図面 (/)

技術 ニコチン含有貼付剤

出願人 帝三製薬株式会社
発明者 丸尾享花嶋伸明
出願日 2002年11月22日 (18年9ヶ月経過) 出願番号 2002-338934
公開日 2004年6月17日 (17年2ヶ月経過) 公開番号 2004-168734
状態 特許登録済
技術分野 医薬品製剤 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード 透過制御膜 二重スリット 自己形状保持 補給層 極性有機物 揮発性液 ドライビングフォース 受動喫煙
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2004年6月17日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (1)

課題

製造が簡便で経済性に優れ、かつ長時間にわたって、持続的に制御された量のニコチンの放出が可能な貼付剤を提供することである。

解決手段

支持体粘着剤層多孔性中空繊維およびセパレーターからなり、(i)該多孔性中空繊維の空隙部分に薬物および低分子固体物質を含有し、(ii)該薬物がニコチンであり、(iii)該低分子固体物質が室温で固体かつ分子量が50〜20000であり、(iv)該薬物と該低分子固体物質の配合比率が2:1〜1:20である徐放性貼付剤を提供する。

概要

背景

喫煙肺がん冠動脈疾患リスクを高めるといった健康被害をもたらす。また、非喫煙者に対しても健康被害をもたらす、いわゆる受動喫煙が指摘され、大きな社会問題となっている。喫煙をやめる方法として、ニコチンを調整しながら投与し、たばこの禁断症状をおさえつつ、ニコチン依存から離脱する方法が知られている。ニコチンを調整しながら投与する方法として、ニコチンを含有させた貼付剤を用いる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。

概要

製造が簡便で経済性に優れ、かつ長時間にわたって、持続的に制御された量のニコチンの放出が可能な貼付剤を提供することである。支持体粘着剤層多孔性中空繊維およびセパレーターからなり、(i)該多孔性中空繊維の空隙部分に薬物および低分子固体物質を含有し、(ii)該薬物がニコチンであり、(iii)該低分子固体物質が室温で固体かつ分子量が50〜20000であり、(iv)該薬物と該低分子固体物質の配合比率が2:1〜1:20である徐放性貼付剤を提供する。 なし

目的

本発明の目的は、製造が簡便で経済性に優れ、かつ揮発性液薬剤であるニコチンを長時間にわたって、持続的に制御された量の薬物の放出が可能な貼付剤を提供することにある。本発明者らは、このような目的を達成するために鋭意研究した結果、支持体、粘着剤層、多孔性中空繊維およびセパレーターとからなる貼付剤において、多孔性中空繊維の空隙部分に薬物および低分子固体物質とを特定の比率で含有させることにより、上記本発明の目的が達成されることを見出し、本発明を完成するに至った。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
2件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

支持体粘着剤層多孔性中空繊維およびセパレーターからなり、(i)該多孔性中空繊維の空隙部分に薬物および低分子固体物質を含有し、(ii)該薬物がニコチンであり、(iii)該低分子固体物質が室温で固体かつ分子量が50〜20000であり、(iv)該薬物と該低分子固体物質の配合比率が2:1〜1:20である徐放性貼付剤

請求項2

該多孔性中空繊維の単糸の太さが1μm〜500μmであり、かつ該多孔性中空繊維壁面の細孔の空隙率が0.1%〜70%、該多孔性中空繊維の中空部の空隙率が3%〜90%、該多孔性中空繊維の中空部および細孔の空隙率の合計が10%〜95%であることを特徴とする請求項1記載の貼付剤。

請求項3

技術分野

0001

本発明はニコチンを含有する貼付剤に関する。

0002

喫煙肺がん冠動脈疾患リスクを高めるといった健康被害をもたらす。また、非喫煙者に対しても健康被害をもたらす、いわゆる受動喫煙が指摘され、大きな社会問題となっている。喫煙をやめる方法として、ニコチンを調整しながら投与し、たばこの禁断症状をおさえつつ、ニコチン依存から離脱する方法が知られている。ニコチンを調整しながら投与する方法として、ニコチンを含有させた貼付剤を用いる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。

0003

しかしながら、ニコチンは揮発性液体でかつ適度な脂溶性を示すため、ニコチンを単に粘着剤に含有させただけでは、十分にコントロールされた持続的なニコチンの放出は困難であり、血中のニコチン濃度急上昇による副作用発現するといった問題がある。そのため、持続的なニコチンの放出が可能な貼付剤として、ニコチンを吸着層等に吸着させる方法が提案されている(例えば、特許文献2〜6参照。)。

0004

しかし、この方法ではニコチンを放出するに際し、薬物離脱のためのドライビングフォースが必要であり、常に安定した薬物放出を得ることが困難である。

0005

また、ニコチンを塩の状態で保持し、投与時に遊離塩基に変換する貼付剤が提案されている(例えば、特許文献7〜8参照。)。

0006

しかし、この方法では投与時に遊離塩基に変換するための補助剤等が必要であり、補助剤等が水である場合、使用時の環境に左右されやすく、安定した薬物放出の観点で問題がある。

0007

また、薬物補給層とニコチンの透過性を制御できる透過制御膜からなる貼付剤が提案されている(例えば、特許文献9参照。)。薬物貯蔵層放出制御膜からなる、いわゆるリザーバー型貼付剤は、薬物の定常的な放出といった点で優れているものの、その構造が複雑であることや個別の薬物毎に透過制御膜が異なることから製造コストが高く、経済性が悪いといった問題がある。また、リザーバー型の欠点を改良した貼付剤として、マトリックスリザーバー型の貼付剤が提案されている(例えば、特許文献10参照。)。

0008

しかしながら、製造の煩雑性が十分に解消されていないといった問題やマトリックス製剤共通の課題である薬物放出に伴う薬物流量の低下といった問題がある。一方、製造が簡便でかつ、持続的な薬物放出が可能な徐放製剤として、多孔性中空繊維を用いた徐放製剤が提案されている(例えば、特許文献11参照。)。多孔性中空繊維は、他の多孔質材と異なり、その薬物放出表面が一定に維持されやすいため、リザーバー型と同様に定常的な薬物放出という点で優れている。しかしながら、ニコチンのような揮発性液薬剤の場合、単に多孔性中空繊維中に薬物を保持させるだけでは、禁煙治療に必要な持続的薬物放出性を得ることが困難である。

背景技術

0009

【特許文献1】
特開昭61−251619号公報
【特許文献2】
特表平3−505044号公報
【特許文献3】
特開平8−81364号公報
【特許文献4】
特表平8−502727号公報
【特許文献5】
特表平9−505028号公報
【特許文献6】
特表平9−506110号公報
【特許文献7】
特開平1−135717号公報
【特許文献8】
特開平3−197420号公報
【特許文献9】
特開平2−174714号公報
【特許文献10】
特表平1−503706号公報
【特許文献11】
特開昭61−293911号公報

発明が解決しようとする課題

0010

本発明の目的は、製造が簡便で経済性に優れ、かつ揮発性液状薬剤であるニコチンを長時間にわたって、持続的に制御された量の薬物の放出が可能な貼付剤を提供することにある。本発明者らは、このような目的を達成するために鋭意研究した結果、支持体粘着剤層、多孔性中空繊維およびセパレーターとからなる貼付剤において、多孔性中空繊維の空隙部分に薬物および低分子固体物質とを特定の比率で含有させることにより、上記本発明の目的が達成されることを見出し、本発明を完成するに至った。

課題を解決するための手段

0011

すなわち本発明は、支持体、粘着剤層、多孔性中空繊維およびセパレーターからなり、
(i)該多孔性中空繊維の空隙部分に薬物および低分子固体物質を含有し、
(ii)該薬物がニコチンであり、
(iii)該低分子固体物質が室温で固体かつ分子量が50〜20000であり、
(iv)該薬物と該低分子固体物質の配合比率が2:1〜1:20である
徐放性貼付剤を提供するものである。

0012

本発明において、薬物は低分子固体物質とともに多孔性中空繊維の空隙部分に含有される。薬物だけが多孔性中空繊維に含有された場合や薬物が低分子固体物質とともに多孔性中空繊維の外側表面にのみ存在する場合には、長時間にわたって、持続的に制御された量の薬物の放出が困難となる。ここでいう多孔性中空繊維とは、繊維軸方向に沿って中空部を有する中空繊維の壁面に細孔を有し、かつ少なくともその細孔の一部は繊維の中空部にまで貫通している繊維をいう。中空繊維壁面の細孔のいずれもが中空部にまで貫通していない場合、簡便に薬物を中空部に含有させることが容易でなく、また、持続的に制御された量の薬物の放出が困難となる。

0013

また、本発明において用いられる多孔性中空繊維は、その単糸の太さが好ましくは1μm〜500μm、より好ましくは3μm〜250μmであり、かつ該多孔性中空繊維壁面の細孔の空隙率が好ましくは0.1%〜70%、より好ましくは1%〜60%であり、該多孔性中空繊維の中空部の空隙率が好ましくは3%〜90%、より好ましくは5%〜80%であり、更に該多孔性中空繊維の中空部および細孔の空隙率の合計が好ましくは10%〜95%、より好ましくは20%〜85%である。単糸の太さが1μm未満では、単糸の強度が十分でなく、皮膚適用時に外力によって多孔性中空繊維の一部が破損し、薬物の放出制御が困難になる場合がある。一方、単糸の太さが500μmを超えると、皮膚適用時に違和感を感じ、更に皮膚刺激を誘発する原因にもなり、好ましくない。また、該多孔性中空繊維壁面の細孔の空隙率が0.1%未満では、薬物および低分子固体物質を含有させることが容易でなくなり、一方、細孔の空隙率が70%を超えると、薬物放出の経過とともに薬物の放出性が低下し、持続的に制御された量の薬物放出が困難となる。また、該多孔性中空繊維の中空部の空隙率が3%未満では、持続的な薬物放出が困難となり、一方、中空部の空隙率が90%を超えると該多孔性中空繊維の強度が低下したり、制御された量の薬物放出が困難となる。更にまた、多孔性中空繊維の中空部および細孔の空隙率の合計が10%未満では、持続的な薬物放出が困難となり、一方、中空部および細孔の空隙率の合計が95%を超えると、多孔性中空繊維の強度が低下したり、制御された量の薬物放出が困難となる。

0014

本発明において、多孔性中空繊維の中空部の空隙率および細孔の空隙率は、多孔性中空繊維の容積に対する多孔性中空繊維の中空部の容積および細孔の容積として算出する。ここで、多孔性中空繊維の中空部の容積および細孔の容積は、水銀圧入法により測定することができる。

0015

また、多孔性中空繊維の壁面の細孔のサイズは、薬物および低分子固体物質の含浸のさせやすさ、多孔性中空繊維の強度や持続的な制御された量の薬物放出という点から、多孔性中空繊維の中空部の横断面のサイズより、小さいことが好ましい。ここでいう細孔のサイズは通常、分布を有しているため、平均の細孔サイズを意味する。より具体的には0.01μm〜100μmが好ましく、0.1μm〜50μmがより好ましい。

0016

また、多孔性中空繊維の横断面の外径および内径の形状は、特に限定されず、円形三角形星形等いずれでもよい。

0017

また、多孔性中空繊維の素材としては特に限定はされないが、例えば、ポリエチレンテレフタレートポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、例えば、ナイロン6ナイロン66等のポリアミド、例えば、ポリエチレンポリプロピレン等のポリオレフィン、例えば、セルロースセルロースエステルセルロースエーテル等のセルロース類ポリ塩化ビニルポリアクリロニトリルポリウレタンなどがあげられる。ニコチンに対する不活性化学的定性等の点からポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。

0018

また、多孔性中空繊維を得る方法としては、従来公知の方法により得ることができる。例えば、ポリエステル等の中空繊維素材を溶融し、これを二重スリット紡糸口金から吐出し、冷却することにより中空繊維を作成し、その後、アルカリ処理等の化学処理レーザー加工等により中空繊維壁面に細孔を形成させることで、多孔性中空繊維が得られる。

0019

また、多孔性中空繊維は、貼付剤を製造する場合の取り扱い性の向上、皮膚適用時の貼付剤の取り扱い性の向上や皮膚に対する感触の向上等を目的として、編物織物、不織布等の形態として用いることができる。

0020

また、多孔性中空繊維に薬物および低分子固体を含有させる方法としては、薬物および低分子固体物質を共通の溶媒に溶解させた溶液あるいは低分子固体物質を溶媒に溶解させた溶液と薬物とを混合させた溶液に、多孔性中空繊維を浸漬、接触させた後、溶媒を除去する方法や薬物および低分子固体物質を溶融させた後、これに多孔性中空繊維を接触あるいは浸漬させる方法など従来公知の方法を採用することができる。また、薬物および低分子固体物質を多孔性中空繊維に含浸させるのを助ける目的で、加熱、加圧真空超音波処理等の手段を用いることができる。

0021

また、多孔性中空繊維に含有させる薬物および低分子固体物質中に従来既知安定化剤抗酸化剤香料pH調整剤などを必要に応じて添加することもできる。具体的には、例えば無水クエン酸ジブチルヒドロキシトルエンなどの安定化剤、例えば、アスコルビン酸酢酸トコフェロールビタミンEなどの抗酸化剤、例えば、メントールカンフルハッカ油レモン油などの香料、例えばクエン酸ナトリウムクエン酸水素ナトリウムリン酸水素ナトリウム、リン酸水素ナトリウムなどのpH調整剤などをあげることができる。これらは単独でも、または2種以上を混合して用いてもよい。

0022

本発明における薬物は、室温で揮発性液状のニコチンをいい、薬物放出時にニコチンの形態であれば、本発明に該当する。すなわち、薬物保持及び保存状態ではニコチンの塩の形態であったとしても、薬物放出時にニコチンの形態を有し、多孔性中空繊維により放出が制御されるものは、本発明に該当することを意味する。また、本発明の多孔性中空繊維を構成要素とする貼付剤中におけるニコチンの含有量は特に限定されないが、その治療目的および安全性を考慮して、必要最小限の量のニコチン量として、1mg〜100mgが好ましい。

0023

本発明における低分子固体物質は、室温で固体でかつ分子量が50〜20000のものをいい、より好ましくは、分子量が100〜10000のものであり、イオン性結晶無機物は除かれる。室温で固体でないもの、例えば液状のものである場合、禁煙治療に必要な制御された量の薬物を持続的に放出することが困難となる。また、室温で固体であっても、イオン性結晶の無機物の場合、本発明の多孔性中空繊維を用いた貼付剤を皮膚に適用した場合に、違和感を覚え、更に皮膚刺激を誘発する原因ともなり、好ましくない。また、低分子固体物質の分子量が50未満の場合、結晶性が強いため、イオン性結晶の無機物の場合と同様に、皮膚適用時に違和感を覚え、好ましくない。一方、分子量が20000を超える固体物質、たとえばセルロースエステル等の高分子物質を用いた場合、その粘性が高いことにより、多孔性中空繊維に含浸させることが容易でなくなり、好ましくない。

0024

本発明の低分子固体物質の具体的な例としては、例えば、ガムロジンウッドロジン水添ロジン、水添ロジングリセリンエステル等のロジン系樹脂、例えば、α−ピネン樹脂、β−ピネン樹脂、テルペンフェノール樹脂等のテルペン系樹脂、例えば、脂肪族系(C5)石油樹脂芳香族系(C9)石油樹脂、脂環族系石油樹脂クマロンインデン樹脂等の石油樹脂、スチレン系樹脂、例えば、セチルアルコールステアリルアルコールベヘニルアルコール等の高級アルコール、例えば、ステアリン酸ラウリン酸ベヘン酸ヒドロキシステアリン酸等の高級脂肪酸、例えば、ソルビタンモノパルミテートソルビタンモノステアレートグリセリンモノラウレート乳酸ヘキサデシル等の脂肪酸エステル、例えば、ポリエチレングリコール600、ポリエチレングリコール1000、ポリエチレングリコール4000等のポリエチレングリコール、例えば、ポリエチレングリコール(23)モノセチルエーテル、ポリエチレングリコール(20)ベヘニルエーテル、ポリエチレングリコール(160)ポリプロピレングリコール(30)等のポリエチレングリコール誘導体、例えば、ポリプロピレングリコール3000、ポリプロピレングリコール4000等のポリプロピレングリコールなどがあげられる。これらの中でも、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油樹脂、スチレン系樹脂等の樹脂類が、皮膚に対する安全性、経済性の点から好ましい。また、これらは単独でも、または2種以上を混合して用いてもよい。

0025

本発明において、薬物と低分子固体物質の配合比率は重量比で、2:1〜1:20であることが好ましく、より好ましくは1:1〜1:10、特に好ましくは1:2〜1:10である。薬物に対する低分子固体物質の配合比率が0.5未満である場合、持続的な薬物放出は困難となり、一方、薬物に対する低分子固体物質の配合比率が20を超えると、薬物および低分子固体物質を多孔性中空繊維へ含有させることが容易でなくなったり、薬物および低分子固体物質を含有した多孔性中空繊維が硬くなり、これを構成要素として含む貼付剤を皮膚に適用した場合、違和感を感じ、また皮膚刺激性を誘発する原因ともなり、好ましくない。

0026

本発明における粘着剤層を構成する粘着剤としては、皮膚との接着性を有するものであれば特に制限はなく、従来公知のものを使用することができる。例えば、2−エチルヘキシルメタアクリレートペンチル(メタ)アクリレート等の炭素数2〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分としたアクリル系粘着剤、例えば、ポリジメチルシロキサンを主成分とするシリコーン系粘着剤、例えば、ポリイソプレンゴムスチレンーブタジエン共重合ゴムアクリルゴム天然ゴム等を主成分とするゴム系粘着剤ゼラチンカラギーナンヒドロキシエチルセルロース等を主成分とするハイドロゲル系粘着剤、ポリビニルアルコールポリアクリル酸ポリ酢酸ビニル等のビニル系粘着剤等を用いることができる。これらは単独でも、または2種以上を混合して用いてもよい。また、これら粘着剤のなかで、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤が皮膚に対する粘着性の点からより好ましく、2−エチルヘキシルアクリレートを主成分とするアクリル系粘着剤が皮膚への低刺激性および経済性の点から特に好ましい。

0027

また、粘着力を調整する目的や皮膚に対する刺激性を抑制する目的で、粘着剤に液体成分を混合させたり、架橋処理をおこなうことができる。このような液体成分としては、例えば、エチルアルコールラウリルアルコールベンジルアルコールなどのアルコール、例えば、プロピレングリコールブタンジオールヘキサントリオールグリセリンなどの多価アルコール、例えばモノアセチントリアセチンモノオレイン酸ソルビタンなどの多価アルコール誘導体、例えば、ミリスチン酸イソプロピルパルミチン酸イソオクチルオレイン酸エチルセバシン酸ジエチルアジピン酸イソプロピル等の脂肪酸エステル、例えば、リノレン酸リノール酸オレイン酸カプリン酸等の高級脂肪酸、例えば、オリーブ油ヒマシ油などの油脂類、例えば、モノエタノールアミンジエタノールアミントリエタノールアミンジイソプロパノールアミントリイソプロパノールアミン等のアミン類、例えば、ジメチルスルホキシドジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどの非プロトン性極性有機物、例えば流動パラフィンスクワランなどの炭化水素類などがあげられる。これらは単独でも、または2種以上を混合して用いてもよい。また、架橋処理の方法としては、紫外線γ線などによる架橋、あるいは無水ケイ酸ポリイソシアネート化合物有機金属塩金属キレート化合物などの架橋剤を添加して架橋する方法などを用いることができる。

0028

また、本発明において、多孔性中空繊維の空隙部に加え、粘着剤中に薬物が含有されていてもよい。

0029

更にまた、本発明の粘着剤中に従来既知の安定化剤、抗酸化剤、香料やpH調整剤などを必要に応じて添加することもできる。具体的には、例えば無水クエン酸、ジブチルヒドロキシトルエンなどの安定化剤、例えば、アスコルビン酸、酢酸トコフェロール、ビタミンEなどの抗酸化剤、例えば、メントール、カンフル、ハッカ油、レモン油などの香料、例えばクエン酸ナトリウム、クエン酸二水素ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素ナトリウムなどのpH調整剤などをあげることができる。これらは単独でも、または2種以上の混合系でも使用できる。

0030

本発明における粘着剤層の厚みは特に制限はないが、5μm〜200μmが好ましく、10μm〜100μmが特に好ましい。

0031

本発明において用いられる支持体としては、粘着剤層を貼りあわせることができ、自己形状保持性を有しているものであればよく、その材質や形状等に特に制限はない。例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリウレタン及びセルロースエステルなどのポリマーフィルム;ポリエステル、ポリオレフィン、ポリウレタン、セルロースエステル及びポリアミド等の繊維からなる織物・編物・不織布及び紙;ポリエステル、ポリオレフィン、セルロースエステル、ポリウレタン及びポリアミド等からなる多孔性膜;及びこれらの2種以上の組み合わせからなる積層体などから選ぶことができる。支持体の厚さは特に制限はないが、100μm〜2000μmが好ましく、200μm〜1000μmが特に好ましい。

0032

本発明において用いられるセパレーターは、形状保持性を有し、粘着剤層が容易に剥がれるものであれば特に限定されないが、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリウレタン、セルロースなどからなるフィルム、織物、編物、不織布及び紙などの表面にフッソ系樹脂シリコーン樹脂などの離型処理を施したものが好ましい。また、セパレーターの厚みは、取り扱いが可能であれば特に限定されないが、10μm〜2000μmが好ましい。

発明を実施するための最良の形態

0033

本発明における貼付剤は、支持体、粘着剤層、多孔性中空繊維およびセパレーターを必須の構成要素とするが、これらの他に、貼付時の皺の発生を防止するための裏打ち材等を設けることもできる。また、各構成要素の組み合わせ方法は特に限定されないが、例えば、支持体に粘着剤層、多孔性中空繊維、セパレーターを順に積層したり、支持体に多孔性中空繊維、粘着剤層、セパレーターを積層したり、支持体に粘着剤層、多孔性中空繊維、粘着剤層、セパレーターを積層し、貼付剤とすることができる。また、皮膚への接着性や薬物の大気中への損失を抑制するために、多孔性中空繊維は、粘着剤層より小さな面積としたり、直接大気と接触しないように構成されることが好ましい。

0034

上述したように、支持体、粘着剤層、多孔性中空繊維およびセパレーターとからなる貼付剤において、多孔性中空繊維の空隙部分にニコチンおよび室温で固体かつ分子量50〜20000の低分子固体物質とを2:1〜1:20の配合比率で含有させることにより、製造が簡便で経済性に優れ、かつ長時間にわたって、持続的に制御された量のニコチンの放出が可能な貼付剤が得られる。

0035

【実施例】
以下に本発明を実施例により説明する。なお、実施例中、%は重量%を意味する。また、実施例中の「多孔性中空繊維の単糸の太さ」、「多孔性中空繊維の空隙率」、「ニコチン放出率」及び「ニコチン含有量」は下記の方法によって測定されたものである。
(1)多孔性中空繊維の単糸の太さ
多孔性中空繊維を顕微鏡にて観察し、n=5の繰り返しの測定の平均値を求め、単糸の太さとした。
(2)多孔性中空繊維の空隙率
多孔性中空繊維の中空部の空隙率および細孔の空隙率は、多孔性中空繊維の容積に対する多孔性中空繊維の中空部の容積および細孔の容積とし、多孔性中空繊維の中空部の容積および細孔の容積は、水銀圧入法により測定し求めた。
(3)ニコチン放出率
貼付剤の粘着剤層面露出させてステンレス板に固定し、32℃のpH7.4のリン酸緩衝液500mL中に設置する。この溶液を150rpmの速度で攪拌し、1時間後、2時間後、4時間後および8時間後に溶液をサンプリングし、ニコチン濃度をHPLCにて分析し、各時間における放出薬物量(W1)を求めた。放出ニコチン量を試験前の貼付剤中のニコチン含有量(W2)で割った値をパーセンテージで表わし、n=3の繰り返しの平均値をニコチン放出率とした。
(4)ニコチン含有量
容積50mLのガラス管に、セパレーターを除いた貼付剤1枚およびメタノール40mLを加え、超音波処理し、ニコチンを抽出処理した。この液1mLにアセトニトリル/水=1/9(v/v)溶液9mLを加えたものを試料溶液とし、ニコチン濃度をHPLCにて分析してニコチン含有量を求めた。

0036

[実施例1]
単糸の太さ18μm、多孔性中空繊維壁面の細孔の空隙率が12%、中空部の空隙率27%、全体の空隙率の合計が39%の多孔性中空繊維の編物(面積φ30mm、重量40mg)をニコチン3.5g、水添ロジングリセリンエステル(エステルガムH、荒川化学工業製)10.5gおよびアセトン7gからなる溶液に浸漬し、超音波含浸処理した。その後、多孔性中空繊維の編物を取り出し、表面に付着した溶液を拭取った後、乾燥し、溶媒であるアセトンを除去した。この多孔性中空繊維の編物の片面に、ポリエステルフィルム(厚さ12μm)に積層した2−エチルヘキシルアクリレート90%、メタアクリル酸メチル7.5%、アクリル酸2.5%からなるアクリル系粘着剤(厚さ40μm)の粘着剤層面を貼り合わせ、更に他の片面に、シリコーンコートした離型フィルム上に積層したアクリル系粘着剤(厚さ40μm)の粘着剤層面を貼り合わせ、圧着した後、φ36mmサイズに裁断し、貼付剤を作成した。

0037

得られた貼付剤の含有量を測定したところ11.9mgであった。この貼付剤を用いて、放出試験を行った。結果を表1および図1に示す。表1および図1に示すように長時間にわたって持続的に良好なニコチン放出性を示した。

0038

[比較例1]
実施例1において、水添ロジングリセリンエステルを除いたニコチン7.0gおよびアセトン14gからなる溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして、ニコチン含有量10.4mgの貼付剤を得た。得られた貼付剤の放出率を測定したところ、表1に示すように、短時間で薬物が放出されてしまい、持続的な薬物放出を得ることが困難であった。

0039

[比較例2]
実施例1において、多孔性中空繊維の編物の代わりに、中実糸からなる布帛として、日局ガーゼを用いた以外は、実施例1と同様にして、ニコチン含有量10.9mgの貼付剤を得た。得られた貼付剤の放出率を測定したところ、表1および図1に示すように、長時間にわたって持続的な薬物放出を得ることが困難であった。

0040

[実施例2]
実施例1において、多孔性中空繊維の編物の重量を80mgとし、ニコチン2.8g、水添ロジングリセリンエステル11.2gおよびアセトン7gからなる溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして、ニコチン含有量17.6mgの貼付剤を得た。得られた貼付剤の放出率を測定したところ、表1に示すように、長時間にわたって持続的に良好なニコチン放出性を示した。

0041

[実施例3]
実施例2において、単糸の太さ15μm、多孔性中空繊維壁面の細孔の空隙率が19%、中空部の空隙率26%、全体の空隙率の合計が45%の多孔性中空繊維の編物(面積φ30mm、重量40mg)を用いた以外は、実施例2と同様にして、ニコチン含有量18.8mgの貼付剤を得た。得られた貼付剤の放出率を測定したところ、表1に示すように、長時間にわたって持続的に良好なニコチン放出性を示した。

0042

[実施例4]
実施例2において、水添ロジングリセリンエステルの代わりに水添ロジンエステルKE−311、荒川化学工業製)を用いた以外は、実施例2と同様にして、ニコチン含有量18.0mgの貼付剤を得た。得られた貼付剤の放出率を測定したところ、表1に示すように、長時間にわたって持続的に良好なニコチン放出性を示した。

0043

[実施例5]
実施例3で用いた多孔性中空繊維の編物をニコチン2.0g、脂環族系石油樹脂(アルコンP−100、荒川化学工業製)12.0gおよびクロロホルム12.0gからなる溶液に浸漬し、超音波で含浸処理した。その後、実施例3と同様にして、ニコチン含有量9.6mgの貼付剤を得た。得られた貼付剤の放出率を測定したところ、表1に示すように、長時間にわたって持続的に良好なニコチン放出性を示した。

0044

[実施例6]
実施例3で用いた多孔性中空繊維の編物をニコチン2.0g、高級脂肪酸であるラウリン酸12.0gおよびアセトン12.0gからなる溶液に浸漬し、超音波で含浸処理した。その後、実施例3と同様にして、ニコチン含有量7.0mgの貼付剤を得た。得られた貼付剤の放出率を測定したところ、表1に示すように、長時間にわたって持続的に良好なニコチン放出性を示した。

0045

[実施例7]
実施例1において、アクリル系粘着剤の代わりに、ポリジメチルシロキサン(Q7−4501、ダウコーニング製)95%、シリコーンオイル(360medical Fluid、ダウコーニング製)5%からなるシリコーン系粘着剤を用いた以外は、実施例1と同様にして、ニコチン含有量11.8mgの貼付剤を得た。得られた貼付剤の放出率を測定したところ、表1に示すように、長時間にわたって持続的に良好なニコチン放出性を示した。

0046

[実施例8]
実施例1において、アクリル系粘着剤の代わりに、スチレンーイソプレンスチレン共重合体41%、水添ロジンエステル54%、流動パラフィン5%からなるゴム系粘着剤を用いた以外は、実施例1と同様にして、ニコチン含有量9.4mgの貼付剤を得た。得られた貼付剤の放出率を測定したところ、表1に示すように、長時間にわたって持続的に良好なニコチン放出性を示した。

発明の効果

0047

【表1】

図面の簡単な説明

0048

表1中、「ニコチン/樹脂比」は、ニコチンと低分子固体物質の重量比を表す。

図1
実施例1と比較例2のニコチン放出プロファイルである。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ