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技術 ガラス表面処理用コーティング組成物及びガラス製品

出願人 日本山村硝子株式会社
発明者 伊藤紀久西野浩之佐藤公哉植田晃功
出願日 2003年5月16日 (16年4ヶ月経過) 出願番号 2003-138219
公開日 2004年6月10日 (15年3ヶ月経過) 公開番号 2004-161993
状態 特許登録済
技術分野 ガラスの表面処理 塗料、除去剤 剛性または準剛性容器の細部
主要キーワード 表面形成用 自由落下試験 滑走距離 試料びん 付け室 目盛り板 紙製ラベル シランカップリング剤濃度
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2004年6月10日)のものです。
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図面 (1)

課題

ガラス容器洗浄及び内容物の殺菌のための熱水処理後ガラス容器表面の傷付き防止機能が損なわれず、デンプン系を用いてラベリングが可能であり、流通過程ではラベル剥離が起こらないがリサイクル時にはラベルの容易な剥離を可能にするコールドエンドコーティング組成物を提供すること、並びに、板ガラスの表面を保護して、強度劣化を防止すること。

解決手段

酸価が10〜25mg−KOH/gである乳化された状態のポリエチレンワックスアミノ基を有するシランカップリング剤とを含有することを特徴とする水性組成物である、ラベル易剥離性ガラス表面形成用ガラス表面処理用コーティング組成物

概要

背景

従来、ガラス製品表面の滑性を増大させて擦り傷等がつき難くし、そうすることにより擦り傷等による強度劣化を防止するために、アニオン系界面活性剤非イオン界面活性剤ポリエチレンワックス水性エマルジョン等を含有するコーティング剤が用いられている。ガラス容器の製造においては、この種のコーティング剤はコールドエンドコーティング剤と呼ばれている。ガラス容器は内容物の充填前に洗浄され、また内容物の殺菌の目的で充填後熱水処理を行うことが多いが、このとき施したコーティングの脱離を防止するには、水に不溶のポリエチレンワックスの水性エマルジョン等を含有するコールドエンドコーティング剤を使用するのが好ましい。この種のコールドエンドコーティング剤としては、ポリエチレンワックスをアニオン系界面活性剤(高級脂肪酸カリウム塩)で乳化した組成物が知られている(特許文献1参照。)。

概要

ガラス容器の洗浄及び内容物の殺菌のための熱水処理後ガラス容器表面の傷付き防止機能が損なわれず、デンプン系を用いてラベリングが可能であり、流通過程ではラベル剥離が起こらないがリサイクル時にはラベルの容易な剥離を可能にするコールドエンドコーティング組成物を提供すること、並びに、板ガラスの表面を保護して、強度劣化を防止すること。酸価が10〜25mg−KOH/gである乳化された状態のポリエチレンワックスとアミノ基を有するシランカップリング剤とを含有することを特徴とする水性組成物である、ラベル易剥離性ガラス表面形成用ガラス表面処理用コーティング組成物。 なし

目的

本発明は、(1) 主としてガラス容器の洗浄及び内容物の殺菌のための熱水処理後もガラス容器表面の傷付き防止機能を損なうことなく、(2)デンプン系の糊を用いてラベリングが可能で、(3)流通過程でラベルが自然に剥離するおそれがなく、(4)リサイクル時ラベルを剥がそうとするときは容易に剥がすことができるという特徴を有するコールドエンドコーティング剤を得ることを目的とする。本発明はまた、板ガラスについても、その表面を保護し強度劣化を防止することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
4件

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請求項1

酸価が10〜25mg−KOH/gである乳化された状態のポリエチレンワックスアミノ基を有するシランカップリング剤とを含有することを特徴とする水性組成物である、ラベル易剥離性ガラス表面形成用ガラス表面処理用コーティング組成物

請求項2

該ポリエチレンワックスの濃度が0.05〜0.5重量%である、請求項1に記載の組成物

請求項3

該ポリエチレンワックスの酸価が12〜23mg−KOH/gである、請求項1又は2に記載の組成物。

請求項4

アミノ基を有するシランカップリング剤の濃度が0.01〜1重量%である、請求項1ないし3のいずれかに記載の組成物。

請求項5

ポリオキシエチレン鎖を構造中に有する非イオン界面活性剤を含有する、請求項1ないし4の何れかに記載の組成物。

請求項6

ガラス容器用のコールドエンドコーティング組成物である、請求項1ないし5の何れかに記載の組成物。

請求項7

ホットエンドコーティング処理したガラス容器用のコールドエンドコーティング組成物である、請求項1ないし5の何れかに記載の組成物。

請求項8

酸価が10〜25mg−KOH/gである乳化された状態のポリエチレンワックスとアミノ基を有するシランカップリング剤とを含有することを特徴とする水性組成物である、板ガラス表面保護用のガラス表面処理用コーティング組成物。

請求項9

請求項1ないし7の何れかに記載の組成物でコーティング処理したガラス容器。

請求項10

請求項1ないし7の何れかに記載の組成物を外表面温度が80〜130℃のガラス容器の外表面にコーティングした後水洗することにより製造した、ラベル易剥離性表面を有するガラス容器。

請求項11

請求項1ないし7の何れかに記載の組成物を外表面温度が80〜130℃のガラス容器の外表面にコーティングした後水洗することにより製造したガラス容器であって、その表面にデンプン系を用いてラベルを貼付したものである、ラベル易剥離性ガラス容器。

請求項12

請求項8に記載の組成物でコーティング処理した板ガラス。

技術分野

0001

本発明は、ガラス表面処理用コーティング組成物及び該組成物コーティングを施したガラス製品、とりわけガラス容器コールドエンドコーティング組成物及び該組成物でコーティングを施したガラス容器に関する。さらに詳しくは、本発明は、内容物を充填したガラス容器に貼り付けたラベルが、故意に剥がそうとしない限り流通過程の通常の取り扱いでは自然に剥離するおそれはないが、使用後リサイクルするときには、容易にラベルを剥離することができる、ラベル易剥離性ガラス容器用コールドエンドコーティング組成物及び該組成物でコーティングを施したガラス容器に関する。本発明はまた、板ガラスの表面の摩擦係数を低下させて傷の発生を防止することによる、板ガラスの強度劣化を防止する表面保護用コーティング組成物にも関する。

0002

従来、ガラス製品表面の滑性を増大させて擦り傷等がつき難くし、そうすることにより擦り傷等による強度劣化を防止するために、アニオン系界面活性剤非イオン界面活性剤ポリエチレンワックス水性エマルジョン等を含有するコーティング剤が用いられている。ガラス容器の製造においては、この種のコーティング剤はコールドエンドコーティング剤と呼ばれている。ガラス容器は内容物の充填前に洗浄され、また内容物の殺菌の目的で充填後熱水処理を行うことが多いが、このとき施したコーティングの脱離を防止するには、水に不溶のポリエチレンワックスの水性エマルジョン等を含有するコールドエンドコーティング剤を使用するのが好ましい。この種のコールドエンドコーティング剤としては、ポリエチレンワックスをアニオン系界面活性剤(高級脂肪酸カリウム塩)で乳化した組成物が知られている(特許文献1参照。)。

0003

一方、ガラス容器表面貼付けるラベルは紙製樹脂製等種々のものがあり、接着剤デンプン系合成樹脂製接着剤等種々のものが用いられているが、最も一般的な組合わせは紙製ラベルにデンプン系の糊を塗布したものである。

0004

近年、コールドエンドコーティング剤の開発は、ラベルの接着力をより高めることに主眼が置かれている(例えば、特許文献2〜5参照)。すなわち、従来デンプン系の糊を用いて紙製ラベルをガラス容器表面に貼り付けた場合、接着強度が高く流通過程で剥離するおそれは実質上なかったにもかかわらず、接着強度を更に高めて剥離防止を一層確実にする取組みがなされてきた。その結果、リサイクル時ラベルを剥がそうとしても紙製ラベルが破れ、容易に剥がすことができないという問題が生じていた。

0005

また、ポリエチレンワックスとシランカップリング剤を含有するコールドエンドコーティング剤の開発も行われているが、ラベル易剥離を目的としたものではなく、ポリエチレンワックスの酸価に着目した開発は行われていない(特許文献6〜7参照)。

背景技術

0006

【特許文献1】
特公昭42−1758号公報(第3頁右欄ほか)
【特許文献2】
特開2000−351652号公報
【特許文献3】
特開2001−11390号公報
【特許文献4】
特開2001−302284号公報
【特許文献5】
特開2001−328613号公報
【特許文献6】
特公表2000−511963号公報
【特許文献7】
特公表2000−512259号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、(1) 主としてガラス容器の洗浄及び内容物の殺菌のための熱水処理後もガラス容器表面の傷付き防止機能を損なうことなく、(2)デンプン系の糊を用いてラベリングが可能で、(3)流通過程でラベルが自然に剥離するおそれがなく、(4)リサイクル時ラベルを剥がそうとするときは容易に剥がすことができるという特徴を有するコールドエンドコーティング剤を得ることを目的とする。本発明はまた、板ガラスについても、その表面を保護し強度劣化を防止することを目的とする。

0008

本発明者らは、上記の課題を解決するために研究を重ねた。その結果、ガラス表面処理用コーティング組成物において、特定の数値の酸価を有するポリエチレンワックスとアミノ基を有するシランカップリング剤とを含有する水性エマルジョンを用いれば、ポリエチレンワックスをガラス表面に安定して接着させることができ、従ってガラスの強度劣化を防止できること、しかもそのようなエマルジョン含有の水性組成物をコールドエンドコーティング組成物としてガラス容器に使用した場合は、食品工場ユーザーサイドでの水洗後、デンプン系の糊を用いて確実にラベリングできるため流通過程でラベルが自然に剥離するおそれはないが、リサイクル時ラベルを剥がそうとするときは容易に剥がせることを見出し、本発明を完成するに至った。

0009

すなわち本発明は、
(1)酸価が10〜25mg−KOH/gである乳化された状態のポリエチレンワックスとアミノ基を有するシランカップリング剤とを含有することを特徴とする水性組成物である、ラベル易剥離性ガラス表面形成用のガラス表面処理用コーティング組成物、
(2)該ポリエチレンワックスの濃度が0.05〜0.5重量%である、上記(1)に記載の組成物、
(3)該ポリエチレンワックスの酸価が12〜23mg−KOH/gである、上記(1)又は(2)に記載の組成物、
(4)アミノ基を有するシランカップリング剤の濃度が0.01〜1重量%である、上記(1)ないし(3)の何れかに記載の組成物、
(5)ポリオキシエチレン鎖を構造中に有する非イオン界面活性剤を含有する、上記(1)ないし(4)の何れかに記載の組成物、
(6)ガラス容器用のコールドエンドコーティング組成物である、上記(1)ないし(5)の何れかに記載の組成物、
(7)ホットエンドコーティング処理したガラス容器用のコールドエンドコーティング組成物である、上記(1)ないし(5)の何れかに記載の組成物、
(8)酸価が10〜25mg−KOH/gである乳化された状態のポリエチレンワックスとアミノ基を有するシランカップリング剤とを含有することを特徴とする水性組成物である、板ガラスの表面保護用のガラス表面処理用コーティング組成物、
(9)上記(1)ないし(7)の何れかに記載の組成物でコーティング処理したガラス容器、
(10)上記(1)ないし(7)の何れかに記載の組成物を外表面温度が80〜130℃のガラス容器の外表面にコーティングした後水洗することにより製造した、ラベル易剥離性表面を有するガラス容器、
(11)上記(1)ないし(7)の何れかに記載の組成物を外表面温度が80〜130℃のガラス容器の外表面にコーティングした後水洗することにより製造したガラス容器であって、その表面に、デンプン系の糊を用いてラベルを貼付したものである、ラベル易剥離性ガラス容器、及び
(12)上記(8)に記載の組成物でコーティング処理した板ガラス
を提供するものである。

0010

上記(1)ないし(7)の組成物は、これを用いてガラス表面にコーティングを施すことにより、ガラス製品の表面に樹脂(ポリエチレンワックス)を安定に接着させることができ、従ってガラスの強度劣化を防止でき、且つガラス容器の場合には、コーティングを施した後に水洗することにより、デンプン系の糊を用いて確実なラベリングが可能で、流通過程ではラベルが自然に剥離するおそれはないが、リサイクル時ラベルを剥がそうとするときは容易に剥がすことができるという、優れた表面特性も併せて得ることができる。従って、上記(9)ないし(11)のガラス容器は、強度劣化しがたく且つデンプン系の糊を用いてラベリングが可能で、流通過程でラベルが自然に剥離するおそれがなく、リサイクル時ラベルを剥がそうとするときは容易に剥がすことができるという優れた性能を有し、上記(12)の板ガラスは、強度劣化しがたい表面を有する。

課題を解決するための手段

0011

なお、ガラス容器は、強度を増す目的で、成形徐冷前に三塩化ブチル錫、四塩化錫四塩化チタン等の蒸気に接触させることによるホットエンドコーティング(酸化錫又は酸化チタンによる表面処理)が多くの場合に行われるが、本発明のコールドエンドコーティング組成物は、ホットエンドコーティング処理したガラス容器にも好適に用いることができる。

0012

本明細書において、「ガラス容器」とは、ガラスびん、ガラス製の食器花瓶等を含む。
本発明の組成物は、酸価が10〜25mg−KOH/gである乳化された状態のポリエチレンワックスを含有することを必須の要件とする。ポリエチレンワックスの酸価が10mg−KOH/g未満であると、均一な乳化状態を形成することが困難になるばかりでなく、ポリエチレンワックスのガラス表面への付着力が不十分となり、洗浄、殺菌処理熱水処理)により過度脱落し、また搬送等に際しても脱落してガラス表面の滑性が損なわれるおそれがある。またガラス容器の場合には、ポリエチレンワックスがガラス容器表面から過度に脱落すると、ラベルの易剥離性が損なわれるおそれもある。酸価が25mg−KOH/gを超えても、ガラス容器の場合、表面に対するラベルの付着力が強くなりすぎ、リサイクル時にラベルを剥離することが困難になる。また、板ガラスの場合にも、表面エネルギーが増大するため問題が生じるおそれがある。ガラス表面への傷付き防止、ガラス容器に対するラベルの適度の接着力等を考慮すると、ポリエチレンワックスの酸価は12〜23mg−KOH/gであることがより好ましく、14〜20mg−KOH/gであることが一層好ましい。また、ガラス容器のコールドエンドコーティング剤成分として用いる場合、ポリエチレンワックスの軟化点は、スプレー等による適用時のガラス容器表面への付着性を考慮すると100〜140℃であることが好ましい。上記範囲の酸価を有するポリエチレンワックスとしては、そのような単独のものを使用しても良いが、また、混合物全体として上記範囲の酸価となる限り、任意の異なる酸価を有する複数のものを混合して使用しても良い。なお、酸価とは、ポリエチレンワックス1g中に含まれるカルボキシル基中和するのに要する水酸化カリウムミリグラム数をいう。

0013

本発明のガラス表面処理用コーティング組成物中のポリエチレンワックス濃度は、0.05〜0.5重量%であることが好ましい。ポリエチレンワックス濃度が0.05重量%未満では、十分な滑性が得られなくなるおそれがあると共にガラス表面の露出割合が増大し、ガラス容器に用いる場合ラベルの易剥離性が達成できなくなるおそれがある。逆にポリエチレンワックス濃度が0.5重量%を超えると、ガラス表面が若干不透明になり、外観が悪化するおそれがあるほか、経済性も悪い。さらに、ラベルが流通過程で剥離するおそれもある。ガラス表面への傷付き防止、ガラス容器のラベルの適度の接着力、外観等を考慮すると、本発明のガラス表面処理用コーティング組成物中のポリエチレンワックス濃度は、0.08〜0.3重量%であることがより好ましい。

0014

シランカップリング剤は、一般式、RnSiX4-n(nが2または3の場合は、Rは全て同一でも異なっていてもよい)で表され、有機物及び無機物の双方に親和性の化合物として種々の用途に用いられている化合物であり、多種のものが市販されている。該一般式中、Xは、加水分解性の基であり、例えば、アルコキシ基アセトキシ基オキシム基エノキシ基又はイソシアナート基等が挙げられ、nは1ないし3の整数を表す。またRは、Siに直接に結合した炭素原子を有する種々の有機基であり、例えば、置換されていてよいアルキル基、置換されていてよいアルケニル基等や、炭素以外の原子例えば酸素窒素等を介して2個以上の、置換されていてよいアルキル基や置換されていてよいアルケニル基等が連結したものが挙げられる。シランカップリング剤が有する置換基としては種々のものが知られている。それら種々のシランカップリング剤のうち、本発明においては、置換基としてアミノ基を有するものを用いることを必須の要件とする。シランカップリング剤RnSiX4-nは、その分子中の基Xが水中で加水分解を受け、徐々に又は速やかに基OHに変換される性質を有する。本発明において、「アミノ基を有するシランカップリング剤」というときは、RnSiX4-nの形のもの及び、また部分的に若しくは完全に加水分解が進行したもの、それが一部縮重合したもの全てを包含する。

0015

アミノ基を有するシランカップリング剤は、酸価が10〜25mg−KOH/gのポリエチレンワックスをガラス表面に強固に接着させるのに極めて有効であることが本発明者らによって見出された。本発明において用いられるシランカップリング剤としては特に制限はないが、例として、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等を挙げることができる。

0016

本発明のコーティング組成物中シランカップリング剤濃度は、0.01〜1重量%であることが好ましく、0.05〜0.5重量%であることがより好ましい。シランカップリング剤濃度が0.01重量%未満では、ポリエチレンコーティングのガラス容器表面への接着強度が低下するおそれがある。シランカップリング剤濃度を1重量%を超えるまで高めても効果は変わらず、経済的でない。

0017

また、本発明の組成物において、ポリエチレンワックスを水に均一に乳化分散させるための界面活性剤としては、オレイン酸カリウム等のアニオン系界面活性剤に比して、ポリオキシエチレン鎖を構造中に有する非イオン界面活性剤を用いる方が好ましい。アニオン系界面活性剤を用いた場合よりも、ポリオキシエチレン鎖を構造中に有する非イオン界面活性剤を用いた場合の方が、ポリエチレンワックスとガラス表面との密着力が高まる傾向があるためである。そのような好ましい非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレン鎖を構造中に有するということ以外に特に制限はなく、例えば、多価アルコールエステルエチレンオキシド付加物ポリエチレングリコールモノエステルポリエチレングリコールジエステル高級アルコールエチレンオキシド付加物、アルキルフェノールエチレンオキシド付加物、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド等が挙げられる。さらに高級脂肪酸モノアルカノールアミド、高級脂肪酸ジアルカノールアミド等の脂肪酸アルカノールアミド系非イオン界面活性剤を併用することができ、特にポリエチレンワックスの酸価が低い場合には、ポリオキシエチレン鎖を構造中に有する非イオン界面活性剤と組合わせて脂肪酸アルカノールアミド系非イオン界面活性剤を併用することがより好ましい。なお、本明細書において「高級」とは、炭素数6以上をいう。

0018

本明細書において、「水性組成物」は、水を主たる媒質とする組成物を意味しており、その限りにおいて、水と混和性の他の媒質が共存することを排除しない。
また本明細書において、「乳化された状態のポリエチレンワックス」とは、ポリエチレンワックスが媒質中微細に分散された状態をいう。

0019

本発明のガラス表面処理用コーティング組成物によりコールドエンドコーティングを行うには、加熱したガラス容器の外表面にこれを単に吹き付けるだけでよいが、これに限定されない。その際、ガラス容器外表面温度はガラス容器に欠点を生じない範囲内で高い方がよく、作業効率及びコーティングの付着効率等を考慮すれば、通常約80〜約130℃の範囲とするのが好ましく、約90〜約120℃の範囲とするのがより好ましい。板ガラスにコーティングする場合も、製造プロセス中において、所望の温度になったときにスプレー等を行えばよい。

0020

本発明組成物をガラス容器のコールドエンドコーティング剤として用いてコーティングした後水洗することにより、特殊な接着剤を用いず、従来ガラス容器のラベル貼付けに用いられている通常のデンプン系の糊で、紙製等のラベルの易剥離性を実現することができる。そのようなデンプン系の糊としては、デンプンを主成分とする、あるいはデンプン−アクリル混合系等の、デンプンを主要構成成分とし、45〜65%程度の水を含有するものを用いることができる。本発明組成物をガラス容器外表面にコーティングした後水洗することにより、ポリエチレンワックスを水に均一に乳化分散させるためにコーティング剤中に含まれていた界面活性剤がガラス容器表面から除去され、ラベル易剥離性表面を有するガラス容器を得ることができる。水洗時の水温は特に限定されず、常温の水ないし殺菌用の90℃程度までの湯等、いずれの水温のものも使用できる。水温が高くなるに従って、処理時間を短縮することができる。常温の水を使用する場合、水洗時間の長さは、好ましくは1分以上、より好ましくは5分以上、更に好ましくは10分以上であればよい。また30分或いはこれより長く行う必要はないが、行っても不都合はない。

0021

本発明において評価に用いられる装置及び方法について説明する。
1.表面滑り角度測定方法
本ガラスびん協会規格(昭和52年6月15日制定、平成10年10月30日改正(3))「7.14 表面滑り角度測定方法」は、ガラスびんにつき以下の手順及び基準により表面滑り角度を測定すべきことを規定している。
試料
(1)試料びん:コーティング剤が完全に乾燥したびんを採取し、びん温度が室温になるまで放冷したものを試料びんとする。
(2)試料びんの採取: 1測定ごとに9本以上の試料びんを採取する。但し、サンプリング時および測定時においてびんの胴面を手で触れないこと。
<測定方法>(図1を参照)
(1)びん保持台上14に試料びん12及び13を接して並べ、びん底をストッパー密着させ、更にびん12と13が横方向にズレないようストッパーを当てる。
(2)試料びん12と13の上に試料びん11を置き三角形積み重ねる
(3)試料びんは3本とも同一方向に並べ、びん表面は彫刻合わせ目のある面は避けストレート面が接するようにする。
(4)びん保持台に徐々に傾斜角度をつけるため、ハンドル16を廻し、試料びん11が滑り始めた位置の目盛りを読み記録する。
(5)測定は、1測定に3本のびんを用い、再度測定に使うことはしない。但し、測定は3回以上行う。

0022

2.ラベル剥離試験
実験室においてガラス容器へ紙製ラベルを貼り付ける場合は、糊の使用量が過剰にならないよう、No.10のバーコーターを用いて糊を樹脂製板に十分薄く広げ、その上に紙製ラベルを置いた後、直ちにラベルを引き剥がしガラス容器表面に貼りつける。食品工場等においてガラス容器へ紙製ラベルを貼り付ける場合は、通常のラベラーを用いる。
ガラス容器表面に貼り付けた紙製ラベルの角部を爪で剥がし、剥がれた部分を摘んでラベルを引き剥がし、ラベルが破断した時点をもって1回の剥離操作とする。ラベルが破断せず1回でラベルが剥がれた場合を◎、2〜3回でラベルが剥がれた場合を○、3回目の操作後もラベルが剥がれなかった場合を×として評価し、◎及び○のものを易剥離性と称する。

0023

3.包装貨物試験
10本ずつパックされたガラス容器を直方形段ボールケースに5パック詰めサンプルとする。
(1)ケース自由落下試験
5ケースのサンプルを準備し、JIS Z0202「包装貨物−落下試験方法」に準じ、落下高さ35cm、落下姿勢3面落下、2−3落下、3−5稜落下、2−3−5角落下の順にそれぞれ1回ずつ落下させ、ガラス容器が割れたところで中止する。
(2)傾斜衝撃試験
5ケースのサンプルを準備し、JIS Z0205「包装貨物−水平衝撃試験方法」に準じ、試料を滑走車の前端から5cm前方に出るように載せ、衝突面を2面及び5面として滑走車を滑走させて、衝突板に各滑走距離につきそれぞれ1回ずつ衝突させる。初期滑走距離を120cmとし、ガラス容器が割れなければ20cm間隔で順次滑走距離を増し衝突させる。ガラス容器が割れたところで中止する。

0024

4.耐内圧試験
50本のガラス容器を準備し、JIS S2302「炭酸飲料用ガラスびんの耐内圧力試験方法」に準じ、初期圧力を0MPaとしてアメリカグラスリサーチ社(AGR International, INC., Butler, PA, USA)製「RAMPPRESSURE TESTER」を用いて測定する。

0025

【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明がこれらの実施例により限定されることは意図しない。
[実施例1]
ポリエチレンワックスの水性エマルジョン(ハネウェル社製「AC#629ポリエチレンワックス:酸価15mg−KOH/g(以下、単位省略)、樹脂軟化点104℃」を、乳化剤として高級アルコールエチレンオキシド付加物及び高級脂肪酸ジエタノールアミド中和剤としてKOHを使用して常法により製造。PE濃度は約38重量%)1.35mLに400mLの蒸留水を加えて混合した(A−1液)。また、アミノ基を有するシランカップリング剤としてγ−アミノプロピルトリエトキシシラン(日本ユニカー(株)製A−1100)0.5mLに100mLの蒸留水を加えて混合した(B−1液)。A−1液とB−1液を混合し、この溶液をガラス表面処理用コーティング組成物とした。

0026

次に、慣用の方法で表面にホットエンドコーティングを施した内容量120mL、重量142gのドリンク剤用ガラス容器を用意し、それらを恒温乾燥器中で110℃にて60分間保持した。
上記ガラス表面処理用コーティング組成物をハンド式スプレーガンカップに移し、コンプレッサーから供給されるエアの噴出量とその圧力をスプレーガンの手元で調整することにより、スプレー量を70mL/分に固定した。次いで、約110℃に加温した上記ガラス容器を1個ずつターンテーブルの中心に置き、該ターンテーブルを2回転(一周約2秒)させる間に、そのガラス容器に約50cmの距離から上記コーティング組成物をスプレーすることにより、ガラス容器の外表面に該組成物を均一に、液垂れのないように塗布した。塗布後、そのままの状態でガラス容器を室温まで放冷した。この手順により、以下の試験に必要な個数のコールドエンドコーティング済みガラス容器を用意した。

0027

ガラス容器表面の滑性の評価を、前記の日本ガラスびん協会規格7.14表面滑り角度測定方法に基づいて行った。無洗浄のガラス容器の測定の結果、表面滑り角度は6〜9°であった。85℃で10分間湯に浸漬(湯洗。本明細書において、「湯洗」は「水洗」に含まれる。)したガラス容器の測定の結果、表面滑り角度は7〜10°であった。コールドエンドコーティングを施さなかった同じガラス容器について別途測定した滑り角度は、30〜35°であった。これらのことは、無洗浄、湯洗いずれのガラス容器も、ポリエチレンコーティングが十分付着していることを示している。

0028

湯洗を行ったガラス容器10本に、デンプン糊を用いて紙製ラベル(138mm×42mm、88g/m2)を貼り付け室温で72時間静置した。各ラベルはガラス容器に確実に貼付しており表面を指で強く擦っても全く影響を受けなかった。これらのラベルにつき剥離テストを行ったところ、◎が5本、○が5本であった。

0029

同様に、無洗浄のガラス容器10本に、デンプン糊を用いて紙製ラベル(138mm×42mm、88g/m2)を貼り付け室温で72時間静置した。各ラベルはガラス容器に確実に貼付しており表面を指で強く擦っても全く影響を受けなかった。これらのラベルにつき剥離テストを行ったところ、×が10本であった。

0030

以上の結果から、実施例1のガラス表面処理用コーティング組成物は、コールドエンドコーティング剤としての機能を有すると共に、ガラス容器表面を水洗することによりデンプン系糊で貼り付けた紙製ラベルの易剥離性をも発現させる能力を有するものであることがわかる。

0031

[実施例2]
ポリエチレンワックスの水性エマルジョンの量を2.7mLとすることによってA−1液をA−2液に変更した以外は、実施例1と同様にガラス表面処理用コーティング組成物を調製した。このコーティング組成物を実施例1と同じ条件で同じガラス容器表面にスプレーし、以下の試験に必要な個数のコールドエンドコーティング済みガラス容器を用意した。

0032

ガラス容器表面の滑性の評価を、前記の日本ガラスびん協会規格7.14表面滑り角度測定方法に基づいて行った。無洗浄のガラス容器の測定の結果、表面滑り角度は5〜8°であった。85℃で10分間湯洗したガラス容器の測定の結果、表面滑り角度は6〜9°であった。これらのことは、無洗浄、湯洗いずれのガラス容器も、ポリエチレンコーティングが十分付着していることを示している。

0033

湯洗を行ったガラス容器15本に、実施例1と同様の方法でデンプン糊を用いて実施例1で用いたのと同じ紙製ラベルを貼り付け室温で72時間静置した。各ラベルはガラス容器に確実に貼付しており表面を指で強く擦っても全く影響を受けなかった。これらのラベルにつき剥離テストを行ったところ、◎が10本、○が5本であった。また、糊を変更し、デンプン−アクリル混合糊を用いて実施例1と同様の方法で、湯洗を行ったガラス容器15本に実施例1で用いたのと同じ紙製ラベルを貼り付け室温で72時間静置した。各ラベルはガラス容器に確実に貼付しており表面を指で強く擦っても全く影響を受けなかった。これらのラベルにつき剥離テストを行ったところ、◎が12本、○が3本であった。

0034

同様に、無洗浄のガラス容器15本に、実施例1と同様の方法でデンプン糊を用いて実施例1で用いたのと同じ紙製ラベルを貼り付け室温で72時間静置した。各ラベルはガラス容器に確実に貼付しており表面を指で強く擦っても全く影響を受けなかった。これらのラベルにつき剥離テストを行ったところ、×が15本であった。また、糊を変更し、デンプン−アクリル混合糊を用いて実施例1と同様の方法で、無洗浄のガラス容器15本に実施例1で用いたのと同じ紙製ラベルを貼り付け室温で72時間静置した。各ラベルはガラス容器に確実に貼付しており表面を指で強く擦っても全く影響を受けなかった。これらのラベルにつき剥離テストを行ったところ、×が15本であった。

0035

以上の結果から、実施例2のガラス表面処理用コーティング組成物は、コールドエンドコーティング剤としての機能を有すると共に、ガラス容器表面を水洗することによりデンプン系糊で貼り付けた紙製ラベルの易剥離性をも発現させる能力を有するものであることがわかる。

0036

[実施例3]
ポリエチレンワックスの水性エマルジョンの量を4.0mLとすることによりA−1液をA−3液に変更し、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(日本ユニカー(株)製A−1100)1.0mLに増やすことによりB−1液をB−2液に変更した以外は、実施例1と同様にガラス表面処理用コーティング組成物を調製した。このコーティング組成物を実施例1と同じ条件で同じガラス容器表面にスプレーし、以下の試験に必要な個数のコールドエンドコーティング済みガラス容器を用意した。

0037

ガラス容器表面の滑性の評価を、前記の日本ガラスびん協会規格7.14表面滑り角度測定方法に基づいて行った。無洗浄のガラス容器の測定の結果、表面滑り角度は4〜7°であった。85℃で10分間湯洗したガラス容器の測定の結果、表面滑り角度は5〜8°であった。これらのことは、無洗浄、湯洗いずれのガラス容器も、ポリエチレンコーティングが十分付着していることを示している。

0038

湯洗を行ったガラス容器15本に、実施例1と同様の方法でデンプン糊を用いて実施例1で用いたのと同じ紙製ラベルを貼り付け室温で72時間静置した。各ラベルはガラス容器に確実に貼付しており表面を指で強く擦っても全く影響を受けなかった。これらのラベルにつき剥離テストを行ったところ、◎が12本、○が3本であった。また、糊を変更し、デンプン−アクリル混合糊を用いて実施例1と同様の方法で、湯洗を行ったガラス容器15本に実施例1で用いたのと同じ紙製ラベルを貼り付け室温で72時間静置した。各ラベルはガラス容器に確実に貼付しており表面を指で強く擦っても全く影響を受けなかった。これらのラベルにつき剥離テストを行ったところ、◎が12本、○が3本であった。
以上の結果から、実施例3のガラス表面処理用コーティング組成物は、コールドエンドコーティング剤としての機能を有すると共に、ガラス容器表面を水洗することにより、デンプン系糊で貼り付けた紙製ラベルの易剥離性をも発現させる能力を有するものであることがわかる。

0039

[実施例4]
実施例1と同じ調合比で100Lのガラス表面処理用コーティング組成物を調製した。製びん工場製造ラインでホットエンドコーティング処理され、さらに徐冷炉で徐歪された外表面温度約110℃の内容量100mL、重量120gのドリンク剤用ガラス容器の表面に、2本のスプレーガンを用いて該コーティング組成物をスプレーした。スプレー量は2本の合計で150mL/分であり、スプレーは、1列36本のガラス容器に約5秒かけてスプレーガンを走行させながら行った。室温まで放冷した後、ガラス容器表面の滑性の評価を、前記の日本ガラスびん協会規格7.14表面滑り角度測定方法に基づいて行った。表面滑り角度は4〜5°であった。このことは、得られた無洗浄のガラス容器表面には、ポリエチレンコーティングが十分付着していることを示している。

0040

得られたガラス容器をバルク包装し、飲料メーカーの工場へ運搬し、ラインに流して内容物を充填した。充填後、パストライザー内で最高85℃の熱水を10分間シャワー(湯洗)した後乾燥した。次いで、ラベラーでデンプン糊を用いて紙製ラベル(125mm×40mm、88g/m2)を貼り付けた。その後、ラインで10本ずつパックし、さらに直方形の段ボールケースに5パックずつ詰め、製品とした。得られた製品から2パックをサンプリングし、室温で製造から72時間静置した。各ラベルはガラス容器に確実に貼付しており表面を指で強く擦っても全く影響を受けなかった。これらのラベルにつき剥離試験を行ったところ、◎が7本、○が13本であった。

0041

得られた段ボールケース入りの製品について、包装貨物試験を行った。ケース自由落下試験を前述の方法で行ったところ、最後の2−3−5角落下行った後も、5ケース共ガラス容器に割れは生じなかった。また、傾斜衝撃試験を別の5ケースについて行った。滑走距離を200cmまで上げても、5ケース共ガラス容器に割れは生じなかった。

0042

別の段ボールケース1箱50本のガラス容器を開栓し、内容物を破棄し洗浄した後、前述の方法で耐内圧試験を行った。50本全てについて、4.14MPaまで割れは発生しなかった。
以上の結果から、実施例4のガラス表面処理用コーティング組成物は、実用レベルで十分コールドエンドコーティング剤としての機能を有すると共に、ガラス容器表面を水洗することにより、デンプン系糊で貼り付けた紙製ラベルの易剥離性をも発現させる能力を有するものであることがわかる。

0043

[実施例5]
実施例1と同じ調合比で100Lのガラス表面処理用コーティング組成物を調製した。製びん工場の製造ラインでホットエンドコーティング処理され、さらに徐冷炉で徐歪された外表面温度約100℃の内容量120mL、重量142gのドリンク剤用ガラス容器の表面に、2本のスプレーガンを用いて該コーティング組成物をスプレーした。スプレー量は2本の合計で130mL/分であり、スプレーは、1列32本のガラス容器に約6秒かけてスプレーガンを走行させながら行った。室温まで放冷した後、ガラス容器表面の滑性の評価を、前記の日本ガラスびん協会規格7.14表面滑り角度測定方法に基づいて行った。表面滑り角度は5〜6°であった。このことは、得られた無洗浄のガラス容器表面には、ポリエチレンコーティングが十分付着していることを示している。

0044

得られたガラス容器をバルク包装し、飲料メーカーの工場へ運搬し、ラインに流して内容物を充填した。充填後、パストライザー内で最高60℃の熱水を5分間シャワー(湯洗)した後乾燥した。次いで、ラベラーでデンプン糊を用いて紙製ラベル(138mm×42mm、88g/m2)を貼り付けた。その後、ラインで10本ずつパックし、さらに直方形の段ボールケースに5パックずつ詰め、製品とした。得られた製品から2パックをサンプリングし、室温で製造から168時間静置した。各ラベルはガラス容器に確実に貼付しており表面を指で強く擦っても全く影響を受けなかった。これらのラベルにつき剥離試験を行ったところ、◎が16本、○が4本であった。

0045

以上の結果から、実施例5のガラス表面処理用コーティング組成物は、コールドエンドコーティング剤としての機能を有すると共に、ガラス容器表面を水洗することにより、デンプン系糊で貼り付けた紙製ラベルの易剥離性をも発現させる能力を有するものであることがわかる。

0046

[実施例6]
ポリエチレンワックスの水性エマルジョン(ハネウェル社製「AC#325ポリエチレンワックス:酸価25、樹脂軟化点136℃」を、乳化剤として高級アルコールエチレンオキシド付加物、中和剤としてKOHを使用して常法により製造。PE濃度は約35重量%とする)1.3mLに400mLの蒸留水を加えて混合(A−4液)。また、アミノ基を有するシランカップリング剤としてγ−アミノプロピルトリエトキシシラン(日本ユニカー(株)製A−1100)0.5mLに100mLの蒸留水を加えて混合(B−1液)。さらにA−4液とB−1液を混合し、この溶液をガラス表面処理用コーティング組成物として、これを実施例1と同じ条件で同じガラス容器表面にスプレーし、コールドエンドコーティング済みガラス容器を得る。

0047

[実施例7]
ポリエチレンワックスの水性エマルジョン(三井化学製「三井ハイワックス4051Eポリエチレンワックス:酸価12、樹脂軟化点120℃」を、乳化剤として高級アルコールエチレンオキシド付加物及び高級脂肪酸ジエタノールアミド、中和剤としてKOHを使用して常法により製造。PE濃度は約35重量%とする)1.5mLに400mLの蒸留水を加えて混合(A−5液)。また、アミノ基を有するシランカップリング剤としてγ−アミノプロピルトリエトキシシラン(日本ユニカー(株)製A−1100)0.5mLに100mLの蒸留水を加えて混合(B−1液)。さらにA−5液とB−1液を混合し、この溶液をガラス表面処理用コーティング組成物として、これを実施例1と同じ条件で同じガラス容器表面にスプレーし、コールドエンドコーティング済みガラス容器を得る。

0048

[実施例8]
ポリエチレンワックスの水性エマルジョン(三井化学製「三井ハイワックス4052Eポリエチレンワックス:酸価20、樹脂軟化点115℃」を、乳化剤として高級アルコールエチレンオキシド付加物、中和剤としてKOHを使用して常法により製造。PE濃度は約35重量%とする)1.3mLに400mLの蒸留水を加えて混合(A−6液)。また、アミノ基を有するシランカップリング剤としてγ−アミノプロピルトリエトキシシラン(日本ユニカー(株)製A−1100)0.5mLに100mLの蒸留水を加えて混合(B−1液)。さらにA−6液とB−1液を混合し、この溶液をガラス表面処理用コーティング組成物として、これを実施例1と同じ条件で同じガラス容器表面にスプレーし、コールドエンドコーティング済みガラス容器を得る。

0049

[比較例1]
ポリエチレンワックスの水性エマルジョン(ハネウェル社製 AC#392ポリエチレンワックス:酸価30、樹脂軟化点138℃)を、乳化剤として高級アルコールエチレンオキシド付加物、中和剤としてKOHを使用して常法により製造。PE濃度は約35重量%)1.35mLに400mLの蒸留水を加えて混合(A−7液)。また、アミノ基を有するシランカップリング剤としてγ−アミノプロピルトリエトキシシラン(日本ユニカー(株)製A−1100)0.5mLに100mLの蒸留水を加えて混合(B−1液)。さらにA−7液とB−1液を混合し、この溶液をガラス表面処理用コーティング組成物とした。このコーティング組成物を実施例1と同じ条件で同じガラス容器表面にスプレーし、以下の試験に必要な個数のコールドエンドコーティング済みガラス容器を用意した。

0050

ガラス容器表面の滑性の評価を、前記の日本ガラスびん協会規格7.14表面滑り角度測定方法に基づいて行った。無洗浄のガラス容器の測定の結果、表面滑り角度は4〜6°であった。85℃で10分間湯洗したガラス容器の測定の結果、表面滑り角度は7〜10°であった。これらのことは、無洗浄、湯洗いずれのガラス容器も、ポリエチレンコーティングが十分付着していることを示している。

0051

湯洗を行ったガラス容器10本に、実施例1と同様の方法でデンプン糊を用いて実施例1で用いたのと同じ紙製ラベルを貼り付けた。室温で72時間静置後ラベル剥離テストを行ったところ、10本とも×であった。以上の結果から、比較例1のガラス表面処理用コーティング組成物は、コールドエンドコーティング剤としての機能を有するが、ガラス容器表面を水洗しても、デンプン系糊で貼り付けた紙製ラベルの易剥離性を発現させないことがわかる。

0052

[実施例9]
実施例1と同じ調合比で1Lのガラス表面処理用コーティング組成物を調製した(C−1液)。また、比較例1と同じ調合比で1Lのガラス表面処理用コーティング組成物を調製した(C−2液)。C−1液:C−2液=2:1(体積比)となるよう混合し、ガラス表面処理用コーティング組成物とした。この組成物中のポリエチレンワックスの酸価は19.8である。このコーティング組成物を実施例1と同じ条件で同じガラス容器表面にスプレーし、以下の試験に必要な個数のコールドエンドコーティング済みガラス容器を用意した。

0053

ガラス容器表面の滑性の評価を、前記の日本ガラスびん協会規格7.14表面滑り角度測定方法に基づいて行った。無洗浄のガラス容器の測定の結果、表面滑り角度は6〜9°であった。85℃で10分間湯洗したガラス容器の測定の結果、表面滑り角度は7〜10°であった。これらのことは、無洗浄、湯洗いずれのガラス容器も、ポリエチレンコーティングが十分付着していることを示している。

0054

湯洗を行ったガラス容器10本に、実施例1と同様の方法でデンプン糊を用いて実施例1で用いたのと同じ紙製ラベルを貼り付け室温で100時間静置した。各ラベルはガラス容器に確実に貼付しており表面を指で強く擦っても全く影響を受けなかった。これらのラベルにつき剥離テストを行ったところ、◎が5本、○が5本であった。
以上の結果から、実施例9のガラス表面処理用コーティング組成物は、コールドエンドコーティング剤としての機能を有すると共に、ガラス容器表面を水洗することにより、デンプン系糊で貼り付けた紙製ラベルの易剥離性をも発現させる能力を有するものであることがわかる。

0055

[実施例10]
実施例1と同じ調合比で1Lのガラス表面処理用コーティング組成物を調製した(C−1液)。また、比較例1と同じ調合比で1Lのガラス表面処理用コーティング組成物を調製した(C−2液)。C−1液:C−2液=1:1(体積比)となるよう混合し、ガラス表面処理用コーティング組成物とした。この組成物中のポリエチレンワックスの酸価は22.2である。このコーティング組成物を実施例1と同じ条件で同じガラス容器表面にスプレーし、以下の試験に必要な個数のコールドエンドコーティング済みガラス容器を用意した。

0056

ガラス容器表面の滑性の評価を、前記の日本ガラスびん協会規格7.14表面滑り角度測定方法に基づいて行った。無洗浄のガラス容器の測定の結果、表面滑り角度は5〜8°であった。85℃で10分間湯洗したガラス容器の測定の結果、表面滑り角度は7〜10°であった。これらのことは、無洗浄、湯洗いずれのガラス容器も、ポリエチレンコーティングが十分付着していることを示している。

発明を実施するための最良の形態

0057

湯洗を行ったガラス容器10本に、実施例1と同じ方法でデンプン糊を用いて実施例1で用いたのと同じ紙製ラベルを貼り付け室温で100時間静置した。各ラベルはガラス容器に確実に貼付しており表面を指で強く擦っても全く影響を受けなかった。これらのラベルにつき剥離テストを行ったところ、◎が3本、○が7本であった。
以上の結果から、実施例10のガラス表面処理用コーティング組成物は、コールドエンドコーティング剤としての機能を有すると共に、ガラス容器表面を水洗することにより、デンプン系糊で貼り付けた紙製ラベルの易剥離性をも発現させる能力を有するものであることがわかる。

図面の簡単な説明

0058

本発明のガラス表面処理用コーティング組成物は、ガラス製品、とりわけガラス容器用コールドエンドコーティング組成物としてガラス容器表面の傷付き防止機能を有し、且つこれを用いてコーティングを施し、内容物の充填前の洗浄又は充填後の殺菌のための熱水シャワー等により湯洗したガラス容器にデンプン系の糊を用いてラベルを貼付した場合、流通過程ではラベルが自然に剥離するおそれはないが、使用後リサイクルするときには、容易にラベルを剥離することができる。また、本発明のガラス表面処理用コーティング組成物は、板ガラスの表面にコーティングした場合、表面摩擦係数を低下させ傷の発生を防止し、よって板ガラスの強度劣化を防止できる。

図1
表面滑り角度測定方法を示す概要図。
【符号の説明】
11〜13=試料びん、14=びん保持台、15=目盛り板、16=ハンドル、17=平行調整ネジ

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