は次式のように書くことができる。
t<texcに対して、

0204

0205

及び、t≧texcに対して、

0206

0207

このとき、ヒーター素子温度THEだけが興味の対象となる。これは、x=0と置くことにより見いだすことができる。
t<texcに対して

0208

0209

及び、t≧texcに対して、

0210

0211

t=texcに対しては、式33及び式34が同じ値を与えるであろうことを確かめることができる。t=texcにおいて、最高のヒーター素子温度に達するであろう。

0212

0213

ヒーター素子における潜在熱の蓄積
単純化及び一般化のためには、無次元の時間を導入することが興味深い。このため、式36が推薦される。

0214

0215

ヒーター素子の到達する最高温度は、(式35、式16)を次のように書き直すことができる。

0216

0217

t=tline(これは、新たなライン入力の開始時である)におけるヒーター素子の潜在熱温度は式34を用いて容易に見いだすことができる。

0218

0219

Tmaxに関してTlineの値を考えることが興味ある。

0220

0221

実際的な例に対しては、この比は、τlineの値の増加に対してプロットすることができる。セラミック層から感熱ヘッドへの熱抵抗は、表1に説明されたように考えられる。ヒーター素子の管理計画に基づくスライサーの抽出がなされ、これは、平均励起時間5msで駆動されると仮定された。この場合、τlineの数値を計算することができる(式36)。

0222

0223

異なるラインタイムについて、第2のラインの開始時における温度を計算することができる。図7参照。潜在温度にはかなりの低下があるが、これは、一つの傾向として、tline/texcをできるだけ小さく保ち、印刷機の最高印刷速度を与えることに深く関係する。

0224

計算中、式39からの連鎖が遅い収束速度を示すことが分かった。このため、単にi=0と設定するだけで近似を作ることは不可能である。これを示すために、図7の同じ曲線を或る限定された反復速度で再計算した。図8参照。全く第1項だけを使用して単一の時間定数を有する指数近似を与える。これは、多くも出版物において使用される古典的なRC回路網に事実上対応する。1個の指数曲線が急速な変化領域に対して十分に近似した精度を与えることを明らかに認めることができる。

0225

ここでtlineの定義に入ることができる。事実、その状態からのいかなる偏差も上述の熱的モデルを使用して再計算ができるときは、tlineの各定義はOKである。しかし、モデルが実験的測定値に基づくときは、例えばヒーター素子の温度がまだ確立されていないため、得られた測定値が過渡的な画素寸法と干渉しないことを確認することが重要である。ライン出発時において、ヒーター素子の温度が先行ラインのそれと同じであるときは、常に定常状態の状況に到達する。実際は、これは、熱流のerf()関数の挙動を考えた場合では決してないであろう。このため、実際的な限界は、例えば1%の誤差に置かれる。無限量の同じ画素が励起時間texc及びタインタイムtlineで印刷されるとき、ヒーター素子の温度履歴に対する解析的な表現が構築される。

0226

ライン番号Nにおけるヒーター素子の温度を知るために、過去に印刷されたすべてのラインの寄与alの線形重ね合わせをすることができる。従って、潜在熱は、ラインタイムの増加を伴う式39の和として容易に書くことができる。

0227

0228

ここに、TlineNは、周期的な印刷業務がライン0において出発する場合のラインNにおけるヒーター素子の出発温度である。Nの値の増加のために、TlineNは、上の和における大きいj値に対する寄与が大きく落ちたときに収束するであろう。これは、図7の数値例に基づいて示される。t/texc=2,4,8,及び16に対して、多数のラインのために式42を使用して過渡応答が計算された。図9参照。短いラインタイムについてはヒーター素子における深刻な温度蓄積が起こり得ることが注目される。t/texc=2では、潜在温度は、Tmax(活動的印刷期間においてヒーター素子が到達する最大の温度上昇)の1.8倍まで増加する。

0229

大きい比のtline/texcに対しては過渡応答が非常に迅速に安定化することに注意することができる。過渡的な挙動についてのより良い比較のために、曲線は互いに関連した縮尺にされた(図10)。大きいラインタイムに対しては、定常状態に達するためにごく僅かのラインを印刷することだけしか必要でない。

0230

上の理論的な描写は、潜在熱の蓄積によるライン太さの増加を示している測定データを用いて実験的に支援することができる。図11参照。この描写の目的は、ラインタイムに変化により異なる過渡的挙動を示すことである。(図9参照)。
多層構造よりなる実際の印刷ヘッドについてのtlineの定義
前節において、感熱ヘッド構造に存在する重要な熱抵抗によるヒーター素子における熱の蓄積が考えられた。これは、セラミック支持層についての幾つかの計算により示された。市販の感熱式ヘッドは、多くは、例えば、セラミック層により支持されかつアルミニウムのヒートシンクに取り付けられた薄いガラス層の上にに堆積されたヒーター素子のような種々の材料から構成される。かかる状況におけるtlineの定義を考えることとする。

0231

例として、再び表1が取り上げられる。ヒーター素子4は、大きいヒートシンク24に取り付けられた1mmのセラミック層22の上に堆積された50μmのガラス層20の上に堆積される。

0232

0233

この構造について、拡散時間の範囲を見ることができる。これは、ヒーター素子4の励起時間とラインタイムとに関連する。ヒーター素子の支持層20は、拡散時間が比較的小さい。これは、励起期間自体の間に、ガラス層20において定常状態温度に容易に達し得ることを意味する。ガラス層20の目的は、熱障壁を作り、ヒーター素子4における非常に高い温度そのもを与えることである。事実、これがヒーター素子4の第1の目的であり、ヒーター素子4はその表面に接触させらている感熱材料10を熱的に励起しなければならない。

0234

セラミック層22の拡散時間は42msであり、事実上、これはラインタイムより僅かに大きい。ヒーター層4において発生した熱の全部がヒートシンク24に流れると仮定した。実際は、これは真実でないが、当面は、これは極めて良い近似であり、そしてtlineの見いだされた保存値を与えるであろう。ガラス層22は非常に小さい拡散時間しか持っていないため、ガラス層22の頂部で発生した熱Qは、即座に一定のQフラクスをセラミック層22内に導くほど速やかに温度を上げ得るという近似をすることができる。上に確立された理論を用いて、セラミック層22の表面における潜在温度の過渡的な挙動を計算することができる。この計算より、ヒーター素子4の過渡的な熱の挙動と干渉しないグラフィック出力における測定値を作るようにラインタイムにおける下方境界を置くことができる。

0235

ヒートシンク24は多くが良好な熱伝導率を持つが、ヒーター素子4に近い位置(セラミック支持体22の下方)から温度センサーまでの距離が多くの場合大きく、セラミック層22よりかなり長い拡散時間を与える。基準印刷状態の目的は、ヒートシンク24における温度の測定値とヒーター素子4により作られたグラフィック印刷出力dとの間の関係を確立するためのも能力である。このためには、ヒートシンク温度とヒーター素子4の潜在熱との間の正確な関係を持つことが必要である。画素値の周期的な印刷の開始時に過渡的な状況が発生しているときは、ヒーター素子の潜在温度と測定されたヒートシンク温度との間に定常状態関係が作られるまで待つことが重要である。しかし、この場合は、状況はそれほど悪くない。ヒーター素子4からくる熱フラックスQは、全ライン印刷期間にわたって平均されねばならない。これは、或る種のローパスフィルターのような上層作業のためであり、ヒートシンク24はヒーター素子4からくる時間平均された熱を見るだけであろう。

0236

0237

セラミック層22の長い過渡時間を避けるために、tlineはtexcに比して既に大きいので、QHeatSinkは小さくそしてセラミックとアルミニウム(ヒートシンク24)との境界面における一定の温度上昇を与えるであろう。この温度上昇は、ヒートシンク構造について式30を適用したときの式41から、一定の熱フラックスを使用して見積もることができる。

0238

結論として、実際に困難なtlineの定義は、これが感熱ヘッド2の構造に大きく依存するため実際には容易に作ることができない。しかし、技術的観点からは、tlineの以下の計算が極めて容認し得る結果を与えるであろう。

0239

ラインタイムtlineは、置かれた印刷出力の(画素寸法の推定又は光学的な濃度である)グラフィック特性が作られる場所において定常状態の体制にあるであろう印刷出力を与えるように選ばれねばならない。この決定のために、この材料の層は、ニブ励起時間よりかなり大きくかつラインタイムと同じオーダーの大きさを持った拡散時間を有するものがこの過程中に選定される。この層では、texc,τexcから開始して計算することができる(式36)。異なった値のτline(又はtline)について、

0240

0241

を使用すればヒーター素子4における潜在熱の過渡的な挙動を模擬することができ、かつ過渡期間との干渉なしにグラフィックシステムにおいて測定を行うようにtlineを選ぶことができる。同じ大きさを有する多くの熱拡散時定数がある場合は、1個は、過渡状態があるであろうライン数を推定するために数値シミュレーションを参照し、又は幾つかの実験的印刷出力を作りそしてこれを手操作調査しなければならない。われわれの意見では、数個のラインしか取らないであろうグラフィック出力に過渡状態があるようにtlineを選ぶことが最良である。即ち、そのTlineは、例えば5ライン以下において95%に置かねばならない。必要な場合、ヒートシンクへの一定時間平均のエネルギーフラックスに基づいて測定されたヒートシンク温度に補正を行うことができる(式30及び式41参照)。

0242

texcとは別に、電気的駆動回路の限界のためヒーター素子4に少ないエネルギーが与えられることにも注意すべきである。少ないエネルギーの供給される期間がtexcと比較して大きくなることがあり、最終的にはヒーター素子4で作られるQ全体の値に幾らか重要な影響を与える。

基準印刷状態の実際的な定義
基準印刷状態及びこれに伴う基準印刷出力は、以下の制限の下で作られる。
−ラインタイムtlineは、節「管理された誤差をニブ自体のTHA値に与えるライン
タイムtlineの査定]及び「多層構造よりなる実際の印刷ヘッドについてのtli
neの定義」から理論に基づいて計算された時間より大きくすべきである。
−印刷パターンは、グラフィック出力(例えば十分な間隔を有するラインパターン)内に ある画像データ間に熱の授受がなく、更にグラフィック画像が、必要な測定技術、例え ばマクロ又はミクロデンシトメトリーによるグラフィック出力を特徴付けることを許 すように注意深く選ぶべきである。
−印刷過程中、式3からの主題であるグラフィック出力を定める印刷パラメーターの連続 記録が可能であるべきである。後で、グラフィック出力の各部分を追跡することが可能 であるべきである。印刷状態を容易に追跡できる特別なパターンを印刷することにより 事柄を単純化することができる。
過渡現象のため、このときに使用された励起用パラメーターについて非確実性がある場 合は、グラフィック出力中に小さい過渡領域を持つことが許される。グラフィック出力関数dの測定は、この点においては、texc、THS及びその他のパラメーターのよ
うな励起パラメーターにより正確な関係を確立できないため、これら過渡区域と干渉す べきでない。
−測定されたヒートシンク温度THSは、THSの測定点に近いこれらニブと関係付ける
べきである。また、感熱式ヘッドの全長にわたる基準図の印刷出力を作ることにより感熱式ヘッドの一様な加熱を有することが最良である。

印刷パラメーターに関するグラフィック出力の特性
グラフィック出力関数dの特徴付けに適合しかつ適宜の熱の授受の例であるグラフィック出力パターンと共に、感熱式プリンターの基準印刷状態が定義されたときは、常に数個の印刷出力を作ることができる。校正用印刷出力に使用される印刷パターンの例が図22に示される。この印刷パターンは、感熱印刷ヘッドの第2の方向に沿ったゾーン1からゾーン5、例においては水平方向のゾーンよりなる。各ゾーンは一定値の励起エネルギーEi又は励起時間tiを使用する。印刷されたパターンは垂直方向のラインよりなる。従って、各ゾーンは、マクロデンシトメトリーによるグラフィック出力d(濃度又は画素寸法)の直接測定を許し、例えば図22のラインパターンのようなパターンを感熱媒体上に作る複数の画素の線を備える。

0243

印刷過程中、グラフィック出力をを定めている数個のパラメーターが記録される(式3)。通常は、これは、印刷装置標準ファームウエアでは明らかでなく、特別なファームウエアバージョンを必要とする。これが、以下、明らかにされるであろう。

0244

目的は、式3につていての明確な関係を確立することである。

0245

式3: d=f(THS,texc,<その他のパラメーター>)
「明確な関係」は、以下を意味する。
−THS、texc及びあるならば別のパラメーター又は複数の別のパラメーターの不規
則な組合せについて(グラフィック出力を表す)dの値を与える数値表。しかし、この 関係は転換可能でなければならない。d並びに1個を除いてその他のすべてのパラメー ターが与えられたときは、そのパラメーターは、希望値のdを与えるために常に追跡可 能でなければならない。例:THS、d及びその他のパラメーターが知られるときにt excを見いだす。
近似関数、例えば定義可能な係数を有する多項式、スプライン関数、パラメーター付き超越関数、又は多くは統計原理に基づいた最新の数値近似技法を使用して決定し得る上 述の諸関数の組合せのシステム。

0246

この明確な関係を正確に説明できるように、広範囲の記録及びグラフィック出力を定めている数個のパラメーターの組合せの多くの組が必要である。例えば、印刷出力中に決して達成できないTHSの値についてのdとTHSとの間の関係を見積もることは不可能である。THSが、例えば15℃から45℃の範囲にあると定義されたときは、この全温度範囲についてのグラフィック記録を持つことが重要であり、これは必要ならば外部手段(例えば加熱器)により誘発される。

0247

また、印刷中、texcの範囲が与えられとする。もし一定値のtexcだけで印刷するならば、式3のtexcに関する静的な情報は大きな価値のあるものではないであろう。従って、異なる値のヒーター素子励起時間texc又はエネルギーの使用を許すようにプリンターのファームウエアを変更すべきである。これは、或る範囲のグラフィック出力のdと静的に結び付け得る或る範囲のtexc値を与える。同時に、これは、別のパラメーターの値の変化範囲と同様にリンクすべきであり、これがdとパラメーターTHS、texc…との間の相関を改良する。

0248

これは実際的な例により示されるであろう。プリンターのファームウエアは、ラインパターンの印刷時にtexcの有用な値を得るように変更された。各100ラインに対して、texcは一定に維持され次いで新しい値に変えられる。図12。印刷されているパターンには、新しいtexc値でのゾーンの始まりを示す幾つかの情報がある。プリンターは、8ビット解像度を有する励起時間で各ヒーター素子4を励起した。グラフィック出力はtexc値に関して線形化されたと仮定された。これは、texc値の単調な上昇に対して、グラフィック出力も線形である必要はないが単調に挙動することを意味する。

0249

texcごとに約100ラインが印刷される印刷出力を作っているとき、ヒートシンク温度はゆっくりと上昇するであろう。この温度もまた同様に記録される。図13参照。

0250

グラフィック出力の特徴付けについては、この場合はグラフィックな応用を論ずるので画素寸法に重点が置かれている。パターン1000100010001000…を使用して垂直方向ラインのパターンが印刷された。ヒーター素子4に対しては、図14に示されるように、1はヒーター素子の励起されていることを、0は励起なしを意味している。励起されたニブが互いに分離された4個であるとき、使用された印刷装置については熱の授受は観察されなかった、
画素寸法を表現するパターンとしてラインの太さが取られた。微小な光学的濃度値とライン太さとの間の関係は次式で与えられる。

0251

0252

前述のように、一定のtexc値で約100個のラインが印刷された。図15参照。最初の数個のライン中は、ヒーター素子自体における潜在熱の変化(この値はラインタイムの適切な選択(100ms)により無視することができる)が小さいため過渡的な現象はないであろう。マクロ濃度計を使用してラインパターンの光学的濃度が測定され、そして式42を使用してd値が算出される。図16参照。

0253

この実験では、例えば写真乳剤像の湿度のような別のパラメーターは考慮されなかったが、これが本技術の熟練者のなし得ることは言うまでもない。

0254

式3における関数fに対する多項式近似を使用することが決定された。これは印刷ヘッドのすべてのニブについて同じである。

0255

0256

この式は、例えば、この例においては最小二乗近似を用いて与えられた適宜適切な手段により決定し得る9個の定数を含む。図17参照。最小二乗近似が使用されるため、THS及びtexcの広範囲の値と混合された広範囲のd値を有することが好ましい。さもなければ、定数の決定の際に、最も頻度の高い値に最も重みが置かれるであろう。この例においては、わずか2個の点が重み255のtexcで印刷されただけである。この点に対する最小二乗誤差最小二乗の総和には大きく影響せず、従って図17において番号250の領域について注意されるように、この近似法は、これらの点に対してはより大きい誤差を許すであろう。

0257

非常に小さい値のtexcに対しては、ヒーター素子のエネルギーが小さすぎるためグラフィック出力を作ることができない。これは、小さい値のtexcへの式43からの外挿がdについて非実際的な値を与えるであろうことを意味する。しかし、実際は、これは、dがグラフィック過程により強制されて常に可視領域内にあるであろうため問題ない。より大きい問題は、THSの範囲について強制されることである。図13より気が付かれるように、実験中、温度範囲は20℃から36℃になる。この領域を越えると、式43が正確に働くであろうことが確かでない。このため、全作動温度範囲カバーされるまで何回も実験を繰り返さねばならない。これは、式43の係数を見いだすための一つの適合過程において使用される多量の測定データを与えるであろう。

0258

適合過程が、すべての点に対して良好な近似を与えるように誤ったときは、これは以下の幾つかの事柄を意味する。
−近似関数の形式が誤りであり、例えば非線形画像形成過程を正確にモデル化するには多項式次数が小さすぎる。
−プリンターの基準印刷状態が、定数texcの各領域における非常に多数のラインに亙
って伸びる過渡現象を示す。これは、一貫しない測定データを与え(texcの増加又 は現象に依存して同じtexc値に対するd値が異なる)、良好な相互適合を不可能と する。
−ヒーター素子に送られる電気波形によるtexc値に関するルックアップ表における誤 差のため、texcとtとの間の関係が不連続である。

基準印刷状態から逸れた状態下での印刷のための補償計画の構築
基準印刷計画に対する第1の条件は、texcがずれたときに、ヒーター素子が再び低温になることを許し、これにより数個のリブ間における熱の授受を防止するための長めのラインタイムtlineである。

0259

この瞬間から補償がなされる。これは、使用すべきtexcの値が次式により与えられることを意味する。

0260

0261

この式は、潜在熱及び熱の授受からくる熱が励起時間ドメインに直接割り当て得ることを仮定する。強度の非線形グラフィック形成材料に対しては、潜在熱部分が、励起時間ドメイン内ではなくてヒートシンク温度ドメイン内のモーメントで機能している上式におけるTHSについての補正を与えることが可能である。

0262

熱の授受はヘッドの物理的構造に強く依存するため、ここではその発生は討議されない。熱の授受効果は短い時間枠においてのみ内在し、時間励起ドメイン内で直接扱うことができる。熱の授受効果は、ここでは直接効果であると考えられ、即ち印刷された画素は互いに同時に影響を及ぼす。画素は、後のライン上の画素の近傍における潜在熱も作る。これは、熱の授受としてではなくて潜在熱の特別の形式として関係する。

0263

潜在熱に関しては、実際の印刷過程では、ラインタイムをできるだけ短く保持することから補正がなされる。ヒーター素子において発生した熱は、ヒーター素子が次のライン印刷において励起されるときより前には消滅しないであろう。

変更されたラインタイムにより発生した潜在熱
基準出力については、グラフィック印刷過程は常に次の関係を特徴とする。

0264

式3: d=f(THS,texc,<その他のパラメーター>)
この関係がラインタイムの変化の際にいかに変わるであろうかを知ることが興味ある。式の静的な偏差のみが探索されるであろう。これは、基準印刷出力の一般的な制約の下で上式への補正が試みられることを意味する。

0265

texcの補正について、大きいtline値を補償することが捜された。基準モデルがラインタイム

0266

0267

に基づいて作られた場合は、潜在温度は

0268

0269

に等しい各ラインの始点において見いだすことができる。ラインタイムがtlineに変わったとき、潜在温度も値Tlineに変化するであろう。

0270

0271

に等しいTlineを作るために、texcについて、即ちΔtexcについて補正を作らねばならない。この値は式38を使って容易に誘導することができる。

0272

0273

更に単純化して

0274

0275

Δτexcのための閉じた表示(closed expression)は不可能であり、非線形根発見法(例えば、ニュートンラフソン法)を参照しなければならない。tlineより

0276

0277

が小さいときは、Δtexcは負となるであろう。示された例のように、励起時間は、ラインタイム100msに関して計算された。このラインタイム100msに使用される基準励起時間は5msであった。より短いラインタイムに対してニブにおける同じTmaxを得る目的で、結果として定常状態において同じグラフィック出力を得るために、新しい励起時間が計算された。図18参照。画像の過渡的な履歴は異なるであろうが、これを補償するためには、別の補償技法を使用する必要がある。

0278

図20を参照すれば、本発明により使用し得る(アグファ・ゲバルト名義の特許文献13から知られる)感熱印刷装置30の全体的な原理の図解が示される。この装置は、文字leで象徴化されることの多い感熱画像化要素又は(単に)画像化要素を備えている感熱複写記録材料mの上に画素のラインを印刷することができる。画像化要素leは感熱複写記録材料mの部分であるため、本明細書においては、この両者を共通の符号10で示す。感熱複写記録材料mは、支持体上に感熱複写層を備え、かつ一般にシート状である。画像化要素10は駆動機構(図示せず)により駆動される回転可能なプラテン又はドラム12に取り付けられ、この駆動機構はドラム12を連続的に前進させ(いわゆる副走査方向38を表している矢印Yを参照)、そして画像化要素10は静止している感熱印刷ヘッド2を通過する。このヘッド2は、画像化要素10をドラム12に対して押し付け、そして(明瞭化のため図20には図示されない)駆動回路の出力を受け取る。感熱印刷ヘッド2は、通常は、ラインメモリ内にある画像データにおける画素の数と等しい数の複数個のヒーター素子4を備える。ヒーター素子4の画像状の加熱が(副走査方向Yに直角の、いわゆる主走査方向Xに沿って)ラインごとに行われる。「ライン」は、互いに幾何学的に併置されたヒーター素子4の加熱用抵抗体を有しかつ出力濃度を逐次構成するプリンターの仕様に依存して水平方向又は垂直方向とすることができる。これら抵抗体の各は、加熱用パルスにより励起させることができ、そのエネルギーは対応した画素の所要濃度に従って制御される。画像入力データ32が高い値を有するときは、出力エネルギー、従って画像化要素10上のハードコピーの画像34の光学的濃度が増加する。逆に、低濃度画像データ32はヒーターエネルギーを減少させて、より薄い絵34を与える。

0279

ヒーター素子4の活性化は、パルス状に、好ましくはデジタル電子装置により実行されることが好ましい。前記ヒーター素子の活性化までの幾つかの段階が図20、及び図21活性化装置39に示される。まず、処理ユニット36に入力画像データ32が加えられる。処理後、デジタル画像信号の順次変換(図示せず)と並行して、ビットの直列データの流れが(逐次入力線40を経て)シフトレジスター42内に送られ、印刷すべきデータの次のラインを表現する。その後、ラッチ可能化線44の制御下で、これらのビットが、ラッチレジスター46の組み合わせられた入力と並行に供給される。シフトレジスター42からのデータのビットがラッチレジスター46に記憶されると、他のラインのビットを前記シフトレジスター42内に順次クロックすることができる(文献48を参照)。ストロボ信号50が、ANDゲート52を制御し、そしてデータをラッチングレジスター46から、ヒーター素子56に接続されているドライバー54に送る。これらドライバー54(例えば、トランジスター)は、電流を、これらと組み合わせられたヒーター素子56を通過して流すために制御信号により選択的に通電状態にされる。

0280

記録用ヘッド又は印刷ヘッド2は、処理されたデジタル画像信号の値に対応する濃度値を各画素において作るように制御される。この方法で、電気的画像データの感熱ハードコピー34が記録される。各ヒーター素子によりキャリヤーに加えられる熱を変えることにより、種々の濃度の画像画素が形成される。このため、感熱印刷装置30には制御ユニット38が設けられる。制御ユニット38は、計算装置、例えばマイコンとなし得るマイクロプロセッサーを備えることができる。特に、これは、プログラム可能プリンター制御器、例えばプログラム可能アレイ倫理(PAL)、プログラム可能倫理配列、プログラム可能ゲートアレイ、特にフィールドプログラマブルゲートアレイFPGA)のようなプログラム可能デジタル論理素子を備えることができる。FPGAの使用は、例えばFPGAの所要の設定をダウンロードすることにより、印刷装置の続いたプログラム化を許す。この制御ユニット38は、まず感熱複写材料10上に基準印刷出力を作ることにより数学的モデルを確立するようにすることができ、前記基準印刷出力は数個の印刷領域34からなり、その数個の印刷領域34の各はヒーター素子4に供給された異なる一定量の熱エネルギーEiで印刷されており、その後でグラフィック出力diが熱的定常状態で印刷された各領域のゾーン内で測定され数個の印刷領域34の各についてのグラフィック出力diの尺度を決定し、そしてグラフィック出力diの尺度と一定量の熱エネルギーとの間の最も適合した関係を決定することにより数学的モデルを確立するようにすることができる。更に、制御ユニット38は、複数のエネルギー供給可能なヒーター素子4を組み込んだ感熱印刷ヘッド2を有する感熱式プリンターを備えた感熱印刷システムを使用して感熱複写材料10上に画像を印刷するための数学的モデルに従って少なくも1個のエネルギー供給可能なヒーター素子4に供給すべき熱エネルギーを決定するようにさせることができる。

0281

ここに、本発明による装置について好ましい実施例が説明されたが、本発明の範囲及び精神から離れることなく形式及び詳細における変化又は変更を行うことができる。例えば、ヒーター素子は、ジュール熱に基づく電気的に励起されるヒーター素子であって、電源から直接(電気伝導)又は間接(容量、誘導又は高周波)に供給されるとすることができる。或いは、ヒーター素子は、熱に変換される光又はIRに基づくとすることができる。なお別の実施例においては、ヒーター素子は、発熱薬品、管理可能な生物学的又は爆発物反応に基づくことができる。

図面の簡単な説明

0282

ヒーター素子のある区域及びゴムローラーによりこの区域に押し付けられている感熱複写材料を示している感熱印刷システムの例を示す。
ヒーター素子内で作られた熱エネルギーから出発している感熱式ヘッドにおける熱収支のサンキー線図。
グラフィック出力過程に関する非線形関係を扱い得る感熱印刷ヘッドのための熱的モデルの構成を定めている概略図。
典型的な感熱式ヘッド構造の断面。感熱材料及びゴム案内支持具も加えられている。
材料内の温度分布のための式を誘導するために使用されるモデルの断面。
動力QOを有するヒーター素子励起が、異なる時刻から出発しかつ異なる符号を有する2個の無限動力励起の重なりとして見ることができる事実の図解。
励起時間に関して増加しているラインタイムにおいて、1mmセラミック層の熱抵抗によるヒーター素子における算出された温度。
加算における第1項のみが比Tline/Tmaxの計算に使用された場合の式39の限定された収束率の例。
前のラインから与えられた潜在熱によりライン数が印刷された状態におけるヒーター素子温度の一時的増加。ラインタイムはニブ励起時間の2、48及び16倍に等しい。
異なるラインタイム(Tline/Texc=1,4,8及び16)についてのヒーター素子領域における潜在温度の過渡的な挙動。
種々のラインタイムに対するライン太さの増加を示している実験結果。このラインは、ライン1において感熱式ヘッドにおける温度オフセットのため異なる太さで出発している点に注意。
ヒーター素子の励起に使用される数個の励起値の例。
texcの考えられた異なる値ごとに記録されたヒートシンク温度。2個の印刷出力が前後して作られ、温度暴露時間についての説明を与えている。
関係式d=f(texc,THS、…)を得るために印刷されているラインパターンの拡大図。ドットピッチはプリンター解像力τの4倍に等しい。
全グラフィック過程を特徴付けかつTHSとtexcとの関連を確立するために印刷されたラインパターンの図。各領域について、texcが一定に保たれ、THSの平均値が記録された。
tの値の変化及びヒートシンク温度のTHSの上昇に対して測定された画素寸法。2度のプロット結果が追加され、実験中、定常的に上昇しているTHSの影響を明らかに示している(図13も参照のこと)。
式43からの説明を使用して算出された点が、オリジナルの測定されたdの値の上にプロットされ、オリジナルのデータとの良好な近似を示している。
100msラインタイムの印刷出力に関して同じ定常状態のグラフィック出力を得るために、ラインタイムの値を変化させるために修正された励起時間。
x=0、t=0において一定温度を適用したときの無限材料内の温度分布。3例の時間について、材料内の温度分布が与えられる。漸近している直線が

0283

0284

においてx軸と交差する。

0285

ダイレクト式感熱プリンターの幾つかの基本的機能を示す。

0286

抵抗ヒートシンク素子を備えた感熱印刷ヘッドの制御回路を示す。

0287

本発明による校正印刷出力に使用される印刷パターンを示し、この印刷パターンは水平ゾーンより構成され、各ゾーンは励起エネルギーEi又は定期時間tiのために一定値を使用している。

符号の説明

0288

2感熱印刷ヘッド
4ヒーター素子
6断熱支持部
8 保護層
10感熱材料
12 ローラーシステム

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