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技術 熱伝導性エポキシ樹脂成形体及びその製造方法

出願人 ポリマテック株式会社
発明者 飛田雅之石垣司木村亨下山直之青木恒越智光一
出願日 2002年11月27日 (17年3ヶ月経過) 出願番号 2002-343822
公開日 2004年6月24日 (15年8ヶ月経過) 公開番号 2004-175926
状態 拒絶査定
技術分野 高分子成形体の製造 エポキシ樹脂
主要キーワード X線回折法 注型成形装置 熱伝導性接着層 回折ピーク角度 メタセン 液晶性エポキシ樹脂 熱伝導性エポキシ エポキシ樹脂成形体
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

優れた熱伝導性を発揮することができる熱伝導性エポキシ樹脂成形体及びその製造方法を提供する。

解決手段

熱伝導性エポキシ樹脂成形体は、エポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物硬化させることによって得られる。この熱伝導性エポキシ樹脂成形体におけるエポキシ樹脂の配向度αは、0.5以上1.0未満の範囲である。この配向度αは、X線回折測定から下記式(1)によって求められる値である。配向度α=(180−Δβ)/180・・・(1)(ただし、ΔβはX線回折測定によるピーク散乱角を固定して、方位角方向の0〜360度までの強度分布における半値幅を表す。)また、エポキシ樹脂は、メソゲン基を有する液晶性エポキシ樹脂であることが好ましい。

概要

背景

近年、電子機器においては高性能化、小型化、軽量化等に伴って半導体パッケージの高密度実装化、LSIの高集積化及び高速化等が行われている。これらに伴って、各種の電子部品において発生する熱が増大するため、電子部品から熱を効果的に外部へ放散させる熱対策が非常に重要な課題になっている。このような熱対策として、プリント配線基板、半導体パッケージ、筐体ヒートパイプ放熱板熱拡散板等の放熱部材には、金属、セラミックス高分子組成物等の放熱材料からなる熱伝導性成形体が適用されている。

概要

優れた熱伝導性を発揮することができる熱伝導性エポキシ樹脂成形体及びその製造方法を提供する。熱伝導性エポキシ樹脂成形体は、エポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物硬化させることによって得られる。この熱伝導性エポキシ樹脂成形体におけるエポキシ樹脂の配向度αは、0.5以上1.0未満の範囲である。この配向度αは、X線回折測定から下記式(1)によって求められる値である。配向度α=(180−Δβ)/180・・・(1)(ただし、ΔβはX線回折測定によるピーク散乱角を固定して、方位角方向の0〜360度までの強度分布における半値幅を表す。)また、エポキシ樹脂は、メソゲン基を有する液晶性エポキシ樹脂であることが好ましい。

目的

その目的とするところは、優れた熱伝導性を発揮することができる熱伝導性エポキシ樹脂成形体及びその製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
3件

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請求項1

エポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物硬化して得られる熱伝導性エポキシ樹脂成形体であって、X線回折測定から下記式(1)によって求められる前記エポキシ樹脂の配向度αが、0.5以上1.0未満の範囲であることを特徴とする熱伝導性エポキシ樹脂成形体。配向度α=(180−Δβ)/180・・・(1)(ただし、ΔβはX線回折測定によるピーク散乱角を固定して、方位角方向の0〜360度までの強度分布における半値幅を表す。)

請求項2

前記エポキシ樹脂は、分子内にメソゲン基を有する液晶性エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導性エポキシ樹脂成形体。

請求項3

シート状をなし、厚さ方向の熱伝導率λが0.5〜30W/(m・K)であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱伝導性エポキシ樹脂成形体。

請求項4

請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の熱伝導性エポキシ樹脂成形体の製造方法において、前記エポキシ樹脂組成物に磁場発生手段によって磁場を一定方向に印加させ、前記エポキシ樹脂を硬化させることを特徴とする熱伝導性エポキシ樹脂成形体の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、電子部品等から発生する熱を伝導する熱伝導性エポキシ樹脂成形体及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、優れた熱伝導性を発揮することができる熱伝導性エポキシ樹脂成形体及びその製造方法に関するものである。

0002

近年、電子機器においては高性能化、小型化、軽量化等に伴って半導体パッケージの高密度実装化、LSIの高集積化及び高速化等が行われている。これらに伴って、各種の電子部品において発生する熱が増大するため、電子部品から熱を効果的に外部へ放散させる熱対策が非常に重要な課題になっている。このような熱対策として、プリント配線基板、半導体パッケージ、筐体ヒートパイプ放熱板熱拡散板等の放熱部材には、金属、セラミックス高分子組成物等の放熱材料からなる熱伝導性成形体が適用されている。

0003

これらの放熱部材の中でも、エポキシ樹脂組成物から成形される熱伝導性エポキシ樹脂成形体は、電気絶縁性機械的性質耐熱性耐薬品性接着性等に優れているため、注型品積層板封止材接着剤等として電気電子分野を中心に広く使用されている。

0004

熱伝導性エポキシ樹脂成形体を構成するエポキシ樹脂組成物は、樹脂ゴム等の高分子マトリックス材料中に、熱伝導率の高い熱伝導性充填剤を配合したものが知られている。熱伝導性充填剤としては、酸化アルミニウム酸化マグネシウム酸化亜鉛石英等の金属酸化物窒化ホウ素窒化アルミニウム等の金属窒化物炭化ケイ素等の金属炭化物水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、金、銀、銅等の金属、炭素繊維黒鉛等が用いられている。

0005

一方、さらに高い熱伝導性が要求される場合には、エポキシ樹脂に特殊な熱伝導性充填剤を配合した熱伝導性エポキシ樹脂組成物や熱伝導性エポキシ樹脂成形体が提唱されている。この種の熱伝導性充填剤としては表面改質酸化アルミニウム、球状クリストバライト、特定粒度無機フィラー等が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3参照。)。

背景技術

0006

【特許文献1】
特公平6−51778号公報(表1)
【特許文献2】
特開2001−172472号公報(表2)
【特許文献3】
特開2001−348488号公報(表1)

0007

ところが、最近の電子部品はその高性能化に伴って発熱量が増大しているため、上記従来の技術の組成物から得られる熱伝導性エポキシ樹脂成形体では熱伝導性が不十分となっている。

発明が解決しようとする課題

0008

本発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、優れた熱伝導性を発揮することができる熱伝導性エポキシ樹脂成形体及びその製造方法を提供することにある。

0009

上記の目的を達成するために請求項1に記載の発明の熱伝導性エポキシ樹脂成形体では、エポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物を硬化して得られる熱伝導性エポキシ樹脂成形体であって、X線回折測定から下記式(1)によって求められる前記エポキシ樹脂の配向度αが、0.5以上1.0未満の範囲であることを特徴とする。

0010

配向度α=(180−Δβ)/180・・・(1)
(ただし、ΔβはX線回折測定によるピーク散乱角を固定して、方位角方向の0〜360度までの強度分布における半値幅を表す。)
請求項2に記載の発明の熱伝導性エポキシ樹脂成形体では、請求項1に記載の発明において、前記エポキシ樹脂は、分子内にメソゲン基を有する液晶性エポキシ樹脂であることを特徴とする。

0011

請求項3に記載の発明の熱伝導性エポキシ樹脂成形体では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、シート状をなし、厚さ方向の熱伝導率λが0.5〜30W/(m・K)であることを特徴とする。

課題を解決するための手段

0012

請求項4に記載の発明の熱伝導性エポキシ樹脂成形体の製造方法では、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の熱伝導性エポキシ樹脂成形体の製造方法において、前記エポキシ樹脂組成物に磁場発生手段によって磁場を一定方向に印加させ、前記エポキシ樹脂を硬化させることを特徴とする。

0013

以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態における熱伝導性エポキシ樹脂成形体は、エポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物を硬化することによって得られる。また、この熱伝導性エポキシ樹脂成形体におけるエポキシ樹脂の配向度αは、0.5以上1.0未満の範囲である。熱伝導性エポキシ樹脂成形体におけるエポキシ樹脂の配向度αは、X線回折測定としての広角X線回折測定(透過)から下記式(1)によって求められた値である。

0014

配向度α=(180−Δβ)/180・・・(1)
(ただし、ΔβはX線回折測定によるピーク散乱角を固定して、方位角方向の0〜360度までの強度分布における半値幅を表す。)
この熱伝導性エポキシ樹脂成形体は、プリント配線基板、半導体パッケージ、筐体、ヒートパイプ、放熱板、熱拡散板、熱伝導性接着層等の放熱部材に適用することができ、各種電子部品で発生する熱を伝導伝熱させ、電子機器の外部に放熱することができるものである。

0015

まず、エポキシ樹脂組成物について詳述する。エポキシ樹脂組成物に含有されるエポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有し、硬化剤によって三次元構造を形成することによって硬化される樹脂である。エポキシ樹脂組成物は、上記の配向度αの設定による効果を十分に発現させるためにエポキシ樹脂を主成分とすることが好ましい。エポキシ樹脂としては、例えばビスフェノール型エポキシ樹脂ノボラック型エポキシ樹脂ナフタレン型エポキシ樹脂トリフェノールアルカン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂等が挙げられる。

0016

これらのエポキシ樹脂の中でも分子を配向させ易いことから、好ましくは分子内にメソゲン基を有する液晶性エポキシ樹脂である。メソゲン基とは、液晶性を発現させる官能基を示し、具体的にはビフェニルシアノビフェニルターフェニルシアノターフェニル、フェニルベンゾエートアゾベンゼンアゾメチンアゾキシベンゼンスチルベンフェニルシクロヘキシル、ビフェニルシクロヘキシル、フェノキシフェニルベンジリデンアニリンベンジルベンゾエートフェニルピリミジン、フェニルジオキサンベンゾイルアニリン、トラン等及びこれらの誘導体が挙げられる。液晶性エポキシ樹脂の1分子内には、少なくとも1つのメソゲン基を有していればよく、2つ以上のメソゲン基を有していてもよい。また、複数のメソゲン基の連結部分やメソゲン基の末端部分は、屈曲鎖(スペーサ)と呼ばれる柔軟構造部によって構成される。柔軟構造部としては、脂肪族炭化水素基脂肪族エーテル基、脂肪族エステル基シロキサン結合等が挙げられる。このような液晶性エポキシ樹脂は、ある温度領域でメソゲン基が規則的に配列する液晶状態となる性質を有している。この液晶性は、直交偏光子を利用した偏光検査法によって確認することができ、液晶状態の液晶性エポキシ樹脂は強い複屈折性を発現する。液晶状態の種類としては、ネマティック、スメクティックコレステリックディスコティック等が挙げられる。

0017

エポキシ樹脂組成物には、エポキシ樹脂を硬化させるために硬化剤を配合することが好ましい。硬化剤としては、アミン系硬化剤酸無水物系硬化剤フェノール系硬化剤ポリメルカプタン系硬化剤、ポリアミノアミド系硬化剤イソシアネート系硬化剤ブロックイソシアネート系硬化剤等が挙げられる。これらの硬化剤の配合量は、配合する硬化剤の種類や得られる熱伝導性エポキシ樹脂成形体の物性を考慮して適宜設定すればよい。具体的に硬化剤の配合量は、好ましくはエポキシ基1モルに対して硬化剤の化学当量が0.005〜5当量、さらに好ましくは0.01〜3当量、最も好ましくは0.5〜1.5当量である。この配合量がエポキシ基1モルに対して0.005当量未満であると、エポキシ樹脂を速やかに硬化することができないおそれがある。一方、5当量を超えて配合すると、硬化反応が速すぎるおそれがあり、エポキシ樹脂を配向させることが困難となるおそれがある。なお、ここでの化学当量は、例えば硬化剤としてアミン系硬化剤を使用した際は、エポキシ基1モルに対するアミン活性水素モル数を表す。

0018

アミン系硬化剤の具体例としては、脂肪族アミン類ポリエーテルポリアミン類、脂環式アミン類、芳香族アミン類等が挙げられる。脂肪族アミン類としては、エチレンジアミン、1,3‐ジアミノプロパン、1,4‐ジアミノプロパン、ヘキサメチレンジアミン、2,5‐ジメチルヘキサメチレンジアミントリメチルヘキサメチレンジアミンジエチレントリアミンイミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレントリアミントリエチレンテトラミンテトラエチレンペンタミンペンタエチレンヘキサミン、N‐ヒドロキシエチルエチレンジアミン、テトラ(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン等が挙げられる。ポリエーテルポリアミン類としては、トリエチレングリコールジアミンテトラエチレングリコールジアミン、ジエチレングリコールビス(プロピルアミン)、ポリオキシプロピレンジアミンポリオキシプロピレントリアミン類等が挙げられる。脂環式アミン類としては、イソホロンジアミンメタセンジアミン、N‐アミノエチルピペラジン、ビス(4‐アミノ‐3‐メチルジシクロヘキシルメタン、ビス(アミノメチルシクロヘキサン、3,9‐ビス(3‐アミノプロピル)2,4,8,10‐テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカンノルボルネンジアミン等が挙げられる。芳香族アミン類としては、テトラクロロp‐キシレンジアミン、m‐キシレンジアミン、p‐キシレンジアミン、m‐フェニレンジアミン、o‐フェニレンジアミンp‐フェニレンジアミン、2,4‐ジアミノアニゾール、2,4‐トルエンジアミン、2,4‐ジアミノジフェニルメタン、4,4’‐ジアミノジフェニルメタン、4,4’‐ジアミノ‐1,2‐ジフェニルエタン、2,4‐ジアミノジフェニルスルホン、4,4’‐ジアミノジフェニルスルホン、m‐アミノフェノール、m‐アミノベンジルアミンベンジルジメチルアミン、2‐ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエタノールアミンメチルベンジルアミン、α‐(m‐アミノフェニルエチルアミン、α‐(p‐アミノフェニル)エチルアミン、ジアミノジエチルジメチルジフェニルメタン、α,α’‐ビス(4‐アミノフェニル)‐p‐ジイソプロピルベンゼン等が挙げられる。

0019

酸無水物系硬化剤の具体例としては、ドデセニル無水コハク酸ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物、ポリ(エチルオクタデカン二酸)無水物、ポリ(フェニルヘキサデカン二酸)無水物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸メチルヘキサヒドロ無水フタル酸ヘキサヒドロ無水フタル酸無水メチルハイミック酸テトラヒドロ無水フタル酸トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物、無水フタル酸、無水トリメリット酸無水ピロメリット酸ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビストリメリテート、無水ヘット酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸、5‐(2,5‐ジオキソテトラヒドロ‐3‐フラニル)‐3‐メチル‐3‐シクロヘキサン‐1,2‐ジカルボン酸無水物、3,4‐ジカルボキシ‐1,2,3,4‐テトラヒドロ‐1‐ナフタレンコハク酸二無水物、1‐メチル‐ジカルボキシ‐1,2,3,4‐テトラヒドロ‐1‐ナフタレンコハク酸二無水物等が挙げられる。

0020

フェノール系硬化剤の具体例としては、ビスフェノールA、ビスフェノールFフェノールノボラック、ビスフェノールAノボラック、o‐クレゾールノボラック、m‐クレゾールノボラック、p‐クレゾールノボラック、キシレノールノボラック、ポリ‐p‐ヒドロキシスチレンレゾルシンカテコール、t‐ブチルカテコール、t‐ブチルハイドロキノンフルオログリシノール、ピロガロール、t‐ブチルピロガロール、アリル化ピロガロール、ポリアリル化ピロガロール、1,2,4‐ベンゼントリオール、2,3,4‐トリヒドロキシベンゾフェノン、1,2‐ジヒドロキシナフタレン、1,3‐ジヒドロキシナフタレン、1,4‐ジヒドロキシナフタレン、1,5‐ジヒドロキシナフタレン、1,6‐ジヒドロキシナフタレン、1,7‐ジヒドロキシナフタレン、1,8‐ジヒドロキシナフタレン、2,3‐ジヒドロキシナフタレン、2,4‐ジヒドロキシナフタレン、2,5‐ジヒドロキシナフタレン、2,6‐ジヒドロキシナフタレン、2,7‐ジヒドロキシナフタレン、2,8‐ジヒドロキシナフタレン、上記ジヒドロキシナフタレンのアリル化物又はポリアリル化物、アリル化ビスフェノールA、アリル化ビスフェノールF、アリル化フェノールノボラック、アリル化ピロガロール等が挙げられる。

0021

これらの硬化剤は単独で配合してもよく、複数の硬化剤を組み合わせて配合してもよい。また、硬化剤のタイプはエポキシ樹脂と混合した状態で保存することができ、加熱等によってエポキシ樹脂を硬化させる一液性潜在性)硬化剤でもよく、エポキシ樹脂と混合することによってエポキシ樹脂を硬化させる二液性硬化剤でもよい。一液性(潜在性)硬化剤としては、ジシアンジアミドグアニジン化合物アジピン酸ジヒドラジドセバチン酸ジヒドラジドイソフタル酸ジヒドラジド等の窒素含有化合物や、アミンイミド類、3級アミン塩イミダゾール塩ルイス酸及びそれらの塩、ブレンステッド酸塩等が挙げられる。

0022

エポキシ樹脂組成物に含有されるエポキシ樹脂は、塩化アルミニウム(AlCl3)、四塩化スズ(SnCl4)、四塩化チタン(TiCl4)、三フッ化ホウ素(BF3)、五塩化リン(PCl5)及び五フッ化アンチモン(SbF5)のような酸及びそれらの塩を用いてカチオン重合することにより硬化させることも可能である。また、エポキシ樹脂は、臭化テトラブチルアンモニウム塩化ジメチルジベンジルアンモニウム等のようなアンモニウム塩を用いてアニオン重合することによって硬化させることも可能である。

0023

エポキシ樹脂組成物には、熱伝導性エポキシ樹脂成形体の熱伝導性を向上させるために、熱伝導性充填剤を適量配合することも可能である。熱伝導性充填剤としては、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属水酸化物、金属被覆樹脂、炭素繊維、黒鉛化炭素繊維天然黒鉛人造黒鉛球状黒鉛粒子メソカーボンマイクロビーズウィスカー状カーボンマイクロコイル状カーボン、ナノコイル状カーボン、カーボンナノチューブカーボンナノホーン等が挙げられる。金属としては、銀、銅、金、白金ジルコン等、金属酸化物としては酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等、金属窒化物としては窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等、金属炭化物としては炭化ケイ素等、金属水酸化物としては水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。これらの熱伝導性充填剤は単独で配合してもよく、二種以上を組み合わせて配合してもよい。また、熱伝導性充填剤とエポキシ樹脂との濡れ性の改善、熱伝導性充填剤の界面の補強分散性の改善等の目的で熱伝導性充填剤に通常のカップリング剤処理を施してもよい。

0024

エポキシ樹脂組成物には、熱伝導性を向上させるためにエポキシ樹脂100重量部に対して、100重量部以上1000重量部未満の多量の熱伝導性充填剤を配合することもできる。しかし、これらの熱伝導性充填剤の配合量は、エポキシ樹脂100重量部に対して、好ましくは100重量部未満、より好ましくは80重量部未満、さらに好ましくは70重量部未満である。この配合量がエポキシ樹脂100重量部に対して100重量部以上であると、熱伝導性エポキシ樹脂成形体の密度を高めてしまい、適用物の軽量化を妨げるおそれがある。適用物の軽量化がさらに要求される場合は、エポキシ樹脂組成物には実質的に熱伝導性充填剤を含有しないことが好ましい。ここで、実質的に熱伝導性充填剤を含有しないエポキシ樹脂組成物として、好ましくはエポキシ樹脂100重量部に対して熱伝導性充填剤が5重量部以下のエポキシ樹脂組成物、より好ましくはエポキシ樹脂100重量部に対して熱伝導性充填剤が1重量部以下のエポキシ樹脂組成物、さらに好ましくはエポキシ樹脂のみからなるエポキシ樹脂組成物である。

0025

また、エポキシ樹脂組成物には必要に応じて顔料染料蛍光増白剤分散剤、安定剤、紫外線吸収剤エネルギー消光剤帯電防止剤酸化防止剤難燃剤熱安定剤滑剤可塑剤溶剤等を少量添加することも可能である。

0026

次に、熱伝導性エポキシ樹脂成形体について詳述する。
熱伝導性エポキシ樹脂成形体におけるエポキシ樹脂の配向度αは、熱伝導性エポキシ樹脂成形体の広角X線回折測定(透過)によって求められる値を示す。配向度αの測定方法としては、複屈折法、特定吸収帯セグメントなどの配向を測定する二色法、蛍光法ラマン散乱法等が知られているが、X線回折法は熱伝導性エポキシ樹脂成形体におけるエポキシ樹脂の分子配向に関する情報を最も簡便に得ることができる。配向度αを求めるには、まず熱伝導性エポキシ樹脂成形体について広角X線回折測定を行うことにより、図1に示すような赤道方向の回折パターンを得る。この回折パターンにおいて、2θ=20度の位置に確認される回折ピークは、硬化したエポキシ樹脂の分子鎖間の距離を表すとされている。この回折ピークの角度(ピーク散乱角)は、エポキシ樹脂の構造の違いやエポキシ樹脂組成物の配合の違いによって、20度を前後して、約15〜30度の範囲となる場合もあるが、概ね20度である。この回折ピークの角度(ピーク散乱角)を20度に固定して、さらに方位角方向に0度から360度までの強度を測定することにより、図2に示すような方位角方向の強度分布が得られる。この方位角方向の強度分布において、ピーク高さの半分の位置における幅(半値幅Δβ[度])を求める。この半値幅Δβを上記(1)式に代入することによって配向度αを算出する。図2に示す方位角方向の強度分布の場合、半値幅Δβは50度、配向度αは0.72である。

0027

配向度αの範囲は0.5以上1.0未満、好ましくは0.55以上1.0未満、さらに好ましくは0.6以上1.0未満、最も好ましくは0.7以上1.0未満である。この配向度αが0.5未満であると、熱伝導率λが低く、十分な熱伝導性が得られない。一方、1.0以上の配向度αは、半値幅Δβが常に正の値を示すため、上記(1)式からはとりえない範囲となる。配向度αの範囲が0.5以上1.0未満であると、熱伝導率λが高く、優れた熱伝導性を発揮することができる。

0028

エポキシ樹脂組成物から熱伝導性エポキシ樹脂成形体を得るには、まず成形装置によってエポキシ樹脂組成物を成形するとともに、磁場発生手段によってエポキシ樹脂組成物に磁場を印加することによりエポキシ樹脂を配向させる。このとき、エポキシ樹脂の分子鎖は磁場の磁力線と平行方向又は垂直方向に配向される。次に、エポキシ樹脂が配向した状態で、エポキシ樹脂を硬化させることにより配向度αの範囲が上記の範囲に制御された熱伝導性エポキシ樹脂成形体を得ることができる。

0029

磁場を発生するための磁場発生手段としては、永久磁石電磁石超電導磁石コイル等が挙げられる。これらの磁場発生手段の中でも、実用的な磁束密度を有する磁場を発生させることができることから超電導磁石が好ましい。

0030

エポキシ樹脂組成物に印加する磁場の磁束密度は、好ましくは0.5〜20テスラ(T)、さらに好ましくは1〜20T、最も好ましくは2〜10Tである。この磁束密度が0.5T未満であると、エポキシ樹脂の分子鎖を十分に配向させることができないおそれがあり、配向度αが0.5以上の熱伝導性エポキシ樹脂成形体が得られにくくなるおそれがある。一方、磁束密度が20Tを超える磁場は、実用上得られにくい。この磁束密度の範囲が2〜10Tであると、高い熱伝導率λを有する熱伝導性エポキシ樹脂成形体が得られるとともに、実用的である。

0031

成形装置としては、トランスファー成形装置プレス成形装置注型成形装置射出成形装置押出成形装置等のエポキシ樹脂を成形する装置を用いることができる。エポキシ樹脂組成物は、シート状、フィルム状、ブロック状、粒状、繊維状等の様々な形状の熱伝導性エポキシ樹脂成形体に成形することができる。

0032

エポキシ樹脂組成物に含有するエポキシ樹脂を硬化させる方法としては、エポキシ樹脂が有するエポキシ基を自己重合反応させる方法、上記のエポキシ樹脂と上記の硬化剤を反応させる方法等が挙げられる。これらの反応形態としては、熱硬化反応光硬化反応放射線硬化反応、湿気硬化反応等が挙げられる。

0033

熱伝導性エポキシ樹脂成形体の熱伝導率λは、エポキシ樹脂の分子鎖が一定方向に配向され、その配向度αが上記の範囲に設定されることによって、その分子鎖方向に極めて高くなる。この熱伝導率λの値は、好ましくは0.5〜30W/(m・K)、さらに好ましくは0.6〜20W/(m・K)、最も好ましくは0.7〜10W/(m・K)である。この熱伝導率λが0.5W/(m・K)未満であると、電子部品から発生する熱を効果的に外部へ伝えることが困難になるおそれがある。一方、30W/(m・K)を超える熱伝導性エポキシ樹脂成形体を得るのはエポキシ樹脂の物性を考慮すると困難である。

0034

この熱伝導性エポキシ樹脂成形体の密度は、好ましくは1.10g/cm3以上、2.10g/cm3未満、さらに好ましくは1.20g/cm3以上、1.90g/cm3未満、最も好ましくは1.30g/cm3以上、1.80g/cm3未満である。この密度が2.10g/cm3以上であると、適用物の軽量化を妨げるおそれがある。一方、1.10未満である熱伝導性エポキシ樹脂成形体を得るのは、エポキシ樹脂の物性を考慮すると困難である。

0035

この熱伝導性エポキシ樹脂成形体をシート状に成形する場合、その厚さは好ましくは0.02〜10mm、さらに好ましくは0.1〜7mm、最も好ましくは0.2〜5mmである。この厚さが0.02mm未満であると、適用物に適用する際、操作性が悪くなるおそれがある。一方、10mmを超えると、熱伝導性が悪化するおそれがあるとともに電子機器等の適用物を軽量化することが困難となるおそれがある。

0036

次いで、エポキシ樹脂組成物から熱伝導性エポキシ樹脂成形体を製造する方法について図5図7に基づいて詳細に説明する。図5に示すように、熱伝導性エポキシ樹脂成形体としてのシート状の熱伝導性シート11は、プリント配線基板、放熱シート等の放熱部材として電子機器等に適用することができるものである。

0037

まず、熱伝導性シート11の厚さ方向(図5におけるZ軸方向)にエポキシ樹脂の分子鎖を配向させる場合について説明する。図6に示すように、金型12aの内部には、キャビティ13aがシート状に形成されている。また、金型12aの上下には磁場発生手段としての一対の永久磁石14aが配設され、永久磁石14aによって発生する磁場の磁力線M1は、キャビティ13aの厚さ方向に一致するようになっている。

0038

このキャビティ13aにエポキシ樹脂組成物15を充填させる。ここで、金型12aには図示しない加熱装置が備えられ、キャビティ13aに充填されたエポキシ樹脂組成物15に含有されるエポキシ樹脂は溶融状態に維持される。また、エポキシ樹脂組成物にエポキシ樹脂としての液晶性エポキシ樹脂を含有させた場合には、液晶性エポキシ樹脂は液晶状態に維持される。次に、永久磁石14aによってキャビティ13aに充填されたエポキシ樹脂組成物15に所定の磁束密度の磁場を印加する。なお、磁場はキャビティ13aにエポキシ樹脂組成物15を充填する前に予め印加しておいてもよい。このとき、磁力線M1は、シート状のエポキシ樹脂組成物15の厚さ方向に一致するため、エポキシ樹脂の分子鎖をシート状のエポキシ樹脂組成物15の厚さ方向に配向することができる。この配向状態でエポキシ樹脂を硬化反応させて、金型12aから取り出すとエポキシ樹脂の分子鎖が厚さ方向に配向して、配向度αが0.5以上1.0未満である熱伝導性シート11を得ることができる。

0039

このとき、熱伝導性シート11の厚さ方向の配向度αは、0.5以上1.0未満である。従って、熱伝導性シート11は、厚さ方向に高い熱伝導率λを有し、厚さ方向に熱伝導性が要求される回路基板材料、半導体パッケージ用の放熱シート等に適用することができる。

0040

次に、熱伝導性シート11の面内方向(図5におけるX軸方向、Y軸方向等)にエポキシ樹脂の分子鎖を配向させる場合について説明する。図7に示すように、金型12bに形成されるキャビティ13bの面内方向に磁力線M2が一致するように、一対の永久磁石14bを金型12bの両側方に対向させて配設する。次に、永久磁石14bによってキャビティ13bに充填されたエポキシ樹脂組成物15に磁場を印加する。このとき、磁力線M2はシート状のエポキシ樹脂組成物15の面内方向に一致するため、エポキシ樹脂の分子鎖をエポキシ樹脂組成物15の面内方向に配向することができる。この配向状態でエポキシ樹脂を硬化反応させ、金型12bから取り出すと、エポキシ樹脂の分子鎖が面内方向に配向した熱伝導性シート11を得ることができる。

0041

このとき、熱伝導性シート11の面内方向の配向度αは、0.5以上1.0未満である。従って、熱伝導性シート11は、面内方向に高い熱伝導率λを有し、面内方向に熱伝導性が要求される回路基板材料、半導体パッケージ用の放熱シート等に適用することができる。

0042

本実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ この実施形態の熱伝導性エポキシ樹脂成形体においては、エポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物から得られ、硬化されたエポキシ樹脂の配向度αが0.5以上1.0未満の範囲である。従って、エポキシ樹脂の配向方向に高い熱伝導率λを有し、優れた熱伝導性を発揮することができる。また、エポキシ樹脂組成物に熱伝導性充填剤を配合し、得られる熱伝導性エポキシ樹脂成形体の熱伝導性を向上させた場合でも、エポキシ樹脂の配向度αを上記の範囲に設定することによって、その熱伝導性がさらに向上される。従って、優れた熱伝導性を発揮することができる。

0043

・ この実施形態の熱伝導性エポキシ樹脂成形体においては、エポキシ樹脂は分子内にメソゲン基を有する液晶性エポキシ樹脂であることが好ましい。この場合、液晶性エポキシ樹脂の分子は容易に配向させることができるため、優れた熱伝導性を有する熱伝導性エポキシ樹脂成形体を容易に得ることができる。

0044

・ この実施形態の熱伝導性エポキシ樹脂成形体においては、シート状をなし、厚さ方向の熱伝導率λが0.5〜30W/(m・K)であることが好ましい。このように構成した場合、回路基板材料、放熱シート等、シート状であってその厚さ方向に高い熱伝導性が要求される用途に適用することができる。

0045

・ この実施形態の熱伝導性エポキシ樹脂成形体の製造方法においては、エポキシ樹脂組成物に磁場を一定方向に印加させた後にエポキシ樹脂を硬化させている。この製造方法によると、電気絶縁性、機械的性質、耐熱性、耐薬品性、接着性、低密度等のエポキシ樹脂の特徴を十分に発揮させることができるとともに、優れた熱伝導性を有する熱伝導性エポキシ樹脂成形体を容易に得ることができる。

0046

なお、前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・ 前記エポキシ樹脂組成物には、熱伝導性充填剤以外のガラス繊維等の通常の充填剤を配合してもよい。

0047

・ 前記エポキシ樹脂組成物には、液晶性を有しないエポキシ樹脂のみを含有させてもよく、液晶性エポキシ樹脂のみを含有させてもよい。また、エポキシ樹脂組成物にはエポキシ樹脂と液晶性エポキシ樹脂の両方を含有させてもよい。

0048

・ 前記エポキシ樹脂組成物には、メソゲン基を有し、液晶性を示す硬化剤を配合してもよい。
・ 前記永久磁石14a、14bは、金型12a、12bを挟むように一対配設されているが、一方の永久磁石14a、14bを省略してもよい。

0049

・ 前記永久磁石14a、14bは、S極とN極とが互いに対向するように一対配設されているが、S極同士又はN極同士が対向するように配設してもよい。
・ 前記磁力線M1、M2は、直線状であるが、曲線状等でもよい。また、前記永久磁石14a、14bは磁力線M1、M2が一方向に延びるように配設されているが、磁力線M1、M2が二方向以上に延びるように永久磁石14a、14bを配設してもよい。さらに、磁力線M1、M2又は金型12a、12bを回転させてもよい。

0050

【実施例】
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
エポキシ樹脂として液晶性エポキシ樹脂であるテレフタリリデン‐ビス‐(4‐アミノ‐3‐メチルフェノールジグリシジルエーテル(以下、液晶性エポキシ樹脂Aという。)と硬化剤として4,4’‐ジアミノ‐1,2‐ジフェニルエタンを、1:0.5のモル比で混合することによってエポキシ樹脂組成物を調製した。このエポキシ樹脂組成物を温度170℃に加熱した金型のキャビティに入れて溶融させた後、磁束密度5テスラの磁場中にて、170℃、10分間で硬化させ、熱伝導性エポキシ樹脂成形体としての厚さ2mmの熱伝導性シートを作製した。なお、磁力線の方向はシート状のエポキシ樹脂組成物の厚み方向とした。
(実施例2)
実施例1と同一のエポキシ樹脂組成物を使用し、表1に記載の磁束密度に変更した以外は実施例1と同様に熱伝導性シートを作成した。
(実施例3)
エポキシ樹脂として液晶性エポキシ樹脂である1,5‐ビス‐[4‐[2‐アザ‐2‐(メチル‐4‐ヒドロキシフェニル)‐ビニルフェノキシペンタンジグリシジルエーテル(以下、液晶性エポキシ樹脂Bという。)と硬化剤として4,4’‐ジアミノ‐1,2‐ジフェニルエタンを、1:0.5のモル比で混合することによってエポキシ樹脂組成物を調製した。このエポキシ樹脂組成物を温度150℃に加熱した金型のキャビティに入れて溶融させた後、磁束密度10テスラの磁場中にて、105℃、2時間で硬化させ、熱伝導性エポキシ樹脂成形体としての厚さ2mmの熱伝導性シートを作製した。なお、磁力線の方向はシート状のエポキシ樹脂組成物の厚み方向とした。
(実施例4)
エポキシ樹脂として液晶性エポキシ樹脂であるジヒドロキシ‐α‐メチルスチルベンジグリシジルエーテル(以下、液晶性エポキシ樹脂Cという。)と硬化剤として4,4’‐ジアミノ‐1,2‐ジフェニルエタンを、1:0.5のモル比で混合することによってエポキシ樹脂組成物を調製した。このエポキシ樹脂組成物を温度150℃に加熱した金型のキャビティに入れて溶融させた後、磁束密度10テスラの磁場中にて、150℃、1時間で硬化させ、熱伝導性エポキシ樹脂成形体としての厚さ2mmの熱伝導性シートを作製した。なお、磁力線の方向はシート状のエポキシ樹脂組成物の厚み方向とした。
(実施例5)
エポキシ樹脂として液晶性エポキシ樹脂である1,4‐ビス‐[4‐(4‐ヒドロキシベンゾエート)フェノキシ]ブタンジグリシジルエーテル(以下、液晶性エポキシ樹脂Dという。)と硬化剤として4,4’‐ジアミノ‐1,2‐ジフェニルエタンを、1モル:0.5モルで混合することによってエポキシ樹脂組成物を調製した。このエポキシ樹脂組成物を温度150℃に加熱した金型のキャビティに入れて溶融させた後、磁束密度10テスラの磁場中にて、150℃、3時間で硬化させ、熱伝導性エポキシ樹脂成形体としての厚さ2mmの熱伝導性シートを作製した。なお、磁力線の方向はシート状のエポキシ樹脂組成物の厚み方向とした。
(比較例1)
実施例1と同一のエポキシ樹脂組成物を、温度170℃に加熱した金型のキャビティに入れて溶融させた後、磁場を印加せずに170℃、10分間で硬化させ、厚さ2mmのシート状の成形体を作製した。
(比較例2)
実施例3と同一のエポキシ樹脂組成物を、温度150℃に加熱した金型のキャビティに入れて溶融させた後、磁場を印加せずに105℃、2時間で硬化させ、厚さ2mmのシート状の成形体を作製した。

0051

実施例1〜5、比較例1及び比較例2の配向度αを株式会社マックサイエンス製のX線回折装置を使用して算出した。実施例2のX線回折測定による赤道方向の回折パターンを図1に、回折ピーク角度2θ=20度における方位角分布図2に示す。また、比較例1のX線回折測定による赤道方向の回折パターンを図3に、回折ピーク角度2θ=20度における方位角分布を図4に示す。

0052

実施例1〜5、比較例1及び比較例2の厚さ方向の熱伝導率λをレーザーフラッシュ法で測定した。実施例1〜5、比較例1及び比較例2の配向度α及び熱伝導率λを表1に示す。

0053

【表1】
表1の結果から明らかなように、実施例1〜5では、配向度αが0.5以上の熱伝導性シートが得られ、いずれも厚さ方向の熱伝導率λが0.5W/(m・K)以上の優れた熱伝導性が発揮されている。このように実施例1〜5では、高性能化された最近の電子部品に十分に対応できる熱伝導性シートを得ることができた。

0054

一方、比較例1及び比較例2では、配向度αが0.5未満であるとともに、熱伝導率λが0.5W/(m・K)未満の不十分な熱伝導性を示している。
次に、上記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。

0055

(1) 前記配向度αの範囲は、磁場発生手段による磁場の印加によって設定されている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の熱伝導性エポキシ樹脂成形体。このように構成した場合、配向度αを容易に設定することができる。

0056

(2) 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の熱伝導性エポキシ樹脂成形体の製造方法において、前記エポキシ樹脂組成物にはエポキシ樹脂と反応してエポキシ樹脂を硬化させる硬化剤を含有させ、該硬化剤含有するエポキシ樹脂組成物を加熱することによって、エポキシ樹脂を硬化反応させるとともにエポキシ樹脂の硬化反応中に磁場発生手段によって磁場を印加させることを特徴とする熱伝導性エポキシ樹脂成形体の製造方法。この製造方法の場合、エポキシ樹脂の特徴を十分に発揮させることができるとともに、優れた熱伝導性を有する熱伝導性エポキシ樹脂成形体をさらに容易に得ることができる。

0057

(3) 請求項2に記載の熱伝導性エポキシ樹脂成形体の製造方法において、前記エポキシ樹脂組成物は液晶性エポキシ樹脂が液晶状態を発現する温度に加熱した状態で磁場発生手段によって磁場を印加させながら硬化されることを特徴とする熱伝導性エポキシ樹脂成形体の製造方法。

発明を実施するための最良の形態

0058

(4) 請求項2に記載の熱伝導性エポキシ樹脂成形体の製造方法において、前記エポキシ樹脂組成物には液晶性エポキシ樹脂と反応して液晶性エポキシ樹脂を硬化させる硬化剤を含有させ、該硬化剤含有する液晶性エポキシ樹脂組成物を液晶性エポキシ樹脂が液晶状態を発現する温度に加熱することによって、液晶性エポキシ樹脂を硬化反応させるとともに液晶性エポキシ樹脂の硬化反応中に磁場発生手段によって磁場を印加させることを特徴とする熱伝導性エポキシ樹脂成形体の製造方法。上記(3)及び(4)に記載の製造方法の場合、液晶性エポキシ樹脂の液晶性を十分に発揮させることができ、優れた熱伝導性を有する熱伝導性エポキシ樹脂成形体をさらに容易に得ることができる。

0059

この発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明の熱伝導性エポキシ樹脂成形体によれば、優れた熱伝導性を発揮することができる。

0060

請求項2に記載の発明の熱伝導性エポキシ樹脂成形体によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、優れた熱伝導性を有する熱伝導性エポキシ樹脂成形体を容易に得ることができる。

発明の効果

0061

請求項3に記載の発明の熱伝導性エポキシ樹脂成形体によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加え、シート状であってその厚さ方向に高い熱伝導性が要求される用途に適用することができる。

図面の簡単な説明

0062

請求項4に記載の発明の熱伝導性エポキシ樹脂成形体の製造方法によれば、エポキシ樹脂の特徴を十分に発揮させることができるとともに、優れた熱伝導性を有する熱伝導性エポキシ樹脂成形体を容易に得ることができる。

図1
実施の形態における熱伝導性エポキシ樹脂成形体(実施例2)の赤道方向の回折パターンを示すグラフ
図2
実施の形態における熱伝導性エポキシ樹脂成形体(実施例2)の方位角方向の強度分布を示すグラフ。
図3
従来のエポキシ樹脂成形体(比較例1)の赤道方向の強度分布を示すグラフ。
図4
従来のエポキシ樹脂成形体(比較例1)の方位角方向の強度分布を示すグラフ。
図5
実施の形態における熱伝導性シートを示す斜視図。
図6
厚さ方向に高い配向度を有する熱伝導性シートの製造方法を示す概念図。
図7
面内方向に高い配向度を有する熱伝導性シートの製造方法を示す概念図。
【符号の説明】
11…熱伝導性エポキシ樹脂成形体としての熱伝導性シート、15…エポキシ樹脂組成物、Δβ…半値幅。

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