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技術 車両の制御装置および制御方法

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 田端淳
出願日 2002年12月12日 (18年0ヶ月経過) 出願番号 2002-361035
公開日 2004年7月8日 (16年5ヶ月経過) 公開番号 2004-194456
状態 特許登録済
技術分野 車両の推進装置の配置・取付け 駆動装置の関連制御 ハイブリッド電気車両 駆動装置の関連制御、車両の運動制御 車両用機関または特定用途機関の制御 内燃機関に供給する空気・燃料の電気的制御 伝動装置(歯車、巻掛け、摩擦)の制御 車両の電気的な推進・制動 車両の電気的な推進・制動
主要キーワード エネルギ効率的 変更特性 消費エネルギ量 燃料エネルギ エネルギロス AT信号 回生エネルギ量 ガソリン量
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

車両の運転状態に応じて最適にエネルギ効率を向上させる。

解決手段

ECT_ECU400は、車両が被駆動状態走行する時に、回生発電優先モードフューエルカット優先モードとを切り替えて車両を制御する。ECT_ECU400は、車両の運転状態を検知する検知回路と、検知された車両状態に対応する2つのモードのエネルギ効率に基づいて、よりエネルギ効率の有利なモードを選択する回路と、選択されたモードにおけるエネルギ効率がさらに向上するように、自動変速機300のダウンシフト変速線を変更する回路とを含む。

概要

背景

車両が減速されるときに、たとえばハイブリッド車においては、車両の運動エネルギ電気エネルギとして回収する回生発電が行なわれる。車両の減速時にエンジンブレーキの効きをよくすると、車両の運動エネルギがエンジンブレーキにより消失され、有効に回生発電を行なうことができない。さらに、車両の減速時には、エンジンへの燃料の供給を止めてしまうフューエルカットが実行されることがある。

概要

車両の運転状態に応じて最適にエネルギ効率を向上させる。ECT_ECU400は、車両が被駆動状態走行する時に、回生発電優先モードフューエルカット優先モードとを切り替えて車両を制御する。ECT_ECU400は、車両の運転状態を検知する検知回路と、検知された車両状態に対応する2つのモードのエネルギ効率に基づいて、よりエネルギ効率の有利なモードを選択する回路と、選択されたモードにおけるエネルギ効率がさらに向上するように、自動変速機300のダウンシフト変速線を変更する回路とを含む。

目的

本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、車両の運転状態に応じて最適にエネルギ効率を向上できる、車両の制御装置および制御方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
5件

この技術が所属する分野

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請求項1

車両が被駆動状態走行する時に複数の制御モードを切り替えて前記車両を制御する制御装置であって、前記車両の運転状態を検知するための検知手段と、前記検知された車両状態に対応する、前記複数のモードにおけるエネルギ効率に基づいて、前記複数のモードの中の1のモードを選択するための選択手段とを含む、制御装置。

請求項2

前記車両は、駆動輪からの動力を伝達可能に設けられた電動機を有し、前記複数のモードの1つとして、他のモードよりも優先的に前記電動機による電力回生を実行させる回生優先モードを備える、請求項1に記載の制御装置。

請求項3

前記車両がエンジンを有し、前記複数のモードの1つとして、他のモードよりも優先的に前記エンジンのフューエルカットを実行させるフューエルカット優先モードを備える、請求項1に記載の制御装置。

請求項4

前記制御装置は、前記選択手段により回生優先モードが選択されると、前記車両の変速機におけるより小さな変速比が使用される領域が拡大するように、前記変速機の変速線を変更するための変更手段をさらに含む、請求項2に記載の制御装置。

請求項5

前記制御装置は、前記選択手段によりフューエルカット優先モードが選択されると、前記車両の変速機におけるより大きな変速比が使用される領域が拡大するように、前記変速機の変速線を変更するための変更手段をさらに含む、請求項3に記載の制御装置。

請求項6

前記検知手段は、前記設定された減速度、バッテリの状態およびフューエルカットの実行可能性の少なくともいずれかに基づいて、前記車両の運転状態を検知するための手段を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の制御装置。

請求項7

車両が被駆動状態で走行する時に複数の制御モードを切り替えて車両を制御する制御方法であって、前記車両の運転状態を検知する検知ステップと、前記検知された車両状態に対応する、前記複数のモードにおけるエネルギ効率に基づいて、前記複数のモードの中の1のモードを選択する選択ステップとを含む、制御方法。

請求項8

前記車両は、駆動輪からの動力を伝達可能に設けられた電動機を有し、前記複数のモードの1つとして、他のモードよりも優先的に前記電動機による電力回生を実行させる回生優先モードを備える、請求項7に記載の制御方法。

請求項9

前記車両がエンジンを有し、前記複数のモードの1つとして、他のモードよりも優先的に前記エンジンのフューエルカットを実行させるフューエルカット優先モードを備える、請求項7に記載の制御方法。

請求項10

前記制御方法は、前記選択ステップにて回生優先モードが選択されると、前記車両の変速機におけるより小さな変速比が使用される領域が拡大するように、前記変速機の変速線を変更する変更ステップをさらに含む、請求項8に記載の制御方法。

請求項11

前記制御方法は、前記選択ステップにてフューエルカット優先モードが選択されると、前記車両の変速機におけるより大きな変速比が使用される領域が拡大するように、前記変速機の変速線を変更する変更ステップをさらに含む、請求項9に記載の制御方法。

請求項12

前記検知ステップは、前記設定された減速度、バッテリの状態およびフューエルカットの実行可能性の少なくともいずれかに基づいて、前記車両の運転状態を検知するステップを含む、請求項7〜11のいずれかに記載の制御方法。

技術分野

0001

本発明は、車両の減速時に実行される制御技術に関し、特に、車両の運動エネルギ回収する回生技術と、車両のエンジンへの燃料供給中止するフューエルカット技術とに関する。

0002

車両が減速されるときに、たとえばハイブリッド車においては、車両の運動エネルギを電気エネルギとして回収する回生発電が行なわれる。車両の減速時にエンジンブレーキの効きをよくすると、車両の運動エネルギがエンジンブレーキにより消失され、有効に回生発電を行なうことができない。さらに、車両の減速時には、エンジンへの燃料の供給を止めてしまうフューエルカットが実行されることがある。

0003

特開平9−9415号公報(特許文献1)は、制動時のエンジンブレーキを小さくして回生電力を増大させ、高負荷時の電動機によるエンジンの補完を有効に行なうハイブリッド車両を開示する。

0004

この特許文献1に開示されたハイブリッド車両は、エンジンと電動機とを備え、少なくとも一方の動力出力軸に伝達するとともに、エンジンと出力軸との間に配設された多段自動変速機を介して変速を行なうハイブリッド車両において、電動機に電力を供給する一方、発電機としての電動機から回生電力の返還を受ける電源と、車両本体の回生制動時に、多段自動変速機のギヤ比を決定する変速点を、高速段領域が拡大される方向に移動させる制御回路とを含む。

0005

このハイブリッド車両によると、エンジンと電動機とはその出力軸を共通としている。したがって、たとえば、制動時の出力軸の回転は、エンジンおよび電動機に伝達される。このうち電動機に伝達された出力軸の回転は、電動機を回転させて回生電力を発生させる。この回生電力は、電源に返還されて有効に備蓄される。一方、出力軸の回転のうち、エンジンに伝達されるものは、エンジンブレーキとして失われる。すなわち、制動時に車両本体がもっていた運動エネルギは、一部、回生電力として有効に電源に備蓄され、一部、エンジンブレーキによって消失される。エンジンブレーキによって消費されるエネルギが多いとその分回生電力が少なくなる。エンジンブレーキは、一般に、エンジンの回転数が高い程、大きくなる。したがって、例えば自動変速機が複数のギヤ比を有する場合、制動時の出力軸の回転が同じときには、自動変速機のギヤ比が小さいほど、エンジンの回転数が高くなり、大きなエンジンブレーキが作用する。大きなエンジンブレーキによっては多くのエネルギが消費される。制動時には、多段自動変速機のギヤ比を決定する変速点を、小さなギヤ比が使用される領域が拡大される方向に移動させる。これにより、エンジンの回転数を低めにし、エンジンブレーキによって消費されるエネルギを低減させる。これにより、その分、回生電力を増大させて、電源に備蓄される電力が増加される。すなわち、制動時の車両のもっていた運動エネルギについて、消費される部分を少なくして、その分備蓄に回るエネルギを増やすことができる。

背景技術

0006

【特許文献1】
特開平9−9415号公報

0007

しかしながら、エネルギ効率を向上させる点では、この回生発電によるエネルギ回収の他に、制動時にエンジンへの燃料供給を中止するフューエルカットが有効である。このフューエルカットは、エンジンの回転数が高い方が、フューエルカットの実行時間がより長くなるので、ギヤ比は小さい方がよい。特許文献1に開示された発明は、このフューエルカットによるエネルギ効率の向上を考慮していないので、単に回生発電によるエネルギ効率の向上しか達成できない。そのため、車両の運転状態によっては、フューエルカットによるエネルギ効率の向上が、回生発電によるエネルギ効率の向上よりも、その効果が大きい場合であっても、回生発電によるエネルギ効率の向上しか実現し得ない。

発明が解決しようとする課題

0008

本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、車両の運転状態に応じて最適にエネルギ効率を向上できる、車両の制御装置および制御方法を提供することである。

0009

第1の発明に係る制御装置は、車両が被駆動状態走行する時に複数の制御モードを切り替えて車両を制御する。この制御装置は、車両の運転状態を検知するための検知手段と、検知された車両状態に対応する、複数のモードにおけるエネルギ効率に基づいて、複数のモードの中の1のモードを選択するための選択手段とを含む。

0010

第1の発明によると、この制御装置により制御される車両は、被駆動状態で走行するときに、複数のモードを切り替えて走行する。このモードとして、被駆動状態であることから、たとえば、駆動輪の回転を用いて回生発電することを優先させる回生優先モードと、エンジンへの燃料供給を中止することを優先させるフューエルカット優先モードとを設定する。この回生優先モードの場合には、できるだけエンジンブレーキを効かさないで車両の運動エネルギをできるだけ多く回収させることが好ましいので変速機のより小さい変速比を使用することが好ましい。一方、このフューエルカット優先モードの場合には、できるだけエンジン回転数を低下させないで(アイドル回転数以下まで低下するとエンジンストール防止のためにフューエルカットから復帰)フューエルカット時間を延ばして燃料エネルギをできるだけ使わないことが好ましいので変速機のより大きい変速比を使用することが好ましい。このように相反するギヤ比の設定になるので、選択手段は、これらの各モードにおけるエネルギ効率に基づいて、最もエネルギ効率が向上する1つのモードを選択する。その結果、車両の運転状態に応じて最適にエネルギ効率を向上できる車両の制御装置を提供することができる。

0011

第2の発明に係る制御装置は、第1の発明の構成に加えて、複数のモードの1つとして、他のモードよりも優先的に電動機による電力回生を実行させる回生優先モードを備えるものである。

0012

第2の発明によると、車両は、駆動輪からの動力を伝達可能に設けられた電動機を有し、その電動機を発電機として使用して電力回生を実行することを他のモードよりも優先的に実行させる回生優先モードがモードの1つとして、制御装置に設定される。推定された回生優先モードのエネルギ効率が他のモードのエネルギ効率よりも高いと、電動機を発電機として使用して電力回生を積極的に実行する。

0013

第3の発明に係る制御装置は、第1の発明の構成に加えて、複数のモードの1つとして、他のモードよりも優先的にエンジンのフューエルカットを実行させるフューエルカット優先モードを備えるものである。

0014

第3の発明によると、車両がエンジンを有し、そのエンジンへの燃料供給を中止することを他のモードよりも優先的に実行させるフューエルカットモードがモードの1つとして、制御装置に設定される。推定されたフューエルカットモードのエネルギ効率が他のモードのエネルギ効率よりも高いと、エンジンへの燃料供給を中止するフューエルカットを積極的に実行する。

0015

第4の発明に係る制御装置は、第2の発明の構成に加えて、選択手段により回生優先モードが選択されると、車両の変速機におけるより小さなギヤ比が使用される領域が拡大するように、変速機の変速線を変更するための変更手段をさらに含む。

0016

第4の発明によると、回生優先モードを積極的に実行するためには、車両の運動エネルギをエンジンブレーキにより消失されることをできるだけ避けて、車両の運動エネルギが発電機に与えられるようにしなければならない。このようにするためには、エンジンブレーキを効かせない必要がある。エンジンブレーキを効かさないようにするために、変速機の変速線を変更して、変速機におけるより小さな変速比が使用される領域を拡大させる。その結果、車両の運動エネルギをできるだけ多く電気エネルギとして回収できる。

0017

第5の発明に係る制御装置は、第3の発明の構成に加えて、選択手段によりフューエルカット優先モードが選択されると、車両の変速機におけるより大きな変速比が使用される領域が拡大するように、変速機の変速線を変更するための変更手段をさらに含む。

0018

第5の発明によると、フューエルカット優先モードを積極的に実行するためには、エンジン回転数がフューエルカット復帰回転数以下になることをできるだけ避けて、フューエルカットができるだけ長く継続するようにしなければならない。このようにするためには、エンジンの回転数を高速に維持する必要がある。エンジンの回転数を高速に維持するために、変速機の変速線を変更して、変速機におけるより大きな変速比が使用される領域を拡大させる。その結果、燃料エネルギをできるだけ使わないようにすることができる。

0019

第6の発明に係る制御装置においては、第1〜5のいずれかの発明の構成に加えて、検知手段は、設定された減速度、バッテリの状態およびフューエルカットの実行可能性の少なくともいずれかに基づいて、車両の運転状態を検知するための手段を含む。

0020

第6の発明によると、減速度により回生発電量が異なる、バッテリが満充電状態やバッテリ温度が低いと回生発電しても充電できない、フューエルカットを実行するための条件が満足されないとフューエルカットできないので、これら個々が判断できるように、またはこれらの組合せが判断できるように、車両の運転状態を検知する。

0021

第7の発明に係る制御方法は、車両が被駆動状態で走行する時に複数の制御モードを切り替えて車両を制御する。この制御方法は、車両の運転状態を検知する検知ステップと、検知された車両状態に対応する、複数のモードにおけるエネルギ効率に基づいて、複数のモードの中の1のモードを選択する選択ステップとを含む。

0022

第7の発明によると、この制御方法により制御される車両は、被駆動状態で走行するときに、複数のモードを切り替えて走行する。このモードとして、たとえば、駆動輪の回転を用いて回生発電することを優先させる回生優先モードと、エンジンへの燃料供給を中止することを優先させるフューエルカット優先モードとを設定する。この回生優先モードの場合には、より小さい変速比を使用することが好ましく、フューエルカット優先モードの場合には、より大きな変速比を使用することが好ましく、相反するギヤ比の設定になる。選択ステップは、これらの各モードにおけるエネルギ効率に基づいて、最もエネルギ効率が向上する1つのモードを選択する。その結果、車両の運転状態に応じて最適にエネルギ効率を向上できる車両の制御方法を提供することができる。

0023

第8の発明に係る制御方法は、第7の発明の構成に加えて、複数のモードの1つとして、他のモードよりも優先的に電動機による電力回生を実行させる回生優先モードを備えるものである。

0024

第8の発明によると、電力回生を実行することを他のモードよりも優先的に実行させる回生優先モードがモードの1つとして設定される。推定された回生優先モードのエネルギ効率が他のモードのエネルギ効率よりも高いと、この回生優先モードが積極的に実行される。

0025

第9の発明に係る制御方法は、第7の発明の構成に加えて、複数のモードの1つとして、他のモードよりも優先的にエンジンのフューエルカットを実行させるフューエルカット優先モードを備えるものである。

0026

第9の発明によると、エンジンへの燃料供給を中止することを他のモードよりも優先的に実行させるフューエルカットモードがモードの1つとして設定される。推定されたフューエルカットモードのエネルギ効率が他のモードのエネルギ効率よりも高いと、このフューエルカットが積極的に実行される。

0027

第10の発明に係る制御方法は、第8の発明の構成に加えて、選択ステップにて回生優先モードが選択されると、車両の変速機におけるより小さな変速比が使用される領域が拡大するように、変速機の変速線を変更する変更ステップをさらに含む。

0028

第10の発明によると、回生優先モードを積極的に実行するためには、エンジンブレーキを効かせない必要があり、エンジンブレーキを効かさないようにするために、変速機の変速線を変更して、変速機におけるより小さな変速比が使用される領域を拡大させる。その結果、車両の運動エネルギをできるだけ多く電気エネルギとして回収できる。

0029

第11の発明に係る制御方法は、第9の発明の構成に加えて、選択ステップにてフューエルカット優先モードが選択されると、車両の変速機におけるより大きな変速比が使用される領域が拡大するように、変速機の変速線を変更する変更ステップをさらに含む。

0030

第11の発明によると、フューエルカット優先モードを積極的に実行するためには、エンジンの回転数を高速に維持する必要があり、エンジンの回転数を高速に維持するために、変速機の変速線を変更して、変速機におけるより大きな変速比が使用される領域を拡大させる。その結果、燃料エネルギをできるだけ使わないようにすることができる。

0031

第12の発明に係る制御方法においては、第7〜11のいずれかの発明の構成に加えて、検知ステップは、設定された減速度、バッテリの状態およびフューエルカットの実行可能性の少なくともいずれかに基づいて、車両の運転状態を検知するステップを含む。

課題を解決するための手段

0032

第12の発明によると、減速度により回生発電量が異なる、バッテリが満充電状態やバッテリ温度が低いと回生発電しても充電できない、フューエルカットを実行するための条件が満足されないとフューエルカットできないので、これら個々が判断できるように、またはこれらの組合せが判断できるように、車両の運転状態を検知する。

0033

以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。

0034

以下、本発明の実施の形態に係る制御装置を搭載した車両のパワートレインについて説明する。以下の説明においては、トルクを伝達する機構を、トルク増幅機能を有するロックアップクラッチ付きトルクコンバータとして、変速機を、自動変速機として説明する。しかしながら、本発明はこの構成に限定されるものではない。

0035

本実施の形態に係るECT_ECU(Electronic Controlled Automatic Transmission_Electronic Control Unit)が制御する車両には、エンジンとそのエンジンに対して動力を伝達することの可能な電動機(以下、モータジェネレータと記載する)とが搭載される。ECT_ECUは、車両減速時において、フューエルカットの実行およびモータジェネレータによる回生発電のいずれかを、車両の走行状態に応じて実行するように、車両を制御する。なお、電動機は、モータジェネレータに限定されず、発電機能を有するオルタネータなどでもよい。

0036

図1を参照して、本実施の形態に係る制御装置を含む車両のパワートレインについて説明する。本実施の形態に係る制御装置は、図1に示すECT_ECU400により実現される。

0037

図1に示すように、この車両は、エンジン100と、トルクコンバータ200と、自動変速機300と、エンジン100をアシストしたり、駆動輪の回転力に基づいて回生発電したりするモータジェネレータ500と、モータジェネレータ500を制御するインバータ600と、エンジン100の駆動力により回転されるオイルポンプ700とから構成される。オイルポンプ700に加えて、電動式のオイルポンプを設けてもよい。

0038

エンジン100の出力軸は、模式的に表現されたエンジンイナーシャ110を介してトルクコンバータ200の入力軸に接続される。エンジン100とトルクコンバータ200とは回転軸150により連結されている。したがって、エンジン100の出力軸回転数N(E)とトルクコンバータ200の入力軸回転数N(P)とは同じである。また、エンジン100の出力トルクをT(E)と、トルクコンバータ200への入力トルクをT(P)として表わす。

0039

モータジェネレータ500は、エンジン100とトルクコンバータ200とを接続する回転軸150に動力を伝達するように構成される。このモータジェネレータ500は、車両の発進時や加速時に所望の加速度を得るためにモータとして作動してエンジン100をアシストする。また、回生制動時にはジェネレータとして作動して運動エネルギを電気エネルギに変換して回収する。これらの詳細については、後述する。

0040

トルクコンバータ200は、ロックアップクラッチ210を含み、ポンプ羽根車220とタービン羽根車230とから構成される。トルクコンバータ200と自動変速機300とは、回転軸250により接続される。トルクコンバータ200の出力軸回転数をN(T)と、トルクコンバータ200の出力トルクをT(T)として表わす。

0041

これらのパワートレインを制御するECT_ECU400には、ポンプ回転数N(P)、タービン回転数N(T)、アクセル開度車速車両加速度スロットル開度AT信号エンジン冷却水温信号およびシフトポジション信号が入力される。また、ECT_ECU400から、トルクコンバータ200のロックアップクラッチ210に対してロックアップクラッチ係合圧信号が出力される。ECT_ECU400から、自動変速機300に対してAT制御信号が出力される。ECT_ECU400から、インバータ600に対して、モータジェネレータ500をモータとして作動させてエンジン100の回転数を制御する際の出力量やエンジン100のアシストを実現する際のアシスト量などを表わす制御信号や、モータジェネレータ500をジェネレータとして作動させてエンジン100の回転エネルギの回収を実現したり車両の走行エネルギの回収を実現したりする際の回生発電量などを表わす制御信号が出力される。

0042

図1において、エンジン100またはエンジン100およびモータジェネレータ500の動力は、ロックアップクラッチ付きトルクコンバータ200を備えた自動変速機300を介して連結される駆動輪に伝達される。トルクコンバータ200は、エンジン100のクランク軸(トルクコンバータ200の入力軸)150に固定されたポンプ羽根車220と、自動変速機300の入力軸(トルクコンバータ200の出力軸)250に連結されたタービン羽根車230と、それらポンプ羽根車220および入力軸250を直結するロックアップクラッチ210と、ステータ222とを備えている。

0043

ECT_ECU400には、減速走行ブレーキ力設定スイッチからの目標減速度が入力される。この減速走行ブレーキ力設定スイッチには、車両の運転者により、減速走行時減速力すなわちブレーキ力が設定される。この目標減速力により回生エネルギ量が異なってくる。

0044

図2に自動変速機300のスケルトン図を、図3に自動変速機300の作動表を示す。図2に示すスケルトン図および図3に示す作動表によると、摩擦要素であるクラッチ要素(図中のC(0)〜C(2))や、ブレーキ要素(B(0)〜B(4))、ワンウェイクラッチ要素(F(0)〜F(2))が、どのギヤ比の場合に係合および解放されるかを示している。車両の発進時に使用される1速時には、クラッチ要素(C(0)、C(1))、ブレーキ要素(B(4))、ワンウェイクラッチ要素(F(0)、F(2))が係合する。

0045

図4を参照して、ECT_ECU400のメモリに記憶される変速線を示すマップについて説明する。このマップは、車速とアクセル開度とに基づく、アップシフトのタイミングと、ダウンシフトのタイミングとを規定する。図4には、4→5アップシフト線と、5→4ダウンシフト線とが記載されている。図4に示すように、ダウンシフト線は、アクセル開度が小さい領域において、異なる2つの変更特性を有する。アクセル開度が「0」のときの変速線を、より高速側に変更する変更特性(1)、とより低速側に変更する変更特性(2)である。変更特性(1)は、フューエルカット領域を拡大するためにダウンシフト線を高速側に移動する特性である。その結果、低速側のギヤ比(大きなギヤ比)を使用されることが多くなる。変更特性(2)は、回生領域を拡大するためにダウンシフト線を低速側に移動する特性である。その結果、高速側のギヤ比(小さなギヤ比)を使用されることが多くなる。

0046

変更特性(1)の場合には、できるだけエンジン回転数を低下させないで(アイドル回転数以下まで低下するとエンジンストール防止のためにフューエルカットから復帰)フューエルカット時間を延ばして燃料エネルギをできるだけ使わないことが好ましい。このため、できるだけ変速機のより大きなギヤ比を使用するために、ダウンシフト線を高速側に移動させる。

0047

変更特性(2)の場合には、できるだけエンジンブレーキを効かさないで車両の運動エネルギをできるだけ多くモータジェネレータ500に回収させることが好ましい。このため、できるだけ変速機のより小さなギヤ比を使用するために、ダウンシフト線を低速側に移動させる。

0048

ECT_ECU400は、このようなマップをメモリに記憶するとともに、ダウンシフト変速線を移動することができる。ECT_ECU400は、車両の走行状態に基づいて、モータジェネレータにより走行エネルギを回収する場合と、フューエルカットにより燃料エネルギの消費を削減する場合とのいずれがエネルギ効率がより好ましいのかを判断して、変更特性(1)または変更特性(2)に基づいてダウンシフト線を移動させて、最終的に車両の燃費を向上させる。

0049

図5を参照して、本実施の形態に係るECT_ECU400で実行されるプログラム制御構造について説明する。

0050

ステップ(以下、ステップをSと略す。)100にて、ECT_ECU400は、車両が減速中であるか否かを判断する。この判断は、ECT_ECU400に入力される車速の時間微分値に基づいて行なわれる。車両が減速中であると(S100にてYES)、処理はS200へ移される。もしそうでないと(S100にてNO)、この処理は終了する。

0051

S200にて、ECT_ECU400は、モータジェネレータ500による回生発電が可能であるか否かを判断する。この判断は、モータジェネレータ500をジェネレータとして作動させて、回生発電された電力をバッテリに充電できるか否かを判断するものである。たとえば、バッテリが満充電状態であったり、バッテリの温度が低いと、回生発電できても充電できないので回生発電が不可能であると判断される。また、モータジェネレータ関連機器故障していても、回生発電が不可能であると判断される。回生発電が可能である場合には(S200にてYES)、処理はS300へ移される。もしそうでないと(S200にてNO)、処理はS500へ移される。

0052

S300にて、ECT_ECU400は、フューエルカットが可能であるか否かを判断する。この判断は、エンジン100が安定的に燃焼しているか否かなどに基づいて行なわれる。フューエルカットが可能であると(S300にてYES)、処理はS600へ移される。もしそうでないと(S300にてNO)、処理はS400へ移される。

0053

S400にて、ECT_ECU400は、高速段優先変速線を選択する。すなわち、図4の変更特性(2)が選択されて、ダウンシフト線が変更される。

0054

S500にて、ECT_ECU400は、ダウンシフト優先変速線を選択する。すなわち、図4の変更特性(1)が選択されて、ダウンシフト線が変更される。

0055

S600にて、ECT_ECU400は、減速走行ブレーキ力設定スイッチから入力された目標減速度を読み込む。この目標減速度が大きいほどモータジェネレータ500による回生発電量が大きくなる。

0056

S700にて、ECT_ECU400は、モータジェネレータ500による回生発電を優先させるのか、エンジン100のフューエルカットを優先させるのかを判断するために、エネルギ効率を比較する。具体的には、ECT_ECU400は、S600にて読み込んだ目標減速度に基づいて、回生発電量を設定する。回生されるエネルギは、運動エネルギの約4割とする。車両の運転状態によって変化するので、この4割は変更してもよい。バッテリの充放電時のエネルギロス等を考慮して、回生エネルギの約7割が次回の運動エネルギ(これをエネルギ量(A)とする)になると仮定する。一方、ECT_ECU400は、フューエルカットにより使用されないで済むガソリン量を算出して、ガソリン熱効率をたとえば3割として、このガソリン量から取り出される運動エネルギ(これをエネルギ量(B)とする)を算出する。ECT_ECU400は、このエネルギ量(A)とエネルギ量(B)とを比較して、どちらが有利であるのかを判断する。このエネルギ量(B)は、エンジン100のアイドリング時の消費エネルギ量係数乗算して算出するようにしてもよい。なお、このS700における処理は、このような処理に限定されない。運転モードごとにエネルギ効率を推定して、それらを比較できるものであればよい。

0057

S800にて、ECT_ECU400は、フューエルカットを実行しないで、エンジン100を回転させておいて、モータジェネレータ500により回生発電をした方が有利であるか否かを判断する。この判断は、S700で比較したエネルギ量(A)とエネルギ量(B)とに基づいて行なわれる。回生発電をした方が有利であると(S800にてYES)、処理はS900へ移される。もしそうでないと(S800にてNO)、処理はS1000へ移される。

0058

S900にて、ECT_ECU400は、小さなギヤ比用変速線を選択する。すなわち、図4の変更特性(2)が選択されて、ダウンシフト線が変更される。

0059

S1000にて、ECT_ECU400は、大きなギヤ比用変速線を選択する。すなわち、図4の変更特性(1)が選択されて、ダウンシフト線が変更される。

0060

以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る車両の制御装置であるECT_ECU400の動作について説明する。

0061

車両が減速中であると(S100にてYES)であって、回生が可能で(S200にてYES)かつフューエルカット可能であると(S300にてYES)、目標減速度が読み込まれる(S600)。目標減速度に基づいて回生発電量が算出され、回生発電量に基づいてエネルギ量(A)を推定する。フューエルカットにより使用されないで済むガソリン量が算出され、このガソリン量から取り出されるエネルギ量(B)が推定される。回生発電量に基づくエネルギ量(A)とフューエルカットに基づくエネルギ量(B)とが比較される(S700)。

0062

比較の結果、回生発電のほうがエネルギ効率的に有利であると判断されると(S800にてYES)、できるだけエンジンブレーキを効かさないで車両の運動エネルギをできるだけ多くモータジェネレータ500に回収させることが好ましい。このため、変速機の小さなギヤ比を使用することが好ましいので、できるだけ変速機の小さなギヤ比を使用するためにダウンシフト線を低速側に移動させる。

0063

比較の結果、フューエルカットのほうがエネルギ効率的に有利であると判断されると(S800にてNO)、できるだけエンジン回転数を低下させないでフューエルカット時間を延ばして燃料エネルギをできるだけ使わないようにする。このため、できるだけ変速機の大きなギヤ比を使用するために、ダウンシフト線を高速側に移動させる。

0064

なお、回生発電が可能でない場合(S200にてNO)は、できるだけエンジン回転数を低下させないでフューエルカット時間を延ばすためにダウンシフト線を高速側に移動させる。また、回生発電が可能であって(S200にてYES)フューエルカットが可能でない場合(S300にてNO)は、できるだけエンジンブレーキを効かせないで回生発電量を大きくするためにダウンシフト線を低速側に移動させる。

0065

以上のようにして、本実施の形態に係るECT_ECUによると、車両の減速時において、回生発電を実行する場合と、フューエルカットを実行する場合とで、どちらがエネルギ効率的に有利であるのかを判断して、エネルギ効率が有利なモードを選択して、選択されたモードにおけるエネルギ効率をさらに向上させるべく、ダウンシフト変速線を変更する。その結果、車両の運転状態に応じて最適にエネルギ効率を向上できる。

0066

また、2つのモードの切換えは、ビジー状態でなくかつドライバビリティ上問題のない状態で実施されてよい。また、変速機としては、無段変速機でもよい。

発明を実施するための最良の形態

0067

なお、上述した実施の形態においては、回生発電優先モードと、フューエルカット優先モードとを記載したが、本発明はこれら2つのモードに限定されず、3つ以上のモードであってもよいし、回生発電およびフューエルカット以外のモードであってもよい。

図面の簡単な説明

0068

今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

図1
本発明の実施の形態に係る制御装置が搭載された車両のパワートレインの構成を示す図である。
図2
図1に示す自動変速機のスケルトン図である。
図3
図1に示す自動変速機の作動係合状態を表わす図である。
図4
変速線図である。
図5
本発明の実施の形態に係るECT_ECUで実行される処理の制御構造を示すフローチャートである。
【符号の説明】
100エンジン、110エンジンイナーシャ、200トルクコンバータ、210ロックアップクラッチ、220ポンプ羽根車、230タービン羽根車、300 自動変速機、400 ECT_ECU、500モータジェネレータ、600インバータ、700オイルポンプ。

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