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技術 金属管の組織制御方法及び装置並びに金属板の製造方法

出願人 三菱重工業株式会社
発明者 大石朗
出願日 2002年11月27日 (18年1ヶ月経過) 出願番号 2002-344145
公開日 2004年6月24日 (16年6ヶ月経過) 公開番号 2004-174563
状態 拒絶査定
技術分野 管の製造;マンドレル 金属の押出 非鉄金属または合金の熱処理 金属の引抜加工
主要キーワード 屈曲角θ 加工通路 共有部品 拡大加工 縮小加工 エネルギー総量 超塑性現象 再生塊
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

強ひずみ加工が施された工業的汎用材である管材を作るのに好適な金属管組織制御方法を提供することにある。

解決手段

円錐台状部12及びこの円錐台状部の周面12aとの間に鈍角θをなして連なる大径軸部13を備えるマンドレル11、大径軸部と間に管素材通路19を形成して配置されたリング形ダイ16、及び円錐台状部の周面12aとの間に管素材通路19に連通する加工通路20を形成して配置された略鼓状をなす複数の加工ロール17とを備える加工部3と、この加工部に対して金属製管素材2を軸方向に押込む押込み部5,6とを具備した組織制御装置1を用いる。この装置1に管素材2を往復させて通しながら、この管素材2に前記鈍角部分でECAP法によるせん断変形を連続的に与えることにより、管素材2の少なくとも管径を変化させる強ひずみ加工を、管素材2に繰返し施すことを特徴としている。

概要

背景

従来、金属材料結晶粒を1ミクロン以下に微細化する強ひずみ加工としてECAP(Equal‐Channel Angular Pressing)法が提案されている(例えば特許文献1参照。)。

概要

強ひずみ加工が施された工業的汎用材である管材を作るのに好適な金属管組織制御方法を提供することにある。円錐台状部12及びこの円錐台状部の周面12aとの間に鈍角θをなして連なる大径軸部13を備えるマンドレル11、大径軸部と間に管素材通路19を形成して配置されたリング形ダイ16、及び円錐台状部の周面12aとの間に管素材通路19に連通する加工通路20を形成して配置された略鼓状をなす複数の加工ロール17とを備える加工部3と、この加工部に対して金属製管素材2を軸方向に押込む押込み部5,6とを具備した組織制御装置1を用いる。この装置1に管素材2を往復させて通しながら、この管素材2に前記鈍角部分でECAP法によるせん断変形を連続的に与えることにより、管素材2の少なくとも管径を変化させる強ひずみ加工を、管素材2に繰返し施すことを特徴としている。

目的

本発明が解決しようとする課題は、強ひずみ加工が施された工業的汎用材である金属の管材又は板を作るのに好適な製造方法とともに、前記金属管の組織制御方法を実施する実用的な装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

金属製管素材せん断変形を連続的に与えることにより、前記管素材管径又は肉厚のうちの少なくとも前記管径を変化させる強ひずみ加工を、前記管素材に繰返し施すことを特徴とする金属管組織制御方法

請求項2

金属製管素材壁にせん断変形を連続的に与えることにより、前記管素材の管径又は肉厚のうちの少なくとも前記管径を変化させる強ひずみ加工を行う加工部に対して、前記管素材を軸方向に往復移動させて、前記強ひずみ加工を前記管素材に繰返し施すことを特徴とする金属管の組織制御方法。

請求項3

金属製管素材にせん断変形を連続的に与えることにより、前記管素材の管径又は肉厚のうちの少なくとも前記管径を小さくする第1の強ひずみ加工と、前記管素材にせん断変形を連続的に与えることにより、前記管素材の管径又は肉厚のうちの少なくとも前記管径を大きくする第2の強ひずみ加工とを、前記管素材に交互に施すことを特徴とする金属管の組織制御方法。

請求項4

金属製管素材にせん断変形を連続的に与えることにより、前記管素材の管径又は肉厚のうちの少なくとも前記管径を小さくする第1の強ひずみ加工を行う第1組織制御部と、前記管素材にせん断変形を連続的に与えることにより、前記管素材の管径又は肉厚のうちの少なくとも前記管径を大きくする第2の強ひずみ加工を行う第2組織制御部とを交互に用いて、前記管素材に前記第1、第2の強ひずみ加工を交互に施すことを特徴とする金属管の組織制御方法。

請求項5

金属製管素材にせん断変形を連続的に与えることにより、前記管素材の管径又は肉厚のうちの少なくとも前記管径を小さくする前記第1の強ひずみ加工を行う第1組織制御部と、この第1組織制御部に対して直列に配置されて、前記管素材にせん断変形を連続的に与えることにより、前記管素材の管径又は肉厚のうちの少なくとも前記管径を大きくする第2の強ひずみ加工を行う第2組織制御部とを、1組以上用いて、これら組織制御部により前記管素材に前記第1、第2の強ひずみ加工を交互に施すことを特徴とする金属管の組織制御方法。

請求項6

金属製管素材にせん断変形を連続的に与えることにより、前記管素材の管径又は肉厚のうちの少なくとも前記管径を小さくする前記第1の強ひずみ加工、及び前記管素材にせん断変形を連続的に与えることにより、前記管素材の管径又は肉厚のうちの少なくとも前記管径を大きくする第2の強ひずみ加工を行う第1組織制御部と、この第1組織制御部に対して直列に配置されて前記第1及び第2の強ひずみ加工を行う第2組織制御部とにわたって前記管素材を往復移動させて、前記管素材に前記第1、第2の強ひずみ加工を交互に施すことを特徴とする金属管の組織制御方法。

請求項7

互いに直列に配置されるとともに、金属製管素材にせん断変形を連続的に与えることにより、前記管素材の管径又は肉厚のうちの少なくとも前記管径を大きくする強ひずみ加工を施す複数の組織制御部に対して、これら組織制御部の内で相対的に加工する径が小さい組織制御部から大きい組織制御部に向けて前記管素材を移動させることによって、前記管素材の径を順次大きくしつつ前記管素材に前記強ひずみ加工を施すことを特徴とする金属管の組織制御方法。

請求項8

円錐台状部及びこの円錐台状部の周面との間に鈍角をなして連なる周面を有し前記円錐台状部の大径端に連続して設けられた大径軸部を備えるマンドレルと、前記大径軸部の周面と間に管素材通路を形成して前記大径軸部の外側に配置されたリング形ダイと、前記円錐台状部の周面との間に前記管素材通路に連通する加工通路を形成して前記円錐台状部の外側に配置されるとともに、前記円錐台状部及び前記管素材通路に対向して配置された略鼓状をなす複数の加工ロールとを備える加工部と、この加工部に対して金属製管素材をこの素材の軸方向に沿って押込む押込み部とを具備していることを特徴とする金属管の組織制御装置

請求項9

円錐台状部、及びこの円錐台状部の周面との間に鈍角をなして連なる周面を有し前記円錐台状部の大径端に連続して設けられた大径軸部を備えるマンドレルと、前記大径軸部の周面と間に管素材通路を形成して前記大径軸部の外側に配置されたリング形ダイと、前記円錐台状部の周面との間に前記管素材通路に連通する加工通路を形成して前記円錐台状部の外側に配置されるとともに、前記円錐台状部及び前記管素材通路に対向して配置された略鼓状をなす複数の加工ロールとを備える第1の加工部と、この第1の加工部と同一構成であって、前記第1の加工部に対して直列で且つ線対称に設置された第2の加工部と、これら第1、第2の加工部に対して金属製管素材をこの素材の軸方向に沿って押込む押込み部とを具備し、前記第1、第2の加工部が少なくとも一組設けられていることを特徴とする金属管の組織制御装置。

請求項10

互いに直列に配置されるとともに、金属製管素材にせん断変形を連続的に与えることにより、前記管素材の管径又は肉厚のうちの少なくとも前記管径を大きくする強ひずみ加工を施す複数の組織制御部と、これらの組織制御部に対して前記管素材をこの素材の軸方向に沿って押込む押込み部とを具備し、前記各組織制御部が、円錐台状部及びこの円錐台状部の周面との間に鈍角をなして連なる周面を有し前記円錐台状部の大径端に連続して設けられた大径軸部を備えるマンドレルと、前記大径軸部の周面と間に管素材通路を形成して前記大径軸部の外側に配置されたリング形ダイと、前記円錐台状部の周面との間に前記管素材通路に連通する加工通路を形成して前記円錐台状部の外側に配置されるとともに、前記円錐台状部及び前記管素材通路に対向して配置された略鼓状をなす複数の加工ロールとを備えており、これら各組織制御部の内で相対的に加工する径が小さい組織制御部から大きい組織制御部に向けて前記管素材を移動させることによって、前記管素材の径を順次大きくしつつ前記管素材に前記強ひずみ加工を施すことを特徴とする金属管の組織制御装置。

請求項11

請求項1から7のうちのいずれか1項の金属管の組織制御方法によって管材を得る工程と、この工程で得た管材を軸方向に沿って切断し展開して板材とする工程と、を備えることを特徴とする金属板の製造方法。

請求項12

請求項1から7のうちのいずれか1項の金属管の組織制御方法によって管材を得る工程と、この工程で得た管材を軸方向に沿って切断し展開して板材とする工程と、この工程で得た板材を圧延する工程と、を備えることを特徴とする金属板の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、金属管金属板に対しその結晶粒微細化及び又は結晶配向制御等の組織制御を強ひずみ加工により施して、金属管や金属板の加工性能などを改善する金属管の組織制御方法及び装置並びに金属板の製造方法に関する。

0002

従来、金属材料結晶粒を1ミクロン以下に微細化する強ひずみ加工としてECAP(Equal‐Channel Angular Pressing)法が提案されている(例えば特許文献1参照。)。

0003

このECAP法では、金型に設けられて途中に角度を持った各部の孔径が等しいチャンネルに、このチャンネルの横断面と同一断面を持つ棒状の金属材料をラム押込んで、通すことによって、前記角度に起因するせん断変形を金属材料に連続的に与える。この1回の加工により得られた加工後の金属材料の断面サイズは、加工前に金属材料の断面サイズと同じである。次に、1度加工された金属材料を繰返しチャンネルから押出すことによって、金属材料に所定の強ひずみを与えている。

0004

この他に、従来、前記ECAP法の原理を利用して金属板にせん断変形加工を連続的に与えるConshearing法も提案されている(例えば特許文献2参照。)。

0005

このConshearing法では、大径ロールとこの周面に沿って配置された複数の小径ロール群との間に板状の金属板素材を通し、この金属板素材の移動方向最下流に位置する小径ロールの出口に設けられたダイス中の通路に、金属板素材を通過させることで、金属板素材が大径ロール周面からダイスに導入される際の屈折に起因するせん断変形を、金属板素材に連続的に与えるものである。

0006

【特許文献1】
特開2000−271693号公報(段落0012−0013、図1

背景技術

0007

【特許文献2】
特開2001−262224号公報(段落0008、0010−0015、0022、図1図2

0008

特許文献1の方法は、押出し法であるために、実施し得る金属材料が棒材であることに適用上の制限があり、工業的汎用材である例えば金属管や金属板については適用が実質的に困難である。例えば、ある厚み以上の金属板への適用は可能と考えられるが、実用性が高い金属薄板に適用しようとすると、押込み力によって薄い金属板素材が容易に座屈して、加工ができなくなる。更に、特許文献1には、その方法を繰返し実施して所定の強ひずみを与えることは記載されているが、強ひずみ加工を繰返し実行するための具体的な装置については言及がない。

0009

特許文献2の方法では、工業的汎用材である金属管については適用できない。更に、特許文献2の方法でも、加工前と加工後の金属板の断面が同じであるので、大きな金属板や薄い金属板を加工する場合には、金属板素材が座屈し易くなって加工ができなくなる。しかも、特許文献2の方法を実施する装置は、金属板を屈曲させる部分が金型ではなく、ダイスの入口部と大径ロールとで作られているので、これらの間に金属板が入り込んで成形不良となる恐れがあるとともに、ダイスの入口部の強度が弱く耐久性に劣る。その上、特許文献2の方法を実施する装置は、多数のガイドロール、座屈防止のために各ガイドロール間に夫々設けたガイドシュー、及びこれらを大径ロール方向に付勢する多数のスプリングを要するなど、構成が複雑である。したがって、装置としての信頼性が低い。これにより、特許文献2に記載の装置は、強ひずみ加工が施された金属板を作る組織制御装置としては不充分である。

発明が解決しようとする課題

0010

本発明が解決しようとする課題は、強ひずみ加工が施された工業的汎用材である金属の管材又は板を作るのに好適な製造方法とともに、前記金属管の組織制御方法を実施する実用的な装置を提供することにある。

0011

前記課題を解決するために、本発明に係る金属管の組織制御方法は、金属製管素材にせん断変形を連続的に与えることにより、前記管素材管径又は肉厚のうちの少なくとも前記管径を変化させる強ひずみ加工を、前記管素材に繰返し施すことを特徴としている。

0012

同様に、前記課題を解決するために、本発明に係る金属管の組織制御方法は、金属製管素材にせん断変形を連続的に与えることにより、前記管素材の管径又は肉厚のうちの少なくとも前記管径を変化させる強ひずみ加工を行う加工部に対して、前記管素材を軸方向に往復移動させて、前記強ひずみ加工を前記管素材に繰返し施すことを特徴としている。

0013

同様に、前記課題を解決するために、本発明に係る金属管の組織制御方法は、金属製管素材にせん断変形を連続的に与えることにより、前記管素材の管径又は肉厚のうちの少なくとも前記管径を小さくする第1の強ひずみ加工と、前記管素材にせん断変形を連続的に与えることにより、前記管素材の管径又は肉厚のうちの少なくとも前記管径を大きくする第2の強ひずみ加工とを、前記管素材に交互に施すことを特徴としている。

0014

同様に、前記課題を解決するために、本発明に係る金属管の組織制御方法は、金属製管素材にせん断変形を連続的に与えることにより、前記管素材の管径又は肉厚のうちの少なくとも前記管径を小さくする第1の強ひずみ加工を行う第1組織制御部と、前記管素材にせん断変形を連続的に与えることにより、前記管素材の管径又は肉厚のうちの少なくとも前記管径を大きくする第2の強ひずみ加工を行う第2組織制御部とを交互に用いて、前記管素材に前記第1、第2の強ひずみ加工を交互に施すことを特徴としている。

0015

同様に、前記課題を解決するために、本発明に係る金属管の組織制御方法は、金属製管素材にせん断変形を連続的に与えることにより、前記管素材の管径又は肉厚のうちの少なくとも前記管径を小さくする前記第1の強ひずみ加工を行う第1組織制御部と、この第1組織制御部に対して直列に配置されて、前記管素材にせん断変形を連続的に与えることにより、前記管素材の管径又は肉厚のうちの少なくとも前記管径を大きくする第2の強ひずみ加工を行う第2組織制御部とを、1組以上用いて、これら組織制御部により前記管素材に前記第1、第2の強ひずみ加工を交互に施すことを特徴としている。

0016

同様に、前記課題を解決するために、本発明に係る金属管の組織制御方法は、金属製管素材にせん断変形を連続的に与えることにより、前記管素材の管径又は肉厚のうちの少なくとも前記管径を小さくする前記第1の強ひずみ加工、及び前記管素材にせん断変形を連続的に与えることにより、前記管素材の管径又は肉厚のうちの少なくとも前記管径を大きくする第2の強ひずみ加工を行う第1組織制御部と、この第1組織制御部に対して直列に配置されて前記第1及び第2の強ひずみ加工を行う第2組織制御部とにわたって前記管素材を往復移動させて、前記管素材に前記第1、第2の強ひずみ加工を交互に施すことを特徴としている。

0017

同様に、前記課題を解決するために、本発明に係る金属管の組織制御方法は、互いに直列に配置されるとともに、金属製管素材にせん断変形を連続的に与えることにより、前記管素材の管径又は肉厚のうちの少なくとも前記管径を大きくする強ひずみ加工を施す複数の組織制御部に対して、これらの組織制御部の内で相対的に加工する径が小さい組織制御部から大きい組織制御部に向けて前記管素材を移動させることによって、前記管素材の径を順次大きくしつつ前記管素材に前記強ひずみ加工を施すことを特徴としている。

0018

又、前記課題を解決するために、本発明に係る金属管の組織制御装置は、円錐台状部及びこの円錐台状部の周面との間に鈍角をなして連なる周面を有し前記円錐台状部の大径端に連続して設けられた大径軸部を備えるマンドレルと、前記大径軸部の周面と間に管素材通路を形成して前記大径軸部の外側に配置されたリング形ダイと、前記円錐台状部の周面との間に前記管素材通路に連通する加工通路を形成して前記円錐台状部の外側に配置されるとともに、前記円錐台状部及び前記管素材通路に対向して配置された略鼓状をなす複数の加工ロールとを備える加工部と、この加工部に対して金属製管素材をこの素材の軸方向に沿って押込む押込み部とを具備している。

0019

同様に、前記課題を解決するために、本発明に係る金属管の組織制御装置は、円錐台状部及びこの円錐台状部の周面との間に鈍角をなして連なる周面を有し前記円錐台状部の大径端に連続して設けられた大径軸部を備えるマンドレルと、前記大径軸部の周面と間に管素材通路を形成して前記大径軸部の外側に配置されたリング形ダイと、前記円錐台状部の周面との間に前記管素材通路に連通する加工通路を形成して前記円錐台状部の外側に配置されるとともに、前記円錐台状部及び前記管素材通路に対向して配置された略鼓状をなす複数の加工ロールとを備える第1の加工部と、この第1の加工部と同一構成であって、前記第1の加工部に対して直列で且つ線対称に設置された第2の加工部と、これら第1、第2の加工部に対して金属製管素材をこの素材の軸方向に沿って押込む押込み部とを具備し、前記第1、第2の加工部が少なくとも一組設けられていることを特徴としている。

0020

同様に、前記課題を解決するために、本発明に係る金属管の組織制御装置は、互いに直列に配置されるとともに、金属製管素材にせん断変形を連続的に与えることにより、前記管素材の管径又は肉厚のうちの少なくとも前記管径を大きくする強ひずみ加工を施す複数の組織制御部と、これらの組織制御部に対して前記管素材をこの素材の軸方向に沿って押込む押込み部とを具備し、前記各組織制御部が、円錐台状部及びこの円錐台状部の周面との間に鈍角をなして連なる周面を有し前記円錐台状部の大径端に連続して設けられた大径軸部を備えるマンドレルと、前記大径軸部の周面と間に管素材通路を形成して前記大径軸部の外側に配置されたリング形ダイと、前記円錐台状部の周面との間に前記管素材通路に連通する加工通路を形成して前記円錐台状部の外側に配置されるとともに、前記円錐台状部及び前記管素材通路に対向して配置された略鼓状をなす複数の加工ロールとを備えており、これら各組織制御部の内で相対的に加工する径が小さい組織制御部から大きい組織制御部に向けて前記管素材を移動させることによって、前記管素材の径を順次大きくしつつ前記管素材に前記強ひずみ加工を施すことを特徴としている。

0021

又、前記課題を解決するために、本発明に係る金属板の組織制御方法は、請求項1から7のうちのいずれか1項の金属管の組織制御方法によって管材を得る工程と、この工程で得た管材を軸方向に沿って切断し展開して板材とする工程と、を備えることを特徴としている。

0022

同様に、前記課題を解決するために、本発明に係る金属板の組織制御方法は、請求項1から7のうちのいずれか1項の金属管の組織制御方法によって管材を得る工程と、この工程で得た管材を軸方向に沿って切断し展開して板材とする工程と、この工程で得た板材を圧延する工程と、を備えることを特徴としている。

0023

以上の各発明において、管素材(出発素材ともいう。)には、マンスマピアサを用いる穿孔圧延によって棒材から所定の管径と肉厚を有して作られた粗管を、プラグミルを用いる延伸圧延等によって肉厚を減じて所定の管径と肉厚を有して作られた丸形等の管素材(なお、この管素材にはそれに加えられた圧延により既に一定の強ひずみ加工が施されている。)、又は連続鋳造又は押出し成形等によって得られる丸形等の中空ビレットで作られた管素材、或いは金属板材をその両縁が合うように曲げ加工し、合わされた両縁を溶接或いは鍛接して作られた丸形等の管素材等を好適に用いることが可能である。

課題を解決するための手段

0024

更に、以上の各発明において、管素材をなす金属材料には、Al系材料Mg系材料、Ti系材料、Fe系材料Cu系材料、その他の金属系材料を用いることが可能である。以上の各発明での強ひずみ加工は、使用金属材料の再結晶温度未満で行うことが望ましい。

0025

以下、図1及び図2を参照して本発明の第1実施形態を説明する。

0026

図1中符号1は金属製管素材2に強ひずみ加工を施す装置、つまり、金属管の組織制御装置を示している。この装置1は、単一の加工部3と、この加工部3の駆動機4と、第1及び第2の押込み部5及び6と、これら押込み部5及び6に対して個別に設けられた第1及び第2の押込み駆動機7及び8と、各駆動機4、7、8を個別に制御する制御器9とを備えている。

0027

加工部3は、マンドレル11と、リング形ダイ16と、複数例えば一対の加工ロール17とを備えている。

0028

マンドレル11は、円錐台状部12、円柱状の大径軸部13、及び小径軸部14と、先細部15とを備えていて、その小径軸部14を除いた部分がプラグ状をなしている。円錐台状部12の大径端には例えば円錐台状部12と略同じ長さの大径軸部13が一体に連続して設けられている。大径軸部13には小径軸部14がテーパ部14a介して一体に連続して設けられ、この小径軸部14は図示しない固定部に片持ち支持されている。円錐台状部12の小径端には先細部15が一体に連続して設けられている。先細部15は、この先細部15側から管素材2を後述の加工通路20に押し込む際に、管素材2の円滑な押込みを可能とするためのガイドとして機能する。

0029

円錐台状部12は、その小径端側が等径であり、この等径部分から大径軸部13に向かうに従い次第に径が大きくなっていて、しかも、本実施形態の場合には例えば湾曲面状をなしている。この湾曲面状の周面12aと大径軸部13の周面13aとは、鈍角(屈曲角θ)の角部11aをなして連なっている。屈曲角θは、管素材2の材料及び管壁の肉厚、並びに管素材2に与える径の変化の程度、更には加工温度等を案して90度を超えて180度未満に設定されるが、管素材2の後述の押込みをより容易にするために135度±30度の範囲に設定することが好ましい。なお、この屈曲角θは、円錐台状部12の周面12aが湾曲面状ではなく一定傾斜角の斜面で作られている場合も同様に作られる。しかし、円錐台状部12の周面12aを湾曲面状とすることは、後述する加工ロール17の周面との間に略90度に近い範囲にわたる後述の加工通路20を形成できる点で好ましい。

0030

リング形ダイ16は大径軸部13の外側にマンドレル11と同心的に配置されていて、図示しない固定部に支持されている。このダイ16の内径は大径軸部13の外径より大きく、これら大径軸部13の周面13aとダイ16の内周面との間には円環状の管素材通路19が形成されている。

0031

ダイ16の円錐台状部側の端部は、マンドレル11の角部11aより少し円錐台状部12に被っているとともに、前記端部の端面16bは、外周面に向かうにしたがって小径軸部14側に傾斜し後退している。この端面16bは加工ロール17の接線となるように傾斜している。リング形ダイ16の小径軸部側の端部内周側は、テーパ部14aと対向するテーパ部16aをなしている。このテーパ部16aはテーパ部14aとは逆テーパをなしている。これらテーパ部14a、16aは、小径軸部14側から管素材2を管素材通路19に押し込む際に、管素材2の円滑な押込みを可能とするためのガイドとして機能する。

0032

2個の加工ロール17は、同じ大きさであって、図2に例示するように略鼓状をなしている。これらの加工ロール17は、例えばマンドレル11の径方向に対応する位置であって、円錐台状部12の外側に、この円錐台状部12の湾曲面状周面12aおよび管素材通路19と夫々対向して配置されている。この配置により、両加工ロール17の外周部17aと前記周面12aとの間に、周面12aに沿う湾曲状の加工通路20が夫々形成され、これらの通路20は管素材通路19に連通されている。更に、各加工ロール17は、後述のように管素材2が縮径加工される場合に管素材2の肉厚を増やすとともに、管素材2が拡径加工される場合に管素材2の肉厚を減らすように、円錐台状部12及び管素材通路19との相対位置が定められている。

0033

加工部3の駆動機4は、油圧モータ若しくは電動モータ等を有しており、各加工ロール17を同期して正転及び逆転させるものである。この駆動機4により各加工ロール17は、管素材2を同一方向に移動させることを可能とする回転方向に回転され、本実施形態では互いに逆方向に同期して回転される。

0034

第1押込み部5は加工部3に対する第1の管素材出入り側(加工ロール17側)に配置され、第2押込み部6は加工部3に対する第2の管素材出入り側(ダイ16側)に配置されている。第1押込み部5は、管素材2を径方向から挟む複数例えば一対のロール5a(図2参照)を回転自在に配置して形成され、第2押込み部6も、管素材2を径方向から挟む複数例えば一対の略鼓状をなすロール6a(図1に一方のみ図示)を回転自在に配置して形成されている。両ロール5a、6aはいずれも略鼓状をなしているとともに、第2押込み部6のロール6aは第1押込み部5のロール5aより大きい。

0035

第1、第2の押込み駆動機7、8は、油圧モータ若しくは電動モータ等を有しており、第1、第2の押込み部5、6に個別に対応して設けられている。第1押込み駆動機7は各ロール5aを同期して正転及び逆転させ、第2押込み駆動機8は各ロール6aを同期して正転及び逆転させるものである。これらの駆動機7、8により各ロール5a、6aは、管素材2を同一方向に移動させることを可能とする回転方向に回転されるようになっている。

0036

前記各駆動機4、7、8には、これらの動作を予め定められたプログラムにしたがって制御する制御器9が接続されている。この制御器9は、各ロール5a、6a、17の回転数を調整して、管素材2の軸方向の張力加減しつつ、管素材2が加工部3を通過するように管素材2をその軸方向に沿って往復移動させる等、組織制御のための加工全般の制御を担っている。

0037

以上の構成を備える単一の組織制御装置1を用いて行われる強ひずみ加工による管素材2の組織制御について説明する。予め用意された管素材2は、まず、回転駆動されている第1押込み部5のロール5a間に挟まれて加工部3の加工通路20に押込まれる。これにより、管素材2は、マンドレル11の円錐台状部12と回転駆動されている加工ロール17とにより管径を拡大される。引続いて、管素材2は、加工ロール17の力で加工部3の管素材通路19に押込まれてこの通路20を通ってから第2押込み部6のロール6a間に挟まれて加工通路20から引出される。

0038

次に、各ロール5a、6a、17の回転が一旦停止された後、これらが逆回転される。これにより、拡径された管素材2は、管素材通路19から加工ロール17に当たって加工通路20に押込まれつつ、加工ロール17により管径を縮められる。この管径縮小には円錐台状部12は機能しないが、円錐台状部12は、縮径される管部分の肉厚を増やすために機能している。引続いて、管素材2は、加工ロール17の力で移動されて、第1押込み部5のロール5a間に挟まれるので、この第1押込み部5により与えられる移動力で加工部3の加工通路20を通って引出される。

0039

この後、組織制御装置1は更に管素材2を往復移動させて、以上の管径絞り及び管径拡大を交互に且つ繰返し行わせる。この場合、組織制御装置1は、管素材2の絞り工程では管壁の肉厚が増え、この逆に管素材2の管径拡大工程では管壁の肉厚が減るように調整されているので、前記管径絞り及び管径拡大を容易に行うことが可能である。所定回数往復移動されて加工が済んだ管素材2は、第1押込み部5を通って半製品又は製品として加工部3から取出される。

0040

以上の組織制御装置1を用いての管径絞り及び管径拡大の繰返しにおいて、ECAP法の原理により、管素材2がマンドレル11の角部11aを通過する度に、この角部11aの屈折角θに起因するせん断変形を管素材2の管壁に連続的に与えることができる。更に、以上のように管素材2の往復移動を伴う強ひずみ加工が終了するまで、連続的に加工を繰返し実施できる。この場合、加工の進行に伴い管素材2の肉厚が次第に薄くなることはないので、前記強ひずみ加工を、原理的には無限に与えることが可能である。そして、この強ひずみ加工の繰返しにより第1実施形態では、単一の組織制御装置1を用いて管素材2に目標とする大きなひずみを与えることが可能である。この場合に使用する組織制御装置1の構成は比較的単純であるので、装置コストが低く且つ設置スペースも少なくて済み、したがって、設備的に有利である。

0041

更に、前記組織制御装置1を用いての加工においては、管素材2を組織制御装置1に対してセットし直す手間を要しないで、管素材2を早い速度で往復移動させることが可能である。このため、目的に応じた所定の相当ひずみを管素材2に与えるための時間が短くて済み、生産性が高い。しかも、管素材2は、その内側からマンドレル11で支持されているとともに、外側から加工ロール17及びリング形ダイ16で押えられているので、管素材2が座屈することを防止できる。

0042

以上により、管素材2の組織を微細化して所定の相当ひずみ例えば4(1/10000)以上を与える強ひずみ加工を、管素材2に施して、管の種々の性質を改善できた。以下、その実施例を説明する。

0043

【実施例1】
管素材2には、アルミニウムA5056合金(Al−5.0%Mg−0.12%Mn−0.09%Cr)の丸ビレット連続鋳造材を420℃で14時間均質化処後、マンネスマンピアサおよびプラグミルを用いて穿孔圧延および延伸圧延を行ない管外径48mm、肉厚3mmに加工したものを用いた。この管素材2を得る工程は250℃以下となるように実施した。次に、図1及び図2に示す組織制御装置1を用い、各ロール5a、6a、17の回転数を調整することにより管素材2の軸方向の張力を加減しつつ管素材2を往復運動させることにより、管径絞りと管径拡大とを交互に繰返す強ひずみ加工を行なった。その際、管径絞り工程で相対的に肉厚増、管径拡大工程では肉厚減となるように調整し、繰返しを容易にした。管径絞りと管径拡大との繰返し工程中の素材温度は概ね200℃以下であった。繰返しは24往復行なった。

0044

これによる組織制御の工程は、連続、かつ短時間で完了し、この工程中に、従来のECAP法のように素材を入れ直すことはなかった。また、繰返し工程中において管素材2が座屈することもなかった。これは、組織制御の工程が、3次元的な加工であること、更には加工ロール17とマンドレル11の使用により材料の座屈が生じにくくなっていると考えられる。また、工程が連続的であるために生産性が良く短時間で省力的に工程が完了できた。

0045

【実施例2】
管素材2に、溶接性に優れるアルミニウムA5052合金(Al−2.5%Mg−0.25%Cr)の厚板材曲げた後に溶接して管材に作製したものを用いた。この管素材2を、調質炉を用いて400℃、18時間の熱処理を行ない、次に、実施例1で示した管径絞りと管径拡大とを繰返し行う図1及び図2に例示の組織制御装置1を用いて、管素材2を15往復させて相当ひずみを与えた。その結果、溶接材による管素材2は破損することなく、最後まで強ひずみ加工が繰返し可能であった。

0046

【実施例3】
マグネシウムAZ31B合金(Mg−3.0%Al−1.0%Zn−0.25Mn) 製の管素材2について、実施例1と同様の方法にて260〜320℃の温度域で50往復、管径絞りと管径拡大とを繰返す強ひずみ加工を行なった。得られた管素材から組織観察試験片を切出しOIM( Orientation Imaging Microscopy、方位顕微鏡)装置を用いてEBSP ( Electron Backscattering Pattern 、後方電子散乱)法によって結晶粒の評価を行なった。

0047

比較のために、従来の圧延および押出しによって作製された加工材を準備し、それぞれの加工材を構成している個々の結晶粒の平均サイズと比較する評価を行なった。結果を表1に示す。

0048

【表1】

0049

この表1から実施例3では従来法と比較して平均結晶粒径が小さく、粒度が比較的揃った金属組織制御がなされたことが分かる。このことは、Hall−Petch効果による材料の高強度化が可能であり、また、加工された製品の品質定性が優れていることを意味している。

0050

【実施例4】
管素材2には、連続鋳造法によって得られたアルミニウムA6061合金(Al−0.20%Cu−0.61%Si−0.98%Mg−0.18%Cr)の管状素材(外径47mm、内径23mm)に延伸圧延を施して外径48mm、肉厚3mmに薄肉化加工したものを用いた。この管素材2に、実施例1と同様の方法にて管径絞りと管径拡大とを繰返す強ひずみ加工を16回施した。得られた管材から引張試験片採取機械的性質の内、引張り強さσB(MPa)、0.2%耐力σ0.2(MPa)、及び伸びδ(%)を夫々調べた。その結果を表2に示す。

0051

【表2】

0052

この実施例4では比較例より引張り強さ及び伸びがあきらかに優れているが、とくに耐力の向上が顕著であることが分かる。

0053

【実施例5】
管素材2として、アルミニウムA7075合金(Al−1.7%Cu−5.7%Zn−2.3%Mg−0.22%Cr−0.21%Zr)の丸ビレットから薄肉の管状素材を作製し、次に、穿孔圧延によって外径32mm、肉厚4mmmの管を作製し、延伸圧延によって肉厚0.4まで肉厚を減じたものを用いた。この管素材2に、実施例1と同様の方法にて管径絞りと管径拡大とを繰返す強ひずみ加工を20回施した。これから引張試験片を採取し温度とひずみ速度変数とする引張試験を行なった。

0054

この結果、500〜530℃、ひずみ速度10−3s−1〜10−2s−1の範囲で300%以上の巨大伸びを示した。これにより、実施例5では、組織微細化の効果によって超塑性現象発現していることが確認された。

0055

【実施例6】
管素材2として、アルミニウムA6063合金(Al−0.37%Si−0.64%Mg−0.06%Ti)の連続鋳造材(丸ビレット)を温間押出成形法によって外径48mm、肉厚3mmに作製したものを用いた。この管素材2に、実施例1と同様の方法にて管径絞りと管径拡大との繰返す強ひずみ加工を20回施した。

0056

得られた管材から引張試験片を採取しその組織を調べた結果、結晶粒径長径短径相乗平均で1.3〜3.4μmであった。これにより、実施例6では十分に結晶粒を微細化する効果があることが確認された。

0057

なお、第1実施形態においては、各押込み部5、6のロール5a、6aによる管素材2に対する挟圧によって、管素材2の形を円形に整えることが可能である。更に、第1実施形態において、各押込み部5、6のロール5a、6aは、これが移動させる管素材2の周方向に沿う分力を発生させるように適当に傾けて配置することができ、これにより、管素材2を回転させながら軸方向に移動させることが可能である。しかも、この場合にマンドレル11をその軸線回りに回転可能に支持して置くことにより、マンドレル11を管素材2とともに回転させて、管素材2とマンドレル11との焼き付きを防止できる。更に、第1実施形態では、マンドレル11の内側に油通路を設けて、そこからマンドレル11の外面に潤滑油を供給するようにすることも可能である。又、第1実施形態において、マンドレル11をその先細部15に一体に設けた連結軸により固定部に支持するとともに、小径軸部14を除去ないしは自由端部とする場合には、押込み部6側から太い管素材2を出し入れして、この素材2に強ひずみ加工を施すことも可能である。

0058

図3は本発明の第2実施形態を示している。この実施形態は基本的には第1実施形態と同じ構成であるので、同一構成については第1実施形態と同じ符号を付して、その構成および作用の説明を省略し、以下異なる部分について説明する。

0059

第2実施形態では、第1組織制御部1aと第2組織制御部1bとを備えている。これらの組織制御部1a、1bは、いずれも第1実施形態で説明した組織制御装置と同じ構成であるとともに、図3に示すように互いに直列で且つ線対称に設置されている。この場合、マンドレル11間に配置される押込み部5は、両組織制御部1a、1bに対して別々に設けてもよいが、部品点数を削減する上で両組織制御部1a、1bの共有部品としてある。そして、この押込み部5を線対称中心として両組織制御部1a、1bが配置されている。更に、両組織制御部1a、1bのマンドレル11は、互いの先細部15を連結軸25を介して一体に連結されているとともに、第1組織制御部1aのマンドレル11の先端はテーパ部14aとなっている。

0060

この第2実施形態の組織制御装置1では、はじめに管素材2が、小径軸部を有しないマンドレル11を備えた第1組織制御部1aの押込み部6(図3中右側の押込み部6)により、この組織制御部1bの加工部3に押込まれる。この押込みに伴い管素材2は、第1組織制御部1aの加工ロール17により管径絞り加工を受けた後に、第2組織制御部1bの加工部3に押込み部5を介して押込まれる。この押込みに伴い管素材2は、第2組織制御部1bのマンドレル11と加工ロール17とにより管径拡大加工を受けた後に、第2組織制御部1bの押込み部6(図3中左側の押込み部6)に導かれる。

0061

次に、両組織制御部1a、1bの各ロール5a、6a、17が夫々逆回転される。このため、既に管径絞り加工と管径拡大加工を受けた管素材2は、図3中左側の押込み部6により第2組織制御部1bの加工部3に押込まれ、第2組織制御部1bの加工ロール17により管径絞り加工を受けた後に、第1組織制御部1aの加工部3に押込み部5を介して押込まれる。この押込みに伴い管素材2は、第1組織制御部1aのマンドレル11と加工ロール17とにより管径拡大加工を受けた後に、第1組織制御部1aの押込み部6(図3中右側の押込み部6)に導かれる。

0062

この後、組織制御装置1は、更に両組織制御部1a、1bにわたって管素材2をその軸方向に沿って所定回数繰返し往復移動させて、以上の管径絞り及び管径拡大を交互に且つ繰返し行わせる。所定回数往復移動されて加工が済んだ管素材2は、第1組織制御部1aの押込み部6を通って半製品又は製品として第1組織制御装置1から取出される。

0063

以上説明した点以外の構成は、図3に示されない構成を含めて第1実施形態と同じである。このため、第2実施形態でも、第1実施形態と同様な作用を得て本発明の課題を解決できる。しかも、第2実施形態では、第1実施形態で採用した組織制御装置を実質的に2台用いて、管素材2の1往復に付き2回ずつの管径絞り加工と管径拡大加工とができるので、より生産性を高めることができる。

0064

なお、第2実施形態では、既述のように第1、第2の組織制御部1a、1bを、それらの加工部間に押込み部5が位置される形態で直列に配置したが、これに代えて、第1、第2の組織制御部1a、1bを、それらの加工部間に押込み部6が位置される形態で直列に配置して実施することもでき、この場合小径な管素材に対する強ひずみ加工が可能となる。

0065

図4は本発明の第3実施形態を示している。この実施形態は基本的には第1実施形態と同じ構成であるので、同一構成については第1実施形態と同じ符号を付して、その構成および作用の説明を省略し、以下異なる部分について説明する。

0066

この第3実施形態では、第1組織制御部1a及び第2組織制御部1bを複数組備えている。各組織制御部1a、1bは、いずれも第1実施形態で説明した組織制御装置と同じ構成であリ、その詳細は図1及び図2に示されている。各組の組織制御部1a、1b互いに直列で且つ線対称に設置されている。

0067

この場合、マンドレル11間に配置される押込み部5は、両組織制御部1a、1bに対して別々に設けてもよいが、部品点数を削減する上で両組織制御部1a、1bの共有部品としてある。そして、この押込み部5を線対称中心として両組織制御部1a、1bが配置されている。しかも、押込み部5を中心としてみた場合にも、各組織制御部1a、1bは線対称に設置されていて、これらに対して押込み部6は共有部品となっている。以上説明した複数組の組織制御部1a、1bは直列に設けられていて、各組織制御部1a、1bの各マンドレル11は夫々小径軸部14又は連結軸25で連結されている。更に、こうして連結されたマンドレル11は、その一端部を図示しない支持装置に支持されているが、この支持は加工が開始されて、2箇所以上の絞り加工が行われるようになった時に解放されて、前記支持装置側から加工された管素材2の取出しが可能となっている。

0068

この第3実施形態の組織制御装置1においては、図4中例えば矢印A方向から複数の管素材2が次々に押込まれ、これらは直列に並べられた各組織制御部1a、1bを順次通過して管径拡大加工と管径縮小加工とを連続的に繰返し交互に受けた後に、図4上段左端の組織制御部1aを通り抜けて製品又は半製品として、図4中矢印B方向に取出される。

0069

以上説明した点以外の構成は、図4に示されない構成を含めて第1実施形態と同じである。このため、第3実施形態でも、第1実施形態と同様な作用を得て本発明の課題を解決できる。しかも、第3実施形態では、管素材2を往復移動させることなく一方向に移動させることによって、所定回数の管径絞り加工と管径拡大加工とを管素材に施すことが可能である。このため、組織制御装置1の動作中断時間がないとともに、同一時間内に複数の管素材2に対する強ひずみ加工を各組織制御部で施すことができるので、より高速の成形が可能となり、更に生産性を高めることが可能である。しかも、管素材2を往復させないので、駆動機4、7、8、及び制御器9の構成なども簡単にすることが可能である。

0070

なお、第3実施形態において、各ロール5a、6a、17の回転方向を逆方向として直列に配置された複数組の第1、第2の組織制御部1a、1bに対して、管素材2を矢印D方向から押込むとともに矢印E方向から取出すようにする場合には、管素材2を小径にしつつ強ひずみ加工を施すことが可能となる。

0071

図5は本発明の第4実施形態を示している。この実施形態は基本的には第1実施形態と同じ構成であるので、同一構成については第1実施形態と同じ符号を付して、その構成および作用の説明を省略し、以下異なる部分について説明する。

0072

第4実施形態では、大きさが異なる複数例えば第1〜第3の組織制御部1A〜1Cを備えている。これらは、いずれも管素材2に対する管径拡大加工を施すものであり、その大きさ順に直列に配置されている。各組織制御部1A〜1Cの構成は第1実施形態の組織制御装置と同じであり、その詳細は図1及び図2に示されている。

0073

最も小さい第1組織制御部1Aは、これに押込み部5Aより矢印A方向に押し込まれた管素材2を管径拡大加工して、この管素材2を次に大きい第2組織制御部1Bに向けて送る。第1、第2組織制御部1A、1Bに共用されている押込み部5Bは、第1段階の管径拡大加工が済んだ管素材2を第2組織制御部1Bに押込む。第2組織制御部1Bは、押し込まれた管素材2を更に管径拡大加工して、この管素材2を次に最も大きい第3組織制御部1Cに向けて送る。第2、第3組織制御部1B、1Cに共用されている押込み部5Cは、第2段階の管径拡大加工が済んだ管素材2を第3組織制御部1Bに押込む。第3組織制御部1Cは、押し込まれた管素材2を最終的な大きさに管径拡大加工して、この管素材2を組織制御装置1から矢印B方向に取出す。なお、各押込み部5A〜5Cは、それらの大きさが異なる点以外は第1実施形態の押込み部5又は6と同じである。

0074

このように第4実施形態の組織制御装置1は、各組織制御部1A〜1Cの内で相対的に加工する径が小さい組織制御部1Aから大きい組織制御部1Cに向けて管素材2を一方向のみに移動させることによって、この管素材2の径を順次大きくしつつ管素材2に強ひずみ加工を施すことができる。

0075

以上説明した点以外の第4実施形態の構成は、図4に示されない構成を含めて第1実施形態と同じである。これにより、第4実施形態でも、第1実施形態と同様な作用を得て本発明の課題を解決できる。更に、管素材2を往復移動させることなく、複数回の管径拡大加工を管素材2に連続して施すことが可能である。このため、組織制御装置1の動作中断時間がないとともに、同一時間内に複数の管素材2に対する強ひずみ加工を複数の組織制御部で施すことができるので、より高速の成形が可能となり、更に生産性を高めることが可能である。しかも、管素材2を往復させないので、駆動機4、7、8、及び制御基の構成なども簡単にすることが可能である。更に、次第に管径を大きくするので、組織制御されたより大径な半製品又は製品を連続生産することができる。

0076

なお、この第4実施形態では、管径拡大によって管壁の厚みが次第に減るので、強ひずみ加工により付与できるひずみが有限になり易い。このため、1製造ラインの途中に、図3又は図4に示した組織制御装置を、管厚を厚く回復させるための組織制御部として直列に介挿することによって、所望とする十分な加工ひずみを与えつつ管径が所定の太さとなるまで拡大された半製品又は製品を生産することが可能である。又、マンドレル11の支持方法を変えることなど必要な措置を伴って第4実施形態の組織制御装置1に対し前記説明とは逆に、管素材2を各組織制御部1C〜1Aに向けて移動させて、管径を縮小させながら強ひずみ加工を施すことも可能である。

0077

図6(A)〜(D)は組織制御された金属板を得るのに好適な本発明の第5実施形態を示している。この実施形態は基本的には第1実施形態と同じ構成であるので、同一構成については第1実施形態と同じ符号を付して、その構成および作用の説明を省略し、以下異なる部分について説明する。

0078

第5実施形態では、図6(A)に示す第1〜第4の実施形態で説明した組織制御装置1で作られた組織制御済みの管材31(図6(B)に示す。)を半製品として用いる。この管材31を、図6(B)に示すように適当な切断手段32を用いて軸方向に沿って切断した後、適当な展開手段33を用いて図6(C)に示すように平板状に展開して平らな板材34を得る。尚、図6(B)中符号32aは切断手段32により管材31に与えられる切断線を示している。更に、展開された板材34を、圧延ロールを有する通常の圧延機35に通して所定の圧延を施して、目的の金属板(製品)36を作る。

0079

これにより、組織制御された金属板36を製造できる。この製造によれば、前記管材31から金属板36を得るために、板材を圧延工程のみで所定の大きさの金属板とする場合に比較して、端材が発生しにくいので、歩留まりが高い。しかも、管材31の管素材を丸形ビレットから得る場合には、丸形ビレットも本来的に生産効率が高く歩留まりが高いため、管素材を含めたエネルギ効率が高い。したがって、組織制御された金属板36を製造するのに要するエネルギー総量が少なくて済むので、循環型社会に適している。更に、第4実施形態で作られた管材31を用いる場合には、大面積の金属板36を製造できる。

0080

図6に示した製造方法により、金属板36の組織を微細化して所定の相当ひずみ例えば4(1/10000)以上を与える強ひずみ加工を、金属板36に施して、この金属板36の種々の性質を改善できた。以下、その実施例を説明する。

0081

【実施例7】
管材31の素材として、再生塊比率が高いため通常よりFe含有量が高く規格外のアルミニウムA6063相当合金(Al−0.38%Si−0.63%Mg−0.07%Ti−0.54%Fe)の丸形ビレットに、実施例1と同様に穿孔および延伸圧延を行ったものを使用した。この素材に、実施例1と同様の方法にてさらに管径絞りと管径拡大とを繰返す強ひずみ加工を21往復行なって得られた管材31を得た。さらに、この管材31を軸方向に沿って縦に切開して、幅72mm、厚さ約1.9mmの板状に展伸し、その後、圧延ロールを有する通常の圧延機によって25%の圧下を3回繰返し施した。得られた平板材から引張試験片を切出し、引張り強さσB(MPa)、0.2%耐力σ0.2(MPa)、及び伸びδ(%)を夫々測定した。その結果を表3に示す。比較材A6063材(バージン材)についても通常の押出し材(T5)から同じサイズの引張試験片を採取し比較材とした。

0082

【表3】

0083

再生塊は通常鉄分が多く、規格よりも多くのFeを含有する組成の合金に対して従来法で作製した板材では、耐力σ0.2はそれほど遜色ないものの、引張強さσBおよび伸びδが低下する。実施例5では、σB、σ0.2、δのいずれも向上しており、純度が低いにもかかわらずバージン材を越える特性を発揮していることが分かる。

0084

これは、十分な組織微細化が施された結果、Hall−Petch効果による強度向上に加えて、延性も向上しているが、従来欠陥となりやすかったスケルトン状のFe化合物(Al−Fe−Si)が、繰返しの強ひずみ加工によって細かく分断されて欠陥となりにくくなったことによると考えられる。

0085

【実施例8】
管材31の素材として、マグネシウムAZ31B合金(Mg−3.0%Al−1.0%Zn−0.25Mn) の丸ビレットに、実施例1と同様に穿孔および延伸圧延を行ったものを使用した。この素材に、実施例1と同様の方法にて260〜320℃の温度域で管径絞りと管径拡大とを繰返す強ひずみ加工を22往復行なって得られた管材31を得た。さらに、この管材31を軸方向に沿って縦に切開して、幅72mm、厚さ約1.9mmの板状に展伸し、その後、圧延ロールを有する通常の圧延機によって圧下率総計約60%の圧延を施し、厚さ1.1mmの薄板を得た。得られた板材の結晶粒配向をOIM装置を用いてEBSP法によって結晶粒の評価した。

0086

この結果、板面法線方向から15°以内の方向に[0001]が向いた結晶粒の割合は60%であり、同じ丸ビレットから圧延法のみで1.1mmまで圧下した場合の94%と比較して結晶配向のランダム度が大きいことが確認できた。このように実施例8は加工性改善に効果が期待されているランダム度を制御できる点で優れている。

0087

なお、第5実施形態では、第1〜第4の実施形態により管材31を得る第1工程と、この工程で得た管材31を軸方向に沿って切断し展開する第2工程と、この工程で板材34を圧延する第3工程とを備えているが、目的とする製品によっては、最後の第3工程を省略して、前記第1、第2工程を経ることで、所望の組織制御が施された平らな板材(つまり金属板36)をつくることが可能である。

0088

図7は本発明の第6実施形態を示している。この実施形態は基本的には第1実施形態と同じ構成であるので、同一構成については第1実施形態と同じ符号を付して、その構成および作用の説明を省略し、以下異なる部分について説明する。

0089

第6実施形態では、第1実施形態で説明した組織制御装置を2台用い、これらを第1、第2の組織制御部1X、1Yとして並列に設置することにより組織制御装置1を形成している。両組織制御部1X、1Yに対して管素材2は軸方向に通過して取出せるようになっている。管径d1の管素材2は、一方の組織制御部1Xに対し矢印A方向に押込まれ、この制御部1Xにより管径をd2に小さくする第1の強ひずみ加工を施されて、矢印B方向に取出される。これによって細くなった管素材2は、他方の組織制御部1Yに対し矢印C方向に押込まれ、この制御部1Yにより管径をd1に大きくする第2の強ひずみ加工を施され、矢印D方向に取出される。

0090

このように管径縮小加工をする組織制御部1Xと管径拡大加工をする組織制御部1Yとを備えていることにより、一方の組織制御部1Xで第1の強ひずみ加工が施された管素材2を、次に、他方の組織制御部1Yにセットして、この制御部1Yで第2の強ひずみ加工を施すことができる。そして、こうした加工を必要回数交互に行うことによって、目的の性質を持つように管素材が組織制御された金属管を製造することが可能である。以上説明した点以外の第6実施形態の構成は、図7に示されない構成を含めて第1実施形態と同じである。これにより、第6実施形態でも、第1実施形態と同様な作用を得て本発明の課題を解決できる。

発明を実施するための最良の形態

0091

本発明は前記各実施形態には制約されない。例えば、強ひずみ加工において、管素材の管壁の肉厚は必ずしも変化させなくてもよい。

0092

金属製管素材にせん断変形を連続的に与えることにより、前記管素材の管径又は肉厚のうちの少なくとも前記管径を変化させる強ひずみ加工を前記管素材に繰返し施すことを特徴とした発明によれば、必要な強ひずみ加工が施されて組織制御された工業的汎用材である管材を作るのに好適な金属管の組織制御方法を提供できる。

0093

金属製管素材にせん断変形を連続的に与えることにより、前記管素材の管径又は肉厚のうちの少なくとも前記管径を変化させる強ひずみ加工を行う加工部に対して、前記管素材を軸方向に往復移動させて、前記強ひずみ加工を前記管素材に繰返し施すことを特徴とした発明によれば、加工部に対して管素材をセットし直す必要がなく、この管素材の軸方向への往復移動により、強ひずみ加工を管素材に繰返し施すことが可能である。このため、必要な強ひずみ加工が施されて組織制御された工業的汎用材である管材を作るのに好適な金属管の組織制御方法を提供できる。

0094

金属製管素材にせん断変形を連続的に与えることにより、前記管素材の管径又は肉厚のうちの少なくとも前記管径を小さくする第1の強ひずみ加工と、前記管素材にせん断変形を連続的に与えることにより、前記管素材の管径又は肉厚のうちの少なくとも前記管径を大きくする第2の強ひずみ加工とを、前記管素材に交互に施すことを特徴とした発明によれば、第1、第2の強ひずみ加工を少なくとも1度ずつ行うことで、必要な強ひずみ加工が施されて組織制御された工業的汎用材である管材を作るのに好適な金属管の組織制御方法を提供できる。

0095

金属製管素材にせん断変形を連続的に与えることにより、前記管素材の管径又は肉厚のうちの少なくとも前記管径を小さくする第1の強ひずみ加工を行う第1組織制御部と、前記管素材にせん断変形を連続的に与えることにより、前記管素材の管径又は肉厚のうちの少なくとも前記管径を大きくする第2の強ひずみ加工を行う第2組織制御部とを交互に用いて、前記管素材に前記第1、第2の強ひずみ加工を交互に施すことを特徴とした発明によれば、第1、第2の強ひずみ加工を行う第1、第2組織制御部を交互に用いて、管素材に第1、第2の強ひずみ加工を交互に施すことが可能である。このため、必要な強ひずみ加工が施されて組織制御された工業的汎用材である管材を作るのに好適な金属管の組織制御方法を提供できる。

0096

金属製管素材にせん断変形を連続的に与えることにより、前記管素材の管径又は肉厚のうちの少なくとも前記管径を小さくする前記第1の強ひずみ加工を行う第1組織制御部と、この第1組織制御部に対して直列に配置されて、前記管素材にせん断変形を連続的に与えることにより、前記管素材の管径又は肉厚のうちの少なくとも前記管径を大きくする第2の強ひずみ加工を行う第2組織制御部とを、1組以上用いて、これら組織制御部により前記管素材に前記第1、第2の強ひずみ加工を交互に施すことを特徴とした発明によれば、1組以上の第1組織制御部と第2組織制御部とを用いて、これら組織制御部により管素材に第1、第2の強ひずみ加工を交互にかつ連続的に施すことで、組織制御部に対して管素材をセットし直す必要がなく、この管素材の一方向への軸方向移動により、強ひずみ加工を管素材に繰返し施すことが可能である。このため、必要な強ひずみ加工が施されて組織制御された工業的汎用材である管材を作るのに好適な金属管の組織制御方法を提供できる。

0097

金属製管素材にせん断変形を連続的に与えることにより、前記管素材の管径又は肉厚のうちの少なくとも前記管径を小さくする前記第1の強ひずみ加工、及び前記管素材にせん断変形を連続的に与えることにより、前記管素材の管径又は肉厚のうちの少なくとも前記管径を大きくする第2の強ひずみ加工を行う第1組織制御部と、この第1組織制御部に対して直列に配置されて前記第1及び第2の強ひずみ加工を行う第2組織制御部とにわたって前記管素材を往復移動させて、前記管素材に前記第1、第2の強ひずみ加工を交互に施すことを特徴とした発明によれば、第1組織制御部と第2組織制御部とを交互に用いて、管素材に第1、第2の強ひずみ加工をかつ連続的に施すことで、組織制御部に対して管素材をセットし直す必要がなく、この管素材の軸方向への往復移動により、強ひずみ加工を管素材に繰返し施すことが可能である。このため、必要な強ひずみ加工が施されて組織制御された工業的汎用材である管材を作るのに好適な金属管の組織制御方法を提供できる。

0098

互いに直列に配置されるとともに、金属製管素材にせん断変形を連続的に与えることにより、前記管素材の管径又は肉厚のうちの少なくとも前記管径を大きくする強ひずみ加工を施す複数の組織制御部に対して、これらの組織制御部の内で相対的に加工する径が小さい組織制御部から大きい組織制御部に向けて前記管素材を移動させることによって、前記管素材の径を順次大きくしつつ前記管素材に前記強ひずみ加工を施すことを特徴とした発明によれば、各組織制御部に対して管素材をセットし直す必要がなく、この管素材の軸方向への往復移動により、強ひずみ加工を管素材に繰返し施しつつ管径を順次大きくすることが可能である。このため、必要な強ひずみ加工が施されて組織制御された工業的汎用材である大径な管材を作るのに好適な金属管の組織制御方法を提供できる。

0099

又、円錐台状部及びこの円錐台状部の周面との間に鈍角をなして連なる周面を有し前記円錐台状部の大径端に連続して設けられた大径軸部を備えるマンドレルと、前記大径軸部の周面と間に管素材通路を形成して前記大径軸部の外側に配置されたリング形ダイと、前記円錐台状部の周面との間に前記管素材通路に連通する加工通路を形成して前記円錐台状部の外側に配置されるとともに、前記円錐台状部及び前記管素材通路に対向して配置された略鼓状をなす複数の加工ロールとを備える加工部と、この加工部に対して金属製管素材をこの素材の軸方向に沿って押込む押込み部とを具備した発明によれば、加工部に対する管素材の軸方向移動により、強ひずみ加工を管素材に施して組織制御をすることが可能であるとともに、マンドレルなどを備えることで、管素材の座屈を抑制しつつ、必要な強ひずみ加工が施されて組織制御された工業的汎用材である管材を作るのに好適で実用的な金属管の組織制御装置を提供できる。

0100

円錐台状部及びこの円錐台状部の周面との間に鈍角をなして連なる周面を有し前記円錐台状部の大径端に連続して設けられた大径軸部を備えるマンドレルと、前記大径軸部の周面と間に管素材通路を形成して前記大径軸部の外側に配置されたリング形ダイと、前記円錐台状部の周面との間に前記管素材通路に連通する加工通路を形成して前記円錐台状部の外側に配置されるとともに、前記円錐台状部及び前記管素材通路に対向して配置された略鼓状をなす複数の加工ロールとを備える第1の加工部と、この第1の加工部と同一構成であって、前記第1の加工部に対して直列で且つ線対称に設置された第2の加工部と、これら第1、第2の加工部に対して金属製管素材をこの素材の軸方向に沿って押込む押込み部とを具備し、前記第1、第2の加工部が少なくとも一組設けられていることを特徴とした発明によれば、第1、第2の加工部に対して管素材をセットし直す必要がなく、この管素材の軸方向移動により、強ひずみ加工を管素材に繰返し施して組織制御することが可能であるとともに、マンドレルなどを備えることで、管素材の座屈を抑制しつつ強ひずみ加工が可能である。これにより、必要な強ひずみ加工が施されて組織制御された工業的汎用材である管材を作るのに好適で実用的な金属管の組織制御装置を提供できる。

0101

互いに直列に配置されるとともに、金属製管素材にせん断変形を連続的に与えることにより、前記管素材の管径又は肉厚のうちの少なくとも前記管径を大きくする強ひずみ加工を施す複数の組織制御部と、これらの組織制御部に対して前記管素材をこの素材に軸方向に沿って押込む押込み部とを具備し、前記各組織制御部が、円錐台状部及びこの円錐台状部の周面との間に鈍角をなして連なる周面を有し前記円錐台状部の大径端に連続して設けられた大径軸部を備えるマンドレルと、前記大径軸部の周面と間に管素材通路を形成して前記大径軸部の外側に配置されたリング形ダイと、前記円錐台状部の周面との間に前記管素材通路に連通する加工通路を形成して前記円錐台状部の外側に配置されるとともに、前記円錐台状部及び前記管素材通路に対向して配置された略鼓状をなす複数の加工ロールとを備えており、これら各組織制御部の内で相対的に加工する径が小さい組織制御部から大きい組織制御部に向けて前記管素材を移動させることによって、前記管素材の径を順次大きくしつつ前記管素材に前記強ひずみ加工を施すことを特徴とした発明によれば、各組織制御部に対して管素材をセットし直す必要がなく、この管素材の一方向への軸方向移動により、強ひずみ加工を管素材に繰返し施しつつ管径を順次大きくする組織制御することが可能であるとともに、マンドレルなどを備えることで、管素材の座屈を抑制しつつ強ひずみ加工が可能である。これにより、必要な強ひずみ加工が施されて組織制御された工業的汎用材である大径な管材を作るのに好適で実用的な金属管の組織制御装置を提供できる。

発明の効果

0102

又、請求項1から7のうちのいずれか1項の金属管の組織制御方法によって管材を得る工程と、この工程で得た管材を軸方向に沿って切断し展開して板材とする工程と、を備えることを特徴とした発明によれば、必要な強ひずみ加工が施された管材から板材を得ているので、組織制御された工業的汎用材である金属板を製造できる金属板の製造方法を提供できる。

図面の簡単な説明

0103

請求項1から7のうちのいずれか1項の金属管の組織制御方法によって管材を得る工程と、この工程で得た管材を軸方向に沿って切断し展開して板材とする工程と、この工程で得た板材を圧延する工程と、を備えることを特徴とした発明によれば、必要な強ひずみ加工が施された管材から板材を得て、この板材を更に圧延するので、組織制御された工業的汎用材である大形の金属板を製造できる金属板の製造方法を提供できる。

図1
本発明の第1実施形態に係る組織制御装置を一部断面して示す側面図。
図2
図1中Z−Z線に沿う概略断面図。
図3
本発明の第2実施形態に係る組織制御装置を一部断面して示す側面図。
図4
本発明の第3実施形態に係る組織制御装置を一部断面して示す側面図。
図5
本発明の第4実施形態に係る組織制御装置を一部断面して示す側面図。
図6
(A)〜(D)は本発明の第5実施形態に係る金属板製造方法の内で組織制御された金属管から金属板を得る各工程を順に示す図。
図7
本発明の第6実施形態に係る組織制御装置を一部断面して示す側面図。
【符号の説明】
1…組織制御装置
2…管素材
3…加工部
5、6…押込み部
11…マンドレル
12…マンドレルの円錐台状部
12a…円錐台状部の周面
13…マンドレルの大径軸部
13a…大径軸部の周面
11a…角部
θ…鈍角(屈曲角
16…リング形ダイ
19…管素材通路
20…加工通路
1a、1b、1c…組織制御部
1A、1B、1C…組織制御部
1X、1Y…組織制御部
5a、5b、5c…押込み部
31…管材
32…切断手段
33…展開手段
34…板材
35…圧延機
36…平らな金属板

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